JP3148363U - 柱状杭造成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吐出された固化材スラリーが直ちに、原地盤中に平面的に帯状に分散でき、貫入と引き抜きの1工程で、均質且つ所定の強度を有する柱状杭を造成することができる柱状杭造成装置を提供する。【解決手段】中空攪拌軸1の先端側に両翼を有する掘削翼2を設け、掘削翼2の少なくとも一方の翼の下面に、中空攪拌軸1の側面から掘削翼2の先端に至る長さを有し、且つ後方に下り傾斜の傾斜板である邪魔板8を立設し、邪魔板8の裏側で且つ攪拌軸1に、地上の固化材スラリー供給手段に連通する固化材スラリー吐出口7を設け、邪魔板8の後端から掘削方向における該掘削翼の後端までの長さ(w2)と邪魔板の高さ(h)の比(w2/h)が、1.3〜5.0である柱状杭造成装置。【選択図】図4
Description
本考案は、構造物の基礎となる柱状杭を造成する際、固化材スラリーの原地盤土への分散性に優れる柱状杭造成装置に関するものである。
建築物、擁壁および工作物などを地盤上に構築する場合、これら構造物の基礎として、固化材スラリーを原地盤土に混合攪拌して固化した柱状杭を地盤中に多数造成することがある。なお、このような柱状杭は、例えば直径600mm、最大改良深度8m程度で且つコンクリートパイルに近い一軸圧縮強度を有するため、土木分野の地盤改良を目的とした深層混合処理工法により造成される固化杭とは異なるものである。従来、これらの柱状杭を地盤中に多数造成する装置としては、図9に示す柱状杭造成装置が知られている。
この柱状杭造成装置100は、中空攪拌軸101の先端側に両翼を有する掘削翼102を設け、掘削翼102の付け根106から軸中心で90度離れた攪拌軸の側面に、地上の固化材スラリー供給手段に連通する固化材スラリー吐出口103を設けたものである。なお、符号104は攪拌翼、105は共回り防止板である。この柱状杭造成装置100を用いて地盤に柱状杭を造成する場合、中空攪拌軸の先端を、施工する柱状杭の芯に合わせて攪拌軸を回転させて貫入しつつ、該固化材スラリー吐出口103から固化材スラリーを吐出し、攪拌翼104の回転により、原地盤土と攪拌混合させつつ柱状杭を造成するものである。
また、特開2006-283438には、中空攪拌軸の先端側に両翼を有する掘削翼を設け、該掘削翼の少なくとも一方の翼の直上又は直下に、該中空攪拌軸の側面から該掘削翼の先端に至る長さと所定高さを有するガイド板を立設し、該ガイド板の裏側で且つ該攪拌軸に、地上の固化材スラリー供給手段に連通する固化材スラリー吐出口を設けた柱状杭造成装置が開示されている。
しかしながら、柱状杭造成装置100を用いた柱状杭の造成方法においては、固化材スラリーが吐出される場所が、攪拌軸と原地盤土の間であり、固化材スラリーの吐出口103が掘削翼102の付け根から軸中心で90度離れた位置でもあるため、吐出された固化材スラリーは、平面的に帯状に分散せず、スポット的な吐出となる。このため、固化材スラリーは、固化材スラリー吐出口103より上段の攪拌翼104により、水平方向に拡散され、且つ原地盤土との混合攪拌が行われることになる。このように、従来の柱状杭造成方法においては、均質で所定の強度を得るために、貫入と引き抜きの1工程を、通常2工程は行っていた。このため、貫入と引き抜きの1工程で、均質且つ所定の強度を有する柱状杭造成方法および当該方法を実施する柱状杭造成装置の開発が望まれていた。
また、特開2006-283438の柱状杭造成装置は、柱状杭造成装置100の問題点を解決することができる。しかしながら、この柱状杭造成装置は、掘削翼の直下に、中空攪拌軸の側面から掘削翼の先端に至る長さと所定高さを有するガイド板を設けているものの、具体的な記載がなく、吐出された固化材スラリーを原地盤中に、安定して平面的に帯状に分散できなかった。
従って、本考案の目的は、特開2006-283438の柱状杭造成装置の改良技術であって、吐出された固化材スラリーが直ちに、原地盤中に平面的に帯状に分散でき、貫入と引き抜きの1工程で、均質且つ所定の強度を有する柱状杭を造成することができる柱状杭造成装置を提供することにある。
かかる実情において、本考案者は鋭意検討を行った結果、掘削翼の少なくとも一方の翼の下面に、中空攪拌軸の側面から該掘削翼の先端に至る長さを有し、且つ鉛直板又は後方に下り傾斜の傾斜板である邪魔板を立設し、該邪魔板の裏側で且つ該攪拌軸に、地上の固化材スラリー供給手段に連通する固化材スラリー吐出口を設け、該邪魔板の後端から掘削方向における該掘削翼の後端までの長さ(w2)と該邪魔板の高さ(h)の比(w2/h)を特定の範囲とすれば、吐出された固化材スラリーが直ちに、原地盤中に平面的に帯状に分散でき、貫入と引き抜きの1工程で、均質且つ所定の強度を有する柱状杭を造成することができることを見出し、本考案を完成するに至った。
すなわち、本考案は、中空攪拌軸の先端側に両翼を有する掘削翼を設け、該掘削翼の少なくとも一方の翼の下面に、該中空攪拌軸の側面から該掘削翼の先端に至る長さを有し、且つ鉛直板又は後方に下り傾斜の傾斜板である邪魔板を立設し、該邪魔板の裏側で且つ該攪拌軸に、地上の固化材スラリー供給手段に連通する固化材スラリー吐出口を設け、該邪魔板の後端から掘削方向における該掘削翼の後端までの長さ(w2)と該邪魔板の高さ(h)の比(w2/h)が、1.3〜5.0である柱状杭造成装置を提供するものである。
本考案によれば、吐出された固化材スラリーが直ちに、原地盤中に平面的に帯状に分散でき、貫入と引き抜きの1工程で、均質且つ所定の強度を有する柱状杭を造成することができる。このため、当該工法を実施する時間が、従来の工法に比べて、概ね半分にすることができ、工期の短縮が図れる。
次に、本考案の実施の形態における柱状杭造成装置を図1〜図6を参照して説明する。図1は本実施の形態における柱状杭造成装置の一部の正面図、図2は図1の掘削翼近傍を下から斜め上に見た概略斜視図、図3は図2の固化材吐出口側から見た概略斜視図、図4は掘削翼が、原地盤を掘削する様子を示す模式的な断面図であり、掘削翼を垂直方向に切った断面図、図5は掘削翼の下面における固化材スラリーの拡散状態を示す模式図、図6は固化材スラリーが吐出し平面状に拡散する様子を示す模式的な底面図をそれぞれ示す。なお、図2及び図3中、掘削ビット及び共回り防止板等の記載は省略した。本明細書中、裏面とは回転方向の反対側を言う。
柱状杭造成装置10は、中空攪拌軸1の先端側に両翼2a、2bを有する掘削翼2を設け、掘削翼2の一方の翼2aの下面に、中空攪拌軸1の側面から掘削翼2の先端に至る長さを有し、且つ後方に下り傾斜の傾斜板である邪魔板8を立設し、邪魔板8の裏側で且つ攪拌軸1に、地上の固化材スラリー供給手段(不図示)に連通する固化材スラリー吐出口7を設けたものである。掘削翼2は回転方向に下り傾斜状として、掘削効率を高めている。
また、攪拌軸1には、掘削翼2の上方側に、上方に向けて順に、共回り防止板5、両翼を有する攪拌翼4、共回り防止板5および両翼を有する攪拌翼4を付設している。攪拌翼4の進行方向に対する取付角度αとしては、20〜90度で適宜決定されるが、本例では20度である。共回り防止板5は、攪拌軸と同期で回転するものではなく、原地盤土と固化材の混合により形成されるだまが、上下の攪拌翼4、4間で共回り、混合攪拌を妨げることを防止するものであり、上下の攪拌翼4、4のそれぞれの攪拌を縁切りするものである。
柱状杭造成装置10において、邪魔板8は、長尺状の板状物であり、長手方向の一端は攪拌軸1に接合され、短手方向(上下方向)の上端が一方の掘削翼2aの下面に接合されたものである。邪魔板8の長手方向の長さは、一方の掘削翼2aの翼の長さと同じとすることが、掘削翼2a長さに相当する空洞部又は動圧の弱い部分35(以下、単に「空洞部」と言う。)を形成でき、径方向の全体に亘り均質な強度の柱状杭を造成することができる点で好ましい。また、邪魔板8の短手方向の高さh、すなわち掘削翼2aの下面の鉛直方向の長さとしては、固化材スラリーの吐出量により適宜決定されるが、固化材スラリー吐出口7の径より大きいものであり、具体的には、30〜80mm程度である。邪魔板8の短手方向の高さhが低すぎると、設計量の固化材スラリーを空洞部9に入れ込むことができず、また、高さhが高すぎると掘削抵抗が高くなり好ましくない。
邪魔板8の設置形態としては、攪拌軸1の回転により、邪魔板8の裏側に空洞部35が形成されるような形態であれば、特に制限されず、図4に示すようなやや後方に下り傾斜の傾斜板の他、鉛直板であってもよい。また、邪魔板8は傾斜板又は鉛直板と、該傾斜板又は鉛直板の下端から後方へ延びる底板とからなるL字断面状であってもよい。L字断面状の邪魔板8によれば、邪魔板8の裏側により確実に空洞部35を形成することができる。また、L字断面状の邪魔板8においても同様に、傾斜板は鉛直板であってもよく、またL字断面を維持したまま、全体が鉛直姿勢であっても傾斜姿勢であってもよい。また、邪魔板8は長手方向において、掘削翼2に平行に沿って延びるものであっても、若干前方に傾斜するように延びるものであってもよい。
また、邪魔板8、8aは、掘削翼の両翼に形成されていてもよい(不図示)。すなわち、例えば、図2及び図3において、一方の翼2aとは反対方向に延びる他方の翼2bの下面に更に、第2邪魔板を設け、該第2邪魔板の裏側で且つ該攪拌軸に、固化材スラリー吐出口7とは反対方向に向く第2固化材スラリー吐出口を設けてもよい。このように、固化材スラリー吐出口を攪拌軸の両側にそれぞれ設けることにより、例えば一方の固化材スラリー吐出口7が詰まっても、他方の固化材スラリー吐出口で施工を続行できる点で好ましい。
柱状杭造成装置10において、邪魔板8の後端から掘削翼面に沿った掘削方向における掘削翼2aの後端までの長さ(w2)と邪魔板8の高さ(h)の比(w2/h)が、1.3〜5.0、好適には1.5〜3.0である。これにより、掘削翼2a下面に固化材スラリーを吐出と同時に平面的に帯状に分散させる部分36を形成することができ、帯状に分散された固化材スラリーがそのまま原地盤中に平面的に帯状に分散でき、貫入と引き抜きの1工程で、均質且つ所定の強度を有する柱状杭を造成することができる。(w2/h)が小さ過ぎると、固化材スラリーを吐出と同時に平面的に帯状に分散させる部分36を形成できなくなり、大き過ぎると、掘削翼の幅が大きくなりすぎて掘削効率が低下する。なお、(w2/h)値は邪魔板8が鉛直板の場合であっても概ね同じである。
この固化材スラリーの帯状化現象を図4及び図5を参酌して更に説明する。図4中、掘削翼8で、原地盤33を掘削すると、掘削された原地盤土は、掘削翼2の上下に分かれて掘削翼2aの後方へ流れていく。このときの掘削土の流れを、符号34及び符号37で表す。掘削翼2の下側の掘削土34は、邪魔板8があるため、一旦下方に向かって流れ、そして、邪魔板8を越えたところで、地盤の土圧により上方へと流れを変え、掘削翼2aの下面にぶつかり、その後、掘削翼2に沿って後方に流れる。このとき、掘削土34の流れ及び地盤の土圧により、掘削翼2の後ろ側裏面36には、掘削土34が、掘削翼2の後ろ側裏面36を下から押し付ける力が発生する。固化材スラリーは、このような掘削土34の流れにより邪魔板7の後方に形成される空洞部35から、掘削翼2の下面に供給される。この空洞部35に供給された固化材スラリーは、掘削翼31の後ろ側36へと押し出されていくが、掘削翼31の後ろ側36で、掘削土34との間に挟み込まれる。そして、掘削翼2の後ろ側36では、押し付け力が発するので、固化材スラリーは、掘削翼2の下面で、掘削土34により押し潰され、押し潰されることにより、掘削翼2の後ろ側36で広く帯状に展開される。
掘削土34及掘削翼2の後ろ側36で広く展開された固化材スラリーは、掘削翼2
の後方38で、掘削翼2の上側に分かれた掘削土37と一緒になり、広く帯状に分散された固化材スラリーが、掘削土にサンドイッチ状に挟まれる。このとき、図5に示すように、空洞部35に供給された固化材スラリーは、掘削翼2の後ろ側36で広く展開されるため、原地盤中に固化材スラリーを平面的に帯状に分散できる。このため、貫入と引抜の1工程で、均質且つ所定の強度を有する柱状杭を造成できる。なお、図5では、掘削翼2下面の空洞部35が形成される部分を、左上から右下への斜線で示し、また、固化材スラリーが掘削土34により押し潰される部分である、掘削翼2の後ろ側裏面36を、右上から左下への斜線で示す。
の後方38で、掘削翼2の上側に分かれた掘削土37と一緒になり、広く帯状に分散された固化材スラリーが、掘削土にサンドイッチ状に挟まれる。このとき、図5に示すように、空洞部35に供給された固化材スラリーは、掘削翼2の後ろ側36で広く展開されるため、原地盤中に固化材スラリーを平面的に帯状に分散できる。このため、貫入と引抜の1工程で、均質且つ所定の強度を有する柱状杭を造成できる。なお、図5では、掘削翼2下面の空洞部35が形成される部分を、左上から右下への斜線で示し、また、固化材スラリーが掘削土34により押し潰される部分である、掘削翼2の後ろ側裏面36を、右上から左下への斜線で示す。
固化材スラリー吐出口7は、邪魔板8の裏側で且つ攪拌軸1に付設され、地上の公知の固化材スラリー供給手段に連通する。固化材スラリー吐出口7における吐出口の向きは、掘削翼2の下面に向けることが、固化材スラリーが掘削翼2の下面に吹き付けられ、邪魔板7の後方に形成される空洞部35に固化材スラリーを安定して供給できる点で好ましい。
固化材スラリー吐出口7には、図7に示すように、逆止弁3を設けることが、原地盤土が攪拌軸内に逆流することがない点で好ましい。逆止弁3は、ゴム材であり、弁本体部31と接合部32からなる。接合部32は一端が攪拌軸に接着剤などにより固定され、他端が弁本体部31に接続する可とう性部材であり、ゴム材の厚さを適宜調整することで、固化材スラリーが吐出状態ではない時は吐出口を閉じ、固化材スラリーが吐出される場合、固化材スラリーの吐出圧により吐出口が開く。また、この逆止弁3は、固化材スラリー吐出口7の下方の攪拌軸部分11に、逆止弁3の接合部32が取り付けられ、この取り付け部を回動の中心として、逆止弁3の上方側が、固化材スラリーが掘削翼2の裏面に吹き付けられるように開くものである。これにより、固化材スラリーは掘削翼2の下面に吹き付けられる。
逆止弁3は、上記形態に限定されず、例えば図8に示すように、バネ付き蝶番33により弁本体31が取り付けられた逆止弁3aであってもよい。適宜なバネ力の蝶番を使用すれば、固化材スラリーが吐出状態ではない時は吐出口を閉じており、固化材スラリーが吐出されれば、吐出口が開くものの、吐出圧に抗して逆止弁3aの開度が例えば45度程度の適度の開度になり、固化材スラリーが斜め上方に誘導され掘削翼2の裏面に確実に吹き付けられる。
固化材スラリー吐出口7と固化材スラリー供給手段との連通方法としては、特に制限されず、攪拌軸1の側面に形成された穴と攪拌軸の中空部が連通し、該中空部を固化材スラリーが流れる方法、あるいは、固化材スラリー供給配管9を攪拌軸の中空部に配設し、固化材スラリー供給配管9の一端を攪拌軸1の穴に嵌め込み、他端を固化材スラリー供給手段に接続する方法などが挙げられる。
固化材スラリーとしては、特に制限されず、公知のセメントスラリーが使用できる。また、固化材スラリー供給手段としては、例えば固化材スラリー貯槽と送液ポンプを備えるものであり、本考案の柱状杭造成装置10においては、固化材スラリーを従来の方法に比べて、低圧で供給することができる。
次に、柱状杭造成装置10を用いて柱状杭を造成する方法について説明する。柱状杭造成装置10の中空攪拌軸1の先端を、施工する柱状杭の芯に合わせて攪拌軸1を回転させ、貫入の際、固化材スラリー吐出口7から固化材スラリーを掘削翼2の裏面に向けて吐出しながら攪拌翼4を回転し、原地盤土と攪拌混合しながら柱状杭を造成する。
この柱状杭造成装置10を用いた杭造成方法によれば、図6に示すように、攪拌軸1の回転(矢印X方向)により、邪魔板8の裏側が空洞になるかあるいは動圧が弱い地盤となること、また、地盤の土圧が下方から上方に向けてかかるため、吐出された固化材スラリーは吐出と同時に掘削翼2の後ろ側裏面36に平面的に帯状に分散し、攪拌軸1の回転移動に伴い水平方向に広く均一に分散できる。図6中、符号Yで示した幅で径方向に広がる部分が帯状の分散状態を示し、上方の半円部分の黒く塗りつぶした部分が水平方向に広く均一に分散した状態を示す。その後、均一に広く分散した固化材スラリーは攪拌翼4により、更に原地盤土と攪拌混合される。そして、攪拌軸の引き抜きにより、原地盤土と固化材スラリーは更に混合されるため、貫入と引き抜きの1工程で高品質の柱状杭を造成することができる。
この柱状杭造成装置10を用いた杭造成方法で得られた柱状杭の杭配置形態としては、特に制限されず、接円配置形態およびラップ配置形態等が挙げられる。また、柱状杭の一軸圧縮強度としては、通常1〜5MN/m2であり、土木分野の地盤改良で実施される深層混合処理工法で得られる0.1〜0.5MN/m2の固化処理杭とは大きく異なる。また、柱状杭の用途としては、建築物、擁壁および工作物などの基礎が挙げられる。
次に、実施例を挙げて本考案を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本考案を制限するものではない。
図1〜図3に示す装置形態であり、下記仕様の柱状杭造成装置を使用し、下記施工条件により貫入および引き抜きの1工程を行った。得られた柱状杭の一軸圧縮強度を測定した。測定は任意の数箇所について行った。その結果、いずれの箇所も2.6MN/m2であり、均質で高い強度の柱状杭が得られた。
(柱状杭造成装置および施工条件)
・攪拌軸数および回転数;単軸、30回/分前後
・攪拌方法;水平攪拌翼による1方向攪拌
・共回り防止機構;掘削翼と下方の攪拌翼の間と攪拌翼間に設置する2段機構
・攪拌翼の枚数;両翼攪拌翼を上下2段、両翼掘削翼1つ
・羽根切り回数;720回前後
・施工改良径および改良深度;径600mm、深度5000mm
・邪魔板;長さは一方の掘削翼の翼長さと同じ、高さは50mm
・邪魔板の後端から掘削方向における掘削翼の後端までの長さ(w2)と邪魔板の高さ(h)の比(w2/h);2.0
・貫入および引き抜き速度;0.5m/分
・固化材;固化材投入量は原地盤土1m3当たり350kg、水/セメントは60%
・1回転当りの固化材吐出量;1.5リットル程度
・攪拌軸数および回転数;単軸、30回/分前後
・攪拌方法;水平攪拌翼による1方向攪拌
・共回り防止機構;掘削翼と下方の攪拌翼の間と攪拌翼間に設置する2段機構
・攪拌翼の枚数;両翼攪拌翼を上下2段、両翼掘削翼1つ
・羽根切り回数;720回前後
・施工改良径および改良深度;径600mm、深度5000mm
・邪魔板;長さは一方の掘削翼の翼長さと同じ、高さは50mm
・邪魔板の後端から掘削方向における掘削翼の後端までの長さ(w2)と邪魔板の高さ(h)の比(w2/h);2.0
・貫入および引き抜き速度;0.5m/分
・固化材;固化材投入量は原地盤土1m3当たり350kg、水/セメントは60%
・1回転当りの固化材吐出量;1.5リットル程度
比較例1
(w2/h)値2.0に代えて、(w2/h)値1.1とした以外は、実施例1と同様の条件である柱状杭造成装置を用いた施工では、一軸圧縮強度2.6MN/m2の柱状杭を得るためには2工程を実施する必要があった。このように、本考案の柱状杭造成装置を用いれば、高品質の柱状杭を従来の半分の工期で施工することができる。
(w2/h)値2.0に代えて、(w2/h)値1.1とした以外は、実施例1と同様の条件である柱状杭造成装置を用いた施工では、一軸圧縮強度2.6MN/m2の柱状杭を得るためには2工程を実施する必要があった。このように、本考案の柱状杭造成装置を用いれば、高品質の柱状杭を従来の半分の工期で施工することができる。
1 中空攪拌軸
2、102 両翼を有する掘削翼
2a 一方の翼
2b 他方の翼
3 逆止弁
4、104 攪拌翼
5、105 共回り防止板
7、103 固化材スラリー吐出口
8、8a 邪魔板
9 固化材スラリー供給配管
10、10a、100 柱状杭造成装置
21 掘削ビット
33 原地盤
34 掘削翼の下側に分かれた掘削土
35 空洞部
36 掘削翼の後ろ側裏面
37 掘削翼の上側に分かれた掘削土
2、102 両翼を有する掘削翼
2a 一方の翼
2b 他方の翼
3 逆止弁
4、104 攪拌翼
5、105 共回り防止板
7、103 固化材スラリー吐出口
8、8a 邪魔板
9 固化材スラリー供給配管
10、10a、100 柱状杭造成装置
21 掘削ビット
33 原地盤
34 掘削翼の下側に分かれた掘削土
35 空洞部
36 掘削翼の後ろ側裏面
37 掘削翼の上側に分かれた掘削土
Claims (11)
- 中空攪拌軸の先端側に両翼を有する掘削翼を設け、
該掘削翼の少なくとも一方の翼の下面に、該中空攪拌軸の側面から該掘削翼の先端に至る長さを有し、且つ鉛直板又は後方に下り傾斜の傾斜板である邪魔板を立設し、
該邪魔板の裏側で且つ該攪拌軸に、地上の固化材スラリー供給手段に連通する固化材スラリー吐出口を設け、
該邪魔板の後端から掘削方向における該掘削翼の後端までの長さ(w2)と該邪魔板の高さ(h)の比(w2/h)が、1.3〜5.0であることを特徴とする柱状杭造成装置。 - 該掘削翼の一方の翼とは反対方向に延びる他方の翼の下面に更に、該中空攪拌軸の側面から該掘削翼の先端に至る長さを有し、且つ鉛直板又は後方に下り傾斜の傾斜板である第2邪魔板を設け、該第2邪魔板の裏側で且つ該攪拌軸に、該固化材スラリー吐出口とは反対方向に向く第2固化材スラリー吐出口を設けたことを特徴とする請求項1記載の柱状杭造成装置。
- 該固化材スラリー吐出口における吐出口の向きが、該掘削翼の下面に向けられていることを特徴とする請求項1記載の柱状杭造成装置。
- 該第2固化材スラリー吐出口における吐出口の向きが、該掘削翼の下面に向けられていることを特徴とする請求項2記載の柱状杭造成装置。
- 該固化材スラリー吐出口に、逆止弁を設けたことを特徴とする請求項1記載の柱状杭造成装置。
- 該第2固化材スラリー吐出口に、逆止弁を設けたことを特徴とする請求項2記載の柱状杭造成装置。
- 該逆止弁は、固化材スラリーが吐出状態ではない時は該吐出口を閉じた状態にあり、固化材スラリーが吐出される場合、固化材スラリーの吐出圧により該吐出口を開くものであることを特徴とする請求項5又は6記載の柱状杭造成装置。
- 該逆止弁は、該固化材スラリー吐出口の下方の該攪拌軸に、該逆止弁の下部が取り付けられ、該取り付け部を回動の中心として、該逆止弁の上方側が開閉するものであることを特徴とする請求項5又は6記載の柱状杭造成装置。
- 該逆止弁は、固化材スラリーが該掘削翼の下面に吹き付けられるように開くものであることを特徴とする請求項5又は6記載の柱状杭造成装置。
- 該逆止弁は、該固化材スラリー吐出口の下方の該攪拌軸に、バネ付き蝶番により取り付けられることを特徴とする請求項8に記載の柱状杭造成装置。
- 該逆止弁は、ゴム材であることを特徴とする請求項5又は6記載の柱状杭造成装置。
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Cited By (8)
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- 2008-11-27 JP JP2008008304U patent/JP3148363U/ja not_active Expired - Lifetime
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