<実施形態>
一実施形態を、図1から図6を用いて説明する。
1.画像読取装置の機械的構成
図1に示すように、画像読取装置1は、使用者により給紙トレイ2に載置された複数の原稿シートGを排紙トレイ4に搬送するとともに、搬送中の原稿シートGを本体部3に含まれる第1CIS30及び第2CIS60を用いて読み取るシートフィードスキャナである。第1CIS30は、第1画像読取部の一例であり、第2CIS60は、第2画像読取部の一例である。
画像読取装置1の本体部3には、給紙トレイ2と排紙トレイ4を接続する搬送経路22が設けられており、この搬送経路22の周辺に、給紙ローラ40と、分離パッド42と、搬送ローラ44と、原稿押さえ部材46、48と、第1CIS30と、第2CIS60と、排紙ローラ50と、フロントセンサ(以下、Fセンサ)13を備える。
給紙ローラ40は、モータM(図3参照)によって回転駆動される。給紙ローラ40は、給紙トレイ2に載置された原稿シートGに当接し、摩擦力により、給紙トレイ2に載置された原稿シートGを本体部3の内部へと引き込む。この際、原稿シートGは、分離パッド42の摩擦力により各原稿シートG毎に分離され、搬送経路22へと送り出される。
搬送ローラ44は、モータMにより回転駆動され、給紙ローラ40により本体部3の内部へと引き込まれた複数の原稿シートGを搬送経路22に沿って連続して搬送する。給紙ローラ40及び搬送ローラ44では、搬送速度が給紙ローラ40よりも搬送ローラ44のほうが速く設定されている。給紙ローラ40及び搬送ローラ44では、当該搬送速度の差を利用して、いわゆるワンウェイクラッチ機構が構成されており、後述する中央処理装置(以下、CPU)20が原稿シートGの原稿サイズを認識していなくても、原稿シートGの原稿サイズに応じて連続して搬送される原稿シートGの原稿間距離が設定される機構が構成されている。
第1CIS30は、搬送経路22上の読取位置P1に配置され、搬送経路22に沿った搬送方向D2に搬送される原稿シートGの一方の面を読取位置P1で読み取る。また、読取位置P1の第1CIS30に対向する位置には、搬送経路22上の原稿シートGを第1CIS30側に押しつける原稿押さえ部材46が配置されている。原稿押さえ部材46は、第1CIS30に対向する対向面46Aが、例えば、白色であり、所定の反射率を有している。
第2CIS60は、搬送経路22上の読取位置P1よりも下流側の読取位置P2に配置され、搬送方向D2に搬送される原稿シートGを読取位置P2で読み取る。第2CIS60は、搬送経路22に対して第1CIS30の反対側に配置されており、搬送方向D2に搬送される原稿シートGの他方の面の画像を読み取る。また、読取位置P2の第2CIS60に対向する位置には、搬送経路22上の原稿シートGを第2CIS60側に押しつける原稿押さえ部材48が配置されている。原稿押さえ部材48も原稿押さえ部材46と同様に、第2CIS60に対向する対向面48Aが、例えば、白色であり、所定の反射率を有している。
搬送経路22上の読取位置P2よりも下流側に、排紙ローラ50が配置されている。排紙ローラ50は、給紙ローラ40及び搬送ローラ44と同様にモータMにより回転駆動され、搬送経路22上に搬送された原稿シートGを排紙トレイ4に送り出す。つまり、給紙ローラ40と搬送ローラ44と排紙ローラ50とによって、給紙トレイ2に載置された複数の原稿シートGを搬送経路22に沿って搬送する搬送部15(図3参照)が形成されている。
排紙トレイ4の搬送経路22側には、上側に突出した突出部52が設けられており、排紙トレイ4に送り出された原稿シートGの搬送経路22側は、突出部52に従って上側に反り上がる。そのため、搬送経路22に沿って後から搬送された原稿シートGは、先に搬送された原稿シートGであって、排紙トレイ4に送り出された結果、搬送経路22側が上側に反り上がった原稿シートGと突出部52の間、つまり先に搬送された原稿シートGの下側に潜り込むように送り出される。この結果、給紙トレイ2において一方の面が下を向いた状態で下側から順番に載置されていた複数の原稿シートGが、排紙トレイ4において一方の面が上を向いた状態で上側から順番に載置される、いわゆる潜り込み排紙機構が構成されている。
Fセンサ13は、給紙トレイ2上に配置され、給紙トレイ2に原稿シートGが載置された場合にオンし、給紙トレイ2に原稿シートGが載置されていない場合にオフする。また、画像読取装置1には、電源スイッチや各種設定ボタンからなり、使用者からの操作指令等を受け付ける操作部11や、LEDや液晶ディスプレイからなり画像読取装置1の状況を表示する表示部12が設けられている。
2.CIS及び原稿押さえ部材の構成
第1CIS30は、複数の受光素子35(図2参照)が主走査方向D1に直線状に配列されている第1リニアイメージセンサ34、発光ダイオード(以下、LED)などで構成される第1光源31の他、第1光源31から照射される光を搬送経路22上の原稿シートG等に導く導光体32、原稿シートGの一方の面等で反射された反射光を第1リニアイメージセンサ34の各受光素子35に結像させるロッドレンズアレイ33、及び、これらが搭載されるとともに上面側が透明なプラテンガラスで覆われたキャリッジ36を含む。第1リニアイメージセンサ34は、第1受光部の一例である。
図2に詳細に示すように、第1光源31には、青色の光LBを発光する青色LED31B、緑色の光LGを発光する緑色LED31G、赤色の光LRを発光する赤色LED31Rが、搬送方向D2の上流側から互いにずれた位置に配置されている。第1光源31は、各LEDから発光される光Lを、第1リニアイメージセンサ34と原稿押さえ部材46の対向面46Aとの対向方向(上下方向)に対して、搬送経路22の上流側から下流側に斜めに出射する。
第1光源31は、各LEDから発光される光Lが搬送経路22上の原稿シートGの一方の面で反射された場合に、各色の光Lが均等に第1リニアイメージセンサ34の各受光素子35に結像されるように配置されている。しかし、図2に示すように、原稿押さえ部材46の対向面46Aは、第1CIS30に対して、搬送経路22上の原稿シートGよりも離れた位置に設けられている。そのため、搬送経路22上の読取位置P1に原稿シートGが存在しない場合に照射され、原稿押さえ部材46の対向面46Aで反射された光Lが均等に第1リニアイメージセンサ34の各受光素子35に結像されない。
具体的には、上流側に配置された青色LED31Bから出射された光LBが、下流側に配置された赤色LED31R、緑色LED31Gから出射された光LR、LGよりも多く結像される。従って、搬送経路22上の読取位置P1に原稿シートGが存在しない場合に照射され、第1リニアイメージセンサ34の各受光素子35に結像された光Lは、原稿シートGの一方の面が白色である場合に、搬送経路22上の原稿シートGの一方の面で反射され、第1リニアイメージセンサ34の各受光素子35に結像された光Lに比べて青みがかる。
第2CIS60及び原稿押さえ部材48の構成は、第1CIS30及び原稿押さえ部材46の構成を上下方向に反転させたものであり、その説明を省略する。
第1リニアイメージセンサ34は、読取位置P1に原稿シートGが存在する場合に、原稿シートGの一方の面で反射された光Lを受光し、原稿シートGの一方の面を読み取る。また、第1リニアイメージセンサ34は、読取位置P1に原稿シートGが存在しない場合に、原稿押さえ部材46の対向面46Aで反射された光Lを受光する。さらに、第1リニアイメージセンサ34は、第2CIS60の第2光源61が出射した光Lを受光可能な位置に配置されている。そのため、第1リニアイメージセンサ34、読取位置P1、P2に原稿シートGが存在しない場合に、図1の矢印68に示すように、第2光源61が出射した光Lを受光する。
つまり、第1リニアイメージセンサ34の受光量Cは、読取位置P1に原稿シートGが存在する場合の受光量CAと、読取位置P1に原稿シートGが存在しない場合であって読取位置P2に原稿シートGが存在する場合の受光量CBと、読取位置P1、P2に原稿シートGが存在しない場合の受光量CCとに区分される。ここで、受光量Cとは、例えば輝度である。
具体的には、第1CIS30は、第1光源31の出射開始から、規定時間毎に主走査方向D1のライン毎に読み取る。第1CIS30は、1回の読み取りで単位読取画像データ(図6参照)を取得するとともに、当該読み取りを繰り返し、単位読取画像データが主走査方向D1に直交する副走査方向(つまり、搬送方向)D2に複数並んで構成される第1読取画像データを取得する。第1リニアイメージセンサ34では、単位読取画像データ毎の受光量Cが上記した各場合において区分される。
次に、第2リニアイメージセンサ64について説明する。第2リニアイメージセンサ34は、読取位置P2に原稿シートGが存在する場合に、原稿シートGの他方の面で反射された光Lを受光し、原稿シートGの他方の面を読み取る。また、第2リニアイメージセンサ64は、読取位置P2に原稿シートGが存在しない場合に、原稿押さえ部材48の対向面48Aで反射された光Lを受光する。さらに、第2リニアイメージセンサ64は、第1CIS30の第1光源31が出射した光Lを受光可能な位置に配置されている。そのため、第2リニアイメージセンサ64、読取位置P1、P2に原稿シートGが存在しない場合に、図1の矢印38に示すように、第1光源31が出射した光Lを受光する。第2リニアイメージセンサ64は、第2受光部の一例である。
つまり、第2リニアイメージセンサ64の受光量Cは、読取位置P2に原稿シートGが存在する場合の受光量CDと、読取位置P2に原稿シートGが存在しない場合であって読取位置P1に原稿シートGが存在する場合の受光量CEと、読取位置P1、P2に原稿シートGが存在しない場合の受光量CFとに区分される。
具体的には、第2CIS60は、第2光源61の出射開始から、規定時間毎に主走査方向D1のライン毎に読み取る。第2CIS60は、1回の読み取りで単位読取画像データ(図6参照)を取得するとともに、当該読み取りを繰り返し、単位読取画像データが副走査方向D2に複数並んで構成される第2読取画像データを取得する。第2リニアイメージセンサ64では、単位読取画像データ毎の受光量Cが上記した各場合において区分される。
3.画像読取装置の電気的構成
図3に示すように、画像読取装置1は、CPU20と、ROM26と、RAM27と、デバイス制御部28と、第1アナログフロントエンド(以下、AFE)23と、第2AFE24と、画像処理部25と、モータドライバ14と、を備え、これらにバス29を介して、操作部11、表示部12、Fセンサ13等が接続されている。図3に点線21で示すように、CPU20と、ROM26と、RAM27とを含めたものが、制御部の一例である。
ROM26には、画像読取装置1の動作を制御するための各種のプログラムが記憶されており、CPU20は、ROM26から読み出したプログラムに従って各部の制御を行うとともに、後述する画像読取処理を実行する。
デバイス制御部28は、CIS30、60にそれぞれ接続されており、CPU20からの命令に基づいて読取制御信号をCIS30、60に送信する。第1CIS30は、デバイス制御部28からの読取制御信号に基づいて原稿シートGを読み取り、読み取った第1読取画像データを第1AFE23に出力する。また、第2CIS60は、デバイス制御部28からの読取制御信号に基づいて原稿シートGを読み取り、読み取った第2読取画像データを第2AFE24に出力する。
第1AFE23は、第1CIS30に接続されており、CPU20からの命令に基づいて、第1CIS30から出力されるアナログ信号の第1読取画像データをデジタル信号、つまり階調データの第1読取画像データに変換する。第1AFE23は、変換した第1読取画像データを、バス29を介してRAM27に記憶する。
第2AFE24は、第2CIS60に接続されており、CPU20からの命令に基づいて、第2CIS60から出力されるアナログ信号の第1読取画像データをデジタル信号、つまり階調データの第1読取画像データに変換する。第1AFE23は、変換した第1読取画像データを、バス29を介してRAM27に記憶する。
画像処理部25は、CPU20からの命令に基づいて、RAM27に記憶された読取画像データに対して、2値化処理やエンハンス処理等のエッジ抽出処理や、単位読取画像データ毎の受光量Cを検出する処理を行う。CPU20は、画像処理部25を用いて、RAM27に記憶された読取画像データからエッジ画像データを抽出し、RAM27に記憶された読取画像データの単位読取画像データ毎の受光量を基準の受光量Cと比較する処理を行う。
モータドライバ14は、モータMに接続されており、CPU20からの命令に基づいてパルス信号を生成し、モータMに送信する。モータMは、周知のステッピングモータであって、パルス信号の1パルスで、1ステップの回転角度分、回転駆動する。モータMが1ステップ分駆動すると、搬送部15を構成する各ローラが所定角度回転し、搬送経路22上を原稿シートGが所定距離だけ搬送される。CPU20は、原稿シートGを搬送する際に、モータドライバ14にパルス信号を送信し、これに従って搬送部15は、そのパルス信号のパルスの数に所定距離を掛けた距離だけ原稿シートGを搬送する。以後、CPU20がモータMに送信するパルス信号のパルスの数を、ステップ数と呼ぶ。
4.画像読取処理
次に、図4ないし図6を参照して、原稿シートGの画像読取処理について説明する。図4、5は、CPU20が所定のプログラムに従って実行する画像読取処理のフローチャートを示す。
上述したように、本実施形態の画像読取装置1では、原稿押さえ部材46の対向面46Aで反射された光Lは、白色の原稿シートGの一方の面で反射された光Lに比べて青みがかる。そのため、搬送される原稿シートGが白色の場合には、図10に示すように、原稿シートGを読み取っていない受光量CB及び受光量CCは、原稿シートGを読み取った受光量CAに比べて、青みがかる分だけ低くなる。更に、受光量CBは、原稿シートGにより光源61からの光Lが遮られることから、受光量CCに比べて低くなる。そのため、搬送される原稿シートGが白色の場合には、受光量Cの差により、第1読取画像データにおいて、原稿シートGの先端及び稿端を判断することができる。このことは、第2読取画像データにおいても同様である。
その一方、搬送される原稿シートGが青みがかっている場合には、図6に示すように、第1読取画像データの受光量CAと受光量CCが等しくなることがあり、第2読取画像データの受光量CDと受光量CFが等しくなることがある。この場合、受光量Cの差により、第2読取画像データにおける原稿シートGの後端位置Y2を判断することができない。
本実施形態の画像読取処理では、図6に示すような場合でも、第2読取画像データにおける原稿シートGの後端位置Y2を判断することができる。以下の画像読取処理では、受光量CA、受光量CC、受光量CD、受光量CFが共通の受光量XAで表され、受光量CB、受光量CEが受光量XAよりも低い共通の受光量XBで表される例を用いて説明する。
受光量CA=受光量CC=受光量CD=受光量CF=受光量XA
受光量CB=受光量CE=受光量XB<受光量XA
CPU20は、Fセンサ13を用いて給紙トレイ2に原稿シートGが載置されたことが確認され、操作部11を介して使用者から原稿シートGの画像読取指示が入力されると、処理を開始する。CPU20は、画像読取処理を開始すると、デバイス制御部28に対して第1光源31及び第2光源61の点灯を指示する(S2)。次に、CPU20は、モータドライバ14に対して原稿シートGの搬送を指示し(S4)、単位読取画像データの読取回数Nを初期化する(S6)。本実施形態では、使用者から入力された画像読取指示が、原稿シートGの両面読取設定であるか、或は、原稿シートGの一方の面のみを読み取る片面読取設定であるかに関わらず、CPU20は、デバイス制御部28に対して両CIS30、60の光源31、61の点灯を指示する。
CPU20は、デバイス制御部28に対して第1光源31及び第2光源61の点灯の指示後、規定時間毎にデバイス制御部28に対して第1リニアイメージセンサ34及び第2リニアイメージセンサ64を用いた受光を指示する。第1CIS30は、デバイス制御部28を介して受光指示を受け付けると、主走査方向D1に1ライン分、第1読取画像データの単位読取画像データを取得する(S8)。また、第2CIS60は、デバイス制御部28を介して受光指示を受け付けると、主走査方向D1に1ライン分、第2読取画像データの単位読取画像データを取得する(S10)。CPU20は、デバイス制御部28に対して受光を指示すると、読取回数Nを1増加させる(S12)。本実施形態では、使用者から入力された画像読取指示が両面読取設定か片面読取設定かに関わらず、CPU20は、デバイス制御部28に対して両CIS30、60のリニアイメージセンサ34、64を用いた受光を指示する。
画像読取処理では、デバイス制御部28に対して第1光源31及び第2光源61の点灯の指示後、S8〜S12の処理が繰り返し実行される。以下の説明では、S8〜S12の処理を単位画像取得処理と称し、繰り返される単位画像取得処理を、単位画像取得処理(S8〜S12)のように、直後に対応するステップ番号を記載することにより区別する。単位画像取得処理は、画像取得処理の一部であり、単位画像取得処理が複数回繰り返されて画像取得処理を構成する。
CPU20は、単位画像取得処理(S8〜S12)を実行すると、画像処理部25を用いて、当該単位画像取得処理で取得された第1読取画像データの単位読取画像データ(以下、第1対象画像データ)に対し、閾値よりも低い受光量を有するエッジ画素を検出するエッジ画素検出処理を実行する(S14)。エッジ画素検出処理では、各種の公知のエッジ検出方法を利用可能であり、本実施形態では、CPU20は、差分フィルタであるラプラシアンフィルタ係数を用いてエッジ画素を検出する。
具体的には、CPU20は、画像処理部25を用いて、第1対象画像データを含む第1読取画像データに対して、ラプラシアンフィルタ係数を適用して、第1対象画像データに含まれるエッジ画素を検出する。
次に、CPU20は、第1対象画像データがエッジ画像データである場合に当該第1対象画像データを抽出するエッジ抽出処理を実行する(S16)。本実施形態では、図2に示すように、第1光源31は、光Lを搬送方向D2の上流側から斜めに出射する。そのため、原稿シートGの厚みに起因した影Zが原稿シートGの搬送方向D2前方側に生じ、原稿シートGの搬送方向D2前方側にエッジ画像が生じる。そのため、本実施形態では、単位画像取得処理の開始にあわせて、エッジ抽出処理を実行する。
エッジ抽出処理では、第1対象画像データに含まれるエッジ画素のうち、図6に示すように、第1読取画像データの主走査方向D1の中央に設定され、例えば200個等の所定数の画素を含む所定範囲SHに含まれるエッジ画素の数を検出する。そして、CPU20は、検出したエッジ画素の数を予めROM26に記憶された基準数Kと比較する。
CPU20は、検出したエッジ画素の数が基準数Kよりも少ない場合(S16:NO)、第1対象画像データはエッジ画像データでないと判断し、S8からの処理を繰り返す。一方、CPU20は、検出したエッジ画素の数が基準数K以上である場合(S16:YES)、第1対象画像データをエッジ画像データとして抽出する。CPU20は、第1読取画像データにおいてエッジ画像データが抽出されたことで、原稿シートGの先端が読取位置P1に到達したことを検知する。CPU20は、エッジ画像データが取得された際の読取回数Nを、第1読取画像データにおける原稿シートGの先端位置X1と判断し(S18)、その読取回数Nを先端位置X1に関連付けてRAM27に記憶する。
つまり、第1読取画像データにおいて、先端位置X1よりも前に取得された単位読取画像データの受光量Cは、受光量XA(受光量CC)であり、先端位置X1を経過後においても、受光量XA(受光量CA)に維持される。その一方、第2読取画像データでは、先端位置X1よりも前に取得された単位読取画像データの受光量Cは、受光量XA(受光量CF)であるが、先端位置X1を経過後において、その受光量Cが受光量XB(受光量CE)に切り替わる。
次に、CPU20は、単位画像取得処理(S20〜S24)を実行し、画像処理部25を用いて、当該単位画像取得処理で取得された第2読取画像データの単位読取画像データ(以下、第2対象画像データ)に対してエッジ画素検出処理を実行する(S26)。そして、CPU20は、第2対象画像データに対してエッジ抽出処理を実行する(S28)。
CPU20は、検出したエッジ画素の数が基準数Kよりも少ない場合(S28:NO)、第2対象画像データはエッジ画像データでないと判断し、S20からの処理を繰り返す。一方、CPU20は、検出したエッジ画素の数が基準数K以上である場合(S18:YES)、第2対象画像データをエッジ画像データとして抽出する。CPU20は、第2読取画像データにおいてエッジ画像データが抽出されたことで、原稿シートGの先端が読取位置P2に到達したことを検知する。CPU20は、エッジ画像データが取得された際の読取回数Nを、第1読取画像データにおける原稿シートGの先端位置X2と判断し(S30)、その読取回数Nを先端位置X2に関連付けてRAM27に記憶する。
つまり、第2読取画像データでは、先端位置X2よりも前に取得された単位読取画像データの受光量Cは、受光量XB(受光量CE)であるが、先端位置X2を経過後において、その受光量Cが受光量XA(受光量CD)に切り替わる。CPU20は、第2読取画像データにおける先端位置X1と先端位置X2との間の受光量XC、つまり、受光量XBを記憶する(S32)。受光量XAは、基準受光量の一例である。
次に、CPU20は、単位画像取得処理(S34〜S38)を実行し、当該単位画像取得処理で取得された第1読取画像データの単位読取画像データ(以下、第3対象画像データ)の受光量CをS32で記憶された受光量XCと比較する(S40)。
本実施形態では、原稿シートGの後端が読取位置P1を通過した後、原稿シートGの後端が読取位置P2を通過するまでは、第1リニアイメージセンサ34に第2光源61から出射された光Lが受光されず、第2読取画像データにおける先端位置X1と先端位置X2との間の受光量Cと同様に、その受光量Cが受光量XB(受光量CB)となる。そのため、第3対象画像データの受光量Cを受光量XCと比較することで、原稿シートGの後端が読取位置P1を通過したことが検知される。
CPU20は、第3対象画像データの受光量Cが受光量XCと異なる場合(S40:NO)、S34からの処理を繰り返す。一方、CPU20は、第3対象画像データの受光量Cが受光量XCと等しい、つまり、第3対象画像データの受光量Cが受光量XBに変化したことを検出した場合(S40:YES)、第3対象画像データが取得された際の読取回数Nを、第1読取画像データにおける原稿シートGの後端位置Y1と判断し(S42)、その読取回数Nを後端位置Y1に関連付けてRAM27に記憶する。
次に、CPU20は、単位画像取得処理(S44〜S48)を実行し、上記の処理で先端位置X1、先端位置X2、及び後端位置Y1と判断された読取回数Nから(Y1+X2−X1)を算出する。CPU20は、単位画像取得処理(S44〜S48)後の読取回数Nを、算出された(Y1+X2−X1)と比較する(S50)。
ここで、(Y1+X2−X1)は、第2読取画像データにおける原稿シートGの後端位置Y2に相当する。画像読取装置1では、第1CIS30と第2CIS60とは、搬送経路22上を搬送される同一の原稿シートGを読み取っていることから、第1読取画像データにおける先端位置X1と後端位置Y1との間の距離と、第2読取画像データにおける先端位置X2と後端位置Y2との間の距離とは等しい(Y1−X1=Y2−X2)。そのため、上記の関係が導かれる。
CPU20は、単位画像取得処理(S44〜S48)後の読取回数Nが(Y1+X2−X1)と異なる場合(S50:NO)、S44からの処理を繰り返す。一方、CPU20は、単位画像取得処理(S44〜S48)後の読取回数Nが(Y1+X2−X1)と等しい場合(S50:YES)、つまり、原稿シートGの後端が読取位置P2を通過した場合、当該読取回数Nを後端位置Y2と判断し(S52)、その読取回数Nを後端位置Y2に関連付けてRAM27に記憶する。
本実施形態では、第2読取画像データにおいて、後端位置Y2よりも前に取得された単位読取画像データの受光量Cは、受光量XA(受光量CD)であり、後端位置Y2を経過後においても、受光量XA(受光量CF)に維持される。そのため、第2読取画像データにおける受光量Cの変化によって、原稿シートGの後端が読取位置P2に到達したことを検知することができない。
また、図2に示すように、第1光源31は、光Lを搬送方向D2の上流側から斜めに出射する。そのため、原稿シートGの厚みに起因した影Zが原稿シートGの搬送方向D2前方側に生じる一方、原稿シートGの搬送方向D2後方側に生じず、原稿シートGの搬送方向D2後方側にエッジ画像が生じない。そのため、図6に点線70で示すように、CPU20は、画像処理部25を用いたエッジ抽出処理によって、原稿シートGの後端が読取位置P2に到達したことを検知することができない。
本実施形態では、使用者から入力された画像読取指示に関わらず、両CIS30、60のリニアイメージセンサ34、64を用いて第1読取画像データ及び第2読取画像データを取得することで、先端位置X1、先端位置X2、及び後端位置Y1と判断される読取回数Nを取得し、取得されたこれらの読取回数Nから後端位置Y2と判断される読取回数Nを取得することから、受光量Cの変化やエッジ抽出処理によって原稿シートGの後端が読取位置P2に到達したことを検知することができない場合でも、後端位置Y2が判断される。
なお、第1読取画像データでは、後端位置Y1よりも前に取得された単位読取画像データの受光量Cは、受光量XB(受光量CB)であるが、後端位置Y1を経過後において、その受光量Cが受光量XA(受光量CC)に切り替わる。
CPU20は、原稿シートGの後端が読取位置P2を通過後、デバイス制御部28に対して第1光源31及び第2光源61の消灯を指示し(S54)、モータドライバ14に対して原稿シートGの搬送停止を指示する(S56)。CPU20は、取得された第1読取画像データのうち、先端位置X1と判断された読取回数Nから後端位置Y1と判断された読取回数Nの間に取得されたものを、原稿シートGの一方の面の画像データとして抽出し、RAM27に記憶する(S58)。
CPU20は、使用者から入力された画像読取指示が両面読取設定か片面読取設定かを確認し(S60)、片面読取設定である場合には(S60:NO)、画像読取処理を終了する。一方、両面読取設定である場合には(S60:YES)、取得された第2読取画像データのうち、先端位置X2と判断された読取回数Nから後端位置Y2と判断された読取回数Nの間に取得されたものを、原稿シートGの他方の面の画像データとして抽出してRAM27に記憶し(S62)、画像読取処理を終了する。
5.本実施形態の効果
(1)本実施形態の画像読取装置1では、読取画像データにおける原稿シートGの先端位置X1、X2を判断する際に、エッジ抽出処理を用いる。本実施形態では、両CIS30、60の光源31、61は、光Lを搬送方向D2の上流側から斜めに出射するので、原稿シートGの搬送方向D2前方側にエッジ画像が生じる。そのため、エッジ抽出処理を用いて、読取画像データにおける原稿シートGの先端位置X1、X2を判断することができる。
(2)なお、エッジ抽出処理では、主走査方向D1の中央における読取画像データを用いる。主走査方向D1の中央における読取画像データは、主走査方向D1の端部における読取画像データに比べて外乱光の影響が少ないので、主走査方向D1の端部を含める場合に比べて精度良くエッジ画像データを抽出することができる。
(3)本実施形態の画像読取装置1では、第1読取画像データにおける原稿シートGの後端位置Y1を判断する際に、第1読取画像データの単位読取画像データの受光量Cの変化を検出する。本実施形態では、画像読取処理において、使用者から入力された画像読取指示に関わらず、両CIS30、60の光源31、61を点灯させ、リニアイメージセンサ34、64を用いて受光させる。そのため、第1読取画像データにおいて、読取位置P2に原稿シートGが存在しない場合であって読取位置P2に原稿シートGが存在する場合に取得の受光量XB(受光量CB)が読取位置P1、P2に原稿シートGが存在しない場合の受光量XA(受光量CC)が低くなる。
従って、図6に示すように、原稿シートGの一方の面からの受光量Cが受光量XAと等しい場合でも、搬送経路22において第2CIS60よりも上流側に配置された第1CIS30では、原稿シートGの後端位置Y1後に受光量Cが受光量XAから受光量XBへと変化する。そして、この受光量Cの変化を検出することで、第1読取画像データにおける原稿シートGの後端位置Y1を判断することができる。
(4)その一方、搬送経路22において第1CIS30よりも下流側に配置された第2CIS60では、原稿シートGの先端位置X2前に受光量Cが受光量XBとなり、受光量Cの変化を検出して、第2読取画像データにおける原稿シートGの後端位置Y2を判断することができない。本実施形態の画像読取装置1では、第2読取画像データにおける原稿シートGの後端位置Y2を判断する際に、既に取得された第1読取画像データにおける先端位置X1と後端位置Y1、及び、第2読取画像データにおける先端位置X2を用いて判断する。そのため、第2読取画像データから直接的に後端位置Y2が判断できない場合でも、先端位置X1、X2及び後端位置Y1を用いて間接的に後端位置Y2を判断することができる。
<実施形態2>
実施形態2を、図7から9を用いて説明する。本実施形態では、搬送される原稿シートGの両面が青みがかっているとともにその反射率が実施形態1における原稿シートGよりも低い。そのため、図9に示すように、第1読取画像データの受光量CAと受光量CBが等しく、第2読取画像データの受光量CDと受光量CEが等しい。この場合、受光量Cの差により、第1読取画像データにおける原稿シートGの後端位置Y1を判断することができない。
本実施形態の画像読取処理では、図6に示すような場合でも、第1読取画像データにおける原稿シートGの後端位置Y1を判断することができる。以下の画像読取処理では、受光量CC、受光量CFが共通の受光量XAで表され、受光量CA、受光量CB、受光量CD、受光量CFが受光量XAよりも低い共通の受光量XBで表される例を用いて説明し、実施形態1と同一の内容については重複した記載を省略する。
受光量CC=受光量CF=受光量XA
受光量CA=受光量CD=受光量CB=受光量CE=受光量XB
1.画像読取処理
図7、8は、CPU20が所定のプログラムに従って実行する画像読取処理のフローチャートを示す。CPU20は、制御処理を開始すると、図4に示すS2〜S32の処理を実行し、図7、8に示す処理を開始する。
本実施形態では、第1読取画像データにおいて、先端位置X1よりも前に取得された単位読取画像データの受光量Cは、受光量XA(受光量CC)であるが、先端位置X1を経過後において、その受光量Cが受光量XB(受光量CA)に切り替わる。また、第2読取画像データでは、先端位置X2よりも前に取得された単位読取画像データの受光量Cは、受光量XB(受光量CE)であり、先端位置X2を経過後においても、その受光量Cが受光量XB(受光量CD)に維持される。本実施形態の制御処理において、CPU20は、先端位置X1、X2と判断された読取回数Nを取得すると、第2読取画像データにおける先端位置X1と先端位置X2との間の受光量XCを記憶する(S32)とともに、図9に点線72で示すように、第2読取画像データにおける先端位置X1と先端位置X2との間の受光量XD、つまり、受光量XBを記憶する(S64)。
次に、CPU20は、単位画像取得処理(S66〜S70)を実行し、当該単位画像取得処理で取得された第1読取画像データの単位読取画像データ(以下、第4対象画像データ)の受光量CをS32で記憶された受光量XCと比較する(S72)。CPU20は、第3対象画像データの受光量Cが受光量XCと異なる場合(S72:NO)、S34からの処理を繰り返す。一方、CPU20は、第4対象画像データの受光量Cが受光量XCと等しい場合(S72:YES)、さらに受光量XCをS64で記憶された受光量XDと比較する(S74)。
CPU20は、図6で示すように、受光量XCが受光量XDと異なる場合(S74:NO)には、第4対象画像データの受光量Cが受光量XBに変化したと判断する。この場合、CPU20は、実施形態1と同様に、第4対象画像データが取得された際の読取回数Nを、第1読取画像データにおける原稿シートGの後端位置Y1と判断し(S78)、その読取回数Nを後端位置Y1に関連付けてRAM27に記憶する。
一方、CPU20は、本実施形態の図9で示すように、受光量XCが受光量XDと等しい場合(S74:YES)には、第4対象画像データの受光量Cが受光量XBに変化したのではなく、第1読取画像データの先端位置X1から、受光量Cが受光量XBであったと判断する。この場合、CPU20は、先端位置X1と判断された読取回数Nを、第1読取画像データにおける原稿シートGの後端位置Y1と判断し(S76)、その読取回数Nを後端位置Y1に関連付けてRAM27に記憶する。
次に、CPU20は、先端位置X1と判断された読取回数Nと後端位置Y1と判断された読取回数Nとを比較する比較処理を実行する(S80)。本実施形態では、第1読取画像データにおいて、先端位置X1よりも後に取得された単位読取画像データの受光量Cは、第2読取画像データにおける先端位置X1と先端位置X2との間の受光量Cと同様に、受光量XB(受光量CA)となる。そのため、第4対象画像データの受光量Cを受光量XCと比較することで後端位置Y1を判断すると、後端位置Y1が誤判断される。そのため、本実施形態では、比較処理を実行し、誤判定の有無を確認する。
比較処理において、CPU20は、先端位置X1と判断された読取回数Nと後端位置Y1と判断された読取回数Nとが異なる場合(S80:YES)、実施形態1と同様に、S44からの処理を実行し、画像読取処理を終了する。一方、CPU20は、先端位置X1と判断された読取回数Nと後端位置Y1と判断された読取回数Nとが等しい場合(S80:NO)、後端位置Y1が誤判断されたと検知し、新たに後端位置Y1を取得する処理を実行する。
CPU20は、単位画像取得処理(S82〜S86)を実行し、当該単位画像取得処理で取得された第1読取画像データの単位読取画像データ(以下、第5対象画像データ)の受光量CをS32で記憶された受光量XCと比較する(S88)。
本実施形態では、原稿シートGの後端が読取位置P2を通過した後、第1リニアイメージセンサ34に第2光源61から出射された光Lが受光されるようになり、第1読取画像データにおける受光量Cが受光量XA(受光量CC)に変化する。そのため、第5対象画像データの受光量Cを受光量XCと比較することで、原稿シートGの後端が読取位置P2を通過したことが検知される。
CPU20は、第5対象画像データの受光量Cが受光量XCと等しい場合(S88:NO)、S82からの処理を繰り返す。一方、CPU20は、第5対象画像データの受光量Cが受光量XCと異なる、つまり、第5対象画像データの受光量Cが受光量XAに変化したことを検出した場合(S88:YES)、第5対象画像データが取得された際の読取回数Nを、第2読取画像データにおける原稿シートGの後端位置Y2と判断し(S90)、その読取回数Nを後端位置Y2に関連付けてRAM27に記憶する。
次に、CPU20は、上記の処理で先端位置X1、先端位置X2、及び後端位置Y2と判断された読取回数Nから(Y2―(X2−X1))を算出する。CPU20は、算出された(Y2―(X2−X1))を第1読取原稿データにおける原稿シートGの後端位置Y1とし(S92)、以後、実施形態1と同様に、S54からの処理を実行し、画像読取処理を終了する。
本実施形態では、第1読取画像データにおいて、後端位置Y2よりも前に取得された単位読取画像データの受光量Cは、受光量XB(受光量CA)であり、後端位置Y2を経過後においても、受光量XB(受光量CB)に維持される。そのため、第2読取画像データにおける受光量Cの変化によって、原稿シートGの後端が読取位置P2に到達したことを検知することができない。また、図2に同一構造の第1光源31を用いて示すように、第2光源61は光Lを搬送方向D2の上流側から斜めに出射するので、CPU20は、画像処理部25を用いたエッジ抽出処理によって、原稿シートGの後端が読取位置P2に到達したことを検知することができない。
本実施形態では、使用者から入力された画像読取指示に関わらず、両CIS30、60の両リニアイメージセンサ34、64を用いて第1読取画像データ及び第2読取画像データを取得することで、先端位置X1、先端位置X2、及び後端位置Y2と判断される読取回数Nを取得し、取得されたこれらの読取回数Nから後端位置Y2と判断される読取回数Nを取得することから、受光量Cの変化やエッジ抽出処理によって原稿シートGの後端が読取位置P2に到達したことを検知することができない場合でも、後端位置Y2が判断される。
なお、第2読取画像データでは、後端位置Y2よりも前に取得された単位読取画像データの受光量Cは、受光量XB(受光量CD)であるが、後端位置Y2を経過後において、その受光量Cが受光量XA(受光量CF)に切り替わる。
5.本実施形態の効果
(1)本実施形態の画像読取装置1では、第2読取画像データにおける原稿シートGの後端位置Y2を判断する際に、第1読取画像データの単位読取画像データの受光量Cの変化を検出する。本実施形態では、画像読取処理において、使用者から入力された画像読取指示に関わらず、両CIS30、60の光源31、61を点灯させ、リニアイメージセンサ34、64を用いて受光させる。そのため、第1読取画像データにおいて、読取位置P2に原稿シートGが存在しない場合であって読取位置P2に原稿シートGが存在する場合に取得の受光量XB(受光量CB)が読取位置P1、P2に原稿シートGが存在しない場合の受光量XA(受光量CC)が低くなる。
従って、図9に示すように、原稿シートGの一方の面からの受光量Cが受光量XBと等しい場合でも、受光量Cが受光量XBから受光量XAへと変化することを検出することで、第2読取画像データにおける原稿シートGの後端位置Y2を判断することができる。
(2)その一方、搬送経路22において第2CIS60よりも上流側に配置された第1CIS30では、原稿シートGの後端位置Y1前後において受光量Cが受光量XBに維持され、受光量Cの変化を検出して、第1読取画像データにおける原稿シートGの後端位置Y1を判断することができない。本実施形態の画像読取装置1では、第1読取画像データにおける原稿シートGの後端位置Y1を判断する際に、既に取得された第1読取画像データにおける先端位置X1、及び、第2読取画像データにおける先端位置X2と後端位置Y2を用いて判断する。そのため、第1読取画像データから直接的に後端位置Y1が判断できない場合でも、先端位置X1、X2及び後端位置Y2を用いて間接的に後端位置Y1を判断することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、スキャナ機能を備えた画像読取装置1を用いて説明を行ったが、本発明はこれに限られず、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能などを備えた複合機であっても良い。
(2)上記実施形態では、画像読取装置1が1つのCPU20を有し、この1つのCPU20によって画像読取処理等の各種処理が実行される例を用いて説明を行ったが、本発明はこれに限られない。例えば、複数のCPUにより各部が構成されてもよければ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハード回路のみにより各部が構成されてもよい。さらには、単数又は複数のCPU及びASICによって、各部が構成されてもよい。
(3)また、CPU20が実行するプログラムは必ずしもROM26に記憶されている必要はなく、CPU20自身に記憶されていてもよければ、他の記憶装置に記憶されていても良い。
(4)上記実施形態では、両CIS30、60の光源31、61が、光Lを搬送方向D2の上流側から斜めに出射する例を用いて説明を行ったが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、両CIS30、60の光源31、61が、光Lを搬送方向D2の上流側から斜めに出射してもよい。この場合には、エッジ抽出処理を用いて、読取画像データにおける原稿シートGの後端位置Y1、Y2を判断することができ、読取画像データにおける原稿シートGの先端位置Xを判断する際に、受光量Cの変化を検出する。
(5)上記実施形態では、エッジ抽出処理において、主走査方向D1の中央における読取画像データを用いる場合について説明を行ったが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、原稿シートGが主走査方向D1の一端側を基準として給紙トレイ2に載置される場合には、当該載置側における読取画像データを用いることで、確実にエッジ抽出処理を行うことができる。