<第1実施形態>
図1には、第1実施形態に係る画像処理システムの一例が示されている。画像処理システムは、一例として、画像を読み取る機能を備えた画像読取デバイス10と、画像を処理する機能を備えたコントローラ基板12と、ケーブル14と、を含む。画像読取デバイス10による画像読取によって生成された画像信号は、ケーブル14を介して、コントローラ基板12に送られる。
画像読取デバイス10は、センサ16とAFE(アナログフロントエンド)18とを含む。
センサ16は、例えば、CCDやCISによって構成され、画像を読み取る機能を備えている。もちろん、別の画像読取センサがセンサ16として用いられてもよい。AFE18から予め定められた周期に従って基本クロック信号(CLK)がセンサ16に送られ、センサ16は、基本クロック信号(CLK)に同期して画像読取を行う。これにより、基本クロック信号(CLK)に同期して、アナログ信号としての画像信号が生成される。画像信号は、センサ16からAFE18に送られる。
画像読取の方式として、例えば線順次方式が採用される。線順次方式では、センサ16はラインセンサを含み、R(赤)の光(ライン状の光)、G(緑)の光(ライン状の光)、及び、B(青)の光(ライン状の光)を、予め定められた画像読取の周期(1周期の長さは、1CLK分の長さに相当する)に従って順番に点灯させ、R,G,Bの各色の画像をラインセンサによって読み取る。その読み取りの順番及び周期に従って、Rラインの画像信号、Gラインの画像信号、及び、Bラインの画像信号が、順次、生成される。例えば、1CLK毎に各画像信号が生成される。センサ16を主走査方向(ラインセンサが延在する方向と交差する方向(例えば直交する方向))に移動させながらセンサ16に画像を読み取らせることで、ライン単位で画像が読み取られ、1ライン毎に、互いに異なる色の画像信号(Rラインの画像信号、Gラインの画像信号及びBラインの画像信号)が生成される。
線順次方式以外の方式として、点順次方式が採用されてもよい。点順次方式では、センサ16は、Rの光(点状の光)、Gの光(点状の光)及びBの光(点状の光)を、予め定められた画像読取の周期(1周期の長さは、1CLK分の長さに相当する)に従って順番に点灯させ、R,G,Bの各色の画像を読み取る。その読み取りの順番及び周期に従って、Rの画像信号、Gの画像信号、及び、Bの画像信号が、順次、生成される。例えば、1CLK毎に各画像信号が生成される。センサ16を移動させながらセンサ16に画像を読み取らせることで、画素(ピクセル)単位で画像が読み取られ、1画素毎に、Rの画像信号、Gの画像信号及びBの画像信号が生成される。例えば、センサ16を副走査方向に移動させながらセンサ16に画像を読み取らせ、更に、センサ16を主走査方向(例えば副走査方向に直交する方向)に移動させることで、各画素の画像が読み取られる。
AFE18は、アナログ信号としての画像信号をセンサ16から受けて、画像信号にオフセット調整や増幅等の処理を適用することで、デジタル信号としての画像信号を生成する機能を備えている。
また、AFE18は、基本クロック信号(CLK)に同期して、各画像の読み取り開始時点を示す同期信号を生成する。これにより、1CLK毎に同期信号が生成される。線順次方式が採用されている場合、AFE18は、各ラインの画像の読み取り開始時点を示す同期信号を生成する。例えば、AFE18は、Rラインの画像信号に対応する同期信号(Rラインの画像の読み取り開始時点を示す信号)、Gラインの画像信号に対応する同期信号(Gラインの画像の読み取り開始時点を示す信号)、及び、Bラインの画像信号に対応する同期信号(Bラインの画像の読み取り開始時点を示す信号)を生成する。点順次方式が採用されている場合、AFE18は、各画素の画像の読み取り開始時点を示す同期信号を生成する。各色の画像信号、同期信号、及び、基本クロック信号(CLK)は、ケーブル14を介して、画像読取デバイス10からコントローラ基板12に送られる。以下では、AFE18によって生成されたデジタル信号としての画像信号を「入力画像信号」と称することとする。
以下では、一例として、線順次方式によって画像が読み取られたものとする。この場合、ラインの同期信号として、例えばHSYNC(Horizontal Synchronizing signal)が用いられる。各ラインの入力画像信号に基づいて出力画像信号を生成する際に(例えば入力画像信号を用いて画像を描画する際に)、この同期信号(HSYNC)を利用することで、主走査方向に対する各ラインの画像の位置合わせが行われる。
コントローラ基板12は、画像処理装置の一例としての画像処理回路20を含む。画像処理回路20は、画像読取デバイス10から送られたデジタル信号としての入力画像信号を受け付け、入力画像信号に対して画像処理を適用する機能を備えている。画像処理回路20は、例えば、各色の入力画像信号、それに対応する同期信号、及び、基本クロック信号(CLK)を受け付け、同期信号を利用することで、ライン毎に、Rラインの入力画像信号とGラインの入力画像信号とBラインの入力画像信号とを合成し、これにより出力画像信号を生成する。
出力画像信号は、例えば、画像出力装置の一例としての印刷装置に出力され、印刷装置では、出力画像信号に従って印刷が行われてもよい。別の例として、出力画像信号は、表示装置に出力され、表示装置では、出力画像信号に従って画像が表示されてもよい。本実施形態に係る画像処理システムは、印刷装置に搭載されてもよいし、表示装置等に搭載されてもよい。
第1実施形態では、画像伝送方式として、LVDS(Low Voltage Differential Signal)規格に従った伝送方式が用いられる。図2には、LVDS規格に従った信号(以下、「LVDS信号」と称する)の一例が示されている。LVDS信号は、5ビット(bit)の信号と30ビット(bit)の入力画像信号とによって構成されている。5ビットの信号には、「H」を示す信号、「L」を示す信号、又は、同期信号のような予め定められたタイミングでトグルされる信号等が埋め込まれる。第1実施形態では、後述するように、5ビットの中の数ビットの信号が、上記の同期信号として用いられる。なお、LVDS規格が用いられているが、LVDS規格以外の規格であっても、入力画像信号以外に複数ビットの信号を含み得る規格が用いられてもよい。
以下、図3を参照して、画像処理回路20について詳しく説明する。図3は、画像処理回路20を示すブロック図である。画像処理回路20は、LVDSレシーバ22、ノイズキャンセル回路24、画像書込回路26、メモリ28、及び、画像読出回路30を含む。
LVDSレシーバ22は、画像読取デバイス10のAFE18から送られたLVDS信号(5ビットの信号と30ビットの入力画像信号)をケーブル14経由で受け付け、差動の信号をシングルの信号に変換し、30ビットの入力画像信号(DATA)と5ビットの信号(Signal)を抽出する機能を備えている。30ビットの入力画像信号と5ビットの信号は、後段のノイズキャンセル回路24に出力される。また、LVDSレシーバ22は、AFE18から送られた基本クロック信号(DCLK)を受け付け、基本クロック信号(CLK)をノイズキャンセル回路24に出力する。
ノイズキャンセル回路24は、30ビットの入力画像信号と5ビットの信号を受け付け、ノイズの影響を除去することで、ノイズの影響が除去された入力画像信号と同期信号を出力する機能を備えている。ノイズは、例えば、静電気等の電気的なノイズであり、伝送中の信号に重畳される。ノイズキャンセル回路24による処理について後で詳しく説明する。また、基本クロック信号(CLK)が、ノイズキャンセル回路24から画像書込回路26に出力される。
画像書込回路26は、ノイズキャンセル回路24から出力された入力画像信号と同期信号と基本クロック信号(CLK)とを受け付けて、入力画像信号をメモリ28に書き込む(記憶させる)機能を備えている。具体的には、画像書込回路26は、同期信号を利用することで、メモリ28において、Rラインの入力画像信号をR用のメモリに書き込み、Gラインの入力画像信号をG用のメモリに書き込み、Bラインの入力画像信号をB用のメモリに書き込む。
画像読出回路30は、メモリ28に書き込まれた(記憶された)入力画像信号を出力画像信号として読み出し、その出力画像信号を出力する機能を備えている。具体的には、画像読出回路30は、R用のメモリからRラインの入力画像信号を読み出し、G用のメモリからGラインの入力画像信号を読み出し、B用のメモリからBラインの入力画像信号を読み出し、各入力画像信号を合成することで出力画像信号を生成し、その出力画像信号を出力する。画像読出回路30は、各ラインの各入力画像信号を読み出すことで各ラインの出力画像信号を生成して出力する。出力画像信号は、例えば印刷装置に出力され、印刷装置にて出力画像信号に従って印刷が行われてもよいし、表示装置に出力され、表示装置にて出力画像信号に従って画像が表示されてもよい。
以下、図4を参照して、ノイズキャンセル回路24について詳しく説明する。図4は、第1実施形態に係るノイズキャンセル回路24を示すブロック図である。ノイズキャンセル回路24は、受付部32、認識部34、及び、出力部36を含む。
受付部32は、LVDSレシーバ22から送られた30ビットの入力画像信号、各色の同期信号、及び、基本クロック信号(CLK)を受け付ける機能を備えている。上述したように、センサ16は、予め定められた画像読取の周期(1CLK分の長さに相当する周期)に従って画像を読み取り、入力画像信号、同期信号、及び、基本クロック信号(CLK)が、画像読取デバイス10からコントローラ基板12に、周期的に送られてくる。受付部32は、そのように周期的に送られてくる入力画像信号、周期信号、及び、基本クロック信号(CLK)を受け付ける。
認識部34は、入力画像信号に基づいて出力画像信号を生成するために利用される真正の同期信号を認識する機能を備えている。
出力部36は、受付部32によって受け付けられた入力画像信号と同期信号を後段の画像書込回路26に出力する機能を備えている。
以下、認識部34による処理について詳しく説明する。
第1実施形態では、同期信号として、信号パターンを有する同期信号が用いられる。また、各色の同期信号は、互いに異なる信号パターンを有する。このような同期信号は、上記の5ビットの信号を用いて表される。例えば、5ビットの中の4ビットの情報を利用して、色毎に異なる同期信号が生成される。具体的には、R用の同期信号は「0101」(R用の規定パターン)で表され、G用の同期信号は「1010」(G用の規定パターン)で表され、B用の同期信号は「1001」(B用の規定パターン)で表される。これらの同期信号は、AFE18によって生成される。
認識部34は、上記の信号パターンを有する同期信号を受け、その信号パターンに基づいて、同期信号に対応する入力画像信号が表す色(つまり、同期信号に対応する色)を識別する。
具体的には、受け付けた同期信号の信号パターンがR用の規定パターンに対応している場合(例えば、信号パターンがR用の規定パターンと一致する場合)、認識部34は、その同期信号に対応する色を「R(赤)」と識別し、その同期信号をR用の真正の同期信号として認識する。同様に、信号パターンがG用の規定パターンに対応している場合(例えば、信号パターンがG用の規定パターンと一致する場合)、認識部34は、その同期信号に対応する色を「G(緑)」と識別し、その同期信号をG用の真正の同期信号として認識する。同様に、信号パターンがB用の規定パターンに対応している場合(例えば、信号パターンがB用の規定パターンと一致する場合)、認識部34は、その同期信号に対応する色を「B(青)」と識別し、その同期信号をB用の真正の同期信号として認識する。
出力部36は、認識部34によって真正の同期信号として認識された同期信号とその同期信号に対応する入力画像信号を、後段の画像書込回路26に出力する。
画像書込回路26は、出力部36から出力された入力画像信号と同期信号(真正の同期信号)を受けて、入力画像信号をメモリ28に書き込む。上記のように、同期信号が有する信号パターンに基づいて各同期信号に対応する色が識別されているので、画像書込回路26は、その識別結果を利用することで、Rラインの入力画像信号をR用のメモリに書き込み、Gラインの入力画像信号をG用のメモリに書き込み、Bラインの入力画像信号をB用のメモリに書き込んでもよい。画像読出回路30は、このようにして書き込まれた各色の入力画像信号をライン毎にメモリ28から読み出し、ライン毎に、各色の入力画像信号を合成することで出力画像信号を生成して出力する。これにより、各ラインの出力画像信号が生成される。
一方、受付部32によって受け付けられた同期信号の信号パターンが、R用の規定パターン、G用の規定パターン、又は、B用の規定パターンのいずれにも該当しない場合、認識部34は、その同期信号を真正の同期信号として認識しない(例えば、その同期信号を不真正の同期信号として認識する)。この場合、出力部36は、真正の同期信号として認識されなかった同期信号とその同期信号に対応する入力画像信号を画像書込回路26に出力しない。画像書込回路26は、真正の同期信号に対応する入力画像信号をメモリ28に書き込み、画像読出回路30は、メモリ28に書き込まれた入力画像信号を読み出して出力画像信号を生成して出力する。このように、真正の同期信号として認識されなかった同期信号に対応する入力画像信号を用いずに出力画像信号が生成される。
以上のように、第1実施形態によれば、同期信号が複数ビットの信号パターンによって構成され、その信号パターンによって同期信号が識別される。そのため、同期信号にノイズが重畳した場合であっても、同期信号を1ビットの信号によって構成する場合と比べて、同期信号の入力又は未入力がより正確に認識され、同期信号の誤認識に起因する画像の位置ずれ(画像ずれ)や色ずれ(各色成分の画像の位置ずれ)の発生が抑制される。また、同期信号を1ビットの信号によって構成する場合と比べて、同期信号が示す色がより正確に識別されるので、その同期信号に対応する入力画像信号が表す色がより正確に識別される。
ここで、あるライン(例えば1番目のライン)の同期信号(例えばB用の同期信号)にノイズが重畳して画像処理回路20に入力されなかった場合について検討してみる。例えば、Rライン、Gライン及びBラインの順番で各画像が読み取られるものとする。この場合、1番目の同期信号がRラインの入力画像信号に対応しており、2番目の同期信号がGラインの入力画像信号に対応しており、3番目の同期信号がBラインの入力画像信号に対応している。以降についても、その順番で同期信号と入力画像信号が生成されて出力される。
まず、比較例による処理について説明する。比較例では、同期信号を1ビットの信号(例えば「H」又は「L」を示す信号)によって構成し、「H」,「L」によって同期信号の入力と未入力を認識するものとする。1番目のラインのB用の同期信号にノイズが重畳してその同期信号が画像処理回路に入力されない場合、そのB用の同期信号の次に入力された同期信号(次の同期信号は、次のラインである2番目のラインのR用の同期信号)が、1番目のラインのB用の同期信号として認識される。そうすると、1番目のラインについてのRラインの入力画像信号、1番目のラインについてのGラインの入力画像信号、及び、2番目のラインについてのRラインの入力画像信号が、1番目のラインの入力画像信号として認識され、これらの入力画像信号に基づいて出力画像信号が生成される。2番目のラインについてのRラインの入力画像信号は、2番目のラインとして出力や描画される予定の信号であるが、上記の場合、1番目のラインとして出力や描画されることになる。つまり、2番目のラインについてのRラインの入力画像の位置がずれ(より詳しく説明すると、Rラインの入力画像の位置(描画位置)が主走査方向に沿って1番目のラインの位置にずれる)、これにより、再現されるべき色が本来の色からずれることになる。2番目以降のラインについても同様に、画像の位置ずれと色ずれが発生する。このように、比較例では、あるラインについての同期信号にノイズが重畳してその同期信号が画像処理回路に入力されない場合、そのライン及び他のラインにおいて画像の位置ずれや色ずれが発生することになる。
第1実施形態では、信号パターンに基づいて各色の同期信号が識別されるので、1番目のラインについてB用の同期信号が入力されなかった場合、認識部34は、1番目のラインについてB用の同期信号が受付部32によって受け付けられていないと認識する。この場合において、1番目のラインについてR用の同期信号とG用の同期信号が真正の同期信号として認識された場合、画像書込回路26は、1番目のラインについて、Rラインの入力画像信号とGラインの入力画像信号をメモリ28に書き込み、画像読出回路30は、Rラインの入力画像信号とGラインの入力画像信号をメモリ28から読み出し、それらを合成して出力画像信号を生成して出力する。次のラインである2番目のラインについて、R用の同期信号、G用の同期信号、及び、B用の同期信号が、真正の同期信号として認識された場合、2番目のラインについてのRラインの入力画像信号、Gラインの入力画像信号、及び、Bラインの入力画像信号が、メモリ28に書き込まれ、それらの入力画像信号が読み出されて出力画像信号が生成される。このように、2番目のラインについては、2番目のラインについての入力画像信号に基づいて出力画像信号が生成されるので、2番目のラインの画像は正常に生成される。3番目以降のラインについても同様である。このように、ノイズが同期信号に重畳した場合であっても、そのノイズの影響を受けるのは、ノイズの影響を受けた同期信号に対応するラインの画像であり、それ以降のラインの画像はノイズの影響を受けない。その結果、上記の比較例と比べて、画像の位置ずれや色ずれの発生が抑制される。
また、第1実施形態によれば、同期信号が示す色が識別されるので、以下のような処理が行われてもよい。例えば、受付部32が連続して3つの同期信号を受け付けたときに、それら3つの同期信号の中に同じ色についての複数の同期信号が含まれている場合、その複数の同期信号の中で受付部32によって先に受け付けられた同期信号は、後から受け付けられた同期信号とは異なるラインについての同期信号であると識別される。例えば、ノイズ等の影響を受けない場合、受付部32は、R用の同期信号、G用の同期信号、及び、B用の同期信号を連続して受け付ける。そのため、それら3つの同期信号の中には同一の色についての複数の同期信号が含まれることがない。一方、ノイズ等の影響によって、受付部32が、R用の同期信号、G用の同期信号、及び、R用の同期信号を連続して受け付けた場合、先のR用の同期信号と後のR用の同期信号は、互いに異なるラインについての同期信号であると識別される。このような識別が可能となるため、後のR用の同期信号が、先のラインについての同期信号であると誤認識されることが防止される。
上記の例では、カラー画像が対象となっているが、白黒画像が対象となってもよい。白黒画像とは、白又黒の2階調で表現される画像であってもよいし、グレースケールによって表現される画像(例えば256階調で表現される画像)であってもよい。白黒画像が対象となる場合においても、同期信号は、予め定められた信号パターンを有し、この信号パターンを有する同期信号が真正の同期信号として認識される。ライン毎に画像を読み取ることで、各ラインの入力画像信号(白黒画像信号)が生成され、同期信号を利用して、主走査方向に沿って各ラインの入力画像信号を描画することで、出力画像信号が生成される。同期信号にノイズが重畳して同期信号が画像処理回路20に入力されない場合であっても、第1実施形態によれば、比較例と比べて、各ラインの画像の位置ずれ(主走査方向への画像の位置ずれ)の発生が抑制される。
なお、上記の例では、線順次方式が用いられているが、点順次方式が用いられてもよい。この場合においても、入力画像信号に対応する同期信号が信号パターンに基づいて認識される。これにより、カラー画像が生成される場合、比較例と比べて、画像の位置ずれや色ずれの発生が抑制され、白黒画像が生成される場合、比較例と比べて、画像の位置ずれの発生が抑制される。
<第2実施形態>
以下、図5及び図6を参照して、第2実施形態に係る画像処理システムについて説明する。図5は、第2実施形態に係るノイズキャンセル回路24Aを示すブロック図である。図6は、タイミングチャートを示す図である。
第2実施形態に係る画像処理システムは、第1実施形態に係るノイズキャンセル回路24の代りに、図5に示されているノイズキャンセル回路24Aを含む。ノイズキャンセル回路24A以外の構成は、第1実施形態に係る構成と同じである。以下、ノイズキャンセル回路24Aについて説明する。
ノイズキャンセル回路24Aは、受付部32、マスク設定部38、及び、出力部36を含む。受付部32と出力部36は、第1実施形態と同じ機能を備えているため、その説明を省略する。
マスク設定部38は、受付部32が同期信号を受け付けた後に、受付部32による同期信号の受け付けを禁止するマスク期間(受付禁止期間の一例に相当する)を設定する機能を備えている。例えば、マスク設定部38は、色毎にマスク期間を設定する。第2実施形態では、各色のマスク期間の長さは同じである。例えば、受付部32が同期信号を受け付けた時点が、マスク期間の始点として設定される。また、マスク期間の長さは、例えば基本クロック信号分の長さ(1CLK分の長さ)未満である。より詳しく説明すると、マスク期間の長さは、センサ16による1ラインの画像読取時間の長さ(1つの色ラインの画像を読み取るのに要する時間の長さ)に基づいて定められ、例えば、その画像読取時間の長さ未満である。つまり、マスク期間は、受付部32が同期信号を受け付けた時点(始点)から、受付部32が次の同期信号を受け付けると予測される時点よりも前の時点(終点)までに亘って設定される。センサ16は、予め定められた画像読取の周期(1周期の長さは、1CLK分の長さに相当する)に従って予め定められた色の順番で画像読取を行うため、各色の入力画像信号と同期信号が受付部32によって受け付けられるタイミングは予め定められており、そのタイミングは予測される。より詳しく説明すると、最初の同期信号(例えば1番目のラインのR用の同期信号)が受付部32によって受け付けられると、その受け付けの時点を始点として、それ以降の受付部32による同期信号の受け付けのタイミングが予測される。センサ16による画像の読み取りは、1CLK毎に行われるので、1CLK毎に同期信号が受付部32によって受け付けられると予測される。マスク設定部38は、その画像読取の周期に従って、長さが固定されたマスク期間を設定する。換言すると、マスク設定部38は、1CLK毎に、長さが固定されたマスク期間を設定する。なお、受付部32は、マスク期間中であっても入力画像信号を受け付ける。
以下、図6を参照して、マスク設定部38による処理について詳しく説明する。図6には、ノイズキャンセル回路24Aに入力される入力画像信号や同期信号、ノイズキャンセル回路24Aから出力される入力画像信号や同期信号の一例が示されている。
入力データ40R1,40G1,40B1は、1番目のラインについての入力画像信号を表わしている。入力データ40R1は、Rラインの入力画像信号を表わしており、入力データ40G1は、Gラインの入力画像信号を表わしており、入力データ40B1は、Bラインの入力画像信号を表わしている。
同様に、入力データ40R2,40G2,40B2は、2番目のラインについての入力画像信号を表わしている。入力データ40R2は、Rラインの入力画像信号を表わしており、入力データ40G2は、Gラインの入力画像信号を表わしており、入力データ40B2は、Bラインの入力画像信号を表わしている。
また、同期信号42R1,42G1,42B1(入力BOS)は、1番目のラインについての同期信号を表わしている。同期信号42R1は、入力データ40R1に対応する同期信号であり、同期信号42G1は、入力データ40G1に対応する同期信号であり、同期信号42B1は、入力データ40B1に対応する同期信号である。
同様に、同期信号42R2,42G2,42B2(入力BOS)は、2番目のラインについての同期信号を表わしている。同期信号42R2は、入力データ40R2に対応する同期信号であり、同期信号42G2は、入力データ40G2に対応する同期信号であり、同期信号42B2は、入力データ40B2に対応する同期信号である。
受付部32は、入力画像信号としての入力データ、同期信号、及び、基本クロック信号(CLK)を受け付ける。1CLK毎に、Rライン、Gライン及びBラインの順番で各色の画像が読み取られて、各色の入力データ(入力画像信号)とそれに対応する同期信号が生成され、各色の入力データ、同期信号、及び、基本クロック信号(CLK)が、受付部32に入力される。ノイズ等の影響を受けていない場合、受付部32は、1CLK毎に、入力データ、同期信号、及び、基本クロック信号(CLK)を受け付けることになる。
受付部32が同期信号を受け付けた場合、マスク設定部38は、その同期信号の受け付けの後、その受け付けの時点を始点として、受付禁止期間としてのマスク期間を設定する。マスク設定部38は、色毎にマスク期間を設定する。受付部32は、そのマスク期間中、同期信号を受け付けず、そのマスク期間が経過して次のマスク期間が設定されるまでの間、同期信号を受け付ける。
例えば、受付部32がR用の同期信号42R1を受け付けた場合、マスク設定部38は、同期信号42R1の受け付けの時点を始点として、予め定められた時間の長さを有するマスク期間44R1を設定する。マスク期間44R1の長さは、次の入力画像信号である入力データ40G1の生成に要する画像読取時間の長さ未満(センサ16による1つのGラインの画像読取時間の長さ未満)である。従って、マスク期間44R1は、受付部32が同期信号42R1を受け付けた時点(始点)から、受付部32が次の同期信号42G1を受け付けると予測される時点よりも前の時点(終点)までに亘って設定される。受付部32は、マスク期間44R1の間、同期信号を受け付けず、マスク期間44R1が経過して次のマスク期間44G1が設定されるまでの間、次の同期信号を受け付ける。上記のようなマスク期間の長さを定めることで、各色の画像読取が完了するまでの間はマスク期間が設定されて、その間、受付部32による同期信号の受付が禁止される。画像読取が完了して、次の同期信号が受付部32に入力されると予測される期間にはマスク期間は設定されていないので、その間、受付部32によって同期信号が受け付けられる。
マスク期間44R1が経過した後、受付部32が次の同期信号42G1を受け付けると、マスク設定部38は、同期信号42G1の受け付けの時点を始点として、マスク期間44G1を設定する。以降についても同様であり、マスク設定部38は、受付部32による同期信号の受け付けに応じてマスク期間を設定する。これにより、受付部32は、R用の同期信号、G用の同期信号、及び、B用の同期信号を順番に繰り返し受け付けることになる。
図6において、同期信号46R1(s_lso)は、受付部32によって受け付けられた同期信号42R1に対応する信号(例えば同期信号42R1と同じ信号)であり、同期信号46G1(s_lso)は、受付部32によって受け付けられた同期信号42G1に対応する信号(例えば同期信号42G1と同じ信号)である。他の同期信号についても同様である。
同期信号48R1(s_lsor)は、同期信号46R1(s_lso)に対応する信号であり、同期信号48R2(s_lsor)は、同期信号46R2(s_lso)に対応する信号である。同期信号48R1,48R2,・・・は、R用の同期信号を表わしていることになる。
出力データ50R1は、受付部32によって受け付けられた入力データ40R1と同じ信号であり、出力データ50G1は、受付部32によって受け付けられた入力データ40G1と同じデータである。他の出力データについても同様である。出力データは、出力部36によって後段の画像書込回路26に出力される入力画像信号である。
同期信号52R1(出力RLSO_RGB)は、同期信号46R1(s_lso)に対応する信号であり、同期信号52G1(出力RLSO_RGB)は、同期信号46G1(s_lso)に対応する信号である。他の同期信号についても同様である。同期信号52R1,52G1,・・・は、出力部36によって後段の画像書込回路26に出力される同期信号である。
同期信号54R1(出力RLSO_R)は、同期信号52R1(出力RLSO_RGB)に対応する信号であり、同期信号54R2(出力RLSO_R)は、同期信号52R2(出力RLSO_RGB)に対応する信号である。同期信号54R1,54R2,・・・は、R用の同期信号を表わしていることになる。同期信号54R1,54R2,・・・は、出力部36によって後段の画像書込回路26に出力される同期信号である。
同期信号54R1(出力RLSO_R)は、同期信号52R1(出力RLSO_RGB)と同じタイミングで画像書込回路26に出力され、同期信号54R2(出力RLSO_R)は、同期信号52R2(出力RLSO_RGB)と同じタイミングで画像書込回路26に出力される。他の同期信号についても同様である。このようにすることで、画像書込回路26は、同期信号54R1(出力RLSO_R)と同じタイミングで入力した同期信号52R1(出力RLSO_RGB)をR用の同期信号として認識し、その次に入力した同期信号52G1(出力RLSO_RGB)をG用の同期信号として認識し、その次に入力した同期信号52B1(出力RLSO_RGB)をB用の同期信号として認識する。画像書込回路26は、同期信号52R1,52G1,52B1を同一ラインについての同期信号として認識し、それらと共に入力された出力データ50R1,50G1,50B1を同一ラインについての入力画像信号として認識し、出力データ50R1,50G1,50B1(入力画像信号)をメモリ28に書き込む。次の同期信号52R2(出力RLSO_RGB)と同期信号54R2(出力RLSO_R)が画像書込回路26に入力されると、画像書込回路26は、同期信号52R2(出力RLSO_RGB)を、次のラインのR用の同期信号として認識し、上記と同様に、出力データ(入力画像信号)をメモリ28に書き込む。以降についても同様である。
なお、第1実施形態においても、同期信号(s_lso),(s_lsor),(RLSO_RGB),(RLSO_R)が生成され、出力データと共に同期信号(RLSO_RGB),(RLSO_R)が画像書込回路26に出力され、画像書込回路26は、その同期信号に従って出力データをメモリ28に書き込んでもよい。
第2実施形態によれば、マスク期間中は同期信号が受け付けられないため、例えば、ノイズが重畳した同期信号が受付部32によって受け付けられることが防止される。これにより、マスク期間を設定しない場合と比べて、出力画像において、ノイズに起因する画像の位置ずれや色ずれの発生が抑制される。
また、画像読取周期に従わずに受付部32に入力する信号は、ノイズが重畳した信号であると想定される。従って、予め定められた周期(画像読取周期)に従ってマスク期間を設定することで、受付部32は、そのようなノイズが重畳した信号を受け付けずに済む。その結果、マスク期間を設定しない場合と比べて、ノイズに起因する画像の位置ずれや色ずれの発生が抑制される。
なお、第2実施形態においては、同期信号は1ビットの信号によって構成され、「H」又は「L」のレベルによって同期信号の入力又は未入力が認識されてもよい。
また、第1,2実施形態を組み合わせてもよい。この場合、同期信号は、第1実施形態と同様に4ビットの信号(信号パターン)によって構成され、ノイズキャンセル回路24Aは認識部34を含む。例えば、マスク設定部38は、受付部32によって受け付けられた同期信号が認識部34によって真正の同期信号として認識された場合に、その同期信号の受け付けの時点を始点としてマスク期間を設定する。こうすることで、ノイズが重畳した同期信号に従ってマスク期間が誤って設定されることが防止されるので、同期信号の真正又は不真正を認識しない場合と比べて、より正確にマスク期間が設定される。その結果、画像の位置ずれや色ずれの発生が抑制される。
上記の例では、カラー画像が対象となっているが、白黒画像が対象となってもよい。この場合も、マスク期間を設定しない場合と比べて、出力画像において、ノイズに起因する画像の位置ずれの発生が抑制される。
なお、上記の例では、線順次方式が用いられているが、点順次方式が用いられてもよい。この場合においても、マスク期間を設定することで、カラー画像が生成される場合、マスク期間を設定しない場合と比べて、画像の位置ずれや色ずれの発生が抑制され、白黒画像が生成される場合、マスク期間を設定しない場合と比べて、画像の位置ずれの発生が抑制される。
<第3実施形態>
以下、図6及び図7を参照して、第3実施形態に係る画像処理システムについて説明する。図7は、第3実施形態に係るノイズキャンセル回路24Bを示すブロック図である。
第3実施形態に係る画像処理システムは、第1実施形態に係るノイズキャンセル回路24の代りに、図7に示されているノイズキャンセル回路24Bを含む。ノイズキャンセル回路24B以外の構成は、第1実施形態に係る構成と同じである。以下、ノイズキャンセル回路24Bについて説明する。
ノイズキャンセル回路24Bは、受付部32、同期信号生成部40、及び、出力部36を含む。受付部32と出力部36は、第1実施形態と同じ機能を備えているため、その説明を省略する。
同期信号生成部40は、受付部32が同期信号を受け付けた後、予め定められた受付期間内に次の同期信号を受け付けていない場合、その受付期間の経過後、当該次の同期信号を生成する機能を備えている。受付部32は、同期信号生成部40によって生成された当該次の同期信号を受け付ける。このようにして、受付部32は自動受付処理を行う。
上述したように、センサ16は、予め定められた画像読取の周期に従って、1CLK毎に、予め定められた色の順番で画像読取を行うため、各色の入力画像信号と同期信号が受付部32によって受け付けられるタイミングは予測される。同期信号生成部40は、受付部32が同期信号を受け付けた後、受付部32が次の同期信号を受け付けると予測されるタイミングを始点として受付期間を設定し、受付部32がその受付期間内に当該次の同期信号を受け付けていない場合、その受付期間の経過後、当該次の同期信号を生成する。受付期間の終点は、受付部32が更に次の同期信号(当該次の同期信号の次の同期信号)を受け付けると予測されるタイミングよりも前の時点に設定される。つまり、受付期間は、受付部32が当該次の同期信号を受け付けると予測される時点から、受付部32が更に次の同期信号を受け付けると予測される時点よりも前の時点に亘って設定される。
以下、図6を参照して、同期信号生成部40による処理について説明する。なお、第3実施形態では、マスク期間は設定されない。
例えば、受付部32が同期信号42G1を受け付けた場合、受付部32が次の同期信号である同期信号42B1を受け付けるタイミング(時点56)が予測され、その時点56を始点として受付期間58が設定される。その受付期間58は、例えば、受付部32が次の同期信号である同期信号42B1を受け付けると予測される時点56(始点)から、受付部32が更に次の同期信号である同期信号42R2を受け付けると予測される時点よりも前の時点60(終点)に亘って設定される。図6に示す例では、その受付期間58内に次の同期信号である同期信号42B1が受付部32によって受け付けられていない。この場合、同期信号生成部40は、同期信号42B1に対応する同期信号46B1を生成する。例えば、ノイズに起因して同期信号42B1が受付部32によって受け付けられていない場合、同期信号42B1に対応する同期信号46B1が自動的に生成される。
なお、受付期間の長さは、上述した受付期間の長さよりも短くてもよい。例えば、受付部32が次の同期信号42B1を受け付けると予測される時点56で、受付部32が当該次の同期信号42B1を受け付けていない場合、同期信号生成部40は、同期信号42B1に対応する同期信号46B1を生成してもよい。
出力部36は、出力データ50R1,50G1,・・・、同期信号52R1,52G1,・・・、同期信号54R1,54R2,・・・を後段の画像書込回路26に出力する。
図6中の同期信号52B1(出力RLSO_RGB)は、自動生成された同期信号46B1(s_lso)に対応する信号である。同期信号が自動生成された場合、受付部32は、受付期間58の長さの分、自動生成された同期信号を遅れて受け付けることになる。出力部36は、その受付期間58の分、入力画像信号(例えば入力データ40B1)を保持しておき、受付部32による自動受付のタイミングに合わせて、保持していた入力画像信号(入力データ40B1と同じ出力データ50B1)を後段の画像書込回路26に出力する。これにより、自動生成された同期信号に対応する入力画像信号(出力データ50B1)の同期ずれ(同一ラインの入力画像信号である出力データ50R1,50G1との間の同期ずれ)の発生が回避される。
第3実施形態によれば、受付期間内に同期信号が受付部32によって受け付けられなかった場合、自動的に同期信号が生成される。これにより、同期信号が予め定められた期間内に受付部32によって受け付けられていない場合において、受付部32が次の同期信号を受け付けるまで、同期信号を受け付けたときの処理を行わない場合と比べて、画像の位置ずれや色ずれの発生が抑制される。
同期信号が受付部32によって受け付けられず、同期信号が自動的に生成されない場合、当該同期信号の次の同期信号が、当該同期信号として認識され、その結果、画像の位置ずれや色ずれが生じる。この点について具体例を挙げて詳しく説明する。図6に示す例において、仮に同期信号46B1が自動的に生成されなかった場合、次の同期信号42R2(2番目のラインのR用の同期信号)が、1番目のラインのB用の同期信号42B1として認識され、入力データ40R2が、1番目のラインのBラインの入力画像信号として認識される。その結果、画像の位置ずれや色ずれが生じる。これに対して第3実施形態によれば、同期信号46B1が自動的に生成されるので、次の同期信号42R2が同期信号46B1として誤認識されることが防止され、その結果、同期信号を自動生成しない場合と比較して、画像の位置ずれや色ずれの発生が抑制される。なお、1番目のラインについて、入力データ40B1が受付部32によって受け付けられていない場合、入力データ40R1,40G1によって出力画像信号が生成されることになるが、2番目以降のラインについては、画像の位置ずれや色ずれの発生が抑制されつつ、R,G,Bの入力データによって出力画像信号が生成されることになる。
なお、第3実施形態においては、同期信号は1ビットの信号によって構成され、「H」又は「L」のレベルによって同期信号の入力又は未入力が認識されてもよい。
また、第1,3実施形態を組み合わせてもよい。この場合、同期信号は、第1実施形態と同様に4ビットの信号(信号パターン)によって構成され、ノイズキャンセル回路24Bは認識部34を含む。例えば、同期信号生成部40は、受付期間内に受付部32によって受け付けられた同期信号が認識部34によって真正の同期信号として認識されなかった場合に、その同期信号に対応する同期信号を自動的に生成する。こうすることで、同期信号ではない信号が同期信号として認識されることが防止されるので、同期信号の真正又は不真正を認識しない場合と比較して、画像の位置ずれや色ずれの発生がより抑制される。もちろん、同期信号生成部40は、受付期間内に受付部32によって同期信号が受け付けられなかった場合にも、同期信号を自動的に生成する。また、同期信号生成部40は、受付期間内に受付部32によって受け付けられた同期信号が認識部34によって真正の同期信号であると認識された場合、同期信号を生成しない。
上記の例では、カラー画像が対象となっているが、白黒画像が対象となってもよい。この場合も、受付部32によって同期信号が受け付けられていない場合に同期信号を自動生成しない場合と比べて、出力画像において、ノイズに起因する画像の位置ずれの発生が抑制される。
なお、上記の例では、線順次方式が用いられているが、点順次方式が用いられてもよい。この場合においても、受付部32によって同期信号が受け付けられていない場合に同期信号を自動生成することで、カラー画像が生成される場合、同期信号を自動生成しない場合と比べて、画像の位置ずれや色ずれの発生が抑制され、白黒画像が生成される場合、同期信号を自動生成しない場合と比べて、画像の位置ずれの発生が抑制される。
<第4実施形態>
以下、図6及び図8を参照して、第4実施形態に係る画像処理システムについて説明する。図8は、第4実施形態に係るノイズキャンセル回路24Cを示すブロック図である。
第4実施形態に係る画像処理システムは、第1実施形態に係るノイズキャンセル回路24の代りに、図8に示されているノイズキャンセル回路24Cを含む。ノイズキャンセル回路24C以外の構成は、第1実施形態に係る構成と同じである。以下、ノイズキャンセル回路24Cについて説明する。
ノイズキャンセル回路24Cは、受付部32、マスク設定部38、同期信号生成部40、及び、出力部36を含む。受付部32と出力部36は、第1実施形態と同じ機能を備えているため、その説明を省略する。
以下、図6を参照して、第4実施形態に係るノイズキャンセル回路24Cによる処理について説明する。
マスク設定部38は、第2実施形態と同様に、受付部32が同期信号を受け付けた後に、その受け付けの時点を始点としてマスク期間を設定する。これにより、受付部32は、マスク期間中、同期信号を受け付けず、そのマスク期間が経過して次のマスク期間が設定されるまでの間、同期信号を受け付ける。例えば、受付部32によって同期信号42R1が受け付けられた場合、その受け付けに応じて、マスク期間44R1が設定され、その間、受付部32は同期信号を受け付けない。第2実施形態と同様に、受付部32は、マスク期間中も入力データ(入力画像信号)を受け付ける。マスク期間44R1が経過した後、同期信号42G1が受付部32に入力されると、受付部32は同期信号42G1を受け付ける。その受け付けの後、マスク期間44G1が設定される。以降も同様である。
同期信号生成部40は、第3実施形態と同様に、受付部32が同期信号を受け付けた後、受付期間内に次の同期信号を受け付けていない場合、その受付期間の経過後、当該次の同期信号を生成する。例えば、受付部32が、受付期間58内に同期信号42B1を受け付けていない場合、同期信号生成部40は、受付期間58の経過後、同期信号42B1に対応する同期信号46B1を生成する。受付部32は、その同期信号46B1を受け付ける。
同期信号生成部40によって同期信号が生成された場合、マスク設定部38は、受付部32がその生成された同期信号を受け付けた時点を始点として、マスク期間を設定する。この場合、マスク設定部38は、その受付期間58の長さの分、マスク期間を短くする。図6に示す例では、自動的に生成された同期信号46B1の後にマスク期間44B1が設定されており、そのマスク期間44B1の長さは、受付期間58の長さの分、短くなっている。同期信号生成部40によって同期信号が生成された場合、受付部32は、受付期間58の長さの分、自動生成された同期信号を遅れて受け付けることになる。この場合、受付部32による同期信号の受け付けの周期が、本来の周期(センサ16による画像読取の周期に対応する周期)からずれるが、上記のように受付期間58の長さの分、マスク期間44B1の長さを短くすることで、ずれた周期が本来の周期に戻る。
第4実施形態によれば、マスク期間中は同期信号が受け付けられないため、例えば、ノイズが重畳した同期信号が受付部32によって受け付けられることが防止される。これにより、マスク期間を設定しない場合と比べて、出力画像において、ノイズに起因する画像の位置ずれや色ずれの発生が抑制される。また、受付期間内に同期信号が受付部32によって受け付けられなった場合に同期信号が自動的に生成されるので、受付部32が次の同期信号を受け付けるまで、同期信号を受け付けたときの処理を行わない場合と比べて、画像の位置ずれや色ずれの発生が抑制される。マスク期間の設定と同期信号の自動生成を組み合わせることで、両構成による効果が得られるため、画像の位置ずれや色ずれがより抑制される。
なお、第4実施形態においては、同期信号は1ビットの信号によって構成され、「H」又は「L」のレベルによって同期信号の入力又は未入力が認識されてもよい。
また、第1,4実施形態を組み合わせてもよい。この場合、同期信号は、第1実施形態と同様に4ビットの信号(信号パターン)によって構成され、ノイズキャンセル回路24Cは認識部34を含む。例えば、マスク設定部38は、受付部32によって受け付けられた同期信号が認識部34によって真正の同期信号として認識された場合に、その同期信号の受け付けの時点を始点としてマスク期間を設定する。こうすることで、ノイズが重畳した同期信号に従ってマスク期間が誤って設定されることが防止されるので、同期信号の真正又は不真正を認識しない場合と比べて、より正確にマスク期間が設定される。また、同期信号生成部40は、受付期間内に受付部32によって受け付けられた同期信号が認識部34によって真正の同期信号として認識されなかった場合に、その同期信号に対応する同期信号を自動的に生成する。こうすることで、同期信号ではない信号が同期信号として認識されることが防止されるので、同期信号の真正又は不真正を認識しない場合と比べて、画像の位置ずれや色ずれの発生がより抑制される。もちろん、同期信号生成部40は、受付期間内に受付部32によって同期信号が受け付けられなかった場合にも、同期信号を自動的に生成する。
上記の例では、カラー画像が対象となっているが、白黒画像が対象となってもよい。また、線順次方式以外の方式として点順次方式が用いられてもよい。
<第5実施形態>
以下、図8及び図9を参照して、第5実施形態に係る画像処理システムについて説明する。図9は、タイミングチャートを示す図である。
第5実施形態に係る画像処理システムは、第4実施形態に係る画像処理システムと同じ構成を有しており、第5実施形態に係る画像処理システムでは、図8に示されているノイズキャンセル回路24Cが用いられる。
第5実施形態では、受付部32が、画像読取単位における最初の同期信号を受け付けた場合、同期信号生成部40は、それ以降の同期信号を自動的に生成し、受付部32は、同期信号生成部40によって生成された同期信号を受け付ける。より詳しく説明すると、受付部32が、画像読取の対象となるページの先頭ライン(1番目のライン)の同期信号を最初の同期信号として受け付けた場合、同期信号生成部40は、それ以降の同期信号を自動的に生成し、受付部32は、同期信号生成部40によって生成された同期信号を受け付ける。
以下、図9を参照して、第5実施形態に係るノイズキャンセル回路24Cによる処理について説明する。
図9に示すように、受付部32が最初の同期信号である同期信号42R1を受け付けると、マスク設定部38は、同期信号42R1の受け付けの後に、マスク期間44R1を設定する。第5実施形態では、マスク期間44R1の長さは、1CLK分の長さと等しい。これにより、マスク期間44R1が、受付部32が次の同期信号である同期信号42G1を受け付けると予測される時点62を含んで設定されるので、次の同期信号である同期信号42G1が、画像読取の周期に従って正常に受付部32に入力されても、受付部32は、その同期信号42G1を受け付けない。同期信号生成部40は、時点62が経過すると、その同期信号42G1に対応する同期信号46G1を自動的に生成する。マスク設定部38は、マスク期間44R1の後に、次の同期信号42G1に対応するマスク期間44G1を設定する。このマスク期間44G1の長さも、マスク期間44R1と同様に、1CLK分の長さと等しい。これにより、受付部32は次の同期信号である同期信号42B1を受け付けず、同期信号生成部40は、その同期信号42B1に対応する同期信号46B1を自動的に生成する。以降についても同様である。つまり、最初の同期信号42R1が受付部32によって受け付けられると、それ以降、マスク期間が設定され、受付部32は、同期信号42R1より後から送られる同期信号を受け付けない。この場合、同期信号生成部40は、同期信号42R1より後から送られる同期信号に対応する同期信号を自動的に生成し、受付部32は、その自動生成された同期信号を受け付けることになる。
最初の同期信号42R1は、画像読取の対象となるページの先頭ラインの同期信号に相当し、同期信号生成部40は、受付部32がページの先頭ラインの同期信号を受け付けた場合に、それ以降の同期信号を生成することになる。
第5実施形態によれば、最初の同期信号42R1が受付部32によって受け付けられた後は、予め定められた画像読取の周期に従って同期信号が受付部32に入力されているかのように、受付部32は入力データ(入力画像信号)を受け付ける。こうすることで、2番目以降の同期信号にノイズが重畳しても、そのノイズの影響を受けずに入力データ(入力画像信号)の受け付けやメモリ28への書き込みが行われる。その結果、2番目以降の同期信号についても受付部32が同期信号を受け付けた場合にのみ処理を行う場合と比べて、画像の位置ずれや色ずれの発生が抑制される。
なお、図9に示す例では、同一の長さ(1CLK分の長さ)を有する複数のマスク期間が設定されているが、受付部32が最初の同期信号42R1を受け付けた後は、それ以降、受付部32による同期信号の受け付けを禁止する1つのマスク期間が設定されてもよい。この場合も、同期信号生成部40によって同期信号が生成されると、受付部32は、同期信号生成部40によって生成された同期信号を受け付ける。
第5実施形態においては、同期信号は1ビットの信号によって構成され、「H」又は「L」のレベルによって同期信号の入力又は未入力が認識されてもよい。
また、第1,5実施形態を組み合わせてもよい。この場合、同期信号は、第1実施形態と同様に4ビットの信号(信号パターン)によって構成され、ノイズキャンセル回路24Cは認識部34を含む。例えば、受付部32によって受け付けられた最初の同期信号42R1が認識部34によって真正の同期信号として認識された場合、つまり、同期信号42R1が有する信号パターンがR用の同期信号の信号パターンと一致する場合、マスク設定部38は、それ以降、マスク期間を設定し、同期信号生成部40は、同期信号を自動的に生成し、受付部32は、同期信号生成部40によって生成された同期信号を受け付ける。認識部34によって同期信号を認識することで、その認識を行わない場合と比べて、先頭ラインの同期信号がより正確に識別される。これにより、同期信号を認識しない場合と比べて、画像の位置ずれや色ずれの発生がより抑制される。
上記の例では、カラー画像が対象となっているが、白黒画像が対象となってもよい。また、線順次方式以外の方式として点順次方式が用いられてもよい。
<第6実施形態>
以下、図8及び図10を参照して、第6実施形態に係る画像処理システムについて説明する。図10は、タイミングチャートを示す図である。
第6実施形態に係る画像処理システムは、第4実施形態に係る画像処理システムと同じ構成を有しており、第6実施形態に係る画像処理システムでは、図8に示されているノイズキャンセル回路24Cが用いられる。
第6実施形態では、受付部32が、画像読取単位における最初の同期信号を受け付けた場合、同期信号生成部40は、それ以降の同期信号を自動的に生成し、受付部32は、同期信号生成部40によって生成された同期信号を受け付ける。より詳しく説明すると、受付部32が、同一ラインについて、R用の同期信号、G用の同期信号、及び、B用の同期信号の中の最初の同期信号であるR用の同期信号(第1色の同期信号の一例に相当する)を受け付けた場合、同期信号生成部40は、予め定められた画像読取の周期(1CLK分の長さに相当する周期)に従って、G用の同期信号とB用の同期信号を自動的に生成し、受付部32は、同期信号生成部40によって生成されたG用の同期信号とB用の同期信号を受け付ける。以降も同じ処理が繰り返される。
以下、図10を参照して、第6実施形態に係るノイズキャンセル回路24Cによる処理について説明する。
図10に示すように、受付部32が、1番目(最初)のラインについて最初の色(R)の同期信号である同期信号42R1(1番目のRラインの同期信号)を受け付けると、マスク設定部38は、同期信号42R1の受け付けの時点を始点として、マスク期間44R1を設定する。第6実施形態では、マスク期間44R1は、受付部32が1番目のラインについての次の同期信号である同期信号42G1(1番目のGラインの同期信号)を受け付けると予測される時点62を含んで設定される。図10に示す例では、マスク期間44R1は、受付部32が同期信号42R1を受け付けた時点から、受付部32が次の同期信号42G1の受け付けを完了すると予測される時点に亘って設定される。これにより、次の同期信号である同期信号42G1が、予め定められた画像読取の周期(1CLK分の長さに相当する周期)に従って正常に受付部32に入力しても、受付部32は、その同期信号42G1を受け付けない。同期信号生成部40は、マスク期間44R1が経過すると、同期信号42G1に対応する同期信号46G1を自動的に生成する。受付部32は、その自動生成された同期信号46G1を受け付ける。
次に、マスク設定部38は、受付部32が同期信号46G1を受け付けた時点を始点として、1番目のラインについての同期信号42G1に対応するマスク期間44G1を設定する。このマスク期間44G1は、受付部32が1番目のラインについての次の同期信号である同期信号42B1(1番目のBラインの同期信号)を受け付けると予測される時点56を含んで設定される。図10に示す例では、マスク期間44G1は、受付部32が同期信号46G1を受け付けた時点から、受付部32が次の同期信号42B1の受け付けを完了すると予測される時点に亘って設定される。これにより、次の同期信号である同期信号42B1が、予め定められた画像読取の周期(1CLK分の長さに相当する周期)に従って正常に受付部32に入力しても、受付部32は、その同期信号42B1を受け付けない。同期信号生成部40は、マスク期間44G1が経過すると、同期信号42B1に対応する同期信号46B1を自動的に生成する。受付部32は、その自動生成された同期信号46B1を受け付ける。
R用の同期信号に対応するマスク期間44R1は、受付部32が同期信号42R1を受け付けた時点を始点として設定され、G用の同期信号に対応するマスク期間44G1は、受付部32が自動生成された同期信号42G1を受け付けた時点を始点として設定される。マスク期間44G1は、同期信号46G1が自動的に生成されて受付部32によって受け付けられた時点を始点として設定されるので、マスク期間44G1は、受付部32が本来の同期信号42G1を受け付けると予測される時点よりも後の時点を始点として設定される。そのため、マスク期間44G1の長さは、それより前に設定されたマスク期間44R1の長さよりも短い。
次に、マスク設定部38は、受付部32が同期信号46B1を受け付けた時点を始点として、同期信号42B1に対応するマスク期間44B1を設定する。このマスク期間44B1は、受付部32が2番目(次)のラインについての同期信号である同期信号42R2を受け付けると予測される時点60を含まずに設定される。図10に示す例では、マスク期間44B1は、受付部32が同期信号46B1を受け付けた時点から、受付部32が2番目のラインについての同期信号である同期信号42R2(2番目のRラインの同期信号)を受け付けると予測される時点よりも前の時点に亘って設定される。これにより、2番目のラインについての最初の色(R)の同期信号である同期信号42R2が、予め定められた画像読取の周期(1CLK分の長さに相当する周期)に従って正常に受付部32に入力した場合、受付部32によって同期信号42R2が受け付けられる。このように、受付部32が2番目のラインについての同期信号42R2を受け付けると、1番目のラインと同様に、マスク期間44R2,44G2,44B2が設定され、G用の同期信号46G2とB用の同期信号46B2が自動的に生成される。受付部32は、自動生成された同期信号46G2,46B2を受け付ける。以降のラインについても同様である。
以上のように、第6実施形態では、ライン単位で、R用の同期信号の受け付け、及び、G用の同期信号とB用の同期信号の自動生成と受け付けが実行される。各ラインについて最初の色(R)の同期信号が受付部32によって受け付けられた場合、予め定められた周期に従って他の色(G,B)の同期信号が受付部32に入力されているかのように、受付部32は入力データ(入力画像信号)を受け付ける。こうすることで、3色の中の2色(2色目と3色目の色)についての同期信号にノイズが重畳しても、そのノイズの影響を受けずに入力データ(入力画像信号)の受け付けやメモリ28への書き込みが行われる。その結果、2色目と3色目の同期信号についても受付部32が同期信号を受け付けた場合にのみ処理を行う場合と比べて、画像の位置ずれや色ずれの発生が抑制される。また、ライン単位で処理することで、ノイズ等に起因する誤動作が1つのラインで完結し、他のラインの画像はその影響を受けずに済む。
また、第6実施形態では、各ラインにおいて、色毎に長さの異なるマスク期間が設定される。具体的には、最初の色(R)から2色目(G)、3色目(B)にかけて、長さが徐々に短くなるように各マスク期間が設定されている。このようにマスク期間を設定することで、2色目(G)と3色目(B)についての同期信号が受付部32によって受け付けられることが防止され、かつ、2番目以降のラインについて、最初の色(R)が受付部32によって受け付けられる。これにより、ライン単位で、R用の同期信号の受け付け、及び、G用の同期信号とB用の同期信号の自動生成と受け付けが、正常に実行される。
第6実施形態においては、同期信号は1ビットの信号によって構成され、「H」又は「L」のレベルによって同期信号の入力又は未入力が認識されてもよい。
また、第1,6実施形態を組み合わせてもよい。この場合、同期信号は、第1実施形態と同様に4ビットの信号(信号パターン)によって構成され、ノイズキャンセル回路24Cは認識部34を含む。例えば、受付部32によって受け付けられた最初の色(R)の同期信号42R1が認識部34によって真正の同期信号として認識された場合、つまり、同期信号42R1が有する信号パターンがR用の同期信号の規定パターンと一致する場合、マスク設定部38は、マスク期間44R1を設定し、同期信号生成部40は、G用の同期信号46G1を生成し、受付部32は、その同期信号46G1を受け付ける。以降についても同様である。2番目以降のラインについても、最初の色(R)の同期信号が真正の同期信号として認識された場合に、マスク期間の設定と同期信号の自動生成が行われる。認識部34によって同期信号を認識することで、その認識を行わない場合と比べて、各ラインの最初の色の同期信号がより正確に識別される。これにより、同期信号を認識しない場合と比べて、画像の位置ずれや色ずれの発生が抑制される。
上記の例では、カラー画像が対象となっているが、白黒画像が対象となってもよい。また、線順次方式以外の方式として点順次方式が用いられてもよい。
なお、同期信号が自動生成された場合、受付部32は、その自動生成に要する時間の分、自動生成された同期信号を遅れて受け付けることになる。この場合、出力部36は、その遅れた時間の分、入力データ(入力画像信号)を保持しておき、受付部32による自動受付のタイミングに合わせて、保持した入力データを後段の画像書込回路26に出力する。これにより、自動生成された同期信号に対応する入力画像信号の同期ずれの発生が回避される。
<第7実施形態>
以下、図8及び図11を参照して、第7実施形態に係る画像処理システムについて説明する。図11は、タイミングチャートを示す図である。
第7実施形態に係る画像処理システムは、第4実施形態に係る画像処理システムと同じ構成を有しており、第7実施形態に係る画像処理システムでは、図8に示されているノイズキャンセル回路24Cが用いられる。
以下、図11を参照して第7実施形態に係るノイズキャンセル回路24Cによる処理について説明する。
第7実施形態では、同期信号は、特定の色についてのみ生成され、特定の色以外の色については生成されない。その特定の色は例えばR(赤)であり、AFE18にて、R用の同期信号のみが生成され、G,B用の同期信号は生成されない。図11に示すように、R用の同期信号42R1,42R2,・・・が受付部32に入力され、受付部32は、R用の同期信号42R1,42R2,・・・を受け付ける。受付部32がR用の同期信号を受け付けると、同期信号生成部40は、予め定められた画像読取の周期(1CLK分の長さに相当する周期)に従って、G用の同期信号とB用の同期信号を自動的に生成し、受付部32は、同期信号生成部40によって生成されたG用の同期信号とB用の同期信号を受け付ける。以降も同じ処理が繰り返される。
なお、マスク設定部38は、予め定められた画像読取の周期(1CLK分の長さに相当する周期)に従って、受付部32がR用の同期信号を受け付けると予測される期間以外にマスク期間を設定してもよい。これにより、同期信号ではない信号が同期信号として受付部32によって受け付けられることが防止されるので、マスク期間を設定しない場合と比べて、画像の位置ずれや色ずれの発生が抑制される。
マスク設定部38は、受付部32が次のR用の同期信号を受け付けると予測される時点の前までマスク期間を設定し、受付部32が当該次のR用の同期信号を受け付けた場合に、受付部32が当該R用の同期信号を受け付けた時点を始点として、次のマスク期間を設定してもよい。このようにマスク期間を設定することで、例えば、基本クロック信号(CLK)にノイズが重畳した結果、受付部32がR用の同期信号を受け付けると予測される期間にマスク期間が誤って設定されたとしても、受付部32が次のR用の同期信号を受け付けるまでマスク期間が設定されずに、受付部32によって当該次のR用の同期信号が受け付けられる。これにより、マスク期間と受付部32による同期信号の受付期間との間にずれが生じたとしても、後のR用の同期信号が受付部32によって受け付けられると、その時点で、マスク期間と受付期間との間のずれが解消されて、マスク期間と受付期間とが正常に同期する。
なお、マスク期間が設定されなくてもよい。この場合、マスク設定部38は、ノイズキャンセル回路24Cに含まれない。
以上のように、第7実施形態によれば、各ラインについて特定の色(R)の同期信号が受付部32によって受け付けられた場合、予め定められた周期に従って他の色(G,B)の同期信号が受付部32に入力されているかのように、受付部32は入力データ(入力画像信号)を受け付ける。こうすることで、2色目と3色目の同期信号も生成して、受付部32が同期信号を受け付けた場合にのみ処理を行う場合と比べて、画像の位置ずれや色ずれの発生が抑制される。
第7実施形態においては、同期信号は1ビットの信号によって構成され、「H」又は「L」のレベルによって同期信号の入力又は未入力が認識されてもよい。
また、第1,7実施形態を組み合わせてもよい。この場合、同期信号は、第1実施形態と同様に4ビットの信号(信号パターン)によって構成され、ノイズキャンセル回路24Cは認識部34を含む。例えば、受付部32によって受け付けられた同期信号42R1が認識部34によって真正の同期信号(特定の色の同期信号)として認識された場合、つまり、同期信号42R1が有する信号パターンがR用の同期信号の規定パターンと一致する場合、同期信号生成部40は、G用の同期信号46G1とB用の同期信号46B1を生成する。以降についても同様である。2番目以降のラインについても、特定の色(R)の同期信号が真正の同期信号として認識された場合に、同期信号の自動生成が行われる。また、受付部32が受け付けた同期信号が真正の同期信号として認識された場合、マスク設定部38はマスク期間を設定してもよい。認識部34によって同期信号を認識することで、その認識を行わない場合と比べて、特定の色の同期信号がより正確に識別される。これにより、同期信号を認識しない場合と比べて、画像の位置ずれや色ずれの発生が抑制される。
上記の例では、カラー画像が対象となっているが、白黒画像が対象となってもよい。また、線順次方式以外の方式として点順次方式が用いられてもよい。
上記の画像処理回路20は、一例としてハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、画像処理回路20は、図示しないCPU等の1又は複数のプロセッサを備えている。当該1又は複数のプロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、画像処理回路20の各部の機能が実現される。上記プログラムは、CDやDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、記憶装置に記憶される。別の例として、画像処理回路20の各部は、例えばプロセッサや電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やSOC(System on a chip)等のハードウェア資源により実現されてもよい。その実現においてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。更に別の例として、画像処理回路20の各部は、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現されてもよい。