JP6890376B2 - 繊維強化プラスチック成形品およびゴルフクラブシャフト - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフクラブシャフトなどに用い得る繊維強化プラスチック成形品に関する。
従来、ゴルフクラブシャフト、ラケットフレーム、釣竿ロッドなどのスポーツ用品に、繊維強化プラスチック成形品が用いられている。このような繊維強化プラスチック成形品には、軽量であること、高強度を有することなどの性能が求められる。
このような繊維強化プラスチック成形品として、例えば、特許文献1には、マトリクス樹脂がエポキシ樹脂からなる繊維強化プラスチック成形品であって、上下に重なるエポキシ樹脂含侵強化繊維層間の少なくとも一部にアイオノマーフィルムを介在させている繊維強化プラスチック成形品が記載されている(特許文献1(請求項1)参照)。
特許第3204627号公報
特許文献1に記載の繊維強化プラスチック成形品のようにアイオノマーフィルムを介在させた場合、アイオノマー樹脂の弾性率が低いため、繊維強化プラスチック成形品の強度が低下する傾向がある。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、強度に優れた繊維強化プラスチック成形品を提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本発明の繊維強化プラスチック成形品は、複数の樹脂含侵繊維層の積層体からなる繊維強化プラスチック成形品であって、前記樹脂含侵繊維層の層間の少なくとも一部に、エポキシ樹脂組成物から形成された樹脂層が配置されていることを特徴とする。樹脂含侵繊維層の層間にエポキシ樹脂層を配置することにより、繊維強化プラスチック成形品の弾性率を低下させることなく、樹脂含侵繊維層の層間剥離を抑制することができ、繊維強化プラスチック成形品の強度を向上できる。
前記樹脂含侵繊維層が含有する繊維は、炭素繊維が好ましい。前記樹脂含侵繊維層のマトリックス樹脂は、エポキシ樹脂が好ましい。前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の3点曲げ試験における曲げ破壊ひずみは0.05以上が好ましい。前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の破壊じん性値は1.0MPa・m1/2以上が好ましい。前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ弾性率は、3.0GPa以上が好ましい。
前記複数の繊維強化プラスチック成形品は、前記樹脂含侵繊維層が、一定方向に引き揃えられた長繊維に樹脂を含侵したものであり、前記樹脂層の一方面側に接する樹脂含侵繊維層中の繊維の配向方向と、前記樹脂層の他方面側に接する樹脂含侵繊維層中の繊維の配向方向とのなす角度が45°〜90°であることが好ましい。また、前記複数の繊維強化プラスチック成形品は、前記樹脂含侵繊維層が、一定方向に引き揃えられた長繊維に樹脂を含侵したものであり、前記積層体は、隣り合う2層の樹脂含侵繊維層の繊維の配向方向のなす角度が45°〜90°となる繊維交差層間を複数有しており、前記積層体の厚さ方向の中央部から最も近くに位置する前記繊維交差層間に、前記樹脂層が配置されていることが好ましい。
本発明によれば、強度に優れた繊維強化プラスチック成形品が得られる。
曲げ試験の態様を説明する説明図である。 繊維強化エポキシ樹脂材料製の管状体を構成する繊維強化プリプレグの積層態様を示す図である。 プリプレグの貼合わせ態様を説明する説明図である。 繊維強化エポキシ樹脂材料製の管状体を構成する繊維強化プリプレグの積層態様を示す図である。 プリプレグの貼合わせ態様を説明する説明図である。
本発明の繊維強化プラスチック成形品は、複数の樹脂含侵繊維層の積層体からなり、前記樹脂含侵繊維層の層間の少なくとも一部に、エポキシ樹脂組成物から形成された樹脂層が配置されている。樹脂含侵繊維層の層間にエポキシ樹脂層を配置することにより、繊維強化プラスチック成形品の弾性率を低下させることなく、樹脂含侵繊維層の層間剥離を抑制することができ、繊維強化プラスチック成形品の強度を向上できる。
(樹脂層)
前記樹脂層はエポキシ樹脂組成物を硬化することで形成される。前記エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂成分を含有する。前記エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂成分の含有率は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上である。
前記エポキシ樹脂成分としては、分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物が挙げられる。前記エポキシ樹脂成分としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、(トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂が挙げられる。
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の水素添加物、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の水素添加物、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂などが挙げられる。前記ノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。前記グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、テトラグリシジルメタキシリレンジアミン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサンなどが挙げられる。前記フェノキシ型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールA型とビスフェノールF型との共重合フェノキシ樹脂、ビフェニル型フェノキシ樹脂、ビスフェノールS型フェノキシ樹脂、ビフェニル型フェノキシ樹脂とビスフェノールS型フェノキシ樹脂との共重合フェノキシ樹脂等が挙げられる。前記エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂成分として、ビスフェノール型エポキシ樹脂およびノボラック型エポキシ樹脂を含有することが好ましい。
前記エポキシ樹脂組成物が、エポキシ樹脂成分として、ビスフェノール型エポキシ樹脂を含有する場合、エポキシ樹脂成分中のビスフェノール型エポキシ樹脂の含有率は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。
前記エポキシ樹脂組成物は、前記ビスフェノール型エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂とを含有することが好ましい。ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂とを併用することにより、得られる繊維強化プラスチック成形品の曲げ強度が向上する。前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の含有比率は、質量比で、20:80〜80:20が好ましく、30:70〜70:30がより好ましく、40:60〜60:40がさらに好ましい。
前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂は、一方に常温(25℃)で液体状のものを使用し、他方に常温で固体状のものを使用することが好ましい。このような態様としては、例えば、常温で液体状のビスフェノールA型エポキシ樹脂と常温で固体状のビスフェノールF型エポキシ樹脂とを用いる態様;常温で固体状のビスフェノールA型エポキシ樹脂と常温で液体状のビスフェノールF型エポキシ樹脂とを用いる態様;常温で液体状のビスフェノールA型エポキシ樹脂と常温で固体状のビスフェノールA型エポキシ樹脂と常温で液体状のビスフェノールF型エポキシ樹脂とを用いる態様;常温で液体状のビスフェノールA型エポキシ樹脂と常温で液体状のビスフェノールF型エポキシ樹脂と常温で固体状のビスフェノールF型エポキシ樹脂とを用いる態様;が挙げられる。これらの中でも、常温で固体状のビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いる態様が好ましい。
前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ当量(g/eq)は、170以上が好ましく、より好ましくは175以上、さらに好ましくは180以上であり、300以下が好ましく、より好ましくは290以下、さらに好ましくは280以下である。
前記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のエポキシ当量(g/eq)は、300以上が好ましく、より好ましくは350以上、さらに好ましくは400以上であり、20000以下が好ましく、より好ましくは18000以下、さらに好ましくは16000以下である。
前記エポキシ樹脂組成物が、エポキシ樹脂成分として、ノボラック型エポキシ樹脂を含有する場合、エポキシ樹脂成分中のノボラック型エポキシ樹脂の含有率は、5質量%以上が好ましく、より好ましくは7質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、30質量%以下が好ましく、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。ノボラック型エポキシ樹脂の含有率が5質量%以上であれば、架橋密度が高められ樹脂組成物の硬化物の強度が一層向上し、30質量%以下であれば、樹脂組成物の硬化物の伸びが維持され、繊維強化プラスチック成形体の強度が一層向上する。
前記ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量(g/eq)は、50以上が好ましく、75以上がより好ましく、100以上がさらに好ましく、500以下が好ましく、400以下がより好ましく、300以下がさらに好ましい。ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量が前記範囲内であれば、有効に架橋構造を形成することができる。
前記エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂成分全体のエポキシ当量(g/eq)は、200以上が好ましく、250以上がより好ましく、400以下が好ましく、350以下がより好ましい。エポキシ樹脂成分全体のエポキシ当量が、上記範囲外であると、樹脂フィルムの作製が困難になる場合がある。
前記エポキシ樹脂組成物は、硬化剤を含有することが好ましい。前記硬化剤としては、ジシアンジアミド;4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミンのような活性水素を有する芳香族アミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ポリエチレンイミンのダイマー酸エステルのような活性水素を有する脂肪族アミン;これらの活性水素を有するアミンにエポキシ化合物、アクリロニトリル、フェノールとホルムアルデヒド、チオ尿素などの化合物を反応させて得られる変性アミン;ジメチルアニリン、トリエチレンジアミン、ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールのような活性水素を持たない第三アミン;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類;ポリアミド樹脂;ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物のようなカルボン酸無水物;アジピン酸ヒドラジドやナフタレンジカルボン酸ヒドラジドのようなポリカルボン酸ヒドラジド;ノボラック樹脂などのポリフェノール化合物;チオグリコール酸とポリオールのエステルのようなポリメルカプタン;および、三フッ化ホウ素エチルアミン錯体のようなルイス酸錯体などを用いることができる。これらの中でも、硬化剤としてジシアンジアミドを使用することが好ましい。
前記ジシアンジアミドの添加量は、エポキシ樹脂成分のエポキシ基1モルに対して、13g以上が好ましく、15g以上がより好ましく、17g以上がさらに好ましく、40g以下が好ましく、38g以下が好ましく、35g以下がさらに好ましい。ジシアンジアミドの添加量が13g以上であれば、硬化反応がより進行し、硬化物の強度が一層向上し、40g以下であれば、樹脂組成物の硬化物の伸びが維持され、繊維強化プラスチック成形品の強度が一層向上する。
前記硬化剤には、硬化活性を高めるために適当な硬化促進剤を組合せることができる。硬化促進剤としては、尿素に結合する水素の少なくとも1つが、炭化水素基で置換された尿素誘導体が好ましい。前記炭化水素基は、例えば、さらに、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基などで置換されていてもよい。前記尿素誘導体としては、例えば、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(パラクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、3−(オルソメチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素、3−(パラメチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素、3−(メトキシフェニル)−1,1−ジメチル尿素、3−(ニトロフェニル)−1,1−ジメチル尿素等のモノ尿素化合物の誘導体;および、N,N−フェニレン−ビス(N’,N’−ジメチルウレア)、N,N−(4−メチル−1,3−フェニレン)−ビス(N’,N’−ジメチルウレア)などのビス尿素化合物の誘導体を挙げることができる。好ましい組合せの例としては、ジシアンジアミドに、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(DCMU)、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素、2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエンのような尿素誘導体を硬化助剤として組合せる例が挙げられる。これらのなかでも、ジシアンジアミドに、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(DCMU)を硬化促進剤として組み合わせることがより好ましい。
本発明では特に、硬化剤としてジシアンジアミド(DICY)を、硬化助剤として尿素誘導体を使用することが好ましい。この場合、ジシアンジアミド(DICY)と尿素誘導体の含比率は、質量比(DICY/尿素誘導体)で、1.0以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.5以上がより好ましく、3.0以下が好ましく、2.8以下がより好ましく、2.5以下がさらに好ましい。また、前記質量比(DICY/尿素誘導体)は、2が最も好ましい。DICY/尿素誘導体の質量比が前記範囲内であれば、硬化速度が速く、硬化物が、良好な物性を有する。
前記エポキシ樹脂組成物は、さらに、オリゴマー、高分子化合物、有機または無機の粒子などの他成分を含んでもよい。
前記エポキシ樹脂組成物に配合できるオリゴマーとしては、ポリエステル骨格およびポリウレタン骨格を有するポリエステルポリウレタン、ポリエステル骨格およびポリウレタン骨格を有し、さらに分子鎖末端に(メタ)アクリレート基を有するウレタン(メタ)アクリレート、インデン系オリゴマーなどが挙げられる。
前記エポキシ樹脂組成物に配合できる高分子化合物としては、熱可塑性樹脂が好適に用いられる。熱可塑性樹脂を配合することにより、樹脂の粘度制御やプリプレグシートの取扱い性制御、あるいは接着性改善の効果が増進するので好ましい。
前記熱可塑性樹脂の例としては、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール、アミド結合を有する熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、スルホニル基を有する熱可塑性樹脂としては、ポリスルホンなどが挙げられる。ポリアミド、ポリイミド及びポリスルホンは主鎖にエーテル結合、カルボニル基などの官能基を有してもよい。ポリアミドは、アミド基の窒素原子上に置換基を有してもよい。本発明で使用するエポキシ樹脂組成物は、熱可塑性樹脂として、ポリビニルホルマールを含有することが好ましい。ポリビニルホルマールを含有すれば、硬化物の靱性、伸度がより向上する。
前記熱可塑性樹脂の含有量としては、エポキシ樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上がさらに好ましく、12質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましい。熱可塑性樹脂の含有量が1質量部以上であれば、エポキシ樹脂組成物の伸びがよくなり、タックを付与できる。一方、熱可塑性樹脂の含有量が12質量部超になると、エポキシ樹脂組成物が常温で固化してしまうおそれがある。
前記エポキシ樹脂組成物に配合し得る有機粒子としては、ゴム粒子及び熱可塑性樹脂粒子が用いられる。これらの粒子は樹脂の靭性向上、繊維強化複合材料の耐衝撃性向上の効果を有する。さらに、ゴム粒子としては、架橋ゴム粒子、及び架橋ゴム粒子の表面に異種ポリマーをグラフト重合したコアシェルゴム粒子が好ましく用いられる。また、熱可塑性樹脂粒子としては、ポリアミドあるいはポリイミドの粒子が好ましく用いられる。
前記エポキシ樹脂組成物に配合し得る無機粒子としては、シリカ、アルミナ、スメクタイト、合成マイカ等を配合することができる。これらの無機粒子は、主としてレオロジー制御、即ち増粘や揺変性付与のために、エポキシ樹脂組成物に配合される。
前記エポキシ樹脂組成物は、硬化物の曲げ弾性率が、3.0GPa以上が好ましく、より好ましくは3.5GPa以上、さらに好ましくは3.8GPa以上であり、5.0GPa以下が好ましく、より好ましくは4.8GPa以下、さらに好ましくは4.5GPa以下である。曲げ弾性率が3.0GPa以上であれば管状体を成形した際に剛性が向上し、5.0GPa以下であれば管状体を成形した際に良好な曲げたわみが得られる。
前記エポキシ樹脂組成物は、硬化物の破壊じん性値が、1.0MPa・m1/2以上が好ましく、より好ましくは1.2MPa・m1/2以上、さらに好ましくは1.4MPa・m1/2以上である。破壊じん性値が1.4MPa・m1/2以上であれば樹脂の破壊が起こりにくくなる。破壊じん性値の上限は特に限定されないが通常4.0MPa・m1/2である。
前記エポキシ樹脂組成物は、硬化物の3点曲げ試験における破断時たわみが、5mm以上が好ましく、より好ましくは7mm以上、さらに好ましくは10mm以上である。破断時たわみが5mm以上であれば、樹脂層による樹脂含侵繊維層間の緩衝作用が大きくなり、曲げ破壊の発生を抑制できる。破断時たわみの上限は特に限定されないが通常30mm程度である。なお、破壊時たわみは、試験片厚さ4mm、支点間距離48mmで測定した場合における値である。
前記エポキシ樹脂組成物は、硬化物の3点曲げ試験における曲げ破壊ひずみが、0.05以上が好ましく、より好ましくは0.07以上、さらに好ましくは0.10以上である。曲げ破壊ひずみの上限は特に限定されないが通常0.20程度である。曲げ破壊ひずみが0.05以上であれば、樹脂層による樹脂含侵繊維層間の緩衝作用が大きくなり、曲げ破壊の発生を抑制できる。
前記エポキシ樹脂組成物の複素粘度(80℃)は、1Pa・s以上が好ましく、より好ましくは5Pa・s以上、さらに好ましくは10Pa・s以上であり、60Pa・s以下が好ましく、より好ましくは50Pa・s以下、さらに好ましくは40Pa・s以下である。複素粘度(80℃)が上記範囲内であれば、50℃以上120℃未満で熱処理することで、未硬化の樹脂含侵繊維層が硬化する前に、エポキシ樹脂組成物と樹脂含侵繊維層とをよりなじませることができる。
(樹脂含侵繊維層)
本発明の繊維強化プラスチック成形品を構成する複数の樹脂含侵繊維層の積層体について説明する。前記樹脂含侵繊維層は、層状に成形された繊維集合体と、この繊維集合体に含侵された樹脂の硬化物とから構成される。
(繊維)
前記樹脂含侵繊維層が含有する繊維としては、繊維強化プラスチックに使用される繊維が挙げられ、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などを挙げることができる。また、これらの繊維は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも炭素繊維が好ましい。
前記炭素繊維としては、アクリル系、ピッチ系、レーヨン系などの炭素繊維が挙げられるが、中でも、引張強度の高いアクリル系の炭素繊維が好ましい。炭素繊維の形態としては、前駆体繊維に撚りをかけて焼成して得られる炭素繊維、いわゆる有撚糸、その有撚糸の撚りを解いた炭素繊維、いわゆる解撚糸、前駆体繊維に実質的に撚りをかけずに熱処理を行う無撚糸などが使用できる。無撚糸又は解撚糸が、繊維強化複合材料の成形性と強度特性のバランスを考慮すると好ましい。また、プリプレグを用いて積層体を作製する場合、プリプレグシート同士の接着性などの取扱性の面からは無撚糸が好ましい。また、本発明における炭素繊維は、黒鉛繊維も含むことができる。
前記繊維の引張弾性率は、10tf/mm以上が好ましく、24tf/mm以上がより好ましく、70tf/mm以下が好ましく、50tf/mm以下がより好ましい。前記引張弾性率は、JIS R7601(1986)「炭素繊維試験方法」に準拠して測定する。強化繊維の引張弾性率が、前記範囲内であれば、曲げ強度の高い繊維強化プラスチック成形品が得られる。
樹脂含侵繊維層中の繊維の含有率は、65質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、85質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、75質量%以下がさらに好ましい。繊維の含有率が、前記範囲内であれば、樹脂の性能が十分に生かせる良好な繊維強化プラスチック成形品となる。
樹脂含侵繊維層中の繊維の形態としては、例えば、一方向に引き揃えられた長繊維、二方向織物、多軸織物、不織布、マット、ニット、組み紐などを挙げることができる。ここで、長繊維とは、実質的に10mm以上連続な単繊維または繊維束を意味する。一方向に引き揃えられた長繊維は、繊維の方向が揃っており、繊維の曲がりが少ないため繊維方向の強度利用率が高い。また、一方向に引き揃えられた長繊維は、繊維の配列方向が異なるように適切に積層した後成形すると、成形物の各方向の弾性率と強度の設計が容易になる。
(樹脂)
前記樹脂含侵繊維層が含有するマトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。これらの中でもマトリックス樹脂としてはエポキシ樹脂が好ましい。前記マトリックス樹脂中のエポキシ樹脂含有率は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。
前記樹脂含侵繊維層は、繊維に樹脂を含侵させて作製してもよいし、市販のプリプレグを用いて形成してもよい。
(構成)
本発明の繊維強化プラスチック成形品は、複数の樹脂含侵繊維層の積層体からなり、前記樹脂含侵繊維層の層間の少なくとも一部に、エポキシ樹脂組成物から形成された樹脂層が配置されている。
前記樹脂層は、樹脂含侵繊維層の層間のうち、一つの層間にのみ配置してもよいし、複数の層間に配置してもよい。なお、樹脂層が増加すると、相対的に繊維含有量が減少するため、樹脂層は一層とすることが好ましい。前記樹脂層を一層とする場合、繊維強化プラスチック成形品の厚さ方向の略中央部に配置することが好ましい。具体的には、樹脂層の上面側の樹脂含侵繊維層の合計厚さ(Tup)と、樹脂層の下面側の樹脂含侵繊維層の合計厚さ(Tlow)との厚さの比(Tup/Tlow)が、0.3以上が好ましく、より好ましくは0.6以上、さらに好ましくは0.7以上、特に好ましくは0.8以上であり、3.0以下が好ましく、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.4以下、特に好ましくは1.3以下である。厚さ方向の略中央部に配置することで、曲げ強度の向上効果がより向上する。また、前記樹脂層が配置される層間において、前記樹脂層は樹脂含侵繊維層同士の接触面の全面積に配置することが好ましい。
前記樹脂層の厚さは、8μm以上が好ましく、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは15μm以上であり、50μm以下が好ましく、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。樹脂層の厚さが8μm以上であれば硬化剤の粒子径よりも厚く、成形が容易となり、50μm以下であれば成形品の質量増加を抑制できる。なお、前記樹脂層の厚さとは、樹脂層の形成に使用した樹脂フィルムの厚さである。
複数の樹脂含侵繊維層の積層体としては、一定方向に引き揃えられた長繊維に樹脂を含侵した樹脂含侵繊維層を複数積層したものが好ましい。前記樹脂層は、前記積層体の厚さ方向の中央部から最も近くに位置する層間に配置することが好ましい。なお、前記層間の位置は、樹脂層を配置せずに積層体を作製した場合の位置である。例えば、同じ厚さのプリプレグを7枚積層して積層体を作製した場合、積層体の厚さ方向の中央部から最も近くに位置する層間とは、3枚目と4枚目との間または4枚目と5枚目との間である。同じ厚さのプリプレグを8枚積層して積層体を作製した場合、積層体の厚さ方向の中央部から最も近くに位置する層間とは、4枚目と5枚目との間である。
また、前記積層体は、隣り合う2層の樹脂含侵繊維層の繊維の配向方向のなす角度が45°〜90°となる繊維交差層間を有することが好ましい。なお、繊維の配向方向のなす角度とは、交差する繊維がなす鋭角側の角度である。前記積層体が繊維交差層間を有する場合、前記樹脂層は繊維交差層間に配置することが好ましい。言い換えると、前記樹脂層の一方面側に接する樹脂含侵繊維層中の繊維の配向方向と、前記樹脂層の他方面側に接する樹脂含侵繊維層中の繊維の配向方向とのなす角度が45°〜90°(好ましくは80〜90°)であることが好ましい。繊維交差層間に樹脂層を配置することにより、繊維層間の変形差を緩衝することが出来る。
また、前記積層体が前記繊維交差層間を複数有している場合には、前記積層体の厚さ方向の中央部から最も近くに位置する前記繊維交差層間に、前記樹脂層を配置することが好ましい。特に、隣り合う2層の樹脂含侵繊維層の繊維の配向方向のなす角度が80°〜90°となる繊維交差層間であって、前記積層体の厚さ方向の中央部から最も近くに位置する前記繊維交差層間に、前記樹脂層を配置することが好ましい。
(製造方法)
前記繊維強化プラスチック成形品の製造方法は特に限定されないが、未硬化の樹脂と繊維とを含有するプリプレグと、半硬化の樹脂フィルムとを積層して、この積層物に圧力をかけながら硬化させる方法が挙げられる。つまり、繊維強化プラスチック成形品としては、未硬化の樹脂と繊維とを含有するプリプレグの積層体と、前記積層体の層間の少なくとも一部に、エポキシ樹脂組成物から形成された半硬化の樹脂フィルムが配置された積層物を加熱硬化して得られたものが挙げられる。半硬化の樹脂フィルムを用いることで、各樹脂含侵繊維層中の繊維含有量を低下させることなく、樹脂層を形成することができる。
前記繊維強化プラスチック成形品の形状は特に限定されないが、例えば、管状体が挙げられる。繊維強化プラスチックの管状体を製造する方法としては、公知の方法が用いられる。例えば、プリプレグを、管状体を構成する各材料の形状に裁断し、積層後、積層物を加熱しながら圧力を付与する方法(シートワインディング法)を挙げることができる。
プリプレグの積層体を加熱しながら圧力を付与する方法には、ラッピングテープ法、内圧成型法などがある。ラッピングテープ法は、マンドレルなどの芯金にプリプレグを巻いて、成形体を得る方法である。具体的には、マンドレルにプリプレグを巻き付け、プリプレグの固定及び圧力付与のために、プリプレグの外側に熱可塑性樹脂フィルムからなるラッピングテープを巻き付け、オーブン中で樹脂を加熱し硬化させた後、芯金を抜き去って管状成形体を得る方法である。管状成形体の表面を切削し、塗装などを施してもよい。
内圧成型法は、熱可塑性樹脂製のチューブなどの内圧付与体にプリプレグを巻きつけプリフォームとし、次にこれを金型中に設置し、次いで内圧付与体に高圧の気体を導入して圧力をかけると共に金型を加熱して成形する方法である。
積層物を加熱する方法は特に限定されないが、加熱炉を用いて熱処理することが好ましい。前記熱処理は、炉内温度50℃以上120℃未満、処理時間60分間以下の第1工程と、炉内温度120℃以上140℃以下、処理時間100分間以上の第2工程とを有することが好ましい。炉内温度50℃以上120℃未満での熱処理時間を短くすることで、樹脂フィルム中の樹脂の流動を抑制でき、確実に樹脂層を形成することができる。
前記第1工程の処理時間は60分間以下、好ましくは45分間以下、より好ましくは35分間以下である。炉内温度50℃以上120℃未満での熱処理時間が短い程、樹脂フィルム中の樹脂の流動を抑制できる。なお、前記第1工程の処理時間は0分間としてもよい。すなわち、第1工程を省略してもよい。また、前記第1工程の処理時間は5分間以上が好ましく、より好ましくは10分間以上、さらに好ましくは15分間以上である。第1工程の処理時間を15分間以上とすることで、プリプレグ中の樹脂と繊維や、プリプレグ中の樹脂と樹脂フィルムの樹脂をよりなじませることができる。
前記第2工程の処理時間は、100分間以上が好ましく、より好ましくは110分間以上、さらに好ましくは120分間以上であり、240分間以下が好ましく、より好ましくは210分間以下、さらに好ましくは180分間以下である。
熱処理の具体例としては、未硬化の積層物を、炉内温度を120℃以上140℃以下に設定した加熱炉に直接投入し、100分間以上240分間以下熱処理する態様(第1態様);未硬化の積層物を炉内温度が50℃未満の加熱炉に投入し、炉内温度が50℃以上120℃未満となる時間が60分間以下となるように炉内温度を120℃以上にまで昇温し、炉内温度120℃以上140℃以下で100分間以上240分間以下熱処理する態様(第2態様);が挙げられる。
前記第2態様の場合、炉内温度を50℃から120℃までの昇温速度は、2.5℃/mm以上が好ましく、より好ましくは3.0℃/mm以上、さらに好ましくは3.5℃/mm以上であり、5.0℃/mm以下が好ましく、より好ましくは4.5℃/mm以下、さらに好ましくは4.0℃/mm以下である。
繊維強化プラスチックの管状体を構成するプリプレグの積層枚数、繊維の含有率、および、1枚のプリプレグの厚みなどは、所望の特性に応じて、適宜変更することが好ましい。特に、管状体の軸線に対して、繊維の配列が傾斜して配されるバイアスプリプレグと、管状体の軸線に対して、繊維の配列が平行に配されるストレートプリプレグと、管状体の軸線に対して、繊維の配列が直角に配されるフーププリプレグとを適宜配置して、管状体に必要な剛性や強度を付与することが好ましい。管状成形体の表面を切削し、塗装などを施してもよい。
前記管状体の長さは、40インチ(101.6cm)以上が好ましく、より好ましくは41インチ(104.1cm)以上であり、49インチ(124.5cm)以下が好ましく、より好ましくは48インチ(121.9cm)以下である。管状体の長さが上記範囲内であれば、この管状体からなるゴルフクラブシャフトを用いたゴルフクラブの操作性が良好となる。また、管状体の質量は、30g以上が好ましく、より好ましくは35g以上であり、80g以下が好ましく、より好ましくは75g以下である。質量が30g以上であればシャフトが十分な肉厚となり機械的強度がより向上し、80g以下であればシャフトが重くなりすぎず操作性がより良好となる。
前記管状体の肉厚は、0.5mm以上が好ましく、より好ましくは0.6mm以上であり、4mm以下が好ましく、より好ましくは3.5mm以下である。管状体の肉厚が上記範囲内であれば、良好なしなりが得られる。また、管状体の肉厚は、薄肉部の位置を調整することにより、管状体の重心や、しなりの位置を制御できる。
本発明の繊維強化プラスチック成形品は、例えば、ゴルフクラブシャフト、釣竿、テニスラケット、バトミントンラケットなどに好適に使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[評価方法]
(1)曲げ試験
エポキシ樹脂組成物の曲げ試験はJIS K7171(2001)に準拠して行った。具体的には、注型金型にエポキシ樹脂組成物を流し込み、加熱成形(温度130℃、圧力なし)により、長さ60mm、幅25mm、厚さ4mmの試験片を作製した。精密万能試験機(島津製作所製、オートグラフ(登録商標))を用いて、曲げ試験を行った。圧子の半径を10mm、支持台の半径を5mm、支点間距離を48mm、試験速度1mm/min、試験温度23℃とした。そして、試験片が破壊するときのたわみ(破壊時たわみ)を記録した。また、下記式により曲げ弾性率、曲げ破壊ひずみを算出した。
曲げ弾性率=(σf2−σf1)/(0.0025−0.0005)
[式中、σf1は、ひずみ0.0005に対応する応力、σf2はひずみ0.0025に対応する応力を表す。]
曲げ破壊ひずみ=6×s×h/L
[式中、sは破壊時たわみ(mm)、hは試験片の厚さ(mm)、Lは支点間距離(mm)を表す。]
(2)破壊じん性試験
破壊じん性試験は、ASTM D5045−93に準拠して行った。具体的には、注型金型にエポキシ樹脂組成物を流し込み、加熱成形(温度130℃、圧力なし)により、長さ33.6mm、幅35mm、厚さ4mmのシートを作製した。このシートの長さ方向中央部に一方の側縁から幅方向に延びる亀裂(長さ21mm)を入れて試験片を作製した。精密万能試験機(島津製作所製、オートグラフ)を用いて、破壊じん性試験を行った。試験速度0.5mm/min、試験温度23℃の条件で3点曲げ試験を行い、下記式により破壊じん性値(K1c)を算出した。
K1c=PSf(a/W)/BW3/2
[式中、Pは最大破壊荷重(kN)、Sはスパン間距離(cm)、aは亀裂長さ(cm)、Wは試験片の幅(cm)、Bは試験片の厚さ(cm)を表す。また、f(a/W)はa/W=XとしてS/W=4.0の場合、f(X)=1.5X1/2{1.99−X(1−X)(2.15−3.93X+2.7X)}/{(1+2X)(1−X)3/2}である。]
(3)管状体の3点曲げ試験
図1に示すように、支点20、20間距離が300mmになるように管状体10を下方から2点で支え、支点間の中点21において管状体10の上方から荷重Fを加えて、管状体が破断したときの荷重値(ピーク値)を測定した。なお、管状体10に荷重Fをかける中点21は、管状体の中心部に位置させるようにした。測定は以下の条件で行った。
試験装置:島津製作所製、オートグラフ
荷重速度:20mm/min
(4)複素粘度
表1に示した組成になるように、エポキシ樹脂成分および熱可塑性樹脂をMEKに溶解して、エポキシ樹脂のMEK溶液を作製した(MEK含有率30%)。得られたエポキシ樹脂のMEK溶液に、硬化剤および硬化促進剤を加えて撹拌し、エポキシ樹脂組成物溶液を調製した。前記エポキシ樹脂組成物溶液を、離型紙に塗布して80〜90℃で3分間乾燥させて、エポキシ樹脂組成物シートを作製し、これを切り抜いて試験片を作製した。測定は、粘弾性測定器(アントンパール社製、MCR301)を用いた。測定条件は、測定治具の形状;直径12mmのパラレルプレート、ギャップ;0.5mm、印加トルク;6mN・m、角周波数;1Hz、昇温速度;8℃/min、測定温度範囲;20℃〜130℃とした。
[樹脂フィルムの作製]
表1に示した組成となるように、エポキシ樹脂成分などをメチルエチルケトン(MEK)に溶解して、エポキシ樹脂のMEK溶液を作製した(MEK含有率:30質量%)。得られたエポキシ樹脂のMEK溶液に、硬化剤および硬化助剤を加えて撹拌し、エポキシ樹脂組成物溶液を調製した。前記エポキシ樹脂組成物溶液を、離型紙に塗布して80℃〜90℃で3分間乾燥させてエポキシ樹脂組成物からなる樹脂フィルム(20μm)を作製した。
Figure 0006890376
表1で使用した原料は、以下の通りである。
jER828EL:三菱化学社製、jER(登録商標)828EL(ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:190g/eq、常温で液体状))
jER1002:三菱化学社製、jER1002(ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:650g/eq、常温で固体状))
jER4005P:三菱化学社製、jER4005P(ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量:1070g/eq、常温で固体状))
jER154:三菱化学社製、jER154(フェノールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:180g/eq))
jER1256:三菱化学社製、jER1256(フェノキシ型エポキシ樹脂(重量平均分子量:50000、エポキシ当量:8000g/eq))
jER1032H60:三菱化学社製、jER1032H60(トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(エポキシ当量:169g/eq))
375TE−T12:信越化学社製、375TE−T12(シリコン変性エポキシ樹脂)
378X8:信越化学社製、378X8(シリコン変性エポキシ樹脂)
ビニレックK:JNC社製、ビニレックK(ポリビニルホルマール樹脂)
ビニレックE:JNC社製、ビニレック(登録商標)E(ポリビニルホルマール樹脂)
DICY7:三菱化学社製、DICY7(ジシアンジアミド)
DCMU−99:保土ヶ谷化学工業社製、DCMU−99(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素)
[繊維強化プラスチックの管状体の作製]
管状体No.1〜14
繊維強化プラスチックの管状体は、シートワインディング法により作製した。すなわち、図2に示したように、プリプレグ1〜7を順番に芯金(マンドレル)に巻回した。プリプレグ1〜7はいずれも一定方向に引き揃えられた長繊維層に樹脂を含侵したプリプレグである。プリプレグ1が、最内層を構成し、プリプレグ7が最外層を構成する。プリプレグ3、5、7は、強化繊維の配列方向が、管状体の軸線に対して平行に配されるストレートプリプレグである。プリプレグ1、2は、強化繊維の配列方向が、管状体の軸線に対して傾斜して配されるバイアスプリプレグである。プリプレグ4、6は、強化繊維の配列方向が、管状体の軸線に対して直角に配されるフーププリプレグである。図3に示したように、プリプレグ1とプリプレグ2、プリプレグ4とプリプレグ5、および、プリプレグ6とプリプレグ7とを貼り合わせて、強化繊維の傾斜方向が交差するようにした。なお、プリプレグ3、5、7には、三菱レイヨン社製、パイロフィル(登録商標) TR350C100S(炭素繊維の引張弾性率24tf/mm、繊維目付100g/m、樹脂含有量:25質量%、目付133g/m、厚さ83μm)を用いた。プリプレグ1、2には、三菱レイヨン社製、パイロフィル HRX350C075S(炭素繊維の引張弾性率40tf/mm、繊維目付69g/m、樹脂含有量:25質量%、目付92g/m、厚さ57μm)を用いた。プリプレグ4,6には、東レ社製、トレカプリプレグP805S−3(炭素繊維の引張弾性率30tf/mm、樹脂含有量:40質量%、目付50g/m、厚さ34μm)を用いた。得られた巻回体の外周面にテープを巻き付けて、加熱して硬化反応を行った。巻回条件および硬化条件を以下に示した。図2、3中、寸法は、mm単位で表示されている。
巻回条件:
ローリングスピード:34Hz
テープ:藤森工業社製、W16−15
ラッピング主軸回転数:1870〜1890rpm
ラッピングテンション:4000±100gf
ラッピングピッチ:2.0mm
硬化条件:
130℃±5℃で120分±5分間保持。
また、管状体No.2〜14においては、プリプレグの層間に樹脂フィルムを配置した。具体的には、管状体No.2〜9,12においてはプリプレグ4とプリプレグ5との間、管状体No.10においてはプリプレグ2とプリプレグ3との間、管状体No.11においてはプリプレグ3とプリプレグ4との間、管状体No.13においてはプリプレグ5とプリプレグ6との間、管状体No.14においてはプリプレグ6とプリプレグ7との間に配置した。なお、プリプレグ4とプリプレグ5との層間が、積層体の厚さ方向の中央部から最も近くに位置する繊維交差層間である。
各管状体の評価結果を表2に示した。なお、管状体No.2〜9については、参考例として、プリプレグ3,5,7を樹脂含有量の高いものに変更して、樹脂フィルムを配置した場合と同質量となるように調整した管状体も作製し、その強度を評価した。
Figure 0006890376
Figure 0006890376
管状体No.2〜7は、樹脂含侵繊維層の層間の一部に、エポキシ樹脂組成物から形成された樹脂層が配置されている場合である。これらの管状体は、管状体を構成するプリプレグの樹脂含有量を増加させた場合(参考例)よりも、三点曲げ強度の向上率が高い。このことから、樹脂含侵繊維層の層間の一部にエポキシ樹脂層を配置することで、少ない樹脂量で効果的に繊維強化プラスチック成形品の強度を高められることがわかる。すなわち、繊維強化プラスチック成形品の質量増加を抑制しつつ、強度を高めることができる。
管状体No.10〜14は、同じ樹脂フィルムを使用し、樹脂フィルムを配置する位置を変更した場合である。これらの強度を比較すると、積層体の厚さ方向の中央部から最も近くに位置する前記繊維交差層間に樹脂層を配置した管状体No.12が、三点曲げ強度が最も高い。
管状体No.15〜20
繊維強化プラスチックの管状体は、シートワインディング法により作製した。図4に示したように、プリプレグ11〜19を順番に芯金(マンドレル)に巻回した。プリプレグ11〜19はいずれも一定方向に引き揃えられた長繊維層に樹脂を含侵したプリプレグである。プリプレグ11が、最内層を構成し、プリプレグ19が最外層を構成する。プリプレグ14、16、19は、強化繊維の配列方向が、管状体の軸線に対して平行に配されるストレートプリプレグである。プリプレグ11、12は、強化繊維の配列方向が、管状体の軸線に対して傾斜して配されるバイアスプリプレグである。プリプレグ13、15、17、18は、強化繊維の配列方向が、管状体の軸線に対して直角に配されるフーププリプレグである。図5に示したように、プリプレグ11とプリプレグ12、プリプレグ13とプリプレグ14、プリプレグ15とプリプレグ16、および、プリプレグ18とプリプレグ19とを貼り合わせて、強化繊維の傾斜方向が交差するようにした。
また、管状体No.15〜20では、プリプレグ14とプリプレグ15との間に樹脂フィルムを配置した。樹脂フィルムNo.Aを構成するエポキシ樹脂組成物は、複素粘度(80℃)が1Pa・s〜60Pa・sであった。樹脂フィルムNo.Bを構成するエポキシ樹脂組成物は、複素粘度(80℃)が1Pa・s〜60Pa・sであった。
なお、プリプレグ14、16、19には、三菱レイヨン社製、MRX350C100S(炭素繊維の引張弾性率290GPa(29.5tf/mm)、繊維目付100g/m、樹脂含有量:25質量%、目付133g/m、厚さ83μm)を用いた。プリプレグ11、12には、三菱レイヨン社製、HSX350C075S(炭素繊維の引張弾性率455GPa(46.0tf/mm)、繊維目付69g/m、樹脂含有量:25質量%、目付92g/m、厚さ56μm)を用いた。プリプレグ13、15、17、18には、東レ社製、P805S(炭素繊維の引張弾性率294GPa(30tf/mm)、繊維目付30g/m、樹脂含有量:40質量%、目付50g/m、厚さ34μm)を用いた。得られた巻回体の外周面にテープを巻き付けて、加熱して硬化反応を行った。巻回条件および硬化条件を以下に示した。図4、5中、寸法は、mm単位で表示されている。
巻回条件:
ローリングスピード:34Hz
テープ:藤森工業社製、W16−15
ラッピング主軸回転数:1870〜1890rpm
ラッピングテンション:4000±100gf
ラッピングピッチ:2.0mm
硬化条件:I
炉内温度25℃の加熱炉にプリプレグ積層体を入れた。昇温速度3.5℃/minで炉内温度を130℃に昇温した後、炉内温度130℃で120分間保持した。なお、加熱炉の炉内温度が50℃以上120℃未満である時間は、27分間であった。
硬化条件:II
炉内温度25℃の加熱炉にプリプレグ積層体を入れた。昇温速度1.8℃/minで炉内温度を80℃に昇温し、炉内温度80℃で30分間保持した。次に、昇温速度1.7℃/minで炉内温度を130℃に昇温し、炉内温度130℃で120分間保持した。なお、加熱炉の炉内温度が50℃以上120℃未満である時間は、67分間であった。
硬化条件:III
炉内温度130℃の加熱炉にプリプレグ積層体を入れた後、炉内温度130℃で120分間保持した。なお、加熱炉の炉内温度が50℃以上120℃未満である時間は、0分間であった。
各管状体の評価結果を表4に示した。なお、管状体No.15〜20については、参考例として、樹脂フィルムを配置せずに管状体を作製し、その強度を評価した。なお、表4中、管状体の三点曲げ強度は、同じ硬化条件で作製した参考例の三点曲げ強度を100%とし、この参考例からの向上率を示した。
Figure 0006890376
管状体No.15〜20は、樹脂含侵繊維層の層間の一部に、エポキシ樹脂組成物から形成された樹脂層が配置されている場合である。これらの管状体は、樹脂層を有さない場合(参考例)よりも、三点曲げ強度が向上している。また、これらの中でも、熱硬化において、炉内温度50℃以上120℃未満における熱処理時間が60分間以下である管状体No.15、17、18および20は、炉内温度50℃以上120℃未満における熱処理時間が60分間超である管状体No.16および19よりも三点曲げ強度の向上率が高い。これは、炉内温度50℃以上120℃未満における熱処理時間を短くすることで、樹脂フィルム中の樹脂の流動を抑制でき、確実に樹脂層を形成できたためと考えられる。さらに、熱硬化において、炉内温度50℃以上120℃未満における熱処理時間が15分間以上60分間以下である管状体No.15および18は、炉内温度50℃以上120℃未満における熱処理時間が0分間である管状体No.17および20よりも三点曲げ強度の向上率が高い。これは、炉内温度50℃以上120℃未満における熱処理を行うことで、プリプレグ中の樹脂と繊維や、プリプレグ中の樹脂と樹脂フィルムの樹脂がよりなじんだためと考えられる。
本発明の繊維強化プラスチック成形品は、ゴルフクラブシャフト、ラケットフレーム、釣竿ロッドなどのスポーツ用品や、ロボットアームなどの産業用品に使用することができる。
1〜7、11〜19:プリプレグ、10:管状体、20:支点、21:支点間の中点

Claims (16)

  1. 複数の樹脂含侵炭素繊維層の積層体からなる炭素繊維強化プラスチック成形品であって、
    前記樹脂含侵炭素繊維層の層間のうち一つの層間にのみ、エポキシ樹脂組成物から形成された樹脂層が配置されており、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の3点曲げ試験における曲げ破壊ひずみが、0.05以上であることを特徴とする炭素繊維強化プラスチック成形品。
  2. 複数の樹脂含侵炭素繊維層の積層体からなる炭素繊維強化プラスチック成形品であって、
    前記樹脂含侵炭素繊維層の層間のうち一つの層間にのみ、エポキシ樹脂組成物から形成された樹脂層が配置されており、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の破壊じん性値が、1.0MPa・m 1/2 以上であることを特徴とする炭素繊維強化プラスチック成形品。
  3. 複数の樹脂含侵炭素繊維層の積層体からなる炭素繊維強化プラスチック成形品であって、
    前記樹脂含侵炭素繊維層の層間のうち一つの層間にのみ、エポキシ樹脂組成物から形成された樹脂層が配置されており、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ弾性率が、3.0GPa以上であることを特徴とする炭素繊維強化プラスチック成形品。
  4. 複数の樹脂含侵炭素繊維層の積層体からなる炭素繊維強化プラスチック成形品であって、
    前記樹脂含侵炭素繊維層の層間のうち一つの層間にのみ、エポキシ樹脂成分として、ビスフェノール型エポキシ樹脂およびノボラック型エポキシ樹脂を含有し、エポキシ樹脂成分中のビスフェノール型エポキシ樹脂の含有率が50質量%以上であり、エポキシ樹脂成分中のノボラック型エポキシ樹脂の含有率が5質量%以上30質量%以下であるエポキシ樹脂組成物から形成された樹脂層が配置されていることを特徴とする炭素繊維強化プラスチック成形品。
  5. 複数の樹脂含侵炭素繊維層の積層体からなる炭素繊維強化プラスチック成形品であって、
    前記樹脂含侵炭素繊維層の層間の一つの層間にのみ、あるいは、複数の層間に、エポキシ樹脂組成物から形成された樹脂層が配置され、前記樹脂含浸炭素繊維層の炭素繊維の含有率は、75質量%以下であり、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の3点曲げ試験における曲げ破壊ひずみが、0.05以上であることを特徴とする炭素繊維強化プラスチック成形品。
  6. 複数の樹脂含侵炭素繊維層の積層体からなる炭素繊維強化プラスチック成形品であって、
    前記樹脂含侵炭素繊維層の層間の一つの層間にのみ、あるいは、複数の層間に、エポキシ樹脂組成物から形成された樹脂層が配置され、前記樹脂含浸炭素繊維層の炭素繊維の含有率は、75質量%以下であり、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の破壊じん性値が、1.0MPa・m 1/2 以上であることを特徴とする炭素繊維強化プラスチック成形品。
  7. 複数の樹脂含侵炭素繊維層の積層体からなる炭素繊維強化プラスチック成形品であって、
    前記樹脂含侵炭素繊維層の層間の一つの層間にのみ、あるいは、複数の層間に、エポキシ樹脂組成物から形成された樹脂層が配置され、前記樹脂含浸炭素繊維層の炭素繊維の含有率は、75質量%以下であり、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ弾性率が、3.0GPa以上であることを特徴とする炭素繊維強化プラスチック成形品。
  8. 複数の樹脂含侵炭素繊維層の積層体からなる炭素繊維強化プラスチック成形品であって、
    前記樹脂含侵炭素繊維層の層間の一つの層間にのみ、あるいは、複数の層間に、エポキシ樹脂成分として、ビスフェノール型エポキシ樹脂およびノボラック型エポキシ樹脂を含有し、エポキシ樹脂成分中のビスフェノール型エポキシ樹脂の含有率が50質量%以上であり、エポキシ樹脂成分中のノボラック型エポキシ樹脂の含有率が5質量%以上30質量%以下であるエポキシ樹脂組成物から形成された樹脂層が配置され、前記樹脂含浸炭素繊維層の炭素繊維の含有率は、75質量%以下であることを特徴とする炭素繊維強化プラスチック成形品。
  9. 前記樹脂含侵炭素繊維層のマトリックス樹脂が、エポキシ樹脂である請求項1〜8のいずれか一項に記載の炭素繊維強化プラスチック成形品。
  10. 前記複数の樹脂含侵炭素繊維層が、一定方向に引き揃えられた炭素長繊維に樹脂を含侵したものであり、
    前記樹脂層の一方面側に接する樹脂含侵炭素繊維層中の炭素繊維の配向方向と、前記樹脂層の他方面側に接する樹脂含侵炭素繊維層中の炭素繊維の配向方向とのなす角度が45°〜90°である請求項1〜8のいずれか一項に記載の炭素繊維強化プラスチック成形品。
  11. 前記複数の樹脂含侵炭素繊維層が、一定方向に引き揃えられた炭素長繊維に樹脂を含侵したものであり、
    前記積層体は、隣り合う2層の樹脂含侵炭素繊維層の炭素繊維の配向方向のなす角度が45°〜90°となる炭素繊維交差層間を複数有しており、
    前記積層体の厚さ方向の中央部から最も近くに位置する前記炭素繊維交差層間に、前記樹脂層が配置されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の炭素繊維強化プラスチック成形品。
  12. 未硬化の樹脂と炭素繊維とを含有するプリプレグの積層体と、前記積層体のプリプレグの層間のうち一つの層間のみに、エポキシ樹脂組成物から形成された未硬化または半硬化の樹脂フィルムが配置された積層物を加熱硬化して得られたものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の炭素繊維強化プラスチック成形品。
  13. 未硬化の樹脂と炭素繊維とを含有するプリプレグの積層体と、前記積層体のプリプレグの層間に、エポキシ樹脂組成物から形成された未硬化または半硬化の樹脂フィルムが配置された積層物を加熱硬化して得られたものである請求項5〜8のいずれか一項に記載の炭素繊維強化プラスチック成形品。
  14. 前記加熱硬化が、加熱炉を用いた熱処理によって行われており、
    前記熱処理は、炉内温度50℃以上120℃未満、処理時間60分間以下の第1工程と、炉内温度120℃以上140℃以下、処理時間100分間以上240分間以下の第2工程とを有し、第1工程の処理時間は0分間を含み、第1工程は省略されてもよい請求項12または13に記載の炭素繊維強化プラスチック成形品。
  15. 前記エポキシ樹脂組成物は、前記ビスフェノール型エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂を含有し、前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の含有比率が、質量比で、20:80〜80:20である請求項4または8に記載の炭素繊維強化プラスチック成形品。
  16. ゴルフクラブシャフトである請求項1〜15のいずれか一項に記載の炭素繊維強化プラスチック成形品。
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