JP2008259971A - エアフィルタ材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】分割繊維を使用せずとも、耐ダスト抜け性に加えて、初期通気抵抗が低く、ダストやカーボンスーツに対する初期清浄効率やライフなどの性能を良好なバランスで示す低コストの不織布ベースのエアフィルタ材料を提供する。
【解決手段】空気流入層と空気流出層とが積層されてなるエアフィルタ材料は、平均流量細孔径が20〜40μm、最小細孔径が2.4〜3.8μm及び最大細孔径が80μm以下である。空気流入層は繊維目付量55〜100g/mのニードルパンチ不織布層である。空気流出層は、繊維目付量20〜60g/m、平均流量細孔径50〜90μm、最小細孔径3.0〜10.0μm及び最大細孔径180μm以下のスパンレース不織布層を少なくとも2層以上積層した積層スパンレース不織布である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガソリン、エタノール、軽油、重油等を燃料とする、4ストローク又は2ストロークレシプロエンジン、ロータリーエンジン、ガスタービンエンジンなどの各種内燃機関のエアクリーナーに用いるエアフィルタ材料に関する。特に、砂塵などの塵埃(ダスト)(JIS D−1612参照)捕集性だけでなくカーボンスーツ捕集性にも優れ、更に、特殊条件下で生じ易いダスト抜け現象も抑制できる、自動車(例えば、オートバイや4輪自動車)エンジン用のエアフィルタ材料に関する。
自動車エンジンのシリンダ内に導入される空気中にダストが混入していると、シリンダ内壁を傷つけ、エンジンの故障を引き起こすという問題があるため、従来より、自動車のエアクリーナーのエアフィルタ材料は、良好なダスト捕集性を示すことが必須であった。また、ディーゼルエンジン等から排出されるカーボンスーツが導入空気中に混入している場合には、燃料に対する適正な空気流量を計測するためのセンサーが誤作動する場合があるので、自動車エンジンのエアクリーナーに用いるエアフィルタ材料は、良好なカーボンスーツ捕集性を示すことも求められるようになっている。
従来、良好なダスト捕集性とカーボンスーツ捕集性とを示すエアフィルタ材料として、緻密繊維層とそれに隣接した隣接繊維層とからなるエアクリーナー用濾過材が提案されている(特許文献1参照)。ここで、緻密繊維層は、平均繊維径3〜15μmの細繊維からなる不織布であり、20〜120g/mの面密度を有しており、隣接繊維層は、0.1〜0.2g/cmの見掛け密度と10〜100g/mの面密度とを有している。
しかしながら、特許文献1に記載されたエアクリーナー用濾過材を使用した自動車エンジン用エアクリーナーにダストが多量に保持された状態でエンジンを駆動させた場合、エンジン回転数に応じて、自動車エンジン用エアクリーナーの振動周波数も変化し、振動周波数が200Hz前後になると、エアクリーナー用濾過材に捕集されていたダストがエア流出側へ抜け出す現象(ダスト抜け)が生じるという問題が新たに見出された。
この問題に対しては、エアクリーナー用濾過材にアクリル酸系エマルジョン等を含浸させ乾燥させることにより、不織布を構成する繊維を樹脂で固定することが有効と考えられるが、樹脂の付着量が増大するとカーボンスーツ捕集性が低下し、また、エアクリーナー用濾過材のダストによる目詰まりが生じ、意図した空気流量が得られないという問題が生ずる。
このように、特許文献1に記載されたエアクリーナー用濾過材のような、不織布ベースのエアフィルタ材料に対し、ダスト捕集性、耐ダスト抜け性及びカーボンスーツ捕集性を良好なバランスで且つ高いレベルで維持することができなかった。
そこで、エアフィルタ材料に良好なダスト捕集性、耐ダスト抜け性及びカーボンスーツ捕集性をバランス良く付与するためには、エアフィルタ材料を三層の不織布を積層した構造とし、それぞれの不織布について、平均繊維径と繊維目付量と見掛け密度と含浸樹脂量とを所定範囲に規定することが提案されている(特許文献2)。具体的には、平均繊維径3〜5μmの繊維からなる第1不織布と、平均繊維径9〜15μmの繊維からなる第2不織布と、平均繊維径16〜32μmの繊維からなる第3不織布とが積層されたエアフィルタ材料が提案されている。ここで、第1不織布において、繊維目付量は35〜55g/mであり、バインダー樹脂の付着量は10〜24g/mであり、見掛け密度は0.16〜0.30g/cmである。また、第2不織布において、繊維目付量は20〜100g/mであり、バインダー樹脂の付着量は4〜11g/mであり、見掛け密度は0.10〜0.20g/cmである。そして、第3不織布において、繊維目付量は55〜100g/mであり、バインダー樹脂の付着量は1〜5g/mであり、見掛け密度は0.073〜0.088g/cmである。このエアフィルタ材料においては、第1不織布を分割性ステープル繊維から構成し、更に第1及び第2不織布としてスパンレース不織布を使用することが好ましい旨記載されている。
特開平10−337426号公報 特開2004−243250号公報
しかしながら、特許文献2のエアフィルタ材料は、好ましいレベルの耐ダスト抜け性、ダスト捕集性及びカーボンスーツ捕集性を確保するためには、その実施例において開示されているように、第1の不織布層を高価な分割繊維から構成せざるを得ず、製造コストの増大を招いていた。また、エアフィルタ材料に対しては、基本的性能として、ダストやカーボンスーツに対し、良好な初期清浄効率やライフが求められていた。
本発明の目的は、以上の従来の技術の課題を解決しようとするものであり、分割繊維を使用せずとも、耐ダスト抜け性に加えて、初期通気抵抗が低く、ダストやカーボンスーツに対する初期清浄効率やライフなどの性能を良好なバランスで示す低コストの不織布ベースのエアフィルタ材料を提供することである。
本発明者らは、エアフィルタ材料に良好な耐ダスト抜け性や、初期通気抵抗や、ダストやカーボンスーツに対する初期清浄効率やライフなどの性能をバランス良く付与するために、エアフィルタ材料の構造を、エア流入側の層(以下、空気流入層と称する)とエア流出側の層(以下、空気流出層と称する)とを積層した構造とし、更に、空気流入層を繊維目付量が所定範囲に規定されたニードルパンチ不織布層から構成し、一方、空気流出層を2層以上のスパンレース不織布層を積層したものから構成した。更に、それぞれのスパンレース不織布層を特定する指標として、特許文献2の「バインダー樹脂の付着量」及び「見かけ密度」に代えて、ASTM F−316−80に基づく「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」を採用し、エアフィルタ材料のそれらの数値と、それを構成するスパンレース不織布層単体のそれらの数値とを、それぞれ所定範囲に規定することにより、上述の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、空気流入層と空気流出層とが積層されてなるエアフィルタ材料であって、平均流量細孔径が20〜40μm、最小細孔径が2.4〜3.8μm及び最大細孔径が80μm以下であり、且つ空気流入層が繊維目付量55〜100g/mのニードルパンチ不織布層であり、空気流出層が繊維目付量20〜60g/m、平均流量細孔径50〜90μm、最小細孔径3.0〜10.0μm及び最大細孔径180μm以下のスパンレース不織布層を少なくとも2層以上積層した積層スパンレース不織布であるエアフィルタ材料を提供する。
また、本発明は、上述のエアフィルタ材料をフィルタエレメントとして使用する自動車エンジン用エアクリーナーを提供する。
本発明のエアフィルタ材料は、それ自体の「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」が所定範囲に規定され、更に、空気流入層として繊維目付量が所定範囲に規定したニードルパンチ不織布層を使用し、更に空気流出層として「繊維目付量」、「平均流量細孔径」、及び「最小細孔径」をそれぞれ所定範囲に規定したスパンレース不織布層を少なくとも2層以上積層したものを使用する。このため、高価な分割繊維を使用せずとも、耐ダスト抜け性や、ダストやカーボンスーツに対する初期清浄効率やライフなどの性能を良好なバランスで示す。
以下、本発明を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明のエアフィルタ材料の実施態様の一例の断面図である。このエアフィルタ材料は、エア流出側に空気流出層1が配され、エア流入側に空気流入層2が配された構造を有する。ここで、エアフィルタ材料自体の平均流量細孔径は20〜40μm、好ましくは25〜35μmである。20μm未満であると通気抵抗が大きく、ライフが短くなり、40μmを超えると初期清浄効率が低下するからである。また、エアフィルタ材料自体の最小細孔径は2.4〜3.8μm、好ましくは2.8〜3.4μmである。2.4μm未満であると通気抵抗が大きく、ライフが短くなり、3.8μmを超えると初期清浄効率が低下するからである。更に、エアフィルタ材料の最大細孔径は80μm以下、好ましくは73μm以下である。80μmを超えると初期清浄効率が低下するからである。
また、空気流出層1は、スパンレース不織布層1aと1bとから構成される積層スパンレース不織布である。図1の態様においては、空気流出層1は2層のスパンレース不織布層1aと1bとから構成されているが、3層以上のスパンレース不織布層から構成してもよい。例えば、図2に示すように、空気流出層1を5層のスパンレース不織布層1a〜1eから構成してもよい。
また、本発明のエアフィルタ材料は、図1に示すように、空気流出層1と空気流入層2とが直接接するように積層されていることが、エアフィルタ材料内部にダストを浸透させずに表面層で捕集してダスト透過の防止を行う点から好ましい。
本発明において、スパンレース不織布層1a〜1eのそれぞれは、カード法、エアレイド法などの乾式法や湿式法により形成された繊維ウエブを水流交絡法により不織布化したスパンレース不織布であり、主として砂塵などのダスト(JIS D−1612参照)やカーボンスーツの初期捕集効率を向上させる層である。
空気流出層1を構成するスパンレース不織布層1a〜1eは、以下に説明するように、一定繊維密度の積層の指標となる「繊維目付量」、平均的な繊維密度の指標となる「平均流量細孔径」、高密度部分の繊維ムラの指標となる「最小細孔径」及び低密度部分の繊維ムラの指標となる「最大細孔径」で特定することができる。なお、これらは、ASTM F−316−80に基づいて測定することができる。
空気流出層1を構成するスパンレース不織布層1a〜1eのそれぞれの「繊維目付量」は、20〜60g/m、好ましくは30〜40g/mである。これは、繊維目付量が20g/mを下回ると一定繊維密度の不足となり、60g/mを上回ると一層の寄与が大きくなり過ぎてフィルタ寿命が短くなり、エアフィルタ材料全体のバランスが崩れる可能性があるからである。
空気流出層1を構成するスパンレース不織布層1a〜1eのそれぞれの「平均流量細孔径」は、50〜90μm、好ましくは50〜75μmである。これは、平均流量細孔径が50μmを下回ると通気量不足となり、一方、90μmを上回ると、ダスト透過の原因となるダスト捕集性の低下を招くからである。
また、空気流出層1を構成するスパンレース不織布層1a〜1eのそれぞれの「最小細孔径」は、3.0〜10.0μm、好ましくは4.0〜8.0μmである。これは、最小細孔径が3.0μmを下回ると通気量不足となり、10.0μmを上回るとダスト透過の原因となるダスト捕集性の低下が生ずるからである。
更に、空気流出層1を構成するスパンレース不織布層1a〜1eのそれぞれの「最大細孔径」は、180μm以下、好ましくは150μm以下である。これは、最大細孔径が180μmを上回るとダスト透過の原因となるダスト捕集性の低下が生ずるからである。
空気流出層1を構成するスパンレース不織布層1a〜1eのそれぞれの厚みが厚すぎると、エアフィルタ材料を折り畳んでエアフィルタエレメントを構成する際に、図3Aに示すように、エアフィルタ材料の折り畳みピッチP1が、図3Bに示す薄いエアフィルタ材料の折り畳みピッチP2よりも大きくならざるを得ず、エアフィルタエレメントのフィルタ表面積を大きくすることができない。しかも、図3Aにおける一つのエアフィルタ材料斜面の実質的な濾過領域S1は、図3Bにおける実質的な濾過領域S2よりも小さくならざるを得ず、折り畳み数の減少以上に濾過性能が低下する。また、薄すぎるとフィルタ寿命の低下という問題が生ずるおそれがある。従って、本発明における空気流出層1を構成するスパンレース不織布層1a〜1eのそれぞれの厚みは、好ましくは0.3〜0.5mm、より好ましくは0.3〜0.4mmである。
空気流出層1のスパンレース不織布層1a〜1eを構成する繊維は、その径が細すぎると通気抵抗が大きくなり、太すぎると密度不足となるので、好ましくは0.6〜1.6dTである。2以上の異なる繊維径の繊維を任意の比率で混合して使用することもできる。
空気流出層1のスパンレース不織布層1a〜1eを構成する繊維の材質としては、ポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリウレタン系繊維などの合成繊維が挙げられる。これらの2種類以上の合成繊維を同時に使用してもよい。中でも、コストや耐熱性の点からポリエステル系繊維を好ましく使用することができる。
空気流出層1は、予め不織布化した個々のスパンレース不織布層を重ね、公知の積層方法(ニードルパンチ法、ホットメルト接着法、水流交絡法等)により積層することで作成することができる。また、個々のスパンレース不織布層に対応した繊維ウエブを重ね、水流交絡法により不織布化と積層とを同時に行うことで作成することもできる。
本発明のエアフィルタ材料を構成する空気流入層2は、例えば、カード法、エアレイド法などの乾式法や湿式法により形成された繊維ウエブをニードルパンチ法により不織布としたニードルパンチ不織布であり、空気流出層1の砂塵などのダスト(JIS D−1612参照)やカーボンスーツの初期捕集効率を低下させずに、エアフィルタ材料のダスト捕集容量の増大効果を強化させるための層である。
空気流入層2の繊維目付量は、55〜100g/m、好ましくは65〜90g/mである。繊維目付量が55g/m未満であるとフィルタ寿命が短くなり易く、100g/mを超えると嵩が不均一となり易いので、好ましくない。また、使用する繊維の太さは、細すぎると密度が大きくなりすぎ、太すぎると密度が小さくなり過ぎて嵩高となるので、好ましくは2.2〜11.0dT、より好ましくは3.3〜6.7dTである。2以上の異なる繊維径の繊維を使用することもできる。
空気流入層2を構成する繊維の種類としては、空気流出層1で使用したものと同様のものを使用することができる。その他に、レーヨン繊維、キュプラ繊維などの再生繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、炭素繊維などの無機繊維、綿、麻などの植物繊維、羊毛などの動物繊維等も使用することができる。また、空気流入層2を構成する繊維は、繊維長32〜75mm程度の通常のステープル繊維でもよい。
空気流入層2の厚みとしては、薄すぎるとダスト捕集量不足となり、厚すぎると構造抵抗大となり折り畳み数不足となるので、好ましくは0.5〜0.9mm、より好ましくは0.6〜0.8mmである。
空気流入層2は、対応する繊維ウエブをニードルパンチ法により不織布化することにより作成することができる。
本発明のエアフィルタ材料は、厚み調整のために、繊維目付量が好ましくは30〜60g/m、平均流量細孔径が好ましくは70〜120μm、最小細孔径が好ましくは9〜15μm及び最大細孔径が好ましくは200μm以下であるスパンレース中間層を、図1及び図2における空気流出層1と空気流入層2との間に配してもよい。
このようなスパンレース中間層を構成する繊維は、その径が細すぎると通気抵抗が大きくなりすぎ、太すぎると層厚が厚くなりすぎるので、好ましくは1.6〜3.3dTである。2以上の異なる繊維径の繊維を使用することもできる。
スパンレース中間層を構成する繊維の材質としては、ポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリウレタン系繊維などの合成繊維が挙げられる。これらの2種類以上の合成繊維を同時に使用してもよい。中でも、コストや耐熱性の点からポリエステル系繊維を好ましく使用することができる。
本発明のエアフィルタ材料は、更に、表面濾過性能をより向上させるために、繊維目付量20〜60g/mのコットン層を、空気流出層1と空気流入層2との間、もしくは空気流出層1を構成する複数のスパンレース層のいずれかの層間に設けることが好ましい。また、コットン層の繊維目付量は好ましくは30〜40g/m、平均流量細孔径は好ましくは50〜80μm、最小細孔径は好ましくは4〜8μm及び最大細孔径は好ましくは150μm以下である。このようなコットン層を保持するエアフィルタ材料の空気流入側表面に、カーボンスーツ捕集性を高めるためにビスカスオイルを付着させることができる。
本発明のエアフィルタ材料には、バインダー樹脂を付着させることができる。付着量は、少なすぎると安定したプリーツ形状が得られなくなり、多すぎるとダスト捕集性能の低下を招くので、好ましくは15〜60g/m、より好ましくは20〜50g/mである。なお、付着させたバインダー樹脂は、不織布構成繊維内部に保持されているものは比較的少なく、不織布構成繊維の表面への付着、特に、不織布構成繊維同士の境界面に主として付着している。
バインダー樹脂としては、例えば、水溶性フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリアクリル酸エステル系樹脂エマルジョン、ポリアクリル−スチレン系樹脂エマルジョン、ポリ酢酸ビニル系樹脂エマルジョンなどが挙げられる。特に、ポリアクリル酸エステル系樹脂エマルジョンやポリアクリル−スチレン系樹脂エマルジョンは、エアフィルタ材料の風合いを調整し易いため好適に使用できる。このようなバインダー樹脂を付着させる手法としては、含浸、スプレー、塗布などの公知の手法が挙げられる。
本発明のエアフィルタ材料は、例えば、スパンレース層となる繊維ウエブ上に、別のスパンレース層となる繊維ウエブを重ね、その繊維ウエブ積層物を水流交絡法により処理することによって、それぞれを不織布化するとともに、それらの間に繊維交絡を生じさせて積層し、得られた空気流出層上に、ニードルパンチ処理により予め不織布化しておいた空気流入層(ニードルパンチ不織布)を載せ、空気流出層側からニードルパンチングを行うことにより積層一体化することにより製造できる。更に、必要に応じて、バインダー樹脂を所定の付着量となるように浸漬法により含浸させればよい。
あるいは、それぞれ別個に不織布化し、必要に応じてそれぞれにバインダー樹脂を含浸させておいた空気流入層と2つのスパンレース層とを、公知の積層手法(例えば、接着剤(ホットメルト接着剤、溶剤型接着剤等)の使用等)により積層一体化することにより製造することができる。
以上説明した本発明のエアフィルタ材料は、空気流出層がエア流出側に配置されるように留意した上で、公知の自動車用エアクリーナー(例えば、特開平4−27404号公報の図1、図2)のフィルタエレメントとして好適に使用できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、以下の実施例又は比較例において「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」の値は、ASTM F−316−80に従って4回計測した結果の平均である。
実施例1
(1a) まず、0.9dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)30重量部と1.6dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)70重量部からなるカードウエブ(繊維目付量30g/m)を作成し、水流交絡法により不織布化してスパンレース不織布を得た。得られたスパンレース不織布の「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」: 63.7μm
「最小細孔径」: 7.1μm
「最大細孔径」: 144.6μm
(1b) 次に、1.6dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)からなるカードウエブ(繊維目付量60g/m)を作成し、水流交絡法により不織布化し、スパンレース不織布を得た。得られたスパンレース不織布の「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」:48.8μm
「最小細孔径」: 7.9μm
「最大細孔径」: 97.6μm
(1c) 3.3dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)50重量部と6.7dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)50重量部からなるカードウエブ(繊維目付量85g/m)を作成し、ニードルパンチ法にて不織布化して空気流入層用シートとしてのニードルパンチ不織布を得た。
(1d) 上記(1a)で得られたスパンレース不織布を2枚重ね、更にその上に上記(1b)のスパンレース不織布を重ねて空気流出層用シートを構成し、更に上記(1c)の空気流入層用シートを積層し、ニードルパンチ法にて積層一体化し、得られた積層体を、バインダー樹脂溶液(ボンコートAN170(大日本インキ化学工業社)20%、ミルベンSM300(昭和高分子社)1%、ミルベンLC10(昭和高分子社)0.1%、水78.9%)中に浸漬し、ゴムマングルで乾燥重量40g/mの割合で樹脂を付着させ乾燥することによりエアフィルタ材料を得た。得られたエアフィルタ材料の厚みは1.85mm、坪量245g/mであり、「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」:32.3μm
「最小細孔径」: 2.8μm
「最大細孔径」: 73.0μm
実施例2
3.3dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)50重量部と6.7dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)50重量部からなるカードウエブ(繊維目付量75g/m)を作成し、ニードルパンチ法にて不織布化し、空気流入層用シートを得た。この空気流入層用シートを用いる以外は、実施例1と同様の操作を繰り返すことによりエアフィルタ材料を得た。得られたエアフィルタ材料の厚みは1.70mm、坪量230g/mであり、「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」:35.1μm
「最小細孔径」: 3.7μm
「最大細孔径」: 69.9μm
実施例3
(3a) まず、1.6dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)からなるカードウエブ(繊維目付量30g/m)を作成し、水流交絡法により不織布化してスパンレース不織布を得た。得られたスパンレース不織布の「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」: 94.4μm
「最小細孔径」: 6.2μm
「最大細孔径」: 178.0μm
(3b) 3.3dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)50重量部と6.7dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)50重量部からなるカードウエブ(繊維目付量70g/m)を作成し、ニードルパンチ法にて不織布化し、空気流入層用シートを得た。
(3c) 上記(3a)のスパンレース不織布を5枚重ねて空気流出層用シートを構成し、更にその上に上記(3b)の空気流入層用シートを積層し、ニードルパンチ法にて積層一体化し、得られた積層体を、バインダー樹脂溶液(ボンコートAN170(大日本インキ化学工業社)20%、ミルベンSM300(昭和高分子社)1%、ミルベンLC10(昭和高分子社)0.1%、水78.9%)中に浸漬し、ゴムマングルで乾燥重量40g/mの割合で樹脂を付着させ乾燥することによりエアフィルタ材料を得た。得られたエアフィルタ材料の厚みは1.9mm、坪量260g/mであり、「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」:33.7μm
「最小細孔径」: 3.6μm
「最大細孔径」: 71.1μm
実施例4
(4a) まず、0.9dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)30重量部と1.6dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)70重量部からなるカードウエブ(繊維目付量30g/m)を作成し、水流交絡法により不織布化し、スパンレース不織布を得た。得られたスパンレース不織布の「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」: 63.7μm
「最小細孔径」: 7.1μm
「最大細孔径」: 144.6μm
(4b) 3.3dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)50重量部と6.7dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)50重量部からなるカードウエブ(繊維目付量70g/m)を作成し、ニードルパンチ法にて不織布化し、空気流入層用シートを得た。
(4c) 上記(4a)のスパンレース不織布を4枚重ねて空気流出層用シートを構成し、その上に上記(4b)の空気流入層用シートを積層し、ニードルパンチ法にて積層一体化し、得られた積層体を、バインダー樹脂溶液(ボンコートAN170(大日本インキ化学工業社)20%、ミルベンSM300(昭和高分子社)1%、ミルベンLC10(昭和高分子社)0.1%、水78.9%)中に浸漬し、ゴムマングルで乾燥重量50g/mの割合で樹脂を付着させ乾燥することによりエアフィルタ材料を得た。得られたエアフィルタ材料の厚みは1.5mm、坪量240g/mであり、「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」:28.6μm
「最小細孔径」: 3.2μm
「最大細孔径」: 64.4μm
実施例5
(5a) まず、0.9dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)50重量部と1.6dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)50重量部からなるカードウエブ(繊維目付量30g/m)を作成し、水流交絡法により不織布化し、スパンレース不織布を得た。得られたスパンレース不織布の「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」: 54.3μm
「最小細孔径」: 6.6μm
「最大細孔径」: 122.3μm
(5b) 次に、0.9dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)30重量部と1.6dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)70重量部からなるカードウエブ(繊維目付量30g/m)を作成し、水流交絡法により不織布化し、スパンレース不織布を得た。得られたスパンレース不織布の「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」: 63.7μm
「最小細孔径」: 7.1μm
「最大細孔径」: 144.6μm
(5c) 3.3dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)50重量部と6.7dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)50重量部からなるカードウエブ(繊維目付量70g/m)を作成し、ニードルパンチ法にて不織布化し、空気流入層用シートを得た。
(5d) 上記(5a)のスパンレース不織布を2枚重ね、更にその上に上記(5b)のスパンレース不織布を2枚重ねて空気流出層用シートを構成し、更に上記(5c)の空気流入層用シートを積層し、ニードルパンチ法にて積層一体化し、得られた積層体を、バインダー樹脂溶液(ボンコートAN170(大日本インキ化学工業社)20%、ミルベンSM300(昭和高分子社)1%、ミルベン LC10(昭和高分子社)0.1%、水78.9%)中に浸漬し、ゴムマングルで乾燥重量40g/mの割合で樹脂を付着させ乾燥することによりエアフィルタ材料を得た。得られたエアフィルタ材料の厚みは1.5mm、坪量230g/mであり、「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」:28.0μm
「最小細孔径」: 2.5μm
「最大細孔径」: 59.2μm
実施例6
(6a) まず、0.9dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)30重量部と1.6dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)70重量部からなるカードウエブ(繊維目付量30g/m)を作成し、水流交絡法により不織布化し、スパンレース不織布を得た。得られたスパンレース不織布の「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」: 63.6μm
「最小細孔径」: 7.1μm
「最大細孔径」: 144.6μm
(6b) 次に、繊維目付量35g/mのコットンシートを用意した。このコットンシートの「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」: 56.6μm
「最小細孔径」: 5.0μm
「最大細孔径」: 136.1μm
(6c) 次に、1.6dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)からなるカードウエブ(繊維目付量30g/m)を作成し、水流交絡法により不織布化し、スパンレース不織布を得た。得られたスパンレース不織布の「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」: 94.4μm
「最小細孔径」: 6.2μm
「最大細孔径」: 178.0μm
(6d) 3.3dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)50重量部と6.7dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)50重量部からなるカードウエブ(繊維目付量70g/m)を作成し、ニードルパンチ法にて不織布化し、空気流入層用シートを得た。
(6e) 上記(6a)のスパンレース不織布を2枚重ね、更にその上に上記(6b)のコットンシートを重ね、更に上記(6c)のスパンレース不織布を重ねて空気流出層用シートを構成し、続いて上記(6d)の空気流入層用シートを積層し、ニードルパンチ法にて積層一体化し、得られた積層体を、バインダー樹脂溶液(ボンコートAN170(大日本インキ化学工業社)20%、ミルベンSM300(昭和高分子社)1%、ミルベンLC10(昭和高分子社)0.1%、水78.9%)中に浸漬し、ゴムマングルで乾燥重量45g/mの割合で樹脂を付着させ乾燥することによりエアフィルタ材料を得た。得られたエアフィルタ材料の厚みは1.6mm、坪量240g/mであり、「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」:30.4μm
「最小細孔径」: 2.9μm
「最大細孔径」: 64.8μm
実施例7
(7a) まず、0.9dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)30重量部と1.6dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)70重量部からなるカードウエブ(繊維目付量60g/m)を作成し、水流交絡法により不織布化し、スパンレース不織布を得た。得られたスパンレース不織布の「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」:40.2μm
「最小細孔径」: 5.0μm
「最大細孔径」: 91.9μm
(7b) 次に、1.6dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)からなるカードウエブ(繊維目付量60g/m)を作成し、水流交絡法により不織布化し、スパンレース不織布を得た。得られたスパンレース不織布の「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」:48.8μm
「最小細孔径」: 7.9μm
「最大細孔径」: 97.6μm
(7c) 3.3dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)50重量部と6.7dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)50重量部からなるカードウエブ(繊維目付量70g/m)を作成し、ニードルパンチ法にて不織布化し、空気流入層用シートを得た。
(7d) 上記(7a)のスパンレース不織布の上に上記(7b)のスパンレース不織布を重ねて空気流出層用シートを構成し、更に上記(7c)の空気流入層用シートを積層し、ニードルパンチ法にて積層一体化し、一体化した積層体を、バインダー樹脂溶液(ボンコートAN170(大日本インキ化学工業社)20%、ミルベンSM300(昭和高分子社)1%、ミルベンLC10(昭和高分子社)0.1%、水78.9%)中に浸漬し、ゴムマングルで乾燥重量40g/mの割合で樹脂を付着させ乾燥することによりエアフィルタ材料を得た。得られたエアフィルタ材料の厚みは1.6mm、坪量230g/mであり、「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」:32.2μm
「最小細孔径」: 3.9μm
「最大細孔径」: 76.4μm
比較例1
(10a) まず、1.6dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)からなるカードウエブ(繊維目付量30g/m)を作成し、水流交絡法により不織布化し、スパンレース不織布を得た。得られたスパンレース不織布の「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」: 94.4μm
「最小細孔径」: 6.2μm
「最大細孔径」: 178.0μm
(10b) 11.0dTのポリエステルステープル(51mm長、クラレ社)からなるカードウエブ(繊維目付量100g/m)を作成し、ニードルパンチ法にて不織布化し、空気流入層用シートを得た。
(10c) 上記(10a)のスパンレース不織布を5枚重ねて空気流出層用シートを構成し、更にその上に上記(10b)の空気流入層用シートを積層し、ニードルパンチ法にて積層一体化し、得られた積層体を、バインダー樹脂溶液(ボンコートAN170(大日本インキ化学工業社)20%、ミルベンSM300(昭和高分子社)1%、ミルベンLC10(昭和高分子社)0.1%、水78.9%)中に浸漬し、ゴムマングルで乾燥重量40g/mの割合で樹脂を付着させ乾燥することによりエアフィルタ材料を得た。得られたエアフィルタ材料の厚みは2.2mm、坪量260g/mであり、「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」:34.5μm
「最小細孔径」: 4.2μm
「最大細孔径」: 75.0μm
比較例2
(20a) まず、0.9dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)30重量部と1.6dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)70重量部からなるカードウエブ(繊維目付量30g/m)を作成し、水流交絡法により不織布化し、スパンレース不織布を得た。得られたスパンレース不織布の「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」: 63.6μm
「最小細孔径」: 7.1μm
「最大細孔径」: 144.6μm
(20b) 次に、1.6dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)からなるカードウエブ(繊維目付量60g/m)を作成し、水流交絡法により不織布化し、スパンレース不織布を得た。得られたスパンレース不織布の「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」:48.8μm
「最小細孔径」: 7.9μm
「最大細孔径」: 97.6μm
(20c) 6.7dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)からなるカードウエブ(繊維目付量85g/m)を作成し、ニードルパンチ法にて不織布化し、空気流入層用シートを得た。
(20d) 上記(20a)のスパンレース不織布上に、上記(20b)のスパンレース不織布を重ねて空気流出層用シートを構成し、更に上記(20c)の空気流入層用シートを積層し、ニードルパンチ法にて積層一体化し、得られた積層体を、バインダー樹脂溶液(ボンコートAN170(大日本インキ化学工業社)20%、ミルベンSM300(昭和高分子社)1%、ミルベンLC10(昭和高分子社)0.1%、水78.9%)中に浸漬し、ゴムマングルで乾燥重量40g/mの割合で樹脂を付着させ乾燥することによりエアフィルタ材料を得た。得られたエアフィルタ材料の厚みは1.7mm、坪量215g/mであり、「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」:40.5μm
「最小細孔径」: 4.8μm
「最大細孔径」: 81.3μm
比較例3
(30a) まず、0.9dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)30重量部と1.6dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)70重量部からなるカードウエブ(繊維目付量30g/m)を作成し、水流交絡法により不織布化し、スパンレース不織布を得た。得られたスパンレース不織布の「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」: 63.6μm
「最小細孔径」: 7.1μm
「最大細孔径」: 144.6μm
(30b) 3.3dTのポリエステルステープル(51mm長、帝人ファイバー社)50量部と6.7dTのポリエステルステープル(51mm長、クラレ社)50重量部からなるカードウエブ(繊維目付量50g/m)を作成し、ニードルパンチ法にて不織布化し、空気流入層用シートを得た。
(30c) 上記(30a)のスパンレース不織布を4枚重ねて空気流出層用シートを構成し、その上に上記(30b)の空気流入層用シートを積層し、ニードルパンチ法にて積層一体化し、得られた積層体を、バインダー樹脂溶液(ボンコートAN170(大日本インキ化学工業社)20%、ミルベンSM300(昭和高分子社)1%、ミルベンLC10(昭和高分子社)0.1%、水78.9%)中に浸漬し、ゴムマングルで乾燥重量50g/mの割合で樹脂を付着させ乾燥することによりエアフィルタ材料を得た。得られたエアフィルタ材料の厚みは1.4mm、坪量220g/mであり、「平均流量細孔径」、「最小細孔径」及び「最大細孔径」は以下の通りである。
「平均流量細孔径」:27.9μm
「最小細孔径」: 2.9μm
「最大細孔径」: 63.9μm
(評価)
実施例1〜7及び比較例1〜3で作成したエアフィルタ材料のJIS8種塵埃(ダスト)に対する初期通気抵抗(Pa)、初期清浄効率(%)、フルライフ清浄効率(%:ΔPが0.98kPa時)及びライフ(g:ΔPが0.98kPa時)を、JIS D−1612(自動車用エアクリーナー試験法)に従って測定した。得られた結果を表1に示す。
また、エアフィルタ材料をフィルタエレメントに組み立て、JIS8種塵埃とカーボンスーツに対するフィルタ性能を評価した。ダスト透過率に関しては、JIS8種塵埃をΔP=2.94kPaまで負荷させた後、脈動周波数200Hzを30分間負荷させながら通気量20m/分で通気させ、透過率を算出するという方法で測定した。同様に、エアフィルタ材料のカーボンスーツ(軽油燃焼カーボンスーツ、濃度0.04g/m、風速20m/分)に対する初期通気抵抗(kPa)、フルライフ清浄効率(%)及びライフ(g)を、測定した。得られた結果を表2〜4に示す。ここで、フルライフはΔP=2.94kPaとした。
なお、自動車用エアクリーナーとして実用的に許容可能な初期の通気抵抗は、1.9kPa以下である。清浄効率は初期もフルライフ時もできるだけ100%に近いことが望まれている。特に、JIS8種塵埃に対する初期清浄効率については98.5%以上であり、ライフについては、実用上、105g以上であることが望まれている。また、ダスト透過率の数値は小さいほうがダストの透過が小さいことを示している。その目標値は1.5%以下である。


Figure 2008259971
Figure 2008259971
Figure 2008259971
Figure 2008259971
表1〜表4からわかるように、本願発明の具体例である実施例1〜7のエアフィルタ材料から作成されたフィルタエレメントは、初期清浄効率及びフルライフ清浄効率に関し、JIS8種塵埃やカーボンスーツに対して優れた性能を保持すると同時に、初期通気抵抗やダスト透過率やライフの点などでも優れており、バランス良く良好なフィルタ性能を示した。
それに対し、比較例1の場合、空気流出層用シートを構成するスパンレース不織布の平均流量細孔径が比較的大きいが、得られたエアフィルタ材料自体の細孔径が小さすぎるので、エアフィルタ材料の初期通気抵抗が大きすぎるという欠点があり、比較例2の場合、空気流出層用シートを構成する一部のスパンレース不織布の平均流量細孔径が相対的に小さく、得られたエアフィルタ材料自体の平均流量細孔径、最小細孔径、最大細孔径が、それぞれ大きすぎるために、JIS8種塵埃について、エアフィルタ材料のダスト透過率が高すぎるという欠点がある。また、比較例3の場合、空気流入層の繊維目付量が少なすぎるので、空気流入層本来の嵩高さが得られず、嵩不足となったため、エアフィルタ材料のライフが短くなった。
本発明のエアフィルタ材料は、良好な初期通気抵抗、ライフ、ダスト捕集性及び耐ダスト抜け性を有し、カーボンスーツ捕集性についても所定のレベル以上の捕集性を示す。従って、ガソリン、エタノール、軽油、重油等を燃料とする、4ストローク又は2ストロークレシプロエンジン、ロータリーエンジン、ガスタービンエンジンなどの各種内燃機関のエアクリーナー、特に自動車(例えば、オートバイや4輪自動車)用エアクリーナーのフィルタエレメントとして好適に用いることができ、薄型エアフィルタ材料として有用である。
本発明のエアフィルタ材料の断面図である。 本発明のエアフィルタ材料の断面図である。 折れ畳まれたエアフィルタ材料の部分拡大図である。 折れ畳まれたエアフィルタ材料の部分拡大図である。
符号の説明
1 空気流出層
1a、1b、1c、1d、1e スパンレース不織布層
2 空気流入層
P1 折り畳みピッチ
P2 折り畳みピッチ
S1、S2 濾過領域

Claims (11)

  1. 空気流入層と空気流出層とが積層されてなるエアフィルタ材料であって、平均流量細孔径が20〜40μm、最小細孔径が2.4〜3.8μm及び最大細孔径が80μm以下であり、且つ空気流入層が繊維目付量55〜100g/mのニードルパンチ不織布層であり、空気流出層が繊維目付量20〜60g/m、平均流量細孔径50〜90μm、最小細孔径3.0〜10.0μm及び最大細孔径180μm以下のスパンレース不織布層を少なくとも2層以上積層した積層スパンレース不織布であるエアフィルタ材料。
  2. 空気流出層が繊維目付量30〜40g/m、平均流量細孔径50〜75μm、最小細孔径4.0〜8.0μm及び最大細孔径150μm以下のスパンレース不織布層を少なくとも2層以上積層した積層スパンレース不織布である請求項1記載のエアフィルタ材料。
  3. 空気流入層が繊維目付量65〜90g/mのニードルパンチ不織布層である請求項1又は2記載のエアフィルタ材料。
  4. 空気流入層と空気流出層との間にもしくは空気流出層を構成する2以上のスパンレース層のいずれかの層間に、繊維目付量20〜60g/mのコットン層が設けられている請求項1〜3のいずれかに記載のエアフィルタ材料。
  5. コットン層が繊維目付量30〜40g/m、平均流量細孔径50〜80μm、最小細孔径4〜8μm及び最大細孔径が150μm以下である請求項4記載のエアフィルタ材料。
  6. 空気流入側表面にビスカスオイルが付着している請求項4又は5記載のエアフィルタ材料。
  7. 空気流入層と空気流出層とが直接接するように積層されている請求項1〜6のいずれかに記載のエアフィルタ材料。
  8. バインダー樹脂を15〜60g/mの割合で含有する請求項1〜7のいずれかに記載のエアフィルタ材料。
  9. バインダー樹脂を20〜50g/mの割合で含有する請求項8記載のエアフィルタ材料。
  10. 厚みが1.5〜1.9mmである請求項1〜9のいずれかに記載のエアフィルタ材料。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のエアフィルタ材料をフィルタエレメントとして使用する自動車エンジン用エアクリーナー。
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