JP6895847B2 - 磁気ディスク用基板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気ディスク用基板およびその製造方法に関する。
従来から、たとえばハードディスクドライブ(HDD)に使用される磁気ディスク用基板およびその製造方法が知られている(下記特許文献1から4を参照)。
特許文献1は、主面における表面粗さが、円周方向のうねりの空間周期(L)が10〜1000μmの範囲における二乗平均平方根粗さ(Rq)で、1Å以下である磁気記録媒体用基板を開示している。この基板は、次のような特徴を有している。前記表面粗さについてスペクトル解析を行い、その空間周期(L)を横軸[μm]とし、そのパワースペクトル密度(PSD)を縦軸[k・Å・μm](kは定数)とした両対数グラフ上に表される曲線Sを得る。この曲線Sにおいて、空間周期(L)が10μmとなる点Aと、空間周期(L)が1000μmとなる点Bとを結ぶ線分Zの縦軸方向の成分をHとする。この線分Zに対して曲線Sの縦軸方向の成分が最大となる変位をΔHとする。このとき、ΔH/H×100[%]で表される値(P)が15%以下である。これにより、表面平滑性に優れた磁気記録媒体用基板を提供することができる(同文献、第0013段落等を参照)。
特許文献2は、表面の算術平均うねりWaが0.6nm未満であり、かつ、径方向であって、測定波長が80μm以上120μm以下の範囲における微小うねりの二乗平均平方根高さRqが0.01nm未満である情報記録媒体用ガラス基板を開示している。これにより、低いグライドアバランチの値(GA値)を得ることができる情報記録媒体用ガラス基板を提供することができる(同文献、第0016段落等を参照)。
特許文献3は、次のような特徴を有する磁気ディスク用ガラス基板を開示している。ガラス基板の外周端よりも中心部側の主表面において、外周端部と、記録再生領域の中心部との2箇所の領域を選択する。この選択した各領域において、各領域における表面形状のうち、形状波長が60〜500μm帯域の表面形状を抽出し、この表面形状の二乗平均平方根粗さRqを微小うねりRqとする。このとき、前記2箇所の各領域間の微小うねりRqの標準偏差の差が0.04nm以下である。また、前記記録再生領域の中心部の微小うねりRqの標準偏差に対する前記外周端部の微小うねりRqの標準偏差の比は、1.1以下である。また、前記主表面の全面における微小うねりRqの平均値が0.4nm以下である。また、前記ガラス基板の外周端部のDuboffが30nm以下である。これにより、基板表面における微小うねりを所定の関係、所定の範囲にすることによって、所望のグライド高さ(タッチダウンハイト)を達成する磁気ディスク用ガラス基板を提供することができる(同文献、第0049段落を参照)。
特許文献4は、中心部に円孔を有する円盤形状の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法を開示している。この磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法は、板形状を有するガラス基板の形状付与工程と、該ガラス基板の主平面の研磨工程と、該ガラス基板の洗浄工程とを有している。前記研磨工程は、平均粒子直径が100nm以下の砥粒を含有する研磨液を用いて、ガラス基板の両主平面を同時に研磨する仕上げ研磨工程を有する。前記仕上げ研磨工程で研磨されるガラス基板は、同一ロット内で研磨されるガラス基板間の板厚偏差が1.5μm以下である。これにより、主平面の平滑性と端部形状に優れる磁気記録媒体用ガラス基板を生産性高く製造することができる(同文献、第0012段落等を参照)。
特開2013−114730号公報 国際公開第2011/033948号 特開2013−225372号公報 特開2011−210286号公報
HDDは、1台当たりの記憶容量を向上させるため、一つの筐体に搭載される磁気ディスクの枚数が増加しており、磁気ディスクのさらなる薄型化が求められている。また、HDDに用いられる磁気ディスクは、一枚当たりの記憶容量の向上が求められている。この要求に応えるためには、磁気ディスクの記録領域を拡大させるか、磁気ディスクと情報の記録および読み取りを行う磁気ヘッドとの距離、すなわち浮上高さを低減させる必要がある。しかし、基板を薄型化すると、基板の径方向外側の外周領域における周方向のうねりのばらつきが拡大し、記録領域の拡大や浮上高さの減少が困難になる。
本発明は、基板を薄型化させた場合でも、基板の外周領域における周方向のうねりのばらつきを抑制し、磁気ディスクの薄型化と記憶容量の向上を可能にする、磁気ディスク用基板およびその製造方法を提供する。
本発明の磁気ディスク用基板は、基板の主面に無電解NiPめっき被膜を有する磁気ディスク用基板であって、前記基板は、前記主面の内周領域と最外周領域との間の外周領域を前記基板の全周にわたって周方向に所定の角度間隔で分割した各々の評価区間において、前記周方向の表面形状の空間周期が500[μm]以上1000[μm]以下の波長帯における二乗平均平方根粗さRqが、1.5[Å]以下であることを特徴とする。
磁気ディスク用基板において、基板の周方向における平滑度やうねりの影響は、基板の中心に近い内周領域よりも外縁に近い外周領域においてより大きくなる傾向がある。また、磁気ディスク用基板の主面の周方向における表面形状は、所定の空間周期の波長帯における二乗平均平方根粗さRqが、磁気ディスクの磁気ヘッドによる情報の書き込み時や読み取り時の性能に影響を与える可能性がある。
そこで、本発明の磁気ディスク用基板は、基板の周方向における平滑度やうねりの影響が大きい外周領域に着目し、この外周領域における周方向の表面形状を規定している。さらに、この外周領域の周方向の表面形状の規定は、基板の全周にわたる粗さの平均値を規定するのではなく、基板の全周にわたって外周領域を周方向に所定の角度間隔で分割した各々の評価区間において、二乗平均平方根粗さRqを規定している。
加えて、この二乗平均平方根粗さRqの規定は、評価区間の周方向の表面形状のうち、磁気ディスクの磁気ヘッドによる情報の書き込み時や読み取り時の性能に影響を与える可能性がある所定の波長帯に限定されている。すなわち、各々の評価区間の周方向の表面形状に含まれる、空間周期が500[μm]以上1000[μm]以下の波長帯の表面形状の二乗平均平方根粗さRqを、1.5[Å]以下に規定している。
これにより、磁気ディスク用基板において、基板の周方向における平滑度やうねりの影響がより大きくなる傾向がある外周領域において、周方向のうねりのばらつきを抑制することができる。ここで、うねりとは、たとえば空間周期が500[μm]以上、1000[μm]以下の波長帯の表面形状であり、うねりのばらつきとは、たとえば、うねりの振幅が局所的に大きくなったり小さくなったりすることをいう。また、前述のように、磁気ディスク用基板において、磁気ディスクの磁気ヘッドによる情報の書き込み時や読み取り時の性能に影響を与える可能性がある特定の空間周期の波長帯の表面形状を規定することで、磁気ディスクの薄型化と記憶容量の向上を可能にすることができる。
基板の周方向においてうねりのばらつきが発生するのは、たとえば、次のような理由によるものと考えられる。基板が研磨パッドに対して滑りを生じにくくなると、基板が研磨パッドに対して回転を生じにくくなる。すると、基板が研磨パッドによって基板の特定の径方向に沿う研磨方向に偏って研磨される。基板の周方向のうねりは、その特定の研磨方向に沿う周方向において小さくなり、その特定の研磨方向に交差する周方向において大きくなる。
なお、各々の評価区間の周方向における角度範囲、すなわち基板の主面の外周領域を基板の全周にわたって周方向に分割するときの前記所定の角度間隔は、たとえば2[°]以上8[°]以下にすることができる。このように、外周領域を分割する角度間隔を2[°]以上とすることで、不必要に評価区間の数が増加することが防止される。また、角度間隔を8[°]以下とすることで、基板の外周領域における周方向の局所的なうねりを抑制することができる。
また、基板の主面の外周領域は、基板の半径をR[mm]としたときに、基板の中心からの半径方向の距離が、R−2.5[mm]以上、R−0.5[mm]以下の範囲の領域であることが好ましい。この範囲を外周領域とすることで、基板の周方向における平滑度やうねりの影響がより大きくなる領域において、周方向のうねりのばらつきをより効果的に抑制することができる。
また、すべての前記評価区間の前記二乗平均平方根粗さRqの平均値が、0.9[Å]以下であることが好ましい。これにより、基板の主面の外周領域における平滑性をより向上させ、外周領域における周方向のうねりのばらつきを、より効果的に抑制することができる。
また、前記基板の表裏の前記主面は、前記二乗平均平方根粗さRqの前記平均値の差が、0.1[Å]以下であることが好ましい。これにより、磁気ディスク用基板の品質を向上させ、磁気ディスクの品質を向上させることが可能になる。
また、前記基板は、アルミ基板であってもよい。アルミ基板は、安価で加工性に優れるため、磁気ディスク用基板の生産コストを低減させ、磁気ディスク用基板の生産性を向上させることができる。
また、本発明の磁気ディスク用基板の製造方法は、研磨パッドを回転させて基板の主面の無電解NiPめっき被膜を研磨する研磨工程を有する磁気ディスク用基板の製造方法であって、前記研磨工程において、前記基板が前記研磨パッドに対して前記研磨パッドの回転方向とは異なる方向の不規則な滑りを生じる加工圧で前記無電解NiPめっき被膜を研磨することで、前記主面の内周領域と最外周領域との間の外周領域を前記基板の全周にわたって周方向に所定の角度間隔で分割した各々の評価区間において、前記周方向の表面形状の空間周期が500[μm]以上1000[μm]以下の波長帯における二乗平均平方根粗さRqが、1.5[Å]以下の前記基板を得ることを特徴とする。
本発明の磁気ディスク用基板の製造方法によれば、研磨工程において加工圧を調整し、基板を研磨パッドに対して研磨パッドの回転方向とは異なる方向に不規則に滑らせることで、基板の外周領域における周方向のうねりのばらつきを抑制することができる。これにより、前述のように、磁気ディスクの薄型化と記憶容量の向上を可能にする磁気ディスク用基板を製造することができる。
より具体的には、前記研磨工程において、前記基板を回転させて前記研磨パッドによる前記無電解NiPめっき被膜の研磨方向を変化させ、多方向から前記無電解NiPめっき被膜を均等に研磨することができる。これにより、基板の外周領域における周方向のうねりのばらつきを、より効果的に抑制することができる。
前記研磨工程は、前記主面の粗仕上げを行う一次研磨工程と、前記主面の最終仕上げを行う二次研磨工程とを有し、前記二次研磨工程は、前記加工圧の異なる複数の加工ステップを有し、前記加工圧が最も高くなる前記加工ステップにおいて、前記加工圧が7[kPa]以上、9[kPa]以下であることが好ましい。このように、最終仕上げを行う二次研磨工程において、前記加工圧を7[kPa]以上、9[kPa]以下にすることで、生産性を必要以上に低下させることなく、基板を研磨パッドに対して研磨パッドの回転方向とは異なる方向に不規則に滑らせることができ、多方向から前記無電解NiPめっき被膜を均等に研磨することができる。
本発明によれば、基板を薄型化させた場合でも、基板の外周領域における周方向のうねりのばらつきを抑制し、磁気ディスクの薄型化と記憶容量の向上を可能にする、磁気ディスク用基板およびその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る磁気ディスク用基板を用いたHDDを示す斜視図。 図1に示すHDDを構成する磁気ディスク用基板の平面図。 図2に示す磁気ディスク用基板の主面の表面形状の一例を示すグラフ。 図3に示す各評価区間の表面形状の波長とPSDとの関係を示すグラフ。 各々の評価区間についての二乗平均平方根粗さRqを示すグラフ。 本発明の一実施形態に係る磁気ディスク用基板の製造工程を示すフロー図。 図6に示す研磨工程で使用される研磨装置の一例を示す概略的な斜視図。 図6に示す研磨工程に含まれる工程の一例を示すフロー図。 図8に示す二次研磨工程の加工時間と加工圧の一例を示すグラフ。
以下、図面を参照して本発明に係る磁気ディスク用基板およびその製造方法の一実施形態を説明する。
[磁気ディスク用基板]
図1は、本発明の実施形態に係る磁気ディスク用基板10を用いたハードディスクドライブ(HDD)の一例を示す斜視図である。HDDは、たとえば、筐体101と、本実施形態の磁気ディスク用基板10によって構成され、筐体101の内部に収容された複数の磁気ディスク102と、この磁気ディスク102を回転させるディスク駆動部103を有している。
また、HDDは、たとえば、磁気ディスク102への情報の記録と磁気ディスク102からの情報の読み取りを行う磁気ヘッド104と、磁気ヘッド104を磁気ディスク102に対して相対的に移動させるヘッド駆動部105を有している。また、HDDは、たとえば、磁気ディスク102へ記録する情報に関する信号や、磁気ディスク102から読み取った情報に関する信号を処理する信号処理部106を有している。
図2は、図1に示すHDDの磁気ディスク102を構成する磁気ディスク用基板10の平面図である。本実施形態の磁気ディスク用基板10は、基板11と、この基板11の主面に形成された無電解NiPめっき被膜12を有している。基板11は、たとえば、中央部に円形の開口11aを有する円板状の基材である。基板11は、たとえばアルミニウムまたはアルミニウム合金を素材とするアルミ基板である。すなわち、本実施形態の磁気ディスク用基板10は、たとえば磁気ディスク用アルミ基板である。
磁気ディスク用基板10は、磁気ディスク102の記憶容量を向上させる観点から、たとえば基板11の表裏の主面に、非晶質の無電解NiPめっき被膜12を有していることが好ましい。この磁気ディスク用基板10の主面の無電解NiPめっき被膜12の上に、たとえば、複数の磁性層および非磁性層、保護層、ならびに潤滑膜などを形成することで、磁気ディスク102が製造される。
磁気ディスク用基板10のサイズ、すなわち直径は、たとえば2.5[in]、3.5[in]、95[mm]、または97[mm]である。すなわち磁気ディスク用基板10の直径は、63.5[mm](2.5[in])以上、97[mm]以下であり、より好ましくは95[mm]以上、97[mm]以下である。また、磁気ディスク用基板10の厚みは、0.6[mm]以上、1.27[mm]であるが、より好ましくは0.6[mm]以上、0.8[mm]以下、さらに好ましくは0.6[mm]以上、0.8[mm]以下である。磁気ディスク用基板10の中央の開口11aの直径、すなわち磁気ディスク用基板10の内径は、たとえば20[mm]以上、25[mm]以下である。磁気ディスク用基板10のサイズは、上記したサイズに限定されない。また、磁気ディスク用基板10は、上記の厚みよりも薄い場合であっても、上記の厚みの磁気ディスク用基板10と同様の効果が得られるものは、本発明に包含される。
このように、本実施形態の磁気ディスク用基板10は、基板11の主面に無電解NiPめっき被膜12を有しており、以下の構成を主要な特徴としている。基板11は、主面の内周領域10iと最外周領域10pとの間の外周領域10cを、基板11の全周にわたって周方向Dcに所定の角度間隔で分割した各々の評価区間において、周方向Dcの表面形状の空間周期が500[μm]以上1000[μm]以下の波長帯における二乗平均平方根粗さRqが、1.5[Å]以下である。
ここで、基板11の主面の外周領域10cは、たとえば、基板11の半径をR[mm]としたときに、基板11の中心Cからの半径方向の距離が、R−a[mm]以上、R−b[mm]以下の範囲の領域である。なお、図2に示す例において、aは、たとえば2.5[mm]であり、bはたとえば0.5[mm]である。基板11の主面の最外周領域10pは、外周領域10cの径方向外側の領域であり、内周領域10iは、外周領域10cの径方向内側の領域である。前記した外周領域10cの各々の評価区間において、周方向Dcの表面形状の所定の波長帯における二乗平均平方根粗さRqは、たとえば、以下の手順によって得ることができる。
図3は、図2に示す磁気ディスク用基板10の主面の表面形状の一例を示すグラフである。図3において、横軸は磁気ディスク用基板10の周方向Dcの角度θ、縦軸は表面形状の凹凸の高さh(θ)である。まず、基板11の主面の外周領域10cにおいて、基板11の全周にわたって、基板11の周方向Dcの表面形状を測定する。基板11の主面の周方向Dcにおける表面形状の測定は、たとえば、KLA−Tencor社製の検査装置「Candela」によって行うことができる。
次に、基板11の全周にわたって測定した外周領域10cの周方向Dcの表面形状を、所定の角度間隔で分割する。このとき、外周領域10cの表面形状を分割する所定の角度間隔は、2[°]以上、8[°]以下とすることができる。この表面形状の分割された各区間が、各々の評価区間10zの周方向Dcの表面形状を表している。次に、たとえば「Candela」によって、評価区間10zのそれぞれの周方向Dcの表面形状のスペクトル解析を行う。
図4は、図3に示す各評価区間10zの波長とパワースペクトル密度(PSD)との関係を示すグラフである。各々の評価区間10zの周方向Dcの表面形状のスペクトル解析を行うことで、各々の評価区間10zの周方向Dcの表面形状の波長[μm]とPSD[Åμm]との関係が得られる。このスペクトル解析の結果から、空間周期が500[μm]以上、1000[μm]以下の波長帯のPSDを抽出し、各々の評価区間10zの二乗平均平方根粗さRqを求める。
図5は、各々の評価区間10zについての、周方向Dcの表面形状の空間周期が500[μm]以上、1000[μm]以下の波長帯における二乗平均平方根粗さRqを示すグラフである。本実施形態の磁気ディスク用基板10は、前述のようにして得られた各々の評価区間10zについての、周方向Dcの表面形状の空間周期が500[μm]以上1000[μm]以下の波長帯における二乗平均平方根粗さRqが、1.5[Å]以下である。
磁気ディスク用基板10において、基板11の周方向Dcにおける平滑度やうねりの影響は、基板11の中心Cに近い内周領域10iよりも外縁に近い外周領域10cにおいてより大きくなる傾向がある。また、磁気ディスク用基板10の主面の周方向Dcにおける表面形状は、所定の空間周期の波長帯における二乗平均平方根粗さRqが、磁気ディスク102の磁気ヘッド104による情報の書き込み時や読み取り時の性能に影響を与える可能性がある。
そこで、本実施形態の磁気ディスク用基板10は、基板11の周方向Dcにおける平滑度やうねりの影響が大きい基板11の主面の内周領域10iと最外周領域10pとの間の外周領域10cに着目し、この外周領域10cにおける周方向Dcの表面形状を規定している。さらに、この外周領域10cの周方向Dcの表面形状の規定は、基板11の全周にわたる粗さの平均値を規定するのではなく、基板11の全周にわたって外周領域10cを周方向Dcに所定の角度間隔で分割した各々の評価区間10zにおいて、二乗平均平方根粗さRqを規定している。
加えて、この二乗平均平方根粗さRqの規定は、評価区間10zの周方向Dcの表面形状のうち、磁気ディスク102の磁気ヘッド104による情報の書き込み時や読み取り時の性能に影響を与える可能性がある所定の波長帯に限定されている。すなわち、各々の評価区間10zの周方向Dcの表面形状に含まれる、空間周期が500[μm]以上1000[μm]以下の波長帯の表面形状の二乗平均平方根粗さRqを、1.5[Å]以下に規定している。
これにより、磁気ディスク用基板10において、基板11の周方向Dcにおける平滑度やうねりの影響がより大きくなる傾向がある外周領域10cにおいて、周方向Dcのうねりのばらつきを抑制することができる。また、前述のように、磁気ディスク用基板10において、磁気ディスク102の磁気ヘッド104による情報の書き込み時や読み取り時の性能に影響を与える可能性がある特定の空間周期の波長帯の表面形状を規定することで、磁気ディスク102の薄型化と記憶容量の向上を可能にすることができる。
また、前述のように、評価区間10zを得るときに、外周領域10cを基板11の全周にわたって周方向Dcに分割する所定の角度間隔は、前述のように、たとえば2[°]以上8[°]以下とされている。このように、外周領域10cを分割する角度間隔を2[°]以上とすることで、不必要に評価区間10zの数が増加することが防止される。また、角度間隔を8[°]以上とすることで、基板11の外周領域10cにおける周方向Dcの局所的なうねりを抑制することができる。
また、前述のように、基板11の主面の外周領域10cは、基板11の半径をR[mm]としたときに、基板11の中心Cからの半径方向の距離が、たとえばR−2.5[mm]以上、R−0.5[mm]以下の範囲の領域とされている。この範囲を外周領域10cとすることで、基板11の周方向Dcにおける平滑度やうねりの影響がより大きくなる領域において、周方向Dcのうねりのばらつきをより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の磁気ディスク用基板10は、すべての評価区間10zの二乗平均平方根粗さRqの平均値が、0.9[Å]以下であることが好ましい。これにより、基板11の主面の外周領域10cにおける平滑性をより向上させ、外周領域10cにおける周方向Dcのうねりのばらつきを、より効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の磁気ディスク用基板10において、基板11の表裏の主面は、前述の二乗平均平方根粗さRqの平均値の差が、0.1[Å]以下であることが好ましい。これにより、磁気ディスク用基板10の品質を向上させ、磁気ディスク102の品質を向上させることが可能になる。
また、本実施形態の磁気ディスク用基板10において、基板11が安価で加工性に優れるアルミ基板である場合、磁気ディスク用基板10の生産コストを低減させ、磁気ディスク用基板10の生産性を向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、基板11を薄型化させた場合でも、基板11の外周領域10cにおける周方向Dcのうねりのばらつきを抑制し、磁気ディスク102の薄型化と記憶容量の向上を可能にする、磁気ディスク用基板10を提供することができる。
[磁気ディスク用基板の製造方法]
次に、本発明の磁気ディスク用基板の製造方法の一実施形態を説明する。図6は、本発明の実施形態に係る磁気ディスク用基板の製造方法S100の工程の一例を示すフロー図である。
本実施形態の磁気ディスク用基板の製造方法は、たとえば、端面加工工程S10と、第1の熱処理工程S20と、研削工程S30と、第2の熱処理工程S40と、無電解NiPめっき工程S50と、第3の熱処理工程S60と、研磨工程S70と、洗浄工程S80と、表面検査工程S90とを有している。詳細については後述するが、本実施形態の磁気ディスク用基板の製造方法S100は、研磨工程S70に特徴を有している。以下、本実施形態の磁気ディスク用基板の製造方法S100の各工程について、詳細に説明する。
端面加工工程S10は、たとえば、材料として受け入れた加工前の基板11を、旋盤などによって切削加工することで、基板11の端面形状を調整する工程である。基板11は、たとえば前述のアルミニウムを素材とするアルミ基板であり、中央部に円形の開口11aを有する円板状の基材である。
第1の熱処理工程S20は、端面加工工程S10を経た基板11の焼鈍を行って、基板11の残留応力を緩和する工程である。研削工程S30は、第1の熱処理工程S20の終了後に、たとえばグラインダーによって基板11の粗研削を行い、その後、仕上げ研削を行って基板11の板厚を調整する工程である。第2の熱処理工程S40は、研削工程S30を経た基板11の焼鈍を行って、基板11の残留応力を緩和する工程である。
無電解NiPめっき工程S50は、第2の熱処理工程S40を経た基板11に前処理を行った後に、基板11をめっき液に含浸させることで、めっき液に含まれる還元剤の酸化によって放出される電子により、基板11に無電解NiPめっき被膜12を析出させる工程である。この工程により、基板11の主面に無電解NiPめっき被膜12が形成され、主面に無電解NiPめっき被膜12を有する基板11が得られる。無電解NiPめっき被膜12の膜厚は、たとえば7[μm]以上、15[μm]以下である。第3の熱処理工程S60は、主面に無電解NiPめっき被膜12が形成された基板11の焼鈍を行って、無電解NiPめっき被膜12の密着性を向上させ、基板11の残留応力を緩和する工程である。
図7は、図6に示す研磨工程S70で使用される研磨装置200の一例を示す概略的な斜視図である。研磨工程S70は、たとえば研磨装置200によって基板11の表裏の主面を研磨し、無電解NiPめっき被膜12を有する主面の表面粗度およびうねりを調整する工程である。研磨装置200は、たとえば、互いに逆方向に回転する上定盤210と下定盤220を有している。上定盤210の下面と、下定盤220の上面には、それぞれ研磨パッド230が取り付けられている。研磨パッド230としては、たとえばウレタンなど、所定の範囲の開孔径を有する多孔質の研磨布を用いることができる。
下定盤220は、上面の中心部に設けられたサンギア221と、上面の周縁部に設けられたインターナルギア222と、これらサンギア221とインターナルギア222の間に配置された複数のキャリア223を有している。図示の例において、サンギア221とインターナルギア222との間には、4つのキャリア223が配置されている。サンギア221とインターナルギア222は、それぞれ所定の回転比率で回転駆動されるようになっている。
キャリア223は、研磨する基板11を保持する基板保持部223aを有する円板状の部材である。基板保持部223aは、キャリア223に形成された円形の開口であり、基板11の外形に対応する内径を有している。基板保持部223aは、基板11を保持した状態で基板11の表裏の主面を、上定盤210および下定盤220の研磨パッド230に対して露出させる。また、キャリア223は、外周に複数の歯223tを有する歯車状の部材であり、サンギア221およびインターナルギア222と噛み合い、サンギア221とインターナルギア222が所定の回転比率で回転することにより、歯数の差に応じた遊星運動を行う。
このような構成の研磨装置200によって基板11を研磨するには、まず、図示を省略するローダーハンドによって複数の基板11を搬送して、キャリア223の基板保持部223aに配置する。次に、上定盤210と下定盤220を接近させ、上定盤210の下面の研磨パッド230と下定盤220の上面の研磨パッド230の間に基板11を挟む。次に、上定盤210の下面の研磨パッド230と下定盤220の上面の研磨パッド230の間に研磨用のスラリーを供給し、上定盤210と下定盤220を逆方向に回転させつつ、サンギア221とインターナルギア222を回転させてキャリア223を遊星運動させる。
このように、研磨工程S70では、研磨パッド230を回転させて、基板11の主面の無電解NiPめっき被膜12を研磨する。本実施形態の磁気ディスク用基板の製造方法S100は、この研磨工程S70において、基板11が研磨パッド230に対して研磨パッド230の回転方向とは異なる方向の不規則な滑りを生じる加工圧で無電解NiPめっき被膜12を研磨する。このように、研磨工程S70において、基板11が研磨パッド230に対して滑りを生じるような低い加工圧で研磨することで、基板11が特定の方向に偏って研磨されることが防止される。
これにより、前述のような、基板11の外周領域10cにおける周方向Dcのうねりのばらつきを抑制された磁気ディスク用基板10を製造することができる。より具体的には、本実施形態の製造方法によって製造された磁気ディスク用基板10は、以下のような特徴を有する。基板11は、主面の内周領域10iと最外周領域10pとの間の外周領域10cを基板11の全周にわたって周方向Dcに所定の角度間隔で分割した各々の評価区間10zにおいて、周方向Dcの表面形状の空間周期が500[μm]以上1000[μm]以下の波長帯における二乗平均平方根粗さRqが、1.5[Å]以下である。
研磨工程S70では、たとえば、前述の研磨装置200を用いることで、キャリア223とともに基板11を回転させて研磨パッド230による無電解NiPめっき被膜12の研磨方向を変化させ、多方向から無電解NiPめっき被膜12を均等に研磨することができる。これにより、基板11の外周領域10cにおける周方向Dcのうねりのばらつきを、より効果的に抑制することができる。
図8は、図6に示す研磨工程S70に含まれる工程の一例を示すフロー図である。研磨工程S70は、たとえば、無電解NiPめっき被膜12を有する基板11の主面の粗仕上げを行う一次研磨工程S71と、その主面の最終仕上げを行う二次研磨工程S72とを有している。なお、一次研磨工程S71および二次研磨工程S72は、前述の研磨装置200を用いて行うことができる。
一次研磨工程S71では、たとえば、20[nm]から400[nm]程度の粒径のSiO砥粒を含み、pHが1.2から1.6程度のスラリーと、開孔径が20[μm]から60[μm]程度の研磨パッド230を使用することができる。二次研磨工程S72では、たとえば、10[nm]から30[nm]程度の粒径のSiO砥粒を含み、pHが1.2から1.8程度のスラリーと、開孔径が20[μm]以下の研磨パッド230を使用することができる。
一次研磨工程S71は、たとえば、加工圧の異なる複数の加工ステップを有することができる。より具体的には、一次研磨工程S71は、たとえば、第1加工ステップから第5加工ステップまでの5段階の加工ステップを有することができる。
一次研磨工程S71の第1加工ステップは、たとえば、研磨パッド230の損傷を防止してスラリーを研磨パッド230に馴染ませるために、各加工ステップの中でも比較的に低い加工圧で、比較的に短時間にわたって行われる。一次研磨工程S71の第2加工ステップは、続く第3加工ステップで加工圧を各加工ステップにおける最高の加工圧に上昇させるために、加工圧を第1加工ステップよりもわずかに上昇させ、それ以外の条件は第1加工ステップと同様の条件で行われる。
一次研磨工程S71の第3加工ステップでは、基板11の主面の取代と表裏の差を制御するために、各加工ステップの中で最も高い加工圧で基板11の研磨を行う。この第3加工ステップにおいて、基板11を研磨する加工圧は、たとえば、約10kPaから約14kPa程度である。この第3加工ステップの加工時間は、たとえば、第1加工ステップおよび第2加工ステップの加工時間の10倍から20倍程度の長時間にわたって行われる。この第3加工ステップでは、上定盤210の回転速度と下定盤220の回転速度を、たとえば、第1加工ステップおよび第2加工ステップよりも増加させる。
一次研磨工程S71の第4加工ステップにおける研磨は、第3加工ステップにおける高圧加工を経た基板11の主面の無電解NiPめっき被膜の面質、たとえば、スクラッチやうねりなどを改善するために、第3加工ステップにおける加工圧よりもやや低い加工圧で行われる。この第4加工ステップの加工時間は、たとえば、第1加工ステップおよび第2加工ステップの加工時間の同等または1.5倍程度の時間にわたって行われる。この第4加工ステップでは、上定盤210の回転速度と下定盤220の回転速度を、たとえば、第3加工ステップと同等にする。
一次研磨工程S71の第5加工ステップは、たとえば研磨用のスラリーの代わりに洗浄用の純水を供給して、第4加工ステップを経た基板11に付着した研磨剤を洗い流すリンス工程である。この第5加工ステップにおける基板11の加工圧は、各加工ステップの中で最も低い。この第5加工ステップの加工時間は、たとえば、第1加工ステップおよび第2加工ステップの加工時間の半分程度の時間にわたって行われる。この第5加工ステップでは、上定盤210の回転速度と下定盤220の回転速度を、たとえば、第1加工ステップおよび第2加工ステップと同等にする。
以上の一次研磨工程S71の各加工ステップの加工条件を以下の表1に示す。
Figure 0006895847
表1において、一次研磨工程S71の各加工ステップにおける加工時間T11〜T15、上定盤回転速度Vu11〜Vu15、下定盤回転速度Vd11〜Vd15、加工圧P11〜P15、サンギア回転速度Vs11〜Vs15は、それぞれ、以下の関係が成立する。
加工時間 :T15<T11=T12≦T14<T13
上定盤回転速度 :Vu11=Vu12=Vu15<Vu13=Vu14
下定盤回転速度 :Vd11=Vd12=Vd15<Vd13=Vd14
加工圧 :P15<P11<P12<P14<P13
サンギア回転速度:Vs11=Vs12=Vs13=Vs14=Vs15
なお、第3加工ステップの加工圧P13は、前述のように、たとえば、10[kPa]≦P13≦14[kPa]を満たす。また、加工時間は、可能な限り長いことが好ましい。一次研磨工程S71の終了後は、図8に示すように、二次研磨工程S72が行われる。
二次研磨工程S72は、一次研磨工程S71と同様に、たとえば、加工圧の異なる複数の加工ステップを有することができる。より具体的には、二次研磨工程S72は、たとえば、第1加工ステップから第6加工ステップまでの6段階の加工ステップを有することができる。
二次研磨工程S72は、基板11の主面の最終仕上げを行う工程である。二次研磨工程S72における第1加工ステップから第5加工ステップまでの各加工ステップ目的は、一次研磨工程S71における各加工ステップの目的と同様である。しかし、二次研磨工程S72では、前述のように、一次研磨工程S71よりも、より微細な砥粒を含むスラリーと、より微細な開孔径の研磨パッド230を使用して、基板11の主面の無電解NiPめっき被膜12の研磨を行う。
また、二次研磨工程S72では、第4加工ステップを経た基板11に付着した研磨剤を洗い流す第5加工ステップの後に、さらに、第6加工ステップを有している。二次研磨工程S72の第6加工ステップは、第5加工ステップと同様に、たとえば研磨用のスラリーの代わりに洗浄用の純水を供給して、第5加工ステップを経た基板11に付着した研磨剤を洗い流すリンス工程である。
二次研磨工程S72の第1加工ステップの加工時間は、たとえば一次研磨工程S71の第1加工ステップの加工時間の半分から2倍程度とすることができる。また、二次研磨工程S72の第2加工ステップの加工時間は、たとえば一次研磨工程S71の第1加工ステップの加工時間の2倍程度とすることができる。また、二次研磨工程S72の第3加工ステップの加工時間は、たとえば一次研磨工程S71の第3加工ステップの加工時間と同等から1.5倍程度にすることができる。また、二次研磨工程S72の第4加工ステップの加工時間は、二次研磨工程S72の第2加工ステップの加工時間の0.75倍から5倍程度にすることができる。また、二次研磨工程S72の第5加工ステップおよび第6加工ステップの加工時間は、一次研磨工程S71の第5加工ステップの加工時間と同等にすることができる。
二次研磨工程S72の第1加工ステップの上定盤210の回転速度は、たとえば一次研磨工程S71の第1加工ステップの上定盤210の回転速度の0.4倍程度にすることができる。二次研磨工程S72の第2加工ステップの上定盤210の回転速度は、たとえば二次研磨工程S72の第1加工ステップの上定盤210の回転速度の2倍程度にすることができる。二次研磨工程S72の第3加工ステップの上定盤210の回転速度は、たとえば二次研磨工程S72の第1加工ステップの上定盤210の回転速度の3倍程度にすることができる。二次研磨工程S72の第4加工ステップの上定盤210の回転速度は、たとえば二次研磨工程S72の第2加工ステップの上定盤210の回転速度と同等にすることができる。二次研磨工程S72の第5加工ステップおよび第6加工ステップの上定盤210の回転速度は、たとえば二次研磨工程S72の第1加工ステップの上定盤210の回転速度と同等にすることができる。
二次研磨工程S72の第1加工ステップの下定盤220の回転速度は、たとえば一次研磨工程S71の第1加工ステップの下定盤220の回転速度の0.6倍程度にすることができる。二次研磨工程S72の第2加工ステップの下定盤220の回転速度は、たとえば二次研磨工程S72の第1加工ステップの下定盤220の回転速度の2倍程度にすることができる。二次研磨工程S72の第3加工ステップの下定盤220の回転速度は、たとえば一次研磨工程S71の第3加工ステップの下定盤220の回転速度の1.25倍程度にすることができる。二次研磨工程S72の第4加工ステップの下定盤220の回転速度は、たとえば二次研磨工程S72の第2加工ステップの下定盤220の回転速度と同等にすることができる。二次研磨工程S72の第5加工ステップおよび第6加工ステップの下定盤220の回転速度は、たとえば二次研磨工程S72の第1加工ステップの下定盤220の回転速度と同等にすることができる。
二次研磨工程S72の第1加工ステップおよび第2加工ステップの加工圧は、たとえば一次研磨工程S71の第1加工ステップおよび第2加工ステップの加工圧と同等にすることができる。二次研磨工程S72の第3加工ステップの加工圧は、たとえば一次研磨工程S71の第3加工ステップの加工圧よりも低圧にすることができる。より具体的には、二次研磨工程S72の第3加工ステップの加工圧は、たとえば7[kPa]以上、9[kPa]以下にすることができる。二次研磨工程S72の第4加工ステップの加工圧は、たとえば二次研磨工程S72の第3加工ステップの加工圧よりもやや低圧にすることができる。二次研磨工程S72の第5加工ステップの加工圧は、たとえば一次研磨工程S71の第5加工ステップの加工圧の2倍程度にすることができる。二次研磨工程S72の第6加工ステップの加工圧は、たとえば一次研磨工程S71の第5加工ステップの加工圧と同等にすることができる。
二次研磨工程S72の第1加工ステップから第4加工ステップまでのサンギア221の回転速度は、たとえば一次研磨工程S71の第1加工ステップから第5加工ステップまでのサンギア221の回転速度の1.5倍程度にすることができる。二次研磨工程S72の第5加工ステップおよび第6加工ステップのサンギア221の回転速度は、二次研磨工程S72の第1加工ステップから第4加工ステップまでのサンギア221の回転速度の0.3倍以下にすることができる。
以上の二次研磨工程S72の各加工ステップの加工条件を以下の表2に示す。
Figure 0006895847
表2において、二次研磨工程S72の各加工ステップにおける加工時間T21〜T26、上定盤回転速度Vu21〜Vu26、下定盤回転速度Vd21〜Vd26、加工圧P21〜P26、サンギア221回転速度Vs21〜Vs26は、それぞれ、以下の関係が成立する。
加工時間 :T25=T26≦T21≦T22≦T24<T23
上定盤回転速度 :Vu21=Vu25=Vu26<Vu22=Vu24<Vu23
下定盤回転速度 :Vd21=Vd25=Vd26<Vd22=Vd24<Vd23
加工圧 :P26<P21=P25<P22<P24<P23
サンギア回転速度:Vs25=Vs26<Vs21=Vs22=Vs23=Vs24
図9は、二次研磨工程S72の各加工ステップの加工時間T21〜T26と加工圧P21〜P26との関係の一例を示すグラフである。なお、二次研磨工程S72の第3加工ステップの加工圧P23は、前述のように、たとえば、7[kPa]≦P23≦9[kPa]を満たす。この加工圧P23は、一次研磨工程S71における最高の加工圧であるP13よりも低圧である。また、従来は、研磨工程の最終仕上げの最高の加工圧は、一次研磨工程S71の最高の加工圧と同等であった。すなわち、本実施形態の磁気ディスク用基板の製造方法S100では、二次研磨工程S72の最高の加工圧を、一次研磨工程S71の最高の加工圧や、従来の研磨工程の最終仕上げの加工圧よりも低圧にしている。
これより、二次研磨工程S72の第3加工ステップにおいて、基板11が研磨パッド230に対して研磨パッド230の回転方向とは異なる方向の不規則な滑りを生じる。このように、研磨工程S70において、基板11が研磨パッド230に対して滑りを生じるような低い加工圧で研磨することで、基板11が特定の方向に偏って研磨されることが防止される。したがって、前述のような、基板11の外周領域10cにおける周方向Dcのうねりのばらつきを抑制された磁気ディスク用基板10を製造することができる。なお、各加工ステップにおける加工時間T21〜T26は、可能な限り長いことが好ましい。二次研磨工程S72の終了後は、図6に示すように、洗浄工程S80が行われる。
洗浄工程S80は、研磨工程S70の終了後、たとえば研磨装置200から基板11を取り出して、洗浄液に浸漬し、超音波による精密洗浄を行った後、純水による洗浄を経て、基板11を乾燥させる工程である。表面検査工程S90は、洗浄工程S80を経た基板11を検査機によって検査し、突起やへこみなどの欠陥の有無を検査する工程である。本実施形態の磁気ディスク用基板の製造方法S100によれば、以上の工程により、磁気ディスク用基板10を製造することができる。
以上説明したように、本実施形態の磁気ディスク用基板の製造方法S100は、研磨工程S70において、基板11が研磨パッド230に対して研磨パッド230の回転方向とは異なる方向の不規則な滑りを生じる加工圧で無電解NiPめっき被膜12を研磨する。これにより、基板11を薄型化させた場合でも、基板11の外周領域10cにおける周方向Dcのうねりのばらつきを抑制し、磁気ディスク102の薄型化と記憶容量の向上を可能にする、磁気ディスク用基板の製造方法S100を提供することができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
[実施例]
前述の実施形態において説明した磁気ディスク用基板の製造方法によって、実施例1から実施例5の磁気ディスク用基板を製造した。なお、実施例1から実施例3では、厚みが0.610[mm]、外径が約97[mm]のアルミ基板を使用し、実施例4および実施例5では、厚みが0.610[mm]、外径が約95[mm]のアルミ基板を使用した。
また、各実施例の磁気ディスク用基板の製造時に、研磨工程において、基板が研磨パッドに対して研磨パッドの回転方向とは異なる方向の不規則な滑りを生じる低い加工圧で無電解NiPめっき被膜を研磨した。より具体的には、一次研磨工程と二次研磨工程を含む研磨工程を実施し、二次研磨工程の第3加工ステップの加工圧を7[kPa]以上9[kPa]以下として、磁気ディスク用基板を製造した。
その後、製造された実施例1から実施例5の磁気ディスク用基板の表裏の無電解NiPめっき被膜を有する主面の外周領域の周方向における表面形状を、KLA−Tencor社製の検査装置「Candela」によって測定した。ここで、実施例1から実施例3の磁気ディスク用基板では、外周領域を基板の中心からの距離が94.5[mm]以上、96.5[mm]以下の範囲とした。また、実施例4および実施例5の磁気ディスク用基板では、外周領域を基板の中心からの距離が92.5[mm]以上、94.5[mm]以下の範囲とした。
次に、検査装置「Candela」を使用して、外周領域の周方向の表面形状のプロファイルを、基板の全周にわたって、5.8[°]の角度間隔で分割した。次に、検査装置「Candela」を使用して、分割された外周領域の評価区間ごとの周方向の表面形状のプロファイルのスペクトル解析を行い、各々の評価区間の波長[μm]とパワースペクトル密度(PSD)[Åμm]との関係を得た。次に、このスペクトル解析の結果から、空間周期が500[μm]以上、1000[μm]以下の波長帯のPSDを抽出し、各々の評価区間の二乗平均平方根粗さRqを求めた。
以下の表3に、実施例1から実施例5の磁気ディスク用基板について、二次研磨工程における第3加工ステップの加工圧を示す。また、表3に、実施例1から実施例5の磁気ディスク用基板の表(top)と裏(Bottom)のそれぞれの主面について、各評価区間における二乗平均平方根粗さRqの最大値(Rq_max)、すべての評価区間の二乗平均平方根粗さRqの平均値(Rq_ave)、および表裏の主面の二乗平均平方根粗さRqの平均値(Rq_ave)の差(ΔRq_ave)を示す。
Figure 0006895847
表3に示すように、実施例1から実施例5の磁気ディスク用基板では、各々の評価区間において、周方向の表面形状の空間周期が500[μm]以上1000[μm]以下の波長帯における二乗平均平方根粗さRqが、1.5[Å]以下であった。また、すべての評価区間の二乗平均平方根粗さRqの平均値(Rq_ave)が、0.9[Å]以下であった。また、基板の表裏の主面は、二乗平均平方根粗さRqの平均値の差(ΔRq_ave)が、0.1[Å]以下であった。
これら実施例1から実施例5の磁気ディスク用基板は、基板の外周領域における周方向のうねりのばらつきを抑制することができ、磁気ディスクの薄型化と記憶容量の向上を可能にする観点から、良好な評価が得られた。
[比較例]
研磨工程以外の工程は、前述の実施例1から実施例5の磁気ディスク用基板の製造方法と同様に、比較例1から比較例5の磁気ディスク用基板を製造した。なお、比較例1から比較例5では、厚みが0.610[mm]、外径が約95[mm]のアルミ基板を使用した。また、各比較例の磁気ディスク用基板の製造時には、研磨工程において、基板が研磨パッドに対して研磨パッドの回転方向とは異なる方向の不規則な滑りを生じないように、比較的に高い加工圧で無電解NiPめっき被膜を研磨した。より具体的には、一次研磨工程と二次研磨工程を含む研磨工程を実施し、二次研磨工程の第3加工ステップの加工圧を10[kPa]以上として、磁気ディスク用基板を製造した。
次に、検査装置「Candela」を使用して、比較例1から比較例5の磁気ディスク用基板について、実施例1から実施例5と同様の測定を行った。結果を以下の表4に示す。
Figure 0006895847
表4に示すように、比較例1から比較例5の磁気ディスク用基板では、各々の評価区間において、周方向の表面形状の空間周期が500[μm]以上1000[μm]以下の波長帯における二乗平均平方根粗さRqの最大値(Rq_max)が、比較例2および比較例5の表面(Top)を除き、1.5[Å]以上であった。また、比較例1および比較例2の裏面、比較例3の表裏、比較例5の裏面において、すべての評価区間の二乗平均平方根粗さRqの平均値(Rq_ave)が、0.9[Å]を超えていた。また、比較例1、比較例2、および比較例5では、基板の表裏の主面は、二乗平均平方根粗さRqの平均値の差(ΔRq_ave)が、0.1[Å]を超えていた。
なお、比較例2および比較例3では、前記特許文献1において規定されるΔH/H×100[%]の値が、7%以上9%以下であった。
これら比較例1から比較例5の磁気ディスク用基板は、基板の外周領域における周方向のうねりのばらつきが発生し、磁気ディスクの薄型化と記憶容量の向上を可能にする観点から、良好な評価が得られなかった。
10 磁気ディスク用基板
10c 外周領域
10i 内周領域
10p 最外周領域
10z 評価区間
11 基板
12 無電解NiPめっき被膜
230 研磨パッド
C 中心
Dc 周方向
S70 研磨工程
S71 一次研磨工程
S72 二次研磨工程
S100 磁気ディスク用基板の製造方法

Claims (7)

  1. 基板の主面に無電解NiPめっき被膜を有する磁気ディスク用基板であって、
    前記基板の半径をR[mm]としたときに、前記基板の中心からの半径方向の距離が、R−2.5[mm]以上、R−0.5[mm]以下の範囲の前記主面の領域を外周領域とし、
    前記基板は、前記主面の内周領域と最外周領域との間の前記外周領域を前記基板の全周にわたって周方向に2[°]以上8[°]以下の角度間隔で分割した各々の評価区間において、前記周方向の表面形状の空間周期が500[μm]以上1000[μm]以下の波長帯における二乗平均平方根粗さRqが、1.5[Å]以下であることを特徴とする磁気ディスク用基板。
  2. すべての前記評価区間の前記二乗平均平方根粗さRqの平均値が、0.9[Å]以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク用基板。
  3. 前記基板の表裏の前記主面は、前記二乗平均平方根粗さRqの前記平均値の差が、0.1[Å]以下であることを特徴とする請求項に記載の磁気ディスク用基板。
  4. 前記基板は、アルミ基板であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の磁気ディスク用基板。
  5. 研磨パッドを回転させて基板の主面の無電解NiPめっき被膜を研磨する研磨工程を有する磁気ディスク用基板の製造方法であって、
    前記基板の半径をR[mm]としたときに、前記基板の中心からの半径方向の距離が、R−2.5[mm]以上、R−0.5[mm]以下の範囲の前記主面の領域を外周領域とし、
    前記研磨工程において、前記基板が前記研磨パッドに対して不規則な滑りを生じるような低い加工圧で前記無電解NiPめっき被膜を研磨することで、前記主面の内周領域と最外周領域との間の前記外周領域を前記基板の全周にわたって周方向に2[°]以上8[°]以下の角度間隔で分割した各々の評価区間において、前記周方向の表面形状の空間周期が500[μm]以上1000[μm]以下の波長帯における二乗平均平方根粗さRqが、1.5[Å]以下の前記基板を得ることを特徴とする磁気ディスク用基板の製造方法。
  6. 前記研磨工程において、前記基板を回転させて前記研磨パッドによる前記無電解NiPめっき被膜の研磨方向を変化させ、多方向から前記無電解NiPめっき被膜を均等に研磨することを特徴とする請求項に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
  7. 前記研磨工程は、前記主面の粗仕上げを行う一次研磨工程と、前記主面の最終仕上げを行う二次研磨工程とを有し、
    前記二次研磨工程は、前記加工圧の異なる複数の加工ステップを有し、
    前記加工圧が最も高くなる前記加工ステップにおいて、前記加工圧が7[kPa]以上、9[kPa]以下であることを特徴とする請求項または請求項に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
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