JP6895636B2 - 液体処理装置 - Google Patents

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Description

本開示は、液体処理装置及び液体処理方法に関する。
従来の高電圧パルス放電を用いた液体処理装置としては、例えば、特許文献1に記載のものがある。図12は、特許文献1に記載された従来の殺菌装置の構成図を示すものである。
図12に示す殺菌装置1は、円柱状の高電圧電極2と板状の接地電極3とを対とする放電電極6で構成されている。高電圧電極2は、先端部2aの端面を除いて絶縁体4で被覆されて、高電圧電極部5を形成している。また、高電圧電極2の先端部2aと接地電極3とは、所定の電極間隔を設けて、処理槽7内で被処理水8に浸漬された状態で対向配置されている。高電圧電極2と接地電極3とは、高電圧パルスを発生する電源9に接続されている。両方の電極間に2から50kV/cm、100Hzから20kHzの負極性の高電圧パルスを印加し放電を行う。そのエネルギーによる水の蒸発、および衝撃波に伴う気化により、水蒸気を含む気泡10、および気泡10による噴流11が発生する。また、高電圧電極2付近で生成されるプラズマによりOH、H、O、O2−、O、およびHを発生させ、被処理水8中の微生物および細菌を死滅させる。
特開2009−255027号公報
しかしながら、特許文献1に記載の殺菌装置1では、高電圧電極2の先端部2aが負極性となるため、被処理水8中に存在するCa又はMgなどの水垢の成分が高電圧電極2の先端部2aに析出し、電極間抵抗が著しく高くなる現象がみられる。その結果、放電の持続性の妨げとなり、殺菌装置1の水処理性能が低下する。このため、Ca又はMg成分などを含む一般の水道水を被処理水に使用することが出来ず、汎用性に問題がある。
そこで、本開示は、電極に析出するCa又はMgなどの鉱物を含む水垢を被処理水中に再溶解させることで、安定した水処理性能を維持できる液体処理装置及び液体処理方法を提供する。
本開示の一態様に係る液体処理装置は、液体を貯めるための筐体と、前記筐体内に少なくとも一部が配置される第1の電極と、第2の電極と、第3の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に、前記第2の電極に対して前記第1の電極が実効的に正となる第1の電圧を印加する第1の電源と、前記第2の電極と前記第3の電極との間に、前記第2の電極に対して前記第3の電極が実効的に負となる第2の電圧を印加する第2の電源と、を備える。前記第1の電源は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記第1の電圧を印加することによって、前記液体内に含まれる気泡内にプラズマを発生させる。
また、本開示の一態様に係る液体処理方法は、液体を貯めるための筐体と、前記筐体内に少なくとも一部が配置される第1の電極と、第2の電極と、第3の電極とを備える液体処理装置を準備する工程と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に第1の電圧を印加することによって、前記液体内に含まれる気泡内にプラズマを発生させる工程と、前記プラズマを発生させる工程の後に、前記第2の電極と前記第3の電極との間に第2の電圧を印加することによって、前記第2の電極をクリーニングする工程とを含む。
本開示の液体処理装置及び液体処理方法によれば、安定した水処理性能を維持できる。
実施の形態1に係る液体処理装置の全体構成の一例を示す概略図である。 実施の形態1に係る液体処理装置の電極ユニットの構成の一例を示す断面図である。 溶媒のpH変化における炭酸カルシウムの溶解度特性を示す図である。 実施の形態1に係る液体処理装置における初期のインディゴカーミンの分解特性を示す図である。 実施の形態1に係る液体処理装置における動作を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る液体処理装置における電極リフレッシュ処理前の第2の電極の様子を示す図である。 実施の形態1に係る液体処理装置における電極リフレッシュ処理後の第2の電極の様子を示す図である。 電極リフレッシュ処理前の第2の電極の拡大図である。 電極リフレッシュ処理後の第2の電極の拡大図である。 実施の形態1に係る液体処理装置において図5の動作を行った場合のインディゴカーミンの分解特性を示す図である。 実施の形態2に係る液体処理装置の電極ユニットの構成の一例を示す断面図である。 実施の形態3に係る液体処理装置の電極ユニットの構成の一例を示す断面図である。 実施の形態4に係る液体処理装置の全体構成の一例を示す概略図である。 従来の液体処理装置の構成を示す図である。
(本開示の概要)
本開示の一態様に係る液体処理装置は、液体を貯めるための筐体と、前記筐体内に少なくとも一部が配置される第1の電極、第2の電極及び第3の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に、前記第2の電極に対して前記第1の電極が実効的に正となる第1の電圧を印加する第1の電源と、前記第2の電極と前記第3の電極との間に、前記第2の電極に対して前記第3の電極が実効的に負となる第2の電圧を印加する第2の電源と、を備える。前記第1の電源は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記第1の電圧を印加することによって、前記液体内に含まれる気泡内にプラズマを発生させる。
ここで、前記気泡が前記第1の電極の少なくとも一部を覆っていてもよい。
これにより、本開示の一態様に係る液体処理装置は、第1の電源が第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することで放電させ、放電により発生したプラズマによってOHラジカル等を生成する。つまり、本開示の液体処理装置は、酸化力のある液体を生成できる。また、第2の電源が第2の電極と第3の電極との間に電圧を印加することで、第2の電極に析出したCa又はMgを含む水垢(以降、析出物と呼ぶ)を液体中に再溶解させることができる。つまり、第2の電極に析出する析出物を除去することができる。これにより、本開示の一態様に係る液体処理装置によれば、第2の電極に析出した析出物が原因で起こる第1の電極と第2の電極との間のインピーダンスの上昇を抑制することができる。つまり、インピーダンスが上昇することでプラズマ放電の安定性が低下することを抑制することができる。これにより、本開示の一態様に係る液体処理装置は酸化力がある液体の生成を維持することができるので、安定した水処理性能を維持できる。
本開示の一態様に係る液体処理装置において、第2の電極の少なくとも一部が前記筐体内に配置されていてもよい。本開示の一態様に係る液体処理装置において、第3の電極の少なくとも一部が前記筐体内に配置されていてもよい。
また、本開示の一態様に係る液体処理装置において、前記第2の電極は、酸化されない材質で構成されていてもよい。
これにより、第2の電極の構成材料の酸化物が不動態を形成することで継続的に電流を流すことが不可能となることを抑制できる。
また、本開示の一態様に係る液体処理装置において、前記第3の電極は、水素よりイオン化傾向の小さい材質で構成されていてもよい。
これにより、第2の電極と第3の電極との間に電圧を印加した場合に、第3の電極が酸化されることを抑制できる。つまり、第3の電極の寿命が長くなる。
また、本開示の一態様に係る液体処理装置において、前記第2の電源は、直流電源であってもよい。
これにより、簡単な電源構成で電圧を生成できる。
また、本開示の一態様に係る液体処理装置において、前記第2の電源は、半波整流電源であってもよい。
これにより、一般家庭のAC電源から容易に半波整流電圧を生成できる。
また、本開示の一態様に係る液体処理装置は、さらに、前記液体内に気体を供給する気体供給部を備え、前記気泡は、前記気体供給部が前記液体内に前記気体を供給することによって発生してもよい。
これにより、例えば、気体供給部で供給する気体の量を調整することで、容易に第1の電極の少なくとも一部を覆う気泡を発生させることができる。また、プラズマにより特定の物質、例えば窒素ラジカル又はオゾンなどを生成したい場合、本開示の液体処理装置は、気体供給部から供給する気体の種類を変えることで、容易に特定の物質を生成できる。
また、本開示の一態様に係る液体処理装置において、前記気泡は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記第1の電圧が印加されることにより前記液体が気化することによって発生してもよい。
これにより、本開示の液体処理装置は、例えば、気体供給部を有しない簡易な構成でプラズマを生成し液体を処理できる。
また、本開示の一態様に係る液体処理装置は、さらに、制御部を備え、前記制御部は、前記第1の電源に、前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記第1の電圧を印加させることによって、前記気泡内にプラズマを発生させ、前記プラズマを発生させた後に、前記第2の電源に、前記第2の電極と前記第3の電極との間に前記第2の電圧を印加させることによって、前記第2の電極をクリーニングさせてもよい。
これにより、第1の電極と第2の電極との間での放電の後、第2の電極と第3の電極との間に電圧を印加することで、放電中に第2の電極に析出した析出物を液体中に再溶解させることができる。つまり、本開示の一態様に係る液体処理装置によれば、第2の電極に析出する析出物を除去することができるので、第2の電極に析出した析出物が原因で起こる、第1の電極と第2の電極との間のインピーダンスの上昇を抑制することができる。これにより、本開示の一態様に係る液体処理装置は安定してプラズマ放電を継続することができる。つまり、本開示の一態様に係る液体処理装置は酸化力がある液体の生成を維持することができるので、安定した水処理性能を維持できる。
また、本開示の一態様に係る液体処理方法は、液体を貯めるための筐体と、前記筐体内に少なくとも一部が配置される第1の電極と、第2の電極と、第3の電極とを備える液体処理装置を準備する工程と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に第1の電圧を印加することによって、前記液体内に含まれる気泡内にプラズマを発生させる工程と、前記プラズマを発生させる工程の後に、前記第2の電極と前記第3の電極との間に第2の電圧を印加することによって、前記第2の電極をクリーニングする工程とを含む。
これにより、本開示の一態様に係る液体処理方法によれば、上記液体処理装置と同様の効果を奏する。
(実施の形態1)
以下、図1〜図8を用いて、実施の形態1を説明する。
[1−1.構成]
まず、本実施の形態に係る液体処理装置の構成について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、本実施の形態における液体処理装置100の全体構成の一例を示す概略図である。図1において、液体処理装置100は、筐体101、第1の電極102、第2の電極103、第3の電極1003、第1の電源104、第2の電源1004、気体供給部105及び制御部140を備える。図1に示すように、本実施の形態に係る液体処理装置100は、筐体101の内部に、第1の電極102、第2の電極103及び第3の電極1003が配置される。つまり、第1の電極102、第2の電極103及び第3の電極1003は、少なくとも一部が筐体101内の被処理水109に浸漬される。第1の電源104は、第1の電極102と第2の電極103との間に接続されており、それぞれの電極間に電圧を印加する。第2の電源1004は、第2の電極103と第3の電極1003との間に接続されておりそれぞれの電極間に電圧を印加する。第1の電源104と第2の電源1004とは、制御部140に接続されている。
また、第1の電極102には、筐体101内に気体110を供給する気体供給部105が接続される。供給された気体110は、第1の電極102を覆う気泡111を形成する。
なお、本実施の形態では、気体供給部105を有する構成としているが、本開示の液体処理装置100において、気体供給部105は必須の構成ではない。後述するが、本開示の液体処理装置100は気体供給部105を有しない構成、つまり気体110を供給しない構成でもよい。
[1−1−1.筐体]
図1に示すように、例えば、被処理水109は筐体101内を上流側(矢印130)から下流側(矢印131)に向かって流れる。つまり、筐体101は、被処理水109の流路を形成する。筐体101内は、例えば、被処理水109で満たされている。具体的には、筐体101は、例えば、被処理水109が流れる配管などである。なお、被処理水109は、流水(動水)である必要はなく、静水でもよい。つまり、筐体101は、被処理水109を貯めるため空間を形成するのもであってもよい。
筐体101は、管状の部材であれば、いずれの形状又はサイズによって構成されてもよい。筐体101の断面は、例えば、方形、三角形、又はその他の多角形であってもよい。また、筐体101は、内径5mmの円筒管のPMMA(Polymethyl Methacrylate)樹脂から形成されてもよい。なお、筐体101を形成する材料は、PMMA樹脂に限定されるものではなく、耐プラズマ性、耐熱性を有する材料であればよい。
また、感電を防止するため、筐体101は接地されていてもよい。
[1−1−2.電極ユニット]
次に、液体処理装置100における、第1の電極102を含む電極ユニット150について説明する。電極ユニット150は、第1の電極102のみを有する簡単な構成であってもよい。また、電極ユニット150は、様々な構成を用いてもよい。例えば、電極ユニット150は、第1の電極102の周囲に絶縁体が配置されてもよい。以下では、第1の電極102を含む電極ユニット150の一例として、図2に示すように第1の電極102aの周囲に空間108を形成するように絶縁体106が配置された電極ユニット150aについて、説明する。
図2は、本実施の形態に係る液体処理装置100における、電極ユニット150aの一例を示す断面図である。図2に示す電極ユニット150aは、第1の電極102aと、絶縁体106と、保持ブロック121とを備える。
第1の電極102aは、筐体101内に配置される金属電極部122と、保持ブロック121に接続固定されるとともに第1の電源104と接続される金属固定部123とを備える。金属電極部122の周囲には、空間108を形成するように絶縁体106が設けられる。つまり、空間108は、絶縁体106と金属電極部122との間に形成される。また、絶縁体106には、筐体101内と、空間108とを連通する開口部107が設けられる。
金属固定部123は、外周にネジ部124と、内部に貫通孔125とを備える。気体供給部105は、貫通孔125を介して空間108に気体110を供給する。供給された気体110は、開口部107から被処理水109中に気泡111として放出される。保持ブロック121は、内部に金属固定部123のネジ部124と螺合するネジ部126とを備える。
また、電極ユニット150aは、保持ブロック121を介して筐体101に保持される。
[1−1−2−1.第1の電極]
第1の電極102aは、筐体101内に少なくとも一部が配置される。第1の電極102aは、プラズマ112を生成するときの反応電極として機能する。前述したように、第1の電極102aは、金属電極部122と、金属固定部123とを備える。金属電極部122と金属固定部123とは、異なるサイズ又は異なる材料の金属から形成されてもよい。例えば、金属電極部122は、直径0.8mmの円柱形状を有し、材料はタングステン又はタングステン合金などの耐プラズマ性の金属材料から形成されてもよい。また、例えば、金属固定部123は、直径4mmの円柱形状を有し、材料はSUS材又は銅合金材から形成されてもよい。
なお、金属電極部122のサイズ及び材料はこれに限定されない。金属電極部122の直径は、プラズマ112が発生する直径であればよく、例えば、直径2mm以下であってもよい。また、金属電極部122の形状は、円柱形状に限定されない。筐体101内の金属電極部122は、一端から他端までの径が実質的に変わらない柱状であってもよい。このような柱状の電極は、針状のように端に向かうほど細くなり最端部では実質的な厚みが無い形状に比べて、先端部に過度に電界が集中することを抑制でき、使用することによって電極が劣化することを抑制できる。また、金属電極部122の材料は、タングステン又はタングステン合金に限られるものではなく、他の耐プラズマ性の金属材料を用いてもよい。例えば、金属電極部122の材料は、耐久性は悪化するが、銅、アルミニウム、鉄、白金、又はそれらの合金から形成されてもよい。さらに、金属電極部122の表面の一部に、導電性物質が添加された酸化イットリウムが溶射されてもよい。導電性物質が添加された酸化イットリウムは、例えば1〜30Ωcmの電気抵抗率を有する。酸化イットリウムの溶射により、電極寿命が長くなる。
また、金属固定部123のサイズ及び材料はこれに限定されない。金属固定部123の直径は、4mmに限られるものではなく、その寸法は金属電極部122の直径よりも大きいものであればよい。また、例えば、金属固定部123の材料は、加工し易い金属材料であればよい。金属固定部123の材料は、例えば、一般的なネジに用いられている材料である、銅、亜鉛、アルミニウム、錫及び真鍮等であってもよい。
第1の電極102aは、例えば、金属電極部122を金属固定部123に圧入することによって形成され得る。このように、金属電極部122にプラズマ耐性の高い金属材料が用いられ、金属固定部123に加工し易い金属材料が用いられることにより、プラズマ耐性を有しながら、製造コストが低く、特性が安定化した第1の電極102aを実現できる。
また、金属電極部122と金属固定部123とを同一材質、あるいは異材質の成型加工工法で形成することも可能である。
金属固定部123の内部には、気体供給部105に接続される貫通孔125が設けられる。貫通孔125は、絶縁体106と金属電極部122との間に形成される空間108とつながっている。そのため、気体供給部105からの気体110が貫通孔125を介して空間108に供給される。
金属電極部122は、貫通孔125から供給された気体110によって覆われる。貫通孔125の数が1個である場合、図2に示す通り、貫通孔125は金属電極部122の重力方向における下側に設けられてもよい。貫通孔125を金属固定部123の重力方向における下側に設けることにより、金属電極部122が気体供給部105から供給される気体110によって覆われやすくなる。また、貫通孔125の数が2個以上あると、貫通孔125での圧損を抑制することができる。なお、例えば、貫通孔125は円柱状の孔であり、直径は、0.3mmであってもよい。ただし、貫通孔125の形状及びサイズは、これに限定されるものではない。
金属固定部123の外周には、例えば、ネジ部124が設けられる。例えば、金属固定部123の外周のネジ部124が雄ネジの場合、保持ブロック121に雌ネジのネジ部126が設けられる。ネジ部124とネジ部126とが螺合することによって、第1の電極102aを保持ブロック121に固定することができる。また、金属固定部123を回転させることで、絶縁体106に設けられた開口部107に対する金属電極部122の端面の位置を正確に調整することができる。さらに、金属固定部123がネジ部124を介して第1の電源104と接続固定できることより、第1の電源104と第1の電極102aとの接触抵抗が安定化し、第1の電極102aの特性が安定化し得る。また、気体供給部105と第1の電極102aとがネジ部124を介して接続固定される場合、気体供給部105と第1の電極102aとの接続が確実にできる。このような工夫は、実用化する際の防水対策及び安全対策につながる。
なお、ネジ部124は必須の構成ではない。例えば、保持ブロック121に金属固定部123が位置決めをされ固定されていれば良く、接着剤による固定または圧入、同時成型加工により固定されてもよい。
[1−1−2−2.絶縁体]
絶縁体106は、第1の電極102aの金属電極部122の周囲に空間108を形成するように配置され、絶縁性を有する。空間108には、気体供給部105から気体110が供給され、この気体110によって金属電極部122が覆われる。したがって、放電を行う際、金属電極部122の外周面は、導電体が露出しているにもかかわらず、被処理水109に直接接触しないようになっている。絶縁体106は、例えば、内径1mmの円筒形状であってもよい。ただし、絶縁体106のサイズ、形状はこれに限定されるものではない。また、絶縁体106の中心軸と金属電極部122の中心軸とが一致するように配置されてもよい。つまり、空間108の中心軸と金属電極部122の中心軸とが一致するように配置されてもよい。これにより、気体供給部105から供給される気体110が空間108内に均一に供給される。
絶縁体106は、開口部107を有する。開口部107は、筐体101内の被処理水109中に気泡111が放出されるときに、気泡111の大きさを決定する機能を有する。また、開口部107の形状は、例えば、円柱状の孔である。開口部107は、開口部107の中心軸と金属電極部122の中心軸とが一致するように設けられてもよい。なお、例えば、絶縁体106には、アルミナセラミック(酸化アルミニウム)、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、絶縁性のプラスチック、ガラス、又は石英などの材料を用いてもよい。
絶縁体106の開口部107は、図2に示すように、金属電極部122の端面に設けられてもよい。あるいは、金属電極部122の側面に設けられてもよい。開口部107の位置は、特に限定されない。また、開口部107は、絶縁体106に複数設けられてもよい。例えば、絶縁体106の開口部107は、直径1mmの円柱状であってもよい。ただし、開口部107の形状及びサイズはこれに限定されるものではない。例えば、開口部107の直径は、0.3mm〜2mmの範囲であってもよい。
[1−1−2−3.保持ブロック]
保持ブロック121は、第1の電極102aの金属固定部123、及び絶縁体106と接続されており、それぞれを保持する絶縁性の保持体の一例である。本実施の形態では、耐熱性の樹脂材料又はセラミックから構成される。例えば、ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させた材料又はアルミナセラミックなどを用いることができる。保持ブロック121は、第1の電極102aとの接続部分、及び絶縁体106との接続部分において、被処理水109が漏れないように、シールする構造を有してもよい。例えば、保持ブロック121は、その内部に、第1の電極102aの金属固定部123をネジ止めするネジ部126を備えた構造としてもよい。なお、これに限定されるものではなく、任意の構造とすることができる。
[1−1−2−4.第1の電極の配置]
本実施の形態における第1の電極102aは、図1に示すように、筐体101内を被処理水109が流れる方向(図1に示す矢印131の方向)に対して、第1の電極102aの長手方向が直交する方向となるように、配置される。図1に示す第1の電極102aの配置であれば、気泡111が第1の電極102aの周辺に滞留することを抑制することができる。気泡111は、例えば、気体供給部105から供給される気体110によって形成される。言い換えれば、図1に示されるように、第1の電極102aの長手方向は、筐体101内において、被処理水109が第2の電極103から第1の電極102aに向かって流れる方向と直交する方向に配置される。この配置により、気泡111が第1の電極102aの周辺に滞留することを抑制することができる。なお、第1の電極102aの長手方向と、被処理水109の流れる方向とは、ベクトルとして交わっていればよい。例えば、第1の電極102aの一端は、流路中に実際に突出していてもよいし、突出していなくてもよい。
なお、第1の電極102aの配置はこれに限定されない。第1の電極102aは、筐体101内を被処理水109が流れる方向(図1に示す矢印131)に対して、第1の電極102aの長手方向が任意の方向を向くように、配置されてもよい。例えば、第1の電極102aは、筐体101内を流れる被処理水109が、第1の電極102aの側面に向かう方向に流れるように配置されてもよい。また、第1の電極102aは、第1の電極102aの長手方向が、被処理水109の流れる方向に対して例えば45°などの角度となるように配置されてもよい。
[1−1−3.第2の電極]
第2の電極103は、筐体101内に少なくとも一部が配置される。第2の電極103は、プラズマ112を生成するときの第1の電極102aに対する対向電極として機能する。例えば、第2の電極103は、直径1mmの円柱状を有し、チタンを母材とし表面に白金膜を形成してもよい。なお、第2の電極103は、この形状、サイズには限定されない。第2の電極103の材質は、酸化されない材質であってもよい。酸化されない材質とは、例えば、白金、金、及び炭素などである。なお、第2の電極103の材質は、酸化されても電気伝導率が実質変化しない材質又は酸化されづらい材質であってもよい。
第1の電極102aと第2の電極103との間の距離は、例えば、5mmであってもよい。また、本実施の形態では、第2の電極103は第1の電極102aに対して上流側(図1に示す矢印130)に配置される。また、本実施の形態では、第1の電極102aの長手方向と第2の電極103の長手方向とは、略直交の関係となるように配置される。なお、第1の電極102aと第2の電極103との距離及び配置は、プラズマ112が発生する距離及び配置であればよく、これに限定されるものではない。
筐体101を備える液体処理装置100は、被処理水109が流れる流路が制限されるにつれて、第1の電極102aと第2の電極103との間の電気経路の抵抗値が高くなり、第1の電極102aと第2の電極103との間で放電が発生しにくくなる傾向にある。このため、第1の電極102aと第2の電極103との間の距離は、流路を規定する筐体101の内径に応じて適宜設定され得る。被処理水109として通常の水道水を使用する場合、流路径が5mm程度あれば、第1の電極102aと第2の電極103との距離が40mmでも、問題なく放電が起きることが確認できている。
[1−1−4.第3の電極]
第3の電極1003は、筐体101内に少なくとも一部が配置される。第3の電極1003は、第2の電極103をクリーニングするときの第2の電極103に対する対向電極として機能する。例えば、第3の電極1003は、直径1mmの円柱状を有し、タングステンから形成されてもよい。なお、第3の電極1003は、この形状、サイズには限定されない。第3の電極1003の材質は、水素よりイオン化傾向の小さい材質であってもよい。さらに、第3の電極1003の材質は、酸化されない材質であってもよい。例えば、第2の電極103と同一の材質であってもよい。
第2の電極103と第3の電極1003との間の距離は、例えば、10mmであってもよい。また、本実施の形態では、第3の電極1003は、第1の電極102aと第2の電極103との間に配置される。なお、第2の電極103と第3の電極1003との距離及び配置は、第2の電極103と第3の電極1003とに電流が流れる距離及び配置であればよく、必ずしも第1の電極102aと第2の電極103との間に配置される必要はない。第3の電極1003は、第1の電極102a及び第2の電極103と同様に筐体101内に設置されていなくとも、被処理水109を介し、第2の電極103と電気的な接続が確保できており、電圧印加時に電流が流れればよい。ただし、第2の電極103と第3の電極1003との距離が大きい場合は、第2の電源1004の電圧を高く設定してもよい。
[1−1−5.第1の電源]
第1の電源104は、第1の電極102aと第2の電極103との間に電圧を印加できるように接続される。第1の電源104は、第1の電極102aと第2の電極103とにパルス電圧又は交流電圧を印加する。電圧波形は、例えば、パルス状、正弦半波形、又は正弦波状のいずれであってもよい。また、第1の電源104は、パルス電圧を印加する際に正のパルス電圧と負のパルス電圧を交互に印加する、いわゆるバイポーラパルス電圧を印加してもよい。例えば、第1の電源104は、出力容量が80VAで、無負荷時のピーク電圧は10kVの電圧を印加してもよい。第2の電極103に対して第1の電極102aに印加される電圧が実効的に正となるように、第1の電極102aに印加される正の電圧のピーク値は負の電圧のピーク値よりも大きい。
第1の電源104は制御部140と接続されており、印加する電圧及び電圧を印加するタイミングは制御部140によって制御される。
[1−1−6.第2の電源]
第2の電源1004は、第2の電極103と第3の電極1003との間に電圧を印加できるように接続される。第2の電源1004は、第2の電極103と第3の電極1003との間に直流又は半波整流させた電圧を印加する。直流電圧とは、例えば、一定電圧である。また、半波整流させた電圧とは、例えば、極端なデューティ比の正弦波状の電圧又は矩形波状の電圧などである。例えば、第2の電源1004は、15Vで、100mAの電力供給を印加してもよい。第2の電源1004は、第2の電極と第3の電極との間に、第2の電極に対して前記第3の電極が実効的に負となる電圧を印加する。
第2の電源1004は制御部140と接続されており、印加する電圧及び電圧を印加するタイミングは制御部140によって制御される。
[1−1−7.気体供給部]
気体供給部105は、第1の電極102aの金属固定部123に接続される。気体供給部105は、金属固定部123の内部の貫通孔125を介して空間108に気体110を供給する。供給される気体110は、例えば、空気、He、Ar又はO等が用いられる。本実施の形態において、気体供給部105から供給される気体供給量は、特に制限されない。気体供給部105は、例えば、1リットル/minで気体を供給できるものであってもよい。気体供給部105は、例えば、ポンプ等を用いることができる。
図2に示される例では、気体供給部105から供給される気体110によって、第1の電極102aの導電体露出部である金属電極部122の表面を覆う気泡111が形成される。なお、気体供給部105は、例えば、筐体101内を被処理水109が流れる流路に対して、重力方向の下側から気体を供給してもよい。
なお、本開示において、「金属電極部122の表面が被処理水109に直接接触しない」とは、金属電極部122の表面が、筐体101内の大きな塊としての液体と接触しないことをいう。したがって、金属電極部122の表面が被処理水109に濡れていて(すなわち、厳密には金属電極部122の表面が被処理水109と接触していて)、その表面を気泡111内の気体110が覆っている状態も、「金属電極部122が被処理水109に直接接触しない」状態に含まれる。このような状態は、例えば、第1の電極102aの表面が液体で濡れている状態で、気泡111を発生させたときに生じ得る。
[1−1−8.制御部]
制御部140は、例えば、マイコンなどであり、液体処理装置100の動作を制御する処理部である。制御部140は、第1の電源104及び第2の電源1004と接続されており、第1の電源104及び第2の電源1004が印加する電圧、並びに電圧を印加する及び電圧の印加を停止するタイミングを制御する。
具体的には、制御部140は、第1の電源104を制御し、第1の電極102aと第2の電極103との間に電圧を印加させることで気泡111内にプラズマ112を生成させる。制御部140は、例えば、第2の電極103を基準として、第1の電極102aに実効的に正の電圧が印加されるように電極間に電圧を印加させる制御を行う。
また、制御部140は、第1の電源104の電圧印加を停止させた後、第2の電源1004を制御し、第2の電極103と第3の電極1003との間に電圧を印加させることで第2の電極103に析出した析出物を除去させる。制御部140は、例えば、第2の電極103を基準として、第3の電極1003に実効的に負の電圧が印加されるように電極間に電圧を印加させる制御を行う。つまり、制御部140は、第2の電極103を基準として、第1の電極102aと第2の電極103との間、及び第2の電極103と第3の電極1003との間に、逆極性の電圧を印加させる。また、第1の電源104及び第2の電源1004が電圧を印加する及び印加を停止するタイミングは、後述する。
[1−2.動作]
次に、本実施の形態に係る液体処理装置100の動作について図3〜図8を用いて説明する。
[1−2−1.析出物の析出及び除去のメカニズム]
まず、筐体101内に処理する被処理水109が供給される。ここで、被処理水109は、CaCO(炭酸カルシウム)、MgCO(炭酸マグネシウム)又はMg(OH)(水酸化マグネシウム)をはじめとするCa又はMg化合物を含む一般の水道水を想定している。筐体101内に供給された被処理水109は、筐体101内を上流側(図1に示す矢印130)から下流側(図1に示す矢印131)へ流れる。
気体供給部105は、第1の電極102aの貫通孔125を介して、絶縁体106と第1の電極102aの金属電極部122との間で形成される空間108に、気体110を供給する。供給された気体110が絶縁体106の開口部107から筐体101の被処理水109中に連続的に放出される。これにより、前述したように、被処理水109中に第1の電極102aの金属電極部122(導電体露出部)から筐体101内の下流側の一部を覆う気泡111が形成される。すなわち、第1の電極102aの金属電極部122は、常に気体110から形成される気泡111で覆われた状態となる。また、気泡111は、絶縁体106の開口部107を、その内部の気体110で覆っている。気泡111は、絶縁体106の開口部107から一定距離にわたって形成される。よって、本実施の形態において、絶縁体106の開口部107は、気泡111の発生部としても機能する。
金属電極部122が気泡111で覆われた状態で、制御部140は第1の電源104に、第1の電極102aと第2の電極103との間に電圧を印加させる制御を行う。具体的には、制御部140は第1の電源104を制御し、第2の電極103を基準として、第1の電極102aに実効的に正の電圧が印加されるように電極間に電圧を印加させる。第1の電極102aと第2の電極103との間に電圧を印加することにより、気泡111内で放電が起こる。この放電により、第1の電極102aの金属電極部122の近傍から気泡111内にプラズマ112が発生する。このプラズマ112により、被処理水109中にOHラジカル等が生成され、これらの生成物が、被処理水109を除菌する又は被処理水109中に含まれる化学物質を分解する。プラズマ112は、第1の電極102aの先端部分の気泡111のみならず空間108の気泡111にわたって広く生成される。これは、絶縁体106を介して被処理水109が対向電極として働いた結果である。この効果もあって多量のイオンが発生することで、被処理水109中にラジカルが多量に生成される。これは、本開示のように第1の電極102aが被処理水109の内部に位置しているために生じる大きな効果である。
プラズマ放電においては、第2の電極103の近傍が局所的にpHの高い状態(アルカリ化)となる。これは、被処理水109の流れがあったとしても、局所的には起きる現象である。この局所的なアルカリ化により第2の電極103の近傍での溶解特性が悪化する。ここで、溶解特性とは、被処理水109中に溶解することができるCaCO(炭酸カルシウム)、MgCO(炭酸マグネシウム)、又はMg(OH)(水酸化マグネシウム)をはじめとするCa又はMg化合物の濃度を示している。また、溶解特性が悪化するとは、それらの化合物が被処理水109中に溶解できる量が少なくなる、つまり溶解濃度が低くなることを示している。そのため、アルカリ化が起こると第2の電極103に、溶解濃度を超えた分のCa又はMg化合物が析出する現象が確認される。なお、以降においては、第2の電極103に付着したCa又はMg化合物をまとめて析出物と記載する。
図3は、溶媒のpH変化における炭酸カルシウムの溶解度特性を示す図である。横軸は酢酸の濃度、すなわち溶媒のpHを示している。酢酸の濃度が低いほど、溶媒のpHは高くなる。また、縦軸は溶媒に溶解できる炭酸カルシウムの溶解濃度を示している。図3より、酢酸の濃度が低くなる、つまり溶媒のpHが高くなるほど、溶媒への炭酸カルシウムの溶解濃度が低くなっていることがわかる。このことから、溶媒のpHが高くなると、溶媒に溶解できる炭酸カルシウムの量が少なくなる。これにより、第2の電極に析出物が付着しやすくなる。
上記の析出物を原因とする、第1の電極102aと第2の電極103との間のインピーダンスの上昇が、プラズマ放電に影響を及ぼし、励起が困難な状況となり、プラズマ放電の安定性を低下させる。これにより、酸化力のある液体を安定して生成することが困難となり、液体処理装置の水処理性能を低下させる。
そこで、本開示の液体処理装置100の制御部140は、第1の電源104の電圧印加を停止させた後、第2の電源1004を制御し、第2の電極103と第3の電極1003との間に直流電圧を印加させる。具体的には、制御部140は第2の電源1004を制御し、第2の電極103を基準として、第3の電極1003に実効的に負の電圧が印加されるように電極間に電圧を印加させる。つまり、制御部140は、第2の電極103を基準として、第1の電極102aと第3の電極1003とに逆極性の電圧が印加されるように第1の電源104及び第2の電源1004を制御する。第2の電極103と第3の電極1003との間に電流が流れることにより、第2の電極103近傍のpHが低くなる現象が実現される。これにより、第2の電極103近傍で、析出物の溶解濃度が高くなり、被処理水109への析出物の再溶解を促す現象が実現される。これにより、第2の電極103に析出した析出物の少なくとも一部が除去される。つまり、プラズマ放電を安定して行えるようになる。また、以下では、第2の電極103と第3の電極1003との間に電圧を印加し、第2の電極103に析出した析出物の少なくとも一部を除去する(被処理水109内に再溶解させる)ことを電極リフレッシュと呼ぶ。
なお、第2の電極103で酸化が起きやすい状態となるため、上記で説明したように、第2の電極103の構成材料の酸化物が不動態を形成してしまう場合は、継続的に電流を流すことが不可能となり、継続的な再溶解処理を実現できなくなる。そこで、第2の電極103の材質が酸化されない材料であると、第2の電極103に継続的に電流を流すことができる。本実施の形態に係る第2の電極103は、チタンを母材とし表面に酸化されない材質である白金膜を形成している。
なお、図1に示すように本実施の形態の液体処理装置100において、第2の電極103は、第1の電極102aに対して上流側に配置される。
また、液体処理装置100では、第1の電極102aは第1の電極102aの長手方向が、筐体101内を被処理水109が流れる方向に対して直交するように配置される。これにより、第1の電極102aから発生した気泡111が、第1の電極102aの周辺に滞留せずに、筐体101の下流側へ流れる。そのため、プラズマ112が発生する時に生じる熱を効率良く放熱できる。
[1−2−2.プラズマ放電のみを実施した場合]
上記で説明したように、第1の電極102aと第2の電極103との間でプラズマ放電を行うと第2の電極103付近のpHが高くなり被処理水109内に溶解していた炭酸カルシウムなどが析出物として第2の電極103に析出する。
図4を用いて、プラズマ放電のみを実施した場合における化学物質(有機性物質)の分解速度について説明する。図4は、本実施の形態に係る液体処理装置100における、初期のインディゴカーミンの分解特性を示す図である。図4の横軸は処理経過時間、縦軸はインディゴカーミンの濃度を表している。ここで、初期とは本実施の形態に係る液体処理装置100を用いて被処理水109の処理を開始した直後、つまり第2の電極103に析出物が析出していない状態のことである。
図4に示すように、本実施の形態に係る液体処理装置100を用いて被処理水109の処理を開始した直後は、時間の経過とともにインディゴカーミンの濃度は減少しており、化学物質を分解していることがわかる。ところが、図示していないが、図4に示したインディゴカーミンの分解特性は、経過時間とともに徐々に悪化する。日本国内の飲用水の硬度が高い地域の水を使うと10時間程度でインディゴカーミンの分解特性は大きく低下する。同時に、第2の電極103に著しく析出物を観察することができる。上記で説明したが、第2の電極103に析出物が析出することで第1の電極102aと第2の電極103との間の抵抗が著しく高くなる。これにより、放電箇所に印加される電圧が低下し、プラズマ放電の強度が弱くなることで、インディゴカーミンの分解能力が低下している。この状態を続けることにより、第2の電極103に析出する析出物がさらに増え、第1の電極102aと第2の電極103との間の抵抗が更に高くなる。これにより、放電箇所に印加される電圧がさらに低くなり、放電箇所に印加される電圧が放電を励起するために必要な電圧を下回ると、放電を励起することが不可能となる。つまり、被処理水109内の除菌又は被処理水109中に含まれる化学物質の分解がされにくくなる。
[1−2−3.プラズマ放電と電極リフレッシュとを時間分けして実施した場合]
上記で説明したように、プラズマ放電のみを行う、つまり電極リフレッシュを行わないと、第2の電極103に析出物が析出し、安定してプラズマ放電を継続することができなくなる。そこで、第2の電極103に析出した析出物を除去する電極リフレッシュを行う。図5を用いて、プラズマ放電と電極リフレッシュとを行う場合における、本実施の形態に係る液体処理装置100の動作について説明する。図5は、本実施の形態に係る液体処理装置100における動作を示すフローチャートである。このフローチャートに従い、処理を行うことにより、第2の電極103に析出した析出物を除去し、第2の電極103を健全な状態に改善する。ここで、健全な状態とは、第2の電極103に析出物が析出していない、又は析出していても放電に支障のない程度であることを意味する。
まず、気体供給部105から供給された気体110により第1の電極102aの金属電極部122を覆う気泡111が形成される。金属電極部122が気泡111で覆われた状態で、制御部140は、第1の電源104を制御し、第1の電極102aと第2の電極103との間に電圧を印加させる。第1の電源104が印加する電圧は、例えば、第2の電極103を基準とし、第1の電極102aに実効的に正の電圧が印加されるよう電圧を印加する。これにより、気泡111内で放電が起こる(S1)。この放電により、第1の電極102aの金属電極部122の近傍から気泡111内にプラズマ112が発生する。このプラズマ112により、被処理水109中にOHラジカル等が生成され、これらの生成物が、被処理水109を除菌する又は被処理水109中に含まれる化学物質を分解する。
放電を継続していると、上記で説明したように第2の電極103近傍のpHが高くなることにより、第2の電極103に析出物が析出する。そこで、制御部140は第1の電源104を制御し、第1の電極102aと第2の電極103との間に印加していた電圧を停止させる(S2)。
図6Aは、本実施の形態に係る液体処理装置100における電極リフレッシュ処理前の第2の電極103の様子を示す図である。つまり、ステップS2において第1の電源104が電圧印加を停止した時の第2の電極103の様子を示す図である。なお、電極リフレッシュについては、後述するステップS3で説明する。図6Aは、本実施の形態に係る液体処理装置100をZ軸の正方向から観察した図である。図6Aより、析出物160(破線内)は、第2の電極103の一部(先端部)に析出していることがわかる。
図7Aは、電極リフレッシュ処理前の第2の電極103を拡大した図である。図7Aより、第2の電極103の表面に析出物160(破線内)が析出していることがわかる。なお、図6Aと図7Aとで析出物160の形態が異なっているのは、被処理水109の組成によるものである。
次に、第2の電源1004が、第2の電極103と第3の電極1003との間に直流電圧を印加し、第2の電極103に析出した析出物を除去する電極リフレッシュを行う(S3)。例えば、ステップS1において第2の電極103を基準とし、第1の電極102aに実効的に正の電圧が印加されるように第1の電源104の制御を行っていた場合におけるステップS3での制御部140の制御について説明する。その場合、制御部140はステップS3では、第2の電極103を基準とし、第3の電極1003に実効的に負の電圧が印加されるように第2の電源1004の制御を行う。つまり、制御部140は、ステップS1における第1の電極102aとステップS3における第3の電極1003とに、第2の電極103を基準として逆極性の電圧が印加されるように第2の電源1004を制御する。これにより、ステップS1で高くなった第2の電極103近傍のpHは、ステップS3を行うことで低くなる。つまり、第2の電極103近傍の被処理水109の析出物に対する溶解濃度が高くなる。よって、第2の電極103に析出していた析出物が被処理水109中に再溶解する。また、ステップS3は、2つの電極間の電流が0.05〜0.1A程度の電流が流れる条件を実現できれば、数分の処理で十分である。
ただし、第2の電極103近傍のpHは低くなるが、第3の電極1003近傍のpHは高くなるので、第3の電極1003には析出物が析出する。そのため、第3の電極1003は、定期的に交換されてもよい。
ステップS3の処理が終了すると、制御部140は、第2の電極103と第3の電極1003との間に印加している電圧を停止させる。つまり、第2の電源1004の電圧印加を停止させる(S4)。そして、被処理水109の処理の継続が必要である場合は、再度、ステップS1の放電工程を実施する。なお、本実施の形態の液体処理装置100では、放電時間10時間に対し、数分の電極リフレッシュ時間を設ければ、第2の電極103の析出物は除去できる。
図6Bは、本実施の形態に係る液体処理装置100における電極リフレッシュ処理後の第2の電極103の様子を示す図である。つまり、ステップS4において第2の電源1004が電圧印加を停止した時の第2の電極103の様子を示す図である。電極リフレッシュ処理前(図6A参照)で析出していた析出物160は、ステップS3での電極リフレッシュ処理後には、除去されていることがわかる。これは、電極リフレッシュを行うことで、第2の電極103に析出物160が被処理水109中に再溶解したことを示している。
図7Bは、電極リフレッシュ処理した後の第2の電極103を拡大した図である。なお、電極リフレッシュ処理前は、図7Aに示されている。図7Bにおいて、第2の電極103近傍を拡大しても析出物160は確認できないので、ステップS3での電極リフレッシュの効果が大きいことがわかる。
ここで、ステップS1を終了するタイミング、つまりステップS3を開始するタイミングについて説明する。ステップS1からステップS3への切り替えは、制御部140によって行われる。予め放電時間と第2の電極103への析出物の析出量、つまり放電時間と放電強度の関係がわかっている場合には、制御部140は、ステップS1の所定の放電時間の経過後、ステップS3に切り替えを行ってもよい。具体的には、放電時間が10時間経過すると放電強度が低下することがわかっている場合には、制御部140は、ステップS1において第1の電源104に電圧を印加させ10時間放電を行った後、第1の電源104の電圧の印加を停止させる。そして、ステップS3において第2の電源1004に電圧を印加させ、電極リフレッシュを行う。なお、放電を行う時間は、これに限定されない。また、制御部140は、液体処理装置100を使用している使用者の指示に基づいて、ステップS1を終了し、ステップS3を開始してもよい。又は定期的に例えば1日2回など電極リフレッシュを行う時刻及び回数を予め設定しておき、制御部140は、その設定に基づき電極リフレッシュを行ってもよい。また、それ以外の方法で切り替えを行ってもよい。
次に、図8を用いて、本実施の形態に係る液体処理装置100における、初期及び電極リフレッシュを行った後の化学物質の分解速度について説明する。図8は、インディゴカーミンの初期分解特性(図8の黒丸)と、図5のフローチャートに従い放電及び電極リフレッシュ処理を合計100時間行った後のインディゴカーミンの分解特性(図8の白丸)とを示す図である。横軸及び縦軸は、図4と同一である。ここで、初期とは本実施の形態に係る液体処理装置100を用いて被処理水109の処理を開始した直後、つまり第2の電極103に析出物が析出していない状態のことである。
図8の結果より、図5のフローチャートに従い100時間動作させた場合の分解特性は、初期の分解特性と同等の分解特性を維持できることがわかる。つまり、電極リフレッシュを行うことで、本実施の形態に係る液体処理装置100は、100時間動作させた後においても安定した水処理性能を維持できていることがわかる。ここで、安定したとは、プラズマ放電を継続しても、本実施の形態に係る液体処理装置100を用いて被処理水109の処理を開始した直後、つまり第2の電極103に析出物が析出していない状態での水処理性能と同等の水処理性能を有することである。
なお、図8における経過時間0分でのインディゴカーミン濃度は、初期の分解特性と図5のフローチャートに従い100時間動作させた場合とで同じであり、初期の分解特性のみを表示している。また、図示していないが、ステップS3の電極リフレッシュを行わず100時間連続で放電させた後のインディゴカーミンの分解特性は、経過時間とともにインディゴカーミン濃度は減少しづらくなる。つまり、電極リフレッシュを行っていない場合、インディゴカーミンを分解困難となる。これは、第2の電極103に析出物が析出することで第1の電極102aと第2の電極103との間の抵抗が著しく高くなり、プラズマ放電の強度が弱くなることで、インディゴカーミンの分解能力が低下するためである。
[1−3.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る液体処理装置100は、被処理水109を貯めるための筐体101と、筐体101内に少なくとも一部が配置される第1の電極102a、第2の電極103、及び第3の電極1003と、第1の電極102aと第2の電極103との間に電圧を印加する第1の電源104と、第2の電極103と第3の電極1003との間に電圧を印加する第2の電源1004と、を備え、第1の電源104は、第1の電極102aと第2の電極103との間に電圧を印加することによって、被処理水109内に含まれる気泡111内で放電させて、プラズマ112を発生させる。
これにより、本開示の液体処理装置100は、第1の電源104が第1の電極102aと第2の電極103との間に電圧を印加することで放電させ、放電により発生したプラズマ112によってOHラジカル等を生成する。つまり、本開示の液体処理装置100は、酸化力のある液体を生成できる。また、第2の電源1004が第2の電極103と第3の電極1003との間に電圧を印加することで、第2の電極103に析出したCa又はMgを含む析出物を被処理水109中に再溶解させることができる。つまり、第2の電極に析出する析出物を除去することができる。これにより、本開示の液体処理装置100によれば、第2の電極103に析出した析出物が原因で起こる第1の電極102aと第2の電極103との間のインピーダンスの上昇を抑制することができる。つまり、インピーダンスが上昇することでプラズマ放電の安定性が低下することを抑制することができる。これにより、本開示の液体処理装置100は酸化力がある液体の生成を維持することができるので、安定した水処理性能を維持できる。
また、第2の電極103が、酸化されない材質で形成されている。
これにより、第2の電極103の構成材料の酸化物が不動態を形成することで継続的に電流を流すことが不可能となることを抑制できる。
また、さらに、制御部140を備え、制御部140は、第1の電源104に第1の電極102aと第2の電極103との間に電圧を印加させるにことよって、被処理水109内に含まれる気泡111内で放電させて、プラズマ112を発生させた後に、第2の電源1004に第2の電極103と第3の電極1003との間に電圧を印加させることによって、第2の電極103をクリーニングさせる。
これにより、第1の電極102aと第2の電極103との間での放電の後、第2の電極103と第3の電極1003との間に電圧を印加することで、放電中に第2の電極103に析出した析出物を被処理水109中に再溶解させることができる。つまり、本開示の液体処理装置100によれば、第2の電極103に析出する析出物を除去することができるので、第2の電極103に析出した析出物が原因で起こる、第1の電極102aと第2の電極103との間のインピーダンスの上昇を抑制することができる。これにより、本開示の液体処理装置100は安定してプラズマ放電を継続することができる。つまり、本開示の液体処理装置100は酸化力がある液体の生成を維持することができるので、安定した水処理性能を維持できる。
また、本開示の一態様に係る液体処理方法は、プラズマ112を発生させることにより被処理水109を処理する液体処理装置100の液体処理方法であって、液体処理装置100は、被処理水109が流れる筐体101内に少なくとも一部が配置される第1の電極102a、第2の電極103、及び第3の電極1003を備え、液体処理方法は、第1の電極102aと第2の電極103との間に電圧を印加することによって、被処理水109内に含まれる気泡111内で放電させて、プラズマ112を発生させる放電工程(S1)と、放電工程の後に、第2の電極103と第3の電極1003との間に電圧を印加することによって第2の電極103をクリーニングさせる電極リフレッシュ工程(S3)とを含む。
これにより、本開示の液体処理方法によれば、液体処理装置100と同様の効果を奏する。
(実施の形態2)
以下、図9を用いて、実施の形態2を説明する。
[2−1.構成]
本実施の形態に係る液体処理装置について説明する。本実施の形態では実施の形態1と異なる部分のみを説明し、実施の形態1と同一の部分については説明を省略する。図9は、本実施の形態に係る液体処理装置の電極ユニット150bの構成の一例を示す断面図である。図9に示すように、本実施の形態の電極ユニット150bは、第1の電極102bを覆うように配置された絶縁体206を備える。本実施の形態は、実施の形態1と比べて、第1の電極102bの形状、及び絶縁体206の配置が異なる。本実施の形態のその他の構成は、実施の形態1と同じである。以下、本実施の形態の電極ユニット150bについて説明する。
[2−1−1.第1の電極及び絶縁体]
図9に示すように、本実施の形態の電極ユニット150bは、第1の電極102bと、絶縁体206とを備える。第1の電極102bは、中空の筒状の金属材料から形成される。第1の電極102bは、例えば、内径が0.4mmであり、外径が0.6mmであってもよい。第1の電極102bは、内部に気体110が供給される空間208を有する。
また、絶縁体206は、第1の電極102bの外周面に接して配置されており、絶縁体206と第1の電極102bとの間に隙間は存在しない。第1の電極102bは、端面および内周面においてのみ金属が露出している。絶縁体206が隙間無く第1の電極102bの外周面に配置されることにより、第1の電極102bの外周面は被処理水109に直接接触しないようになっている。例えば、絶縁体206の肉厚は0.1mmであってもよい。また、絶縁体206は、開口部207を有する。
[2−2.動作]
本実施の形態に係る液体処理装置の動作について説明する。なお、実施の形態1と異なる部分のみを説明し、実施の形態1と同一の部分については説明を省略する。図5において、実施の形態1と異なるのは、ステップS1の放電工程であり、ステップS2〜S4は実施の形態1と同じである。以下、本実施の形態の放電工程について説明する。
気体供給部105により、第1の電極102bの空間208に、気体110が供給される。供給された気体110が、絶縁体206の開口部207から筐体101の被処理水109中に連続的に放出されることにより、筐体101内の被処理水109中に、気泡111が形成される。気泡111は、絶縁体206の開口部207を、その内部の気体110で覆っている。気泡111は、絶縁体206の開口部207から一定距離にわたって形成される。よって、本実施の形態において、第1の電極102bの開口部207は、気泡111の発生部としても機能する。気体供給部105から供給される気体110の量を調整することにより、絶縁体206の開口部207の周辺、すなわち、第1の電極102bのうち金属が露出した端面が、気泡111内の気体110で覆われた状態を得ることができる。第1の電極102bの端面を覆う気泡111は、気泡111内の気体110とその周囲の被処理水109とが接触する気液界面は、液体中だけでなく、気泡111内の気体110と絶縁体206とが接触する界面によっても規定される。すなわち、気泡111を規定する気液界面は被処理水109中で「閉じて」いない。気泡111は、絶縁体206の開口部207付近で、絶縁体206と接している。前述のとおり、第1の電極102bの外側表面において、導電体は、開口部207付近の端面のみ露出している。そのため、この端面を覆う気泡111を発生させることにより、気泡111と絶縁体206とによって、第1の電極102bの外側表面は被処理水109から隔離される。また、第1の電極102bの内周面は、気泡111が形成されているときに、供給される気体110によって覆われているため、被処理水109に直接接触しない。
次に、第1の電極102bの導電体露出部分が気泡111で覆われた状態で、制御部140は、第1の電源104に第1の電極102bと第2の電極103との間に電圧を印加させる。第1の電極102bと第2の電極103との間に電圧が印加されることにより、気泡111内で放電が起こり、第1の電極102bの近傍にプラズマ112が生成される。プラズマ112は気泡111の全体に広がるが、特に第1の電極102bの近傍で高濃度のプラズマ112が生成される。
[2−3.効果]
本実施の形態に係る液体処理装置は、第1の電極102bを備える電極ユニット150b、及び、第1の電極102bの中空部分の空間208に気体110を供給する気体供給部105を備える。これにより、本実施の形態に係る液体処理装置は、気体供給部105から供給された気体110により、絶縁体206の開口部207から気泡111を発生させることができる。そして、本実施の形態に係る液体処理装置は、被処理水109内に含まれる気泡111内で放電を起こし、プラズマ112を発生させることにより、OHラジカル等を生成することができる。したがって、本実施の形態においても気泡111内に効率良くプラズマ112を発生させることができ、短時間で被処理水109の水処理を行うことができる。
(実施の形態3)
以下、図10を用いて、実施の形態3を説明する。
[3−1.構成]
本実施の形態に係る液体処理装置について説明する。本実施の形態では実施の形態1と異なる部分のみを説明し、実施の形態1と同一の部分については説明を省略する。図10は、本実施の形態に係る液体処理装置の電極ユニット150cの構成の一例を示す断面図である。図10に示すように、本実施の形態の電極ユニット150cは、第1の電極102c、保持ブロック321及び絶縁体306を備える。本実施の形態は、実施の形態1と比べて、第1の電極102c及び絶縁体306の形状、並びに図示していないが気体供給部105を有していない点が異なる。本実施の形態のその他の構成は、実施の形態1と同じである。以下、本実施の形態の電極ユニット150cについて説明する。
[3−1−1.第1の電極]
図10に示すように、第1の電極102cは、金属電極部322と、金属固定部323とを備える。金属電極部322は、例えば直径2mmの円柱状を有する。なお、金属電極部322の直径及び形状は、これに限定されない。
第1の電極102cは、保持ブロック321に嵌合するように保持される。つまり、第1の電極102cと保持ブロック321との間に隙間は無く、保持ブロック321は第1の電極102cの外周面に配置される。また、第1の電極102cの金属固定部323は、実施の形態1の第1の電極102aの金属固定部123とは異なり、貫通孔125を有していない。これにより、本実施の形態に係る液体処理装置は、外部から気体を供給することができない構造となっている。
[3−1−2.絶縁体]
絶縁体306は、第1の電極102cの金属電極部322の周囲に空間308を形成するように配置され、絶縁性を有する。絶縁体306は、例えば、内径3mmで外径が5mmの円筒形状を有する。ただし、絶縁体306のサイズ及び形状は、これに限定されない。また、絶縁体306の中心軸と金属電極部122の中心軸とが一致するように配置されてもよい。つまり、空間308の中心軸と金属電極部322の中心軸とが一致するように配置されてもよい。
絶縁体306は、開口部307を有する。開口部307の形状及び直径は、例えば、円柱状の孔であり、直径は0.7mmである。ただし、開口部307の形状及び直径は、これに限定されない。開口部307の位置は、特に限定されない。また、開口部307は、絶縁体306に複数設けられてもよい。
[3−2.動作]
本実施の形態に係る液体処理装置の動作について説明する。なお、実施の形態1と異なる部分のみを説明し、実施の形態1と同一の部分については説明を省略する。図5において、実施の形態1と異なるのは、ステップS1の放電工程であり、ステップS2〜S4は実施の形態1と同じである。以下、本実施の形態の放電工程について説明する。
まず、被処理水109を処理する前において、第1の電極102cの金属電極部322と絶縁体306とで形成された空間308は、被処理水109で満たされた状態である。つまり、第1の電極102cと第2の電極103との間に、被処理水109によって電流パスが形成されている(導通している)。この状態で、制御部140が第1の電源104を制御し、第1の電極102cと第2の電極103との間に電圧が印加されると、被処理水109を介して電極間に電流が流れる。電流が流れることによって熱が発生し、発生した熱によって、被処理水109が気化することで、気体が発生する。つまり、本実施の形態に係る液体処理装置は、気体供給部105から気体110を供給しなくても、被処理水109を気化させることで気体を生成することができる。
この気体が開口部307を通るときに、開口部307内の被処理水109が気体に置き換わる。これにより、第1の電極102cと第2の電極103との間に形成された電流パスが分断されて(絶縁されて)、気体中で放電が起き、プラズマ112が生成される。このプラズマ112により、被処理水109中にOHラジカル等が生成され、これらの生成物が、被処理水109を除菌する又は被処理水109中に含まれる化学物質を分解する。
[3−3.効果]
本実施の形態に係る液体処理装置は、第1の電極102cと絶縁体306とを備える電極ユニット150c、制御部140及び第1の電源104を有する。これにより、第1の電極102cと絶縁体306とで形成された空間308が被処理水109で満たされている状態で、制御部140は第1の電源104を制御し、第1の電極102cと第2の電極103との間に電圧を印加させる。そして、電圧が印加された被処理水109を気化させることで気泡111を生成する。つまり、第1の電源104は、第1の電極102cと第2の電極103との間に電圧を印加することによって被処理水109を気化させて気泡111を生成する。
これにより、生成した気泡111内で放電を起こし、プラズマ112を発生させることにより、OHラジカル等を生成することができる。よって、気体供給部105を有しない簡易な構成でプラズマ112を発生させ、被処理水109の水処理をすることができる。
(実施の形態4)
以下、図11を用いて、実施の形態4を説明する。
[4−1.構成]
本実施の形態では実施の形態1と異なる部分のみを説明し、実施の形態1と同一の部分については説明を省略する。図11は、本実施の形態に係る液体処理装置200の全体構成の一例を示す概略図である。図11に示すように、本実施の形態に係る液体処理装置200は、筐体401、第1の電極102dと保持ブロック421と絶縁体406とを有する電極ユニット150d、及び第2の電極103dを備える。本実施の形態は、実施の形態1と比べて、筐体401、電極ユニット150d及び第2の電極103dの形状及び配置が異なる。また、気体供給部105を有していない点も異なる。本実施の形態のその他の構成は、実施の形態1と同じである。以下、本実施の形態に係る液体処理装置200について説明する。
[4−1−1.筐体]
図11に示すように、例えば、被処理水109は筐体401内を上流側(矢印130)から下流側(矢印131)に向かって流れる。つまり、筐体401は、被処理水109の流路を形成する。筐体401内は、例えば、被処理水109で満たされている。具体的には、筐体401は、例えば、被処理水109が流れる配管などである。なお、被処理水109は、流水(動水)である必要はなく、静水でもよい。つまり、筐体401は、被処理水を貯めるため空間を形成するのもであってもよい。
筐体401は、管状の部材であれば、いずれの形状又はサイズによって構成されてもよい。筐体401の断面は、例えば、方形、三角形、又はその他の多角形であってもよい。
また、感電を防止するため、筐体401は接地されてもよい。
[4−1−2.電極ユニット]
次に、液体処理装置200における、第1の電極102dを含む電極ユニット150dについて説明する。図11に示す電極ユニット150dは、第1の電極102dと、絶縁体406と、保持ブロック421とを備える。
[4−1−2−1.第1の電極]
第1の電極102dは、プラズマ112を生成するときの反応電極として機能する。第1の電極102dは、保持ブロック421によって保持された、例えば、円柱状の電極である。例えば、第1の電極102dの径は1mmである。なお、第1の電極102dの形状及び径は、これに限定されない。例えば、第1の電極102dの形状は、角柱状、球状又は円錐状などでもよい。
第1の電極102dは、保持ブロック421に嵌合するように保持される。つまり、第1の電極102dと保持ブロック421との間に隙間は無く、保持ブロック421は第1の電極102dの外周面に配置される。また、第1の電極102dは、実施の形態1の第1の電極102aとは異なり、貫通孔125を有していない。これにより、本実施の形態に係る液体処理装置200は、外部から気体を供給することができない構造となっている。また、第1の電極102dの端面の一部は、開口部407と接している。
なお、図11では第1の電極102dが3つ配置されている例を示しているが、これに限定されない。第1の電極102dは、1つでもよく、また4つ以上配置されてもよい。
[4−1−2−2.絶縁体]
絶縁体406は、第1の電極102aと被処理水109が流れる筐体101内の空間との間に配置された絶縁性を有する板材である。つまり、絶縁体406の一面は、被処理水109に接している(以降、被処理水109に接する絶縁体406の面を主面とする)。例えば、厚さが0.3mm、縦及び横がそれぞれ3cmの略矩形の平板である。なお、絶縁体406の形状及び厚みは、これに限定されない。
絶縁体406は保持ブロック421と対向するように配置される。具体的には、絶縁体406と保持ブロック421とは接するように配置される。
絶縁体406は、開口部407を有する。開口部407の形状は、例えば、円柱状の孔である。例えば、孔の径は、10μm以上250μm以下である。また、開口部407の中心軸と第1の電極102dの中心軸とが一致するように配置されてもよい。
[4−1−2−3.保持ブロック]
保持ブロック421は、第1の電極102dと接続されており、第1の電極102dを保持する絶縁性の保持体の一例である。保持ブロック421は、例えば、略矩形の平板である。なお、保持ブロック421の形状は、これに限らず、円板、楕円板などいかなるものでもよい。また、保持ブロック421は、平板に限らず、湾曲した板でもよい。
保持ブロック421は、厚み方向に貫通した孔を有している。孔は第1の電極102dを保持するための貫通孔である。
また、例えば、第1の電極102dが絶縁体406に固定されていれば、保持ブロック421は、必ずしも必須ではない。
[4−1−3.第2の電極]
第2の電極103dはプラズマを生成するときの第1の電極102dに対する対向電極として機能する。第2の電極103dは、被処理水109が流れる筐体401内の空間に配置される。第2の電極103dは、筐体401内の空間に入れられた被処理水109と接触する位置に配置される。本実施の形態では、第2の電極103dは、絶縁体406の主面に、絶縁体406と接触して配置される。
第2の電極103dは、開口部407を囲むように形成される。つまり、第2の電極103dの形状は、円環状である。第2の電極103dは、円環の中心と開口部407の中心軸とが一致するように配置されてもよい。
図11では第2の電極103dは3つ配置されている例を示している。つまり、第2の電極103dは、第1の電極102dと同数配置される。
[4−2.動作]
本実施の形態に係る液体処理装置200の動作について説明する。なお、実施の形態1と異なる部分のみを説明し、実施の形態1と同一の部分については説明を省略する。図5において、実施の形態1と異なるのは、ステップS1の放電工程であり、ステップS2〜S4は実施の形態1と同じである。以下、本実施の形態の放電工程について説明する。
制御部140が第1の電源104を制御し、第1の電極102dと第2の電極103dとの間に電圧が印加されると、被処理水109は開口部407に浸入する(図11を参照)。例えば、第1の電極102dと第2の電極103dとの間に電圧が印加されることで、第1の電極102dと第2の電極103dとの間に電界が発生し、被処理水109に分極が生じる。これにより、被処理水109は、第1の電極102dに引っ張られて開口部407内に浸入する。
開口部407に浸入した被処理水109は、第1の電極102dと接する。これにより、第1の電極102dと第2の電極103dとの間に、開口部407に浸入した被処理水109によって電流パスが形成される。
電流パスが形成されると、第1の電極102dと第2の電極103dとの間に電流が流れることによって熱が発生する。発生した熱によって、開口部407から浸入した被処理水109が気化することで、気体が発生する。つまり、本実施の形態に係る液体処理装置200は気体供給部105から気体110を供給しなくても、被処理水109を気化させることで気体を生成する。
被処理水109が気化することで発生した気体が第1の電極102dの端面を覆うことで、第1の電極102dと第2の電極103dとの間に形成された電流パスが分断されて、気体中で放電が起き、プラズマ112が生成される。このプラズマ112により、被処理水109中にOHラジカル等が生成され、これらの生成物が、被処理水109を除菌する又は被処理水109中に含まれる化学物質を分解する。
[4−3.効果]
本実施の形態に係る液体処理装置200は、第1の電極102dと絶縁体406とを有する電極ユニット150d、及び第2の電極103dを備える。これにより、本実施の形態に係る液体処理装置200は、第1の電極102dに被処理水109が接している状態で、第1の電極102dと第2の電極103dとの間に電圧を印加し被処理水109を気化させる。そして、被処理水109が気化することで発生した気体は、絶縁体406が有する開口部407内に気泡111を生成する。つまり、第1の電源104は、第1の電極102dと第2の電極103dとの間に電圧を印加することによって被処理水109を気化させて気泡111を生成する。これにより、実施の形態3と同様の効果を奏する。
(他の実施の形態)
以上、1つ又は複数の態様に係る液体処理装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの及び異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
例えば、上記の実施の形態1〜4では、それぞれ異なる電極ユニット150a〜150dを説明したが、これに限定されない。第1の電極102a〜102dを含む電極ユニット150a〜150dは、被処理水109中にプラズマ112を発生させることによってラジカルを生成可能な構成であればよい。
また、上記で示された第1の電極102a〜102dの長手方向は、筐体101内を被処理水109が流れる方向に対して直交するように配置されているが、本開示の液体処理装置100、200の第1の電極102a〜102dは、任意の角度で筐体101に配置されてもよい。例えば、第1の電極102a〜102dは、筐体101内を被処理水109が流れる方向に対して、第1の電極102a〜102dの長手方向が非平行となるように配置されてもよい。
これにより、電極ユニット150a〜150dの配置を変えることで、液体処理装置の形状及び大きさを調整できる。よって、使用用途などにより液体処理装置の形状及び大きさに制約がある場合においても、本開示の液体処理装置100、200を使用することができる。
また、放電の後に第2の電極103、103dをリフレッシュする工程(ステップS3)を設けたが、第2の電極103、103dをリフレッシュする工程の後に、さらに第3の電極1003をリフレッシュする工程(第2リフレッシュ工程)を設けてもよい。具体的には、ステップS3では、制御部140は、第2の電源1004を制御し、第2の電極103、103dを基準として第3の電極1003に実効的に負の電圧を印加させる。ステップS3の後の第2リフレッシュ工程では、制御部140は、第2の電源1004を制御し、第2の電極103、103dを基準として第3の電極1003に実効的に正の電圧を印加させる。つまり、第2リフレッシュ工程では、ステップS3において第2の電極103、103dと第3の電極1003との間に印加された電圧と逆極性の電圧が印加される。
これにより、ステップS3において第3の電極1003近傍のpHが高くなったことにより第3の電極1003に析出した析出物を、第2の電極103、103dを基準として第3の電極1003にステップS3と逆極性の電圧を印加することで除去できる。つまり、第2の電極103、103dと第3の電極1003との間のインピーダンスの上昇を抑制することができる。よって、ステップS3での第2の電極103、103dに対するクリーニング効果を維持できる。また、第3の電極1003の寿命を延ばすことができ、第3の電極1003の交換頻度を少なくできる。
また、図5のステップS1〜S4の切り替えにおいて、pHを検知するセンサを用いてセンサが検知したpHが所定値以上となった場合にステップS1(放電工程)を終了し、ステップS3(電極リフレッシュ工程)を開始してもよい。
これにより、第2の電極103、103d近傍のpHが所定値以上となることがなくなり、第2の電極103、103dに析出する析出物の量がある一定量以上析出しなくなる。これにより、一定以上の放電強度を保った状態で放電を行うことができる。
また、制御部140は、第1の電源104と第2の電源1004とを制御するとしたが、これに限定されない。例えば、制御部140は、第1の電源104と第2の電源1004とに加えて、気体供給部105を制御してもよい。
これにより、制御部140は第1の電源104を制御している時に気体供給部105から気体110を供給させ、第2の電源1004を制御している時に気体供給部105からの気体110の供給を停止させることができる。つまり、気体110が必要ではない場合に、気体供給部105の動作を停止できるので、省エネルギーにつながる。
また、第3の電極1003は1つ設置されている例について説明したが、これに限定されない。第3の電極1003は、複数設置されてもよい。例えば、第2の電極103、103dが複数設置されている場合、第3の電極1003は第2の電極103、103dと同数設置されてもよい。
これにより、第2の電極103、103dが複数ある場合でも、第2の電極103、103dのそれぞれとそれに対応する第3の電極1003との距離を略一定に保つことができる。よって、第2の電極103、103dのそれぞれの析出物の除去度合いを略等しくすることができる。
本開示の一態様に係る液体処理装置は、例えば、空調機、加湿器、電気剃刀洗浄器、食器洗浄器、水耕栽培用処理装置、養液循環装置、洗浄便座、浄水器、洗濯機、ポット、難分解物質の分解装置又は空気清浄機などの用途に有用である。
100、200 液体処理装置
101、401 筐体
102、102a、102b、102c、102d 第1の電極
103、103d 第2の電極
104 第1の電源
105 気体供給部
106、206、306、406 絶縁体
107、207、307、407 開口部
108、208、308 空間
109 被処理水
110 気体
111 気泡
112 プラズマ
121、321、421 保持ブロック
122、322 金属電極部
123、323 金属固定部
124 ネジ部
125 貫通孔
126 ネジ部
150、150a、150b、150c、150d 電極ユニット
1003 第3の電極
1004 第2の電源

Claims (7)

  1. 液体を貯めるための筐体と、
    1の電極と、
    第2の電極と、
    第3の電極と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に、前記第2の電極に対して前記第1の電極が実効的に正となる第1の電圧を印加する第1の電源と、
    前記第2の電極と前記第3の電極との間に、前記第2の電極に対して前記第3の電極が実効的に負となる第2の電圧を印加する第2の電源と、を備え、
    前記第1の電源は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記第1の電圧を印加することによって、前記液体内に含まれる気泡内にプラズマを発生させ、
    前記筐体と、絶縁体とにより、前記液体が流れる流形成され
    前記絶縁体は、前記液体と接する第1の面、及び、前記第1の面と反対側の第2の面を有し、
    前記絶縁体には、前記液体が浸入可能な開口部が形成されており、
    前記第1の電極の端面の一部は、前記第2の面側において前記開口部と接しており、前記開口部を介して前記液体と接し、
    前記第2の電極は、前記絶縁体の前記第1の面に設けられ、平面視において、前記開口部を囲む形状を有する、
    液体処理装置。
  2. 前記第2の電極は、酸化されない材質で構成されている、
    請求項1に記載の液体処理装置。
  3. 前記第3の電極は、水素よりイオン化傾向の小さい材質で構成されている、
    請求項1又は2に記載の液体処理装置。
  4. 前記第2の電源は、直流電源である、
    請求項1から3のいずれかに記載の液体処理装置。
  5. 前記第2の電源は、半波整流電源である、
    請求項1から3のいずれかに記載の液体処理装置。
  6. 前記気泡は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記第1の電圧が印加されることにより前記液体が気化することによって発生する、
    請求項1からのいずれかに記載の液体処理装置。
  7. さらに、制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記第1の電源に、前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記第1の電圧を印加させることによって、前記気泡内にプラズマを発生させ、
    前記プラズマを発生させた後に、前記第2の電源に、前記第2の電極と前記第3の電極との間に前記第2の電圧を印加させることによって、前記第2の電極をクリーニングさせる、
    請求項1からのいずれかに記載の液体処理装置。
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