JP6895829B2 - 不織布濾過材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、不織布濾過材及びその製造方法に関する。特に空気中の塩分のろ過特性に優れる不織布濾過材およびその製造方法に関するものである。
不織布濾過材は、自動車等に使用される内燃機関や燃料電池等のエアクリーナなどの濾過材として、空気のろ過に使用されている。このような用途においては、多量の空気から細かな塵埃を効率的に除去することが求められる。そして、不織布濾過材には、高い清浄効率と、長期間にわたって目詰まりせずにダストを除去しうる長寿命性が求められる。また、沿岸地区などの塩分が多い地域においては、塩害防止のため、塩分を効果的に除去することも求められる。
空気中に浮遊する塩分粒子は、一般的なダストと同様に、濾過材の繊維表面に吸着されるように捕集される。しかしながら、塩分は潮解性を有し、塩分が空気中の水分や水滴を吸収して溶解し液状となる。塩分が液状となった状態でエアクリーナが使用されると、潮解した液状の塩分が下流側に流れ、不織布濾過材を透過してしまうことがある。
潮解による塩分の透過を抑制可能な不織布濾過材として、不織布濾過材の下流側に撥水層を設けた濾過材も検討されている。しかしながら、撥水層を設けた場合、撥水層の上流側表面に潮解した塩分が集まってしまい、潮解した塩分が再結晶して撥水層上流面を覆ってしまうことになり、通気抵抗が急増し、濾過材の寿命が短くなってしまうという問題があった。
この様な潮解・再結晶の問題を克服すべく、特許文献1のような、下流側に撥水層を設け上流側に吸水性を有する繊維の集合体からなる束を配列した層を配置し、両者を接着一体化した技術が開発された。また、特許文献2にも同様の技術が開示されている。これら技術によれば、塩分の潮解・再結晶の問題が抑制される。
特開平06−47217号公報 特開2017−113692号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示された不織布濾過材は、主に工場やビルなどに外気を取り入れる空調用途の不織布濾過材であって、不織布濾過材を通過する空気の流速がかなり低い用途にしか使用できない。自動車等に使用される内燃機関や燃料電池等のエアクリーナなどでは、エアクリーナをコンパクトにしつつ、大量の空気を濾過する必要があり、不織布濾過材を通過する空気の流速が比較的高くなる。そのため、特許文献1や特許文献2の不織布濾過材は、車両用内燃機関や車両用燃料電池用のエアクリーナには使用できない。
本発明の目的は、潮解性を有する塩分粒子を捕捉でき、車両用内燃機関や車両用燃料電池用のエアクリーナに使用可能な不織布濾過材を提供することにある。
発明者は、鋭意検討の結果、撥水層の上流に吸水性繊維を含む吸水層を設け、吸水性繊維の一部を、吸水層から撥水層の内部に達するように不織布の厚み方向に延在させると、上記課題の解決に効果的であることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、上流側に位置し吸水性繊維を含む吸水層と、下流側に位置する撥水層とを含む多層構造の、潮解性を有する塩分粒子捕捉用の不織布濾過材であって、撥水層は、吸水層よりも平均繊維径が小さくされると共に、吸水性繊維の少なくとも一部が、吸水層から撥水層の内部に達するよう不織布の厚み方向に延在するとともに、吸水層に含まれる吸水性繊維は潮解して液状化した塩分を吸収可能である、不織布濾過材である(第1発明)。
第1発明において、好ましくは、吸水層に含まれる吸水性繊維の平均繊維径が、吸水層に含まれる他の繊維の平均繊維径よりも小さくされる(第2発明)。また、第1発明において、好ましくは、撥水層と吸水層の間に中間層を有し、中間層は吸水性繊維を含み、中間層に含まれる吸水性繊維は実質的に不織布の厚み方向に延在している(第3発明)。また、第1発明において、好ましくは、撥水層が最も下流に位置する(第4発明)。また、第1発明において、好ましくは、不織布濾過材は車両に搭載される燃料電池のエアクリーナに用いられる不織布濾過材である(第5発明)。
また、本発明は、第1発明ないし第5発明のいずれかに記載の不織布濾過材の製造方法であって、吸水性繊維を含むよう吸水層となるべき層を準備し、撥水処理を施した撥水層となるべき層を準備した後に、吸水層となるべき層と撥水層となるべき層を含む複数の層を積層し、その後、吸水性繊維の一部が吸水層となるべき層から撥水層となるべき層に達するように、ニードルパンチもしくは水流交絡処理をして多層構造の不織布濾過材とする、不織布濾過材の製造方法である(第6発明)。
また、本発明は、第1発明ないし第5発明のいずれかに記載の不織布濾過材の製造方法であって、吸水性繊維を含むように撥水層となるべき層を準備し、吸水層となるべき層を準備した後に、撥水層となるべき層と吸水層となるべき層を含む複数の層を積層し、吸水性繊維の一部が撥水層となるべき層から吸水層となるべき層に達するように、ニードルパンチもしくは水流交絡処理をして多層構造の不織布濾過材とした後に、撥水層となるべき層に撥水処理を施して撥水層とする、不織布濾過材の製造方法である(第7発明)。
本発明の不織布濾過材(第1発明)や本発明の不織布濾過材の製造方法(第6発明、第7発明)によれば、塩分粒子を捕捉でき、車両用内燃機関や車両用燃料電池用のエアクリーナに使用可能な不織布濾過材を提供できる。
さらに、第2発明のようにした場合には、塩分粒子の捕捉性能がより高められる。さらに、第3発明のようにした場合には、不織布濾過材の製造効率が高められる。さらに、第4発明のようにした場合には、塩分粒子の捕捉性能とともに、濾過材の寿命もより高められる。
第1実施形態の不織布濾過材の断面構造を示す模式図である。 第1実施形態の不織布濾過材の製造過程を示す模式図である。 第2実施形態の不織布濾過材の断面構造を示す模式図である。 第2実施形態の不織布濾過材の製造過程を示す模式図である。 不織布濾過材を用いたエアクリーナエレメントの構造を示す模式図である。
以下図面を参照しながら、車両用燃料電池に供給する空気をろ過するためのエアクリーナのフィルタ材として利用可能な不織布濾過材を例として、発明の実施形態について説明する。発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
図1は、発明に係る第1実施形態の不織布濾過材1の断面構造を示す模式図である。本実施形態の不織布濾過材はシート状の不織布であって、自動車エンジンや車両用燃料電池のエアクリーナ用に供される場合には、通常、襞折りされた状態で枠に固定されたエアクリーナエレメント5として使用される。図5にエアクリーナエレメントの構造を模式的に断面図で示す。エアクリーナエレメント5は襞折りされた不織布濾過材1の周囲を枠体51で囲って一体化し、枠体51の周囲にシール部材52、52を設けて構成される。エアクリーナエレメントの具体的構成としては、公知の構成が採用でき、特に限定されない。エアクリーナエレメント5は、枠体51やシール材52を有しない構成であってもよい。
不織布濾過材1は、複数の不織布層を積層している多層構造の不織布濾過材である。層の数は2層以上であればよい。図1に不織布濾過材が使用される際の気流の流れを矢印で示すように、本不織布濾過材においては、上流側で使われるべき層と、下流側で使われるべき層があらかじめ定められている。不織布濾過材1は、不織布層の一つとして、下流側に撥水層11を有している。撥水層11の上流側には、ドライ層である不織布層12,13が設けられている。ここで、ドライ層とは、不織布層に実質的にオイルが含浸・塗布されていない層のことである。これら層がドライ層であることにより、これら不織布層の内部に多量のダストを保持する体積濾過が実現されるとともに、微粒子ダストの捕捉性能が向上する。
不織布層12は、吸水性繊維を含んで構成された吸水層である。本実施形態における吸水層12は、吸水性繊維とその他の繊維が混紡されて構成された不織布層である。また、不織布層13も、吸水性繊維を含んで構成された吸水層である。吸水層12は吸水層13よりも上流側に位置する。
撥水層11は、吸水層12,13よりも、下流側に位置する。本実施形態では、特に、撥水層13が最下流に位置するように設けられている。
撥水層11に含まれる繊維には、撥水処理がされている。撥水層11は塩分が潮解した際の水分の透過を阻止するよう機能する。潮解した塩分の透過を阻止しつつ、不織布濾過材1としての濾過材の寿命が長くなるように、撥水層11は、吸水層12、13よりも平均繊維径が小さく、比較的密な不織布層となるように構成される。
吸水層12,13に含まれる吸水性繊維について説明する。吸水性繊維は、潮解して液状化した塩分を吸い取って集める働きをする。吸水性繊維としては、レーヨンやキュプラのような再生繊維や、各種セルロース系繊維や、吸湿性を付与したポリエステル繊維、吸湿性を付与したアクリル繊維、吸湿性を付与したポリアミド繊維などが好ましく使用できる。
吸水層12,13に含まれる吸水性繊維WFの少なくとも一部は、吸水層12,13から撥水層11の内部に達するよう、不織布の厚み方向(図1の上下方向)に延在している。図1等においては、吸水性繊維WFの配向方向を波線で示している。厚み方向に延在する吸水性繊維WFは、各層を構成する繊維と交絡している。
本実施形態における最上流層の吸水層12では、後述するように、もともとの不織布層が吸水性繊維を含んで混紡されて形成されたため、吸水性繊維WFは、一部が不織布層の厚み方向に延在すると共に、他の一部は、それ以外の方向、例えば不織布層の面に沿って延在している。このように、吸水性繊維WFの一部が不織布層の厚み方向に延在していなくてもよい。一方で、本実施形態における中間層である吸水層13では、吸水性繊維WFは、実質的にすべてが不織布層の厚み方向に延在している。
吸水層12,13は、吸水性繊維WF以外の繊維を含むことが好ましい。例えば、吸水層12,13には、従来の自動車エンジン用のエアクリーナに用いられる多層構造不織布の粗層や中間層のように、適度なかさ高さを実現できるよう、ポリエステル繊維やポリプロピレン繊維などを含ませることができる。
この場合、吸水層に含まれる吸水性繊維の平均繊維径が、吸水層に含まれる他の繊維の平均繊維径よりも小さくされることが好ましい。例えば、吸水性繊維の平均繊維径が5〜15μmであれば、最上流側の吸水層12の他の繊維の平均繊維径は15〜40μmであることが好ましく、中間に位置する吸水層13の他の繊維の平均繊維径は10〜25μmであることが好ましい。
また、撥水層11に含まれる繊維の平均繊維径は、5〜20μmであることが好ましく、8〜15μmであることが特に好ましい。
ここで、繊維の平均繊維径について説明する。繊維が単一の材料・種類である場合には、平均繊維径とは、デニールやデシテックスといったその繊維の繊度と、繊維を構成する材料の密度から、繊維が円形断面であるとして直接計算される繊維径のことである。平均繊維径を求めたい繊維群の繊維が複数の種類である場合や、繊維が複数の構成材料からなる場合(複合繊維など)には、それぞれの繊維や構成材料について、繊度や密度からそれぞれの平均繊維径を求めたうえで、それぞれの繊維や構成材料の配合割合に応じて平均繊維径の加重平均を取ったものを、繊維群の平均繊維径として扱えばよい。また、繊維が異形断面や中空構造を有する場合には、繊維の顕微鏡写真から複数個所で繊維の幅を測定し、それら幅の算術平均を取ったものを繊維の平均繊維径として扱えばよい。
不織布濾過材1の寿命や濾過性能を高める観点から、不織布濾過材1は、上流層よりも下流の層ほど、不織布層の空間率が低くなる、即ち比較的密となるように構成されることが好ましい。不織布層が3つ以上である場合には、上流側の層から下流側の層になるにしたがって、順次空間率が低くなっていくことが特に好ましい。ここで不織布層の空間率とは、不織布層の単位体積当たりに占める空間体積(不織布層全体が占める体積から繊維が占める体積を除いた体積)を百分率で示した値である。不織布層が粗であるとは、空間率が大きいことを意味し、不織布層が密であるとは、空間率が小さいことを意味する。
吸水層は撥水層よりも空間率が大きくなるように構成され、かつ、吸水層の空間率が85%以上となるように構成されることが好ましい。
本実施形態の不織布濾過材1においては、最上流側の吸水層12の好ましい空間率は90〜99.5%程度である。また、中間層の吸水層13の好ましい空間率は88〜97.5%程度である。また、撥水層11の好ましい空間率は80〜95%程度である。
不織布濾過材の吸水層12,13や撥水層11の不織布層の目付は特に限定されないが、吸水層12の目付が、30〜100g/平方メートル程度、吸水層13の目付が、30〜120g/平方メートル程度、撥水層11の目付が、30〜200g/平方メートル程度であることが好ましい。
不織布濾過材1は、撥水層11、吸水層12、13以外の層を有していてもよい。例えば、吸水層12よりも上流側に、プレフィルタ層を有していてもよい。あるいは、撥水層11よりも下流側に別の層を設けてもよい。これら他の層を設けることは必須ではない。また、中間層である吸水層13は必須ではなく、不織布濾過材は2層構造であってもよい。
第1実施形態の不織布濾過材1の製造方法(第1の製造方法)について、図2を参照しながら説明する。上記不織布濾過材1は、例えば、撥水層11、上流側吸水層12、中間層の吸水層13になるべきそれぞれの繊維集合体(ウェブあるいは予備成形された不織布など)を準備して積層させる工程と、積層した後に、その積層体にニードルパンチもしくは水流交絡処理をして一体化する工程を含む、不織布製造方法により製造される。
まず、上流側の吸水層12となるべき層(ウェブ)12Wを準備する。吸水層12を構成する原料繊維を開繊・混紡し、計量・給綿工程を経て吸水層12となるべき吸水層ウェブ12Wを得る。吸水層ウェブ12Wには、吸水性繊維WFを所定の割合で混紡しておく。
同様に、中間層の吸水層13となるべき層(ウェブ)13Wを準備する。本実施形態においては、ウェブ13Wは吸水性繊維WFを含まないが、含ませてもよい。
同様に、撥水層11となるべき層(ウェブ)11Wを準備する。すでに不織布化されたものを層11Wとして使用することもできる。本実施形態の製造方法においては、撥水層11となる繊維には、この時点で撥水処理を施しておく。撥水処理は、典型的には、フッ素系もしくはシリコーン系などの撥水処理剤をウェブや不織布に塗布・含浸させ、乾燥させることにより行われる。繊維の製造時に繊維に撥水処理を施してもよい。撥水処理の具体的手段は特に限定されず、他の方法であってもよい。
各層を構成するべきウェブ等が得られたら、これら複数の層11W,12W,13Wを所定の順序で積層する(図2(a),(b))。
その後、積層されたウェブの集合体に対し、ニードルパンチもしくは水流交絡処理をして、多層構造の不織布濾過材1とする(図2(c))。この時、ニードルパンチもしくは水流交絡処理は、吸水性繊維WFが少なくとも吸水層12から撥水層11の内部に達するように行われる。例えば、ニードルパンチもしくは水流交絡処理は、吸水層12から撥水層11に向かう方向の処理が含まれるように行われる。この交絡処理がニードルパンチにより行われる場合には、ニードルNの先端が撥水層11の内部に達するように行われることが好ましい。必須ではないが、ニードルNの先端が撥水層11を貫通するようにニードルパンチ処理を行ってもよい。
ニードルパンチもしくは水流交絡処理が行われることにより、上流側の吸水層12となるウェブ(層)12Wに含まれていた吸水性繊維WFが、ニードルNや水流により引っ張られて、不織布の厚み方向に延在するようになり、不織布繊維の交絡がなされる。そして、ニードルパンチもしくは水流交絡処理が、少なくとも吸水層12から撥水層11達するように行われれば、吸水性繊維WFの少なくとも一部が、吸水層12から撥水層11の内部に達するよう不織布の厚み方向に延在している構造が実現される(図2(d)。なお、ニードルパンチ処理の後も、吸水層12内に、不織布層の面に沿うように配向した吸水性繊維が残っていてもよい。
また、本実施形態では、中間層の吸水層13となるウェブ(層)13Wには、吸水性繊維が含まれていなかったが(図2(a)(b))、ニードルパンチもしくは水流交絡処理が行われることにより、不織布の厚み方向に延在するようにされた吸水性繊維WFが、ウェブ13Wを貫通するように中間層に含まれるようになる。その結果、層13Wは吸水性繊維を含む吸水層13となる。
以上の工程を経ることにより、第1実施形態の不織布1が製造される。
上記第1実施形態の不織布濾過材の作用及び効果について説明する。
不織布濾過材1は、多層構造の積層構造であり、撥水層の繊維径が細いので、上流側の不織布層で多量のダストを濾過しながら、細かなダストを効率よく濾過することができ、車両用内燃機関や車両用燃料電池用のエアクリーナに使用可能な不織布濾過材となる。特に、不織布濾過材1は、不織布の単位面積当たりで計算した空気の通過流速が10m/secを越えるような高流速で使用できる。特許文献1にあるような従来の塩害防止濾過材は、もっぱら工場やビルなどの空調用であって、その使用時の通過流速は0.1m/sec程度に過ぎず、車両用のエアクリーナ装置にはおよそ使用できないものであった。
また、塩分微粒子の濾過性能に関し、不織布濾過材1では、塩分粒子は、一般的な微粒子ダストと同様に、不織布の繊維の隙間に引っかかったり、不織布を構成する繊維の表面に吸着されて捕捉される。
捕捉された塩分粒子は、空気中の水分や水滴により潮解し、液状となることがある。液状となった塩分は、空気の流れに流されて下流側に向かうことがあるが、不織布濾過材1では、下流側に撥水層11が設けられていて、この撥水層11が、液状となった塩分の下流側への透過を抑制する。撥水層11が、吸水層12,13よりも平均繊維径が小さくされることによって、撥水層11をより密な構成とすることができ、塩分の下流側への透過がより確実に抑制される。
さらに、不織布濾過材1では、吸水性繊維WFの少なくとも一部が、吸水層12(13)から撥水層11の内部に達するよう不織布の厚み方向に延在しているので、吸水性繊維WFが液状化した塩分を効果的に吸収し、撥水層11の上流面に塩分が集結して目詰まりする現象を効果的に予防できる。
撥水層11のみが設けられ、吸水繊維がない場合には、液状となった塩分が撥水層の上流側の表面にたまることになり、たまった水分や再結晶化した塩分によって、撥水層11が目詰まりしてしまい、濾過材の寿命を短くする。特許文献1等に記載された技術のように、撥水層の上流側に吸水性繊維を設けた場合であっても、撥水層の繊維と、上流側の吸水繊維との接点が少ないため、吸水性繊維による塩分吸収効果は限定的であった。そのため、多量の吸水性繊維を上流側に配置する必要があり、不織布層を比較的疎なものに構成して自動車等の高流量域で使用可能な不織布濾過材を得ることは困難であった。
上記実施形態の不織布濾過材1では、吸水性繊維WFの少なくとも一部が、吸水層12(13)から撥水層11の内部に達するよう不織布の厚み方向に延在しているので、吸水性繊維WFが撥水層11の繊維と交絡する箇所が多く、互いの接点が多く確保できる。そのため、より少ない吸水性繊維WFであっても、撥水層11の表面にたまりがちな液状化した塩分を、効果的に吸収できる。また、吸水性繊維WFの一部は、不織布の厚み方向に延在しているので、撥水層11の表面で吸収した液状の塩分を、毛細管現象等により、上流側に運ぶ作用が生じ、塩分が撥水層の上流側表面に集積してしまう現象を効果的に抑制できる。
また、吸水層12や吸水層13に含まれている吸水性繊維WFも、吸水層12、13で捕捉されて液状化した塩分を、液状化した塩分が下流側に流される前に吸収できるので、この作用によっても、塩分が撥水層の上流側表面に集積してしまう現象を効果的に抑制できる。
また、上記第1実施形態の不織布濾過材1のように、吸水層に含まれる吸水性繊維の平均繊維径が、吸水層に含まれる他の繊維の平均繊維径よりも小さくされた場合には、塩分粒子の捕捉性能(塩分透過防止性能)がより高められる。このような構成となっていると、ニードルパンチや水流交絡の工程で、不織布の厚み方向に延在するようにされる繊維に、より多くの吸水性繊維を含ませることが可能となり、撥水層11の上流側表面からより確実に液状化した塩分を吸収できるようになるからである。
また、上記第1実施形態の不織布濾過材1のように、撥水層11と吸水層12の間に、中間層13を含み、中間層13に含まれる吸水性繊維WFは実質的に不織布の厚み方向に延在しているようにした場合には、不織布濾過材の製造効率が高まる。すなわち、上記不織布濾過材の製造方法で説明したように、中間層13となるべきウェブ13Wには、吸水性繊維を含ませなくても、完成した不織布濾過材1における中間層13は吸水性繊維WFを含む吸水層として機能する。したがって、中間層13となるべきウェブ13Wとして、吸水性繊維を混紡した特別なウェブを製造する必要がなく、従来使われていたような、吸水性繊維を含まないウェブを使用することができ、不織布濾過材1を効率的に製造できるようになる。
また、上記第1実施形態の不織布濾過材1のように、撥水層11が最も下流に位置するようにした場合には、塩分粒子の捕捉性能とともに、濾過材の寿命もより高められる。撥水層11は液状化した塩分の透過を阻止するため、比較的密に構成する必要があるが、撥水層11が最も下流に位置していれば、上流側の粗層でより多くのダストを捕集できるように不織布濾過材を設計できるからである。
また、上記した第1の製造方法によれば、吸水層12,13と撥水層11となるべき複数の層(ウェブ)を積層し、その後、少なくとも吸水層12Wから撥水層11Wに達するように、ニードルパンチもしくは水流交絡処理をして多層構造の不織布濾過材1とするようにすれば、不織布濾過材1が有する、吸水性繊維の少なくとも一部が、吸水層から撥水層の内部に達するよう不織布の厚み方向に延在しているとの繊維構造を、効率的に実現でき、塩分粒子を効率的に捕捉でき、車両用内燃機関や車両用燃料電池用のエアクリーナに使用可能な不織布濾過材1が提供できる。
発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、これら実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
図3には、第2実施形態の不織布濾過材2を示す。本実施形態においては、不織布層は上流側の吸水層22と下流側の撥水層21の2層構造である。また、吸水層22中の吸水性繊維WFは、実質的に不織布の厚み方向に延在している。なお、吸水層22中の吸水性繊維WFの一部が撥水層21の内部に達している点は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態の不織布濾過材2においても、同様に、塩分粒子を捕捉でき、車両用内燃機関や車両用燃料電池用のエアクリーナに使用可能な不織布濾過材を提供できる。
第2実施形態の不織布濾過材2は、例えば、図4に示す以下のような製造方法(第2の製造方法)により製造される。
まず、吸水層22となるべきウェブ22Wを準備する。ウェブ22Wには吸水性繊維WFが含まれていなくてもよい(図4(a))。
撥水層21となるべきウェブ21Wを準備する。ウェブ21Wには吸水性繊維WFが所定の割合で含まれるようにする(図4(a))。ウェブ21Wを構成する繊維は、この時点では撥水処理されていなくてもよい。
吸水層ウェブ22Wと撥水層ウェブ21Wを積層する(図4(b))
その後、ニードルパンチもしくは水流交絡処理を行い、多層構造の不織布濾過材とする(図4(c))。この時、ニードルパンチもしくは水流交絡処理は、撥水層11から吸水層12に向かう方向の処理が含まれるように行うなどして、吸水性繊維WFが、吸水層22から撥水層21の内部に達するようにする。
ニードルパンチもしくは水流交絡処理が行われることにより、下流側の撥水層ウェブ21に含まれていた吸水性繊維WFが、ニードルNや水流により引っ張られて、不織布の厚み方向に延在するようになり、不織布繊維の交絡がなされる。本実施形態では、吸水層ウェブ22Wには、吸水性繊維が含まれていなかったが、ニードルパンチもしくは水流交絡処理が行われることにより、不織布の厚み方向に延在するようにされた吸水性繊維WFが、ウェブ22Wを貫通するように当該ウェブ(不織布層)に含まれるようになる。その結果、この層は吸水性繊維を含む吸水層22となる。
このようにして、吸水性繊維WFの一部が、吸水層22から撥水層21の内部に達するよう不織布の厚み方向に延在している構造が実現される(図4(d))。
なお、ニードルパンチや水流交絡処理の後も、撥水層21内に、不織布層の面に沿うように配向した吸水性繊維が残っていてもよい。
交絡処理により、多層構造の不織布濾過材とした後に、撥水層21となるべき層に撥水処理を施して撥水層21とする(図4(d))。撥水処理は、典型的には、フッ素系もしくはシリコーン系の撥水処理剤を、撥水層21の側から、塗布、含浸させて乾燥させることにより行われる。不織布濾過材全体が撥水処理されてしまうことなく、撥水層側の所定の厚さのみが撥水処理されるように、塗布の方法が選択される。塗布はスプレー法により行ってもよいし、ロールコータ等を用いて行ってもよいし、撥水処理剤を発泡状態にして塗布するようにしてもよい。
撥水層となるべき層に撥水処理がなされて撥水層21が完成すると、第2実施形態の不織布濾過材2が得られる。
この実施形態の製造方法(第2の製造方法)においても、吸水性繊維の少なくとも一部が、吸水層から撥水層の内部に達するよう不織布の厚み方向に延在しているとの繊維構造を、効率的に実現でき、塩分粒子を効率的に捕捉でき、車両用内燃機関や車両用燃料電池用のエアクリーナに使用可能な不織布濾過材が提供できる。
また不織布濾過材の一体化のためには、ニードルパンチや水流交絡処理以外の手段を併用してもよい。例えば、低温溶融成分を含む芯鞘繊維を配合して、熱処理して不織布の繊維構造を固定するようにしてもよいし、バインダ処理や熱プレス処理等を併用するようにしてもよい。
なお、上記実施形態の説明においては、自動車用の内燃機関や燃料電池等に使用可能なエアクリーナの不織布濾過材について説明したが、不織布濾過材の用途は、これに限定されず、他の用途に使用することも可能である。
以下、本発明の実施例を説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
また、以下に示す実施例や比較例において、いずれの例における濾過材も、相違する旨の記載のない繊維の材質や厚みや目付け量等の構成は、実質的に同じであり、試験に供する際に成形したフィルタエレメントの形状や襞折りの仕様も同一としている。実施例及び比較例の特徴的な構成や性能評価結果を表1及び表2に示す。
Figure 0006895829
Figure 0006895829
(実施例1)
実施例1は、上記第1実施形態として説明した不織布濾過材1を具体化した物である。不織布濾過材の厚みは3.2mmである。不織布濾過材は3層構造であり、上流側の吸水層12と、中間層の吸水層13と、下流側の撥水層11を有しており、吸水層12,13に含まれる吸水性繊維の一部は、撥水層の内部に達するように不織布厚み方向に延在している。実施例1の不織布濾過材1は上記第1の製造方法により、ニードルパンチ(NP)工程を経て製造されたものである。
実施例1において、上流側の吸水層12はPET繊維を主体としており、目付は80g/平方メートル、空間率は96%である。吸水層12には、吸水性繊維が混紡されている。吸水性繊維(レーヨン繊維)の平均繊維径は10.5μmである。また、吸水層12を構成するその他の繊維の平均繊維径は23μmである。中間層の吸水層13はPET繊維を主体としており、目付は120g/平方メートル、空間率は94%、吸水層13を構成するPET繊維の平均繊維径は14μmであり、吸水層13に含まれる吸水性繊維は、吸水層12のものと同じである。下流側の撥水層11は、目付が65g/平方メートル、平均繊維径が12μm、空間率は84%である。
(実施例2)
吸水性繊維が、撥水層となるべきウェブに混紡されていて、上記第2の製造方法により製造されたものである点を除き、他の点は実施例1とおおむね同じになるようにされた不織布濾過材が実施例2である。すなわち、実施例2は、上記第2実施形態の不織布濾過材2を3層化した濾過材である。
(比較例1)
比較例1は、吸水性繊維を含まない(吸水層がない)点、及び、撥水層も持たない点を除き、他の点は実施例1とおおむね同じになるようにされた不織布濾過材である。
(比較例2)
比較例2は、撥水層を持たない点を除き、他の点は実施例1とおおむね同じになるようにされた不織布濾過材である。比較例2では、吸水性繊維は実施例1と同様の形態に配合されている。
(比較例3)
比較例3は、吸水性繊維を含まない(吸水層がない)点を除き、他の点は実施例1とおおむね同じになるようにされた不織布濾過材である。比較例3では、撥水層は実施例1と同様であるが、上流側の層が吸水層ではない。
(参考例1)
参考例1は、特許文献1に記載された空調用の不織布濾過材を具体化した物である。比較例1の濾過材は各層の積層一体化が貼りあわせにより行われている。また、比較例1の濾過材では、吸水性繊維は中間層に含まれているが、吸水性繊維は不織布層の面に沿うように配置されており、撥水層の内部に達してはいない。また、参考例1の不織布濾過材は、空調用濾過材であり、想定している通過流速が、実施例1の不織布濾過材とは大きく異なっている。そのため、参考例1の不織布濾過材は、目付や空間率、繊維の太さなどが実施例1の不織布とは異なっており、フィルタエレメントにした際の襞折りの仕様も異なっている。
(ダスト実験)
濾過材の層剥離、及び一般ダスト(JIS−8種ダスト)についての性能評価を行った。得られた不織布濾過材を襞折り構造に形成して枠体を取り付けて、エアクリーナエレメントとし、試験に供した。各エアクリーナエレメントについて、JISD1612(自動車用エアクリーナ試験方法)に準じて、JIS−8種のダストについてダスト捕捉量試験を行った。その試験条件を下記に示す。
濾過材有効濾過面積:0.15平方m
試験ダスト:一般ダスト(JIS−8種ダスト)
ダスト供給量:4.2g/分
試験流量:4.2立方m/分
通気抵抗:濾過材の上流と下流の間の差圧
増加通気抵抗が2.94kPaに達したときをフルライフとし、それまでに捕捉したダストの量(ダスト捕捉量)を測定する。
(塩分試験)
各濾過材について、ダスト試験と同様にエアクリーナエレメントを準備し、塩分捕捉試験を行った。
まず、エアクリーナに空気を流しながら、微粉末化した食塩(NaCl)を供給し、5gの食塩を濾過材に付着させる。次いで、空気を流しながら、霧状にした水を10g、供給する。水を供給する前後で、それぞれ通気抵抗を測定し、その差を表2に「圧力上昇」として示す。この圧力上昇は、供給された水分(液状化した塩分)が撥水層上流面にたまってしまい、撥水層が目詰まりしたようになったことを示している。圧力上昇の値が大きければ、水分が乾燥した際にも塩分が撥水層上流面に集結して再結晶することになるため、塩分による通気抵抗の悪化が顕著となる傾向を示す。
塩分と水分を供給した後、さらに30分間空気を流し続け、その後、エアクリーナエレメントを乾燥させて、重量を測定する。水が供給される前のエレメント重量と、水を供給し乾燥した後のエレメント重量を比較すると、水分の供給(潮解)により、不織布濾過材を透過(再飛散)してしまった塩分の量が計算できる。再飛散してしまった塩分の量を、最初に付着させた塩分の量で除したものを、「塩分再飛散率」として、百分率で表2に示す。
実施例1及び実施例2の不織布濾過材は、いずれも、自動車用エアクリーナの濾過材として十分に使用できた。また、ダスト捕捉量も100g/0.1平方mを越えており、十分な濾過材の寿命を有している。
また、実施例1及び実施例2の不織布濾過材は、いずれも、塩分の再飛散率は低く、水分により塩分が潮解して液状となっても、塩分が下流側に抜けていくことが十分に抑制された。また、いずれの不織布濾過材も、水分を供給した際の圧力上昇が小さく、供給された水分が撥水層上流面にたまりにくく、撥水層が目詰まりしにくいことがわかる。
比較例1〜3は、いずれも、一般ダストに対しては、自動車用エアクリーナの濾過材として十分に使用できた。また、ダスト捕捉量も100g/0.1平方mを越えており、十分な濾過材の寿命を有している。
しかしながら、比較例1及び比較例2では、撥水層が設けられていないため、塩分の再飛散率が12%、4.5%と高く、塩分の潮解による透過を十分に抑制できていない。
また、比較例3では、撥水層を有するものの、吸水性繊維を含まないため、圧力上昇が0.5kPaと大きな値を示した。吸水性繊維がない比較例3は、供給された水分(潮解した塩分)が撥水層上流面にたまりやすく、撥水層が目詰まりしやすいことがわかる。
参考例1の不織布濾過材を試験に供したが、不織布の層間はがれが起こってしまい、適正な試験結果が得られなかった。参考例1の濾過材は、空調用の濾過材であり、自動車用の濾過材とは通過流速が大きく異なっているためである。
参考例1の不織布濾過材に対しては、試験時の通過流速を0.1m/sまで低下させて塩分試験を行った。通過流速が下がれば、参考例1の不織布濾過材は、塩分の再飛散率、圧力上昇共に低くなった。
本発明に係る不織布濾過材は、例えば自動車用エンジンや自動車用燃料電池スタックに供給する空気を濾過する用途に使用でき、塩分の捕集特性に優れ、産業上の利用価値が高い。
1 不織布濾過材
11 撥水層(下流層)
12 吸水層(上流層)
13 吸水層(中間層)
5 エアクリーナエレメント
51 枠体
52 シール部材
11W 撥水層となるべき層
12W 吸水層となるべき層
13W 中間層となるべき層
N ニードル

Claims (7)

  1. 上流側に位置し吸水性繊維を含む吸水層と、下流側に位置する撥水層とを含む多層構造の、潮解性を有する塩分粒子捕捉用の不織布濾過材であって、
    撥水層は、吸水層よりも平均繊維径が小さくされると共に、
    吸水性繊維の少なくとも一部が、吸水層から撥水層の内部に達するよう不織布の厚み方向に延在するとともに、吸水層に含まれる吸水性繊維は潮解して液状化した塩分を吸収可能である、
    不織布濾過材。
  2. 吸水層に含まれる吸水性繊維の平均繊維径が、吸水層に含まれる他の繊維の平均繊維径よりも小さくされた、
    請求項1に記載の不織布濾過材。
  3. 撥水層と吸水層の間に中間層を有し、中間層は吸水性繊維を含み、中間層に含まれる吸水性繊維は実質的に不織布の厚み方向に延在している、
    請求項1もしくは請求項2に記載の不織布濾過材。
  4. 撥水層が最も下流に位置する
    請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の不織布濾過材。
  5. 車両に搭載される燃料電池のエアクリーナに用いられる
    請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の不織布濾過材。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の不織布濾過材の製造方法であって、
    吸水性繊維を含むよう吸水層となるべき層を準備し、
    撥水処理を施した撥水層となるべき層を準備した後に、
    吸水層となるべき層と撥水層となるべき層を含む複数の層を積層し、
    その後、吸水性繊維の一部が吸水層となるべき層から撥水層となるべき層に達するように、ニードルパンチもしくは水流交絡処理をして多層構造の不織布濾過材とする、
    不織布濾過材の製造方法。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の不織布濾過材の製造方法であって、
    吸水性繊維を含むように撥水層となるべき層を準備し、
    吸水層となるべき層を準備した後に、
    撥水層となるべき層と吸水層となるべき層を含む複数の層を積層し、
    吸水性繊維の一部が撥水層となるべき層から吸水層となるべき層に達するように、ニードルパンチもしくは水流交絡処理をして多層構造の不織布濾過材とした後に、
    撥水層となるべき層に撥水処理を施して撥水層とする、
    不織布濾過材の製造方法。
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