JP6891088B2 - 掘削攪拌装置 - Google Patents

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本発明は、地盤中にセメントミルク等の薬液を注入しながら掘削土と薬液とを攪拌混合し、地盤中に円柱状のセメントコラムを生成し、地盤改良を行う掘削攪拌装置に関する。
地盤の地耐力を増強する方法として、回転する掘削翼にて地盤を掘削し、掘削した土壌(以下、掘削土)にセメントミルク等の薬液を注入しながら、掘削翼とともに回転する攪拌翼により掘削土と薬液とを攪拌混合し、地盤中に円柱状のセメントコラムを形成する地盤改良方法が用いられる。
上述した方法では、地盤に粘土層が含まれる場合には、回転する掘削翼や攪拌翼に掘削土が付着し、攪拌翼や掘削翼とともに同期回転する、所謂、共回り現象が発生しやすい。共回り現象が発生すると、掘削土と薬液とが均一に攪拌混合されず、良質なセメントコラムを形成することができない。そこで、掘削翼の回転による地盤の掘削時に形成される掘削孔の内壁面に差し込まれる共回り防止翼を設けることが提案されている。(特許文献1参照)。
特開2014−122495号公報
例えば特許文献1に開示される共回り防止翼は、共回り防止翼の先端部が掘削翼の回転軌跡よりも外側に突出する張出し部を有し、掘削翼の回転により地盤を掘削する時に、張出し部が地盤に差し込まれる。これにより、掘削翼や攪拌翼が回転している間も共回り防止翼が回転しない状態が維持され、共回り防止翼が、掘削翼や攪拌翼により攪拌される掘削土の塊を破砕する。
しかしながら、上述した共回り防止翼は、掘削翼の回転による地盤の掘削時に、張出し部が地盤を切削しながら地盤に差し込まれることから、張出し部に生じる掘進抵抗が大きく、目的の深さまで地盤を掘削する作業に時間がかかるという問題がある。また、差し込まれた張出し部の把持力や強度などが不足する地盤では、張出し部が差し込まれる過程で地盤が崩れ、共回り防止翼を地盤に固定できない。したがって、共回り防止翼が掘削翼や攪拌翼に追随して回転しまい、上述した共回り現象の発生を防止することができず、また、掘削土と薬液とを均一に攪拌混合させることが困難となる。
本発明は、共回り現象の発生を防止しながら、掘削土と薬液とを均一に攪拌混合させることができるようにした掘削攪拌装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明の掘削攪拌装置は、回転中心に対して径方向に延出される複数の羽根を有する掘削翼と、前記掘削翼が有する前記複数の羽根の上方に各々配置され、前記回転中心から径方向に延出される複数のアームと、前記複数のアームと前記掘削翼との間で、前記掘削翼の回転軸方向の複数の位置に配置され、前記掘削翼とは逆方向に回転する第1の攪拌翼と、前記掘削翼の回転により掘削された土壌を前記第1の攪拌翼に向けて取り込む、前記掘削翼の回転方向の先端側に向けて先細りする形状の取込部を有し、前記複数のアームの各アームの先端部と前記掘削翼が有する各羽根の先端部とを連結する連結部材と、前記連結部材に設けられ、前記第1の攪拌翼のうち、前記掘削翼の回転軸方向において隣り合う前記第1の攪拌翼の移動軌跡間に延出される共回り防止翼と、を含むことを特徴とする。
また、前記複数の羽根は、前記回転中心から径方向に水平に延出される本体部と、前記掘削翼の回転方向における前記本体部の先端側から下り傾斜する傾斜部を各々有し、前記複数のアームの各アームは、装置の上面視において、対応する羽根の前記傾斜部のうち、少なくとも前記掘削翼の回転方向の先端側で且つ前記径方向の先端部分を露呈するように配設され、前記取込部は、前記装置の上面視において前記アームから露呈される前記傾斜部の少なくとも前記掘削翼の回転方向の先端側で且つ前記径方向の先端部分に向けて突出するとを特徴とする。
ここで、前記第1の攪拌翼のうち、少なくとも前記掘削翼に近接した前記第1の攪拌翼に設けられ、前記第1の攪拌翼による前記土壌の攪拌時に、攪拌される前記土壌に混合する薬液を吐出する吐出部を有することを特徴とする。
この場合、前記吐出部は、前記回転中心に対して前記径方向に前記薬液を前記土壌に吐出することが好ましい。また、前記吐出部は、前記第1の攪拌翼の回転方向における後端側から前記薬液を前記土壌に吐出することが好ましい。
また、前記第1の攪拌翼が外周面に設けられた回転軸の一端部に固定され、前記回転軸の回転時に前記土壌に圧入する薬液を吐出する吐出口を外周面に備えた削孔ビットを、有することを特徴とする。
なお、前記薬液の注入時に、送り込まれる前記薬液の押圧を受けて前記吐出口を開放し、前記薬液の注入が停止されたことを受けて前記吐出口を遮蔽する遮蔽部材を有することが好ましい。
また、前記複数のアームを一端に保持して、回転時の駆動力を前記複数のアームを介して前記掘削翼に伝達する駆動軸を有し、前記駆動軸は、一端に保持される前記複数のアームの上方に、前記掘削翼と同一方向に回転する第2の攪拌翼を備えることが好ましい。
本発明によれば、共回り現象の発生を防止しながら、掘削土と薬液とを均一に攪拌混合させることができる。
地盤改良施工機の一例を示す模式図である。 本実施形態の掘削攪拌装置の一例を示す斜視図である。 掘削翼及び攪拌翼の構成を分解して示す斜視図である。 掘削攪拌装置の正面図である。 掘削攪拌装置の上面図である。 (a)は図4に示すA−A断面図、(b)は図4に示すB−B断面図である。 下部攪拌翼の下方に設けられた吐出部の構成を示す図である。 回転軸及び削孔ビットの一例を示す部分断面図である。 本実施形態の掘削攪拌装置を用いた地盤改良方法の流れを示す図である。
以下、本実施形態について、図面を用いて説明する。図1に示すように、地盤改良施工機10は、自走可能な機体11、機体11に鉛直姿勢に支持されるリーダー12、リーダー12に沿って昇降する昇降台13、昇降台13に配置した回転駆動部14、駆動軸20を軸支する下部ホルダ15、及び駆動軸20の内軸21に設けた送出路と図示を省略したポンプとを接続するためのスイベル16を有する。
回転駆動部14は、本実施形態の掘削攪拌装置30が装着された駆動軸20を回転させる。駆動軸20は、内軸21と、内軸21が挿入される外軸22とを有する。したがって、回転駆動部14は、内軸21を回転させる駆動部14aと、外軸22を回転させる駆動部14bとを有する構成である。図2に示すように、これら2つの駆動部14a及び駆動部14bを備えた回転駆動部14により、駆動軸20の内軸21は回転軸Lを中心に図2中F方向に回転する。一方、駆動軸20の外軸22は、回転軸Lを中心に駆動軸20の内軸21とは反対方向(図2中G方向)に回転する。駆動軸20の内軸21及び外軸22は、掘削する地盤の深さに応じて複数連結することが可能である。上述した駆動軸20の内軸21は、後述する回転軸40に設けた第1薬液通路と、第2薬液通路とに個別に薬液を送り込むための二重管構造の送込路を有する。
図2に示すように、最下端に位置する駆動軸20の外軸22の下端部には、例えば3枚の攪拌翼25が例えば120°間隔で配設される。3枚の攪拌翼25は、駆動軸20の軸方向において、一例として、同一の位置に設けられる。これら3枚の攪拌翼25の回転軌跡における直径は、一例として2429mmである。なお、攪拌翼25の枚数は、3枚に限定される必要はなく、2枚又は4枚であってもよい。
掘削攪拌装置30は、最下端に位置する駆動軸20の下端部に装着される。図3から図6に示すように、掘削攪拌装置30は、掘削翼31を有する。掘削翼31は、円筒部32、3枚の羽根33、嵌入部34、3個のアーム35及び連結部36を有する。なお、本実施形態では、掘削翼31の構成を、円筒部32、3枚の羽根33、嵌入部34、3個のアーム35及び連結部36としているが、円筒部32及び3枚の羽根33を掘削翼とし、嵌入部34、3個のアーム35及び連結部36を別の構成としてもよい。
円筒部32は、後述する回転軸40の下端部を軸支する。円筒部32の外周面には、3枚の羽根33が設けられる。なお、3枚の羽根33は、円筒部32の外周面から円周方向に120°間隔を空けて径方向に延出されている。ここで、羽根33の枚数を3枚としているが、羽根33の枚数は、これに限定されるものではなく、2枚又は4枚であってもよい。羽根33は、円筒部32の径方向に水平に延出される本体部33aと、掘削翼31の回転方向における本体部33aの先端側から下り傾斜する傾斜部33bとを有する。傾斜部33bは、複数の掘削刃37を径方向に配設する。なお、掘削刃37が6個設けられた羽根33について開示しているが、各羽根33に設ける掘削刃37の数は、6個に限定されるものではない。この掘削刃37は、羽根33に対して、先端が異なる種々の掘削刃に交換することができるようにしてもよいし、羽根33に固定されるものであってもよい。なお、3枚の羽根33の回転軌跡における直径は、一例として2550mmである。
嵌入部34は、円筒形状の部材である。嵌入部34は、円筒部32の上方で、且つ円筒部32と同軸に保持される。嵌入部34は、駆動軸20の外軸22の嵌入部22aに嵌め込まれた状態で駆動軸20の外軸22に接続される。嵌入部34の内部空間は、駆動軸20の内軸21が挿通される空間である。
アーム35は、嵌入部34の下端部から、嵌入部34の円周方向に120°間隔を空けて、嵌入部34の径方向に延出される。アーム35は、3個の羽根33の各々の上方に配置される。アーム35は、幅方向の中心が幅方向における両端部よりも上方に突出した、所謂、山形状の部材である。上述したように、駆動軸20の外軸22の嵌入部22aに嵌め込まれる。したがって、アーム35は、駆動軸20を回転したときに、駆動軸20の回転力を掘削翼31に伝達する機能を有する。また、この他に、アーム35は、掘削攪拌装置30による掘削時に、掘削土を攪拌する機能も有する。
ここで、図5に示す掘削攪拌装置30の上面図において、アーム35は、対応する羽根33の本体部33aに重畳される。同時に、アーム35は、対応する羽根33の前記傾斜部33bのうち、少なくとも前記掘削翼31の回転方向の先端側で且つ前記径方向の先端部分を露呈している。
連結部36は、3枚の羽根33と、これら羽根33の上方に各々位置するアーム35とを連結する。上述したように、嵌入部34は、駆動軸20の外軸22の嵌入部22aに嵌め込まれる。したがって、駆動軸20の外軸22の回転力は、アーム35及び連結部36を介して3枚の羽根33に伝達される。
連結部36は、掘削翼31の回転方向における先端側に先細り形状(刃先形状)の取込部36aを有する。取込部36aは、掘削翼31の回転により掘削された掘削土を、掘削翼31の回転軌跡における外周部分から回転中心側に、言い換えれば、後述する上部攪拌翼41及び下部攪拌翼42に向けて取り込むために設けられる。図5に示す掘削攪拌装置30の上面図において、取込部36aは、アーム35から先端部分が露呈している。詳細には、取込部36aは、アーム35から露呈される前記傾斜部33bの少なくとも掘削翼31の回転方向の先端側で且つ径方向の先端部分に向けて突出するように配設される。なお、取込部36aが示す先細り形状としては、取込部36aの側面36bが掘削翼31の回転方向における先端部が後端部よりも掘削翼31の回転中心側に傾いた面又は掘削翼31の回転軌跡における法線方向に平行な平面である。一方、取込部36aの側面36cは、側面36bに鋭角に交差する平面である。言い換えれば、取込部36aの側面36cは、掘削翼31の上面視において、掘削翼31の回転方向における先端側が後端側よりも掘削翼31の回転軌跡の外周側に位置するように傾いた平面である。
連結部36は、上下方向における中央部分に、掘削翼31の回転中心に向けて、水平方向に延びる外側攪拌翼38を備える。外側攪拌翼38は、掘削翼31の回転により掘削される掘削土と薬液とを攪拌混合する際に、掘削土の共回り現象を防止する共回り防止翼として機能する部材である。外側攪拌翼38は、上面及び底面が水平面となるように、また、後述する回転軸40の近傍まで延出される(図4参照)。ここで、回転軸方向における外側攪拌翼38の位置は、後述する上部攪拌翼41と下部攪拌翼42との間の隙間に挿入される位置である。なお、外側攪拌翼38は、一例として、掘削翼31の回転中心から径方向に209mm〜880mmの範囲に設けられる。なお、連結部36は、柱状の部材であってもよいし、筒状の部材であってもよい。
上述したように、円筒部32は、駆動軸20の内軸21が接続される回転軸40を軸支する。回転軸40は、軸方向に所定間隔を空けた2つの位置に、3枚の攪拌翼41,42を備える。以下、攪拌翼41,42のうち、回転軸40の上部に配設される攪拌翼41を上部攪拌翼41と称し、回転軸40の下部に配設される攪拌翼42を下部攪拌翼42と称する。
上部攪拌翼41及び下部攪拌翼42は、各々120°間隔を空けて回転軸の外周面に配設される。下部攪拌翼42は、上部攪拌翼41に対して回転軸40の円周方向に60°ずらして配設される。なお、上部攪拌翼41及び下部攪拌翼42は、回転方向における先端側が後端側よりも下り傾斜した状態で回転軸40に配設される。上部攪拌翼41及び下部攪拌翼42の回転軌跡における直径は、一例として1580mmである。
図4及び図7に示すように、下部攪拌翼42の下方には、薬液が吐出される吐出部45が設けられる。本実施形態では、吐出部45は、下部攪拌翼42に配置しているが、下部攪拌翼4と一体としてもよい。吐出部45は、下部攪拌翼42の延出方向に向けて薬液を吐出する吐出ノズル46の他、下部攪拌翼42の回転方向の後方に向けて薬液を吐出する複数の吐出ノズル47を有する。ここで、下部攪拌翼42の回転方向の後方に向けて薬液を吐出する複数の吐出ノズル47は、下部攪拌翼42の延出方向に、一定間隔を空けて複数設けられる。なお、符号48は、回転軸40の軸部56に設けられた通路58と連通する送出管である。
図8に示すように、回転軸40は、複数の部材から構成される。回転軸40は、内管51aと外管51bとを有する、所謂二重管構造の送出管51を内部に備える。回転軸40は、駆動軸20の内軸21が接続される略円筒状の接続部55と、掘削翼31が有する円筒部32に軸支される軸部56とを有する。接続部55は、送出管51の内管51aが挿通される挿通孔55aを有する。接続部55の下端側には、送出管51の外管51bが装着される保持部材57が嵌入される。符号57aは、保持部材57が有する挿通孔である。軸部56は、送出管51の内管51aの下端部が嵌入される孔56aを有する。軸部56の上端部は、送出管51の外管51bの下端部が嵌入される。送出管51の外管51bの下端部が嵌入される箇所と、送出管51の内管51aの下端部が嵌入される孔56aの間には、所定の空間56bが設けらる。この空間から軸部56の外周面に向けて、3本の通路58が形成される。なお、図8においては、3本の通路58のうち、1本の通路のみを表している。これら通路は、吐出部45に向けて薬液を送り出す送出通路となる。
回転軸40において、接続部55が有する挿通孔55aと内管51aとが形成する空間、保持部材57が有する挿通孔57aと内管51aとが形成する空間、内管51a及び外管51bとが形成する空間及び軸部56の空間56bが、送り込まれる薬液の薬液通路(第1薬液通路)として機能する。一方、内管51aは、後述する穿孔ビット60に向けて送り込む薬液の薬液通路(第2薬液通路)として機能する。
回転軸40の下端部で円筒部32の下方には、穿孔ビット60が配設される。穿孔ビット60は、掘削攪拌装置30における掘削時に地盤を掘進するものである。穿孔ビット60は、先端に4つの爪刃(切削チップ)61を有する。これら爪刃61は、一例として略円錐形状である。なお、穿孔ビット60の形状や穿孔ビット60に設けられる爪刃61の形状や個数は、適宜設計可能である。穿孔ビット60の外周面には、上述した第2薬液通路からの薬液を吐出する吐出口62が2箇所に設けられる。吐出口62は、180°間隔で設けられる。吐出口62の前面には、遮蔽蓋63が設けられる。遮蔽蓋63は、吐出口62を遮蔽する位置(図8中実線)に保持される。薬液を吐出するときには、送り込まれる薬液の押圧を受けて遮蔽蓋63が図8中点線の位置まで回動し、吐出口62を一部開放する。そして、薬液の吐出を停止すると、送り込まれる薬液の送り込みが停止されることを受けて、遮蔽蓋63が吐出口62を遮蔽する位置に復帰する。
以下、本実施形態の掘削攪拌装置30を用いて、地盤改良を施工する処理について説明する。地盤改良施工機10を地盤改良を行う箇所に移動させ、地盤改良施工機10に下端部に掘削攪拌装置30を装着した駆動軸20を回転駆動部14に装着する。そして、回転駆動部を介して、駆動軸20の内軸21を図9中F方向に、駆動軸20の外軸22を図9中G方向に回転させる。その後、昇降台13をリーダー12に沿って下降させる。図9(a)に示すように、昇降台13の下降により、駆動軸20の下端部に装着された掘削攪拌装置30が地盤表面に向けて図9中H方向に移動(下降)する。
掘削攪拌装置30が地盤表面に向けて下降すると、穿孔ビット60が地盤表面に接地する。ここで、駆動軸20の内軸21が図9中F方向に回転している。つまり、内軸21の下端部に接続された回転軸の下端部に装着された穿孔ビット60も図9中F方向に回転している。したがって、図9(b)に示すように、掘削攪拌装置30を下降させると、図9中F方向に回転する穿孔ビット60により地盤を穿孔する。このとき、地盤改良施工機10とは別に施工箇所に設置されたポンプにより薬液の供給が行われる。この薬液は、穿孔ビット60の外周面に設けられた吐出口62から地盤内部に吐出される。
引き続き、掘削攪拌装置30が下降されると、掘削翼31が有する3枚の羽根33により地盤が掘削される。このとき、掘削翼31の回転方向は、図9中G方向である。掘削翼31により掘削された掘削土は、3枚の羽根33の各々に乗り上げる。同時に、掘削翼31の各羽根33とアーム35とを連結する連結部36が有する取込部36aが、掘削翼31の回転軌跡における外縁部分に位置する掘削土を羽根33とアーム35と間の空間に取り込む。
駆動軸20の軸方向において、羽根33とアーム35との間の空間には、上部攪拌翼41と下部攪拌翼42とが設けられる。これら攪拌翼41,42は、回転軸40が駆動軸20の内軸21に接続されることから、図9中F方向に回転している。したがって、薬液が供給された掘削土が上部攪拌翼41と下部攪拌翼42とによって攪拌される。このとき、下部攪拌翼42の下方に設けられた吐出部45の吐出ノズル46,47から、薬液が吐出されている。この際、吐出ノズル46は、掘削翼31による回転軌跡の外周縁部に向けて薬液を吐出(供給)し、吐出ノズル47は、掘削翼31による回転軌跡の径方向に薬液を吐出している。したがって、羽根33とアーム35と間の空間に取り込まれた掘削土に対して均一に薬液を供給することができる。
上部攪拌翼41及び下部攪拌翼42の回転方向に対して、掘削翼31とともに回転する外側攪拌翼38の回転方向は、逆方向である。したがって、上部攪拌翼41及び下部攪拌翼42の回転により掘削土の攪拌の他に、上部攪拌翼41及び下部攪拌翼42の回転とは逆方向に回転する外側攪拌翼38による薬液と掘削土との強制的な混合が付加される。その結果、従来の地盤改良方法で発生しやすい掘削土の共回り現象を防止でき、また、土壌の種類の如何に拘わらず、供給される薬液と掘削土とを略完全な状態にまで攪拌混合することが可能となる。さらに、薬液が攪拌混合された掘削土は、図8中G方向に回転するアーム35や、駆動軸20の外軸22に設けた攪拌翼25により、さらなる掘削土及び薬液の攪拌混合が実行される。
そして、図9(c)に示すように所望の深さまで掘削し、同時に薬液と掘削土とを攪拌混合する。その後、図9(d)及び図9(e)に示すように、昇降台13を上昇させる。これにより、駆動軸20の下端部に装着された掘削攪拌装置30が地盤表面に向けて図9中I方向に移動(上昇)する。
掘削翼31の上方には、上方に突出する山形状のアーム35を有していることから、薬液と攪拌混合された掘削土は、アーム35の上面の形状に沿って移動する。したがって、掘削攪拌装置30を引き抜く際の抵抗を抑制することができる。なお、この際にも、掘削翼31及び外側攪拌翼38が図9中G方向に、上部攪拌翼41及び下部攪拌翼42が図9中F方向に回転しているので、掘削攪拌装置30を引き抜いている過程においても、薬液が供給された掘削土は攪拌混合される。その結果、従来の地盤改良方法では、中心部分の強度が高く、外周縁部に向けて強度が弱くなる円柱状のセメントコラムが形成されやすいが、本実施形態の掘削攪拌装置30においては、供給される薬液と掘削土とを略完全な状態にまで混合攪拌することが可能となるので、均一な強度となる円柱状のセメントコラムを地盤中に形成することが可能となる。
本実施形態では、掘削翼31に設けた連結部36に外側攪拌翼38を設けることで、掘削翼31と、外側攪拌翼38とを個別に設ける必要がない。また、掘削翼31とアーム35との間の空間に上部攪拌翼41及び下部攪拌翼42を配置することで、掘削攪拌装置30をコンパクトにすることができる。
本実施形態では、駆動軸20の外軸22に設けられる3枚の攪拌翼25の位置を、駆動軸20の軸方向において同一の位置としているが、駆動軸20の軸方向に所定の長さずらして配置することも可能である。
また、3枚の攪拌翼25を設ける位置を、駆動軸20の軸方向における複数の位置とし、各位置に3枚の攪拌翼を設けることも可能である。複数の位置に3枚の攪拌翼25を配置する場合、複数の位置の各々に1枚の攪拌翼を設け、これら攪拌翼を基準として、残りの2枚の攪拌翼を駆動軸20の軸方向に所定の長さずらして配置することも可能である。
本実施形態では、駆動軸20の外軸22に攪拌翼25を設けた場合を一例として説明しているが、本実施形態に示す掘削攪拌装置30により掘削土と薬液とを均一に混合できるのであれば、駆動軸20の外軸22に、3枚の攪拌翼25を配設する必要はない。
本実施形態では、1つの掘削攪拌装置30を用いて地盤改良を行う場合について説明しているが、掘削攪拌装置30を複数並置して使用することも可能である。
本実施形態では、回転軸40の軸方向の異なる2つの位置に攪拌翼41,42を設けた場合について説明しているが、回転軸40の軸方向の異なる3つ以上の位置に攪拌翼を設けることも可能である。この場合、連結部36に設ける外側攪拌翼38は、回転軸40の軸方向(若しくは、掘削翼31の回転軸方向)において、隣り合う攪拌翼間に各々設けることが望ましい。
本実施形態では、掘削攪拌装置30と、攪拌翼25が配設されるとともに、下端部に該掘削攪拌装置30が装着される駆動軸20とを別体としているが、駆動軸を備えた掘削攪拌装置としてもよい。
本実施形態では、アーム35が配設される嵌入部34を駆動軸20の外軸22に嵌入させることで、駆動軸20の外軸22が回転したときの回転力を、アーム35及び連結部36を介して掘削翼31に伝達している。同時に、上部攪拌翼41及び下部攪拌翼42を有する回転軸40に駆動軸20の内軸21を接続することで、駆動軸20の内軸21が回転した時の回転力を回転軸40に伝達している。掘削攪拌装置30としては、例えば駆動軸20の外軸22を回転軸40に接続固定し、駆動軸20の内軸21を掘削翼31に接続固定することも可能である。この場合、駆動軸20の内軸21と外軸22との隙間に下部攪拌翼42の下部に設けた吐出部45及び穿孔ビット60の外周面に設けた吐出口62の各々に、薬液を送出する通路を設ける必要がある。
なお、駆動軸20の外軸22を回転軸40に接続固定し、駆動軸20の内軸21を掘削翼31に接続固定する場合には、アーム35の構成は必ずしも必要ではないが、掘削攪拌装置を地盤から引き抜く際に、薬液が供給された掘削土における抵抗を掘削攪拌装置が受けることから、アーム35を設けることが望ましい。
本実施形態では、穿孔ビット60に設けた吐出口62と、下部攪拌翼42の下部に設けた吐出部45との双方から薬液を吐出する場合について説明しているが、吐出口62又は吐出部45のいずれか一方から薬液を吐出するようにしてもよい。さらには、これら吐出口62及び吐出部45を有していない掘削攪拌装置であってもよい。
本実施形態では、吐出部45に設けた吐出ノズル46,47の双方から薬液を吐出する形態としているが、吐出ノズル46,47のいずれか一方から薬液を吐出できる形態であってもよい。
10…地盤改良施工機、20…駆動軸、21…内軸、22…外軸、25…攪拌翼、30…掘削攪拌装置、31…掘削翼、33…羽根、34…嵌入部、35…アーム、36…連結部、36a…取込部、37…掘削刃、38…外側攪拌翼、41…上部攪拌翼、42…下部攪拌翼、45…吐出部、60…穿孔ビット、62…吐出口、63…遮蔽蓋

Claims (8)

  1. 回転中心に対して径方向に延出される複数の羽根を有する掘削翼と、
    前記掘削翼が有する前記複数の羽根の上方に各々配置され、前記回転中心から径方向に延出される複数のアームと、
    前記複数のアームと前記掘削翼との間で、前記掘削翼の回転軸方向の複数の位置に配置され、前記掘削翼とは逆方向に回転する第1の攪拌翼と、
    前記掘削翼の回転により掘削された土壌を前記第1の攪拌翼に向けて取り込む、前記掘削翼の回転方向の先端側に向けて先細りする形状の取込部を有し、前記複数のアームの各アームの先端部と前記掘削翼が有する各羽根の先端部とを連結する連結部材と、
    前記連結部材に設けられ、前記第1の攪拌翼のうち、前記掘削翼の回転軸方向において隣り合う前記第1の攪拌翼の移動軌跡間に延出される共回り防止翼と、
    を含むことを特徴とする掘削攪拌装置。
  2. 請求項1に記載の掘削攪拌装置において、
    前記複数の羽根は、前記回転中心から径方向に水平に延出される本体部と、前記掘削翼の回転方向における前記本体部の先端側から下り傾斜する傾斜部を各々有し、
    前記複数のアームの各アームは、装置の上面視において、対応する羽根の前記傾斜部のうち、少なくとも前記掘削翼の回転方向の先端側で且つ前記径方向の先端部分を露呈するように配設され、
    前記取込部は、前記装置の上面視において前記アームから露呈される前記傾斜部の少なくとも前記掘削翼の回転方向の先端側で且つ前記径方向の先端部分に向けて突出する
    ことを特徴とする掘削攪拌装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の掘削攪拌装置において、
    前記第1の攪拌翼のうち、少なくとも前記掘削翼に近接した前記第1の攪拌翼に設けられ、前記第1の攪拌翼による前記土壌の攪拌時に、攪拌される前記土壌に混合する薬液を吐出する吐出部を有することを特徴とする掘削攪拌装置。
  4. 請求項3に記載の掘削攪拌装置において、
    前記吐出部は、前記回転中心に対して前記径方向に前記薬液を前記土壌に吐出することを特徴とする掘削攪拌装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の掘削攪拌装置において、
    前記吐出部は、前記第1の攪拌翼の回転方向における後端側から前記薬液を前記土壌に吐出することを特徴とする掘削攪拌装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の掘削攪拌装置において、
    前記第1の攪拌翼が外周面に設けられた回転軸の一端部に固定され、前記回転軸の回転時に前記土壌に圧入する薬液を吐出する吐出口を外周面に備えた穿孔ビットを、有することを特徴とする掘削攪拌装置。
  7. 請求項6に記載の掘削攪拌装置において、
    前記薬液の注入時に、送り込まれる前記薬液の押圧を受けて前記吐出口を開放し、前記薬液の注入が停止されたことを受けて前記吐出口を遮蔽する遮蔽部材を有することを特徴とする掘削攪拌装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の掘削攪拌装置において、
    前記複数のアームの回転中心側に位置する一端部を保持して、回転時の駆動力を前記複数のアームを介して前記掘削翼に伝達する駆動軸を有し、
    前記駆動軸は、前記複数のアームの上方に、前記掘削翼と同一方向に回転する第2の攪拌翼をさらに備えることを特徴とする掘削攪拌装置。
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