JP2017113692A - 塩害対策フィルター用濾材 - Google Patents

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【課題】工場、ビル等に外気を取り入れる空調用途としてのJIS B 9908:2001のうち形式2が適用されるやや微細な粉塵用フィルターユニットに使用される塩害対策フィルター用濾材において、長期間の使用においても酸化劣化が抑制された濾材を提供すること。
【解決手段】下流側に配置したポリプロピレンメルトブロー不織布と上流側に配置した支持繊維層の間に吸水性を有する繊維層を配置し積層した少なくとも3層からなる塩害対策フィルター用濾材において、該吸水性を有する繊維層に水溶性の酸化防止剤を添加したことを特徴とする塩害対策フィルター用濾材。
【選択図】図1

Description

本発明は、エアフィルターユニット、主に空調用、エアコン用に使用可能なフィルターユニットに用いられる塩害対策フィルター用濾材に関するものであって、特にJIS B 9908:2001のうち形式2が適用されるやや微細な粉塵用フィルターユニットに使用される濾材であって、主に潮解性の塩分粒子を含有する空気の清浄化フィルターに使用される塩害対策フィルター用濾材に関するものである。
従来一般に工場、ビル等に外気を取り入れる場合、JIS B 9908:2001のうち形式2が適用されるやや微細な粉塵用フィルターユニットを用いる。一般的に前記用途ではガラス繊維よりなる濾材をジグザグ状に折り畳んで枠内に挿入したフィルターが使用されている。こうしたフィルターユニットは外気が比較的乾燥した状態では外気中に含まれる塩分粒子は結晶状の固体粒子となっているため、通常外気中に含まれている粒子と同様に除去することが可能である。しかし、外気が高湿度である場合には一旦フィルターユニットの濾材表面に捕集された塩分粒子が潮解することにより濾材表面に膜状に広がり、圧力損失が急上昇すると共にやがて濾材を通過し、工場、ビル等内に侵入し、塩害をもたらすという問題点があった。また、強風により界面よりの海水粒子の飛散が激しい場合にも液状の海水粒子が飛来するために、同様の現象を生ずる。
塩分捕集に伴う一時的な圧力損失や下流側への再飛散を低減した濾材が考案されている。特に、ポリプロピレン製メルトブロー不織布に代表されるはっ水性を有する繊維層の上流側に繊維の集合体、例えばコットンやレーヨンといったセルロース系繊維に代表される吸水性を有する繊維のメッシュのような繊維束を配列した層を設置した濾材(例えば、特許文献1参照)は、長期間の使用においても海塩粒子の潮解による通気抵抗の上昇や下流側における各種施設内の腐食が抑えられる有用な濾材である。
しかしながら、2年を越える長期間の使用においては濾材の下流側を構成するポリプロピレン製メルトブロー不織布が酸化により脆化する現象が稀に発生する。脆化したポリプロピレン製メルトブロー不織布は強度が低下して物理的に破壊され、下流側にダストとして流れ込む可能性があり、製品安全上問題がある。脆化は主に紫外線によるオゾンが作用している可能性が高く、オゾンが分解して活性化された酸素が下流側のポリプロピレンに作用し、ポリプロピレン直鎖を分解すると考えられている。しかしながらこうした酸化劣化は同時期に同じ場所に導入したポリプロピレンメルトブロー不織布を用いた通常の除塵フィルターでは発生しておらず、上述の塩害対応濾材にのみ発生しているため、吸水層内でオゾンの何らかの分解反応が起きていると推測される。
特開平06−47217号公報
本発明は、工場、ビル等に外気を取り入れる空調用途としてのJIS B 9908:2001のうち形式2が適用されるやや微細な粉塵用フィルターユニットに使用される塩害対策フィルター用濾材において、長期間の使用においても酸化劣化が抑制された濾材を提供するものである。
本発明はかかる問題点に鑑み、鋭意検討した結果得られたものである。すなわち、本発明は以下の通りである。
下流側に配置したポリプロピレンメルトブロー不織布と上流側に配置した支持繊維層の間に吸水性を有する繊維層を配置し積層した少なくとも3層からなる塩害対策フィルター用濾材において、該吸水性を有する繊維層に水溶性の酸化防止剤を添加したことを特徴とする塩害対策フィルター用濾材。
なお、本発明において、上流側とは塩害対策フィルター用濾材を使用時に、濾過対象となる気体の濾材への吸気側を言い、下流側とは濾材により濾過された気体の排気側を言う。
本発明の塩害対策フィルター用濾材は、フィルターユニットの粉塵捕集効率や粉塵供給量と言った一般的なフィルター特性や、塩分捕集時の圧損上昇の抑制、潮解した塩分の濾材下流側への再飛散が少ない塩害対応フィルター用濾材としての基本的な特性を維持しつつ長期間使用による酸化劣化を抑制することができる濾材を提供することが可能となった。
本発明の塩害対策フィルター用濾材の断面図である。 本発明に用いる粒子捕集効率評価設備の概略図である。 本発明に用いる塩分再飛散率評価設備の概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1に本発明における塩害対策フィルター用濾材の断面図を示す。本発明は、プリーツ型フィルターに用いられる塩害対策フィルター用濾材に適用され、該濾材は濾材使用時下流側に配置される3に示されるポリプロピレンメルトブロー不織布と上流側に配置される1に示される支持繊維層の間に、吸水性を有するコットンやレーヨンといったセルロース系繊維に代表される繊維のメッシュ様の繊維層2が配置され積層された濾材である。本発明は前記繊維層2に酸化防止剤が添加されていることを特徴としている。使用される酸化防止剤は吸水性を有する繊維層2に簡易に添着可能であり、オゾンが吸水性を有する繊維層2を通じて活性化された活性酸素を吸水性を有する繊維層2内で除去することが可能な水溶性のものが好ましく、ビタミンC(アスコルビン酸)、クエン酸、コハク酸、マロン酸、マレイン酸といった公知の有機酸類、または水溶性茶カテキンが好適に用いられる。各酸化防止剤は吸水性を有する繊維層2の質量に対して0.1質量%以上添加することで効果が発揮される。
本発明を実現するための具体的な製造方法について説明する。本発明において補強を主目的とする層である上流側に配置される支持繊維層は、ポリプレピレンやポリエステルを主原料としたサーマルボンド不織布や樹脂含浸スパンボンド不織布、レジンボンド不織布といった一般に公知な不織布を好適に用いることができる。支持繊維層としては、厚みが1.0mm以下で、ガーレ法剛軟度で1mN以上の繊維層で圧力損失が出来るだけ小さいもの使用することが好ましい。また抗菌、高カビ性や難燃性を付与したい場合はこうした機能を持つ公知の添加剤が添加された繊維を混ぜてもよい。
本発明の濾材の下流側にはポリプロピレンメルトブロー不織布を用いるが、目開きなどは必要とされる粉塵の捕集効率によって選定される。ポリプロピレンメルトブロー不織布は除塵効率を向上させるためコロナ放電によりエレクトレット化しても良い。
本発明の濾材の中間層は、吸水性を有する繊維として公知であるセルロース系繊維、例えばレーヨン、コットンといった繊維を公知の方式で不織布にして使用する。不織布にする方法は限定しないが、濾材としての通気性を確保するために不織布はメッシュ状であることが好ましく、そのためメッシュ化が可能な水流交絡による方法が好ましい。また、その際形態維持のためセルロース系繊維の他にポリエステル系繊維を混合しても良い。また、不織布の他には該吸水性を有する繊維を糸にして織布状にして使用してもよい。中間層の目付は除去する塩分粒子の負荷量にもよるが、濾材としての適度な強度や厚みを考慮すると40〜100g/mにするのが好ましい。酸化防止剤の吸水性を有する繊維への添加方法は水に溶かした酸化防止剤をディッピング法、スプレー法など公知の方法で添加すればよい。
上流側支持繊維層、中間層、下流側ポリプロピレンメルトブロー不織布各層は公知の方法で接着され、濾材となる。
次に実施例、比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。なお、測定方法は下記の方法で実施した。
(1)目付(g/m
200mm角の寸法で切り出し、秤量して寸法で除した。
(2)厚み(mm)
荷重0.7kPaの厚みを読み取った。
(3)圧力損失・粒子捕集効率
図2のダクト4にサンプル12をセットし、線速10cm/秒に設定した空気を流して濾材の上下流における差圧を差圧計7で測定、圧力損失とした。さらに上流側と下流側の空気をサンプリングし、パーティクルカウンター8を用い0.3〜0.5μmの粒径の粒子数をカウントした。粒子捕集効率(E)は下式を用いて算出した。

粒子捕集効率(E)(%)={1−(下流粒子数/上流粒子数)}×100
(4)NaCl潮解時の再飛散率
有効通風面積が82cm(10.2cmφ)になるようサンプルを切り抜いた後、乾燥重量を測定し「初期重量」(W)とした。次に予め乾燥後粉砕し、400メッシュ(目の開き37μm)の篩いを通過させたNaCl粒子を約1.5g付着させた後、乾燥重量を測定し「NaCl付着後重量」(W)とした。このときWとWの差をNaCl付着量(W)とした。気温20℃、相対湿度90%に調節した実験室内に設置した図3に示す試験装置にNaClを付着させたサンプルをサンプルホルダー8に装着、風速が10cm/s(風量2.94m/hr)となるように流量計9で調節しながら送風機11により通風し、8時間放置した。なお、通風する空気はHEPAフィルター13で無塵空気とした。放置後、サンプルを試験装置より取り出し、乾燥後重量を測定し「NaCl再飛散後の重量」(W)とした。NaClの再飛散量WはWとWの差で表される。NaCl潮解時の再飛散率は下式で表される。

NaCl再飛散率=W/W×100
(5)濾材下流側の酸化劣化度合い
図2のダクト4、流量計9、ブロアー11を酸化劣化トラブルの起きた施設に設置し、濾材をダクトにセットして該施設の外気取入口から外気を24時間で2年間通気した。酸化劣化の度合いは触感による方法と顕微IR−ATR法によりカルボニルの吸収である1740cm−1近辺の吸収の有無で確認した。
以下実施例中および比較例で製造された中間層と上流側、下流側シートとの積層による濾材の製造方法、およびシートの荷電方法を以下に示した。
<濾材の製造方法>
上流側の支持繊維層としての東洋紡株式会社製のポリエステルスパンボンド4066Pに合成ゴム系接着剤を霧状に2g/mで噴霧し、その上に以下実施例および比較例により製造された中間層を積層した。さらに積層された中間層の上にさらに合成ゴム系接着剤を霧状に2g/mで噴霧し、下記に記載の荷電方法でエレクトレット化されたポリプロピレンメルトブロー不織布22g/mを載せ、カレンダーロールを通して3層積層シートを作成した。
<荷電方法>
アース側:アルミ板に厚さ2mmのシリコンシートを敷設した。
電極側:針間隔10mmの針電極
電極−アース間距離:針先端からシリコンシートまで10mm
印加電圧:20kV
荷電時間:30秒
(実施例1)
中間層としてレーヨン/ポリエステル系スパンレース不織布R7055M(ユウホウ株式会社製)にビタミンCをディップ法にて添着、80℃で乾燥し、0.1重量%添着したものを用いた。得られた濾材の物性を表1にまとめた。
(実施例2)
中間層として実施例1で使用した不織布にビタミンCをディップ法にて添着、80℃で乾燥し、0.5重量%添着したものを用いた。得られた濾材の物性を表1にまとめた。
(実施例3)
中間層として実施例1で使用した不織布にクエン酸をディップ法にて添着、80℃で乾燥し、0.1重量%添着したものを用いた。得られた濾材の物性を表1にまとめた。
(比較例1)
中間層としてレーヨン/ポリエステル系スパンレース不織布R7055M(ユウホウ株式会社製)を未処理のまま用いた。得られた濾材の物性を表1にまとめた。
本発明によって得られた塩害対策フィルター用濾材は、塩分捕集を目的とする中間層の吸水性を有する繊維層に酸化防止剤を添付しているため、本来の塩分捕集性能を維持しつつ微粉塵を捕集するポリプロピレンメルトブロー不織布の長期間の耐酸化性を有することでより長期間の使用に耐えることが可能となった。これは空調用途におけるプリーツタイプの塩害対策フィルターの分野では非常に有効である。
1 : 支持繊維層(上流層)
2 : 吸水性を有する繊維層(中間層)
3 : メルトブロー不織布層(下流層)
4 : ダクト
5 : 上流側サンプリング管
6 : 下流側サンプリング管
7 : 差圧計
8 : パーティクルカウンター
9 : 流量計
10: バルブ
11: ブロアー
12: 評価サンプル
13: HEPAフィルター

Claims (1)

  1. 下流側に配置したポリプロピレンメルトブロー不織布と上流側に配置した支持繊維層の間に吸水性を有する繊維層を配置し積層した少なくとも3層からなる塩害対策フィルター用濾材において、該吸水性を有する繊維層に水溶性の酸化防止剤を添加したことを特徴とする塩害対策フィルター用濾材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019013903A (ja) * 2017-07-10 2019-01-31 タイガースポリマー株式会社 不織布濾過材およびその製造方法

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