JP4407851B2 - 不織布フィルター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、花粉やハウスダスト等を取り除き、アレルギー症状を軽減させるためのフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スギ花粉の大量飛散や、都市化の進展に伴う大気汚染により粘膜が過敏になったこと等が原因と考えられる花粉症が深刻な問題になっている。また、住宅の気密性の向上等の住宅事情の変化により、ダニ等が原因のハウスダストによるアレルギーも年々増化している。このようなアレルゲンを体内に取り込まない為の一般的な予防法としては、フィルター類を使用した製品の使用が挙げられる。このような製品としては、室内の空気の浄化を目的にしたものと、人体に装着して吸気を浄化するものに分類される。前者の代表例としては、空気清浄機やエアコンが挙げられるが、これらは環境に働きかけるので、広い場所での使用や移動時の使用は困難である。後者の代表例としてはマスクが一般的であり、室内のみならず戸外でも、場所を選ばず使用できる利点があるが、一般的なガーゼマスクでは花粉やハウスダストの捕捉が不充分であり、アレルギー症状軽減効果は今一つである。
この様な状況に対応し、近年、アレルギー症状を軽減させる高機能フィルターを取り付けたマスクが数多く市販されている。代表例として、活性炭入りフィルターや積層フィルター、静電フィルター(エレクトレットフィルター)が挙げられる。
【0003】
活性炭入りフィルター、各種素材のシートを積層させたたフィルター(特開平8−170262号公報)については、活性炭の空隙や繊維間で物理的に花粉やダストを捕捉しているに過ぎないことから、一度捕集した花粉やハウスダスト等が再飛散する可能性があり、効果が表れにくいものである。
【0004】
静電フィルターは分極させた繊維を使用したもので、マイナス荷電を帯びた花粉やダストを電気的に吸着させるものである。しかし、該作用は電気的なものであるため、湿気を与えたり、洗ったりすることで効力が低減したり、消滅してしまうため、その後の効果については前記積層フィルターや活性炭入りフィルターと同様である。
【0005】
そこで、捕捉した花粉の再飛散を防ぎ、効果を継続させる目的で、保湿(保水)タイプ、すなわち一定湿度を保持するタイプのマスク(実開平5−95556号公報、実開平6−70748号公報、実開平4−67460号公報、実開平4−20362号公報、特開平2−274265公報)が提案されている。マスクやマスク用の口当てガーゼを水で濡らして絞ったものを装着して使用することで、集塵力が高まることは経験上知られたことであるが、シートが充分にぬれる程に水分を含浸させると、通気性が悪くなるという不具合があり、通気性を確保する為に液量を減らしたり空隙の多いシートに含浸させたりした場合、花粉やダストの捕捉効果が減少するという欠点がある。
【0006】
一方、風邪や花粉症の対症療法を目的とし、香料や清涼化剤または各種薬剤を含浸させたタイプのマスク(実開平6−66695号公報、実開平1−133941号公報、特開昭58−157149号公報、特開昭63−127644号公報、特開平7−148280号公報)も提案されている。これらは、鼻や喉に清涼感や湿り気を与えることで効果感が得られ、症状を緩和させることは可能であるが、根本的な症状軽減とは言えず、マスク本来の捕捉効果が向上しているわけでもない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べてきたように、従来品は花粉やダストの捕捉効果が十分でなく、あるいは通気性が良くないため、効果の実感や使用感が低いものであった。
従って、本発明の目的は、花粉やダストの捕捉効果が高く、花粉症予防剤等の薬剤を含浸させても通気性が良好で、効果の実感及び使用感に優れた不織布フィルターを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記実情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定繊度の疎水性不織布の少なくとも片面に、親水性繊維及び/又は疎水性繊維を配して一体化した不織布フィルターに花粉予防剤等の液剤を含浸させることにより、塵や花粉等を補足するフィルター効果を保ちつつ、優れた通気性を確保したフィルターシートを発明するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下の(1)〜(4)に存する。
(1) 疎水性不織布の少なくとも片面に、親水性繊維及び/又は疎水性繊維を配し、水流交絡により一体化した不織布フィルターであって、疎水性不織布を構成する繊維の繊度が、5〜20デニールの太さを有すると共に、疎水性不織布に、疎水性不織布の重量に対して2〜4倍量の液剤を含浸させたことを特徴とする不織布フィルター。
(2) 疎水性不織布の目付は、10〜100g/m2であり、不織布フィルターの単位面積当たりの重量は、50〜200g/m2であることを特徴とする上記(1)記載の不織布フィルター。
(3) 含浸液剤が、花粉症予防剤であることを特徴とする上記(1)記載の不織布フィルター。
(4) 最外層を疎水性不織布で覆ったことを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれかの項記載の不織布フィルター。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の不織布フィルターは、例えば、▲1▼疎水性不織布の片面に親水性繊維または疎水性繊維を配した構造、▲2▼疎水性不織布の両面に親水性繊維または疎水性繊維を配した構造、▲3▼疎水性不織布の片面に親水性繊維(または疎水性繊維)を配し、他の面に疎水性繊維(または親水性繊維)を配した構造、▲4▼疎水性不織布の片面または両面に親水性繊維と疎水性繊維の混合繊維を配した構造、あるいは、上記▲2▼の構造で、片面を親水性繊維と疎水性繊維の混合繊維とした構造等とすることができる。
【0011】
次に、本発明不織布フィルターの構造を図面により説明する。図1は、本発明不織布フィルターの一態様を表す断面の模式図であり、疎水性不織布1の片面には、親水性繊維(または疎水性繊維)2aが配され、疎水性不織布1と親水性繊維(または疎水性繊維)2aは、後述する水流交絡により互いに絡まり合い一体化している。ここで、交絡後も疎水性不織布1自体の形状は変化しないため、境界3により一応の層構造が認識できるが、実際には個々の親水性繊維(または疎水性繊維)2aが境界3を越えて疎水性不織布1の奥深くまで入り込み、絡み合っている。
図2は、境界3を越えた繊維の交絡状態を模式的に表現したものであり、親水性繊維(または疎水性繊維)2aが境界3を越えて疎水性不織布1の奥深くまで入り込み、疎水性不織布1と絡み合っている状態を示す。
図3は、本発明不織布フィルターの別の態様を表す断面の模式図である。この態様では、疎水性不織布1の片面には、親水性繊維(または疎水性繊維)2aが配され、他の面には、親水性繊維と疎水性繊維との混合繊維2bが配されている。
【0012】
疎水性不織布として用いられる繊維としては、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド系、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン等の熱可塑性合成樹脂の繊維が好ましく、特に、ポリオレフィン系、ポリエステル系の樹脂がより好ましい。また、2種以上の繊維の混繊を用いることもできる。
疎水性不織布を構成する該繊維の繊度は、5〜20デニール程度、特に10〜20デニールのものを用いることが好ましい。なお、繊度が5デニール未満では、不織布フィルターとしての空隙率が小さくなり、通気性が低下する傾向にある。一方、20デニールより大きい場合は、不織布フィルターが硬くなり、口元へのフィット性に欠ける傾向がある。
上記のような熱可塑性合成樹脂繊維等からなる不織布は、例えばスパンボンド法、スパンレース法、メルトブロー法等の各種公知の製法によって製造されるが、既述の繊度を効率的に製造できるスパンボンド不織布が好ましい。不織布の目付は特に制限はないが、10〜100g/m2が好ましく、20〜60g/m2がより好ましい。目付が10g/m2未満であると地合が不均一となって不織布フィルター性能にバラツキが出易くなる傾向があり、100g/m2を越えると不織布フィルターが硬くなる傾向がある。
【0013】
片面または両面に配する親水性繊維としては、特に限定されるものではないが、例えばセルロース系繊維である、パルプ、綿、キュプラ、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン等の再生セルロース系繊維等が好ましく、特にレーヨンがより好ましい。また、2種以上の繊維の混繊を用いることもできる。親水性繊維の繊度は特に限定されないが、汎用として使われている0.8〜3.0デニールのものを好適に利用できる。繊度が0.8デニール未満では繊維間が密となり通気性が低下する傾向があり、逆に3.0デニールを超えるとフィット感が低下する傾向がある。
【0014】
片面または両面に配する疎水性繊維としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性合成繊維であるポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド系、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン等の繊維が用いられ、好ましくはポリオレフィン系、ポリエステル系の繊維が、さらに好ましくは、ポリエステル系のポリエチレンテレフタレートが用いられる。また、2種以上の繊維の混繊を用いることもできる。更に、これらの繊維に界面活性剤等で親水処理を施したものでもよい。疎水性繊維の繊度は特に限定されないが、0.8〜3.0デニールのものが好ましい。繊度が0.8デニール未満では、繊維間が密となり通気性が低下する傾向があり、3.0デニールを越えるとフィット感が低下する傾向がある。
【0015】
不織布フィルターの製造方法としては、疎水性不織布の片面または両面に、親水性繊維及び/または疎水性繊維のウェブを形成せしめ、高圧のジェット水流を不織布の片側または両面から噴射し、中央層の疎水性不織布と、片面または両面の繊維ウェブを交絡させる水流交絡法が好ましい。水流交絡法以外の方法、例えばサーマルボンド法やケミカルボンド法では、繊維間が接着されてフィルターが硬くなる上、疎水性不織布の内部に親水性及び/または疎水性繊維が侵入しないことから、花粉症予防剤を含浸させた時の含浸性が低下し好ましくない。
【0016】
不織布フィルターの単位面積当たりの重量は、50〜200g/m2の範囲が好ましく、80〜130g/m2の範囲がより好ましい。単位面積当たりの重量が50g/m2未満であると花粉捕捉性が低下し、200g/m2を越えるとフィット感が低下し好ましくない。
【0017】
不織布フィルターの厚さは、0.5〜20mm程度が好ましく、この内、疎水性不織布層の厚さは0.1〜1.0mm程度が好ましい(ピ−コック アップライトダイヤルゲージを用い、8g/cm2の荷重をかけて測定した場合)。
【0018】
本発明の不織布フィルターには、水その他の液剤を含浸させることができる。これにより、捕捉した花粉の再飛散を防ぐと同時に、鼻や喉にうるおいを補給して、症状を緩和する効果が向上するため好ましい。液剤としては、例えば、水、花粉症予防剤、各種香料、清涼化剤配合液を挙げることができる。ここで、花粉症予防剤とは、例えば、花粉を吸着させる作用をもった物質や、抗原を失活させる作用のある成分等であり、好ましくは、花粉を吸着するだけでなく溶出抗原を不活性化できる成分が挙げられる。例えば、動的光散乱法により測定した平均粒子径が1〜5000nm、電気泳動光散乱法により測定したゼータ電位の絶対値が30mV以上、および粉末X線回折法により求められた純度が90%以上である水膨潤性粘度鉱物を配合した花粉症予防剤が好ましい(特開平9−157152号公報、特願平10−196798号公報)。特に好ましいものの具体例としては、グアニジン誘導体またはスメクタイト粘土鉱物(ベントナイト、モンモリロナイト、サポナイト等)が挙げられる。この花粉症予防剤を含浸させることにより、花粉をより強固に吸着したり、抗原を失活させることが可能となり、更に高機能なフィルターとすることができる。
【0019】
水その他の液剤の含浸量は、疎水性不織布の重量に対し2〜4倍量が最適である。2倍量未満では花粉の吸着や失活が十分でなく、4倍量を越えると通気性が低下して、使用に際して息苦しさを感じ好ましくない。
【0020】
また、本発明の不織布フィルターを水その他の液剤を含浸したフィルターとして使用する場合、マスクや肌が直接濡れるのを防ぎ、使用性を向上させるために、最外層をさらに疎水性不織布で覆うこともできる。該疎水性不織布を構成する繊維としては、特に限定はなく、例えば、熱可塑性合成繊維であるポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド系繊維、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン等の繊維が好ましく、特にポリオレフィン系、ポリエステル系の繊維が好ましい。構成繊維の繊度は、特に限定されないが、0.5〜30デニールが好ましい。該疎水性不織布は、スパンボンド法、スパンレース法、メルトブロー法、サーマルボンド法等各種公知の製法によって製造されたものを利用可能であるが、フィルターからの水その他の液剤の浸み出しを防ぎ、通気性を低下させないものとして、スパンボンド不織布が好ましい。この場合の疎水性不織布の坪量としては、20〜60g/m2程度が好ましい。
【0021】
不織布フィルターを、上記疎水性不織布で覆う方法としては、特に限定はなく、不織布フィルターの両面層に接着及び/又は融着する方法、不織布フィルターを挟む方法、不織布フィルターを袋状の疎水性不織布中に入れる方法等が例示される。
【0022】
本発明の不織布フィルターは、例えば、マスク用フィルター、空気清浄機用フィルター、エアコン用フィルター等の用途に用いることができる。
また、疎水性不織布で覆った不織布フィルターをマスク用フィルターとして使用する場合は、マスクの内側に直接当てて使用しても良いが、使用時のズレを考慮して、任意のズレ防止手段を講じることが望ましい。ズレ防止手段としては、特に限定はなく、例えば、疎水性不織布を構成する繊維として摩擦係数の高い繊維を使用する方法、疎水性不織布に起毛加工を施す方法、マジックテープや粘着テープで止め付ける方法、マスクにポケットを形成し内側に入れる方法等を挙げることができる。
【0023】
【実施例】
次に、実施例、試験例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに制約されるものではない。
【0024】
実施例1
表1及び2に示す組成の不織布フィルター(本発明品1〜9および比較品1〜7)を製造し、花粉捕捉性、息苦しさ、花粉症予防剤含浸時の含浸性及びフィット感を評価した。該不織布フィルターは、疎水性不織布(A〜F)の両面又は片面に、親水性繊維(R)、疎水性繊維(P、N)またはこれらの一定比率の混合物を配し、水流交絡により一体化したものを使用した。その結果を併せて表1及び2に示す。
なお、表中の記号は以下の意味を有する。
疎水性不織布(ポリプロピレンスパンボンド不織布)
A:18デニール、50g/m2
B:11デニール、50g/m2
C:11デニール、80g/m2
D: 6デニール、50g/m2
E: 3デニール、50g/m2
F:22デニール、50g/m2
親水性繊維
R:レーヨン繊維(1.5デニール)
疎水性繊維
P:ポリエステル繊維(1.5デニール)
N:ポリエチレン/ポリエステル複合繊維(1.5デニール)
【0025】
<評価法>
1.花粉捕捉性:
サンプルフィルターに20mgの花粉をアスピレーターで吸引しながら流し、通過花粉量から花粉捕捉率を算出し、以下の基準に従って評価した。
(評価基準)
◎:80%以上
○:80%未満、60%以上
△:60%未満、30%以上
×:30%未満
【0026】
2.息苦しさ:
75×75mmにカットしたフィルターで、鼻と口を覆った状態で呼吸したときの息苦しさを、以下の基準に従って官能評価した。
(評価基準)
◎:全く息苦しくない
○:息苦しくない
△:やや息苦しい
×:息苦しい
【0027】
3.含浸性:
75×75mmにカットしたフィルターに、花粉症予防剤を3倍量含浸させた時の吸液性および拡散性を、以下の基準に従って官能評価した。
(評価基準)
○:吸液性、拡散性共に良好である
△:吸液性、拡散性共にやや良くない
×:吸液性も、拡散性も良くない
【0028】
4.フィット感:
マスクの内側に当てて使用したときの、顔へのフィット感を、以下の基準に従って官能評価した。
(評価基準)
◎:フィット感が非常に良い
○:フィット感が良い
△:フィット感がやや良くない
×:フィット感が良くない
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
実施例2
表3に示す組成の液剤を含浸させた不織布フィルター(本発明品10〜14)を製造し、花粉捕捉性及び息苦しさを評価した。その結果を表3に示す。なお、使用した不織布フィルターは、ポリプロピレンスパンボンド不織布(50g/m2、11d)の両面に、ポリエステル(1.5d)/レーヨン(1.5d)=50/50の混合繊維を各30g/m2ずつ配し、水流交絡により一体化したものを使用した。なお、花粉失活性については、含浸薬剤単独でスギ花粉失活性を評価した。
【0032】
<評価法>
1.花粉捕捉性と息苦しさは前記と同様に評価した。
2.花粉失活性:
スギ花粉30mgにアルギニン0.1%、液剤5ccを加え、40℃にて1時間放置した後、ヒト血清IgEを用いたELISA法により抗原量を測定し、以下の基準に従って評価した。
(評価基準)
○:ブランクに比べ、抗原量の低減が認められる
×:ブランクに比べ、抗原量の低減が認められない
【0033】
【表3】
【0034】
実施例3
表4に示す組成及び製造方法等で疎水性不織布を調製し、この疎水性不織布で液剤含浸不織布フィルターを覆い、被覆タイプの本発明不織布フィルター(本発明品15〜20)を製造した。このフィルターについて、含浸液の染み出し、肌当たりおよび息苦しさを以下の基準に従って評価した。なお、不織布フィルターは、ポリエチレンスパンボンド不織布(50g/m2、11d)の両面に、ポリエステル(1.5d)/レーヨン(1.5d)=50/50の繊維を各30g/m2ずつ配し、水流交絡により一体化したものを使用した。
また、含浸液剤には、ベンナイト(粒子径200nm、純度98%、ゼータ電位絶対値45mV)0.3%、1,3−ブチレングリコール20.0%、パラオキシ安息香酸メチル0.2%、ピロクトンオラミン0.005%、炭酸ナトリウム0.045%、香料0.03%、精製水バランスの配合組成のものを使用し、不織布フィルターへの含浸倍率は3倍とした。
更に、最外層疎水性不織布は三方ヒートシールにより袋状とし、液剤含浸不織布フィルターを挿入して使用した。
なお、表中の記号は以下の意味を有する。
【0035】
<評価法>
1.息苦しさは前記と同様に評価した。
2.含浸液染み出し:
マスクの内側に当てて使用したときの、顔やマスクへの含浸液の染み出し、以下の基準に従って官能評価した。
(評価基準)
◎:染み出しが全くない
○:染み出しが若干あるが、気にならない
×:染み出しがある
3.肌当たり:
マスクの内側に当てて使用したときの、肌当たりを、以下の基準に従って官能評価した。
(評価基準)
○:肌当たりが良い
△:肌当たりがやや良くない
×:肌当たりが良くない
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明の不織布フィルターは、花粉やダストの捕捉効果に優れ、捕捉した花粉やダストの再飛散がなく、通気性が良好で、フィット性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明不織布フィルターの1態様の断面を示す模式図。
【図2】 境界を越えた繊維の交絡状態を表現した模式図。
【図3】 本発明不織布フィルターの別の態様の断面を示す模式図。
【符号の説明】
1 :疎水性不織布
2a:親水性繊維(または疎水性繊維)
2b:混合繊維
3 :境界
Claims (4)
- 疎水性不織布の少なくとも片面に、親水性繊維及び/又は疎水性繊維を配し、水流交絡により一体化した不織布フィルターであって、疎水性不織布を構成する繊維の繊度が、5〜20デニールの太さを有すると共に、疎水性不織布に、疎水性不織布の重量に対して2〜4倍量の液剤を含浸させたことを特徴とする不織布フィルター。
- 疎水性不織布の目付は、10〜100g/m2であり、不織布フィルターの単位面積当たりの重量は、50〜200g/m2であることを特徴とする請求項1記載の不織布フィルター。
- 含浸液剤が、花粉症予防剤であることを特徴とする請求項1記載の不織布フィルター。
- 最外層を疎水性不織布で覆ったことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの項記載の不織布フィルター。
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