JP4889124B2 - 流体処理装置 - Google Patents

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Description

パルス電磁波による水中プラズマを用いた流体処理装置に関する。
近年、水に高い内部圧力をかけたり、水の表面を活性化する超微細化イオン化気泡(以下、「ナノバブル・マイクロナノバブル」ともいう)や電解水による方法によって、あるいは、コロナ放電プラズマによって水表面に水酸化ラジカルを発生させ、その生成水を利用して、洗浄、殺菌、汚濁水の浄化、生体へ適用して疲労回復の利用、化学反応に利用できる装置とパルスプラズマ流体処理装置が提案されている。
ナノバブル発生装置として特許文献1,2,3,4等が公知である。
高度の洗浄が必要なIC洗浄ラインでは、オゾン水を用いたり、コロナプラズマ放電方式で大気中の菌を滅菌し、浄化しているのが現状である。
特許文献1は、電気分解装置と超音波発生装置を組み合わせたものであり、電気分解装置により発生する酸素やオゾンの気泡を、底部に設けられた超音波発生装置からの超音波振動で圧壊し、微細化し、ナノバブルを発生させるものである。
特許文献2は、ポンプの吐出力により酸素付加器からの空気を吸引混合・撹拌してマイクロナノバブルを生成する装置で、酸素30%に対して約70%の窒素が混合されたものであるため、浄化・滅菌効果に劣る。
特許文献3は、特許文献1の電気分解装置のかわりに、超音波発生装置だけを水槽に1箇所、マイクロバブル生成装置に1箇所、供給配管に2箇所、計5箇所配置し、マイクロバブル生成装置で空気の混入を行っており、超音波発生装置の振動子の長期使用が不可能な点と空気混入では浄化・滅菌効果に劣る。
特許文献4は、高圧ノズルによるキャビテーションによる微細気泡イオン化と過酸化水素発生装置との組み合わせで原水の浄化処理効率を向上させるものであるが、水のキャビテーションによる水酸化ラジカルの生成が少なく、水の溶存酸素のみだけでは微細気泡イオン化が少なく、イオン化もマイナスが外側に生成されるが、逆に内側にプラスが生成され、磁気の荷電イオン化も劣る。
その他のナノバブル・マイクロナノバブルも、空気を取り込んでポンプの回転で生成している方法で、回転部に永久磁石を取り付けて荷電を行ったり、高速回転のせん断荷電を行っているが、装置の寿命が短い問題もある。
特許文献5は、円筒管により電極を形成し、負極は棒状のステンレスを使用し、乾電池3Vの電源で、周波数15Hz、出力10KVによる清涼飲料水用プラズマ殺菌装置であるが、大型化すると電圧が高く、パルスプラズマ方式でないため電磁波処理ではなく、高エネルギー電子による滅菌方法である。
特許文献6は、50KHz以下の低周波超音波発振器で電荷凝集を行い、ネオジウム磁力及びネオジウム素子羽根のミキシングにより、負帯電有機物を正帯電荷処理すると共に、悪臭対策として3M〜300MHzの高周波電磁超音波発振器で消臭し、60KVの高パルス電圧プラズマでオゾンを発生させて窒素処理、脱色・滅菌する装置であるが、管状の対面する突起で、正極と負極間に高電圧パルス短絡放電するという非常に危険な処理方法である。
特開2004−121962号公報 特開2006−43636号公報 特開2006−289183号公報 特開2007−98217号公報 特開2003−340454号公報 特開2001−252665号公報
従来のナノバブル・マイクロナノバブル装置では、電気分解の能力と超音波発生装置の大型化による装置のコストアップや装置全体の複雑化、消費電力の増加問題がある。
またこれらの装置は、耐用年数(寿命)もそう長く期待できず、ランニングコストの観点からも好ましいものではない。
ナノバブル・マイクロナノバブルは、浄化・滅菌の処理を促進するが、他のオゾン・酸素・過酸化水素・微生物等と併用しないと処理効果が不充分で、単独では処理効果が低い。
上水道で現在大規模なものは、高度処理方式のオゾンと粉末活性炭の使用で、中小規模で全く淡水のない地区では逆浸透膜(RO膜)方式であるが、何れも前処理と後処理に薬品沈殿方法による併用処理が必要である。
また、電気分解の中でも高周波プラズマが効率よく処理が行えるが、水中に直接電極を配置して連続で大量の完全分解と分離処理をするのが困難である。
ナノバブル・マイクロバブル装置の開発は多く提案されているが、環境汚染面から高濃度・難分解有機物・有害物質の改善には完全に対応できていないのが現状であり、コスト面からも導入が進展していない状況である。
環境汚染は海域まで進んでいるため、貨物船やタンカー等船舶のバラスト水による国際間の汚染に広がり、バラスト水の海水浄化・滅菌処理まで行う必要性の段階にきている。
滅菌については、その本質が理解されておらず高度な逆浸透膜・紫外線・オゾン・過酸化水素・水酸化ラジカル等が採用されているが、処理後に菌が混入することを考えると
煮沸でも不可能で、完全な滅菌は水道で使用されている塩素滅菌や電解塩素滅菌・二酸化塩素滅菌しか現状では手段がない。
ナノバブル・マイクロバブル装置、電気分解や従来のパルスプラズマ処理装置では高濃度・難分解有機物・有害物質の浄化・滅菌がまだ不充分であり、本発明は、構造が簡単で安価でありながら流体の分解・分離処理に優れ、浄化、滅菌、殺菌効果に優れた流体処理装置の提供を目的とする。
上記の目的を達成するために本発明に係る流体処理装置は、流体処理室内の中央に陰極を配置し、当該中央の陰極に対して同心円状に所定の間隔を隔てて陽極管と陰極管を交互に配置するとともに最外部の管が陽極になるように配置し、前記流体処理室の下部に中心より外側に傾けて流入するように流入管を接続し、前記流体処理室の上部に流出管を接続することで処理水が流体処理室の下部から旋回流を生じさせつつ上昇し、当該流体処理室の上部から流出するようになっていて、前記陽極と陰極との間に水中パルスプラズマを発生させるためのパルスプラズマ発信機を有し、前記パルスプラズマ発信機は260V以下で100KHz〜2.5GHzの範囲の周波数を発信することで水中パルスプラズマとともに、前記陽極と陰極に超音波振動を生じさせるものであり、前記陽極管と陰極管又は陰極との間であって、陽極管側に接するようにイオン選択透過性の水分子が通過できる多孔性と含水性を有する隔膜を配設し、前記流出管は陽極側流出管と陰極側流出管とに分離されるとともに、陽極側流出管に接続された陽極側分解沈殿槽と陰極側流出管に接続された陰極側分解沈殿槽とを有することを特徴とする。
水中パルスプラズマにより水から発生した水酸化ラジカルが分解物質を酸化・還元し、気体・水として放出、及び金属類として酸化沈殿する。
また、発生した水酸化ラジカルが原水を分解し、酸素及びナノバブルを含有したプラズマ処理水となり、有機物等を完全に分解処理し無機質を浮上分離・沈殿分離処理する。
本発明に係る流体処理装置は、電極を最外部から陽極とし次に陰極と交互に配置し、中央部が陰極となるように複数の組にして備えたことにより使用電力量低減が可能になった。
また、最外部の底面を鏡面状にすると発生したプラズマを3次元的に拡散し、衝撃電磁波・超音波振動力が数倍に高まり、瞬間分解処理効果がより大きくなる。
本発明に係る流体処理装置は、陽極側にイオン選択透過性の隔膜を配設してあることを特徴とする。
陽極と陰極との電極間に処理対象物質に応じて分解とその後、分子結合反応が起こるので有害なものは分離することが必要であり、そのための隔膜を配設するとよい。
本発明に係る流体処理装置は、養殖や他の用途での浄化・滅菌する場合にも、現在のナノバブルやプラズマ処理のような有害物質や空気を使用・発生せずにナノ酸素を微細に多く含有することが可能である。
また、海水の浄化・滅菌も処理の組み合わせにより、本発明に係る流体処理装置でまず有機物や界面活性剤等の浄化処理を行い、後工程で再度、本発明に係る装置で滅菌処理を行うことにより、薬品を使用しない安全な処理ができる。
海水の場合は、隔膜や電極の種類により、強酸性水やアルカリ水、還元水が精製可能でこれにより浄化・滅菌と海水の淡水化も可能である。
海水の淡水化は、従来のRO膜処理や電気分解によるイオン交換方法より省エネルギー、小規模化が可能である。
本発明に係る流体処理装置において、流体処理室は下部に流体の流入口を有し、上部に当該流体の流出口を有するとともに、流体に旋回流が生じるように流入口の流入角を設定してあることを特徴とする。
流体処理室内に直接処理流体を流入して管形状で水中連続流水処理が可能であり、当該流体処理室の下部から旋回流を生じさせつつ流入し、上部から流出させるパルスプラズマによる流体処理室を有し、流体処理室は、横型でも良いが隔膜や電極の種類が異なると陰イオン・陽イオンを分離する方法として、縦型で、最外部管を陽極とし、陰極を中央に置き、直径で25mmから25mmずつ増加させた管を間隔11.5mmで最小限2個以上、陽極・陰極を交互配置するのがよい。
処理量と水質如何により陰極の直径から全体に複数個配備し、管径を大きくして、高さを20cm以上、2m以下とするか、該装置を増加させることで処理量と水質汚濁度の増加対応できる。
旋回流を生じさせるには、原水管末の該処理室への流入管取り付け位置を、45°から60°の範囲で90°中心から偏芯させて配置するとよい。
流出管は流入管と180°対面する位置から取り出し、陽極側と陰極側を分離して取り出すのがよい。
電極材は、陽極材料をオーステナイト系ステンレスNSSC270(SUS312以上)にチタン・タングステンで蒸着、銀無電解メッキしたもの、マンガン−モリブデン酸化物合金、高純度チタンアモルファス・ニッケル合金、陰極材料をオーステナイト系ステンレスNSSC270(SUS312以上)にチタン・タングステンで蒸着、銀無電解メッキしたもの、ニッケル−鉄−炭素合金、アモルファス・ニッケル合金で使用・用途に応じて選定する。
使用する材質は、耐海水・薬品製品であり、超音波振動があるため剥離しなく電気腐食のないものとする。
陽イオンと陰イオンの分離目的を達成するために、陽極と陰極の間に隔膜を設けるとよいことはすでに述べたが、電極が前記隔膜に接触または僅かな隙間で設けられているとよい。
ここで、隔膜を挟んで設けられた電極の間、隔膜との間には、隔膜の含水性や電極と隔膜との間における毛細管現象によって原水が介在するので、両電極間にパルスプラズマ電流が流れることになる。
このとき生じる化学反応を陽極、陰極に分けて説明する。
まず電極にパルスプラズマ直流電圧を印加すると、陰極の表面では、
2HO+2e−→2OH−+H↑ …(1)
なる反応が生じ、隔膜を挟んだ電極の表面、すなわち当該電極と隔膜との間においては、
O−2e−→2H++1/2・O↑ …(2) なる反応が生じる。
隔膜と電極(陽極)とがほぼ接触するように配置すると、その間で生じた上記(2)式のHイオン(実際にはオキソニウムイオンHの形で存在する。)は陽極で強く反発することになり、隔膜方向へ比較的大きなパルスプラズマ電気的力が加わる。
これにより、Hイオンは隔膜に含蓄されながらここを通過し、その一部が陰極から電子eを受容して、下記(3)式のとおり水素ガスとなって陰極側の生成電解水中に溶け込む。
2H++2e−→H↑ …(3)
これにより、陰極側で生成される電解水は、通常よりも酸化還元電位(ORP)が低い(ORPがマイナスで、絶対値が大きいパルスプラズマ電解水、以下、パルスプラズマ電解還元水ともいう。)となる。
ちなみに、上記隔膜を通過したHイオンの残余は、電解室中のOHイオンと反応して水に戻るため(2H+OH→HO)、電解室で生成される電解還元水のpHは若干中性に近づくことになる。
また、隔膜および電極を少なくとも二対設ければ、これら同極性の電極間においても上記(1)式の反応が進行する。
したがって、隔膜を挟んで一対の電極を設けた場合に比べて、単位容積当たりの電解反応面積が増加し、パルスプラズマ電解効率が向上するとともに流体処理装置をコンパクトに構成することができる。
また、本発明の流体処理装置では、隔膜と電極(陽極)とがほぼ接触して設けられ、隔膜と電極との間に介在する水のみが通電媒体となることから、上記(2)式で生じた酸素ガスはそのまま大気中に放出されることになる。
したがって、いわゆる無隔膜電解に比べると、生成される電解水中の溶存酸素量が著しく少なくなり、さらに酸化還元電位が低くなる。
これと同時に、上記(2)式右辺のHイオンおよび酸素ガスが、隔膜と電極との間から排出されると、化学平衡の点から(2)式の右方向への反応が活発になる傾向がある。
これにより、陰極から水分子HOへの電子供与能と、陽極の水分子HOから受ける電子受容能とが活性化されるので、長時間のパルスプラズマ電気分解を行っても通電量が低下することなく、安定したパルスプラズマ電解水を得ることができる。
本発明の流体処理装置において、隔膜および電極を少なくとも二対設ける場合、上下ではなく別途2基設けられていることがより好ましい。
そして、この第2の流体処理装置に原水(必要に応じて電解質を添加しても良い。)を供給し、上述した本来の流体処理装置(以下、便宜的に第1の流体処理装置ともいう。)に被電解原水を流しながら、二対の電極のそれぞれにパルスプラズマ電流を流すことでパルスプラズマ電気分解を行う。
流体処理室の逆洗浄方法として、たとえば、陽極または陰極の何れか一方に電圧を印加するとともに電極の他方に陽極または陰極の何れか他方のパルスプラズマ電圧を印加して第1の流体処理室内逆洗浄を行ったのち、電極の印加電圧極性を反転させて第2の流体処理室内の逆洗浄を行うことが好ましい。
このとき、特に限定されないが、第1および第2の逆洗浄中に陽極にはパルスプラズマ電圧を印加しないことが好ましい。
逆洗浄の一般的手法は、印加極性を単に反転させ、それまで陰極が印加されてスケールが付着した電極に陽極を印加することで、その付着したスケールをパルスプラズマ電気的に溶出させるものである。
しかしながら、逆洗浄中においても陰極が印加された電極にはスケールが付着することになる。
上述した本発明のパルスプラズマ電解槽では、正電解に移行してこの電極に陽極が印加されたときに、当該電極には原水が供給されないので、一旦付着したスケールは除去し難い。
このため、第1の流体処理電解槽内に設けられた少なくとも2つの電極を用いて、この電極のみに逆洗浄パルスプラズマ電流を流すことでこれらの電極に付着したスケールを除去する。
こうすると、第1の流体処理装置に設けられた電極にはスケールが付着せず、また、逆洗浄も第1のパルスプラズマ電解槽内に設けられた電極のみに電流を流すことで行えるので電力が半分で足り、または同じ電流であれば逆洗浄時間を半分に短縮することができる。
本発明に係る流体処理は単独でも使用できるが、複数の流体処理室と、前記流体処理室に並列的に原水を導入する給水系と、前記各流体処理室で生成された電解水を並列的に取り出す処理水系とを備えたことを特徴とするパルスプラズマ電解水生成装置として構成することもできる。
該発明の流体処理装置および電解水生成装置において、電極は隔膜に接触または僅かな隙間を介して設けられているが、これは隔膜の表面に電極膜を形成することも含む概念である。
隔膜としては、特に限定されないが、多孔性膜、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜などを挙げることができる。
本発明に係る隔膜は、少なくとも水分子が通過できる多孔性と含水性を有するものであればよい。
隔膜を陽極側に用いることにより、重金属類のカドミニウム・水銀・銅・鉛・砒素・フッ素をイオン化して陰極側に通過し、分離除去が行える。
このように処理対象物に対し、電極・隔膜の選定配置により分解・分離を瞬時に処理を可能とする。
使用する電極用管の固定は、絶縁・耐熱性のPE・PVC・エボナイト(硬質ゴム)・ふっ素樹脂を使用する。
本体の保護は、耐熱PE・PVC・ふっ素樹脂等の絶縁管と耐熱絶縁パッキンを使用する。
管は、原水流入管・処理流出管・オーバーフロー管・排水管・水素空気混合排気管を耐熱PE管で絶縁配管する。
パルスプラズマ電源は、100V、200V単相アイソレーショントランスから0〜260V可変トランスで電圧をコントロール可能と直流変換コンバーターで変換し、100KHzから150GHzの可変高周波でフィルター・コンデンサーにて整流して電流0から10Aの発信機で水質に応じた電圧・電流・パルス周波数を選定できる。
本発明に係る流体処理装置は、オゾン・過酸化水素等の薬品や生成装置も必要とせず、また、効力のない磁石・酸素高濃度分離膜装置・超音波振動素子・単純電気分解装置や高圧ポンプとノズルによるキャビティ−ションも必要としないで水の浄化処理が可能である。
該発明の流体処理装置にて生成された還元浄化生成水の用途は特に限定されず、飲料用や医療用の他にも医療分野、食品分野、農業分野、工業分野など、幅広い分野に適用することができる。
また、排水の浄化、滅菌として全産業排水、河川・港湾・湖沼などの淡水、海水・バラスト水、大気汚染の浄化滅菌や海水の淡水化、水素燃料化など、幅広い分野にも適用することができる。
本発明に係る流体処理装置は、原水の水質や水量にこだわり無く、気体・液体・土壌などを水(海水を含む)に含有された、もしくは含有させて水を介し、連続且つ小規模から大規模まで処理が可能である。
以下本発明を実施するための最良の形態を図面に基づき説明する。
図1に流体処理室が1つの場合の流体処理装置の構成を模式的に示し、図2は、流体処理室が2つの場合である。
図3,4にそれぞれのフロー図を示す。
原水槽1から圧送されてくる原水を流体処理室2の下部から流入管にて流入させる。
原水管末の流体処理室2への流入管21取り付け位置は、45°から60°の範囲で90°中心から偏芯させて配置し均一に上昇して処理が可能となる。
流体処理室2の拡大図を図5〜図7に示す。
流体処理室2は下部から旋回流を生じさせつつ流入し、上部から流出させるパルスプラズマ処理室22を有し、パルスプラズマ処理室22は、縦型とする。
最外部電極23を陽極とし、陰極24を中央に置き、直径で25mmから25mmずつ増加させた管を間隔11.5mmで最小限2個以上、陽極25・陰極26を交互配置することにより、処理水量により複数装備可能とし、高さは、内部25と26を200mmとし、最外部23は26の下面から50mm下へ長く、上面から50mm上へ長くし、全体で300mmの長さとする。
それぞれの管はすべて上下2段に絶縁エボナイト27で固定する。
場合により絶縁ボルトで固定する。
電極23から26は、陽極・陰極に分離配置し、処理対象水に応じた電極材料の選定と、隔膜35もそれに順じて陽極・陰極個別にするか両方に装備するか決定する。
隔膜35は、必要に応じて材質ポリイミド不織布と二酸化チタン厚さが2μ〜1mm、平均孔径が0.05〜1.0μm、透水量が1.0cc/cm・min以下の多孔性膜を陰イオン・陽イオンに分けて装備する。
隔膜の固定36は、チタン板1mm幅5mmを電極上下にリング状で固定する。
最外部電極23の陽極側上部処理水流出管37は、陽極側分解沈殿槽5へ配管するものとし、電極内をチタンで配管、外部はバルブを配備してPVCもしくはPE材にて配管する。
中央電極24の陰極側上部処理水流出管38は、最外面上部から陰極側分解沈殿槽6へ配管する。
電極内をチタンで配管、外部はバルブを配備してPVCもしくはPE材にて配管する。
処理の用途に準じて陽極側上部処理水流出管37に接合する。
陽極側上部処理水流出管37で、陽極側分解沈殿槽5へ配管の途中で攪拌混合が必要な処理の場合、送水ポンプ4を両端ユニオン接合で装備する。
流体処理装置2の上部側面から酸素・水素・二酸化炭素・場合により有害な硫化水素・一酸化炭素・ダイオキシンなどが発生する恐れがあり、有害なガスの中和装置7を配備し、苛性ソーダ・水酸化カルシウム等で中和処理する。
該配管39は、PE材にて配管する。
無害な酸素・水素であれば配管37のエジェクターから吸引させ、沈殿槽5でバッキ処理する。
該配管40は、PE材にて配管する。
流体処理室を2つ配備する場合の配管は、第1流体処理室2を経由して第2流体処理室3の流入管41、42から流入処理する。
第1流体処理室が故障などの場合、配管43バイパスから流入処理する。
逆洗洗浄、清掃時は、排水管44からタンクに排水可能な配管をPE材にて装備し、それぞれにバルブを配備する。
パルスプラズマ処理室22の底部は、チタン製M12長さ10cmの全ネジボルト28にPVC止水材29を陰極底部に溶接固定し、内ネジM12の目ネジを切った内径φ50、長さ50mmの硬質ゴム30をねじ込み、最外部の陽極と間隔をとって短絡を防止する。
また底部は円弧状としているが、平状にPVC・耐熱PE材等の絶縁材で固定しても良い。
貫通部31はPVCの止水材とし、ワッシャ・ナットで固定し、陰極のリング端子32も上下の基礎の間のゴムパッキン・保護管底部と基礎の内側の2箇所を、ゴムパッキン・ワッシャ・ナットで固定し、ナットとの間に陰極のリング端子33を配置固定する。
ワッシャ・ナットの材質は、SUS316Lとする。
流体処理室2の基礎・保護管・上部蓋34は、φ150のPVC・PE・フッ素樹脂・耐熱HIVP管とし、基礎・上部2箇所をステンレスバンドで固定する。
電極23から26の陽極・陰極電気配線接続は、チタン製接続材として内部配線はカイノール耐熱・絶縁材で保護する。
パルスプラズマ発信機とそれらの電気系統は、図10、図11に示す。
配電盤54の電源で100/200V−3心と100V−単相を引き込み、パルス本体の制御電源は100V−単相からコンセントより受電する。
パルスプラズマ発生電源は、配電盤54の100/200V−3心のブレーカーから配線2心でアイソレーショントランス51へ接続、絶縁防止後、可変トランス52へ2心で配線、交流から直流に変換するコンバーター55に2心で配線、出力電流に応じて可変パルスプラズマ発信機53へ2心で配線接続して、水質と導電率に適合するよう、0Vから260Vの電圧範囲で、且つ周波数を100KHz以上、2.5GHz以下で調整しながら、流体処理装置2、3の陽極と陰極に配線接続し、送電して処理に適合するよう設定する。
排水管44は、排水処理の有無によりタンクへ排水できる設備とする。
電気計装室56は、図11の通り、アイソレーショントランス51、可変トランス52、配電盤54を装備し、100V用ファンを4箇所に、同排気口を4箇所に装備する。
材質はステンレスアングルで補強した上、ステンレス板で形装し、処理装置機械配管室55の上部に固定する。
小麦粉製品化工場の排水の原水処理を本装置で処理し、原水と処理後の水質分析を行った。
処理水は、薬品沈殿やろ過等の処理を一切行っていない。
(実施条件)
原水ポンプ(水中式) 単相交流電源100V 20W/60Hz
吐出量 6L/min 揚程 4m
送水ポンプ(吸い込み式循環用) 単相交流電源100V 80W/60Hz
吐出量 10L/min 揚程 10m
プラズマ高周電磁波処理装置 周波数5.1MHz 100ns
20V 5.0A 100W/hr
BODを放流基準の80mg/L以下との条件指示。
処理水送水量4L/minとし、原水量20Lを5分間の処理とした。
(原水と処理水の水質分析結果)
分析名称 原 水 処理水
化学的酸素要求量 (mg/L) 3400 2.0
生物化学的酸素要求量(mg/L) 6800 4.4
浮遊物質量 (mg/L) 140 1.2
溶存酸素量 (mg/L) 0.5 6.2
全窒素 (mg/L) 56 0.01以下
電気伝導率 (μS/cm) 3600 210
pH (22.3℃) 4.6 7.8
大腸菌群数 (個/cm) 30以下 30以下
一般細菌 (CFU/mL) 7300000 100以下
全リン (mg/L) 8.1 0.01以下
色度 (度) 12 0.2
(評価)
1,pH(水素イオン濃度)が3.2上がっていることは、小麦粉排水高分子のグルテン酸がパルスプラズマ処理で完全分解出来たと判断出来る。
2,溶存酸素濃度が5.7 mg/L増えていることも小麦粉排水高分子のグルテン酸がパルスプラズマ処理で完全分解出来たと判断出来る。
3,化学的酸素消費量が2.0mg/Lとなり99.94%の除去率と小麦粉排水高分高分子のグルテン酸がパルスプラズマ処理で完全分解出来たと判断出来る。
5,浮遊物質量が1.2mg/Lとなり99.14%の除去率で分解無機質が検出されているが小麦粉排水高分子のグルテン酸がパルスプラズマ処理で完全分解出来たと判断出来る。
6,大腸菌郡数は原水も処理水も30個/cm以下と増加も減少もない。
7,全窒素が0.01mg/L以下となりパルスプラズマ処理で完全分解出来たと判断出来る。
8,全リンが0.01mg/L以下となりパルスプラズマ処理で完全分解出来たと判断出来る。
9,一般細菌は100以下と浄化・滅菌効果があった。
10,色度は0.2度となりパルスプラズマ処理で完全分解出来たと判断出来る。
11,伝導率も210μS/cmと地下水より低く、パルスプラズマ処理で完全分解出来たと判断出来る。
対象が小麦粉の排水の場合は、グルテンで加水分解されると澱粉の主体であるグルタミン酸(C5H9NO4)の高分子となり、難分解性でさらに浮遊物質量SSで15,000ppmと高濃度であるため、二酸化炭素ガス分解の白濁で、2倍の水量となり水の水酸化ラジカルOHでの分解を高めた結果1回5分間の処理で、完全分解が可能となった。
装置電極を銀無電解メッキとし、電極の陽極と陰極を交互に配備して原水を5分間の全量プラズマ処理で、完全分解が可能となった。
処理量を増加するには、テスト機の電極高さが20cmであるため必要に応じて高くすることと、極の径を大きくすれば完全分解処理できることが判明した。
本試験結果から、電極の材質、陽極・陰極の配置と構造により、処理分解の効果・効率が高くなって、完全分解処理が可能となり、他の薬品沈殿も不要となった。
該装置により、窒素・リンの除去に対しても、完全処理が可能となった。
本発明に係る流体処理装置を1台とした全体斜視図を示す。 本発明に係る流体処理装置を2台とした全体斜視図を示す。 本発明に係る流体処理装置を1台としたフロー図を示す。 本発明に係る流体処理装置を2台としたフロー図を示す。 流体処理室を示す。 流体処理装置の断面を示す。 A−A線断面図を示す。 B−B線断面図を示す。 C−C線断面図を示す。 パルス発信機系統図を示す。 電気計装室を示す。
符号の説明
1 原水槽
2 第1流体処理装置
3 第2流体処理装置
4 処理水送水ポンプ
5 陽極側分解沈殿槽
6 陰極側分解沈殿槽
7 中和装置
21 底部配管
22 パルスプラズマ処理室
23 最外部電極
24 中央陰極
25 陽極
26 陰極
27 絶縁エボナイト
28 全ネジボルト
29 PVC止水材
30 硬質ゴム
31 貫通部
32 陰極のリング端子
33 陰極のリング端子
34 上部蓋
35 隔膜
36 チタン板
37 陽極側上部処理水流出管
38 陰極側上部処理水流出管
39 中和処理配管
40 沈殿槽配管
43 バイパス配管
44 逆洗用配管
51 アイソレーショントランス
52 可変トランス
53 パルスプラズマ発信機
54 配電盤
55 コンバーター

Claims (1)

  1. 流体処理室内の中央に陰極を配置し、当該中央の陰極に対して同心円状に所定の間隔を隔てて陽極管と陰極管を交互に配置するとともに最外部の管が陽極になるように配置し、
    前記流体処理室の下部に中心より外側に傾けて流入するように流入管を接続し、
    前記流体処理室の上部に流出管を接続することで処理水が流体処理室の下部から旋回流を生じさせつつ上昇し、当該流体処理室の上部から流出するようになっていて、
    前記陽極と陰極との間に水中パルスプラズマを発生させるためのパルスプラズマ発信機を有し、
    前記パルスプラズマ発信機は260V以下で100KHz〜2.5GHzの範囲の周波数を発信することで水中パルスプラズマとともに、前記陽極と陰極に超音波振動を生じさせるものであり、
    前記陽極管と陰極管又は陰極との間であって、陽極管側に接するようにイオン選択透過性の水分子が通過できる多孔性と含水性を有する隔膜を配設し、前記流出管は陽極側流出管と陰極側流出管とに分離されるとともに、陽極側流出管に接続された陽極側分解沈殿槽と陰極側流出管に接続された陰極側分解沈殿槽とを有することを特徴とする流体処理装置。
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