[比較例]
本発明を実施するための実施形態の一例を詳細に説明する前に、先ず本発明を実施するための実施形態の一例に対する比較例について説明する。
一例として図1に示すように、情報処理装置100は、画像読取部102、画像形成部104(本発明に係る画像形成装置の一例)、用紙収容部106、及びUI(ユーザ・インタフェース)部108を備えている。
画像読取部102は、原稿台110及び排出台112を備えている。原稿台110の上面には一対の案内部材114A,114Bが設けられている。一対の案内部材114A,114Bは、一方が原稿台110に置かれた原稿の幅方向に手動操作で移動し、原稿台110に置かれた原稿が搬送される際に、原稿を搬送方向に案内する。画像読取部102は、原稿台110に置かれた原稿を1枚ずつ取り込み、取り込んだ原稿の画像を線順次方式で読み取って、読み取った画像を示す画像情報を取得する。そして、取得した画像情報を後述のCPU162に出力し、その後、原稿を排出台112に排出する。
なお、ここで、「画像を読み取る」とは、画像の密度(以下、「画像密度」と称する)を光学的に検出して、後述の入出力回路200が後述の制御回路202に画像情報を出力することを意味する。画像密度とは、換言すると、画像の濃度を指す。また、上記の線順次方式とは、ラインセンサ(本例では、後述の光電変換素子156)による1回の読取動作で1ラインを読み取る毎に赤色、緑色、及び青色の光源を切り替えて色分解する方式を指す。
用紙収容部106には、記録媒体の一例である用紙がサイズ別に収容されており、画像形成部104は、用紙収容部106から用紙を取り出し、取り出した用紙に対して、画像を形成する。用紙に対して形成される画像とは、例えば、後述のCPU162が画像読取部102から取得した画像情報により示される画像、CPU162が後述の外部装置176から取得した画像情報により示される画像、又は画質調整用の基準画像(所謂パッチ)を指す。画像形成部104は、画像が形成された用紙を排出台116に排出する。なお、画像を形成する方式は、電子写真方式であってもよいし、インクジェット方式であってもよい。
UI部108は、画像を表示するタッチパネル・ディスプレイ108A及びスイッチ108Bを備えている。タッチパネル・ディスプレイ108A及びスイッチ108Bは、情報処理装置100の利用者からの各種指示を受け付ける。各種指示の一例としては、画像読取部102に対して画像の読み取りを開始させる指示(以下、説明の便宜上、「スキャン開始指示」という)、及び画像形成部104に対して画像の形成を開始させる指示が挙げられる。タッチパネル・ディスプレイ108Aは、受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や警報等の各種情報を表示する。
一例として図2及び図3に示すように、画像読取部102は、筐体120及び原稿搬送装置122を含み、原稿搬送装置122は、原稿台110及び排出台112を備えている。
一例として図2に示すように、筐体120は、画像読取部本体140を収容し、筐体120の上面には長方形状の開口124(本例では、A3サイズの原稿よりも大きな開口)が形成されている。開口124は、原稿126(図3参照)が載せられるプラテンガラス128によって遮蔽されている。本例に係る画像読取部102では、プラテンガラス128の一例として無色透明なガラス板を適用しているが、これに限らず、透光性を有する原稿台であればよい。
筐体120の上面には、固定部128A,128Bが設けられている。固定部128A,128Bには、原稿搬送装置122(図3参照)の底面に設けられたヒンジ部材(図示省略)が固定され、原稿搬送装置122はヒンジ部材を介して開閉される。
プラテンガラス128の周囲には、長方形状の枠で形成された原稿セットガイド130が設けられている。原稿セットガイド130は、プラテンガラス128より僅かな凸状の段差となっており、原稿セットガイド130の段差に接するように原稿126の角部を合わせることにより、原稿126の位置決めが行われる。原稿セットガイド130の上面には、位置合わせマーク(図示省略)及び原稿サイズラベル(図示省略)が設けられている。位置合わせマークは、原稿セットガイド130の角部に原稿126の角部を合わせるときの目印である。原稿サイズラベルは、位置合わせマークに角部を合わせて定型サイズ(本例では、B5,A4,B4,A3)の原稿126がプラテンガラス128に載せられたときの原稿126の端部が位置する目印である。
一例として図3に示す原稿搬送装置122では、原稿台110に載せられた原稿(複数枚重ねられている場合は、その最上層の原稿)が、原稿反転ユニット(図示省略)へ送り込まれ、反転しながらプラテンガラス128上の読取領域を通過する。そして、原稿が読取領域を通過している間に画像の読み取りが行われ、その後、排出台112に排出される。
一例として図3に示すように、画像読取部本体140は、CIS(密着型イメージセンサ:Contact Image Sensor)142、画像処理回路144、及びモータ146を含む。CIS142及び画像処理回路144は、キャリッジ148に搭載されており、キャリッジ148は、モータ146の駆動力を受けて開口124の長手方向である副走査方向(図3に示すX方向)に移動する。
CIS142は、第1LED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)150A、第2LED150B、及び第3LED150Cする。第1LED150Aは、赤色(以下、「R」という)の発光波長を有するLEDであり、第2LED150Bは、緑色(以下、「G」という)の発光波長を有するLEDであり、第3LED150Cは、青色(以下、「B」という)の発光波長を有するLEDである。第1LED150A、第2LED150B、及び第3LED150Cは、RGBの各色の光が予め定められた順で発せられるように順次に駆動される。ここで、予め定められた順とは、RGBが循環する予め定められた色順(以下では、説明の便宜上、「循環色順」と称する)を指す。なお、以下では、説明の便宜上、第1LED150A、第2LED150B、及び第3LED150Cを区別して説明する必要がない場合、「LED150」と称する。
CIS142は、導光体152、集光部154、光電変換素子156(本発明に係る生成手段の一例)、及びAFE(アナログ・フロント・エンド:Analog Flont End)158を有する。
導光体152は、一例として図2に示すように、開口124の短手方向である主走査方向(図3に示すY方向)に沿って長尺状に形成されている。一例として図3に示すように、導光体152の一端には、LED150が取り付けられており、導光体152は、LED150によって照射された光をプラテンガラス128を介して原稿126へ導く。
集光部154は、正立等倍結像型レンズ素子が主走査方向に沿って複数個配置されたレンズユニットであり(図2参照)、LED150により導光体152を介して原稿126に対して光を照射した際に原稿126で反射された光を集光する。
光電変換素子156は、主走査方向に沿って複数個配置されており、集光部154で集光された光(本発明に係る反射光の一例)を受光(結像)して光電変換を行うことで、受光量に応じた電気信号である画像情報を生成して出力する。光電変換素子156によって生成されて出力される画像情報は、Rの画像を示す画像情報、Gの画像を示す画像情報、及びBの画像を示す画像情報である。
なお、以下では、説明の便宜上、Rの画像を示す画像情報を「R画像情報」と称し、Gの画像を示す画像情報を「G画像情報」と称し、Bの画像を示す画像情報を「B画像情報」と称する。また、以下では、説明の便宜上、R画像情報、G画像情報、及びB画像情報を区別して説明する必要がない場合、「画像情報」と称する。
AFE158は、光電変換素子156から入力された画像情報を、アンプ、A/Dコンバータ、及びフィルタ等(図示省略)を用いて調整し、調整した画像情報を出力する。
画像処理回路144は、AFE158から入力された画像情報を特定色(ここでは、R)から循環色順に処理する機能として、AFE158から入力された画像情報に対してシェーディング補正、及び画素の配置変換処理等の画像処理を行う機能を有している。
一例として図4に示すように、情報処理装置100は、コントローラ160を備えている。コントローラ160は、CPU(Central Processing Unit)162、一次記憶部164、及び二次記憶部166を備えている。一次記憶部164は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリ(例えば、RAM(Random Access Memory))である。二次記憶部166は、情報処理装置100の作動を制御する制御プログラムや各種パラメータ等を予め記憶する不揮発性のメモリ(例えば、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)など)である。CPU162、一次記憶部164、及び二次記憶部166は、バス168を介して相互に接続されている。
情報処理装置100は、CPU162と各種の入出力デバイスとを電気的に接続してCPU162と各種の入出力デバイスとの間の各種情報の送受信を司るインプット・アウトプット・インタフェース(I/O)170を備えている。情報処理装置100は、I/O170に接続されることで、バス168を介してCPU162と電気的に接続される入出力デバイスとして、画像読取部102、画像形成部104、及びUI部108を備えている。また、情報処理装置10は、入出力デバイスとして、外部インタフェース(I/F)172及び通信I/F174を備えている。
外部I/F172は、外部装置(例えば、USBメモリ)に接続され、外部装置とCPU162との間の各種情報の送受信を司る。通信I/F174は、例えば、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの通信手段に接続されており、通信手段に接続された外部装置176(一例としてパーソナル・コンピュータ)との間の各種情報の送受信を司る。
CPU162は、バス168及びI/O170を介して上記の入出力デバイスと各種情報の送受信を行うことで、入出力デバイスの動作状態の把握、及び入出力デバイスの制御等を行う。
一例として図5に示すように、画像読取部本体140は、モータ駆動回路180を備えている。モータ駆動回路180は、モータ146及びI/O170の各々に接続されており、UI部108で受け付けられたスキャン開始指示に応じてI/O170を介してCPU162から入力された駆動制御信号に従ってモータ146の駆動を制御する。
CIS142は、LED駆動回路182を備えている。LED駆動回路182は、第1LED150A、第2LED150B、及び第3LED150Cの各々に接続されている。AFE158は、LED駆動回路182に接続されており、信号線184を介してI/O170に接続されている。AFE158は、UI部108で受け付けられたスキャン開始指示に応じてCPU162からI/O170及び信号線184を介して入力された点灯開始信号に従ってLED駆動回路182の駆動を制御する。LED駆動回路182は、AFE158の制御下で、第1LED150A、第2LED150B、及び第3LED150Cを、第1LED150A、第2LED150B、及び第3LED150Cの順に繰り返し発光させる。すなわち、AFE158は、点灯開始信号が入力された場合、LED150のうちの第1LED150Aを最初に発光させ、以後、Bからの循環色順に従ってLED150を発光させるようED駆動回路182を制御する。
AFE158は、光電変換素子156に接続されており、信号線186を介してI/O170に接続されている。AFE158は、信号生成回路188を備えている。信号生成回路188は、CPU162からI/O170及び信号線186を介して入力された基本クロック信号(基本CLK信号)に基づいて、第1同期信号及び第1クロック信号(第1CLK信号)を生成する。なお、第1同期信号は単一のパルス(以下、単に「パルス」と称する)である。ここで、パルスとは、例えば、信号レベルがローレベルからハイレベルに遷移してからハイレベルからローレベルに遷移する単一の矩形波を指す。
画像処理回路144は、入出力回路200、制御回路202、及びメモリ204を備えている。なお、本例では、入出力回路200の一例として、FPGA(Field Programmable Gate Array)を採用している。また、本例では、制御回路202の一例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)が搭載されたCPUを採用している。
入出力回路200は、信号線190,192,194の各々を介してAFE158に接続されている。AFE158は、信号生成回路188で生成された第1CLK信号を信号線190を介して入出力回路200に出力し、信号生成回路188で生成された第1同期信号を信号線192を介して入出力回路200に第1CLK信号に従って出力する。
AFE158は、光電変換素子156から循環色順(ここでは、Rから始まる循環色順)に入力された画像情報の各々に対して、一般的なAFEが行う処理に相当する処理を施す。そして、循環色順(画像情報が入力された順)に画像情報を信号線194を介して入出力回路200に第1同期信号の出力に従って出力する。ここで、第1同期信号の出力に従って画像情報を出力するとは、換言すると、第1同期信号の出力に同期させて画像情報(空き領域を有する画像情報)を出力することを意味する。
入出力回路200は、AFE158から入力された第1CLK信号に基づいて定められたタイミングで第1同期信号が入力され、第1同期信号が入力されたことに同期して、対応する画像情報を取得する。なお、対応する画像情報とは、AFE158により第1同期信号と共に出力された画像情報を指す。また、本比較例では、説明の便宜上、第1同期信号が入出力回路200に入力される場合、一例として図22に示すように、第1同期信号が間隔Aで入力されることを前提としている。
入出力回路200は、信号線206,208の各々を介してI/O170に接続されており、信号線210,212,214の各々を介して制御回路202に接続されている。制御回路202は、メモリ204及びI/O170の各々に接続されている。
入出力回路200は、CPU162からI/O170及び信号線208を介して入力された第2クロック信号(第2CLK信号)に従って、制御回路202で用いる第3クロック信号(第3CLK信号)を生成する。そして、生成した第3CLK信号を信号線210を介して制御回路202に出力する。
また、入出力回路200は、CPU162からI/O170及び信号線206を介してスキャン開始信号(本発明に係る指示信号の一例)が入力された場合に、第1同期信号が入力される毎に、第2CLK信号に従ってパルスである第2同期信号を生成する。そして、生成した第2同期信号を信号線210を介して制御回路202に出力する。また、入出力回路200は、CPU162からI/O170及び信号線206を介してスキャン終了信号が入力された場合に、第2同期信号の生成を終了する。なお、上記の本発明に係る指示信号とは、入出力回路200が、取得した画像情報を後段回路(ここでは一例として制御回路202)に出力することを指示する信号を指す。
更に、入出力回路200は、取得した画像情報を信号線214を介して制御回路202に第2同期信号の出力に従って取得順(循環色順)に出力する。ここで、第2同期信号の出力に従って画像情報を出力するとは、換言すると、第2同期信号の出力に同期させて画像情報を出力することを意味する。なお、スキャン開始信号は、UI部108で受け付けられたスキャン開始指示に応じてCPU162によってページ単位で生成されて出力される。
制御回路202は、入出力回路200から入力された画像情報を第2同期信号に従って取得し、取得した画像情報をメモリ202に一時的に記憶する。制御回路202は、入出力回路200から入力された第3CLK信号に基づいて定められたタイミングでメモリ204から画像情報を取得する。そして、取得した画像情報に対して予め定められた処理(例えば、シェーディング補正等)を施した後、画像情報をI/O170を介して予め定められた出力先(例えば、CPU162)に出力する。
制御回路202は、入出力回路200にスキャン開始信号が入力されると、第2同期信号が入力されたことに同期して取得した画像情報に対応する色(換言すると、画像情報により示される画像の色)として、先ず、Rを認識する。そして、以降、入出力回路200にスキャン終了信号が入力される迄、制御回路202は、第2同期信号が入力されたことに同期して取得した画像情報に対応する色を、Rに後続する色(ここでは、B)から循環色順に第2同期信号が入力される毎に認識する。すなわち、換言すると、制御回路202は、入出力回路200にスキャン開始信号が入力された以降、入出力回路200から取得した画像情報に対応する色であるRGBを、Rから循環色順に認識する。
制御回路202は、スキャン開始信号が入出力回路200に入力された後に最初にR画像情報が入出力回路200によって出力されることを前提として、取得した画像情報に対して画像処理を行う。
そのため、一例として図6に示すように、入出力回路200によりB画像情報が取得された後、かつ、R画像情報が取得される前に、スキャン開始信号が入出力回路200に入力された場合、制御回路202では、Rから始まる循環色順に画像情報が取得される。この場合、制御回路202では、Rから始まる循環色順に画像情報が認識されて画像処理が行われる。すなわち、制御回路202では、実際に取得される画像情報に対応する色の循環色順と認識される循環色順とが一致する。
なお、以下では、説明の便宜上、制御回路202で実際に取得される画像情報に対応する色の循環色順を「取得循環色順」と称し、制御回路202で認識される循環色順を「認識循環色順」と称する。
一方、一例として図7に示すように、入出力回路200によりR画像情報が取得された後、かつ、G画像情報が取得される前に、スキャン開始信号が入出力回路200に入力される場合、制御回路202では、Gから始まる循環色順に画像情報が取得される。しかし、制御回路202では、Rから始まる循環色順に画像情報が認識されて画像処理が行われる。すなわち、制御回路202では、取得循環色順と認識循環色順とが一致しない。よって、実際はGから始まる循環色順に画像情報が取得されているにも拘らず、Rから始まる循環色順に画像情報が取得されたものとして画像処理が行われる。そのため、制御回路202によって出力された画像情報により示される画像は色ずれが生じた画像となってしまう。
入出力回路200では、第1CLK信号に基づいて定められたクロック信号である第4CLK信号が生成される。第4CLK信号とは、AFE158により出力された第1同期信号が入出力回路200に入力される時期を規定するクロック信号を指す。入出力回路200では、スキャン開始信号が入力された場合、一例として図8に示すように、第4CLK信号に従って第1同期信号が入力される。入出力回路200は、第1同期信号の入力に同期して、循環色順に画像情報を取得する。また、第1同期信号の入力に応じて第2同期信号を生成して制御回路202に出力し、第2同期信号の出力に従って画像情報を取得順(循環色順)に制御回路202に出力する。この場合、制御回路202は、入出力回路200から取得した画像情報を取得順にRから始まる循環色順に認識する。そのため、入出力回路200により出力された画像情報の循環色順(以下、「出力循環色順」と称する)、取得循環色順、及び認識循環色順とが一致する。
しかし、一例として図9に示すように、入出力回路200では、ノイズの影響を受けて、G画像情報に対応する第1同期信号が入力されない場合(ノイズにより第1同期信号の入力が妨げられた場合)、G画像情報が取得されない。また。第2同期信号は、第1同期信号の入力に応じて生成されるので、第2同期信号は生成されず、G画像情報は制御回路202に出力されない。この場合、制御回路202は、入出力回路200から入力された画像情報を入力順にRから始まる循環色順に認識するので、出力循環色順と取得循環色順とは一致するものの、出力循環色順(取得循環色順)と認識循環色順とが一致しない。
すなわち、図9に示す例では、入出力回路200により画像情報がR画像情報、B画像情報、及びR画像情報の順に出力されているが、制御回路202では、画像情報がR画像情報、G画像情報、及びB画像情報の順に入力されたと認識される。このように制御回路202で循環色順が誤認識されると、B画像情報に対して行われるべき画像処理がG画像情報に対して行われ、R画像情報に対して行われるべき画像処理がB画像情報に対して行われることになる。そのため、制御回路202によって出力された画像情報により示される画像は色ずれが生じた画像となってしまう。
また、一例として図10に示すように、入出力回路200では、ノイズの影響を受けて第4CLK信号の出力が停止した(第4CLK信号の出力が妨げられた)ことによりG画像情報に対応する第1同期信号が入力されない場合も、G画像情報が取得されない。よって、出力循環色順と取得循環色順とは一致するものの、出力循環色順(取得循環色順)と認識循環色順とが一致しない。
[実施形態]
次に本発明に係る実施形態の一例を詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記の比較例で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。また、以下では、上記の比較例と異なる部分について説明する。また、以下では、説明の便宜上、一例として図22に示すように、本発明に係る同期信号の一例である第1同期信号が入出力回路34(図11参照)に入力される場合、第1同期信号が間隔Aで入力されることを前提として説明する。
一例として図1〜図4に示すように、本実施形態に係る情報処理装置10は、情報処理装置100に比べ、画像読取部102に代えて画像読取部12を有する点が異なる。一例として図2及び図3に示すように、本発明に係る画像読取装置の一例である画像読取部102は、画像読取部102に比べ、画像読取部本体140に代えて画像読取部本体14を有する点が異なる。
一例として図3及び図11に示すように、本発明に係る信号処理装置の一例である画像読取部本体14は、画像読取部本体140に比べ、CIS142に代えてCIS18を有する点、及び画像処理回路144に代えてが画像処理回路22を有する点が異なる。一例として図11に示すように、CIS18は、CIS142に比べ、AFE158に代えて、本発明に係る出力手段の一例であるAFE20を有する点が異なる。一例として図11に示すように、画像処理回路22は、画像処理回路144に比べ、入出力回路200に比べ、本発明に係る入出力手段の一例である入出力回路34を有する点が異なる。なお、以下では、第1同期信号が入出力回路34に入力される場合、説明の便宜上、一例として図22に示すように、第1同期信号が間隔Aで入力されることを前提として説明する。
AFE20は、画像情報を循環色順に、色に応じた形態の第1同期信号と共に出力する。一例として図11に示すように、AFE20は、AFE158に比べ、内部レジスタ30を有する点、及び信号生成回路188に代えて信号生成回路32を有する点が異なる。内部レジスタ30は、R画像情報に対応する第1同期信号のパルスの時間幅(例えば、パルス幅)を示す時間幅情報を記憶している。時間幅情報により示される時間幅とは、例えば、第4CLK信号による予め定められたクロック数により特定される時間幅を指す。
信号生成回路32は、信号生成回路188に比べ、R画像情報に対応する第1同期信号として、内部レジスタ30に記憶されている時間幅情報により示される時間幅のパルスである第1同期信号(本発明に係る特定同期信号の一例)を生成して出力する点が異なる。なお、本発明に係る特定同期信号とは、第1同期信号のうちの特定色(ここでは一例としてR)に応じた形態の同期信号を指す。
入出力回路34は、AFE20により出力された第1同期信号が入力されたことに同期して、対応する画像情報を取得する。そして、取得した画像情報を、特定同期信号に対応する画像情報から循環色順に制御回路202に出力する。
また、入出力回路34は、取得した画像情報を、第1同期信号の入力に応じて生成した第2同期信号と共に取得順に制御回路202(本発明に係る後段回路の一例)に出力する。また、入出力回路34は、第1同期信号が入力されない場合に、第2同期信号に代替する代替同期信号を制御回路202に出力する。第1同期信号が入力されない場合とは、換言すると、ノイズの影響を受けて第1同期信号の入力が妨げられた場合ということである。すなわち、ここで言う「第1同期信号が入力されない場合」とは、第1同期信号が本来入力されない時期(例えば、図22に示す間隔Aで隣接する一方のパルスと他方のパルスとの間の信号レベルがローレベルの期間)を意図しているわけではない。
一例として図12に示すように、入出力回路34は、第1PLL(位相同期回路:Phase Locked Loop)50、設定部52、保持出力部54、同期信号生成部56、及び第2PLL58を含む。設定部52は、カウンタ53を備えており、保持出力部54は、メモリ55を備えている。
本発明に係るクロック出力手段の一例である第1PLL50は、信号線190に接続されており、信号線60,61の各々を介して設定部52に接続されている。設定部52は、信号線192,206,208,212に接続されており、信号線62を介して同期信号生成部56に接続されている。保持出力部54は、信号線60,62,192,194,208,212,214の各々に接続されている。同期信号生成部56は、信号線192,208に接続されている。第2PLL58は、信号線208,210に接続されている。
第1PLL50は、信号線190を介して入力された第1CLK信号を参照して第4CLK信号(本発明に係る入力クロック信号の一例)を生成する。そして、生成した第4CLK信号を信号線60を介して設定部52及び保持出力部54に出力する。なお、本実施形態では、第4CLK信号の一例として、第1CLK信号の周波数をN倍(ここでは一例として3倍)した周波数のクロック信号を採用している。
また、第1PLL50は、停止状態下で信号線61を介して設定部52からリセット実施信号が入力された場合、リセットを実施する。更に、第1PLL50は、信号線61を介して設定部52からリセット解除信号が入力された場合、リセットを解除する。ここで、停止状態とは、例えば、第1PLL50がノイズの影響を受けたことで、第4CLK信号の生成を停止している状態を指す。また、リセットとは、第4CLK信号の生成を再開し、生成した第4CLK信号を出力せずにリセット解除信号の入力を待機することを指す。リセットを解除するとは、第4CLK信号の出力を再開することを指す。
設定部52は、第1同期信号であるパルスのエッジ(立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジ)を検出する。カウンタ53は、立ち上がりエッジが検出された時点から立ち下がりエッジが検出された時点までの経過時間(ここでは一例として第4CLK信号のクロック数)をカウントする。また、カウンタ53は、第1同期信号(例えば、パルスの立ち下がりエッジ)が検出された時点からの経過時間(ここでは一例として第2CLK信号(本発明に係る出力クロック信号の一例)のクロック数)をカウントする。更に、カウンタ53は、後述のダミー信号が出力された個数をカウントする。
設定部52は、カウンタ53によるカウント値に基づいて各種フラグを設定する。ここで、フラグを設定するとは、フラグをオンしたり、オフしたりすることを指す。各種フラグとは、R識別フラグ、G識別フラグ、B識別フラグ、出力許可フラグ、及びダミー出力フラグを指す。R識別フラグ、G識別フラグ、及びB識別フラグは、設定部52の内部レジスタ(図示省略)に設定される。出力許可フラグは、保持出力部54及び同期信号生成部56に対して設定される。ダミー出力フラグは、同期信号生成部56に対して設定される。
R識別フラグは、取得された画像情報がR画像情報であることを識別するフラグである。G識別フラグは、取得された画像情報がG画像情報であることを識別するフラグである。B識別フラグは、取得された画像情報がB画像情報であることを識別するフラグである。出力許可フラグは、画像情報を制御回路202に出力することを許可するフラグである。ダミー出力フラグは、第2同期信号に代替する代替同期信号の一例であるダミー信号の出力を許可するフラグである。なお、以下では、説明の便宜上、R識別フラグ、G識別フラグ、及びB識別フラグを区別して説明する必要がない場合、色識別フラグと称する。
保持出力部54は、信号線60を介して入力された第4CLK信号に基づいて定められたタイミングで信号線192を介して第1同期信号が入力されたことに同期して、対応する画像情報を取得してメモリ55に保持する。そして、出力許可フラグがオン状態であることを条件に、画像情報出力を行う。ここで、画像情報出力とは、信号線208を介して入力された第2CLK信号に基づいて定められたタイミングで信号線212を介して第2同期信号が入力されたことに同期して、保持状態の画像情報を信号線214を介して制御回路202に出力することを指す。
同期信号生成部56は、出力許可フラグがオン状態であることを条件に同期信号出力を行う。ここで、同期信号出力とは、第1同期信号が信号線192を介して入力されたことに応じて、パルスである第2同期信号を生成して出力することを指す。なお、第2同期信号は、信号線208を介して入力された第2CLK信号に基づいて定められたタイミングで生成されて出力される。
同期信号生成部56は、ダミー出力フラグがオン状態であることを条件にダミー信号出力を行う。ダミー信号出力とは、第2同期信号に代替するパルスであるダミー信号を、信号線208を介して入力された第2CLK信号に従って生成して出力することを指す。ダミー信号の出力間隔は、例えば、第1同期信号の出力間隔に相当する予め定められた間隔(以下、説明の便宜上、「第1同期信号出力間隔」と称する)である。第1同期信号出力間隔とは、例えば、出力された隣接する第1同期信号のうちの一方の第1同期信号の立ち上がりエッジから他方の第1同期信号の立ち上がりエッジまでの時間間隔を指す。
なお、本実施形態では、第1PLL50と異なる生成出力源であるCPU162によって生成されて出力された第2CLK信号に従ってダミー信号が生成されて出力される場合を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、ダミー信号は、第4CLK信号が生成されて出力される生成出力源(ここでは、第1PLL50)及びCPU162以外の生成出力源である発振器で生成されて出力されたクロック信号に従って生成されて出力されるようにしてもよい。
第2PLL58は、信号線208を介して第2CLK信号が入力され、入力された第2CLK信号を参照して第3CLK信号を生成し、生成した第3CLK信号を信号線210を介して制御回路202に出力する。
次に本実施形態の作用を説明する。先ず、図13を参照して設定部52が実行するフラグ設定処理について説明する。
図13に示すフラグ設定処理では、先ず、ステップ200で、設定部52は、保持出力部54及び同期信号生成部56で出力許可フラグがオフされているか否かを判定する。ステップ200において、保持出力部54及び同期信号生成部56で出力許可フラグがオフされている場合は、判定が肯定されて、ステップ202へ移行する。ステップ200において、保持出力部54及び同期信号生成部56で出力許可フラグがオフされていない場合(オンされている場合)は、判定が否定されて、ステップ220へ移行する。
ステップ202で、設定部52は、スキャン開始信号が入力されたか否かを判定する。ステップ202において、スキャン開始信号が入力された場合は、判定が肯定されて、ステップ204へ移行する。ステップ202において、スキャン開始信号が入力されていない場合は、判定が否定されて、ステップ202の判定が再び行われる。
ステップ204で、設定部52は、第1同期信号の立ち上がりエッジを検出したか否かを判定する。ステップ204において、第1同期信号の立ち上がりエッジを検出した場合は、判定が肯定されて、ステップ206へ移行する。ステップ204において、第1同期信号の立ち上がりエッジを検出していない場合は、判定が否定されて、ステップ204の判定が再び行われる。
ステップ206で、カウンタ53は、第4CLK信号のクロック数のカウントを開始し、その後、ステップ208へ移行する。
ステップ208で、設定部52は、第1同期信号の立ち下がりエッジを検出したか否かを判定する。ステップ208において、第1同期信号の立ち下がりエッジを検出した場合は、判定が肯定されて、ステップ210へ移行する。ステップ208において、第1同期信号の立ち下がりエッジを検出していない場合は、判定が否定されて、ステップ208の判定が再び行われる。
ステップ210で、設定部52は、ステップ206でカウントを開始したカウンタ53のカウント値が第1閾値以上か否かを判定する。ここで、第1閾値とは、内部レジスタ30に記憶されている時間幅情報により示される時間幅に相当するクロック数を指す。ステップ210において、ステップ206でカウントを開始したカウンタ53のカウント値が第1閾値以上の場合は、判定が肯定されて、ステップ212へ移行する。ステップ210において、ステップ206でカウントを開始したカウンタ53のカウント値が第1閾値未満の場合は、判定が否定されて、ステップ213へ移行する。
なお、本ステップ210において、判定が肯定される場合とは、R画像情報に対応する第1同期信号(図18参照)が設定部52に入力された場合を指す。本ステップ210において、判定が否定される場合とは、G画像情報に対応する第1同期信号(図18参照)、又はB画像情報に対応する第1同期信号(図18参照)が設定部52に入力された場合を指す。
ステップ213で、カウンタ53は、ステップ206でカウントを開始して得たカウント値をリセットし、その後、ステップ202へ移行する。なお、本ステップ213及び後述のステップ214におけるリセットとは、カウント値を初期設定値(例えば“0”)に戻すことを意味する。
ステップ212で、設定部52は、R識別フラグ及び出力許可フラグをオンし、その後、ステップ214へ移行する。
ステップ214で、カウンタ53は、ステップ206又は前回の本ステップ214でカウントを開始して得たカウント値をリセットしてからカウントを再び開始し、その後、ステップ216へ移行する。
ステップ216で、設定部52は、スキャン終了信号が入力されたか否かを判定する。ステップ216において、スキャン終了信号が入力された場合は、判定が肯定されて、ステップ218へ移行する。ステップ216において、スキャン終了信号が入力されていない場合は、判定が否定されて、ステップ200の判定が再び行われる。
ステップ218で、設定部52は、各種フラグをオフし、その後、本フラグ設定処理を終了する。
一方、ステップ220で、設定部52は、第1PLL50が停止状態であるか否かを判定する。ステップ220において、第1PLL50が停止状態の場合は、判定が肯定されて、図14に示すステップ234へ移行する。ステップ220において、第1PLL50が停止状態でない場合は、判定が否定されて、ステップ222へ移行する。
ステップ222で、設定部52は、第1同期信号(一例として図18に示すR画像情報、G画像情報、又はB画像情報に対応する第1同期信号)を検出したか否かを判定する。ステップ222において、第1同期信号を検出した場合は、判定が肯定されて、ステップ224へ移行する。ステップ222において、第1同期信号を検出していない場合は、判定が否定されて、ステップ230へ移行する。
ステップ224で、設定部52は、循環色順に色識別フラグを更新し、その後、ステップ226へ移行する。循環色順に色識別フラグを更新するとは、例えば、R識別フラグがオンされている状態でステップ222の判定が肯定された場合、R識別フラグがオフされると共にG識別フラグがオンされることを意味する。また、例えば、G識別フラグがオンされている状態でステップ222の判定が肯定された場合、G識別フラグがオフされると共にB識別フラグがオンされることを意味する。更に、例えば、B識別フラグがオンされている状態でステップ222の判定が肯定された場合、B識別フラグがオフされると共にR識別フラグがオンされることを意味する。
ステップ226で、設定部52は、ダミー出力フラグがオンされているか否かを判定する。ステップ226において、ダミー出力フラグがオンされている場合は、判定が肯定されて、ステップ228へ移行する。ステップ226において、ダミー出力フラグがオンされていない場合(オフされている場合)は、判定が否定されて、ステップ214へ移行する。
ステップ228で、設定部52は、ダミー出力フラグをオフし、その後、ステップ214へ移行する。
ステップ230で、設定部52は、ステップ214でカウントを開始したカウンタ53のカウント値が第2閾値以上か否かを判定する。ここで、第2閾値とは、例えば、第1同期信号出力間隔に予め定められた時間(例えば、第4CLK信号の2クロックに相当する時間)を付加して得た時間に相当する第4CLK信号のクロック数を指す。
ステップ230において、ステップ214でカウントを開始したカウンタ53のカウント値が第2閾値以上の場合は、判定が肯定され、ステップ232へ移行する。ステップ230において、ステップ214でカウントを開始したカウンタ53のカウント値が第2閾値未満の場合は、判定が否定されて、ステップ220へ移行する。
ステップ232で、設定部52は、ダミー出力フラグをオンし、その後、ステップ214へ移行する。
一方、図14に示すステップ234で、設定部52は、リセット実施信号を第1PLL50に出力し、その後、ステップ236へ移行する。第1PLL50は、設定部52からリセット実施信号が入力されたことに応じてリセットを実施する。
ステップ236で、設定部52は、ダミー出力フラグをオンし、その後、ステップ238へ移行する。
ステップ238で、設定部52は、現時点でオンされている色識別フラグに基づいて、同期信号生成部56が出力するダミー信号の必要個数を導出し、その後、ステップ240へ移行する。なお、本ステップ238では、下記の表1に従って、ダミー信号の必要個数が導出される。
ここで、ダミー信号の必要個数(例えば、表1に示すダミー信号の必要個数)は、現時点でオンされている色識別フラグ、出力再開期間、及び特定色に応じて定まる。出力開始期間とは、第1PLL50により第4CLK信号の出力が再開される迄の期間として予め定められた期間を指す。第4CLK信号の出力が再開される迄の期間とは、換言すると、第4CLK信号の生成が安定する迄の期間を指す。第4CLK信号の生成が安定した状態とは、例えば、第1CLK信号のクロック数の3倍のクロック数の第4CLK信号が継続的に生成されている状態を指す。特定色とは、制御回路202に対して最初に出力すべき画像情報に対応する色として予め定められた色(ここでは一例としてR)を指す。
ステップ238が実行された後、同期信号生成部56によって出力されたダミー信号の個数はカウンタ53によってカウントされる。
ステップ240で、設定部52は、カウンタ53によってカウントされたダミー信号の個数がステップ238で導出した必要個数に達したか否かを判定する。ステップ240において、カウンタ53によってカウントされたダミー信号の個数がステップ238で導出した必要個数に達した場合は、判定が肯定されて、ステップ242へ移行する。ステップ240において、カウンタ53によってカウントされたダミー信号の個数がステップ238で導出した必要個数に達していない場合は、判定が否定されて、ステップ240の判定が再び行われる。
ステップ242で、設定部52は、ダミー出力フラグをオフし、その後、ステップ244へ移行する。
ステップ244で、設定部52は、リセット解除信号を第1PLL50に出力し、その後、図13に示すステップ214へ移行する。第1PLL50は、設定部52からリセット解除信号が入力されたことに応じてリセットを解除する。
次に、図15を参照して同期信号生成部56が実行する信号生成処理について説明する。
ステップ250で、同期信号生成部56は、出力許可フラグがオンされているか否かを判定する。ステップ250において、出力許可フラグがオンされている場合は、判定が肯定されて、ステップ252へ移行する。ステップ250において、出力許可フラグがオンされていない場合(オフされている場合)は、判定が否定されて、本ステップ250の判定が再び行われる。
ステップ252で、同期信号生成部56は、ダミー出力フラグがオンされているか否かを判定する。ステップ252において、ダミー出力フラグがオンされている場合は、判定が肯定されて、ステップ258へ移行する。ステップ252において、ダミー出力フラグがオンされていない場合(オフされている場合)は、判定が否定されて、ステップ254へ移行する。
ステップ254で、同期信号生成部56は、AFE20から第1同期信号が入力されたか否かを判定する。ステップ254において、AFE20から第1同期信号が入力された場合は、判定が肯定されて、ステップ256へ移行する。ステップ254において、AFE20から第1同期信号が入力されていない場合は、判定が否定されて、ステップ264へ移行する。
ステップ256で、同期信号生成部56は、第2同期信号を生成して制御回路202に出力し、その後、ステップ264へ移行する。
ステップ258で、同期信号生成部56は、ダミー信号生成時期が到来したか否かを判定する。ここで、ダミー信号生成時期とは、ステップ252の判定が肯定されたとき、及び前回にダミー信号が出力された時点から第1同期信号出力間隔に相当する時間が経過したときを指す。ステップ258において、ダミー信号生成時期が到来した場合は、判定が肯定されて、ステップ260へ移行する。ステップ258において、ダミー信号生成時期が到来していない場合は、判定が否定されて、本ステップ258の判定が再び行われる。
ステップ260で、同期信号生成部56は、ダミー信号を生成して制御回路202に出力し、その後、ステップ262へ移行する。なお、本ステップ260では、図14に示すステップ238で必要個数として“1”以上の個数が導出された場合、ダミー信号が生成されて出力されるが、必要個数として“0”が導出された場合、ダミー信号が生成されずにステップ262へ移行する。
ステップ262で、同期信号生成部56は、ダミー出力フラグがオフされているか否かを判定する。ステップ262において、ダミー出力フラグがオフされている場合は、判定が肯定されて、ステップ264へ移行する。ステップ262において、ダミー出力フラグがオフされていない場合(オンされている場合)は、判定が否定されて、ステップ258へ移行する。
ステップ264で、同期信号生成部56は、出力許可フラグがオフされているか否かを判定する。ステップ264において、出力許可フラグがオフされていない場合(オンされている場合)は、判定が否定されて、ステップ252へ移行する。ステップ264において、出力許可フラグがオフされている場合は、判定が肯定されて、本信号生成処理を終了する。
次に、図16を参照して保持出力部54が実行する画像情報取得処理について説明する。
図16に示す画像情報取得処理では、先ず、ステップ300で、保持出力部54は、出力許可フラグがオンされているか否かを判定する。ステップ300において、出力許可フラグがオンされていない場合(オフされている場合)は、判定が否定されて、本ステップ300の判定が再び行われる。ステップ300において、出力許可フラグがオンされている場合は、判定が肯定されて、ステップ302へ移行する。
ステップ302で、保持出力部54は、第1同期信号が入力されたか否かを判定する。ステップ302において、第1同期信号が入力されていない場合は、判定が否定されて、本ステップ302の判定が再び行われる。ステップ302において、第1同期信号が入力された場合は、判定が肯定されて、ステップ304へ移行する。
ステップ304で、保持出力部54は、AFE20により出力された画像情報の取得を開始し、その後、ステップ306へ移行する。
ステップ306で、保持出力部54は、取得した画像情報をメモリ55に記憶することにより保持し、ステップ307へ移行する。
ステップ307で、保持出力部54は、ステップ302で入力された第1同期信号に対応する画像情報の取得を終了したか否かを判定する。ステップ307において、ステップ302で入力された第1同期信号に対応する画像情報の取得を終了していない場合は、判定が否定されて、ステップ306へ移行する。ステップ307において、ステップ302で入力された第1同期信号に対応する画像情報の取得を終了した場合は、判定が肯定されて、ステップ308へ移行する。
ステップ308で、保持出力部54は、出力許可フラグがオフされているか否かを判定する。ステップ308において、出力許可フラグがオフされていない場合(オンされている場合)は、判定が否定されて、ステップ302へ移行する。ステップ308において、出力許可フラグがオフされている場合は、判定が肯定されて、本画像情報取得処理を終了する。
次に、図17を参照して保持出力部54が実行する画像情報出力処理について説明する。
図17に示す画像情報出力処理では、先ず、ステップ350で、保持出力部54は、出力許可フラグがオンされているか否かを判定する。ステップ350において、出力許可フラグがオンされていない場合(オフされている場合)は、判定が否定されて、本ステップ350の判定が再び行われる。ステップ350において、出力許可フラグがオンされている場合は、判定が肯定されて、ステップ352へ移行する。
ステップ352で、保持出力部54は、第2同期信号が入力されたか否かを判定する。ステップ352において、第2同期信号が入力されていない場合は、判定が否定されて、本ステップ352の判定が再び行われる。ステップ352において、第2同期信号が入力された場合は、判定が肯定されて、ステップ354へ移行する。
ステップ354で、保持出力部54は、保持状態の(現時点でメモリ55に記憶されている)画像情報を制御回路202に出力し、その後、ステップ356へ移行する。
ステップ356で、保持出力部54は、保持状態の画像情報の全てを制御回路202に出力したか否かを判定する。ステップ356において、保持状態の画像情報の全てを制御回路202に出力していない場合は、判定が否定されて、本ステップ356の判定が再び行われる。ステップ356において、保持状態の画像情報の全てを制御回路202に出力した場合は、判定が肯定されて、ステップ358へ移行する。
ステップ358で、保持出力部54は、出力許可フラグがオフされているか否かを判定する。ステップ358において、出力許可フラグがオフされていない場合(オンされている場合)は、判定が否定されて、ステップ352へ移行する。ステップ358において、出力許可フラグがオフされている場合は、判定が肯定されて、本画像情報出力処理を終了する。
以上説明したように、保持出力部54によって画像情報出力処理が実行されると、入出力回路34により出力される画像情報に対応する色は、一例として図19に示すように制御回路202で取得される画像情報に対応する色と一致する。また、図7に示す例と図19に示す例とを対比すると、図7に示す例では、取得循環色順と認識循環色順とが一致しないのに対し、図19に示す例では、取得循環色順と認識循環色順とが一致する点が異なる。このように取得循環色順と認識循環色順とが一致するのは、設定部52により出力許可フラグがオンされた上で、保持出力部54により画像情報取得処理及び画像情報出力処理が実行されたからである。
図19に示す例では、AFE20によりR画像情報が出力された後、かつ、B画像情報が出力される前に、スキャン開始信号が入出力回路34に入力される。この場合(スキャン開始信号が入出力回路34に入力されるタイミングとAFE20によりR画像情報が出力されるタイミングとが合わない場合)、入出力回路34は、B画像情報を出力せずに(空データを出力し)、R画像情報から画像情報の出力を開始する。これにより、制御回路202は、入出力回路34からB画像情報が入力されないため(入出力回路34により空データが出力されるため)、B画像情報に対する取得動作をスキップし、R画像情報から画像情報の取得を再開する。よって、制御回路202では、R画像情報、G画像情報、及びB画像情報の順に画像情報が取得され、R画像情報、G画像情報、及びB画像情報の順に画像情報が認識されて、取得された画像情報に対して取得順に処理が実行される。
また、本実施形態に係る情報処理装置10では、RGB等の色識別フラグとするスキャン開始信号が画像情報毎に入出力回路34に入力され、入出力回路34が色と無関係な同期信号と共に画像情報とスキャン開始信号との両方を制御回路202に出力する場合に比べ、制御回路202は、少ないデータのやり取りで、画像情報に対応する色を、特定色から循環色順に認識することとなる。
一方、図9に示す例と図20に示す例とを対比すると、G画像情報に対応する第1同期信号の入力がノイズにより妨げられた場合、図9に示す例ではダミー信号が出力されないのに対し、図20に示す例ではダミー信号が出力される点が異なる。
出力許可フラグがオンされた場合、一例として図20に示すように、入出力回路34は、第1同期信号が入力されたことに応じて(図15のステップ254:Y)、第2同期信号を生成して出力する(図15のステップ256)。制御回路202は、第2同期信号が入力されたことに同期して画像情報を取得する。ここで、入出力回路34は、G画像情報に対応する第1同期信号の入力がノイズにより妨げられると(図13のステップ230:Y)、G画像情報を出力せず(空データを出力し)、第2同期信号に代えてダミー信号を生成して出力する(図15のステップ260)。
この場合、制御回路202は、G画像情報に対する取得動作をスキップし、入出力回路34からダミー信号が入力されることにより、G画像情報を取得したと認識する。その後、入出力回路34は、第1同期信号の入力が再開されると(図15のステップ254:Y)、再び第2同期信号を生成して出力する(図15のステップ256)。入出力回路34は、第2同期信号の出力を再開すると、これに同期して画像情報(図20に示す例では、B画像情報)を出力する。制御回路202は、第2同期信号が再び入力されたことに同期して画像情報の取得を再開し、取得した画像情報に対応する色(図20に示す例では、B)を認識する。
すなわち、制御回路202は、第1同期信号の出力が再開されるまでダミー信号が入力されることで、画像情報を実際に取得していなくても画像情報を取得したと認識するので、結果的に、取得循環色順と認識循環色順とが一致する。従って、第1同期信号の入力がノイズによって妨げられたとしても、制御回路202以降で画像情報に対応する色がずれる(制御回路202により画像処理が行われて出力された画像情報により示される画像の色がずれる)という事態の発生が抑制される。なお、制御回路202以降とは、制御回路202及び制御回路202により出力された画像情報を取得して取り扱う後段回路(制御回路202よりも後段に位置する回路)を指す。
一方、図10に示す例と図21に示す例とを対比すると、G画像情報に対応する第1同期信号の入力がノイズにより妨げられた場合に、図10に示す例ではダミー信号が出力されないのに対し、図21に示す例ではダミー信号が出力される点が異なる。
本実施形態では、一例として図21に示すように、ノイズによって第4CLK信号の出力が妨げられたことに起因して第1同期信号が入力されずに第2同期信号が生成されない場合においても、ダミー信号が制御回路202に出力される。この場合、制御回路202は、第4CLK信号の出力が再開されるまでダミー信号が入力されることで、画像情報を実際に取得していなくても画像情報を取得したと認識するので、結果的に、取得循環色順と認識循環色順とが一致する。従って、ノイズによって第4CLK信号の出力が妨げられたとしても、制御回路202以降で画像情報に対応する色がずれるという事態の発生が抑制される。
なお、上記実施形態では、ノイズの影響を受けて第1同期信号が入力されない場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ノイズ以外の原因(例えば、接触不良)により第1同期信号が入力されない場合であってもよいことは言うまでもない。
また、上記実施形態では、第4CLK信号の再開されるタイミングが既知であることを前提として、色識別フラグに応じて一意に導出された個数のダミー信号を出力する場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、同期信号生成部56は、ダミー出力フラグがオンされてから、ダミー出力フラグがオフされ、かつ、R識別フラグがオンされる迄の間、ダミー信号を出力し、R識別フラグがオンされた場合に、第2同期信号を生成して出力するようにしてもよい。この場合、色識別フラグが更新されることが前提となるが、色識別フラグは、同期信号生成部56により出力されたダミー信号が設定部52によって検出される毎に循環色順に更新されるようにすればよい。なお、ダミー出力フラグがオフされ、かつ、R識別フラグがオンされるまでの間とは、換言すると、ダミー出力フラグがオフされ、かつ、G識別フラグ又はB識別フラグがオンされている間を指す。
また、上記実施形態では、スキャン開始信号が画像処理回路22に入力されてから入出力回路34が制御回路202に最初に出力する画像情報に対応する色としてRを例示したが本発明はこれに限定されるものではない。スキャン開始信号が画像処理回路186に入力されてから入出力回路34が制御回路202に最初に出力する画像情報に対応する色は、制御回路202が何れの色の画像情報から循環色順に画像処理を行うかによって決まる。従って、制御回路202がG画像情報から循環色順に画像処理を行う場合、スキャン開始信号が画像処理回路22に入力されてから入出力回路34が制御回路202に最初に出力する画像情報に対応する色はGである。また、制御回路202がB画像情報から循環色順に画像処理を行う場合、スキャン開始信号が画像処理回路22に入力されてから入出力回路34が制御回路202に最初に出力する画像情報に対応する色はBである。
また、上記実施形態では、G画像情報に対応する第1同期信号の時間幅(パルス幅)とB画像情報に対応する第1同期信号の時間幅とを相違させていないが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、R画像情報に対応する第1同期信号の時間幅と、G画像情報に対応する第1同期信号の時間幅と、B画像情報に対応する第1同期信号の時間幅とを互いに異ならせるようにしてもよい。これにより、設定部52によって第1同期信号の時間幅が測定されることで何色の画像情報が入力されたかが識別される。
また、上記実施形態では、AFE20が、信号レベルがローレベルからハイレベルに遷移するパルスを第1同期信号として出力する場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、信号レベルがハイレベルからローレベルに遷移する信号を第1同期信号として出力するようにしてもよい。この場合、第1同期信号のローレベル部分の時間幅から画像情報に対応する色が識別される。
また、上記実施形態では、第1同期信号であるパルスが矩形波であることを前提として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1同期信号であるパルスは、三角波又はのこぎり波等の他の形状のパルスであってもよい。また、RGBの色毎にパルスの形状を変えるようにしてもよい。この場合、RGBの各色がパルスの形状から一意に特定される。
また、上記実施形態では、第1同期信号であるパルスの時間幅であるパルス幅に基づいて色を識別する場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、AFE20は、色に応じた個数のパルス又は色に応じた高さのパルスを第1同期信号として出力するようにしてもよい。また、RGBの色毎に個別にパルスの個数を変えたり、RGBの色毎に個別にパルスの高さを変えたりしてもよい。この場合、パルスの個数又はパルスの高さからRGBの各色が一意に特定される。
なお、AFE20が色に応じた時間幅の第1同期信号を生成して出力して、入出力回路34が第1同期信号の時間幅から画像情報に対応する色を識別する方法(上記実施形態で説明した色識別方法)は、画像情報内の空き領域に色識別子を埋め込む必要がない。そのため、上記実施形態で説明した色識別方法は、色識別子を画像情報内の空き領域に埋め込む方法に比べ、画像情報内の空き領域が他の用途に充てられる、という点で有利である。
また、上記実施形態では、一例として図22に示すように、第1同期信号が間隔Aで入力される場合を前提として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図23に示すように、B画像情報に対応する第1同期信号と後続のR画像情報に対応する第1同期信号との入力間隔のみが間隔Bであってもよい。この場合も、第4CLK信号の出力を再開させるタイミングは、ダミー信号の出力後である。
また、上記実施形態で説明したフラグ設定処理、信号生成処理、画像情報取得処理、及び画像情報出力処理(以下、区別して説明する必要がない場合、「各種処理」という)はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。また、上記実施形態で説明した各種処理に含まれる各処理は、FPGAである入出力回路34によって実行されているが、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現されてもよい。また、各種処理に含まれる各処理は、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
また、上記実施形態で説明した各種処理に含まれる各処理をソフトウェア構成により実現するには、例えば、CPU、一次記憶部、及び二次記憶部を含むコンピュータにおけるCPUが各種処理プログラムを実行することにより各種処理が行われるようにすればよい。ここで、各種処理プログラムは二次記憶部(例えば、フラッシュメモリ)に記憶されていればよく、CPUは、二次記憶部から各種処理プログラムを読み出し、一次記憶部(例えば、RAM)に展開してから実行すればよい。この場合、CPUは、フラグ設定プログラムを実行することで、フラグ設定処理(図13及び図14参照)を実行する設定部52として動作する。また、CPUは、信号生成プログラムを実行することで、信号生成処理(図15参照)を実行する同期信号生成部56として動作する。CPUは、画像情報取得プログラムを実行することで、画像情報取得処理(図16参照)を実行する保持出力部54として動作する。更に、CPUは、画像情報出力プログラムを実行することで、画像情報出力処理(図17参照)を実行する保持出力部54として動作する。
また、上記実施形態では、説明の便宜上、画像読取部12において画像情報をAFE20から入出力回路34へ出力し、入出力回路34が制御回路202に画像情報を出力する場合を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、画像読取部12以外の装置において、画像情報を一方の回路から他方の回路へ出力し、他方の回路が後段回路に出力する場合についても適用される。
また、上記実施形態では、RGBの3つの色の各々に対応する画像情報を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、予め定められた複数色(例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K))の各々に対応する画像情報を一方の回路から他方の回路へ出力し、他方の回路が後段回路に出力する場合についても適用される。