JP3739620B2 - 地盤改良装置 - Google Patents

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地盤改良装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、地盤改良装置の一形態として、内側軸と外側軸とを内外側二重軸に形成すると共に、両内・外側軸を相互に逆回転可能となした掘削軸体と、同掘削軸体に、内側撹拌翼と外側撹拌翼とを内外側位置にて相対的に逆回転させるべく取り付けた相対撹拌翼体と、掘削軸体に設けて固化材を吐出する固化材吐出部とを具備するものがある。
【0003】
そして、かかる地盤改良装置では、掘削軸体により地盤を掘削しながら、内・外側撹拌翼を相対的に逆回転させると共に、固化材吐出部より固化材を吐出させることにより、掘削土壌を撹拌しながら固化材と混練させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した地盤改良装置では、固化材吐出部を掘削軸体に設けているため、同固化材吐出部から吐出される固化材が、最も撹拌が激しく行われる内・外側撹拌翼のすれ違う場所まで行き渡らず、掘削土壌と固化材との均一な混練が行えないという不具合がある。
【0005】
また、固化材吐出部は、掘削軸体に小径かつ円形の固化材吐出孔を形成して、同固化材吐出孔より固化材を吐出させるようにしているが、この際、掘削軸体は地盤中を下方へ向けて掘進されると共に、同掘削軸体がその軸線廻りに回転されるために、固化材吐出孔より吐出される固化材の軌跡は螺旋状となり、かかる螺旋状軌跡のピッチ間において、掘削土壌中に固化材が吐出されていない個所が生じており、この点からも掘削土壌と固化材との均一な混練が行えないという不具合がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、内側軸と外側軸とを内外側二重軸に形成すると共に、両内・外側軸を相互に逆回転可能となした掘削軸体と、同掘削軸体に、内側撹拌翼と外側撹拌翼とを内外側位置にて相対的に逆回転させるべく取り付けた相対撹拌翼体とを具備する地盤改良装置において、内側撹拌翼と外側撹拌翼は、それぞれ両端部を掘削軸体に取り付けると共に、中途部を外方に膨出させた弧状に形成し、少なくともいずれか一方の撹拌翼の中途部に、固化材を吐出する固化材吐出部を設けると共に、同固化材吐出部は上下方向に伸延する固化材吐出孔を具備していることを特徴とする地盤改良装置を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
すなわち、本発明に係る地盤改良装置は、基本的構造として、内側軸と外側軸とを内外側二重軸に形成すると共に、両内・外側軸を相互に逆回転可能となした掘削軸体と、同掘削軸体に、内側撹拌翼と外側撹拌翼とを内外側位置にて相対的に逆回転させるべく取り付けた相対撹拌翼体とを具備している。
【0012】
このようにして、本発明に係る地盤改良装置により地盤、特に軟弱地盤の改良を行う際には、軟弱地盤上に掘削軸体を建て込み、同掘削軸体をその軸線廻りに回転させながら軟弱地盤を掘削して、同軟弱地盤中を下方へ向けて掘進させると共に、掘削軸体に取り付けた内・外側撹拌翼を、内外側で重複するオーバーラップ状態にて相対的に逆回転(相互に反対方向に回転)させることにより、大きな撹拌容積にて掘削土壌を撹拌することができる。
【0013】
しかも、内側撹拌翼と外側撹拌翼は、略相似形に形成して、両撹拌翼間に形成される間隙を、両撹拌翼のほぼ全域にわたってほぼ等しい幅員となすことにより、掘削土壌の共回り現象を防止することができると共に、緻密な撹拌機能を発揮させることができる。
【0014】
すなわち、一方の撹拌翼だけを回転させた場合には、掘削土壌が、同撹拌翼に引きずられて全体的に回転するだけで、土塊が圧搾された状態にて残存するが、互いに内外側に重複状態の内・外側撹拌翼を相互に反対方向に回転させることにより、両撹拌翼間の掘削土壌が反対方向の流動を強制されて、必然的に掘削土壌が撹拌翼間で交錯してもみ合い、掘削土壌を均一に混練させることができる。
【0015】
そして、本発明では、特徴的構造として、内側撹拌翼と外側撹拌翼の少なくともいずれか一方に、固化材を吐出する固化材吐出部を設けている。
【0016】
このようにして、掘削軸体の回りを回転する少なくとも一方の撹拌翼に固化材吐出部を設けることにより、必然的に撹拌翼間で交錯してもみ合い、均一に混練される掘削土壌中に、固化材吐出部より固化材を吐出させることができるため、掘削土壌と固化材とを効率良く均一に混練させることができる。
【0017】
また、少なくとも外側撹拌翼は、両端部を掘削軸体に取り付けると共に、中途部を外方に膨出させた弧状に形成し、同中途部に固化材吐出部を設けている。
【0018】
このようにして、外側撹拌翼の回転半径の大きい部分に固化材吐出部を設けることにより、同固化材吐出部より撹拌・混練される掘削土壌の外周部への固化材の供給を良好に確保することができ、この点からも掘削土壌と固化材とを効率良く均一に混練させることができる。
【0019】
また、固化材吐出部は、上下方向に伸延する固化材吐出孔を具備している。
【0020】
このようにして、上下方向に伸延する固化材吐出孔より固化材を吐出させることにより、固化材を帯状に吐出させることができると共に、掘削軸体の掘進方向にかかる帯状の固化材の軌跡が螺旋状となることから、かかる帯状の固化材を円周方向及び上下方向に連続させて筒状膜を形成することができて、掘削土壌中において固化材を掘進方向に満遍なく配置することができる。従って、この点からも掘削土壌と固化材とを効率良く均一に混練させることができる。
【0021】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1に示すAは、本発明に係る地盤改良装置であり、同地盤改良装置Aは、ベースマシン1と固化材供給部2とを装備している。
【0023】
ベースマシン1は、自走可能なベースマシン本体3に上下方向に伸延するリーダ4を設け、同リーダ4にモータ支持体5を昇降自在に取り付け、同モータ支持体5に駆動用モータ6を搭載し、同駆動用モータ6に上下方向に伸延する掘削軸体7の上端部を二重反転歯車機構8を介して着脱自在に取り付け、同掘削軸体7の下部周面に相対撹拌翼体9を取り付けると共に、同掘削軸体7の下端部に掘削刃体10を取り付けている。
【0024】
固化材供給部2は、固化材収容タンクと固化材供給ポンプ(図示しない)とを具備し、同固化材供給ポンプに固化材供給ホース11の基端部を接続し、同固化材供給ホース11の先端部を前記掘削軸体7にスイベルジョイント12を介して接続している。
【0025】
掘削軸体7は、図2及び図3にも示すように、上下方向に伸延させて形成した筒状の内側軸20と、同内側軸20の外周を囲繞する状態に上下方向に伸延させて形成した筒状の外側軸21とから内外側二重軸構造に構成しており、内側軸20と外側軸21は、駆動用モータ6により二重反転歯車機構8を介して同一軸芯廻りに相互に反対方向に回転するようにしている。
【0026】
そして、内側軸20中には上下方向に伸延させて形成した筒状体22を挿通して、同筒状体22中に内側固化材供給路23を形成する一方、同筒状体22の外周面と内側軸20の内周面との間に外側固化材供給路24を形成している。
【0027】
しかも、内側軸20の上端部には連通路25を形成して、同連通路25を介して内側固化材供給路23と外側固化材供給路24とを連通させ、固化材供給ホース11を通して供給される固化材を、内側固化材供給路23と外側固化材供給路24とに分流させて供給することができるようにしている。
【0028】
ここで、内側軸20の下端部には掘削刃体10を取り付けており、同掘削刃体10の回転中心部に第1固化材吐出部29を設けている。
【0029】
そして、第1固化材吐出部29は、掘削刃体10の回転中心部に円形状の第1固化材吐出孔29aを形成し、同第1固化材吐出孔29aを内側固化材供給路23に接続して、同内側固化材供給路23を通して供給される固化材は、第1固化材吐出孔29aより直下方へ向けて吐出されるようにしている。
【0030】
相対撹拌翼体9は、図2及び図3にも示すように、最内側撹拌翼26と、同最内側撹拌翼26の外周を相対的に反対方向に回転する内側撹拌翼27と、同内側撹拌翼27の外周を相対的に反対方向に回転する外側撹拌翼28とを具備しており、内側撹拌翼27と外側撹拌翼28は、略相似形に形成して、両撹拌翼27,28間に形成される間隙を、両撹拌翼27,28のほぼ全域にわたってほぼ等しい幅員となすことにより、掘削土壌の共回り現象を防止することができると共に、緻密な撹拌機能を発揮させることができるようにしている。
【0031】
最内側撹拌翼26は、外側軸21の下端部より放射状に突出させて形成しており、外側軸21の下端部の線対称位置に一対設けて、外側軸21と一体的にa方向に回転するようにしている。
【0032】
内側撹拌翼27は、掘削軸体7の半径方向に張り出し状に伸延する上下一対の上・下部横翼片27a,27bと、両上・下部横翼片27a,27bの外側端部間に上下方向に伸延させて介設した縦翼片27cとから弧状に形成しており、外側軸21の外周面に回転自在に遊嵌したリング状の翼片支持体30に上部横翼片27aの先端部を取り付ける一方、内側軸20の下端部に下部横翼片27bの先端部を取り付けて、内側軸20と一体的にb方向に回転するようにしている。
【0033】
そして、内側撹拌翼27は、内側軸20の下部の線対称位置に一対設けている。31は、縦翼片27cの中途部より外方へ突出させて形成した小翼片である。
【0034】
外側撹拌翼28は、掘削軸体7の半径方向に張り出し状に伸延する上下一対の上・下部横翼片28a,28bと、両上・下部横翼片28a,28bの外側端部間に上下方向に伸延させて介設した縦翼片28cとから弧状に形成しており、外側軸21の下端部に上部横翼片28aの先端部を取り付ける一方、内側軸20の外周面に回転自在に遊嵌したリング状の翼片支持体34に下部横翼片28bの先端部を取り付けて、外側軸21と一体的にa方向に回転するようにしている。
【0035】
そして、外側撹拌翼28は、掘削軸体7の下部の円周方向に一定の間隔を開けて三個設けている。35は、縦翼片28cの上部と下部にそれぞれ外方へ突出させて形成した小翼片であり、これら小翼片35,35の回転軌跡は、内側撹拌翼27に設けた小翼片31の回転軌跡と上下方向にオーバーラップするように配置して、相対的に逆回転する内・外側撹拌翼27,28間において、掘削土壌の撹拌が確実に行えるようにしている。
【0036】
上記のような構成において、本発明の要旨は、内側撹拌翼27と外側撹拌翼28の少なくともいずれか一方に、固化材を吐出する第2固化材吐出部32を設けたことあり、以下にかかる第2固化材吐出部32について説明する。
【0037】
すなわち、図2〜図4にも示すように、内側撹拌翼27の縦翼片27cには第2固化材吐出部32を設けており、同第2固化材吐出部32は、縦翼片27cの背面(回転方向側の面とは反対側の面)に上下方向に伸延する第2固化材吐出孔32aを形成している。
【0038】
そして、第2固化材吐出孔32aは、縦翼片27c及び下部横翼片27bとにわたって形成した固化材導入路33を通して外側固化材供給路24に接続している。
【0039】
このようにして、軟弱な地盤Gを改良する際には、地盤改良現場にベースマシン1を移動させることにより、リーダ4を建て込み、同リーダ4に沿わせて掘削軸体7を回転させながら下降させることにより、地盤Gを掘削刃体10により掘削すると共に、相対撹拌翼体9により掘削土壌を撹拌する。
【0040】
この際、固化材供給部2より固化材を固化材供給ホース11→スイベルジョイント12→掘削軸体7→第1・第2固化材吐出部29,32に供給して、各固化材吐出部29,32より固化材を吐出させるようにしており、かかる固化材を掘削土壌中に均一に撹拌して、掘削土壌を固化させることにより、軟弱な地盤G中に柱状若しくは壁状の地盤改良体を築造して、同地盤Gを改良することができる。
【0041】
特に、外側固化材供給路24に供給された固化材は、固化材導入路33を通して第2固化材吐出部32の第2固化材吐出孔32aより吐出させることができるようにしており、固化材吐出孔32aは、内側撹拌翼27の回転方向とは反対側の背面に形成しているため、固化材を円滑に吐出させることができると共に、上下縦長孔に形成しているため、固化材を上下縦長の帯状に吐出させることができる。
【0042】
しかも、内側撹拌翼27が回転しながら掘削軸体7の掘進方向に移動することから、図4に示すように、固化材の膜Kが円周方向及び上下方向に連続した筒状膜を形成することになり、その結果、掘削土壌中において固化材を掘進方向に満遍なく配置することができる。
【0043】
さらには、互いに内外側に重複状態の内・外側撹拌翼27,28を相互に反対方向に回転させることにより、両撹拌翼27,28間の掘削土壌が反対方向の流動を強制されて、必然的に掘削土壌が撹拌翼27,28間で交錯してもみ合い、掘削土壌を均一に混練させることができ、かかる均一混練位置に上記した固化材の筒状膜を形成することができることから、掘削土壌と固化材とを効率良く均一に混練させることができる。
【0044】
ここで、固化材には、合成樹脂製の小断片を適当な数量だけ分散させて混入させることにより、地盤改良体中に合成樹脂製の小断片を混在させることができ、かかる小断片が地盤改良体に作用する水平方向の負荷によって、同地盤改良体に生じる曲げ・引っ張り力に対する耐力の強化に有効に機能し、その結果、地盤改良体の水平方向の負荷耐力を増大させることができる。
【0045】
図5は、前記した内側撹拌翼27の変容例を示しており、同内側撹拌翼27では、縦翼片27cの中央部と内側軸20との間に左右方向に直状に伸延する中間横翼片27dを横架状に形成し、同中間横翼片27d中に固化材導入路33を形成して、同固化材導入路33を通して第2固化材吐出孔32aと外側固化材供給路24とを接続している。
【0046】
このようにして、左右方向に直状の中間翼片27dを増設して掘削土壌の撹拌効率を向上させると共に、かかる直状の中間翼片27d中に固化材導入路33を形成することにより、かかる固化材導入路33を可及的に短くかつ簡単に形成することができて、加工コストを安価にすることができる。
【0047】
図6は、前記した外側撹拌翼28の変容例を示しており、外側撹拌翼28の縦翼片28cに第2固化材吐出部32を設けている。
【0048】
そして、第2固化材吐出部32は、縦翼片28cの背面(回転方向側の面とは反対側の面)に上下方向に伸延する第2固化材吐出孔32aを形成しており、同第2固化材吐出孔32aは、上部横翼片28a及び縦翼片28cとにわたって形成した固化材導入路33を通して外側固化材供給路24に接続している。37は、外側固化材供給流路24への固化材供給部である。
【0049】
このようにして、掘削軸体7を中心として内側撹拌翼27よりも回転半径の大きい外側撹拌翼28に第2固化材吐出部32を設けることにより、掘削土壌の外周縁部にまで確実に固化材を吐出させることができて、掘削土壌の外周縁部の固化を良好に確保することができる。
【0050】
従って、図7に示すように、既設埋設構造物Bに近接させて地盤改良を行なった際には、掘削土壌の外周縁部Cの土壌改良も行えることから、一工程の土壌改良作業にて、既設埋設構造物Bの側壁近傍領域Dまで地盤改良を簡単かつ確実に行うことができる。
【0051】
図8〜図14は、内側撹拌翼27に設けた第2固化材吐出部32の固化材吐出方向cの変容例を示しており、掘削土壌の軟弱度合や粘性等に応じて、かかる変容例を適宜採用することができる。
【0052】
図8では、固化材吐出方向cが外側方に向くようにしており、内・外側撹拌翼27,28間で交錯してもみ合う掘削土壌中に向けて固化材を吐出させることにより、かかる掘削土壌に固化材を効率良く混練させることができる。
【0053】
図9では、固化材吐出方向cが内側撹拌翼27の外側面中途部より後外方へ向くようにしており、相対的に反対方向に回転している外側撹拌翼28と連れ回る掘削土壌へ向けて、確実に固化材を吐出させることができる。
【0054】
図10では、固化材吐出方向cが内側撹拌翼27の内側方に向くようにしており、内側撹拌翼27の内方に形成される掘削土壌へ積極的に固化材を吐出させることができる。
【0055】
図11では、固化材吐出方向cが内側撹拌翼27の内側面中途部より後内方へ向くようにしており、内側撹拌翼27の内方に形成される掘削土壌へ積極的に固化材を吐出させることができると共に、内側撹拌翼27の回転方向とは反対の方向へも向けていることから、固化材が円滑に吐出されて掘削土壌と固化材との混練が確実になされる。
【0056】
図12では、固化材吐出方向cが内側撹拌翼27の背面(後面)中途部より後外方へ向くようにしており、相対的に反対方向に回転している外側撹拌翼28と連れ回る掘削土壌側へ確実に固化材を吐出させることができると共に、内側撹拌翼27の回転方向とは反対の方向へも向けていることから、固化材が円滑に吐出されて掘削土壌と固化材との混練が確実になされる。
【0057】
図13では、固化材吐出方向cが内側撹拌翼27の前面より、同内側撹拌翼27の回転方向である前方へ向くようにしており、この場合、吐出される固化材が、内側撹拌翼27の内側方向と外側方向とにスムーズに分流されて、内側撹拌翼27の内側方にて撹拌される掘削土壌と、内側撹拌翼27の外側方でかつ外側撹拌翼28の内側方にて撹拌される掘削土壌とに、それぞれ確実に注入されることから、内側撹拌翼27の内・外側の掘削土壌と固化材とを、内・外側撹拌翼27,28により確実に撹拌・混練することができる。
【0058】
図14では、固化材吐出方向cが内側撹拌翼27の背面(後面)中途部より後内方へ向くようにしており、内側撹拌翼27と連れ回る掘削土壌側へ確実に固化材を吐出させることができると共に、内側撹拌翼27の回転方向とは反対の方向へも向けていることから、固化材が円滑に吐出されて掘削土壌と固化材との混練が確実になされる。
【0059】
図15及び図16は、それぞれ内側撹拌翼27の後端面に第2固化材吐出部32を外付けすると共に、固化材導入路33を形成する固化材導入路形成体36も外付けした構成を変容例として示している。
【0060】
すなわち、図15に示す第2固化材吐出部32と固化材導入路形成体36は、断面コ字状に形成して一体成形し、内側撹拌翼27の後端面に沿わせて一体的に固設することにより形成している。
【0061】
このようにして、内側撹拌翼27を加工して第2固化材吐出部32と固化材導入路33とを形成する手間とコストを削減することができて、安価な構造とすることができる。
【0062】
また、図16に示す第2固化材吐出部32と固化材導入路形成体36は、あらかじめ別途に一体的に形成しておき、その後に、内側撹拌翼27の後端面に沿わせて外付けするようにしている。
【0063】
このようにして、第2固化材吐出部32と固化材導入路形成体36の製造・管理を確実に行うことができると共に、内側撹拌翼27への取付も簡単かつ確実に行うことができる。
【0064】
しかも、第2固化材吐出部32と固化材導入路形成体36のメンテナンス等も楽に行うことができる。
【0065】
ここで、前記した図8〜図16の変容例は、外側撹拌翼28にも適用することができ、内側撹拌翼27と外側撹拌翼28とに適用する固化材吐出方向c,cの組み合わせは、必要に応じて適宜採用することができる。
【0066】
図17及び図18は、それぞれ相対撹拌翼体9の他実施例を示しており、相対撹拌翼体9の内側撹拌翼27と外側撹拌翼28の少なくともいずれか一方に第2固化材吐出部32を設けている。
【0067】
かかる相対撹拌翼体9では、可及的に第2固化材吐出孔32aが上下方向に幅広となるように形成して、同第2固化材吐出孔32aから吐出される固化材が、図4に示すような膜Kを円周方向及び上下方向に連続して形成して、筒状膜を形成するようにしている。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0069】
本発明では、内側軸と外側軸とを内外側二重軸に形成すると共に、両内・外側軸を相互に逆回転可能となした掘削軸体と、同掘削軸体に、内側撹拌翼と外側撹拌翼とを内外側位置にて相対的に逆回転させるべく取り付けた相対撹拌翼体とを具備する地盤改良装置において、内側撹拌翼と外側撹拌翼は、それぞれ両端部を掘削軸体に取り付けると共に、中途部を外方に膨出させた弧状に形成し、少なくともいずれか一方の撹拌翼の中途部に、固化材を吐出する固化材吐出部を設けると共に、同固化材吐出部は上下方向に伸延する固化材吐出孔を具備している。
【0070】
このようにして、固化材吐出孔を上下方向に伸延させて形成しているため、固化材を上下縦長の帯状に吐出させることができる。
【0071】
しかも、内側撹拌翼と外側撹拌翼とが相対的に逆回転しながら掘削軸体の掘進方向に移動することから、固化材の膜が円周方向及び上下方向に連続した筒状膜を形成することになり、その結果、掘削土壌中において固化材を掘進方向に満遍なく配置することができる。
【0072】
この際、互いに内外側に重複状態の内・外側撹拌翼は、相互に反対方向に回転されているため、両撹拌翼間の掘削土壌が反対方向の流動を強制されて、必然的に掘削土壌が撹拌翼間で交錯してもみ合い、掘削土壌を均一に混練させることができる。
【0073】
そして、かかる均一混練位置には、上記した固化材の筒状膜を形成することができるため、掘削土壌と固化材とを効率良く均一に混練させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる地盤改良装置の側面図。
【図2】掘削軸体と相対撹拌翼体の一部切欠側面図。
【図3】同平面説明図。
【図4】固化材の筒状膜説明図。
【図5】変容例としての掘削軸体と相対撹拌翼体の一部切欠側面図。
【図6】もう一つの変容例としての掘削軸体と相対撹拌翼体の一部切欠側面図。
【図7】地盤改良説明図。
【図8】固化材吐出方向の変容例を示す断面平面説明図。
【図9】固化材吐出方向の変容例を示す断面平面説明図。
【図10】固化材吐出方向の変容例を示す断面平面説明図。
【図11】固化材吐出方向の変容例を示す断面平面説明図。
【図12】固化材吐出方向の変容例を示す断面平面説明図。
【図13】固化材吐出方向の変容例を示す断面平面説明図。
【図14】固化材吐出方向の変容例を示す断面平面説明図。
【図15】第2固化材吐出部の変容例を示す断面平面図。
【図16】第2固化材吐出部の変容例を示す断面平面図。
【図17】他実施例としての撹拌翼体の側面図。
【図18】
もう一つの他実施例としての撹拌翼体の斜視図。
【符号の説明】
A 地盤改良装置
1 ベースマシン
2 固化材供給部
3 ベースマシン本体
4 リーダ
5 モータ支持体
6 駆動用モータ
7 掘削軸体
8 二重反転歯車機構
9 相対撹拌翼体

Claims (1)

  1. 内側軸と外側軸とを内外側二重軸に形成すると共に、両内・外側軸を相互に逆回転可能となした掘削軸体と、同掘削軸体に、内側撹拌翼と外側撹拌翼とを内外側位置にて相対的に逆回転させるべく取り付けた相対撹拌翼体とを具備する地盤改良装置において、
    内側撹拌翼と外側撹拌翼は、それぞれ両端部を掘削軸体に取り付けると共に、中途部を外方に膨出させた弧状に形成し、
    少なくともいずれか一方の撹拌翼の中途部に、固化材を吐出する固化材吐出部を設けると共に、同固化材吐出部は上下方向に伸延する固化材吐出孔を具備していることを特徴とする地盤改良装置。
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