JP2003247228A - 地盤改良装置及び地盤改良工法 - Google Patents

地盤改良装置及び地盤改良工法

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JP2003247228A JP2002049651A JP2002049651A JP2003247228A JP 2003247228 A JP2003247228 A JP 2003247228A JP 2002049651 A JP2002049651 A JP 2002049651A JP 2002049651 A JP2002049651 A JP 2002049651A JP 2003247228 A JP2003247228 A JP 2003247228A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円柱状の地盤改良部形成体の外周に地盤改良
効果の高い円筒状の地盤改良部形成体を形成すること。 【解決手段】 掘削軸体の下部周面に、内側撹拌翼体
と、同内側撹拌翼体の外周を相対的に反対方向に回転す
る外側撹拌翼体とを取り付けると共に、同掘削軸体の下
端部に掘削刃体を取り付け、掘削軸体の近傍と外側撹拌
翼体の近傍とにそれぞれ改良材吐出部を設け、掘削刃体
により地盤を掘削すると共に、各改良材吐出部より改良
材を吐出させ、同改良材を内・外側撹拌翼体により掘削
土中に混合・攪拌して、内側撹拌翼体の回転軌跡の内方
に円柱状の地盤改良部形成体を形成すると共に、同内側
撹拌翼体の回転軌跡の外方でかつ外側撹拌翼体の回転軌
跡の内方に円筒状の地盤改良部形成体を形成するように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤改良装置及び
地盤改良工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有害物質に汚染された汚染土壌を
改良する地盤改良装置の一形態として、掘削軸体の下部
周面に撹拌翼体を取り付けると共に、同掘削軸体の下端
部に掘削刃体を取り付けて、同掘削刃体により地盤を掘
削すると共に、掘削軸体から改良材を吐出して、同改良
材を撹拌翼体により掘削土中にて撹拌するようにしたも
のがある。
【0003】そして、かかる地盤改良装置により円柱状
の地盤改良部形成体を形成すると共に、同円柱状の地盤
改良部形成体の一部を左右方向に重複させて連続的に接
合することにより、地盤改良部の壁体を形成すると共
に、同壁体により汚染土壌の周囲を囲繞して、有害物質
が周囲に漏出するのを防止するようにした地盤改良工法
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した地
盤改良工法では、円柱状の地盤改良部形成体の接合部に
おいて、壁体の肉厚が地盤改良部の中央部よりも薄肉と
なっているために、この薄肉部分から漏水して、有害物
質が漏出する虞がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、掘
削軸体の下部周面に撹拌翼体とを取り付けると共に、同
掘削軸体の下端部に掘削刃体を取り付け、掘削軸体の近
傍と撹拌翼体の回転軌跡の外方位置とにそれぞれ改良材
吐出部を設けたことを特徴とする地盤改良装置を提供す
るものである。
【0006】また、本発明は、以下の構成にも特徴を有
する。
【0007】(1)掘削軸体の下部周面に、内側撹拌翼
体と、同内側撹拌翼体の外周を相対的に反対方向に回転
する外側撹拌翼体とを取り付けると共に、同掘削軸体の
下端部に掘削刃体を取り付け、掘削軸体の近傍と外側撹
拌翼体の近傍とにそれぞれ改良材吐出部を設け、掘削刃
体により地盤を掘削すると共に、各改良材吐出部より改
良材を吐出させ、同改良材を内・外側撹拌翼体により掘
削土中に混合・攪拌して、内側撹拌翼体の回転軌跡の内
方に円柱状の地盤改良部形成体を形成すると共に、同内
側撹拌翼体の回転軌跡の外方でかつ外側撹拌翼体の回転
軌跡の内方に円筒状の地盤改良部形成体を形成するよう
にした地盤改良装置。
【0008】(2)掘削軸体の下端部に取り付けた掘削
刃体により地盤を掘削すると共に、同掘削軸体の下部周
面に取り付け撹拌翼体により掘削土を撹拌しながら、改
良材を掘削軸体の近傍と撹拌翼体の回転軌跡の外方位置
とから吐出して、同掘削軸体を中心とする円柱状の地盤
改良部形成体と、同円柱状の地盤改良部形成体の外周を
囲繞する円筒状の地盤改良部形成体とを形成する地盤改
良工法。
【0009】(3)掘削軸体の下端部に取り付けた掘削
刃体により地盤を掘削すると共に、同掘削軸体の下部周
面に取り付けて相対的に反対方向に回転する内・外側撹
拌翼体により掘削土を撹拌しながら、改良材を掘削軸体
の近傍と外側撹拌翼体の近傍とから吐出して、同掘削軸
体を中心とする円柱状の地盤改良部形成体と、同円柱状
の地盤改良部形成体の外周を囲繞する円筒状の地盤改良
部形成体とを形成する地盤改良工法。
【0010】(4)改良材の単位体積当たりの重量は、
円柱状の地盤改良部形成体よりも円筒状の地盤改良部形
成体の方を大きくした地盤改良工法。
【0011】(5)円柱状の地盤改良部形成体を成形す
る改良材と円筒状の地盤改良部形成体を成形する改良材
とは、それぞれ種類が異なる地盤改良工法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0013】すなわち、本発明に係る地盤改良装置は、
掘削軸体の下部周面に撹拌翼体とを取り付けると共に、
同掘削軸体の下端部に掘削刃体を取り付け、掘削軸体の
近傍と撹拌翼体の回転軌跡の外方位置とにそれぞれ改良
材吐出部を設けている。
【0014】具体的に説明すると、地盤改良装置は、掘
削軸体の下部周面に、内側撹拌翼体と、同内側撹拌翼体
の外周を相対的に反対方向に回転する外側撹拌翼体とを
取り付けると共に、同掘削軸体の下端部に掘削刃体を取
り付け、掘削軸体の近傍と外側撹拌翼体の近傍とにそれ
ぞれ改良材吐出部を設け、掘削刃体により地盤を掘削す
ると共に、各改良材吐出部より改良材を吐出させ、同改
良材を内・外側撹拌翼体により掘削土中に混合・攪拌し
て、内側撹拌翼体の回転軌跡の内方に円柱状の地盤改良
部形成体を形成すると共に、同内側撹拌翼体の回転軌跡
の外方でかつ外側撹拌翼体の回転軌跡の内方に円筒状の
地盤改良部形成体を形成するようにしている。
【0015】ここで、改良材の単位体積当たりの重量
は、円柱状の地盤改良部形成体よりも円筒状の地盤改良
部形成体の方を大きくすることも、また、円柱状の地盤
改良部形成体を成形する改良材と円筒状の地盤改良部形
成体を成形する改良材とは、それぞれ種類を異ならせる
こともできる。
【0016】
【実施例】以下に、本発明の実施例を、図面を参照しな
がら説明する。
【0017】図1に示すAは、本発明に係る第1実施例
としての地盤改良装置であり、同地盤改良装置Aは、ベ
ースマシン1と改良材供給部2とを装備している。
【0018】ベースマシン1は、自走可能なベースマシ
ン本体3に上下方向に伸延するリーダ4を設け、同リー
ダ4にモータ支持体5を昇降自在に取り付け、同モータ
支持体5に駆動用モータ6を搭載し、同駆動用モータ6
に上下方向に伸延する掘削軸体7の上端部を二重反転歯
車機構8を介して着脱自在に取り付け、同掘削軸体7の
下部周面に相対に反対方向に回転する撹拌翼体である相
対撹拌翼体9を取り付けると共に、同掘削軸体7の下端
部に掘削刃体10を取り付けている。
【0019】改良材供給部2は、二個の改良材収容タン
クと二個の改良材供給ポンプ(図示しない)とを具備
し、各改良材供給ポンプに内・外側改良材供給ホース11
a,11bの基端部を接続し、各内・外側改良材供給ホース1
1a,11bの先端部を前記掘削軸体7にスイベルジョイント
12a,12bを介して接続している。
【0020】ここで、二個の改良材収容タンク内には、
それぞれ相互に異なる種類の改良材を収容するか、又
は、同一種類の改良材であっても単位体積当たりの重量
の異なる改良材を収容している。
【0021】掘削軸体7は、図2及び図3にも示すよう
に、上下方向に伸延させて形成した筒状の内側軸20と、
同内側軸20の外周を囲繞する状態に上下方向に伸延させ
て形成した筒状の外側軸21とから内外側二重軸構造に構
成しており、内側軸20と外側軸21は、駆動用モータ6に
より二重反転歯車機構8を介して同一軸芯廻りに相互に
反対方向に回転するようにしている。
【0022】そして、内側軸20中には上下方向に伸延さ
せて形成した筒状体22を挿通して、同筒状体22中に内側
改良材供給路23を形成する一方、同筒状体22の外周面と
内側軸20の内周面との間に外側改良材供給路24を形成し
ている。
【0023】ここで、内側軸20の下端部には掘削刃体10
を取り付けており、同掘削刃体10の回転中心部に第1改
良材吐出部29を設けている。
【0024】そして、第1改良材吐出部29は、掘削刃体
10の回転中心部に下方へ向けて開口する円形状の第1改
良材吐出孔29aを形成し、同第1改良材吐出孔29aを内側
改良材供給路23に接続して、同内側改良材供給路23を通
して供給される改良材を、第1改良材吐出孔29aより直
下方へ向けて吐出するようにしている。
【0025】相対撹拌翼体9は、図2及び図3にも示す
ように、最内側撹拌翼体26と、同最内側撹拌翼体26の外
周を相対的に反対方向に回転する内側撹拌翼体27と、同
内側撹拌翼体27の外周を相対的に反対方向に回転する外
側撹拌翼体28とを具備しており、内側撹拌翼体27と外側
撹拌翼体28は、略相似形に形成して、両撹拌翼体27,28
間に形成される間隙を、両撹拌翼体27,28のほぼ全域に
わたってほぼ等しい幅員となすことにより、掘削土壌の
共回り現象を防止することができると共に、緻密な撹拌
機能を発揮させることができるようにしている。
【0026】最内側撹拌翼体26は、外側軸21の下端部よ
り放射状に突出させて形成しており、外側軸21の下端部
の線対称位置に一対設けて、外側軸21と一体的にa方向
に回転するようにしている。
【0027】内側撹拌翼体27は、掘削軸体7の半径方向
に張り出し状に伸延する上下一対の上・下部横翼片27a,
27bと、両上・下部横翼片27a,27bの外側端部間に上下方
向に伸延させて介設した縦翼片27cとから弧状に形成し
ており、外側軸21の外周面に回転自在に遊嵌したリング
状の翼片支持体30に上部横翼片27aの先端部を取り付け
る一方、内側軸20の下端部に下部横翼片27bの先端部を
取り付けて、内側軸20と一体的にb方向に回転するよう
にしている。
【0028】そして、内側撹拌翼体27は、内側軸20の下
部の線対称位置に一対設けている。31は、縦翼片27cの
中途部より外方へ突出させて形成した小翼片である。
【0029】外側撹拌翼体28は、掘削軸体7の半径方向
に張り出し状に伸延する上下一対の上・下部横翼片28a,
28bと、両上・下部横翼片28a,28bの外側端部間に上下方
向に伸延させて介設した縦翼片28cとから弧状に形成し
ており、外側軸21の下端部に上部横翼片28aの先端部を
取り付ける一方、内側軸20の外周面に回転自在に遊嵌し
たリング状の翼片支持体34に下部横翼片28bの先端部を
取り付けて、外側軸21と一体的にa方向に回転するよう
にしている。
【0030】そして、外側撹拌翼体28は、掘削軸体7の
下部の円周方向に一定の間隔を開けて三個設けている。
35は、縦翼片28cの上部と下部にそれぞれ内方へ突出さ
せて形成した小翼片であり、これら小翼片35,35の回転
軌跡は、内側撹拌翼体27に設けた小翼片31の回転軌跡と
上下方向にオーバーラップするように配置して、相対的
に逆回転する内・外側撹拌翼体27,28間において、掘削
土壌の撹拌が確実に行えるようにしている。
【0031】ここで、内側軸20の下部でかつ内側撹拌翼
体27の下部横翼片27bよりも上方位置に第2改良材吐出
部32を設けており、同第2改良材吐出部32は、内側軸20
に、同内側軸20の半径方向(放射線方向)に向けて開口
する円形状の第2改良材吐出孔32aを形成し、同第2改
良材吐出孔32aを内側改良材供給路23に接続して、同内
側改良材供給路23を通して供給される改良材を、第2改
良材吐出孔32aより内側軸20の半径方向へ向けて吐出す
るようにしている。
【0032】また、外側撹拌翼体28の縦翼片28cには、
改良材を吐出する第3改良材吐出部33を設けており、同
第3改良材吐出部33は、縦翼片28cの背面(回転方向側
の面とは反対側の面)に上下方向に伸延する第3改良材
吐出孔33aを形成している。
【0033】そして、第3改良材吐出孔33aは、縦翼片2
8c及び上部横翼片28aとにわたって形成した改良材導入
路37を通して外側改良材供給路24に接続して、同第3改
良材吐出孔33aより改良材を縦翼片28cが描く回動軌跡の
接線方向に吐出させるようにしている。
【0034】ここで、二重反転歯車機構8の上方に位置
する筒状体22の上端部には、内側改良材供給体38を設け
て、同内側改良材供給体38に前記した内側改良材供給ホ
ース11aを連結して、同内側改良材供給体38より改良材
を内側改良材供給路23中に供給して、同内側改良材供給
路23を通して第1・第2改良材吐出部29,32より改良材
を吐出させるようにしている。
【0035】また、二重反転歯車機構8の下方に位置す
る外側軸21の上部には、スイベルジョイント12bを介し
て外側改良材供給体39を設けて、同外側改良材供給体39
に前記した外側改良材供給ホース11bを連結して、同外
側改良材供給体39より改良材を外側改良材供給路24中に
供給して、同外側改良材供給路24を通して第3改良材吐
出部33より改良材を吐出させるようにしている。cは改
良材吐出方向である。
【0036】このようにして、内側改良材供給路23に改
良材を供給する内側改良材供給体38と、外側改良材供給
路24に改良材を供給する外側改良材供給体39とを別個に
設けて、各改良材供給体38,39に相互に異なる種類の改
良材を供給することも、また、同一種類の改良材であっ
ても単位体積当たりの重量が異なる改良材を供給するこ
とができるようにしている。
【0037】次に、上記のように構成した地盤改良装置
Aにより軟弱な地盤や汚染された土壌ないし地盤(以下
「地盤G」という)を改良する工法について説明する。
【0038】すなわち、地盤Gを改良する際には、図1
に示すように、地盤改良現場にベースマシン1を移動さ
せることにより、リーダ4を建て込み、同リーダ4に沿
わせて掘削軸体7を回転させながら下降させることによ
り、地盤Gを掘削刃体10により掘削すると共に、相対撹
拌翼体9により掘削土壌を撹拌する。
【0039】この際、改良材供給部2より改良材を内・
外側改良材供給ホース11a,11b→スイベルジョイント12
a,12b→掘削軸体7→第1・第2・第3改良材吐出部29,
32,33に供給して、各改良材吐出部29,32,33より改良材
を吐出させるようにしており、かかる改良材を掘削土壌
中に均一に撹拌して、掘削土壌を改良することにより、
地盤G中に、図5及び図6に示すように、柱状若しくは
壁状の地盤改良部40を築造して、同地盤Gを改良するこ
とができる。
【0040】そして、地盤改良部40を築造した際には、
図3及び図5に示すように、第1・第2改良材吐出部2
9,32から吐出された改良材と、最内側撹拌翼体26と内側
撹拌翼体27とにより攪拌された掘削土とが混合・撹拌さ
れて、内側撹拌翼体27の外側端部が描く回転軌跡Q1の内
方に円柱状の地盤改良部形成体41が形成されると共に、
第3改良材吐出部33から吐出された改良材と、内側撹拌
翼体27と外側撹拌翼体28とにより攪拌された掘削土とが
混合・撹拌されて、同内側撹拌翼体27の外側端部が描く
回転軌跡Q1の外方でかつ外側撹拌翼体28の外側端部が描
く回転軌跡Q2の内方に円筒状の地盤改良部形成体42が形
成されて、上記円柱状の地盤改良部形成体41の周囲を円
筒状の地盤改良部形成体42が囲繞する状態をなしてい
る。
【0041】ここで、円柱状の地盤改良部形成体41より
も円筒状の地盤改良部形成体42に多量の改良材を含有さ
せることにより、同円筒状の地盤改良部形成体42を円柱
状の地盤改良部形成体41よりも地盤改良効果の高いもの
となすことができる。
【0042】特に、第3改良材吐出部33の改良材吐出孔
33aは、外側撹拌翼体28の回転方向とは反対側の背面に
形成しているため、改良材を円滑に吐出させることがで
きると共に、上下縦長孔に形成しているため、図4に示
すように、改良材を上下縦長の帯状に吐出させることが
できる。
【0043】しかも、上下縦長孔である第3改良材吐出
孔33aの上下幅は、外側撹拌翼体28が回転しながら掘削
軸体7の掘進方向に移動しながら、図4に示すように、
改良材の膜が円周方向及び上下方向に連続した筒状膜K
を形成することができるように設定している。その結
果、掘削土壌中において改良材を掘進方向に満遍なく配
置することができる。
【0044】さらには、互いに内外側に重複状態の内・
外側撹拌翼体27,28を相互に反対方向に回転させること
により、両撹拌翼体27,28間の掘削土壌が反対方向の流
動を強制されて、必然的に掘削土壌が撹拌翼体27,28間
で交錯してもみ合い、掘削土壌を均一に混練させること
ができると共に、かかる均一混練位置に前記した改良材
の筒状膜Kを形成することができることから、掘削土壌
と改良材とを効率良く均一に混練させることができる。
【0045】その結果、例えば、改良材としてセメント
ミルク等の改良材を使用して、図5に示すように、地盤
改良部Gの一部を前後方向ないしは左右方向に重複させ
て連続的に接合することにより、汚染土壌の周囲を囲繞
する壁体Hを形成した場合には、円筒状の地盤改良部形
成体42,42同士が重複して接合部43を形成することにな
るために、同接合部40において、壁体Hの肉厚が地盤改
良部Gの中央部よりも薄肉となっているにもかかわら
ず、同接合部40の地盤改良効果である固化による止水効
果が高いことから、汚染土壌から有害物質が壁体Hの外
部に漏出するのを確実に防止することができる。
【0046】この際、円柱状の地盤改良部形成体41の外
周を円筒状の地盤改良部形成体42により囲繞するように
しているため、円柱状の地盤改良部形成体41よりも円筒
状の地盤改良部形成体42の地盤改良効果を高くすること
により、全ての地盤を均一に改良する場合に比べて、効
率良くしかも安価に地盤改良を行うことができる。
【0047】すなわち、改良材の単位体積当たりの重量
は、円柱状の地盤改良部形成体41よりも円筒状の地盤改
良部形成体42の方を大きくすることにより、円柱状の地
盤改良部形成体41よりもその外周部を囲繞する円筒状の
地盤改良部形成体42の地盤改良効果を高くすることによ
り、効率良くしかも安価に地盤改良を行うことができ
る。
【0048】また、円柱状の地盤改良部形成体41を成形
する改良材と円筒状の地盤改良部形成体42を成形する改
良材とは、それぞれ種類を異ならせることもできる。
【0049】すなわち、円柱状の地盤改良部形成体41に
使用する改良材よりもその外周を囲繞する円筒状の地盤
改良部形成体42に使用する改良材の地盤改良効果、例え
ば、止水効果や有害物質の漏出防止効果を高くすること
により、安価にして効率良く地盤改良を行って、有害物
質の封じ込めを行うことができる。
【0050】また、改良材としては、セメントミルク等
の固化材に限らず、有害物質を中和・消滅・浄化させて
無害化する化学剤ないしは薬剤を使用することもでき
る。
【0051】この場合、特に、円筒状の地盤改良部形成
体42中を有害物質が浸透・通過する際に、中和・消滅・
浄化されるようにして、同有害物質の漏出を防止するこ
とができる。
【0052】また、改良材に合成樹脂製の小断片を適当
な数量だけ分散させて混入させることにより、地盤改良
体中に合成樹脂製の小断片を混在させることができ、か
かる小断片が地盤改良体に作用する水平方向の負荷によ
って、同地盤改良体に生じる曲げ・引っ張り力に対する
耐力の強化に有効に機能し、その結果、地盤改良体の水
平方向の負荷耐力を増大させることができる。
【0053】図6は、地盤Gの一定の範囲を地盤改良し
た場合の説明図であり、Wは地盤改良域である。
【0054】すなわち、地盤改良域Wは、地盤改良部G
の一部を前後方向及び左右方向に重複させて連続的に接
合させており、三個の円筒状の地盤改良部形成体42,42,
42同士を重複させて接合部43を形成したマルチセル状と
なしている。
【0055】この場合、円筒状の地盤改良部形成体42は
もとより接合部43において、地盤改良効果である固化に
よる止水効果ないしは有害物質を中和・消滅・浄化させ
て無害化する効果が高いことから、一定の地盤改良域W
をマルチセル状に接合した多数の円筒状の地盤改良部形
成体42により確実に地盤改良を行うことができて、地盤
の固化ないしは地盤の無害化を図ることができる。
【0056】図7及び図8は、第2実施例としての第3
改良材吐出部33を示しており、内側軸20の下部より半径
方向(放射線方向)に改良材導入路形成体44,44を延出
して、各改良材導入路形成体44,44の先端部に改良材吐
出孔形成体45,45を連通連設し、各改良材吐出孔形成体4
5,45を外側撹拌翼体28の縦翼片28cの中央部の近傍に配
置すると共に、各改良材吐出孔形成体45,45は上下方向
に伸延させて形成し、各改良材吐出孔形成体45,45の背
面(回転方向側の面とは反対側の面)に上下方向に伸延
する第3改良材吐出孔33aを形成している。
【0057】そして、改良材導入路形成体44,44は、相
互に内側軸20を中心に線対称の位置に配置して、各改良
材導入路形成体44,44内に形成した改良材導入路37,37の
基端部を外側改良材供給路24に連通させると共に、各改
良材導入路37,37の先端部を第3改良材吐出孔33a,33aに
連通させている。
【0058】このようにして、第2実施例としての第3
改良材吐出部33では、内側撹拌翼体27と外側攪拌翼体28
との間で混練される掘削土中に、第3改良材吐出孔33a,
33aより改良材を吐出させて、前記した第3実施例とし
ての第3改良材吐出部33と同様に、円筒状の地盤改良部
形成体42を形成することができるようにしている。
【0059】ここで、改良材導入路形成体44,44は、内
側軸20と一体的に回転して掘削土壌を攪拌するものであ
り、撹拌翼体としても機能している。従って、第2実施
例としての第3改良材吐出部33も攪拌翼体の外側部に設
けていることになる。
【0060】また、図9及び図10は、前記した第1・
第2実施例としての第3改良材吐出部33の変容例であ
り、第3改良材吐出部33において、第3改良材吐出孔33
aの近傍に、改良材を外側撹拌翼体28の外側端部が描く
回転軌跡Q2に略沿わせて案内する案内体46を設けてい
る。
【0061】このようにして、第3改良材吐出孔33aか
ら吐出される改良材を案内体46により外側撹拌翼体の外
側端部が描く回転軌跡Q2に略沿わせて案内することがで
きるため、円滑かつ確実に円筒状の地盤改良部形成体42
を形成することができる。
【0062】図11及び図12は、第2実施例としての
相対撹拌翼体9を示しており、同相対撹拌翼体9は、外
側軸21より半径方向に直状に伸延させて形成した二枚の
上部撹拌翼体50,50と、内側軸20より半径方向に直状に
伸延させて形成した二枚の下部撹拌翼体51,51とが、相
対的に反対方向に回転するように構成している。
【0063】そして、第3改良材吐出部33は、上部撹拌
翼体50,50と下部撹拌翼体51,51との間に位置する内側軸
20の部分より半径方向(放射線方向)に直状に伸延させ
て三本の改良材導入路形成体44,44,44を形成し、各改良
材導入路形成体44,44,44の先端部に改良材吐出孔形成体
45,45,45を一体的に連通連設している。
【0064】しかも、各改良材吐出孔形成体45,45,45
は、上・下部撹拌翼体50,51の外側端部の回転軌跡Q1よ
りも外方位置に配置すると共に、上下方向に伸延させて
形成して、各改良材吐出孔形成体45,45,45の背面(回転
方向側の面とは反対側の面)に上下方向に伸延する第3
改良材吐出孔33a,33a,33aを形成している。
【0065】さらには、各改良材導入路形成体44,44,44
内に形成した改良材導入路37,37,37の基端部を外側改良
材供給路24に連通させると共に、各改良材導入路37,37,
37の先端部を第3改良材吐出孔33a,33a,33aに連通させ
ている。
【0066】このようにして、かかる相対撹拌翼体9で
は、上部撹拌翼体50と下部攪拌翼体51とにより攪拌され
た掘削土と、第1・第2改良材吐出部29,32から吐出さ
れた改良材とが混合・撹拌されて、両上・下部撹拌翼体
50,51の外側端部が描く回転軌跡Q1の内方に円柱状の地
盤改良部形成体41が形成されると共に、同回転軌跡Q1の
外方に第3改良材吐出孔33a,33a,33aより改良材が吐出
されて、円柱状の地盤改良部形成体41の外周に、円筒状
の地盤改良部形成体42が形成されるようにしている。
【0067】この際、第3改良材吐出孔33a,33a,33aか
ら吐出される改良材は、掘削土と殆ど攪拌されることな
く円筒状の地盤改良部形成体42を形成することになり、
その結果、改良材が円柱状の地盤改良部形成体41の周囲
を被覆した状態となる。
【0068】従って、第3改良材吐出孔33a,33a,33aか
ら吐出される改良材として、有害物質を中和・消滅・浄
化させて無害化するものを使用することにより、円筒状
の地盤改良部形成体42を有害物質が、円柱状の地盤改良
部形成体41の内方から外方へ浸透・通過する際に、中和
・消滅・浄化されるようにして、同有害物質の外方への
漏出を確実に防止することができる。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。
【0070】(1)請求項1記載の本発明では、掘削軸
体の下部周面に撹拌翼体を取り付けると共に、同掘削軸
体の下端部に掘削刃体を取り付け、掘削軸体の近傍と撹
拌翼体の回転軌跡の外方位置とにそれぞれ改良材吐出部
を設けている。
【0071】このようにして、掘削軸体の下端部に取り
付けた掘削刃体により地盤を掘削すると共に、同掘削軸
体の下部周面に取り付けて相対的に反対方向に回転する
内・外側撹拌翼体により掘削土を撹拌しながら、改良材
を掘削軸体の近傍と外側撹拌翼体の近傍とから吐出し
て、同掘削軸体を中心とする円柱状の地盤改良部形成体
と、同円柱状の地盤改良部形成体の外周を囲繞する円筒
状の地盤改良部形成体とを形成することができる。
【0072】従って、円柱状の地盤改良部形成体よりも
円筒状の地盤改良部形成体に多量の改良材を含有させる
ことにより、同円筒状の地盤改良部形成体を円柱状の地
盤改良部形成体よりも地盤改良効果の高いものとなすこ
とができる。
【0073】その結果、例えば、改良材としてセメント
ミルク等の改良材を使用して、地盤改良部の一部を左右
方向に重複させて連続的に接合することにより、地盤改
良部の壁体を形成した場合には、円筒状の地盤改良部形
成体同士が重複して接合部を形成することになるため
に、同接合部において、壁体の肉厚が地盤改良部の中央
部よりも薄肉となっているにもかかわらず、同接合部の
地盤改良効果である固化による止水効果が高いことか
ら、同壁体により汚染土壌の周囲を囲繞して、同汚染土
壌から有害物質が壁体の外部に漏出するのを確実に防止
することができる。
【0074】(2)請求項2記載の本発明では、掘削軸
体の下部周面に、内側撹拌翼体と、同内側撹拌翼体の外
周を相対的に反対方向に回転する外側撹拌翼体とを取り
付けると共に、同掘削軸体の下端部に掘削刃体を取り付
け、掘削軸体の近傍と外側撹拌翼体の近傍とにそれぞれ
改良材吐出部を設け、掘削刃体により地盤を掘削すると
共に、各改良材吐出部より改良材を吐出させ、同改良材
を内・外側撹拌翼体により掘削土中に混合・攪拌して、
内側撹拌翼体の回転軌跡の内方に円柱状の地盤改良部形
成体を形成すると共に、同内側撹拌翼体の回転軌跡の外
方でかつ外側撹拌翼体の回転軌跡の内方に円筒状の地盤
改良部形成体を形成するようにしている。
【0075】このようにして、相互に反対方向に回転す
る内側撹拌翼体と外側撹拌翼体との相対撹拌により、、
掘削土に改良材を効率良く混合・攪拌して、円柱状の地
盤改良部形成体と、その周囲に形成される円筒状の地盤
改良部形成体とを確実に形成することができる。
【0076】従って、上記(1)の効果をより一層高め
ることができる。
【0077】(3)請求項3記載の本発明では、掘削軸
体の下端部に取り付けた掘削刃体により地盤を掘削する
と共に、同掘削軸体の下部周面に取り付け撹拌翼体によ
り掘削土を撹拌しながら、改良材を掘削軸体の近傍と撹
拌翼体の回転軌跡の外方位置とから吐出して、同掘削軸
体を中心とする円柱状の地盤改良部形成体と、同円柱状
の地盤改良部形成体の外周を囲繞する円筒状の地盤改良
部形成体とを形成するようにしている。
【0078】このようにして、円柱状の地盤改良部形成
体の外周を円筒状の地盤改良部形成体により囲繞するよ
うにしているため、円柱状の地盤改良部形成体よりも円
筒状の地盤改良部形成体の地盤改良効果を高くすること
により、全ての地盤を均一に改良する場合に比べて効率
良くしかも安価に地盤改良を行うことができる。
【0079】(4)請求項4記載の本発明では、掘削軸
体の下端部に取り付けた掘削刃体により地盤を掘削する
と共に、同掘削軸体の下部周面に取り付けて相対的に反
対方向に回転する内・外側撹拌翼体により掘削土を撹拌
しながら、改良材を掘削軸体の近傍と外側撹拌翼体の近
傍とから吐出して、同掘削軸体を中心とする円柱状の地
盤改良部形成体と、同円柱状の地盤改良部形成体の外周
を囲繞する円筒状の地盤改良部形成体とを形成するよう
にしている。
【0080】このようにして、相対的に反対方向に回転
する内・外側撹拌翼体により、円柱状の地盤改良部形成
体と、その外周を囲繞する円筒状の地盤改良部形成体と
を確実に形成することができる。
【0081】その結果、円柱状の地盤改良部形成体の一
部を形成する改良材と、円筒状の地盤改良部形成体の一
部を形成する改良材とに、量や質等の差異をもたせるこ
とにより、円筒状の地盤改良部形成体の地盤改良効果を
円柱状の地盤改良部形成体の地盤改良効果よりも明確に
高くすることができるため、全ての地盤を均一に改良す
る場合に比べて効率良くしかも安価に地盤改良を行うこ
とができる。
【0082】(5)請求項5記載の本発明では、改良材
の単位体積当たりの重量は、円柱状の地盤改良部形成体
よりも円筒状の地盤改良部形成体の方を大きくしてい
る。
【0083】このようにして、円柱状の地盤改良部形成
体よりもその外周部を囲繞する円筒状の地盤改良部形成
体の地盤改良効果を高くすることができて、効率良くし
かも安価に地盤改良を行うことができる。
【0084】(6)請求項6記載の本発明では、円柱状
の地盤改良部形成体を成形する改良材と円筒状の地盤改
良部形成体を成形する改良材とは、それぞれ種類が異な
るようにしている。
【0085】このようにして、円柱状の地盤改良部形成
体に使用する改良材よりもその外周を囲繞する円筒状の
地盤改良部形成体に使用する改良材の地盤改良効果、例
えば、止水効果を高くすることにより、安価にして効率
良く地盤改良を行って、有害物質の封じ込めを行うこと
ができる。
【0086】また、改良材として、有害物質を中和・消
滅・浄化させて無害化するものを使用することもでき
る。
【0087】特に、円筒状の地盤改良部形成体を有害物
質が浸透・通過する際に、中和・消滅・浄化されるよう
にして、同有害物質の漏出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる地盤改良装置の側面説明図。
【図2】同地盤改良装置の相対撹拌翼体の一部切欠正面
図。
【図3】同相対撹拌翼体の断面平面説明図。
【図4】筒状膜の説明図。
【図5】地盤改良説明図。
【図6】他の形態の地盤改良説明図。
【図7】第2実施例としての第3改良材吐出部を具備す
る相対撹拌翼体の一部切欠正面図。
【図8】同相対撹拌翼体の断面平面説明図。
【図9】変容例としての第3改良材吐出部を具備する相
対撹拌翼体の断面平面説明図。
【図10】もう一つの変容例としての第3改良材吐出部
を具備する相対撹拌翼体の断面平面説明図
【図11】第2実施例としての相対撹拌翼体の一部切欠
正面図。
【図12】同相対撹拌翼体の断面平面説明図。
【符号の説明】
A 地盤改良装置 1 ベースマシン 2 改良材供給部 3 ベースマシン本体 4 リーダ 5 モータ支持体 6 駆動用モータ 7 掘削軸体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掘削軸体の下部周面に撹拌翼体を取り付
    けると共に、同掘削軸体の下端部に掘削刃体を取り付
    け、掘削軸体の近傍と撹拌翼体の回転軌跡の外方位置と
    にそれぞれ改良材吐出部を設けたことを特徴とする地盤
    改良装置。
  2. 【請求項2】 掘削軸体の下部周面に、内側撹拌翼体
    と、同内側撹拌翼体の外周を相対的に反対方向に回転す
    る外側撹拌翼体とを取り付けると共に、同掘削軸体の下
    端部に掘削刃体を取り付け、掘削軸体の近傍と外側撹拌
    翼体の近傍とにそれぞれ改良材吐出部を設け、 掘削刃体により地盤を掘削すると共に、各改良材吐出部
    より改良材を吐出させ、同改良材を内・外側撹拌翼体に
    より掘削土中に混合・攪拌して、内側撹拌翼体の回転軌
    跡の内方に円柱状の地盤改良部形成体を形成すると共
    に、同内側撹拌翼体の回転軌跡の外方でかつ外側撹拌翼
    体の回転軌跡の内方に円筒状の地盤改良部形成体を形成
    するようにしたことを特徴とする地盤改良装置。
  3. 【請求項3】 掘削軸体の下端部に取り付けた掘削刃体
    により地盤を掘削すると共に、同掘削軸体の下部周面に
    取り付け撹拌翼体により掘削土を撹拌しながら、改良材
    を掘削軸体の近傍と撹拌翼体の回転軌跡の外方位置とか
    ら吐出して、同掘削軸体を中心とする円柱状の地盤改良
    部形成体と、同円柱状の地盤改良部形成体の外周を囲繞
    する円筒状の地盤改良部形成体とを形成することを特徴
    とする地盤改良工法。
  4. 【請求項4】 掘削軸体の下端部に取り付けた掘削刃体
    により地盤を掘削すると共に、同掘削軸体の下部周面に
    取り付けて相対的に反対方向に回転する内・外側撹拌翼
    体により掘削土を撹拌しながら、改良材を掘削軸体の近
    傍と外側撹拌翼体の近傍とから吐出して、同掘削軸体を
    中心とする円柱状の地盤改良部形成体と、同円柱状の地
    盤改良部形成体の外周を囲繞する円筒状の地盤改良部形
    成体とを形成することを特徴とする地盤改良工法。
  5. 【請求項5】 改良材の単位体積当たりの重量は、円柱
    状の地盤改良部形成体よりも円筒状の地盤改良部形成体
    の方を大きくしたことを特徴とする請求項3又は4記載
    の地盤改良工法。
  6. 【請求項6】 円柱状の地盤改良部形成体を成形する改
    良材と円筒状の地盤改良部形成体を成形する改良材と
    は、それぞれ種類が異なることを特徴とする請求項3又
    は4記載の地盤改良工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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