JP6891864B2 - エジェクタ - Google Patents

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Description

本発明は、エジェクタに関するものである。
従来、ノズルとニードルを有し、ノズルの内部の流体流路を通ってノズルの先端側から噴射される作動流体の巻き込み作用によってノズルの外部の流体を吸引するエジェクタが知られている。例えば、特許文献1には、ノズルの先端において、ノズルの内面が囲む部分の断面積が一定となっている。
特開2004−144043号公報
エジェクタの動作条件(例えばニードルリフト量)および使用される冷媒が決まると、ノズル内におけるノズルとニードルの間の領域の最適な最小面積と最適な出口流路断面積が決まる。しかし、エジェクタが複数の動作条件で使用される場合、それらすべての動作条件に対して最適となるエジェクタの最小面積と出口流路断面積を決めることは困難である。
特に、ニードルリフト量が大きい場合に、出口流路断面積が大きくなり過膨張となってしまう場合がある。この対策として、ノズルを短くする方法があるが、そのようにするとノズル効率が悪くなる。ノズル効率を増加させるためには一般的に根元側から出口にかけて流路断面積を緩やかに拡大させることが望ましいからである。
本発明は上記点に鑑み、ノズルを短くするのとは別の方法で、エジェクタの過膨張を抑制することを第1の目的とする。
また、特許文献1には、ニードルが2段テーパを有するエジェクタが開示されている。すなわち、ニードルは、先端側に向かって先細る第1テーパ部と、第1テーパ部から更に先端側に向かって先細る第2テーパ部とを備える。そして、第1テーパ部と第2テーパ部との境界部において、第1テーパ部のテーパ角と第2テーパ部のテーパ角とが不連続になっている。
発明者の検討によれば、ニードルが2段テーパを有すると、ニードルの上記境界部よりも先端側で、ノズルとニードルの間の空隙の流路断面積が急に広がる。通常は、ノズルとニードルとの間の空隙の流路断面積を極小にする喉部がノズルのニードル側の壁面に形成され、この喉部で作動流体が沸騰することが望ましい。しかし、発明者の検討により、喉部とは別に、上記境界部においても、作動流体の沸騰が発生してしまう。意図された喉部以外の部分で作動流体が沸騰してしまうと、エジェクタのエネルギー回収効率が低下してしまう。
本発明は上記点に鑑み、2段テーパを有するニードルを備えたエジェクタにおいて、意図した部分以外で作動流体が沸騰してしまうことに起因して発生するエネルギー回収効率の低下を抑制することを第2の目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、エジェクタであって、ノズル(41)と、前記ノズルの内部の流体流路に配置され、前記ノズルに対して軸線方向に移動すると共に当該エジェクタの先端側に向かって先細るニードル(44)と、を備え、前記ノズルの内部の流体流路を通って前記ノズルにおける当該エジェクタの先端側から噴射される作動流体の巻き込み作用によって、前記ノズルの外部の流体が吸引され、前記ノズルの前記ニードル側の壁面は、前記流体流路における前記先端側の端部に位置する出口(41z)と、前記出口よりも前記先端側とは反対側に位置して前記ニードルに向かって突出する喉部(41x)と、を有し、喉部流路断面積(200)は、前記喉部を通り前記軸線方向に直交する断面における前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の面積であり、出口流路断面積(201)は、前記出口を通り前記軸線方向に直交する断面における前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の面積であり、前記軸線方向における前記ニードルの前記ノズルに対する離れ度合いを示すニードルリフト量(R)が第1範囲にある場合、前記喉部流路断面積は前記出口流路断面積よりも小さく、かつ、前記流体流路内において前記軸線方向に直交するすべての断面における前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の面積のうち、前記喉部流路断面積が最小であり、前記ニードルリフト量が前記第1範囲よりも大きい第2範囲にある場合、前記喉部流路断面積は前記出口流路断面積よりも大きく、かつ、前記流体流路内において前記軸線方向に直交するすべての断面における前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の面積のうち、前記出口流路断面積が最小であり、前記第2範囲において、前記ニードルの一部が前記出口よりも前記先端側にある。
また、請求項5に記載の発明は、 エジェクタであって、ノズル(41)と、前記ノズルの内部の流体流路に配置され、前記ノズルに対して軸線方向に移動すると共に当該エジェクタの先端側に向かって先細るニードル(44)と、を備え、前記ノズルの内部の流体流路を通って前記ノズルにおける当該エジェクタの先端側から噴射される作動流体の巻き込み作用によって、前記ノズルの外部の流体が吸引され、前記ノズルの前記ニードル側の壁面は、前記流体流路における前記先端側の端部に位置する出口(41z)と、前記出口よりも前記先端側とは反対側に位置して前記ニードルに向かって突出する喉部(41x)と、を有し、喉部流路断面積(200)は、前記喉部を通り前記軸線方向に直交する断面における前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の面積であり、出口流路断面積(201)は、前記出口を通り前記軸線方向に直交する断面における前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の面積であり、前記軸線方向における前記ニードルの前記ノズルに対する離れ度合いを示すニードルリフト量(R)が第1範囲にある場合、前記喉部流路断面積は前記出口流路断面積よりも小さく、かつ、前記流体流路内において前記軸線方向に直交するすべての断面における前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の面積のうち、前記喉部流路断面積が最小であり、前記ニードルリフト量が前記第1範囲よりも大きい第2範囲にある場合、前記喉部流路断面積は前記出口流路断面積よりも大きく、かつ、前記流体流路内において前記軸線方向に直交するすべての断面における前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の面積のうち、前記出口流路断面積が最小であり、 前記ニードルは、前記先端側に向かって先細る第1テーパ部(441)と、前記第1テーパ部の前記先端側の端に接続すると共に更に前記先端側に向かって先細る第2テーパ部(442)と、を備え、前記第1テーパ部と前記第2テーパ部との境界部(44x)における前記第1テーパ部のテーパ角である第1テーパ角(θE1)よりも、前記境界部における前記第2テーパ部のテーパ角である第2テーパ角(θE2)の方が大きくなっており、前記喉部では、前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の流路断面積が極小になり、前記巻き込み作用が発揮されるとき、前記喉部よりも前記先端側に前記境界部があり、前記巻き込み作用が発揮されるとき、前記壁面のうち前記喉部よりも前記先端側の部分は、前記壁面によって囲まれる領域を前記先端側に向かって狭める形状を有する、エジェクタである。
このように、ニードルリフト量が第1範囲にある場合、喉部流路断面積は出口流路断面積よりも小さくなる。そして、ノズルとニードルとの間の空隙の流路断面積のうち、喉部流路断面積が最小となる。つまり、ノズルおよびニードルがラバルノズルとして動作する。
また、ニードルリフト量が第1範囲よりも大きい第2範囲にある場合、喉部流路断面積は出口流路断面積よりも大きくなる。ノズルとニードルとの間の空隙の流路断面積のうち、出口流路断面積が最小となる。つまり、ノズルおよびニードルがラバルノズルとして動作する。このように、ニードルリフト量が大きいときでも、ノズルおよびニードルがプラグノズルとして動作することにより、過膨張を抑えることができる。
上記目的を達成するための請求項7に記載の発明は、エジェクタであって、ノズル(41)と、前記ノズルの内部の流体流路に配置されるニードル(44)と、を備え、前記ノズルの内部の流体流路を通って前記ノズルにおける当該エジェクタの先端側から噴射される作動流体の巻き込み作用によって、前記ノズルの外部の流体が吸引され、前記ニードルは、前記先端側に向かって先細る第1テーパ部(441)と、前記第1テーパ部の前記先端側の端に接続すると共に更に前記先端側に向かって先細る第2テーパ部(442)と、を備え、前記第1テーパ部と前記第2テーパ部との境界部(44x)における前記第1テーパ部のテーパ角である第1テーパ角(θE1)よりも、前記境界部における前記第2テーパ部のテーパ角である第2テーパ角(θE2)の方が大きくなっており、前記ノズルの前記ニードル側の壁面には、前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の流路断面積を極小にする喉部(41x)が形成され、前記巻き込み作用が発揮されるとき、前記喉部よりも前記先端側に前記境界部があり、前記巻き込み作用が発揮されるとき、前記壁面のうち前記喉部よりも前記先端側の部分は、前記壁面によって囲まれる領域を前記先端側に向かって狭める形状を有するエジェクタである。
このように、巻き込み作用が発揮されるとき、ノズルの境界部よりも先端側で、ノズルの壁面によって囲まれる流路を先端側に向かって狭めることで、境界部における沸騰を抑制することができる。その結果、意図した部分以外で作動流体が沸騰して沸騰遅れが発生してしまうことに起因して発生するエネルギー回収効率の低下を抑制することができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係るエジェクタタサイクルの模式図である。 エジェクタの模式図である。 エジェクタの拡大図である。 ノズルの先端部とニードルの先端部の拡大図である。 流路断面積の変化を示す図である。 第2実施形態に係るエジェクタの拡大図である。 第3実施形態に係るエジェクタの拡大図である。 第4実施形態に係るエジェクタサイクルの模式図である。 ノズルの先端部とニードルの先端部の拡大図である。 ノズルがラバルノズルとして動作する場合の流路断面積の変化を示す図である。 ノズルがプラグノズルとして動作する場合の流路断面積の変化を示す図である。 ノズルがラバルノズルとして動作する領域210とプラグノズルとして作動する領域220とを示すグラフである。 従来のストレート形状のノズルを用いた場合のニードルリフト量と出口流路断面積との関係を示す図である。 第5実施形態に係るエジェクタの拡大図である。 第6実施形態に係るエジェクタの拡大図である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について説明する。本実施形態に係るエジェクタは、車両空調装置用のエジェクタサイクルに用いられる。図1は二酸化炭素を冷媒とするエジェクタサイクルの模式図であり、図2はエジェクタ40の模式図であり、図3はノズル41の拡大図である。冷媒が作動流体に対応する。
図1中、圧縮機10は走行用エンジンから動力を得て冷媒を吸入圧縮する周知の可変容量型の圧縮機であり、圧縮機10の吐出容量は、後述する蒸発器30内の温度または圧力が所定範囲内になるように制御される。なお、電動圧縮機のごとく、吐出冷媒流量を回転数により制御することができるものを圧縮機10として採用してもよい。
放熱器20は圧縮機10から吐出した冷媒と室外空気とを熱交換して冷媒を冷却する高圧側熱交換器である。蒸発器30は、室内に吹き出す空気と液相冷媒とを熱交換させて液相冷媒を蒸発させることにより冷媒を蒸発させて室内に吹き出す空気を冷却する低圧側熱交換器である。
なお、本実施形態では、冷媒を二酸化炭素として、圧縮機10の吐出圧を冷媒の臨界圧力以上としている。放熱器20内で冷媒は凝縮することなく、温度を低下させることでそのエンタルピを低下させる。しかし、例えば冷媒が二酸化炭素ではなくHFC134aであれば、圧縮機10の吐出圧を臨界圧力未満とした場合には、放熱器20内で冷媒は凝縮しながらそのエンタルピを低下させる。
エジェクタ40は冷媒を減圧膨張させて蒸発器30にて蒸発した気相冷媒を吸引すると共に、膨張エネルギーを圧力エネルギーに変換して圧縮機10の吸入圧を上昇させるものであり、詳細は後述する。
気液分離器50はエジェクタ40から流出した冷媒が流入すると共に、その流入した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して冷媒を蓄える気液分離部である。気液分離器50の気相冷媒流出口は圧縮機10の吸引側に接続される。気液分離器50の液相冷媒流出口は蒸発器30側の流入側に接続される。絞り60は気液分離器50から流出した液相冷媒を減圧する減圧部である。
送風機21は放熱器20に冷却風、つまり外気を送風する。送風機31は蒸発器30に室内に吹き出す空気を送風する。
次に、エジェクタ40について述べる。以下、エジェクタ40の先端側のことを、単に先端側と呼ぶ。エジェクタ40は、運動量輸送式のポンプである。エジェクタ40は、図2に示すように、ノズル41、混合部42、ディフューザ43、ニードル44、ハウジング45、ブロック46等を有する。ノズル41は、流入する高圧冷媒の圧力エネルギーを速度エネルギーに変換して冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるプラグノズルである。混合部42は、ノズル41から噴射する高い速度の冷媒流により蒸発器30にて蒸発した気相冷媒を吸引しながら、ノズル41から噴射する冷媒流と当該気相冷媒とを混合する。ディフューザ43は、ノズル41から噴射する冷媒と蒸発器30から吸引した冷媒とを混合させながら速度エネルギーを圧力エネルギーに変換して冷媒の圧力を昇圧させる。
ニードル44は、エジェクタ40の先端側に向かうほど断面積が縮小するように円錐テーパ状に形成される。ここで、断面積とは、ニードル44の軸線に垂直な面で切ったときの断面積をいう。ノズル41およびニードル44は、ステンレス等の金属製であってもよい。ニードル44は、ノズル41に流れ込む高圧冷媒の流量等に応じて、不図示のアクチュエータによって駆動されてニードル44の軸線方向に変位可能となっている。ニードル44は、ノズル41の内部の空間に、ノズル41と同軸に、配置される。
ハウジング45は、混合部42およびディフューザ43を形成する筒状の部材であり、ディフューザ43の流出口45aは気液分離器50の流入口76側に接続されている。ブロック46は、ノズル41を収納すると共に、放熱器20側に接続される高圧冷媒入口46a、および蒸発器30側に接続される低圧冷媒入口46bが設けられた金属製の部材である。ハウジング45とブロック46とは溶接またはろう付けにて接合されている。ハウジング45およびブロック46の材質としては、アルミニウム、ステンレス、黄銅等が考えられる。
そして、ニードル44が同軸上に圧入固定されたノズル41をブロック46に圧入固定することにより、ニードル44およびノズル41がブロック46の内部に組み付けられる。ノズル41を圧入するための穴は蓋46cにより閉塞されている。
混合部42においては、ノズル41から噴射する冷媒流の運動量と、蒸発器30からエジェクタ40に吸引される冷媒流の運動量との和が保存されるように混合するので、混合部42においても冷媒の静圧が上昇する。
一方、ディフューザ43においては、流路断面積が徐々に拡大することにより、冷媒の動圧が静圧に変換される。したがって、エジェクタ40においては、混合部42およびディフューザ43の両者にて冷媒圧力が上昇する。
エジェクタ40においては、混合部42で2種類の冷媒流の運動量の和が保存されるように冷媒圧力が増大し、ディフューザ43でエネルギーが保存されるように冷媒圧力が増大することが望ましい。
ここで、ニードル44とノズル41の構成についてより詳細に記載する。ニードル44は、図3、図4に示すように、胴部440、第1テーパ部441、第2テーパ部442を有している。胴部440、第1テーパ部441、第2テーパ部442は、全体として一体かつ同軸に成形されている。胴部440は、略円柱形状を有しており、先端側において第1テーパ部441に接続されている。
第1テーパ部441は、先端側に向かって先細った略円錐台形形状を有している。第1テーパ部441のデーパー角である第1テーパ角θE1は、本実施形態では一定である。したがって、第1テーパ角θE1は、第1テーパ部441における胴部440側の端から先端側の端まで、一定である。
第2テーパ部442は、第1テーパ部441の先端側の端に接続すると共に、更に先端側に向かって先細った略円錐形状を有している。第2テーパ部442のデーパー角である第2テーパ角θE2は、本実施形態では一定である。したがって、第2テーパ角θE2は、第2テーパ部442における第1テーパ部441側の端から先端側の端まで、一定である。
したがって、第1テーパ部441と第2テーパ部442との境界部44x(すなわち変角部)における第1テーパ角θE1よりも、境界部44xにおける第2テーパ角θE2の方が大きい。また、境界部44xにおいて第1テーパ角θE1と第2テーパ角θE2とが不連続になっている。つまり、境界部44xの第1テーパ部441側から第2テーパ部442側にかけて、ニードル44のテーパ角が不連続に急変する。
また、ノズル41のニードル44側の壁面すなわち内壁面は、根元面410、第1絞り面411、第2絞り面412を有する。根元面410、第1絞り面411、第2絞り面412は、胴部440、第1テーパ部441、第2テーパ部442と同軸に配置される。根元面410は、略円筒形状を有して胴部440を囲む。
第1絞り面411は、根元面410の先端側の端に接続すると共に更に先端側に向かって第1テーパ角θZ1で先細っている。第1絞り面411の形状は、円錐台形の側面と概ね同じである。したがって、第1絞り面411は、先端側に向かうにつれて縮径している。このため、第1絞り面411によって囲まれる領域は、先端側に向かうにつれて狭くなっている。ここで、第1絞り面411の径とは、ノズル41の軸線に直交する断面における第1絞り面411の径をいう。
また、第1絞り面411のテーパ角である第1テーパ角θZ1は、上述の第1テーパ角θE1よりも大きい。したがって、第1絞り面411と第1テーパ部441の間の空隙の流路断面積も、先端側に向かうにつれて減少する。
第2絞り面412は、第1絞り面411の先端側の端に接続すると共に更に先端側に向かって第2テーパ角θZ2で先細っている。第2絞り面412の形状は、円錐の側面と概ね同じである。したがって、第2絞り面412は、先端側に向かうにつれて縮径している。このため、第2絞り面412によって囲まれる領域は、先端側に向かうにつれて狭くなっている。ここで、第2絞り面412の径とは、ノズル41の軸線に直交する断面における第2絞り面412の径をいう。
また、第2絞り面412のテーパ角である第2テーパ角θZ2は、上述の第1テーパ角θE1よりも小さい。したがって、第2絞り面412と第1テーパ部441の間の空隙の流路断面積は、先端側に向かうにつれて拡大している場合がある。また、第1絞り面411と第2絞り面412の境界に相当する喉部41xにおいて、第1テーパ角θZ1と第2テーパ角θZ2とは不連続になっている。
また、第2絞り面412の第2テーパ角θZ2は、上述の第2テーパ角θE2よりも小さい。したがって、第2絞り面412と第2テーパ部442の間の空隙の流路断面積は、先端側に向かうにつれて拡大している。
したがって、ノズル41とニードル44の空隙の流路断面積は、図5の実線71に示すように、軸線CLに沿った位置(以下、軸線方向位置という)によって異なる。ここで、軸線CLは、ニードル44の軸線であると共にノズル41の軸線である。また、ある軸線方向位置における流路断面積は、当該軸線方向位置を通り軸線CLの方向に直交する断面における、ノズル41とニードル44の間の空隙の面積をいう。ただし、当該断面にニードル44がなければ、当該断面においてノズル41に囲まれた部分の面積が、流路断面積となる。
実線71に示すように、第1絞り面411に対応する軸線方向位置では、喉部41xに対応する軸線方向位置P1に向かって流路断面積は一定の減少率で減り続ける。そして、軸線方向位置P1において流路断面積は減少から増大に転じる。つまり、軸線方向位置P1において、流路断面積は極小かつ最小になる。そして、軸線方向位置P1から境界部44xに対応する軸線方向位置P2まで、流路断面積は一定の増加率で増加し続ける。更に、軸線方向位置P2において、流路断面積の増加率は不連続に増大する。そして、軸線方向位置P2からノズル41の先端に対応する軸線方向位置P3まで、流路断面積は当該増大後の増加率を維持して増加し続ける。このように、軸線方向CLに沿った喉部41xが、流路断面積を極小かつ最小にする。なお、増加率とは、軸線方向位置を先端側に単位距離だけ変化させたときの流路断面積の増加量をいう。
なお、図4、図5の例では、喉部41xよりも境界部44xの方が軸線CL方向の先端側に位置する。エジェクタ40が使用される際は、殆どの場合この位置関係が実現する。なお、ニードル44の先端は、ノズル41の先端よりも更にエジェクタ40の先端側にあってもよいし、当該先端側とは反対側にあってもよい。
ここで、第1テーパ角θE1、第2テーパ角θE2、第1テーパ角θZ1、第2テーパ角θZ2の間の関係についてまとめると、θZ2<θE1<θE2となる。一般的な使用条件においてエジェクタ40のノズル41では、ノズル41の内部を通る冷媒が音速以上にまで加速される。それを実現するため、冷媒の流路断面積は徐々に縮小していき、流路断面積が最小になる喉部41xを通過後に徐々に増えていくことが好ましい。実際、本実施形態では、冷媒流れの上流から下流に向けて流路断面積が徐々に小さくなり、喉部41xで最小となり、喉部41xよりも下流部分では流路断面積が広がっていく。上記のような構造となるために、上述の角度関係となることが望ましい。なお、本実施形態では、θE1<θZ1という関係も実現する。
次に、エジェクタサイクルの概略作動について説明する。圧縮機10から吐出された冷媒は放熱器20側で冷却された後、エジェクタ40の高圧冷媒入口46aからノズル41の内部の流体流路に流れ込む。ノズル41の内部に流れ込んだ冷媒は、喉部41xにおいて等エントロピ的に減圧膨張されて沸騰する。この際、冷媒の圧力エネルギーが速度エネルギーに変換され、ノズル41の先端から気液二相状態の冷媒が音速以上の高速度となって噴射される。そして、蒸発器30にて蒸発した気相冷媒が、この噴射された冷媒による巻き込み作用により、低圧冷媒入口46bからノズル41とブロック46の間を通って、ノズル41の外部から混合部42に吸引される。
ノズル41の先端から噴射された冷媒と低圧冷媒入口46bより吸引された冷媒は、混合部42へ流入した後に混合部42で互いに混合される。そして、混合部42で混合された冷媒は、ディフューザ43に入る。ディフューザ43では、冷媒通路面積の拡大によって冷媒の速度エネルギーが圧力エネルギーに変換されて冷媒の圧力が上昇する。ディフューザ43を通った冷媒は、流出口45aから流出して気液分離器50に流入する。気液分離器50に流入した冷媒のうち気相冷媒は、圧縮機10に吸入されて再び圧縮される。また、気液分離器50に流入した冷媒のうち液相冷媒は絞り60で再度減圧された後に蒸発器30で蒸発する。
このように、エジェクタ40の巻き込み作用が発揮されるときに、ノズル41は多くの場合図4、図5のような配置にある。つまり、第1テーパ部441は第1絞り面411にも第2絞り面412にも対向し、第2テーパ部442は一部または全部が第2テーパ部442に対向する。そして、喉部41xの軸線方向位置よりも境界部44xの軸線方向位置の方が先端側にある。
このような場合、図5に示したように、境界部44xにおいて先端側に向けて流路断面積の増加率が不連続に増大するので、境界部44xにおいても冷媒の沸騰が発生する可能性がある。
しかし、本実施形態では、既に説明した通り、第2絞り面412によって囲まれる領域が先端側に向かうにつれて狭くなっている。ここで、ノズル41の第2絞り面412によって囲まれる領域が、本実施形態とは異なり、先端側に向かうにつれて狭くならず広さ一定になっている比較例について、図5を参照して説明する。この比較例では、図5の点線72のように、軸線方向位置P2から軸線方向位置P3までの範囲で、流路断面積の増加率が、実線71よりも大きくなってしまう。このような例では、境界部44xにおいて沸騰が発生する。つまり、沸騰遅れが発生する。沸騰遅れとは、喉部41xよりも冷媒流れ下流で沸騰が発生することをいう。沸騰遅れが発生すると、喉部41xにおいて沸騰が発生しにくくなる。ひいては、エジェクタ40のエネルギー回収効率が低下する。
ここで、エネルギー回収効率とは、冷媒の膨張によって発生する損失を運動エネルギーとして回収することのできる割合をいう。エジェクタ40は、喉部41xで沸騰を発生させることによりエネルギー回収効率を最大化するよう、設計されている。したがって、ノズル41よりも先端側で沸騰が発生すると、エネルギー回収効率が低下する。
これに対し、本実施形態では、第2絞り面412によって囲まれる領域が先端側に向かうにつれて狭くなっている。これにより、比較例の場合よりも境界部44xより先端側での流路断面の急激な増加を抑制することができる。その結果、境界部44xにおける沸騰の発生を抑制することができ、ひいては、喉部41xにおける沸騰が発生し易くなる。したがって、仮に沸騰遅れが発生したとしても、沸騰遅れに起因して発生するエネルギー回収効率の低下を抑制することができる。
また、先細る第2テーパ部442をニードル44が有している。このようになっていることで、冷媒の慣性力で軸線CLに流れが集まる。これにより、適正な自由膨張を促進することができる。
以上説明した通り、エジェクタ40において巻き込み作用が発揮されるとき、ノズル41の内壁面の喉部41xよりも先端側は、当該内壁面によって囲まれる領域を先端側に向かって狭める形状を有する。このようになっていることで、境界部44xにおける沸騰を抑制することができる。その結果、意図した部分以外で冷媒が沸騰して沸騰遅れが発生してしまうことに起因して発生するエネルギー回収効率の低下を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、ニードル44の形状が変更されている。その他は、第1実施形態と同様である。
本実施形態では、図6に示す様に、境界部44xより先端側の部分すなわち第2テーパ部442の形状が、第1実施形態と異なっている。本実施形態では、第2テーパ部442は、第1実施形態と同様、エジェクタ40の先端側に向かって先細っている。しかし、第2テーパ部442の先端部の表面は、第1実施形態とは異なり、滑らかな曲面となっている。なお、第1実施形態では、第2テーパ部442の先端部は尖っている。
このようになっていることで、ニードル44の全長を抑えることができる。ただしその一方で、第2テーパ部442の表面において渦が発生する可能性が高くなる。
また、本実施形態においても、境界部44xにおける第2テーパ部442のテーパ角である第2テーパ角θE2の方が、第1テーパ角θE1よりも大きい。また、境界部44xにおいて第1テーパ角θE1と第2テーパ角θE2とが不連続になっている。したがって、第1実施形態と同様、第2絞り面412によって囲まれる領域が先端側に向かうにつれて狭くなっていることで、第1実施形態と同等の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、第1絞り面411、第2絞り面412の形状が変更されている。その他は、第1実施形態と同様である。本実施形態では、図7に示すように、軸線CLを含む平面で第1絞り面411を切断したときの断面は、滑らかな曲線となっている。また同様に、軸線CLを含む平面で第2絞り面412を切断したときの断面も、滑らかな曲線となっている。
したがって、第1テーパ角θZ1および第2テーパ角θZ2は、どちらも、一定ではない。具体的には、第1テーパ角θZ1は、エジェクタ40の先端に向かうにつれて減少している。また、第2テーパ角θZ2は、エジェクタ40の先端に向かうにつれて減少していき、ノズル41の最先端で0度になる。
しかも、本実施形態では、喉部41xにおいて第1テーパ角θZ1と第2テーパ角θZ2とが連続になっている。すなわち、喉部41xにおける第1テーパ角θZ1と第2テーパ角θZ2とは同じである。第1絞り面411、第2絞り面412をこのような形状とすることで、ノズル41の加工難度は上がるが、エネルギー回収効率は上昇する。
この場合でも、ノズル41とニードル44の間を通る冷媒の流路断面積を極小かつ最小にする部分が、第1絞り面411と第2絞り面412の境界となる。そしてこの境界が喉部41xである。
本実施形態においても、エジェクタ40が作動して巻き込み作用が発揮されるとき、殆どの場合、第1テーパ部441が喉部41xに対向する。この場合、第1テーパ部441の形状によっては、喉部41xの位置がノズル41の軸線方向位置の変化に応じて変化する場合もあれば、喉部41xの位置がノズル41の軸線方向位置によらず一定となる場合もある。いずれの場合も、巻き込み作用が発揮されるとき、喉部41xよりも境界部44xの方がエジェクタ40の先端側にある。したがって、本実施形態においても、第1実施形態と同等の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
次に第4実施形態について説明する。本実施形態に係るエジェクタは、車両空調装置用のエジェクタサイクルに用いられる。図8は、二酸化炭素を冷媒とするエジェクタサイクルの模式図である。
このエジェクタサイクルは、熱交換対象流体である室内送風空気を冷却する冷房運転モードと、室内送風空気を加熱する暖房運転モードを切替可能に構成されている。図8における実線矢印は、冷房運転モード時における冷媒の流れを示し、破線矢印は、暖房運転モードにおける冷媒の流れを示す。
このエジェクタサイクルは、エジェクタ40、圧縮機111、アキュムレータ114、絞り115、第1四方弁141、室外熱交換器142、送風機142a、第2四方弁143、利用側熱交換器144、送風機144aを有している。エジェクタ40の構造は、大まかには図2に示した通りである。エジェクタ40の詳細構成については後述する。
圧縮機111は、第1実施形態の圧縮機10と同様の機能を有する装置である。アキュムレータ114は、第1実施形態の気液分離器50と同様、エジェクタ40から流出した冷媒が流入すると共に、その流入した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して冷媒を蓄える気液分離部である。アキュムレータ114の気相冷媒流出口は圧縮機111の吸引側に接続される。アキュムレータ114の液相冷媒流出口は利用側熱交換器144の流入側に接続される。絞り115はアキュムレータ114から流出した液相冷媒を減圧する減圧部である。
圧縮機111の冷媒吐出側には、第1四方弁141が接続されている。この第1四方弁141は、不図示の制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される電気式の冷媒流路切替部である。具体的には、第1四方弁141は、図8に実線矢印で示す冷媒流路と、図8に破線矢印で示す冷媒流路とを切り替える。
図8に実線矢印で示す冷媒流路においては、圧縮機111の吐出口側と室外熱交換器142との間が接続されると共に、絞り115の流出側と利用側熱交換器144との間が接続される。図8に破線矢印で示す冷媒流路においては、圧縮機111の吐出口側と利用側熱交換器144との間が接続されると共に、絞り115の流出側と室外熱交換器142との間が接続される。
室外熱交換器142の出口側には、第2四方弁143が接続されている。この第2四方弁143は、上記制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される電気式の冷媒流路切替部である。具体的には、第1四方弁141は、図8に実線矢印で示す冷媒流路と、図8に破線矢印で示す冷媒流路とを切り替える。
図8に実線矢印で示す冷媒流路においては、室外熱交換器142とエジェクタ40の高圧冷媒入口46a側との間が接続されると共に、利用側熱交換器144とエジェクタ40の低圧冷媒入口46b側との間が同時に接続される。図8に破線矢印で示す冷媒流路においては、室外熱交換器142とエジェクタ40の低圧冷媒入口46b側との間が接続されると共に、利用側熱交換器144とエジェクタ40の高圧冷媒入口46a側との間が同時に接続される。
室外熱交換器142は、第1四方弁141から流出した冷媒と、送風機142aにより送風される室外空気とを熱交換する熱交換器である。利用側熱交換器144は、その内部を通過する冷媒と送風機144aにより送風される熱交換対象流体である室内送風空気とを熱交換させる熱交換器である。
エジェクタ40は、第1実施形態と同様、ノズル41、混合部42、ディフューザ43、ニードル44、ハウジング45、ブロック46等を有する。混合部42、ディフューザ43、ハウジング45、ブロック46等の、ノズル41およびニードル44以外の構成は、第1実施形態と同じである。
ここで、ニードル44とノズル41の構成についてより詳細に記載する。ニードル44は、エジェクタ40の先端側(すなわち、冷媒の流出側)に向かうほど断面積が縮小するように円錐テーパ状に形成される。ここで、断面積とは、ニードル44の軸線に垂直な面で切ったときの断面積をいう。ノズル41およびニードル44は、ステンレス等の金属製であってもよい。ニードル44は、ノズル41に流れ込む高圧冷媒の流量等に応じて、不図示のアクチュエータによって駆動されてニードル44の軸線方向に変位可能となっている。ニードル44は、ノズル41の内部の空間に、ノズル41と同軸に、配置される。
ニードル44は、図9に示すように、胴部440、第1テーパ部441を有している。胴部440、第1テーパ部441は、全体として一体かつ同軸に成形されている。胴部440は、略円柱形状を有しており、先端側において第1テーパ部441に接続されている。
第1テーパ部441は、ノズル41の内部において上記内壁面に囲まれた流体流路における流出側(すなわち先端側)に向かって先細った略円錐形状を有している。第1テーパ部441のデーパー角である第1テーパ角θE1は、本実施形態では一定である。したがって、第1テーパ角θE1は、第1テーパ部441における胴部440側の端から先端側の端まで、一定である。本実施形態では、第1実施形態で示した第2テーパ部442は存在しない。すなわち、第1テーパ部441は、ニードル44の最も先端側にある部材である。そして、第1テーパ部441は、その先端側において尖っている。このように、本実施形態では、胴部440よりも先端側の部分は、一定の第1テーパ角θE1を有している。
また、ノズル41のニードル44側の壁面すなわち内壁面は、根元面410、第1絞り面411、第2絞り面412を有する。根元面410、第1絞り面411、第2絞り面412は、胴部440、第1テーパ部441、第2テーパ部442と同軸に配置される。根元面410は、略円筒形状を有してニードル44の主に胴部440および場合によっては第1テーパ部441を囲む。
第1絞り面411は、根元面410の先端側の端に接続すると共に更に先端側に向かって第1テーパ角θZ1で先細っている。第1絞り面411の形状は、円錐台形の側面と概ね同じである。したがって、第1絞り面411は、先端側に向かうにつれて縮径している。このため、第1絞り面411によって囲まれる領域は、先端側に向かうにつれて狭くなっている。
また、第1絞り面411のテーパ角である第1テーパ角θZ1は、上述の第1テーパ角θE1よりも大きい。したがって、第1絞り面411と第1テーパ部441の間の空隙の流路断面積も、先端側に向かうにつれて減少する。
第2絞り面412は、第1絞り面411の先端側の端に接続すると共に更に先端側に向かって一定の第2テーパ角θZ2で、連続的かつ滑らかに先細っている。第2絞り面412の形状は、円錐の側面と概ね同じである。したがって、第2絞り面412は、先端側に向かうにつれて縮径している。
このため、第2絞り面412によって囲まれる領域は、先端側に向かうにつれて狭くなっている。別の言い方をすれば、ある軸線方向位置を通り軸線CLの方向に直交する面において、第2絞り面412に囲まれる領域の面積は、当該軸線方向位置が先端方向に向かうほど、連続的かつ緩やかに、小さくなる。第2絞り面412の先端側の端部は、ノズル41の出口41zに相当する。この円形の出口41zを通って冷媒はノズル41の内部から外部に流出する。
このように、出口41zは、ノズル41の上記内壁面において、流体流路におけるエジェクタ40の先端側の端部に位置する。そして、喉部41xは、出口41zよりも当該先端側とは反対側に位置してニードル44に向かって突出する。喉部41xがニードル44に向かって突出するのは、第1テーパ角θZ1が第2テーパ角θZ2よりも大きいからである。
喉部41xの径よりも、出口41zの径の方が小さい。したがって、喉部41xの周長よりも、出口41zの周長の方が短い。ここで、喉部41xの周長とは、喉部41xに沿ってノズル41の軸線の周りを一周する長さである。また、出口41zの周長とは、出口41zに沿ってノズル41の軸線の周りを一周する長さである。
また、第2絞り面412のテーパ角である第2テーパ角θZ2は、上述の第1テーパ角θE1よりも小さい。また、第1絞り面411と第2絞り面412の境界に相当する喉部41xにおいて、第1テーパ角θZ1と第2テーパ角θZ2とは不連続になっている。
ここで、ノズル41とニードル44の間の空隙の流路断面積について説明する。ここで、ある軸線方向位置における流路断面積は、当該軸線方向位置を通り軸線CLに直交する断面における、ノズル41とニードル44の間の空隙の面積をいう。ただし、当該断面にニードル44がなければ、当該断面においてノズル41に囲まれた部分の面積が、流路断面積となる。
ノズル41とニードル44の間の空隙の流路断面積は、図10、図11の実線73、74に示すように、軸線方向位置によって異なる。しかも、軸線方向位置と流路断面積の対応関係は、ニードルリフト量が変化すると変化する。
ここで、ニードルリフト量は、軸線方向におけるニードル44のノズル41に対する相対位置を示す量である。ニードル44の第1テーパ部441がノズル41の喉部41xに接触した状態(すなわち閉弁状態)におけるニードルリフト量はゼロである。そして、閉弁状態よりもニードル44の根元方向(すなわち、開弁方向)にニードル44が所定移動量だけ移動した状態においては、当該所定移動量がニードルリフト量に相当する。つまり、ニードルリフト量は、軸線方向におけるニードル44のノズル41に対する離れ度合いを示す量である。本実施形態では、ニードル44はノズル41に対してニードル44の軸線方向に移動する。
図10の状態におけるニードルリフト量は、図11の状態におけるニードルリフト量よりも小さい。図10の状態においては、流路断面積は、喉部41xの位置において最小かつ極小となり、かつ、喉部41xから根元側に向かって大きくなり、かつ、喉部41xから先端側に向かって大きくなる。この場合、ノズル41およびニードル44はラバルノズルとして動作する。
これに対し、図11の状態においては、流路断面積は、喉部41xの位置において最小にも極小にもならない。すなわち、流路断面積は、喉部41xよりも根元側から喉部41xに向かって小さくなり、かつ、喉部41xから先端側に向かって小さくなる。このとき、喉部41xよりも根元側から喉部41xに向かう流路断面積の減少勾配は、喉部41xから先端側に向かう流路断面積の減少勾配よりも大きい。この場合、ノズル41およびニードル44はプラグノズルとして動作する。
このように、ニードルリフト量によってエジェクタ40がラバルノズルとして作動したりプラグノズルとして作動したりする理由について、以下説明する。喉部41xにおける流路断面積をA1とし、出口41zにおける流路断面積をA2とすると、A1、A2は以下の式で表される。
A1=π×r4−π×r3=π×r4−π×(r4−R×tan(θE1/2))
A2=π×r2−π×r1=π×r2−π×(r3−L×tan(θE1/2))
=π×(r4−L×tan(θZ2/2))
−π×(r4−R×tan(θE1/2)−L×tan(θE1/2))
ここで、Rはニードルリフト量である。また、Lは出口41zの軸線方向位置と喉部41xの軸線方向位置の差の絶対値、すなわち、先端部長さである。r1は、出口41zを含むと共に軸線CLに直交する断面における、ニードル44の第1テーパ部441の半径である。r2は、出口41zの半径である。r3は、喉部41xを含むと共に軸線CLに直交する断面における、ニードル44の第1テーパ部441の半径である。r4は、喉部41xの半径である。なお、これらの式は、ニードル44の第1テーパ部441の先端が出口41zの外に突き出ている、すなわち、第1テーパ部441の先端が出口41zよりも先端側に位置していることを前提としている。
図10のように、ノズル41およびニードル44がラバルノズルとして動作する場合は、A1<A2となるため、
Y=(tan(θE1/2)−tan(θZ2/2))×(2×r4−L×tan(θZ2/2)−L×tan(θE1/2))/(2×tan(θE1/2))>R
となる。
上式の値Yは、ノズル41およびニードル44の形状のみによって決まる設計値である。したがって、当該設計値Yよりもニードルリフト量Rが小さいときには、ノズル41およびニードル44がラバルノズルとして動作する。そして、設計値Yよりもニードルリフト量Rが大きいときには、ノズル41およびニードル44がプラグノズルとして動作する。設計値Yが正の値になるためには、θE1>θZ2である必要がある。
このように、ニードル44の第1テーパ角θE1がノズル41の第2テーパ角θZ2よりも大きいので、ニードルリフト量によってはエジェクタ40がラバルノズルとして作動したりプラグノズルとして作動したりする。
また、本実施形態では、閉弁状態において、ニードル44の第1テーパ部441とノズル41の喉部41xとが接触し、かつ、ニードル44と出口41zとの間に空隙が存在する。したがって、ニードルリフト量がゼロよりも大きい開弁状態において、ニードルリフト量によってはエジェクタ40がラバルノズルとして作動したりプラグノズルとして作動したりする。
また、閉弁状態において、ニードル44の第1テーパ部441の先端が出口41zよりも先端側にある。そして、ノズル41の内壁面は、出口41zにおいて、エジェクタ40の先端側に向けて先細った傾斜になっている。したがって、開弁状態において、ニードルリフト量を調整して出口41zにおける流路断面積の調整を行うことで、エジェクタ40の能力を容易に調整することができる。もし、ノズル41の内壁面において、出口41zがエジェクタ40の先端側に向けて先細った傾斜になっていなければ、出口41zは流路断面積が最小とならないので、出口41zの流路断面積の調整によるエジェクタ40の能力調整が困難になる。これは、ニードル44が出口41zよりも先端側にあり、かつ、ニードル44が先端側に向けて先細っているからである。
更に、上記設計値Yよりもニードルリフト量Rが大きい場合も、ニードル44の第1テーパ部441の先端が出口41zよりもエジェクタ40の先端側にある。したがって、エジェクタ40の能力調整が容易にできる。すなわち、エジェクタ40がラバルノズルとして作動する場合も、プラグノズルとして作動する場合も、ニードルリフト量Rを調整することでエジェクタ40の能力を調整することができる。
本実施形態におけるエジェクタ40の巻き込み作用については、第1、第2、第3実施形態と同様である。すなわち、ノズル41の内部の流体流路を通ってノズル41における当該エジェクタ40の先端側から噴射される作動流体の巻き込み作用によって、ノズル41の外部の流体が吸引される。
次に、上記のような構成を有するエジェクタサイクルの作動について説明する。本実施形態のエジェクタサイクルでは、室内送風空気を冷却する冷房運転モードおよび室内送風空気を加熱する暖房運転モードを切り替えることができる。
a.冷房運転モード
冷房運転モードは、不図示の操作パネルの作動スイッチにより冷房運転モードが選択されると実行される。冷房運転モードでは、上記制御装置が、圧縮機111、送風機142a、送風機144aを作動させるとともに、冷媒流路が図8の実線矢印となるよう第1四方弁141および第2四方弁143を切り替える。
これにより、図5の実線矢印に示すように、圧縮機111、第1四方弁141、室外熱交換器142、第2四方弁143、エジェクタ40の高圧冷媒入口46a、エジェクタ40の流出口45a、アキュムレータ114の気相冷媒出口、圧縮機111の順に冷媒が循環する。それと共に、アキュムレータ14の液相冷媒出口、絞り115、第1四方弁141、利用側熱交換器144、第2四方弁143、エジェクタ40の低圧冷媒入口46b、アキュムレータ114の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
したがって、圧縮機111にて圧縮された冷媒は、室外熱交換器142にて送風機142aにより送風された外気と熱交換して冷却され、エジェクタ40のノズル41にて等エントロピ的に減圧膨張されて噴射される。この噴射冷媒の吸引作用により、利用側熱交換器144から流出した冷媒が低圧冷媒入口46bに吸引される。
さらに、エジェクタ40において、ノズル41から噴射された噴射冷媒と低圧冷媒入口46bから吸引された吸引冷媒が混合部42にて混合され、ディフューザ43にて昇圧される。そして、ディフューザ43から流出口45aを介して流出した冷媒は、アキュムレータ114にて気液分離され、アキュムレータ114の気相冷媒出口から流出した気相冷媒は、圧縮機111に吸入されて再び圧縮される。
一方、アキュムレータ114の液相冷媒出口から流出した液相冷媒は、絞り115にて更に等エンタルピ的に減圧膨張されて、第1四方弁141を介して、利用側熱交換器144へ流入し、送風機144aにより送風された室内送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、室内送風空気が冷却される。そして、利用側熱交換器144から流出した冷媒は、第2四方弁143を介して低圧冷媒入口46bに吸入される。
このように、本実施形態の冷房運転モードでは、圧縮機111から吐出された冷媒を室外熱交換器142にて放熱させるとともに、利用側熱交換器144にて冷媒を蒸発させる冷媒流路に切り替えている。従って、本実施形態の冷房運転モードでは室内送風空気を冷却できる。
b.暖房運転モード
暖房運転モードは、不図示の操作パネルの作動スイッチにより暖房運転モードが選択されると実行される。暖房運転モードでは、上記制御装置が、圧縮機111、送風機142a、送風機144aを作動させるとともに、冷媒流路が図8の破線矢印となるよう第1四方弁141および第2四方弁143を切り替える。
これにより、図8の破線矢印に示すように、圧縮機111、第1四方弁141、利用側熱交換器144、第2四方弁143、エジェクタ40、高圧冷媒入口46a、アキュムレータ114の気相冷媒出口、圧縮機111の順に冷媒が循環する。それと共に、アキュムレータ114の液相冷媒出口、絞り115、第1四方弁141、室外熱交換器142、第2四方弁143、エジェクタ40の低圧冷媒入口46b、アキュムレータ14の順に冷媒が循環するサイクルが構成される。
従って、圧縮機111にて圧縮された冷媒は、利用側熱交換器144にて送風機144aにより送風された室内送風空気と熱交換して放熱する。これにより、室内送風空気が加熱される。利用側熱交換器144にて放熱して冷却された冷媒は、エジェクタ40のノズル41にて等エントロピ的に減圧膨張されて噴射される。この噴射冷媒の吸引作用により、室外熱交換器142から流出した冷媒が低圧冷媒入口46bに吸引される。
さらに、エジェクタ40において、ノズル41から噴射された噴射冷媒と低圧冷媒入口46bに吸引された吸引冷媒とが混合部42にて混合され、ディフューザ43にて昇圧される。そして、ディフューザ43から流出した冷媒は、アキュムレータ114にて気液分離され、気相冷媒出口から流出した気相冷媒は、圧縮機111に吸入されて再び圧縮される。
一方、アキュムレータ114の液相冷媒出口から流出した液相冷媒は、絞り115にて更に等エンタルピ的に減圧膨張されて、第1四方弁141を介して、室外熱交換器142へ流入して、送風機142aにより送風された外気から吸熱して蒸発する。そして、室外熱交換器142から流出した冷媒は、低圧冷媒入口46bに吸入される。
つまり、本実施形態の暖房運転モードでは、圧縮機111から吐出された冷媒を利用側熱交換器144にて放熱させるとともに、室外熱交換器142にて冷媒を蒸発させる冷媒流路に切り替えている。従って、本実施形態の暖房運転モードでは室内送風空気を加熱できる。
冷房運転モードおよび暖房運転モードの両方において、上記制御装置は、ニードルリフト量等を調整することで、冷媒流量を調整する。ニードルリフト量は、ノズル41に対するニードル44の位置を変化させる不図示の駆動機構(例えばロータとステータ)を制御装置が駆動することによって実現する。
冷媒流量とは、ノズル41内を単位時間当たりに流れる冷媒の量である。冷房運転モードにおいては、冷媒流量が調整されることにより、車室内の冷房能力が調整される。暖房運転モードにおいては、冷媒流量が調整されることにより、車室内の暖房能力が調整される。
図12に、本実施形態の冷房運転モードおよび暖房運転モードで実現するニードルリフト量Rの範囲における、喉部流路断面積200および出口流路断面積201を示す。喉部流路断面積200は、喉部41xにおけるノズル41とニードル44の間の空隙の流路断面積である。出口流路断面積201は、出口41zにおけるノズル41とニードル44の間の空隙の流路断面積である。
図12において、喉部流路断面積200を示す実線と、出口流路断面積201を示す実線とは、点203において交わる。したがって、この点203に対応するニードルリフト量Rよりも小さいニードルリフト量Rでは、出口流路断面積201の方が喉部流路断面積200よりも大きい。そして、点203に対応するニードルリフト量Rよりも大きいニードルリフト量Rでは、喉部流路断面積200の方が出口流路断面積201よりも大きい。
流路断面積のこのような振る舞いにより、矩形210で囲まれた領域では、喉部41xが、最も流路断面積が小さいチョーク点となり、矩形220で囲まれた領域では、出口41zが最も流路断面積が小さいチョーク点となる。なお、チョーク点とは、ノズル41の内部を通る冷媒が音速を超える位置をいう。
このようになっているので、矩形210で囲まれた領域に相当するニードルリフト量Rの範囲(すなわち、第1範囲)では、ノズル41およびニードル44がラバルノズルとして動作する。そして、矩形220で囲まれた領域に相当するニードルリフト量Rの範囲(すなわち、第2範囲)では、ノズル41およびニードル44がプラグノズルとして動作する。
例えば、上記制御装置は、冷房運転モードにおいて、冷房定格運転を実現する場合がある。その場合、制御装置は、冷媒流量を多くして冷房能力を最大化するため、図12に示すように、ニードルリフト量Rが矩形220内の値C1となるよう、エジェクタ40を制御する。この場合、ノズル41およびニードル44は、図11に示すような状態となり、プラグノズルとして動作する。
また例えば、冷房運転モードにおいて、冷房中間運転を実現する場合がある。その場合、制御装置は、上述の冷房定格運転よりも冷媒流量を(例えば半分まで)少なくして冷房能力を低減するため、図12に示すように、ニードルリフト量Rが矩形210内の値C2となるよう、エジェクタ40を制御する。この場合、ノズル41およびニードル44は、図10に示すような状態となり、ラバルノズルとして動作する。
また例えば、上記制御装置は、暖房運転モードにおいて、暖房定格運転を実現する場合がある。その場合、制御装置は、冷媒流量を多くして暖房能力を最大化するため、図12に示すように、ニードルリフト量Rが矩形210内の値H1となるよう、エジェクタ40を制御する。この場合、ノズル41およびニードル44は、図10に示すような状態となり、ラバルノズルとして動作する。
また例えば、暖房運転モードにおいて、冷房中間運転を実現する場合がある。その場合、制御装置は、上述の暖房定格運転よりも冷媒流量を(例えば半分まで)少なくして暖房能力を低減するため、図12に示すように、ニードルリフト量Rが矩形210内の値H2となるよう、エジェクタ40を制御する。この場合、ノズル41およびニードル44は、図10に示すような状態となり、ラバルノズルとして動作する。
以上のような構成および作動を実現するエジェクタ40の効果について、以下説明する。従来のエジェクタにおいては、ノズルの内壁面は、喉部よりも先端側において、先細らずにストレートの円筒形状になっていた。これに対し、本実施形態のノズル41の内壁面は、喉部41xから出口41zまで、連続的かつ滑らかに、先細っている。
エジェクタ40の動作条件が決まると、冷媒の特性からノズル41内の流路断面積の最小値と出口流路断面積がわかる。本実施形態のように、エジェクタ40が空調装置の構成要素である場合、冷房や暖房といった運転モードの違いや、能力の大小に応じた冷媒流量の大小によって動作条件が大きく異なる。そして、複数の動作条件において前述の最適な形状を維持することは困難である。
例えば、図13に、本実施形態とは異なり、喉部よりも先端側がストレートの円筒形状になっているエジェクタを空調装置に用いた場合における、エジェクタの運転条件の例を示す。この例では、ニードルリフト量にかかわらず、チョーク点は常に喉部である。
図13のグラフは、縦軸が喉部流路断面積であり、横軸がニードルリフト量である。また、実線250、260、270、280は、ストレート部の長さがそれぞれ0.5mm、1.0mm、2.0mm、3.0mmとなっているノズルが用いられた場合の、喉部流路断面積とニードルリフト量との関係を示す。ストレート部の長さとは、喉部からニードルまでの軸線CLに沿った長さである。ストレート部の長さが0.5mmより短いノズルは、加工することが非常に困難である。したがって、ストレート部の長さが0.5mmのノズルは、加工限界にあるノズルである。
図中の黒丸251、252、253、254は、それぞれ、上述の暖房中間運転、暖房定格運転、冷房中間運転、冷房定格運転を実現するニードルリフト量における最適な出口流路断面積を示している。図13に示されるように、冷房と暖房によって、または、空調能力(すなわち、定格か中間か)によって、最適な喉部流路断面積と出口流路断面積が大きく異なる。
でエジェクタは動作条件に応じて最適な喉部流路断面積と出口流路断面積で運転されなければ効率が低下する。例えば出口流路断面積が最適値よりも大きい場合には狙いのノズル出口圧力よりも低下してしまう過膨張と呼ばれる状態になり、ノズル出口近傍で衝撃波が発生しエネルギー損失となる。出口流路断面積が小さい場合は狙いの出口圧力よりも高い不足膨張状態となり、その後の区間が自由膨張となる。自由膨張の場合は膨張波によって疑似的な壁ができるためラバルノズルに近い状態の運転にはなる。したがって、最適なラバルノズルよりも効率が劣ってしまうももの、過膨張よりは性能低下が小さい。従来のノズルでは、ノズルの流路断面積が喉部から出口へ至るまでに広がるもしくは略一定となるため、前述した過膨張を抑制することが何も考慮されていない。
上述の暖房中間運転、暖房定格運転、冷房中間運転、冷房定格運転のいずれにおいても過膨張を抑制しようとしても、上述の加工限界により、黒丸253に該当する冷房中間運転が過膨張になってしまう。すなわち、実線250に示すノズルでは、暖房中間において最適な出口流路断面積となり、暖房定格運転、冷房定格運転において不足膨張となるが、冷房中間運転が過膨張になってしまう。
また、従来のエジェクタでは、ニードルリフト量が大きい場合にノズルの出口流路断面積が大きくなり過膨張となる場合がある。その対策として、出口流路断面積を小さくするために、喉部から出口までの距離を短くする方法がある。しかし、喉部から出口までの距離を短くすると、ノズル効率が悪くなる。ノズル効率を増加させるためには一般的に喉部から出口にかけて流路断面積を緩やかに拡大させることが望ましいからである。これに対し、本実施形態では、喉部から出口までの距離を短くすることなく、過膨張を抑制することができる。
本実施形態では、ニードルリフト量の小さい低流量域では、高効率が求められるので、ラバルノズルとしてノズル41が作動する。一方、ニードルリフト量の大きい高流量域では、同じノズル41がプラグノズルとして動作する。このように、チョーク点が変化することで、最適な運転領域の幅を広げることが可能となった。なお、最適なラバルノズル形状の方がプラグノズル形状よりも効率が良いため、すべての領域をプラグノズルとするよりも本実施形態は優れている。
また、本実施形態では、閉弁状態において、ニードル44とノズル41の内壁面とが接触する。そして、ニードル44の第1テーパ部441のうち、閉弁状態において当該内壁面と接触する部分および当該部分よりも先端側にある部分の第1テーパ角θE1は、ノズル41の内壁面の出口41zにおける第2テーパ角θZ2よりも大きい。また、 閉弁状態において、ニードル44とノズル41の内壁面とが接触し、かつ、ニードル44と出口41zとの間に空隙が存在する。このようになっていることで、ラバルノズルとしての動作とプラグノズルとしての動作を確実に切り替えることができる。
(第5実施形態)
次に第5実施形態について説明する。本実施形態は、第4実施形態に対し、ニードル44の形状が変更されている。その他は、第4実施形態と同様である。
本実施形態では、図14に示す様に、第1テーパ部441の先端側の部分の形状のみが、第4実施形態と異なっている。本実施形態では、第1テーパ部441の根元側の部分は、第4実施形態と同様、エジェクタ40の先端側に向かって、円錐状に一定のテーパ角で先細っている。しかし、第1テーパ部441の先端側の部分の表面は、第4実施形態とは異なり、先端が丸まって尖った部分がない滑らかな曲面となっている。このようになっていることで、ニードル44の全長を抑えることができる。
本実施形態においても、第1テーパ部441の根元側の部分のテーパ角は、ノズル41の第2テーパ角θZ2よりも大きい。また、第1テーパ部441の先端側の部分のどの位置のテーパ角も、ノズル41の第2テーパ角θZ2より大きい。
本実施形態においても、図12において矩形210で囲まれた領域に相当するニードルリフト量Rの第1範囲においては、喉部流路断面積が出口流路断面積よりも小さいので、ノズル41およびニードル44がラバルノズルとして動作する。そして、図12において矩形220で囲まれた領域に相当するニードルリフト量Rの第2範囲においては、喉部流路断面積が出口流路断面積よりも大きいので、ノズル41およびニードル44がプラグノズルとして動作する。
(第6実施形態)
次に第6実施形態について説明する。本実施形態は、第4実施形態に対し、第1絞り面411、第2絞り面412の形状が変更されている。その他は、第4実施形態と同様である。本実施形態では、図15に示すように、軸線CLを含む平面で第1絞り面411を切断したときの断面は、滑らかな曲線となっている。また同様に、軸線CLを含む平面で第2絞り面412を切断したときの断面も、滑らかな曲線となっている。
したがって、第1テーパ角θZ1および第2テーパ角θZ2は、どちらも、一定ではない。具体的には、第1テーパ角θZ1は、エジェクタ40の先端に向かうにつれて減少している。また、第2テーパ角θZ2は、エジェクタ40の先端に向かうにつれて減少していく。ただし、第2テーパ角θZ2は、出口41zでも正の値となっている。つまり、第2絞り面412は、出口41zにおいても先細りの勾配を有している。
本実施形態では、喉部41xにおいて第1テーパ角θZ1と第2テーパ角θZ2とが連続になっている。すなわち、喉部41xにおける第1テーパ角θZ1と第2テーパ角θZ2とは同じである。第1絞り面411、第2絞り面412をこのような形状とすることで、ノズル41の加工難度は上がるが、エネルギー回収効率は上昇する。
本実施形態においても、図12において矩形210で囲まれた領域に相当するニードルリフト量Rの第1範囲においては、喉部流路断面積が出口流路断面積よりも小さいので、ノズル41およびニードル44がラバルノズルとして動作する。そして、図12において矩形220で囲まれた領域に相当するニードルリフト量Rの第2範囲においては、喉部流路断面積が出口流路断面積よりも大きいので、ノズル41およびニードル44がプラグノズルとして動作する。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記実施形態において、センサから車両の外部環境情報(例えば車外の湿度)を取得することが記載されている場合、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報を受信することも可能である。あるいは、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報に関連する関連情報を取得し、取得した関連情報からその外部環境情報を推定することも可能である。特に、ある量について複数個の値が例示されている場合、特に別記した場合および原理的に明らかに不可能な場合を除き、それら複数個の値の間の値を採用することも可能である。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。また、本発明は、上記各実施形態に対する以下のような変形例および均等範囲の変形例も許容される。なお、以下の変形例は、それぞれ独立に、上記実施形態に適用および不適用を選択できる。すなわち、以下の変形例のうち任意の組み合わせを、上記実施形態に適用することができる。
(変形例1)
上記実施形態では、エジェクタ40は車両空調装置用のエジェクタサイクルに用いられる。しかし、必ずしもこのようになっておらずともよい。例えば、給湯器に用いられてもよい。
(変形例2)
上記実施形態では、ノズル41の第1テーパ角θZ1は第2テーパ角θZ2よりも大きくなっている。しかし、必ずしもこのようになっておらずともよい。エジェクタ40において巻き込み作用が発揮されるときに、喉部41xよりも境界部44xの方が先端側にあれば、第1テーパ角θZ1と第2テーパ角θZ2の関係はどのようになっていてもよい。
(変形例3)
上記第1、第2、第3実施形態のエジェクタ40は、第4実施形態のエジェクタサイクルに用いられてもよい。その場合、このエジェクタ40のニードルリフト量は可変となっている。そして、ニードルリフト量が第1範囲にある場合、上述の冷房中間運転、暖房定格運転、暖房中間運転が実現する。この第1範囲では、ノズル41とニードル44の間の流路断面積は、喉部41xの位置において最小かつ極小となり、喉部流路断面積は出口流路断面積よりも小さい。また、ニードルリフト量が第1範囲よりも大きい第2範囲にある場合、冷房定格運転が実現する。この第2範囲では、ノズル41とニードル44の間の流路断面積は、喉部41xの位置において最小となり、喉部流路断面積は出口流路断面積よりも大きい。また、設計値Yよりもニードルリフト量が大きい場合に、ニードル44の第1テーパ部441の先端が出口41zよりも先端側にある。したがって、第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例4)
上記第4実施形態以降のエジェクタ40は、図8に示すようなエジェクタサイクル以外のサイクルにおいて用いられてもよい。例えば、冷房と暖房のうち冷房のみが可能でニードルリフト量が調整されることで冷房能力が調整されるエジェクタサイクルに用いられてもよい。あるいは、冷房と暖房のうち暖房のみが可能でニードルリフト量が調整されることで冷房能力が調整されるエジェクタサイクルに用いられてもよい。
(変形例5)
上記実施形態では、設計値Yよりもニードルリフト量Rが大きい場合に、ニードル44の第1テーパ部441の先端が出口41zよりも先端側にある。しかし、必ずしもこのようになっていなくてもよい。つまり、設計値Yよりもニードルリフト量Rが大きい場合に、ニードル44の第1テーパ部441の先端が出口41zよりも根元側にあってもよい。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、エジェクタにおいて、ニードルリフト量が第1範囲にある場合、喉部流路断面積は出口流路断面積よりも小さく、かつ、流体流路内において軸線方向に直交するすべての断面におけるノズルとニードルとの間の空隙の面積のうち、喉部流路断面積が最小であり、ニードルリフト量が第1範囲よりも大きい第2範囲にある場合、喉部流路断面積は出口流路断面積よりも大きく、かつ、流体流路内において軸線方向に直交するすべての断面におけるノズルとニードルとの間の空隙の面積のうち、出口流路断面積が最小である。
また、第2の観点によれば、壁面は、出口において、先端側に向かって先細っている。このようになっているので、ニードルの先端が出口よりも先端側にある場合、ニードルリフト量を調整して出口における流路断面積の調整を行うことで、エジェクタの能力を容易に行うことができる。
また、第3の観点によれば、閉弁状態において、ニードルの前記壁面とノズルとが接触し、ニードルのうち、閉弁状態においてノズルの壁面と接触する部分および部分よりも先端側にある部分のテーパ角は、ノズルの壁面の出口におけるテーパ角よりも大きい。このようになっていることで、ラバルノズルとしての動作とプラグノズルとしての動作を確実に切り替えることができる。
また、第4の観点によれば、第2範囲において、ニードルの一部が出口よりも先端側にある。このようになっていることで、エジェクタの能力調整が容易にできる。すなわち、エジェクタがラバルノズルとして作動する場合も、プラグノズルとして作動する場合も、ニードルリフト量を調整することでエジェクタの能力を調整することができる。
また、第5の観点によれば、ニードルは、先端側に向かって先細る第1テーパ部と、第1テーパ部の先端側の端に接続すると共に更に先端側に向かって先細る第2テーパ部と、を備え、第1テーパ部と第2テーパ部との境界部における第1テーパ部のテーパ角である第1テーパ角よりも、境界部における第2テーパ部のテーパ角である第2テーパ角の方が大きくなっており、喉部では、ノズルとニードルとの間の空隙の流路断面積が極小になり、巻き込み作用が発揮されるとき、喉部よりも先端側に境界部があり、巻き込み作用が発揮されるとき、壁面のうち喉部よりも先端側の部分は、壁面によって囲まれる領域を先端側に向かって狭める形状を有する。
このように、巻き込み作用が発揮されるとき、ノズルの境界部よりも先端側で、ノズル
の壁面によって囲まれる流路を先端側に向かって狭めることで、境界部における沸騰を抑
制することができる。その結果、意図した部分以外で作動流体が沸騰して沸騰遅れが発生
してしまうことに起因して発生するエネルギー回収効率の低下を抑制することができる。
また、第6の観点によれば、喉部よりも先端側において壁面が先端側に向かって先細るテーパ角は、第1テーパ角よりも小さい。このようになっていることで、喉部から先端側にかけて、ノズルとニードルの間の流路断面積が広がっていく形状が実現する。
また、第7の観点によれば、エジェクタにおいて、巻き込み作用が発揮されるとき、ノズルのニードル側の壁面のうち喉部よりも先端側の部分は、当該壁面によって囲まれる領域を先端側に向かって狭める形状を有する。
40 エジェクタ
41 ノズル
44 ニードル
441 第1テーパ部
442 第2テーパ部
41x 喉部
41z 出口
44x 境界部

Claims (7)

  1. エジェクタであって、
    ノズル(41)と、
    前記ノズルの内部の流体流路に配置され、前記ノズルに対して軸線方向に移動すると共に当該エジェクタの先端側に向かって先細るニードル(44)と、を備え、
    前記ノズルの内部の流体流路を通って前記ノズルにおける当該エジェクタの先端側から噴射される作動流体の巻き込み作用によって、前記ノズルの外部の流体が吸引され、
    前記ノズルの前記ニードル側の壁面は、前記流体流路における前記先端側の端部に位置する出口(41z)と、前記出口よりも前記先端側とは反対側に位置して前記ニードルに向かって突出する喉部(41x)と、を有し、
    喉部流路断面積(200)は、前記喉部を通り前記軸線方向に直交する断面における前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の面積であり、
    出口流路断面積(201)は、前記出口を通り前記軸線方向に直交する断面における前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の面積であり、
    前記軸線方向における前記ニードルの前記ノズルに対する離れ度合いを示すニードルリフト量(R)が第1範囲にある場合、前記喉部流路断面積は前記出口流路断面積よりも小さく、かつ、前記流体流路内において前記軸線方向に直交するすべての断面における前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の面積のうち、前記喉部流路断面積が最小であり、
    前記ニードルリフト量が前記第1範囲よりも大きい第2範囲にある場合、前記喉部流路断面積は前記出口流路断面積よりも大きく、かつ、前記流体流路内において前記軸線方向に直交するすべての断面における前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の面積のうち、前記出口流路断面積が最小であり、
    前記第2範囲において、前記ニードルの一部が前記出口よりも前記先端側にある、エジェクタ。
  2. 前記壁面は、前記出口において、前記先端側に向かって先細っている請求項1に記載のエジェクタ。
  3. 閉弁状態において、前記ニードルの前記壁面と前記ノズルとが接触し、
    前記ニードルのうち、閉弁状態において前記ノズルの前記壁面と接触する部分および前記部分よりも前記先端側にある部分のテーパ角は、前記ノズルの前記壁面の前記出口におけるテーパ角よりも大きい請求項2に記載のエジェクタ。
  4. 前記ニードルは、前記先端側に向かって先細る第1テーパ部(441)と、前記第1テーパ部の前記先端側の端に接続すると共に更に前記先端側に向かって先細る第2テーパ部(442)と、を備え、
    前記第1テーパ部と前記第2テーパ部との境界部(44x)における前記第1テーパ部のテーパ角である第1テーパ角(θE1)よりも、前記境界部における前記第2テーパ部のテーパ角である第2テーパ角(θE2)の方が大きくなっており、
    前記喉部では、前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の流路断面積が極小になり、
    前記巻き込み作用が発揮されるとき、前記喉部よりも前記先端側に前記境界部があり、
    前記巻き込み作用が発揮されるとき、前記壁面のうち前記喉部よりも前記先端側の部分は、前記壁面によって囲まれる領域を前記先端側に向かって狭める形状を有する請求項1ないしのいずれか1つに記載のエジェクタ。
  5. エジェクタであって、
    ノズル(41)と、
    前記ノズルの内部の流体流路に配置され、前記ノズルに対して軸線方向に移動すると共に当該エジェクタの先端側に向かって先細るニードル(44)と、を備え、
    前記ノズルの内部の流体流路を通って前記ノズルにおける当該エジェクタの先端側から噴射される作動流体の巻き込み作用によって、前記ノズルの外部の流体が吸引され、
    前記ノズルの前記ニードル側の壁面は、前記流体流路における前記先端側の端部に位置する出口(41z)と、前記出口よりも前記先端側とは反対側に位置して前記ニードルに向かって突出する喉部(41x)と、を有し、
    喉部流路断面積(200)は、前記喉部を通り前記軸線方向に直交する断面における前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の面積であり、
    出口流路断面積(201)は、前記出口を通り前記軸線方向に直交する断面における前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の面積であり、
    前記軸線方向における前記ニードルの前記ノズルに対する離れ度合いを示すニードルリフト量(R)が第1範囲にある場合、前記喉部流路断面積は前記出口流路断面積よりも小さく、かつ、前記流体流路内において前記軸線方向に直交するすべての断面における前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の面積のうち、前記喉部流路断面積が最小であり、
    前記ニードルリフト量が前記第1範囲よりも大きい第2範囲にある場合、前記喉部流路断面積は前記出口流路断面積よりも大きく、かつ、前記流体流路内において前記軸線方向に直交するすべての断面における前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の面積のうち、前記出口流路断面積が最小であり、
    前記ニードルは、前記先端側に向かって先細る第1テーパ部(441)と、前記第1テーパ部の前記先端側の端に接続すると共に更に前記先端側に向かって先細る第2テーパ部(442)と、を備え、
    前記第1テーパ部と前記第2テーパ部との境界部(44x)における前記第1テーパ部のテーパ角である第1テーパ角(θE1)よりも、前記境界部における前記第2テーパ部のテーパ角である第2テーパ角(θE2)の方が大きくなっており、
    前記喉部では、前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の流路断面積が極小になり、
    前記巻き込み作用が発揮されるとき、前記喉部よりも前記先端側に前記境界部があり、
    前記巻き込み作用が発揮されるとき、前記壁面のうち前記喉部よりも前記先端側の部分は、前記壁面によって囲まれる領域を前記先端側に向かって狭める形状を有する、エジェクタ。
  6. 前記喉部よりも前記先端側において前記壁面が前記先端側に向かって先細るテーパ角(θZ2)は、前記第1テーパ角よりも小さい請求項4または5に記載のエジェクタ。
  7. エジェクタであって、
    ノズル(41)と、
    前記ノズルの内部の流体流路に配置されるニードル(44)と、を備え、
    前記ノズルの内部の流体流路を通って前記ノズルにおける当該エジェクタの先端側から噴射される作動流体の巻き込み作用によって、前記ノズルの外部の流体が吸引され、
    前記ニードルは、前記先端側に向かって先細る第1テーパ部(441)と、前記第1テーパ部の前記先端側の端に接続すると共に更に前記先端側に向かって先細る第2テーパ部(442)と、を備え、
    前記第1テーパ部と前記第2テーパ部との境界部(44x)における前記第1テーパ部のテーパ角である第1テーパ角(θE1)よりも、前記境界部における前記第2テーパ部のテーパ角である第2テーパ角(θE2)の方が大きくなっており、
    前記ノズルの前記ニードル側の壁面には、前記ノズルと前記ニードルとの間の空隙の流路断面積を極小にする喉部(41x)が形成され、
    前記巻き込み作用が発揮されるとき、前記喉部よりも前記先端側に前記境界部があり、
    前記巻き込み作用が発揮されるとき、前記壁面のうち前記喉部よりも前記先端側の部分は、前記壁面によって囲まれる領域を前記先端側に向かって狭める形状を有するエジェクタ。
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