JP6902412B2 - 火煙遮断材、火煙遮断方法、耐火間仕切り構造、およびその形成方法 - Google Patents
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Description
図14に示すように、フラットデッキプレート10は、梁20に敷き込まれ接合されている。またフラットデッキプレート10が梁20から外れてしまうことを防止するために、フラットデッキプレート10の長手方向両端部で、フラットデッキプレート10から梁20に渡って継ぎ筋30が溶着されている。
図15に示すように、フラットデッキプレート10は、フラットデッキプレート10を構成する金属板を断面が三角形に折り曲げて形成した補鋼用リブ11が複数設けられている。
図16に示すように、フラットデッキプレート10の上にコンクリートを打設することで、床スラブ40が形成される。
図17に示すように、フラットデッキプレート10の下面と、壁体用のランナーと呼ばれる仕切り用横架材51との間に形成される隙間に、隙間よりも大きく弾性のある耐火材60を挿入することで、壁体50と間仕切り用横架材51との間に形成される隙間を閉塞し、防火区画を形成している。
この中空部11cすべてを中空とせずに、金属などで閉塞することも考えられるが、これではフラットデッキプレート10重量が大幅に加算してしまい、敷き込み作業の効率が低下してしまう。また補鋼用リブ11の内部の必要な箇所だけ耐熱材を中空部11cに詰め込むことで隙間を閉塞することも考えられるが、金属板で囲まれた補鋼用リブ11に耐熱材を挿入するには、フラットデッキプレート10の長手方向の端部から挿入するしかなく、その端部から挿入した耐熱材を所望の位置に正確に設置するのは困難である。
される防火区画でフラットデッキプレートが有する補鋼用リブの中空部内を、火煙が貫通することを防止する火煙遮断装置において、前記壁体と接する前記補鋼用リブの下面に設けた切欠きから挿入され、火災時に前記中空部の貫通面を遮断する火煙遮断材を備えることを特徴とする火煙遮断装置が提供される。
これにより、壁体と接する補鋼用リブの下面に設けた切欠きから挿入された火煙遮断材が、火災時に中空部の貫通面を遮断する。
これにより、壁体と接する補鋼用リブの下面に設けた切欠きから挿入された火煙遮断材が、火災時に中空部の貫通面を遮断する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る火煙遮断装置の一例を示す図である。
図1に示すように、火煙遮断装置100は、円柱部101、テーパー部102、フランジ部103、およびツマミ部104を備えている。
図2に示すように、フラットデッキプレート10の下面には補鋼用リブ11が設けられている。補鋼用リブ11は2枚の斜面11aと底面11bとで形成された断面が三角形状をしており、三角形の内部を中空とした中空部11cを備えており、その2枚の斜面11aの頂点から合わさった金属板は垂直方向に折り曲げられ、フラットデッキプレート10の平面へ繋がる合わせ部11dとで構成されている。
図3に示すように、火煙遮断装置100は、コアドリル200で補鋼用リブ11の下面に穿孔した切欠きCから中空部11c内に挿入する。
円状の切欠きCの径は32mmであり、火煙遮断装置100の先端はテーパー部102が備えられており、円柱部101の径は30mmであるため容易に切欠きCから中空部11cに挿入できるが、フランジ部103の径は35mmで形成されている。
図4に示すように、フラットデッキプレート10に設けられる補鋼用リブ11内部の中空部11cのうち、壁体50が設置される位置に火煙遮断装置100が挿入されている。
図5に示すように、フラットデッキプレート10の下部に設けられた補鋼用リブ11の中空部11cうち、壁体50が設置される位置に火煙遮断装置100は設置されている。
図5(a)に示すように、中空部11c内に設置された火煙遮断装置100と補鋼用リブ11との間には若干ながら隙間が生じることがある。このように火煙遮断装置100と補鋼用リブ11との間に隙間があると、この隙間を通って火災や煙が隣接する空間に拡大する恐れがあるが、次に説明するように火災発生時には火煙遮断装置100が膨張するため、この隙間を閉塞することができる。
図5(b)に示すように、火災発生に伴い生じる温度上昇によって、一定の温度を超えると火煙遮断装置100が膨張し、図5(a)で生じていた隙間を火煙遮断装置100が閉塞することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態の火煙遮断装置110は、火煙遮断装置110の形状が異なる以外は、第1の実施の形態で示した構成とほぼ同様である。このため、上記第1の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付すなどして適宜その説明を省略する。
図6に示すように、火煙遮断装置110は、本体部111、テーパー部112、側面部113、および底面部114を備えている。
図7に示すように、火煙遮断装置110は、コアドリル200で補鋼用リブ11の下面に穿孔した円状の切欠きCから中空部11c内に挿入する。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態の火煙遮断装置120は、火煙遮断装置120の形状が異なる以外は、第1の実施の形態で示した構成とほぼ同様である。このため、上記第1の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付すなどして適宜その説明を省略する。
図8に示すように、火煙遮断装置120は、2枚の側面部121、底面部122、注入口123、および、ここでは図示しない熱膨張ゴム124を備えている。
また底面部122の各辺および底面部122の対角線は、円状の切欠きCの径32mmと同じか、それよりも若干小さな長さで形成される。これにより円状の切欠きCから容易に中空部11Cに火煙遮断装置120を挿入することができる。
また底面部122には、後に半固形状の熱膨張ゴム124を注入するための注入口123が備えられている。
図9(a)に示すように、火煙遮断装置120は、コアドリル200で補鋼用リブの下面に穿孔した切欠きCから中空部11c内に挿入する。火煙遮断装置120は、2枚の側面部121が補鋼用リブ11の長手方向に向くように、つまり2枚の側面部121が中空部11Cの貫通面を遮断するように挿入する。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態の火煙遮断装置130は、火煙遮断装置130の形状が異なる以外は、第1の実施の形態で示した構成とほぼ同様である。このため、上記第1の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付すなどして適宜その説明を省略する。
図10に示すように、火煙遮断装置130は、遮断面131、熱膨張ゴム層132、フランジ面133、およびネジ穴134を備えている。
遮断面131は、補鋼用リブ11の断面にみられる三角形を完全に覆うことのできる面積を備えたものであり、幅50mm高さ50mmを超えるものであるとよい。また遮断面131の両表面には一定の温度になると膨張する性能を備えた熱膨張ゴムが被覆してある。
フランジ面133には、後に火煙遮断装置130を補鋼用リブ11に固定する際に使用するネジやボルトを挿入するためのネジ穴134があけられている。
図11に示すように、まずは火煙遮断装置130を補鋼用リブ11の内部に挿入するための切欠きCを設ける。切欠きCは、設置する壁体50の取り付け位置に合わせて底面11bにグラインダー300などを利用して補鋼用リブ11の長手方向に対して垂直な直線の切欠きを設ける。
図12に示すように、グラインダー300で補鋼用リブの下面の形成した切欠きCから中空部11c内に向けて火煙遮断装置130が備える遮断面131を挿入する。
図13に示すように、フラットデッキプレート10に設けられる補鋼用リブ11内部の中空部11cのうち、壁体50が設置される位置に火煙遮断装置130が挿入されている。
図13(a)に示すように、中空部11c内に設置された火煙遮断装置130と補鋼用リブ11に設けられた切欠きCとの間には若干ながら隙間が生じることがある。このように火煙遮断装置100と補鋼用リブ11との間に隙間があると、この隙間を通って火災や煙が隣接する空間に拡大する恐れがある。
図12(b)に示すように、火災発生に伴い生じる温度上昇によって、一定の温度を超えると火煙遮断装置130が膨張し、図12(a)で生じていた隙間を火煙遮断装置100が備える熱膨張ゴム層132が閉塞することができる。
11 補鋼用リブ
11a 斜面
11b 底面
11c 中空部
11d 合わせ部
20 梁
30 筋
40 床スラブ
50 壁体
51 間仕切り用横架材
60 耐火材
100、110、120、130 火煙遮断装置
101 円柱部
102、112 テーパー部
103 フランジ部
104 ツマミ部
104a 凹部
104b 突起部
111 本体部
113、121 側面部
114、122 底面部
123 注入口
124 熱膨張ゴム
131 遮断面
132 熱膨張ゴム層
133 フランジ面
134 ネジ穴
135 ネジ
200 コアドリル
300 グラインダー
C、C1、C2、C3 切欠き
Claims (18)
- 壁体によって区分される防火区画でフラットデッキプレートが有する補鋼用リブの中空部内を、火煙が貫通することを防止する火煙遮断装置において、
前記壁体と接する前記補鋼用リブの下面に設けた切欠きから挿入され、火災時に前記中空部の貫通面を遮断する火煙遮断材、
を備えることを特徴とする火煙遮断装置。 - 前記火煙遮断材は、
火災時の過熱により膨張することで前記貫通面との隙間を閉塞する熱膨張材であることを特徴とする請求項1記載の火煙遮断装置。 - 前記火煙遮断材は、
前記中空部内に挿入される前記切欠きの開口部より大径のフランジ部、
を備えることを特徴とする請求項2記載の火煙遮断装置。 - 前記火煙遮断材は、
前記中空部の貫通面よりも大型で弾性のある耐熱材であることを特徴とする請求項2記載の火煙遮断装置。 - 前記熱膨張材は、
熱膨張性耐火ゴムであることを特徴とする請求項2記載の火煙遮断装置。 - 前記切欠きの開口部は、
円形の孔であることを特徴とする請求項3記載の火煙遮断装置。 - 前記火煙遮断材は、
前記貫通面を遮断する板材であることを特徴とする請求項1記載の火煙遮断装置。 - 前記板材は、
前記貫通面方向に耐火面を備えることを特徴とする請求項7記載の火煙遮断装置。 - 前記耐火面は、
熱膨張耐火ゴム層であることを特徴とする請求項8記載の火煙遮断装置。 - 前記板材は、
前記補鋼用リブと固定するための固定部、
を備えることを特徴とする請求項7記載の火煙遮断装置。 - 前記固定部は、
前記板材の断面がL字に折り曲げられたフランジ面と、補鋼用リブの下面とが締結材で締結されることを特徴とする請求項10記載の火煙遮断装置。 - 前記切欠きは、
垂直に前記中空部の周面を前記板材の厚さで形成したことを特徴とする請求項7記載の火煙遮断装置。 - 前記火煙遮断材は、
前記貫通面を遮る枠材と、
前記枠材の間に充填された耐火材と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の火煙遮断装置。 - 前記枠材は、
前記充填された耐火材が貫通面方向への流出を防止する2枚の側面板と、
前記2枚の側面板を連結し、前記充填された耐火材が前記中空部の下部からの流出を防止する底面板と、
前記耐火材を充填するための注入口と、
を備えることを特徴とする請求項13記載の火煙遮断装置。 - 前記耐火材は、
粘性のある半固形体であることを特徴とする請求項13記載の火煙遮断装置。 - 壁体によって区分される防火区画でフラットデッキプレートが有する補鋼用リブの中空部内を、火煙が貫通することを防止する火煙遮断方法において、
火煙遮断材が、前記壁体と接する前記補鋼用リブの下面に設けた切欠きから挿入され、火災時に前記中空部の貫通面を遮断する工程、
を備えることを特徴とする火煙遮断方法。 - フラットデッキプレートの長さ方向に設けられた内部に中空部を有する補鋼用リブにより、天井面を凹凸にした建築物の内部を区分する防火区画の耐火間仕切り構造において、 設置される壁体と接する前記補鋼用リブの下面に設けた切欠きから挿入され、火災時に前記中空部の貫通面を遮断する火煙遮断材と、
前記火煙遮断材の下側に渡って設けられる耐火構造を備えた壁体と、
前記壁体とデッキプレートの凹凸面との間に形成される開口部を閉塞する耐火部材と、 を備えることを特徴とする耐火間仕切り構造。 - フラットデッキプレートの長さ方向に設けられた内部に中空部を有する補鋼用リブにより、天井面を凹凸にした建築物の内部を区分する防火区画の耐火間仕切り構造の形成方法において、
設置される壁体と接する前記補鋼用リブの下面に切欠きを形成する工程と、
前記切欠きから火災時に前記中空部の貫通面を遮断する火煙遮断材を挿入して固定する工程と、
前記火煙遮断材の下側に渡って耐火構造を備えた壁体を設置する工程と、
前記壁体とデッキプレートの凹凸面との間に形成される開口部を耐火部材で閉塞する工程と、
を備えることを特徴とする耐火間仕切り構造の形成方法。
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