以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。また、下記の実施形態では、画像読取装置としてイメージスキャナについて説明するが本発明はこれに限定されるものではなく、複写機、ファクシミリ、文字認識装置などの被読取媒体をイメージセンサにより読み取りを行うものであればいずれであってもよい。また、下記の実施形態では、イメージスキャナとして被読取媒体をイメージセンサに対して移動させることで、イメージセンサと被読取媒体とを相対移動させる自動給紙スキャナについて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、イメージセンサを被読取媒体に対して移動させることで、イメージセンサと被読取媒体とを相対移動させるフラットヘッドスキャナであってもよい。
(実施形態1)
図1は、実施形態1の画像読取装置を模式的に示す説明図である。以下の実施形態では、被読取媒体を原稿Pとし、読取対象面を表印字面P1と、裏印字面P2とする。表印字面P1は原稿Pの第1面(表面)であり、裏印字面P2は原稿Pの第2面(裏面)である。実施形態1に係る画像読取装置10は、図1に示すように、搬送装置11と、第1撮像ユニット20と、第2撮像ユニット25と、モータ駆動回路17と、光源駆動回路18と、制御装置19とを含む。搬送装置11は、第1撮像ユニット20及び第2撮像ユニット25と原稿Pとを相対移動させるものである。本実施形態では、搬送装置11は、原稿Pを第1撮像ユニット20及び第2撮像ユニット25へ搬送する。
搬送装置11は、搬送ローラ12と、搬送ローラ13と、搬送ローラ用モータ14とを含む。搬送ローラ12及び搬送ローラ13は、互いに対向して回転できるように支持される。搬送ローラ用モータ14は、搬送ローラ12に回転力を与えて搬送ローラ12を回転させる。搬送ローラ用モータ14が回転すると、搬送ローラ12は、矢印Y1方向に回転する。搬送ローラ12と搬送ローラ13との間に原稿Pが導かれると、原稿Pは、搬送ローラ12の回転により矢印Y3方向に移動する。矢印Y3方向は、原稿Pが搬送装置11に近づく方向である。この時、搬送ローラ13は、矢印Y1方向とは反対方向である矢印Y2方向に回転する。搬送装置11は、このようにして、第1撮像ユニット20及び第2撮像ユニット25に原稿Pを導く。
第1撮像ユニット20と、第2撮像ユニット25とは、互いに対向して設けられる。搬送装置11は、第1撮像ユニット20と第2撮像ユニット25との間に原稿Pを導く。第1撮像ユニット20は、搬送装置11により搬送された原稿Pの表印字面P1の読み取りを行う。第2撮像ユニット25は、搬送装置11により搬送された原稿Pの裏印字面P2の読み取りを行う。具体的には、第1撮像ユニット20及び第2撮像ユニット25は、原稿Pを主走査方向に読み取る。なお、主走査方向は、原稿Pの表印字面P1及び裏印字面P2と平行かつ原稿Pの搬送方向と直交する方向である。なお、主走査方向は、図1の紙面に直交する方向でもある。第1撮像ユニット20及び第2撮像ユニット25は、画像読取装置10の図示しない筐体に固定される。
第1撮像ユニット20及び第2撮像ユニット25は、例えば密着光学系のものである。密着光学系とは、光源ユニットからR光・G光・B光を別々に射出し、R光・G光・B光をイメージセンサに原稿Pからの光を導くものである。なお、第1撮像ユニット20及び第2撮像ユニット25は、縮小光学系のものでもよい。縮小光学系とは、光源から白色の光を射出し、複数のミラーとレンズを用いて光束の反射・集約を繰り返した後に、原稿からの光を光学系でイメージセンサに導くものである。本実施形態では、第1撮像ユニット20及び第2撮像ユニット25が密着光学系のものである場合を説明する。
第1撮像ユニット20は、第1ユニット筐体21と、第1透過板21aと、第1光源ユニット22と、第1レンズ23と、第1イメージセンサ24とを含む。第2撮像ユニット25は、第2ユニット筐体26と、第2透過板26aと、第2光源ユニット27と、第2レンズ28と、第2イメージセンサ29とを含む。第1ユニット筐体21は、第1撮像ユニット20のその他の構成要素(構成部品)を支持する。第2ユニット筐体26は、第2撮像ユニット25のその他の構成要素(構成部品)を支持する。
第1透過板21a及び第2透過板26aは、光を透過する板状部材である。第1透過板21a及び第2透過板26aは、例えば、ガラス板である。第1透過板21aは、第1ユニット筐体21に設けられる。第2透過板26aは、第2ユニット筐体26に設けられる。第1透過板21aと第2透過板26aとは、隙間をあけて互いに平行に設けられる。これにより、画像読取装置10は、第1透過板21aと第2透過板26aとの間に原稿Pが走行できる搬送路Rが形成される。原稿Pは、第1透過板21aと第2透過板26aとによって支持されながら、搬送路Rを矢印Y3方向に走行する。
第1光源ユニット22は、第1ユニット筐体21に設けられる。第2光源ユニット27は、第2ユニット筐体26に設けられる。第1光源ユニット22は、搬送路Rに向かって光T10を射出する。搬送路Rに原稿Pが存在する場合、第1光源ユニット22は、原稿Pの表印字面P1に向かって光T10を射出することになる。この時、表印字面P1で反射した光T11は、後述する第1レンズ23に導かれる。また、搬送路Rに原稿Pが存在しない場合、第1光源ユニット22が射出した光T10は、後述する第2レンズ28に導かれる。第2イメージセンサ29から見ると、光T10は直接光となる。なお、前記直接光は、第2イメージセンサ29に導かれるように、鏡やプリズムで反射されたものも含まれる。
第2光源ユニット27は、搬送路Rに向かって光T20を射出する。搬送路Rに原稿Pが存在する場合、第2光源ユニット27は、原稿Pの裏印字面P2に向かって光T20を射出することになる。この時、裏印字面P2で反射した光T21は、後述する第2レンズ28に導かれる。また、搬送路Rに原稿Pが存在しない場合、第2光源ユニット27が射出した光T20は、後述する第1レンズ23に導かれる。第1イメージセンサ24から見ると、光T20は直接光となる。なお、前記直接光は、第1イメージセンサ24に導かれるように、鏡やプリズムで反射されたものも含まれる。
第1光源ユニット22及び第2光源ユニット27は、それぞれ、図示しないR光源と、G光源と、B光源と、プリズムとを含む。R光源は、点灯することで赤色の光を発光する。G光源は、点灯することで緑色の光を発光する。B光源は、点灯することで青色の光を発光する。R光源とG光源とB光源(以下、単に各光源ともいう)は、例えばLED(Light Emitting Diode)である。各光源の駆動は、後述する光源駆動回路18により行われる。プリズムは、各光源と、搬送路Rとの間に設けられる。プリズムは、各光源が発光した光T10または光T20を搬送路Rの主走査方向に均等に導くためのものである。搬送路Rに原稿Pが存在する場合、各光源が射出した各色の光T10は、プリズムを介して第1透過板21aに導かれ、さらに第1透過板21aを透過して表印字面P1の主走査方向に均等に導かれる。また、搬送路Rに原稿Pが存在する場合、各光源が射出した各色の光T20は、プリズムを介して第2透過板26aに導かれ、さらに第2透過板26aを透過して裏印字面P2の主走査方向に均等に導かれる。
第1レンズ23及び第1イメージセンサ24は、第1ユニット筐体21に設けられる。第1レンズ23は、第1透過板21aと第1イメージセンサ24との間に設けられる。第1レンズ23は、第1光源ユニット22が射出して表印字面P1で反射した光T11と、第2光源ユニット27が射出して裏印字面P2で反射されなかった光T20とが導かれる。そして、第1レンズ23は、導かれた光を第1イメージセンサ24に入射させる。第1レンズ23は、例えばロットレンズアレイである。第1レンズ23は、原稿Pの表印字面P1で反射した各光源の光が通過することで、第1イメージセンサ24のラインセンサ上に表印字面P1の正立像を等倍で結像させる。
第2レンズ28及び第2イメージセンサ29は、第2ユニット筐体26に設けられる。第2レンズ28は、第2透過板26aと第2イメージセンサ29との間に設けられる。第2レンズ28は、第2光源ユニット27が射出して裏印字面P2で反射した光T21と、第1光源ユニット22が射出して表印字面P1で反射されなかった光T10とが導かれる。そして、第2レンズ28は、導かれた光を第2イメージセンサ29に入射させる。第2レンズ28は、例えばロットレンズアレイである。第2レンズ28は、原稿Pの裏印字面P2で反射した各光源の光が通過することで、第2イメージセンサ29のラインセンサ上に裏印字面P2の正立像を等倍で結像させる。
第1イメージセンサ24は、搬送装置11により搬送される原稿Pの表印字面P1を撮像する。第2イメージセンサ29は、搬送装置11により搬送される原稿Pの裏印字面P2を撮像する。第1イメージセンサ24及び第2イメージセンサ29は、図示しないセンサ素子(撮像素子)が直線状に配置される。本実施形態では、第1イメージセンサ24及び第2イメージセンサ29は、センサ素子が、搬送路Rに存在する原稿Pの主走査方向に1ライン配列される。各センサ素子は、露光ごとに、第1レンズ23または第2レンズ28を介して入射される光に応じて素子データを生成する。つまり、第1イメージセンサ24及び第2イメージセンサ29は、露光ごとに、各センサ素子に対応して生成された素子データからなるライン画像を生成する。これにより、第1イメージセンサ24及び第2イメージセンサ29は、直線状に1ライン配列されたセンサ素子が原稿Pを主走査方向に読み取りを行う。
モータ駆動回路17は、搬送ローラ用モータ14の駆動を行うための回路(電子デバイス)である。具体的には、モータ駆動回路17は、搬送ローラ用モータ14を回転させるタイミングと、搬送ローラ用モータ14を回転させる角度とを調節する。結果として、モータ駆動回路17は、搬送ローラ12を回転させるタイミングと、搬送ローラ12を回転させる角度とを調節する。すなわち、モータ駆動回路17は、原稿Pを搬送するタイミングと、原稿Pの搬送量とを調節する。光源駆動回路18は、第1光源ユニット22及び第2光源ユニット27の各光源の駆動を行うための回路(電子デバイス)である。具体的には、光源駆動回路18は、第1光源ユニット22の各光源の点灯及び消灯のタイミングと、第2光源ユニット27の各光源の点灯及び消灯のタイミングとを別個に調節する。
図2は、制御装置を示す機能ブロック図である。制御装置19は、第1撮像ユニット20に表印字面P1を読み取らせ、また、第2撮像ユニット25に裏印字面P2を読み取らせる。また、制御装置19は、原稿Pの表印字面P1及び裏印字面P2に対応するRGB読取画像データを形成する。制御装置19は、入出力部(Input/Output)19Aと、処理部19Bと、記憶部19Cとを含む。処理部19Bは、入出力部19Aと、記憶部19Cとにそれぞれ電気的に接続される。また、制御装置19は、入出力部19Aを介して第1イメージセンサ24と、第2イメージセンサ29と、モータ駆動回路17と、光源駆動回路18と、その他機器類とが電気的に接続される。その他機器類とは、例えば、入力装置や、出力装置である。入力装置は、入出力部19Aを介して、画像読取装置10による原稿Pの読取の開始指令、画像読取装置10による原稿Pの読取解像度などの画像読取装置10の制御指示や、データの入力を行うものである。具体的には、入力装置は、例えば、スイッチ、キーボード、マウス、マイクなどの入力デバイスである。出力装置は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置や、プリンタなどである。
処理部19Bは、RAMや、ROMなどのメモリと、CPU(Central Processing Unit)とを含む。処理部19Bは、第1イメージセンサ24や第2イメージセンサ29による原稿Pの読み取り時に、後述する画像読取装置10の制御手順を処理部19Bのメモリに読み込んで演算を行う。なお、処理部19Bは、適宜演算途中の数値を記憶部19Cに記録し、記録した数値を適宜記憶部19Cから取り出して演算を行う。処理部19Bは、情報取得部19B1と、駆動制御部19B2と、画像形成部19B3と、エッジ検出部19B4と、クロッピング部19B5とを少なくとも含む。
情報取得部19B1は、入出力部19Aを介して第1イメージセンサ24と、第2イメージセンサ29とのそれぞれから信号を取得する。駆動制御部19B2は、図1に示すモータ駆動回路17を介した搬送ローラ用モータ14の駆動と、光源駆動回路18を介した第1光源ユニット22及び第2光源ユニット27の駆動とを制御する。図2に示す画像形成部19B3は、第1イメージセンサ24及び第2イメージセンサ29から入出力部19Aを介して取得した信号に基づいて表印字面P1及び裏印字面P2のRGB読取画像データを形成する。エッジ検出部19B4は、画像形成部19B3が形成したRGB読取画像データに含まれるエッジを検出する。ここでいうエッジとは、画像形成部19B3が形成したRGB読取画像データのうち、表印字面P1または裏印字面P2の外郭に相当する部分である。クロッピング部19B5は、エッジ検出部19B4が検出したエッジに基づいて、画像形成部19B3が形成したRGB読取画像データから表印字面P1または裏印字面P2の切出画像を切り出す。
記憶部19Cは、画像読取装置10の制御手順が組み込まれた制御プログラムを記録する。記憶部19Cは、ハードディスク装置などの固定ディスク装置や、フレキシブルディスクや、光磁気ディスク装置や、フラッシュメモリなどの不揮発性のメモリや、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリである。または、記憶部19Cは、これらの組み合わせで構成される。なお、記憶部19Cは、処理部19Bと別個に設けられずに、処理部19B内に設けられていてもよい。また、記憶部19Cは、制御装置19とは別の装置(例えば、データベースサーバ内)に設けられていてもよい。次に、制御装置19が実行する一連の制御手順について説明する。なお、以下に説明する制御手順は、必ずしも単一的に構成されるものに限られず、例えばOS(Operating System)に代表される別個のコンピュータプログラムと協働してその機能を実現してもよい。
図3は、実施形態1の制御手順を示すフローチャートである。図4は、実施形態1のRGB読取画像データを模式的に示す説明図である。以下に説明する制御手順は、搬送装置11によって原稿Pが搬送されている間に実行される。図3に示すステップST101で、駆動制御部19B2は、第1光源ユニット22を点灯させ、かつ、第2光源ユニット27を消灯させる。次に、ステップST102で、情報取得部19B1は、第1イメージセンサ24及び第2イメージセンサ29から信号を取得する。この信号は、ライン画像に対応するものである。そして、記憶部19Cは、取得した信号と、読み取った部分の副走査方向での位置情報とを関連付けて記憶する。ここで、画像読取装置10は、ライン画像を副走査方向に複数回撮像する。これにより、画像読取装置10は、図4に示すように、画像を複数のラインに分けて読み取ることになる。前記ラインは、主走査方向に伸びるものであり、副走査方向に複数配列される。上述の読み取った部分の副走査方向での位置情報とは、読み取った部分が何ライン目かを示す情報である。
次に、ステップST103で、駆動制御部19B2は、第1光源ユニット22を消灯させ、かつ、第2光源ユニット27を点灯させる。次に、ステップST104で、情報取得部19B1は、第1イメージセンサ24及び第2イメージセンサ29から信号を取得する。そして、記憶部19Cは、取得した信号と、読み取った部分の副走査方向での位置情報とを関連付けて記憶する。このように、処理部19Bは、ステップST101からステップST104の一連の手順を実行することにより、第1光源ユニット22と第2光源ユニット27とを交互に点灯させて第1イメージセンサ24からライン画像を取得する。これにより、第2光源ユニット27は、第1イメージセンサ24が画像形成用の画像を撮像中は、第1イメージセンサ24に直接光を導かない。
ここで、図4に示すRGB読取画像D1は、第1イメージセンサ24から取得した複数のライン画像に基づいて形成させたものである。以下に、第1イメージセンサ24からライン画像を取得して、表印字面P1の画像(以下、切出用画像D0という)を含むRGB読取画像D1を形成する手順を説明する。
RGB読取画像D1は、画像形成用の画像としての反射光ライン画像LD1と、エッジ検出用の画像としての直接光ライン画像LD2との2種類のライン画像を含む。反射光ライン画像LD1は、図1に示す第1光源ユニット22から射出された光T10が表印字面P1で反射されて第1イメージセンサ24に導かれることで撮像された画像である。この第1イメージセンサ24に導かれた光T11は、搬送路Rに原稿Pが存在する場合は表印字面P1で反射した光であり、搬送路Rに原稿Pが存在しない場合は例えば裏当てシートで反射した光である。すなわち、情報取得部19B1は、ステップST104で反射光ライン画像LD1を取得することになる。
直接光ライン画像LD2は、図1に示す第2光源ユニット27から射出された光T20が第1イメージセンサ24に導かれることで撮像された画像である。この第1イメージセンサ24に導かれた光T20は、搬送路Rに原稿Pが存在する場合は原稿Pを透過した光であり、搬送路Rに原稿Pが存在しない場合は第2光源ユニット27から直接導かれた光である。すなわち、情報取得部19B1は、ステップST102で直接光ライン画像LD2を取得することになる。RGB読取画像D1は、この反射光ライン画像LD1と、直接光ライン画像LD2とが交互に副走査方向に配列されたものである。制御装置19は、ステップST101からステップST104の一連の手順を繰り返し実行することにより、反射光ライン画像LD1と直接光ライン画像LD2とを記憶部19Cに蓄積していく。
次に、ステップST105で、処理部19Bは、あらかじめ設定されたすべてのライン画像の読み取りが完了したか否かを判定する。なお、ラインの総数は、画像読取装置10が形成すべき画像の画質や、画像読取装置10が読み取りできる原稿Pの最大サイズなどによって変わる。すべてのライン画像の読み取りが完了していない場合(ステップST105、No)、処理部19Bは、ステップST101へ戻る。すべてのライン画像の読み取りが完了している場合(ステップST105、Yes)、処理部19Bは、ステップST106へ進む。ここで、表印字面P1の切出画像を形成する手順と、裏印字面P2の切出画像を形成する手順とは類似する。よって、以下では、表印字面P1の切出画像を形成するための手順を説明する。
図5は、反射光ライン画像で形成した実施形態1のRGB読取画像を模式的に示す説明図である。ステップST106で、画像形成部19B3は、裏写りが低減された図5に示すRGB読取画像D2を形成する。具体的には、画像形成部19B3は、反射光ライン画像LD1を記憶部19Cから取得する。上述のように、反射光ライン画像LD1は、図4に示す複数ラインのうち、第1光源ユニット22が点灯したラインで第1イメージセンサ24から取得した画像である。本実施形態の場合、図4に示す奇数ライン[L1、L3、L4・・・L2(n−2)+1、L2(n−1)+1]が、第1光源ユニット22が点灯したラインとなる。画像形成部19B3は、この奇数ラインで第1イメージセンサ24から取得した反射光ライン画像LD1を、図5に示すように、その順番のまま副走査方向に詰めるように並べることで図5に示すRGB読取画像D2を形成する。
ここで、第1光源ユニット22が点灯した時、第2光源ユニット27は消灯している。よって、第1光源ユニット22が点灯した際に第1イメージセンサ24から取得した反射光ライン画像LD1は、第2光源ユニット27が消灯している際の画像になる。よって、この画像は、裏印字面P2に光T20が供給されていない画像となる。これにより、この反射光ライン画像LD1は、裏写りが抑制された画像となっている。画像形成部19B3は、この裏写りが抑制された反射光ライン画像LD1のみに基づいて、裏写りが低減されたRGB読取画像D2を形成する。次に、ステップST107で、エッジ検出部19B4は、ステップST106で画像形成部19B3が形成したRGB読取画像D2に含まれる切出用画像D0のエッジを検出する。以下にその方法を説明する。
図6は、イメージセンサが出力する信号の大きさを原稿の有無別に示す説明図である。図6に示す横軸は、主走査方向の位置を示し、縦軸は第1イメージセンサ24が出力する信号の大きさを示す。また、直接光検出とは、第1イメージセンサ24に第2光源ユニット27から入射される光T20を用いたエッジ検出である。反射光検出とは、第1光源ユニット22から射出され、表印字面P1で反射して第1イメージセンサ24に入射された光T11を用いたエッジ検出である。図6に示すように、イメージセンサは、搬送路Rに原稿Pが存在するか否かによって出力する信号が変化する。
具体的には、直接光検出では、搬送路Rに原稿Pが存在する場合、原稿Pがある部分の信号S1が最大値よりも低下する。一方、搬送路Rに原稿Pが存在しない場合、信号S2は最大値から低下しない。エッジ検出部19B4は、この信号(S1、S2)の大きさの変化に基づいて、原稿Pのエッジ検出を行う。なお、反射光検出では、搬送路Rに原稿Pが存在する場合、原稿Pがある部分の信号S3が最小値よりも上昇する。一方、搬送路Rに原稿Pが存在しない場合、信号S4は最小値から上昇しない。エッジ検出部19B4は、この信号(S3、S4の変化に基づいて、原稿Pのエッジ検出を行うこともできる。
図7は、エッジ検出部による実施形態1のエッジ検出を模式的に示す説明図である。エッジ検出部19B4は、直接光ライン画像LD2を記憶部19Cから取得する。上述のように、直接光ライン画像LD2は、図4に示す複数ラインのうち、第2光源ユニット27が点灯したラインで第1イメージセンサ24から取得した画像である。本実施形態の場合、図4に示す偶数ライン[L2、L4、L6・・・L2(n−1)、L2n]が、第2光源ユニット27が点灯したラインとなる。この直接光ライン画像LD2は、第1イメージセンサ24にとって直接光である光T20が第1イメージセンサ24に入射された際に第1イメージセンサ24が撮像した画像である。光T20は、原稿Pが存在する部分を透過するものと、原稿Pが存在しない部分を通過するものとがある。これにより、図6に示すように、第1イメージセンサ24の信号S1が変化する。エッジ検出部19B4は、この信号S1の変化に基づいて図7に示す切出用画像D0のエッジEの位置を検出する。
ここで、画像読取装置10は、反射光検出によってエッジ検出を行うこともできる。しかしながら、本実施形態の画像読取装置10は、直接光検出によってエッジ検出を行う点に特徴がある。反射光検出は、表印字面P1や裏印字面P2の反射率によって、エッジ検出の精度が変化する。例えば、表印字面P1の反射率と、裏当て部材(例えばキャリブレーション用の白基準シート)の反射率との差異が著しく小さい場合、反射光検出は、エッジ検出の精度が低下すると考えられる。
しかしながら、本実施形態の画像読取装置10は、直接光検出によってエッジ検出を行う。上述のように、直接光検出は、互いに搬送路Rを挟んで対向する光源ユニットとイメージセンサとの間に原稿Pが存在するか否かに基づいて原稿Pのエッジを検出する手法である。よって、直接光検出は、表印字面P1や裏印字面P2の反射率に依存しにくく、エッジ検出の精度のばらつきを低減できる。よって、画像読取装置10は、エッジ検出の精度の向上を図ることができる。なお、エッジ検出部19B4によるエッジ検出は、第1イメージセンサ24から取得した信号)に基づいたエッジ検出に限定されない。エッジ検出部19B4は、第2イメージセンサ29から取得した信号に基づいたエッジ検出を行ってもよい。この場合、エッジ検出部19B4は、第1光源ユニット22が点灯したラインで第2イメージセンサ29から取得した信号(反射光ライン画像LD1)を記憶部19Cから取得する。そして、エッジ検出部19B4は、この信号の大きさの変化に基づいて図7に示す原稿PのエッジEの位置を検出する。
次に、ステップST108で、クロッピング部19B5は、図7に示すエッジEの位置情報に基づいて、図5に示すRGB読取画像D2から切り出す画像のサイズ、すなわち原稿Pのサイズを算出する。次に、ステップST109で、クロッピング部19B5は、ステップST108で算出したサイズで、図5に示すRGB読取画像D2から切出用画像D0を切り出す(クロッピングする)。ステップST109を実行すると、処理部19Bは、一連の制御手順の実行を終了する。なお、処理部19Bは、一連の制御手順の実行を終了する前に、例えば、クロッピングされた切出用画像D0を記憶部19Cに格納させたり、クロッピングされた切出用画像D0の画像を出力装置に出力してもよい。
ここで、画像読取装置10が裏印字面P2を読み取る場合、図3に示すステップST106で、画像形成部19B3は、第2イメージセンサ29から取得した反射光ライン画像LD1に基づいて図5に示すRGB読取画像D2を形成する。また、ステップST107で、エッジ検出部19B4は、第2イメージセンサ29から取得した直接光ライン画像LD2に基づいてエッジ検出する。これにより、画像読取装置10は、裏印字面P2を読み取れる。なお、画像読取装置10は、表印字面P1と裏印字面P2とを同時に読み取ることもできる。
上記の制御手順を処理部19Bが実行することにより、画像読取装置10は、一対の撮像ユニットが搬送路Rを挟んで対向して設けられる構成で、直接光検出でのエッジ検出を実現できる。直接光検出でのエッジ検出は、反射光検出でのエッジ検出よりも高い精度が期待される。これにより、画像読取装置10は、エッジ検出の精度の向上を図ることができる。さらに、画像読取装置10は、裏写りしている直接光ライン画像LD2を切出用画像D0の形成に用いていない。よって、画像読取装置10は、裏写りも低減できる。
ここで、本実施形態の画像読取装置10は、図4に示す反射光ライン画像LD1のみで図5に示すRGB読取画像D2を形成し、直接光ライン画像LD2はエッジ検出に用いている。よって、画像読取装置10は、エッジ検出を行わない場合よりも、直接光ライン画像LD2を取得する分、取得すべきライン画像の数が増加する。そこで、制御装置19は、例えば、図1に示す搬送装置11による原稿Pの搬送速度を、エッジ検出を行わない場合よりも低下させると好ましい。これにより、画像読取装置10は、切出用画像D0の画質の低下を抑制できる。本実施形態の場合、制御装置19は、エッジ検出を行わない場合の搬送速度に対して、前記搬送速度を1/2倍にする。これにより、画像読取装置10は、画質の低下が抑制された切出用画像D0を形成できる。
但し、画像読取装置10は、総合的に考えると読取速度の向上を図ることができる。例えば、裏写りを低減するために、R光・G光・B光を別々に光らせる技術がある(特許文献1:特開2007−166213号公報)。このような技術は、R光・G光・B光を別々に光らせ、その都度イメージセンサからライン画像を取得する。よって、このような技術は、R光・G光・B光を光源ユニットから同時に射出する場合に比べて、原稿Pの搬送速度を1/3倍に設定する必要がある。しかしながら、本実施形態の画像読取装置10は、R光・G光・B光を同時に光源ユニットから射出しても、裏写りを低減できる。すなわち、画像読取装置10は、原稿Pの搬送速度が1/2倍でも裏写りを低減できる。結果として、画像読取装置10は、R光・G光・B光とを別々に光らせる技術よりも3/2倍の速度で原稿Pを読み取れる。
なお、例えば、印字面が片面のみの原稿Pを読み取る場合、画像読取装置10は、エッジ検出をしない場合と同等の速度で原稿Pを読み取ることもできる。この場合、図4に示す直接光ライン画像LD2は、裏写りしていない画像データである。よって、制御装置19は、反射光ライン画像LD1と、直接光ライン画像LD2との両方に基づいて図5に示すRGB読取画像D2を形成する。この際、制御装置19は、搬送装置11による原稿Pの搬送速度を、エッジ検出をしない場合と同等に設定できる。このようにして、画像読取装置10は、原稿Pの読み取り速度の低下も抑制できる。なお、この場合、画像読取装置10の読み取り速度は、R光・G光・B光を別々に光らせる技術の読み取り速度よりも3倍速くなる。
(変形例1)
図8は、変形例1の画像読取装置を模式的に示す説明図である。図8に示す変形例1の画像読取装置10Aは、第2光源ユニット27が点灯と消灯を繰り返さずに実施形態1の画像読取装置10と同等の機能を実現できるものである。以下、図1に示す実施形態1の画像読取装置10と同様の構成要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
画像読取装置10Aは、図1に示す実施形態1の画像読取装置10が備える構成要素に加えて、さらに移動装置29aを備える。移動装置29aは、第2光源ユニット27と第2レンズ28と第2イメージセンサ29とを、一体として副走査方向に移動させるためのものである。移動装置29aは、第2光源ユニット27と第2レンズ28と第2イメージセンサ29とを、第1位置から第2位置へと移動させる。第1位置は、第1光源ユニット22から射出された光T10を第2レンズ28に導くことが可能、かつ、第2光源ユニット27から射出された光T20を第1レンズ23に導くことが可能な位置である。第2位置は、第1光源ユニット22から射出された光T10を第2レンズ28へ導くことが不可能、かつ、第2光源ユニット27から射出された光T20を第1レンズ23へ導くことが不可能な位置である。
画像読取装置10Aの制御装置19は、第1光源ユニット22及び第2光源ユニット27を消灯させる替わりに、第2光源ユニット27と第2レンズ28と第2イメージセンサ29とを第1位置から第2位置に移動させる。情報取得部19B1は、第2光源ユニット27と第2レンズ28と第2イメージセンサ29とが第1位置にある場合に、図4に示す直接光ライン画像LD2を取得する。また、情報取得部19B1は、第2光源ユニット27と第2レンズ28と第2イメージセンサ29とが第2位置にある場合に、反射光ライン画像LD1を取得する。
画像読取装置10Aは、第2光源ユニット27と第2レンズ28と第2イメージセンサ29とが第1位置にある場合に、エッジ検出に必要な反射光ライン画像LD1を取得でき、第2光源ユニット27と第2レンズ28と第2イメージセンサ29とが第2位置にある場合に、切出用画像D0の形成に必要な直接光ライン画像LD2を取得できる。結果として、画像読取装置10Aは、実施形態1の画像読取装置10と同様の効果を奏する。
(実施形態2)
図9は、実施形態2の画像読取装置を模式的に示す説明図である。以下、図1に示す実施形態1の画像読取装置10と同様の構成要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。本実施形態の画像読取装置30は、図9に示すように、第1撮像ユニット31と、第2撮像ユニット35と、制御装置39とを含む。第1撮像ユニット31と、第2撮像ユニット35とは、互いに対向して設けられる。第1撮像ユニット31と、第2撮像ユニット35との間には、搬送路Rが設けられる。第1撮像ユニット31は、原稿Pの表印字面P1の読み取りを行う。第2撮像ユニット35は、原稿Pの裏印字面P2の読み取りを行う。
第1撮像ユニット31は、第1ユニット筐体21と、第1透過板21aと、表側第1光源ユニット32と、表側第2光源ユニット33と、第1レンズ23と、第1イメージセンサ24とを含む。第2撮像ユニット35は、第2ユニット筐体26と、第2透過板26aと、裏側第1光源ユニット36と、裏側第2光源ユニット37と、第2レンズ28と、第2イメージセンサ29とを含む。表側第1光源ユニット32及び表側第2光源ユニット33は、第1ユニット筐体21に設けられる。表側第1光源ユニット32と表側第2光源ユニット33とは、例えば、副走査方向で第1レンズ23を挟んで設けられる。裏側第1光源ユニット36及び裏側第2光源ユニット37は、第2ユニット筐体26に設けられる。裏側第1光源ユニット36と裏側第2光源ユニット37とは、例えば、副走査方向で第2レンズ28を挟んで設けられる。
表側第1光源ユニット32は、搬送路Rに向かって光T32を射出する。搬送路Rに原稿Pが存在しない場合、光T32は、第2撮像ユニット35の第2レンズ28に導かれる。搬送路Rに原稿Pが存在する場合、光T32は原稿Pを透過して第2レンズ28に導かれる。表側第2光源ユニット33は、搬送路Rに向かって光T331を射出する。搬送路Rに原稿Pが存在する場合、光T331は表印字面P1で反射される。表印字面P1で反射された光T332は、第1撮像ユニット31の第1レンズ23に導かれる。表側第1光源ユニット32及び表側第2光源ユニット33のそれぞれは、以上のように光を各イメージセンサに導くことが可能な位置に設けられる。
裏側第1光源ユニット36は、搬送路Rに向かって光T36を射出する。搬送路Rに原稿Pが存在しない場合、光T36は、第1撮像ユニット31の第1レンズ23に導かれる。搬送路Rに原稿Pが存在する場合、光T36は原稿Pを透過して第1レンズ23に導かれる。裏側第2光源ユニット37は、搬送路Rに向かって光T371を射出する。搬送路Rに原稿Pが存在する場合、光T371は裏印字面P2で反射される。裏印字面P2で反射された光T372は第2撮像ユニット35の第2レンズ28に導かれる。裏側第1光源ユニット36及び裏側第2光源ユニット37のそれぞれは、以上のように光を各イメージセンサに導くことが可能な位置に設けられる。
制御装置39は、光源駆動回路18を介して表側第1光源ユニット32と、表側第2光源ユニット33と、裏側第1光源ユニット36と、裏側第2光源ユニット37と電気的に接続される。これにより、制御装置39は、表側第1光源ユニット32と、表側第2光源ユニット33と、裏側第1光源ユニット36と、裏側第2光源ユニット37とのそれぞれの点灯及び消灯のタイミングを別個に調節する。なお、制御装置39のその他の構成は、図1に示す制御装置19と同様である。
図10は、実施形態2の制御手順を示すフローチャートである。図11は、実施形態2のRGB読取画像データを模式的に示す説明図である。以下に説明する制御手順は、搬送装置11によって原稿Pが搬送されている間に実行される。
図10に示すステップST201で、駆動制御部19B2は、表側第2光源ユニット33及び裏側第2光源ユニット37を点灯させ、かつ、表側第1光源ユニット32及び裏側第1光源ユニット36を消灯させる。次に、ステップST202で、情報取得部19B1は、第1イメージセンサ24及び第2イメージセンサ29から、例えば3ライン分の信号を取得する。なお、情報取得部19B1が取得する信号は、3ライン分に限定されず、1ライン分以上であればよい。この信号は、ライン画像に対応するものである。そして、記憶部19Cは、取得した信号と、ラインごとに読み取った部分の副走査方向での位置情報とを関連付けて記憶する。ここで、図11に示すように、画像読取装置30は、画像を複数のラインに分けて読み取る。
次に、ステップST203で、駆動制御部19B2は、表側第1光源ユニット32及び裏側第1光源ユニット36を点灯させる。なお、ステップST203で、駆動制御部19B2は、表側第2光源ユニット33及び裏側第2光源ユニット37を消灯させてもよいし、点灯させたままでもよい。次に、ステップST204で、情報取得部19B1は、第1イメージセンサ24及び第2イメージセンサ29から信号を取得する。この信号は、ライン画像に対応するものである。そして、記憶部19Cは、取得した信号と、読み取った部分の副走査方向での位置情報とを関連付けて記憶する。このように、処理部19Bは、ステップST201からステップST204の一連の手順を実行することにより、3ライン毎に1度、表側第1光源ユニット32及び裏側第1光源ユニット36を点灯させる。
ここで、図11に示すRGB読取画像D3は、第1イメージセンサ24から取得した複数のライン画像に基づいて形成されたものである。以下に、第1イメージセンサ24からライン画像を取得して、切出用画像D0を含むRGB読取画像D3を形成する手順を説明する。RGB読取画像D3は、直接光ライン画像LD3と、反射光ライン画像LD4との2種類のライン画像を含む。直接光ライン画像LD3は、図1に示す裏側第1光源ユニット36から射出された光T36が第1イメージセンサ24に導かれることで生成されたデータである。この第1イメージセンサ24に導かれた光T36は、第1イメージセンサ24にとって直接光である。光T36は、搬送路Rに原稿Pが存在する場合は原稿Pを透過した光T36であり、搬送路Rに原稿Pが存在しない場合は裏側第1光源ユニット36から直接導かれたT36である。情報取得部19B1は、ステップST204で直接光ライン画像LD3を1ライン分取得することになる。
反射光ライン画像LD4は、図9に示す表側第2光源ユニット33から射出された光T332が第1イメージセンサ24に導かれることで生成されたデータである。この第1イメージセンサ24に導かれた光は、搬送路Rに原稿Pが存在する場合は表印字面P1で反射された光T332であり、搬送路Rに原稿Pが存在しない場合は例えば裏当てシートで反射された光T332である。情報取得部19B1は、ステップST202で反射光ライン画像LD4を3ライン分取得することになる。図11に示すRGB読取画像D3は、この3ライン分の反射光ライン画像LD4と、1ライン分の直接光ライン画像LD3とが交互に副走査方向に並べられたものである。制御装置39は、ステップST201からステップST204の一連の手順を繰り返し実行することにより、直接光ライン画像LD3と反射光ライン画像LD4とを記憶部19Cに蓄積していく。
次に、ステップST205で、処理部19Bは、あらかじめ設定されたすべてのライン画像の読み取りが完了したか否かを判定する。すべてのライン画像の読み取りが完了していない場合(ステップST205、No)、処理部19Bは、ステップST201へ戻る。すべてのライン画像の読み取りが完了している場合(ステップST205、Yes)、処理部19Bは、ステップST206へ進む。なお、以下では、原稿Pのうち表印字面P1を読み取るための手順を説明する。裏印字面P2を読み取る場合も、制御装置39は、同様の手順を実行することで裏印字面P2を読み取ることができる。
図12は、反射光ライン画像で形成した実施形態2のRGB読取画像データを模式的に示す説明図である。ステップST206で、画像形成部19B3は、裏写りが低減された図12に示すRGB読取画像D4を形成する。具体的には、画像形成部19B3は、図11に示す複数ラインのうち、裏側第1光源ユニット36が点灯したラインで第1イメージセンサ24から取得した反射光ライン画像LD4を記憶部19Cから取得する。本実施形態の場合、図11に示す4の倍数のライン[L4、L8、・・・L4(n−1)、L4n]以外のラインが、裏側第1光源ユニット36が消灯したラインとなる。画像形成部19B3は、この4の倍数のライン以外のラインで第1イメージセンサ24から取得した反射光ライン画像LD4を、図12に示すように、その順番のまま副走査方向に並べてRGB読取画像D4を形成する。
ここで、反射光ライン画像LD4を取得した際、裏側第1光源ユニット36は消灯している。よって、反射光ライン画像LD4は、裏写りが低減されたライン画像となる。画像形成部19B3は、この裏写りが低減された反射光ライン画像LD4のみに基づいて、切出用画像D0を含むRGB読取画像データD4を形成する。但し、ここで形成された画像データは、4の倍数のラインが欠落した画像データとなる。そこで、制御装置39は、4の倍数のライン画像を補間する。以下に、欠落したライン画像の補間方法の例を説明する。
図13は、欠落したライン画像の補間方法を示すための説明図である。図13に示すBn[i]は、欠落したラインである。また、An+1[i]及びAn−1[i]は、欠落したライン(Bn[i])の前後のラインにおけるi番目の素子データである。なお、nは何番目のラインかを示すものであり、[i]は主走査方向での位置を示すものである。画像形成部19B3は、例えば、線形補間により、Bn[i]を補間する。具体的には、画像形成部19B3は、下記の式(1)にAn+1[i]及びAn−1[i]を代入することでBn[i]を算出する。これにより、画像形成部19B3は、An+1[i]の素子データとAn−1[i]の素子データとを平均した素子データをBn[i]の素子データとして補間する。
Bn[i]=[(An+1[i])+(An−1[i])]/2 ・・・(1)
または、画像形成部19B3は、直接光ライン画像LD3も用いてBn[i]を補間する。具体的には、画像形成部19B3は、下記の式(2)にAn+1[i]と、An[i]と、An−1[i]とを代入することでBn[i]を算出する。なお、An[i]は、情報取得部19B1が直接光ライン画像LD3を取得した時のラインの素子データである。これにより、画像形成部19B3は、An+1[i]の素子データと、An[i]の素子データと、An−1[i]の素子データとを平均した素子データをBn[i]の素子データとして補間する。
Bn[i]=[(An+1[i])+(An[i])+(An−1[i])]/3 ・・・(2)
または、画像形成部19B3は、キュービック補間により、Bn[i]を補間する。具体的には、画像形成部19B3は、下記の式(3)にAn+1[i]と、An+1[i−1]と、An+1[i+1]と、An−1[i]と、An−1[i−1]と、An−1[i+1]とを代入することでBn[i]を算出する。これにより、画像形成部19B3は、An+1[i]の素子データと、An+1[i−1]の素子データと、An+1[i+1]の素子データと、An−1[i]の素子データと、An−1[i−1]の素子データと、An−1[i+1]の素子データと、を平均した素子データをBn[i]の素子データとして補間する。
Bn[i]=[(An+1[i])+(An+1[i−1])+(An+1[i+1])+(An−1[i])+(An−1[i−1])+(An−1[i+1])/6 ・・・(3)
これらの補間方法により、画像形成部19B3は、第1イメージセンサ24が直接光ライン画像LD2を撮像する時期の前後に撮像した少なくとも2つの反射光ライン画像LD1に基づいて、直接光ライン画像LD2を撮像したことで欠落した反射光ライン画像LD1を補間する。なお、画像形成部19B3が用いる補間方法は、上述の3つに限定されない。画像形成部19B3は、例えば、An[i]またはAn−1[i]をBn[i]の素子データとして補間してもよい。画像形成部19B3は、主走査方向に配列された複数の素子データであるBn[i]のまとまりを補間用ライン画像LD5とする。画像形成部19B3は、図12に示すように、反射光ライン画像LD4と、補間用ライン画像LD5とに基づいて、RGB読取画像D4を形成する。次に、図10に示すステップST207で、エッジ検出部19B4は、ステップST206で画像形成部19B3が形成したRGB読取画像D4に含まれる切出用画像D0のエッジを検出する。以下にその方法を説明する。
図14は、エッジ検出部による実施形態2のエッジ検出を模式的に示す説明図である。エッジ検出部19B4は、図11に示す複数ラインのうち、裏側第1光源ユニット36が点灯したラインで第1イメージセンサ24から取得した直接光ライン画像LD3を記憶部19Cから取得する。本実施形態の場合、図11に示す4の倍数のライン[L4、L8、・・・L4(n−1)、L4n]が、裏側第1光源ユニット36が点灯したラインとなる。この直接光ライン画像LD3は、光T36が第1イメージセンサ24に入射された際に出力される信号である。光T36は、原稿Pが存在する部分を透過するものと、原稿Pが存在しない部分を通過するものとがある。これにより、図6に示すように、第1イメージセンサ24の信号S1が変化する。エッジ検出部19B4は、この信号S1の変化に基づいて図14に示す切出用画像D0のエッジEの位置を検出する。
次に、制御装置39は、ステップST208へ進む。なお、ステップST208とステップST209とは、図3に示すステップST108とステップST109と同様である。よってステップST208及びステップST209の説明を省略する。ステップST209を実行すると、制御装置39は、一連の手順の実行を終了する。ここで、画像読取装置30が裏印字面P2を読み取る場合、画像形成部19B3は、第2イメージセンサ29から取得した反射光ライン画像LD4に基づいて、ステップST206で図12に示すRGB読取画像D4を形成する。また、エッジ検出部19B4は、第2イメージセンサ29から取得した直接光ライン画像LD3に基づいて、ステップST207でエッジ検出を行う。これにより、画像読取装置30は、裏印字面P2を読み取れる。
上記の制御手順を処理部19Bが実行することにより、画像読取装置30は、一対の撮像ユニットが搬送路Rを挟んで対向して設けられる構成で、直接光検出でのエッジ検出を実現できる。直接光検出でのエッジ検出は、反射光検出でのエッジ検出よりも高い精度が期待される。これにより、画像読取装置30は、エッジ検出の精度の向上を図ることができる。さらに、画像読取装置30は、裏写りしている直接光ライン画像LD3を切出用画像D0の形成に用いていない。よって、画像読取装置30は、裏写りも低減できる。
ここで、実施形態1の画像読取装置10は、欠落するライン画像がないように、すなわち、画質の低下を抑制するために、エッジ検出を行わない場合の搬送速度に対して、前記搬送速度を1/2の速度に設定されている。一方、本実施形態の画像読取装置30は、欠落したライン画像を読み取りなおさずに、補間することで切出用画像D0を形成する。よって、画像読取装置30は、エッジ検出を行わない場合の搬送速度の搬送速度と同じ速度でも、実施形態1の画像読取装置10と同等の画質を得ることが期待される。結果として、画像読取装置30は、例えばR光・G光・B光とを別々に光らせる技術よりも3倍の速度で原稿Pを読み取れる。
(実施形態3)
図15は、実施形態3の制御手順を示すフローチャートである。図16は、実施形態3のRGB読取画像データを模式的に示す説明図である。本実施形態の画像読取装置は、図9に示す実施形態2の画像読取装置30と同様の構成である。但し、制御装置39が実行する制御手順が異なる。以下に説明する制御手順は、搬送装置11によって原稿Pが搬送されている間に実行される。
図15に示すステップST301で、駆動制御部19B2は、表側第1光源ユニット32及び裏側第1光源ユニット36を点灯させ、かつ、表側第2光源ユニット33及び裏側第2光源ユニット37を消灯させる。次に、ステップST302で、情報取得部19B1は、第1イメージセンサ24及び第2イメージセンサ29から信号を取得する。この信号は、直接光ライン画像LD3に対応する信号である。すなわち、情報取得部19B1は、ステップST302で直接光ライン画像LD3を取得する。そして、記憶部19Cは、取得した信号と、ラインごとに読み取った部分の副走査方向での位置情報とを関連付けて記憶する。
次に、ステップST303で、エッジ検出部19B4は、ステップST302で取得した直接光ライン画像LD3にエッジが含まれるか否かを判定する。すなわち、エッジ検出部19B4はエッジ検出を行う。具体的には、エッジ検出部19B4は、取得した信号(直接光ライン画像LD3)に図6に示す信号S1のような変化が見られるか否かを判定する。直接光ライン画像LD3にエッジが含まれていないと判定すると(ステップST303、No)、処理部19Bは、ステップST302へ戻る。直接光ライン画像LD3にエッジが含まれていると判定すると(ステップST303、Yes)、処理部19Bは、ステップST304へ進む。
次に、ステップST304で、駆動制御部19B2は、表側第1光源ユニット32及び裏側第1光源ユニット36を消灯させ、かつ、表側第2光源ユニット33及び裏側第2光源ユニット37を点灯させる。次に、ステップST305で、情報取得部19B1は、第1イメージセンサ24及び第2イメージセンサ29から信号を取得する。この信号は、反射光ライン画像LD4に対応する信号である。すなわち、情報取得部19B1は、ステップST305で反射光ライン画像LD4を取得する。そして、記憶部19Cは、取得した情報と、読み取った部分の副走査方向での位置情報とを関連付けて記憶する。
次に、ステップST306で、エッジ検出部19B4は、ステップST305で取得した反射光ライン画像LD4にエッジが含まれるか否かを判定する。すなわち、エッジ検出部19B4は、エッジ検出を行う。ここでは、エッジ検出部19B4は、反射光検出によりエッジ検出を行う。具体的には、エッジ検出部19B4は、取得した信号に図6に示す信号S3のような変化が見られるか否かを判定する。反射光ライン画像LD4にエッジが含まれていると判定すると(ステップST306、Yes)、処理部19Bは、ステップST305へ戻る。反射光ライン画像LD4にエッジが含まれていないと判定すると(ステップST306、No)、処理部19Bは、ステップST307へ進む。
次に、ステップST307で、画像形成部19B3は、裏写りが低減された図16に示すRGB読取画像D5を形成する。RGB読取画像D5は、直接光ライン画像LD3と、反射光ライン画像LD4とを含む。図16に示すE1は、ステップST303で検出したエッジであり、E2は、ステップST306で最後に検出されたエッジである。すなわち、エッジE1は、画像読取装置による原稿Pの読み取りが開始されてから最初に検出されたエッジであり、エッジE2は画像読取装置による原稿Pの読み取りが開始されてから最後に検出されたエッジである。ここでは、エッジE1はラインL3で検出され、エッジE2はラインLnで検出されたものとする。ラインL1及びラインL2では、情報取得部19B1は、直接光ライン画像LD3を取得する(ステップST302)。ラインL3〜ラインLn+1では、情報取得部19B1は、反射光ライン画像LD4を取得する(ステップST305)。画像形成部19B3は、これらの直接光ライン画像LD3と反射光ライン画像LD4とを副走査方向に並べてRGB読取画像D5を形成する。
次に、ステップST308で、エッジ検出部19B4は、ステップST306で画像形成部19B3が形成したRGB読取画像D5に含まれる切出用画像D0のエッジを検出する。本実施形態のエッジ検出部19B4は、直接光検出と反射光検出との2つの手法に基づいてエッジ検出する。具体的には、エッジ検出部19B4は、図16に示すラインL3では直接光検出でエッジを検出し、ラインL4〜ラインLn+1では反射光検出でエッジを検出する。ステップST308を実行すると、処理部19Bは、ステップST309へ進む。ステップST309及びステップST310は、図10に示すステップST208及びステップST209と同様である。よって、ステップST309及びステップST310の説明を省略する。
上記の制御手順を処理部19Bが実行することにより、本実施形態の画像読取装置は、一対の撮像ユニットが搬送路Rを挟んで対向して設けられる構成で、直接光検出でのエッジ検出を実現できる。具体的には、エッジ検出部19B4は、エッジE1を直接光検出で検出している。上述のように、直接光検出でのエッジ検出は、反射光検出でのエッジ検出よりも高い精度が期待される。これにより、本実施形態の画像読取装置は、エッジE1の検出の精度の向上を図ることができる。さらに、本実施形態の画像読取装置は、エッジE1を検出してからエッジE2を検出するまで、図9に示す裏側第1光源ユニット36を消灯している。すなわち、表印字面P1の画像が含まれる範囲では、情報取得部19B1は、直接光ライン画像LD3を取得せず、毎ラインで反射光ライン画像LD4を取得する。これにより、本実施形態の画像読取装置は、前記範囲で画像データが欠落するラインがない。よって、処理部19Bは、欠落したライン画像を補間する手順が不要となる。よって、本実施形態の画像読取装置は、切出用画像D0の画質の低下をより好適に抑制できる。また、本実施形態の画像読取装置は、実施形態2の画像読取装置30と同等以上の画質を確保しつつ、同様の速度で原稿Pを読み取れる。
(変形例2)
図17は、実施形態3の制御手順を示すフローチャートである。図18は、変形例2のRGB読取画像データを模式的に示す説明図である。本変形例2の画像読取装置は、図9に示す画像読取装置30と同様の構成である。また、本変形例2の制御手順は、図15に示す制御手順に類似する。以下、図15に示す制御手順と異なる部分を説明する。本変形例2の制御装置は、ステップST401を実行する。ステップST401〜ステップST403との各手順は、ステップST301〜ステップST303の各手順と同様である。
次に、ステップST404で、駆動制御部19B2は、表側第1光源ユニット32及び裏側第1光源ユニット36を消灯せず、表側第1光源ユニット32及び裏側第1光源ユニット36から射出される光量を低下させる。具体的には、駆動制御部19B2は、表側第1光源ユニット32及び裏側第1光源ユニット36のそれぞれが射出する光量が、表側第2光源ユニット33及び裏側第2光源ユニット37のそれぞれが射出する光量未満になるように、表側第1光源ユニット32及び裏側第1光源ユニット36のそれぞれが射出する光量を調節する。
次に、ステップST405で、情報取得部19B1は、図18に示す両光ライン画像LD6を取得する。この両光ライン画像LD6は、画像形成用の画像及びエッジ検出用の画像として用いられる。両光ライン画像LD6は、裏側第1光源ユニット36が射出した光T36による画像以外にも、表側第2光源ユニット33によって射出されて表印字面P1で反射された光T332による画像も含まれる。すなわち、ここで取得する両光ライン画像LD6は、裏写りしたライン画像となる。次に、ステップST406で、エッジ検出部19B4は、両光ライン画像LD6に基づいてエッジの有無を判定する。すなわち、エッジ検出部19B4は、直接光検出でエッジの有無を判定する。次に、ステップST407で、裏写りが低減された図18に示すRGB読取画像D6を形成する。以下、この裏写りが低減されたRGB読取画像D6の形成方法を説明する。
図19は、裏写りが低減されたRGB読取画像の形成方法を説明するための説明図である。図19の横軸は主走査方向での位置を示し、縦軸は第1イメージセンサ24または第2イメージセンサ29が出力する信号の大きさを示す。Vx[i]は、第1イメージセンサ24のi番目のセンサ素子が出力する信号であり、Vy[i]は第2イメージセンサ29のi番目のセンサ素子が出力する信号であり、Vy[i]×Kは、第1イメージセンサ24のi番目のセンサ素子が出力する信号に含まれる裏印字面P2の画像成分であり、Oxは合成値を示す。まず、情報取得部19B1が第1イメージセンサ24のi番目のセンサ素子が出力する信号Vx[i]と、第2イメージセンサ29のi番目のセンサ素子が出力する信号Vy[i]とを記憶部19Cから取得する。次に、処理部19Bは、信号Vy[i]と、原稿Pの光透過率Kとを乗算してVy[i]×Kを算出する。
光透過率Kは、原稿P毎に算出される値でもよいし、あらかじめ設定された所定値でもよい。原稿P毎に光透過率Kを算出する場合、処理部19Bは、例えば、図18に示すエッジE1を検出する際、すなわちラインL3で算出する。具体的には、処理部19Bは、エッジE1が検出されない際(ラインL1またはラインL2)の第1イメージセンサ24が出力する信号と、エッジE1が検出された際(ラインL3)の第1イメージセンサ24が出力する信号の比に基づいて光透過率Kを算出する。
次に、処理部19Bは、下記の式(4)に基づいて、合成値Ox[i]を算出する。
Ox[i]=Vx[i]−Vy[i]×K ・・・(4)
この合成値Ox[i]は、裏写りが低減された素子データである。処理部19Bは、エッジE1が検出されてからエッジE2が検出されるまで(ラインL3からラインLn)の両光ライン画像LD6に対して、上記の演算を行う。そして、処理部19Bは、主走査方向に配列された複数の素子データである合成値Ox[i]のまとまりを新たなライン画像とする。エッジ検出部19B4は、この新たなライン画像に基づいて、裏写りが低減されたRGB読取画像D6を形成する。
次に、図17に示すステップST408で、エッジ検出部19B4は、両光ライン画像LD6に基づいてエッジの有無を判定する。すなわち、エッジ検出部19B4は、直接光検出でエッジ検出を行う。次に、処理部19Bは、ステップST409を実行する。ステップST409及びステップST410の各手順は、ステップST309及びステップST310の各手順と同様である。よって、ステップST409及びステップST410の各手順の説明を省略する。ステップST410を実行すると、本変形例の制御装置は、一連の手順の実行を終了する。
上記の制御手順を処理部19Bが実行することにより、本変形例2の画像読取装置は、実施形態3の画像読取装置と同様の効果を奏する。さらに、本変形例2の画像読取装置は、表印字面P1の画像を含むラインのすべてで、直接光検出でのエッジ検出を行う。直接光検出でのエッジ検出は、反射光検出よりも高い精度が期待される。これにより、本変形例2の画像読取装置は、エッジ検出の精度の向上をより好適に図ることができる。
(変形例3)
図20は、変形例3の画像読取装置を模式的に示す説明図である。変形例3の画像読取装置40は、実施形態2や、実施形態3や、変形例2の各画像読取装置と、備える光源ユニットの数が異なる。具体的には、画像読取装置40は、表側第1光源ユニット32と、表側第2光源ユニット33a及び表側第2光源ユニット33bと、裏側第1光源ユニット36と、裏側第2光源ユニット37a及び裏側第2光源ユニット37bとの6つの光源ユニットを含む。表側第2光源ユニット33a及び表側第2光源ユニット33bは、実施形態2や、実施形態3や、変形例2の各表側第2光源ユニット33に相当する。裏側第2光源ユニット37a及び裏側第2光源ユニット37bは、実施形態2や、実施形態3や、変形例2の各裏側第2光源ユニット37に相当する。
すなわち、表側第2光源ユニット33a及び表側第2光源ユニット33bは、搬送路Rに向かって光T331を射出する。搬送路Rに原稿Pが存在する場合、光T331は表印字面P1で反射される。表印字面P1で反射された光T332は、第1撮像ユニット31の第1レンズ23に導かれる。表側第2光源ユニット33a及び表側第2光源ユニット33bは、以上のように光を第1イメージセンサ24に導く位置に設けられる。
裏側第2光源ユニット37a及び裏側第2光源ユニット37bは、搬送路Rに向かって光T371を射出する。搬送路Rに原稿Pが存在する場合、光T371は裏印字面P2で反射される。裏印字面P2で反射された光T372は第2撮像ユニット35の第2レンズ28に導かれる。裏側第2光源ユニット37a及び裏側第2光源ユニット37bは、以上のように光を第2イメージセンサ29に導く位置に設けられる。
変形例3が実行する制御手順は、実施形態2や、実施形態3や、変形例2の各制御手順と同様である。なお、実施形態2や、実施形態3や、変形例2の各制御手順で表側第2光源ユニット33を点灯または消灯させる手順では、本変形例の制御装置は、表側第2光源ユニット33a及び表側第2光源ユニット33bを点灯または消灯させる。また、実施形態2や、実施形態3や、変形例2の各制御手順で裏側第2光源ユニット37を点灯または消灯させる手順では、本変形例の制御装置は、裏側第2光源ユニット37a及び裏側第2光源ユニット37bを点灯または消灯させる。
本変形例の制御装置が実施形態2の制御手順と同様の手順を実行する場合、画像読取装置40は、実施形態2の画像読取装置30が奏する効果と同様の効果を奏する。また、本変形例の制御装置が実施形態3の制御手順と同様の手順を実行する場合、画像読取装置40は、実施形態3の画像読取装置が奏する効果と同様の効果を奏する。また、本変形例の制御装置が変形例2の制御手順と同様の手順を実行する場合、画像読取装置40は、変形例2の画像読取装置が奏する効果と同様の効果を奏する。これらの効果に加え、画像読取装置40は、光源ユニットの数が実施形態2や、実施形態3や、変形例2の各画像読取装置よりも多い。よって、画像読取装置40は、原稿Pを読み取るために必要な光量をより多く確保できる。
ここで、上述の各画像読取装置は、例えば、光源ユニットが直接光としてR光・G光・B光の3色を同時に射出する。しかしながら、各光源ユニットは、直接光として1色のみを射出してもよい。また、各光源ユニットは、赤外線を射出してもよい。この場合であっても、各画像読取装置は、直接光を用いたエッジ検出を行える。