以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。
一例として図1に示すように、画像形成装置10は、本発明に係る画像読取装置の一例である画像読取部12、本発明に係る画像形成手段の一例である画像形成部14、用紙収容部16、及びユーザ・インタフェース部18を備えている。なお、以下では、説明の便宜上、ユーザ・インタフェースをUIと称する。
画像読取部12は、原稿台20及び排出台22を備えている。原稿台20の上面には一対の案内部材24A,24Bが設けられている。一対の案内部材24A,24Bは、原稿台20に置かれた原稿の幅方向に手動操作で移動し、原稿台20に置かれた原稿が搬送される際に、原稿を搬送方向に案内する。画像読取部12は、原稿台20に置かれた原稿を1枚ずつ取り込み、取り込んだ原稿の画像を線順次方式で読み取って、読み取った画像を示す画像情報を取得する。そして、取得した画像情報を後述のCPU72に出力し、その後、原稿を排出台22に排出する。
上記の線順次方式とは、原稿に対して光源及びラインセンサを相対移動させながら、1ライン毎に赤色、緑色、及び青色の光源を切り替えて点灯させることにより、1回の読取動作で1ラインを線状に読み取る方式を指す。なお、以下では、説明の便宜上、赤色を「R」と称し、緑色を「G」と称し、青色を「B」と称する。
上記の光源は、後述の第1LED60A、第2LED60B、及び第3LED60Cである。上記のラインセンサは、所謂モノクロイメージセンサであり、後述の光電変換素子66によって形成されている。また、上記の相対移動とは、光源及びラインセンサの位置を固定して原稿を移動させること、原稿の位置を固定して光源及びラインセンサを移動させること、又は、原稿と光源及びラインセンサとを相反する方向に移動させることをいう。
用紙収容部16には、記録媒体の一例である用紙がサイズ別に収容されており、画像形成部14は、用紙収容部16から用紙を取り出し、取り出した用紙に対して、画像を形成する。用紙に対して形成される画像とは、例えば、後述のCPU72が画像読取部12から取得した画像情報により示される画像、CPU72が後述の外部装置86から取得した画像情報により示される画像、又は画質調整用の基準画像である所謂パッチを指す。画像形成部14は、画像が形成された用紙を排出台26に排出する。なお、画像を形成する方式は、電子写真方式であってもよいし、インクジェット方式であってもよい。
UI部18は、画像を表示するタッチパネル・ディスプレイ18A及びスイッチ18Bを備えている。タッチパネル・ディスプレイ18A及びスイッチ18Bは、画像形成装置10の利用者からの各種指示を受け付ける。各種指示の一例としては、画像読取部12に対して画像の読み取りを開始させる指示であるスキャン開始指示、及び画像形成部14に対して画像の形成を開始させる指示が挙げられる。タッチパネル・ディスプレイ18Aは、受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や警報等の各種情報を表示する。
一例として図2及び図3に示すように、画像読取部12は、筐体30及び本発明に係る相対速度変更手段の一例である原稿搬送装置32を含み、原稿搬送装置32は、原稿台20及び排出台22を備えている。
一例として図2に示すように、筐体30は、画像読取部本体50を収容し、筐体30の上面には長方形状の開口34が形成されている。本実施形態では、開口34は、A3サイズの原稿よりも大きな開口とされている。開口34は、原稿36(図3参照)が載せられるプラテンガラス38によって遮蔽されている。原稿36は、画像記録領域に画像が記録された用紙である。なお、本実施形態に係る画像読取部12では、プラテンガラス38の一例として無色透明なガラス板を適用しているが、これに限らず、透光性を有する原稿台であればよい。
筐体30の上面には、固定部38A,38Bが設けられている。固定部38A,38Bには、原稿搬送装置32(図3参照)の底面に設けられたヒンジ部材(図示省略)が固定され、原稿搬送装置32は、プラテンガラス38を露出させる位置とプラテンガラス38を遮蔽する位置とでヒンジ部材を介して回転する。
プラテンガラス38の周囲には、長方形状の枠で形成された原稿セットガイド40が設けられている。原稿セットガイド40は、プラテンガラス38より僅かな凸状の段差となっており、原稿セットガイド40の段差に接するように原稿36の角部を合わせることにより、原稿36の位置決めが行われる。原稿セットガイド40の上面には、位置合わせマーク(図示省略)及び原稿サイズラベル(図示省略)が設けられている。位置合わせマークは、原稿セットガイド40の角部に原稿36の角部を合わせるときの目印である。原稿サイズラベルは、位置合わせマークに角部を合わせて定型サイズ(本例では、B5,A4,B4,A3)の原稿36がプラテンガラス38に載せられたときの原稿36の端部が位置する目印である。
一例として図3に示す原稿搬送装置32では、原稿台20に載せられた原稿が、原稿反転ユニット(図示省略)へ送り込まれる。原稿台20に原稿が複数枚重ねられている場合は、その最上層の原稿が原稿反転ユニットへ送り込まれる。原稿反転ユニットへ送り込まれた原稿は、反転しながらプラテンガラス38上の読取領域を通過する。そして、原稿が読取領域を通過している間に画像の読み取りが行われ、その後、排出台22に排出される。
一例として図3に示すように、画像読取部本体50は、CIS(密着型イメージセンサ:Contact Image Sensor)52、画像処理回路54、及びモータ56を含む。CIS52及び画像処理回路54は、キャリッジ58に搭載されており、キャリッジ58は、モータ56の駆動力を受けて開口34の長手方向に相当する副走査方向としてのX方向(図3参照)に移動する。
CIS52は、第1LED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)60A、第2LED60B、及び第3LED60Cを有する。第1LED60Aは、Rの発光波長を有するLEDであり、第2LED60Bは、Gの発光波長を有するLEDであり、第3LED60Cは、Bの発光波長を有するLEDである。なお、第1LED60A、第2LED60B、及び第3LED60Cは、本発明に係る照射手段の一例である。
第1LED60A、第2LED60B、及び第3LED60Cは、RGBの各色の光が予め定められた順序である循環色順で発せられるように順次に駆動される。ここで、循環色順とは、RGBが“R”⇒“G”⇒“B”⇒“R”⇒“G”⇒“B”・・・・・の順に循環する順序、すなわち、“R”⇒“G”⇒“B”の1つのサイクルである周期が繰り返される順序を指す。本実施形態では、1つの周期内の最初の色を“R”とし、1つの周期内の最後の色を“B”としているが、これに限らず、例えば、最初の色を“G”とし、最後の色を“R”としてもよいし、最初の色を“B”とし、最後の色を“G”としてもよい。なお、以下では、説明の便宜上、第1LED60A、第2LED60B、及び第3LED60Cを区別して説明する必要がない場合、「LED60」と称する。
CIS52は、導光体62及び集光部64を有する。また、CIS52は、本発明に係る読取手段の一例である光電変換素子66、及び本発明に係る読取手段及び制御手段の一例であるAFE(アナログ・フロント・エンド:Analog Flont End)68を有する。なお、AFE68は、一般的に別名としてアナログ・プリプロセッサとも称されている回路である。
導光体62は、一例として図2に示すように、開口34の短手方向である主走査方向としてのY方向(図3参照)に沿って長尺状に形成されている。一例として図3に示すように、導光体62の一端には、LED60が取り付けられており、導光体62は、LED60が点灯することによってLED60から照射された光を線状に原稿36へ導く。
集光部64は、正立等倍結像型レンズ素子が主走査方向に沿って複数個配置されたレンズユニットであり(図2参照)、LED60により導光体62を介して原稿36に対して光を照射した際に原稿36で反射された光である反射光を集光する。
光電変換素子66は、Y方向に沿って複数個配置されており、集光部64で集光された反射光を受光(結像)して光電変換を行うことで、受光量に応じた電気信号であるアナログの画像情報を生成して出力する。光電変換素子66によって生成されて出力される画像情報は、Rの画像を示す画像情報、Gの画像を示す画像情報、及びBの画像を示す画像情報である。
なお、以下では、説明の便宜上、Rの画像を示す画像情報を「R画像情報」と称し、Gの画像を示す画像情報を「G画像情報」と称し、Bの画像を示す画像情報を「B画像情報」と称する。また、以下では、説明の便宜上、R画像情報、G画像情報、及びB画像情報を区別して説明する必要がない場合、「画像情報」と称する。
AFE68は、光電変換素子66から入力された画像情報を、アンプ、A/Dコンバータ、及びフィルタ等(図示省略)を用いて調整し、調整して得たデジタルの画像情報を出力する。なお、デジタルの画像情報の一例としては、16ビットの画像情報が挙げられる。
画像処理回路54は、AFE68から入力された画像情報を特定色から循環色順に処理する機能として、AFE158から入力された画像情報に対してシェーディング補正、ガンマ変換補正、及び画素の配置変換処理等の画像処理を行う機能を有している。なお、特定色とは、Rを指すが、これに限定されるものではなく、G又はBであってもよい。
一例として図4に示すように、画像形成装置10は、コントローラ70を備えている。コントローラ70は、CPU(Central Processing Unit)72、一次記憶部74、及び二次記憶部76を備えている。一次記憶部74は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリ(例えば、RAM(Random Access Memory))である。二次記憶部76は、画像形成装置10の作動を制御する制御プログラムや各種パラメータ等を予め記憶する不揮発性のメモリである。二次記憶部76の一例としては、フラッシュメモリやハードディスク装置が挙げられる。CPU72、一次記憶部74、及び二次記憶部76は、バス78を介して相互に接続されている。
画像形成装置10は、CPU72と各種の入出力デバイスとを電気的に接続してCPU72と各種の入出力デバイスとの間の各種情報の送受信を司るインプット・アウトプット・インタフェース80を備えている。なお、以下では、説明の便宜上、インプット・アウトプット・インタフェースをI/Oと称する。
画像形成装置10は、I/O80に接続されることで、バス78を介してCPU72と電気的に接続される入出力デバイスとして、画像読取部12、画像形成部14、及びUI部18を備えている。また、画像形成装置10は、入出力デバイスとして、外部インタフェース(I/F)82及び通信I/F84を備えている。
外部I/F82は、外部装置(例えば、USBメモリ)に接続され、外部装置とCPU72との間の各種情報の送受信を司る。通信I/F84は、例えば、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの通信手段に接続されており、通信手段に接続された外部装置86との間の各種情報の送受信を司る。外部装置86の一例としては、パーソナル・コンピュータが挙げられる。
CPU72は、バス78及びI/O80を介して上記の入出力デバイスと各種情報の送受信を行うことで、入出力デバイスの動作状態の把握、及び入出力デバイスの制御等を行う。
一例として図5に示すように、画像読取部本体50は、本発明に係る相対速度変更手段の一例であるモータ駆動回路90を備えている。モータ駆動回路90は、モータ56に接続されており、信号線93を介してI/O80に接続されている。モータ駆動回路90には、UI部18で受け付けられたスキャン開始指示に応じて、CPU72からI/O80及び信号線93を介してモータ制御信号が入力される。モータ制御信号は、モータ56の回転速度を指示する情報を含む信号である。モータ駆動回路90は、入力されたモータ制御信号に従ってモータ56の駆動を制御する。
CIS52は、キャリッジ58がモータ56の駆動力を受けることで、X方向に移動する。CIS52の移動は、原稿がプラテンガラス38に置かれている状態で行われる。CIS52の移動速度は、高解像度用の移動速度と低解像度用の移動速度とに大別される。本実施形態において、高解像度用の移動速度は、CIS52による画像の読み取りの解像度が600dpi以上の場合に採用される移動速度である。また、本実施形態において、低解像度用の移動速度は、CIS52による画像の読み取りの解像度が600dpi未満の場合に採用される移動速度である。
CIS52は、LED駆動回路92を備えている。LED駆動回路92は、第1LED60A、第2LED60B、及び第3LED60Cの各々に接続されている。
AFE68は、LED駆動回路92に接続されており、信号線94,96,98,100,102を介してI/O80に接続されている。AFE68には、UI部18で受け付けられたスキャン開始指示に応じて、CPU72からI/O80及び信号線96を介してLED制御開始信号が入力される。AFE68は、LED制御開始信号が入力されると、LED駆動回路92を介してLED60の制御を開始する。なお、LED制御開始信号は、UI部18で受け付けられたスキャン開始指示に応じてCPU72によって生成されて出力される。
また、AFE68には、CPU72からI/O80及び信号線96を介してLED制御終了信号が入力される。LED制御終了信号は、画像の読み取りを終了する条件である読取終了条件を満たした場合にCPU72によって生成されて出力される。AFE68は、LED制御終了信号が入力されると、LED駆動回路92を介したLED60の制御を終了する。なお、読取終了条件の一例としては、1枚の原稿に対する画像の読み取り動作、すなわち、1枚の原稿に対するCIS52の相対移動が終了したとの条件が挙げられる。
また、AFE68には、UI部18で受け付けられたスキャン開始指示に応じて、CPU72からI/O80及び信号線98を介して解像度信号が入力される。また、AFE68には、UI部18で受け付けられたスキャン開始指示に応じて、CPU72からI/O80及び信号線100を介して搬送速度信号が入力される。更に、AFE68には、UI部18で受け付けられたスキャン開始指示に応じて、CPU72からI/O100及び信号線93を介してモータ制御信号が入力される。
解像度信号は、CIS52による画像の読み取りの解像度を指示する信号である。CIS52による画像の読み取りの解像度は、例えば、UI部18によって受け付けられた指示に応じて定まる。
搬送速度信号は、原稿搬送装置32による原稿の搬送速度を示す信号である。原稿搬送装置32による原稿の搬送は、キャリッジ58が停止した状態で行われる。原稿搬送装置32による原稿の搬送速度は、高解像度用の搬送速度と低解像度用の搬送速度とに大別される。本実施形態において、高解像度用の搬送速度は、CIS52による画像の読み取りの解像度が600dpi以上の場合に採用される搬送速度である。また、本実施形態において、低解像度用の搬送速度は、CIS52による画像の読み取りの解像度が600dpi未満の場合に採用される搬送速度である。
なお、以下では、説明の便宜上、上述した高解像度用の移動速度及び高解像度用の搬送速度を「高解像度用の速度」と称し、上述した低解像度用の移動速度及び低解像度用の搬送速度を「低解像度用の速度」と称する。
LED駆動回路92は、AFE68の制御下で、第1LED60A、第2LED60B、及び第3LED60Cを循環色順に点灯させる。
AFE68は、光電変換素子66に接続されている。AFE68は、信号生成回路102及び内部レジスタ104を備えている。信号生成回路102は、CPU72からI/O80及び信号線94を介して入力された基本クロック信号(基本CLK信号)に基づいてトリガ及び同期信号を生成して出力する。
トリガは、LED60の点灯の開始を指示する信号であり、LED駆動回路92に対して出力され、LED駆動回路92は、AFE68から入力されたトリガに応じてLED60を点灯させる。同期信号とは、画像情報を出力するタイミングを規定する同期信号を指す。なお、ここでは、LED60の点灯と画像情報の出力タイミングの関係の一例として、LED60の点灯後、次のトリガが出力される前に、画像情報を出力する場合を例示しているが、これに限らず、同期信号と次のトリガが同一であってもよい。循環色順にLED点灯と同期信号は繰り返されるため、トリガと同期信号は同一信号であってもよいことなる。
ところで、原稿に対するCIS52の相対移動の速度を高解像度用の速度から低解像度用の速度に切り替えて画像の読み取りを行うことで、画像の読み取りの解像度を低下させる方法が知られている。
また、本実施形態において、高解像度とは、600dpi以上の解像度を指し、低解像度とは、600dpi未満の解像度を指すが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、原稿に対するCIS52の相対移動の速度と原稿における画像の線密度との関係で後述の色ずれが生じない解像度を高解像度とし、それ以外の解像度を低解像度とすればよい。高解像度の範囲と低解像度の範囲は、シミュレーションや実機によるテストなどによって事前に決定しておけばよい。
低解像度用の速度は、高解像度用の速度よりも高速である。そのため、例えば、低解像度用の速度を採用し、固定化された単調な周期で循環色順にLED60を点灯させて、原稿の画像を600dpi未満の解像度で読み取ると、低解像度用の速度と原稿における画像の線密度との関係次第で、色ずれが生じることがある。ここで言う「色ずれ」とは、看過できない程の色ずれを指す。看過できない程の色ずれとは、例えば、画像処理回路106による画像処理では補正が困難な色ずれを指す。色ずれは、読み取り方式として線順次方式を採用している限り、RGBの各色の読み取り位置が異なるため、高解像度用の速度の場合にも発生する。しかし、本実施形態において問題視している「色ずれ」は、高解像度用の速度の場合に発生する色ずれよりも大きな色ずれである。高解像度用の速度で発生する色ずれよりも大きな色ずれとは、すなわち、高解像度用の速度よりも高速である低解像度用の速度の場合に発生する色ずれを指す。
そこで、AFE68は、色ずれの発生を抑制するために、CIS52による画像の読み取りの解像度と原稿に対するCIS52の相対移動の速度との関係に従ってトリガの出力間隔を導出している。
AFE68は、トリガの出力間隔を導出するために、第1出力間隔情報及び第2出力間隔情報が記憶された内部レジスタ104を備えている。第1出力間隔情報及び第2出力間隔情報は、原稿に対するCIS52の相対移動の速度が高解像度用の速度の場合と低解像度用の速度の場合とでAFE68によって選択的に用いられる。なお、以下では、説明の便宜上、第1出力間隔情報及び第2出力間隔情報を区別して説明する必要がない場合、出力間隔情報と称する。
出力間隔情報は、トリガの出力間隔を示す情報である。出力間隔情報の一例としては、トリガの出力間隔を規定するクロック数が挙げられる。
第1出力間隔情報により示されるトリガの出力間隔と第2出力間隔情報により示されるトリガの出力間隔との差は、CIS52による画像の読み取りの解像度に応じて定まる。第1出力間隔情報により示されるトリガの出力間隔は、CIS52による画像の読み取りの解像度に拘わらず固定されている。また、第2出力間隔情報により示されるトリガの出力間隔は、第1出力間隔情報により示されるトリガの出力間隔よりも長い。更に、第2出力間隔情報は、CIS52による画像の読み取りの解像度毎に定められており、第2出力間隔情報により示されるトリガの出力間隔は、画像の読み取りの解像度が低くなるほど長くなる。なお、第1出力間隔情報により示されるトリガの出力間隔は、本発明に係る第1照射間隔に相当し、第2出力間隔情報により示されるトリガの出力間隔は、本発明に係る第2照射間隔に相当する。
AFE68は、解像度信号及び搬送速度信号、又は、解像度信号及びモータ制御信号に基づいて、原稿に対するCIS52の相対移動の速度が高解像度用の速度であるか或いは低解像度用の速度であるかを判断する。AFE68は、原稿に対するCIS52の相対移動の速度が高解像度用の速度であるか或いは低解像度用の速度であるかの判断結果に基づいて、内部レジスタ104から第1出力間隔情報及び第2出力間隔情報を選択的に取得する。そして、AFE68は、内部レジスタ104から取得した第1出力間隔情報又は第2出力間隔情報により示される出力間隔でトリガを出力する。
AFE68は、光電変換素子66から、Rから始まる循環色順に入力された画像情報の各々に対して、一般的なAFEが行う処理に相当する処理を施す。AFE68は、画像処理回路106に接続されており、同期信号の出力に同期させて循環色順に画像情報を画像処理回路106に出力する
画像読取部本体50は、画像処理回路106を備えている。画像処理回路106は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)が搭載されたCPU(図示省略)を有する。
画像処理回路106は、I/O80に接続されており、AFE68から入力された画像情報に対してシェーディング補正等の予め定められた複数の処理を施した後、画像情報をI/O80を介してCPU72等の予め定められた出力先に出力する。
次に本実施形態の作用を説明する。先ず、スキャン開始指示がUI部18によって受け付けられた場合にAFE68が実行する点灯制御処理について図6及び図7を参照して説明する。なお、ここでは、説明の便宜上、プラテンガラス38に置かれた原稿36に対してCIS52をX方向に移動させることでCIS52による画像の読み取りが実行される場合について説明する。また、CIS52による画像の読み取りの解像度の指示がUI部18によって既に受け付けられている場合について説明する。
図6に示す点灯制御処理では、先ず、ステップ200で、AFE68は、LED60を点灯させる制御を開始する条件であるLED制御開始条件を満足したか否かを判定する。ここで、LED制御開始条件とは、LED制御開始信号、解像度信号、及び搬送速度信号、又は、LED制御開始信号、解像度信号、及びモータ制御信号が入力されたとの条件を指すが、この条件はあくまでも一例であり、他の条件を更に付加するようにしてもよい。
ステップ200において、LED制御開始条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ200の判定が再び行われる。ステップ200において、LED制御開始条件を満足した場合は、判定が肯定されて、ステップ202へ移行する。
ステップ202で、AFE68は、解像度信号により示される解像度が本発明に係る閾値の一例である600dpi未満か否かを判定する。ステップ202において、解像度信号により示される解像度が600dpi以上の場合は、判定が否定されて、ステップ204へ移行する。
ステップ204で、AFE68は、LED駆動回路92に対してトリガを出力する。LED駆動回路92は、AFE68からトリガが入力されると、循環色順に従ってLED60を点灯させる。LED60の点灯により原稿36の画像記録領域に光が照射されて得られた反射光は光電変換素子66によって受光され、画像情報が生成される。
次のステップ206で、AFE68は、ステップ204の処理の実行が終了してから第1点灯間隔時間が経過したか否かを判定する。第1点灯間隔時間とは、内部レジスタ104に記憶されている第1出力間隔情報により示されるトリガの出力間隔に相当する時間を指す。
ステップ206において、ステップ204の処理の実行が終了してから第1点灯間隔時間が経過していない場合は、判定が否定されて、ステップ208へ移行する。ステップ206において、ステップ204の処理の実行が終了してから第1点灯間隔時間が経過した場合は、判定が肯定されて、ステップ204へ移行する。
ステップ208で、AFE68は、LED60を点灯させる制御を終了する条件であるLED制御終了条件を満足したか否かを判定する。ここで、LED制御終了条件とは、LED制御終了信号が入力されたとの条件を指すが、この条件はあくまでも一例であり、他の条件を更に付加したり、他の条件に置き換えたりしてもよい。
ステップ208において、LED制御終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ206へ移行する。ステップ208において、LED制御終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、本点灯制御処理を終了する。
一方、ステップ202において、解像度信号により示される解像度が600dpi未満の場合は、判定が肯定されて、ステップ210へ移行する。
ステップ210で、AFE68は、原稿36に対するCIS52の相対移動の速度が低解像度用の速度か否かを判定する。ここで、低解像度用の速度か否かは、例えば、モータ制御信号に基づいて判定される。ステップ210において、原稿36に対するCIS52の相対移動の速度が低解像度用の速度でない場合、すなわち、原稿36に対するCIS52の相対移動の速度が高解像度用の速度の場合は、判定が否定されて、ステップ204へ移行する。ステップ210において、原稿に対するCIS52の相対移動の速度が低解像度用の速度の場合は、判定が肯定されて、ステップ212へ移行する。
ステップ212で、AFE68は、LED駆動回路92に対してトリガを出力する。LED駆動回路92は、AFE68からトリガが入力されると、循環色順に従ってLED60を点灯させる。LED60の点灯により原稿36の画像記録領域に光が照射されて得られた反射光は光電変換素子66によって受光され、画像情報が生成される。
次のステップ214で、AFE68は、循環色順における1つの周期分の点灯が終了したか否かを判定する。ここで、1つの周期分の点灯とは、第1LED60Aの点灯、第2LED60Bの点灯、及び第3LED60Cの点灯の3つの点灯を指す。なお、1つの周期内において、第1LED60Aの点灯が1番目に行われる点灯であり、第2LED60Bの点灯が2番目に行われる点灯であり、第3LED60Cの点灯が3番目に行われる点灯である。
ステップ214において、循環色順における1つの周期分の点灯が終了していない場合は、判定が否定されて、ステップ216へ移行する。
ステップ216で、AFE68は、ステップ212の処理の実行が終了してから第1点灯間隔時間が経過したか否かを判定する。ステップ216において、ステップ212の処理の実行が終了してから第1点灯間隔時間が経過していない場合は、判定が否定されて、ステップ218へ移行する。ステップ216において、ステップ212の処理の実行が終了してから第1点灯間隔時間が経過した場合は、判定が肯定されて、ステップ212へ移行する。
ステップ218で、AFE68は、LED制御終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ218において、LED制御終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ216へ移行する。ステップ218において、LED制御終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、本点灯制御処理を終了する。
一方、ステップ214において、循環色順における1つの周期分の点灯が終了した場合は、判定が肯定されて、ステップ220へ移行する。
ステップ220で、AFE68は、ステップ212の処理の実行が終了してから第2点灯間隔時間が経過したか否かを判定する。第2点灯間隔時間とは、内部レジスタ104に記憶されている第2出力間隔情報により示されるトリガの出力間隔に相当する時間を指す。なお、第2出力間隔情報により示されるトリガの出力間隔は、AFE68に入力される解像度信号により示される解像度毎に異なるため、第2点灯間隔時間も解像度信号により示される解像度毎に異なる。
ステップ220において、ステップ212の処理の実行が終了してから第2点灯間隔時間が経過していない場合は、判定が否定されて、ステップ222へ移行する。ステップ220において、ステップ212の処理の実行が終了してから第2点灯間隔時間が経過した場合は、判定が肯定されて、ステップ212へ移行する。
ステップ222で、AFE68は、LED制御終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ222において、LED制御終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ220へ移行する。ステップ222において、LED制御終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、本点灯制御処理を終了する。
低解像度用の速度として400dpi用の速度が採用された場合、従来技術では、一例として図9に示すように、循環色順で循環する色の周期に拘わらず固定化された単調な出力間隔でトリガが出力され、トリガの出力に伴って循環色順にLED60が点灯される。これに対し、本実施形態では、低解像度用の速度として400dpi用の速度が採用された場合、一例として図10に示すように、周期内のトリガの出力間隔と周期を跨ぐトリガの出力間隔とが異なっている。すなわち、ステップ212からステップ222の処理が実行されることで、1つの周期内では第1点灯間隔時間毎にトリガが出力され、周期の最後のトリガが出力されてから第2点灯間隔時間が経過したときに次の周期の最初のトリガが出力される。そして、トリガの出力に伴って循環色順にLED60が点灯される。
次に、スキャン開始指示がUI部18によって受け付けられた場合にAFE68が実行する読取制御処理について図8を参照して説明する。
図8に示す読取制御処理では、先ず、ステップ250で、AFE68は、光電変換素子66により画像情報が生成されたか否かを判定する。画像情報が生成されたか否かの判定は、例えば、1つのトリガが出力されてから光電変換素子66により画像情報が生成される迄に要する時間として予め定められた時間が経過したか否かの判定によって行われる。
ステップ250において、光電変換素子66により画像情報が生成された場合は、判定が肯定されて、ステップ252へ移行する。ステップ250において、光電変換素子66により画像情報が生成されていない場合は、判定が否定されて、ステップ254へ移行する。
ステップ252で、AFE68は、光電変換素子66から画像情報を取得することで画像を読み取り、その後、ステップ254へ移行する。
ステップ254で、AFE68は、LED制御終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ254において、LED制御終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ250へ移行する。ステップ254において、LED制御終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、本読取制御処理を終了する。
点灯制御処理のステップ204からステップ208の処理の実行に伴って読取制御処理が実行されると、循環色順で循環する色の周期に拘わらず、固定化された単調な読取間隔で循環色順に画像が読み取られる。すなわち、一例として図11に示すように、原稿36に対するCIS52の相対移動の速度が高解像度用の速度として600dpi用の速度が採用された場合の循環色順で循環する各色の画像の読取間隔は、固定化された単調な間隔となる。この読取間隔は、第1出力間隔情報により示されるトリガの出力間隔に相当する間隔である。
一方、低解像度用の速度として400dpi用の速度が採用された場合の従来技術でも、一例として図11に示すように、循環色順で循環する色の周期に拘わらず、固定化された単調な読取間隔で循環色順に画像が読み取られる。しかし、この場合、循環色順で循環する各色の画像の読取間隔は、原稿36に対するCIS52の相対移動の速度が高解像度用の速度の場合の循環色順で循環する各色の画像の読取間隔に比べ、長くなる。
これに対し、ステップ212からステップ222の処理の実行に伴って読取制御処理が実行されると、一例として図11に示すように、1つの周期内の読取間隔は、原稿36に対するCIS52の相対移動の速度が高解像度用の速度の場合の読取間隔に相当する。そして、1つの周期の最後の色の画像が読み取られてから次の周期の最初の色の画像が読み取られる迄の読取間隔は、原稿36に対するCIS52の相対移動の速度が高解像度用の速度の場合の読取間隔よりも長くなる。すなわち、周期の最後の色の画像が読み取られてから次の周期の最初の色の画像が読み取られる迄の読取間隔は、第2出力間隔情報により示されるトリガの出力間隔に相当する間隔となる。
なお、上記実施形態では、一例として図11に示すように、上記実施形態に係るRGBの各色の光の照射間隔を等間隔としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、RGB⇒RGB⇒RGB⇒・・・・という循環の場合において、RGBの各々の光が照射される際の1つの周期内(1つのRGB)における隣接する色の光の照射間隔が異なる2色間(RG間とGB間)で異なっていてもよい。
また、上記実施形態では、相対速度を変更することで解像度を変更する場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、図11に示す従来例の照射間隔と図11に示す本実施形態に係る照射間隔との関係が成立していれば、相対速度が一定のまま解像度を変更する場合であっても本発明は成立する。
また、上記実施形態では、点灯制御処理が実行される前提として、プラテンガラス38に置かれた原稿36に対してCIS52をX方向に移動させることでCIS52による画像の読み取りが実行される場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、原稿搬送装置32により原稿が搬送されることでCIS52による画像の読み取りが実行される場合に点灯制御処理が実行されるようにしてもよい。このように、点灯制御処理は、原稿に対してCIS52が相対移動している状態でCIS52による画像の読み取りが実行される場合に実行されるようにすればよい。
また、上記実施形態では、原稿に対するCIS52の相対移動の速度に拘わらず、第1点灯間隔時間を固定する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、第1点灯間隔時間は、原稿に対するCIS52の相対移動の速度に応じて変更されるようにしてもよい。
また、上記実施形態で説明した点灯制御処理及び読取制御処理は、あくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。また、上記実施形態で説明した点灯制御処理及び読取制御処理に含まれる各処理は、AFE68によって実行されているが、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現されてもよい。また、各種処理に含まれる各処理は、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
また、上記実施形態で説明した点灯制御処理及び読取制御処理に含まれる各処理をソフトウェア構成で実現するには、例えば、図12に示すように二次記憶部76に点灯制御プログラム150及び読取制御プログラム152を予め記憶させておく。そして、CPU72が二次記憶部76から点灯制御プログラム150及び読取制御プログラム152を実行することによりAFE68に対して点灯制御処理及び読取制御処理に含まれる各処理を実行させるようにすればよい。
なお、図12では、点灯制御プログラム150及び読取制御プログラム152が二次記憶部76に記憶されている状態が例示されているが、必ずしも最初から二次記憶部76に記憶させておく必要はない。例えば、画像形成装置10に接続されて使用されるSSD(Solid State Drive)、ICカード、光磁気ディスク、CD−ROMなどの任意の「可搬型の記憶媒体」に先ずは点灯制御プログラム150及び読取制御プログラム152を記憶させておいてもよい。そして、CPU72がこれらの可搬型の記憶媒体から点灯制御プログラム150及び読取制御プログラム152を取得して実行するようにしてもよい。また、通信手段を介して画像形成装置10に接続されるコンピュータ又はサーバ装置等の外部電子計算機の記憶部に点灯制御プログラム150及び読取制御プログラム152を記憶させておいてもよい。この場合、CPU72は外部電子計算機から点灯制御プログラム150及び読取制御プログラム152を取得して実行する。
また、上記実施形態では、RGBの3つの色の各々に対応する光がLED60によって原稿の画像記録領域に対して照射されることでRGBの各色に対応する画像情報が生成される場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものでない。例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及びシアン(C)の各々に対応する光がLED等の光源によって原稿の画像記録領域に対して照射されることでYMCの各色に対応する画像情報が生成されるようにしてもよい。このように、予め定められた複数色の各々に対応する光がLED60によって原稿の画像記録領域に対して照射されることで、予め定められた複数色の各色に対応する画像情報が生成されるようにすればよい。