(実施形態)
以下、本発明の一実施形態に係るシール部材7及びシール部材7を備える照明器具1について図1〜10に基づいて説明する。
照明器具1は、図1に示すように、例えば、地表面201から突出しているポール10に取り付けられる。ポール10は、例えば、円筒状に形成されている。照明器具1は、外径の異なる3種類のポール10(10b,10a,10c)に取付可能である(図2、図9、及び図11参照)。照明器具1は、ポール10の周辺に光を照射する街路灯又は公園灯、又は道路灯などとして使用される。ポール10は、長手方向の第1端101及び第2端102を有する。ポール10は、例えば、第1端101が地中又はコンクリートなどに埋め込まれて、地中又はコンクリートなどに固定される。また、照明器具1は、図2に示すように、ポール10の第2端102に取り付けられる。
照明器具1は、複数(ここでは、4つ)の光源2(図3A及び3B参照)と、器具本体3と、シール部材7とを備える。ただし、光源2は、照明器具1に必須の構成要素ではない。照明器具1は、図2に示すように、ポール10に取り付けるための取付部材5を備えており、ポール10の第2端102の少なくとも一部を覆うようにポール10に取り付け可能である。ここで、照明器具1においてポール10の外面に対向する面とポール10との間には、隙間503が生じる場合がある。シール部材7は、隙間503を塞ぐように配置される。
以下、照明器具1の各構成要素についてより詳細に説明する。
複数の光源2の各々は、図3B及び図4に示すように、LED20と、一対のコネクタ23(図3参照)と、LED20及び一対のコネクタ23が実装された回路基板22とを備える。LED20は、複数のLEDチップ20aと、これらの複数のLEDチップ20aを覆っている波長変換部20bとを有する。LEDチップ20aは、例えば、青色光を放射する。波長変換部20bは、例えば、LEDチップ20aから放射された青色光により、励起されて黄色光を放射する蛍光体と透光性材料(例えば、シリコーン樹脂)とを含む。一対のコネクタ23の各々に接続されている電線は、ポール10内を通っている電源線を介して、電源ユニットに接続されている。ここにおいて、電源ユニットは、複数の光源2の各々にLED20を点灯させるための電力を供給する。電源ユニットは、例えば、ポール10内に配置される。
器具本体3は、図4に示すように、複数の光源2を収納するハウジング4と、ポール10の第2端102(図2参照)に取り付けるための筒状の取付部材5とを備える。ハウジング4は、複数の光源2の各々が複数の(ここでは、2つ)のねじ61によって取り付けられる取付ベース42を有する。ハウジング4は、複数の光源2を覆うように取付ベース42に取り付けられるグローブ(globe)41と、取付部材5の上面側を覆う覆板43とを更に備える。
取付ベース42は、金属、例えば、Zn−Al系合金メッキされた鋼板などによって形成される。取付ベース42は、図4に示すように、下面に開口を有する丸箱状に形成される。取付ベース42は、円板状に形成される上壁421と、上壁421の周縁から下方に突出する側壁422とを有する。取付ベース42の上壁421の中央部には、貫通孔423が形成される。貫通孔423の開口形状は、円形状である。
グローブ41は、複数の光源2から放射された光を透過させる。ここにおいて、グローブ41は、透光性を有する合成樹脂、例えば、アクリル樹脂によって形成される。グローブ41は、図4に示すように、取付ベース42に対して、取付ベース42の上壁421の下面側に配置される。グローブ41は、上面に開口を有する丸箱状に形成される。グローブ41は、図4及び図5に示すように、円板状の底壁411と、底壁411の周縁から上方に突出する側壁412と、側壁412の上端から外側に向かって突出する外鍔413とを有する。底壁411と側壁412と外鍔413とは、一体に形成される。グローブ41の底壁411の中央部には、貫通孔414が形成される。貫通孔414の開口形状は、円形状である。貫通孔414には、取付部材5の第1筒部51が通される。取付部材5の第1筒部51は、円筒状に形成される。貫通孔414の内径は、取付部材5の第1筒部51の外径と略同じである。グローブ41の外鍔413の外縁は、取付ベース42の側壁422で覆われる。照明器具1では、取付ベース42覆板43とでグローブ41の上面の開口を塞ぐ。
照明器具1は、グローブ41の外鍔413と取付ベース42の上壁421との間に介在する円環状のパッキン44を備える。パッキン44は、周方向における直交する断面がU字状に形成される。これにより、パッキン44は、グローブ41の外鍔413を上下方向から挟み込む。
覆板43は、取付ベース42の貫通孔423を覆う。覆板43は、例えば、ステンレス鋼などによって形成され、適宜の塗装が施されている。覆板43は、円板状に形成される上壁431と、上壁431の周縁から下方に突出する側壁432とを有する。側壁432の下縁端は、取付ベース42の上壁421の上面と接触する。覆板43の上壁431の周部と取付ベース42の上壁421との間には、円環状のパッキン45が介在する。覆板43は、複数(ここでは、3つ)のねじ62によって取付部材5に固定されている。
取付部材5は、例えば、アルミニウム合金、又はステンレス鋼などによって形成される。取付部材5は、グローブ41の貫通孔414に通される円筒状の第1筒部51と、ポール10の第2端102を挿入可能な円筒状の第2筒部52とを有する。取付部材5では、第1筒部51と、第2筒部52とが上下方向に並んでいる。取付部材5では、上下方向において、第1筒部51が第2筒部52よりも上にある。取付部材5では、第2筒部52の外径及び内径が、第1筒部51の外径よりも大きい。取付部材5は、第1筒部51の下端縁と第2筒部52の上端縁とを繋いでいる連結部512を備えている。第2筒部52の内部空間は、第1筒部51の内部空間と繋がっている。照明器具1では、連結部512の上面上に、第1筒部51の外周を囲む円環状のパッキン46が配置されている。パッキン46は、グローブ41の底壁411と連結部512との間に介在する。
取付部材5は、図4及び図6に示すように、第1筒部51の内周面から第1筒部51の径方向内向きに突出し、第1筒部51の上下方向の全長に亘って形成されている3つの第1ボス55a及び3つの第2ボス55bを有する。ここにおいて、3つの第1ボス55aの各々は、覆板43の上壁431から挿通されたねじ62が嵌め合わされるねじ孔551を有する。3つの第1ボス55aは第1筒部51の周方向において略等間隔で並んでいる。3つの第2ボス55bは第1筒部51の周方向において略等間隔で並んでいる。3つの第2ボス55bは、3つの第1ボス55aのうち隣り合う2つの第1ボス55aの間に1つずつ配置されている。各第1ボス55a及び各第2ボス55bの第1筒部51の径方向内向きへの突出寸法は同じである。
第1筒部51の上面側に配置される覆板43と取付ベース42とは、ねじ62が取付部材5の第1ボス55aのねじ孔551に嵌め合わされることで、第1筒部51に固定される。3つのねじ62の各々は、覆板43の上壁431の挿通孔及び取付ベース42の上壁421の挿通孔を通って、3つの第1ボス55aのねじ孔551に嵌め合わされる。これにより器具本体3では、ハウジング4と取付部材5とが結合されている。
ところで、取付部材5の第2筒部52は、互いに外径の異なる3種類のポール10(図2、図9、及び図11参照)の第2端102を収納可能に構成されている。ここにおいて、互いに外径の異なる3種類のポール10とは、少なくとも第2端102の外径が互いに異なっていればよく、例えば、3種類のポール10で、第1端101の外径が同じでもよい。以下では、説明の便宜上、3種類のポール10のうち、第2端102の外径が最も大きいポール10(図9参照)を大ポール10aということもある。また、3種類のポール10のうち、第2端102の外径が最も小さいポール10(図2、図5、及び図7参照)を小ポール10bということもある。さらに、3種類のポール10のうち、第2端102の外径が大ポール10aよりも小さく、かつ小ポール10bよりも大きいポール10(図11参照)を中ポール10cということもある。例えば、大ポール10a、中ポール10c及び小ポール10bの第2端102の外径は、それぞれ、101mm、89mm及び76mmである。
取付部材5は、第2筒部52の内周面から第2筒部52の径方向内向きに突出し上下方向に沿って形成されている複数(ここでは、3つ)のリブ53を備える。複数のリブ53の各々は、第2筒部52の周方向に沿った方向において略等間隔で並んでいる。ここにおいて、複数のリブ53は、上下方向において、複数の第2ボス55bに一対一に重なっている(図6参照)。
複数のリブ53のそれぞれは、図4及び図6に示すように、小リブ部531と、中リブ部532と、大リブ部533とを有する。取付部材5では、小リブ部531、中リブ部532、及び大リブ部533のうち、大リブ部533の突出寸法が最も大きく、小リブ部531の突出寸法が最も小さい。
取付部材5では、第1筒部51の中心線(第1中心線)と第2筒部52の中心線(第2中心線)とが一直線上にあり、各第1ボス55a及び第2ボス55bと第1中心線との距離が、各大リブ部533と第2中心線との距離よりも短い。各第1ボス55a及び各第2ボス55bと第1中心線との距離は、小ポール10bの第2端102の外径の半分の値よりも小さい。
各大リブ部533と第2中心線との距離は、各中リブ部532と第2中心線との距離よりも短い。各大リブ部533と第2中心線との距離は、中ポール10cの第2端102の外径の半分の値よりも小さい。
各中リブ部532と第2中心線との距離は、各小リブ部531と第2中心線との距離よりも短い。各中リブ部532と第2中心線との距離は、大ポール10aの第2端102の外径の半分の値よりも小さい。
各小リブ部531と第2中心線との距離は、大ポール10aの第2端102の外径の半分の値よりも大きい。ただし、各小リブ部531の上端と第2中心線との距離は、各小リブ部531の下端と第2中心線との距離よりも小さい。各小リブ部531の上端と第2中心線との距離は、ポール10aの第2端102の外径の半分の値と略同一であることが好ましい。
複数のリブ53の各々における小リブ部531、中リブ部532、及び大リブ部533は、第2筒部52の下端面501から第1筒部51に向かって小リブ部531、中リブ部532、及び大リブ部533の順で並んでいる。つまり、複数のリブ53の各々は、階段状に形成されている。各リブ53の下端面は第2筒部52の下端面よりも上方にある。
複数の小リブ部531の各々は、大ポール10a(図9参照)の第2端102の一部の外面と接触可能である。複数の小リブ部531のうちの1つの小リブ部531の第2筒部52の周方向における長さは、他の2つの小リブ部531の第2筒部52の周方向における長さよりも長い。複数の小リブ部531のうち第2筒部52の周方向における長さがより長い小リブ部531は、図4及び図6に示すように、2つのねじ孔514を有する。2つのねじ孔514は上下方向において一直線上に配置されている。2つのねじ孔514には、第2筒部52の外側から第2筒部52の径方向内向きにねじ64が嵌め合わされる(図5及び図7参照)。また、第2筒部52には、2つのねじ孔514のうち取付部材5の下端面501側のねじ孔514に第2筒部52の径方向において対向するねじ孔515が形成される。ねじ孔515には、第2筒部52の外側から第2筒部52の径方向内向きにねじ65が嵌め合わされる(図5参照)。
複数の小リブ部531の各々では、第2筒部52の軸方向に直交する断面において、第2筒部52の径方向の中心側の先端面が、第2筒部52の外周縁と同心円の円弧である。また、複数の小リブ部531の各々は、大ポール10aの第2端102が第2筒部52の下側の開口側から挿入され易いように、第1筒部51に向かうにつれて第2中心線との距離が徐々に小さくなっている。すなわち、複数の小リブ部531の先端面を通る円の直径は、第1筒部51に近い円ほど小さくなる。
複数の中リブ部532の下端面には、大ポール10aの第2端102の端面(上端面)103が接触可能である(図9参照)。大ポール10aが複数の中リブ部532の下端面に接触することで、大ポール10aの第2端102側における器具本体3の下向きの移動が規制される(図9参照)。
複数の中リブ部532の各々は、中ポール10cの第2端102の一部の外面と接触可能である(図9参照)。複数の中リブ部532の各々では、第2筒部52の軸方向に直交する断面において、第2筒部52の径方向の中心側の先端面が、第2筒部52の外周縁と同心円の円弧である。また、複数の中リブ部532の各々は、中ポール10cの第2端102が第2筒部52の下面の開口側から挿入され易いように、第1筒部51に向かうにつれて、第2中心線との距離が小さくなっている。すなわち、複数の中リブ部532の先端面を通る円の直径は、第1筒部51に近い円ほど小さくなる。
複数の大リブ部533の各々の下端面には、中ポール10cの第2端102の上端面103が接触可能である。中ポール10cの上端面103が複数の大リブ部533の下端面に接触することで、中ポール10cの第2端102側における器具本体3の下向きの移動が規制される(図2参照)。
複数の大リブ部533は、小ポール10bの第2端102の一部の外面と接触可能である(図11参照)。複数の大リブ部533の各々では、第2筒部52の軸方向に直交する断面において、第2筒部52の径方向の中心側の先端面が、第2筒部52の外周縁と同心円の円弧である。また、複数の大リブ部533は、小ポール10bの第2端102が第2筒部52の下面の開口側から挿入され易いように、第1筒部51に向かうにつれて、第2中心線との距離が小さくなっている。すなわち、複数の大リブ部533の先端面を通る円の直径は、第1筒部51に近い円ほど小さくなる。
複数の第2ボス55bの各々下端面には、小ポール10bの第2端102の上端面103が接触可能である。小ポール10bの上端面103が複数の第2ボス55bの下端面に接触することで、小ポール10bの第2端102側における器具本体3の下向きの移動が規制される(図11参照)。
照明器具1は、ポール10の外面と第2筒部52の内周面との間の隙間を塞ぐためのシール部材7(図2、図5、図7、及び図8参照)を備える。図2に示すように、照明器具1では、第2筒部52が小ポール10bの第2端102に取り付けられた状態において、第2筒部52の内周面と、小ポール10bの外面との間に、隙間503が生じている。シール部材7は、第2筒部52の下端面501に取り付けられることで、隙間503を塞ぐ。
以下の説明において、シール部材7は、照明器具1の取付部材5を小ポール10b(図2及び図7参照)に取り付けられた場合に生じる隙間503を塞ぐ部材として説明する。シール部材7は、図7に示すように、円筒形状の筒部72と、筒部72の下端の全周から筒部72の径方向外向きに突出する鍔部73とを備える。
シール部材7の内周面720c(図2及び図5参照)は、小ポール10bの第2端102の外面に沿った形状に形成される。シール部材7の内径は、小ポール10bの第2端102の外径と略同じである。
シール部材7は、図7、及び図8Aに示すように、2つの嵌合部材71によって構成される。2つの嵌合部材71は、同一の形状である。2つの嵌合部材71は、小ポール10bの周方向に並んで配置され、小ポール10bを全周に亘って囲む。2つの嵌合部材71における内側の面(内面720a)は、2つの嵌合部材71が互いに嵌め合わされた場合におけるシール部材7の内周面720c(図2、図5及び図7参照)の一部を構成する(図8A参照)。また、2つの嵌合部材71における外側の面(外面720b)は、2つの嵌合部材71が互いに嵌め合わされた場合におけるシール部材7の外周面720d(図2、図5及び図7参照)の一部を構成する(図8A参照)。
2つの嵌合部材71の各々は、筒部72の一部を形成する本体部720と、鍔部73の一部を形成する弧状鍔部730とを有する。嵌合部材71の各々の弧状鍔部730は、本体部720の下端の全周から本体部720の径方向外向きに突出する。弧状鍔部730は、略半円環状に形成される。2つの本体部720の各々は、第1端面72aに形成されている第1嵌合部721と、第2端面72bに形成されている第2嵌合部722とを有する。また、2つの本体部720の各々は、筒部72の軸方向に平行な方向において弧状鍔部730が形成されている第1端72cと第1端72cの反対側の第2端72dとを有する。
2つの嵌合部材71は、例えば、シリコーンゴムなどの弾性を有する樹脂材料によって形成される。第1嵌合部721は、図8Aに示すように、第1端面72aから筒部72の周方向に沿った方向に突出する。第1嵌合部721は、第1端面72aから突出する凸部である。より詳細には、第1嵌合部721は、T字状に形成されている。第1嵌合部721は、上下方向の幅が狭い幅狭部726と、幅狭部726の先端側に設けられる上下方向の幅の広い幅広部727とで構成される。第1嵌合部721は、筒部72の一径方向から見て、筒部72の周方向に沿ったT字状に形成されている。
第2嵌合部722は、第2端面72bに形成される凹部である。より詳細には、第2嵌合部722は、第2端面72bに形成されるT字状の切欠きである。第2嵌合部722は、第1嵌合部721と合致する切欠きである。第2嵌合部722は、幅狭部726が嵌る第1凹部728と、幅広部727が嵌る第2凹部729とを含む。
2つの嵌合部材71のうち一方の嵌合部材71の第1嵌合部721が他方の嵌合部材71の第2嵌合部722と嵌り合う。また、一方の嵌合部材71の第2嵌合部722が他方の嵌合部材71の第1嵌合部721と嵌り合う。このように、2つの嵌合部材71は、第1嵌合部721と第2嵌合部722とが互いに嵌り合うことで、筒部72の周方向及び軸方向に対する第1嵌合部721及び第2嵌合部722の移動を規制する。
2つの嵌合部材71の本体部720の各々は、取付部材5に保持されたねじ64とねじ65とのいずれかが挿入可能となるように、第1切欠き部723と、第2切欠き部724とを更に備える。
第1切欠き部723は、筒部72の周方向において本体部720の中央部に形成されている。第1切欠き部723は、本体部720における第2端72d側、内面720a側及び外面720b側が開放された切欠きである。第1切欠き部723の筒部72の周方向における幅はねじ64,65のそれぞれの軸部の外径よりも大きい。第1切欠き部723の第2端72dにおける開放端は、第2端72dの端面に近づくにつれて、開口が広がるように形成されている。第2切欠き部724は、筒部72の周方向に沿って、本体部720に形成される。第2切欠き部724は、第1切欠き部723における本体部720の第1端72c側で、第1切欠き部723と繋がっている。第2切欠き部724の上下方向の幅はねじ64,65のそれぞれの軸部の外径よりも大きい。
本体部720は、筒部72の周方向において、第2切欠き部724の第1切欠き部723側に形成されている突部75を更に有する。突部75は、先端側ほど筒部72の周方向の幅が狭くなるように、先細りした形状である。突部75では、第1切欠き部723側の面とは反対側の面が筒部72の軸方向に平行であり、この反対側の面と切欠き部723側の面とで決まる内角が鋭角である。突部75は、第2切欠き部724の一部を塞ぐ。図7における右側の第1嵌合部材71aは、施工時に、第1嵌合部材71aの下方から見てポール10の外面の回りで反時計回りに回転可能である。これにより、第1切欠き部723を通されていたねじ64の軸部の一部を第2切欠き部724内に収容することができる。突部75は、第2切欠き部724に軸部の一部が収容されたねじ64が第2切欠き部724から出て第1切欠き部723に入るのを抑制する。ここにおいて、突部75は、ねじ64が突部75に当たることで、第1嵌合部材71aの下方から見て時計回りに回転する第1嵌合部材71aの移動を規制する。
また、図7における左側の第2嵌合部材71bは、施工時に、第2嵌合部材71bの下方から見てポール10の外面の回りで反時計回りに回転可能である。これにより、第1切欠き部723を通されていたねじ65の軸部を第2切欠き部724内に収容することができる。突部75は、第2切欠き部724に軸部の一部が収容されたねじ65が第2切欠き部724から出て第1切欠き部723に入るのを抑制する。ここにおいて、ねじ65が突部75に当たることで、第2嵌合部材71bの下方から見て時計回りに回転する第2嵌合部材71bの移動を規制する。
例えば、ねじ64が第1切欠き部723から第2切欠き部724に移動する場合、突部75の先端がねじ64に接触しながら第2切欠き部724側に弾性変形する。突部75がねじ64から離れると、突部75の先端は、弾性によって、元の位置に戻る。ねじ64及びねじ65の各々が第2切欠き部724の各々の軸部の一部が収容されている状態において、シール部材7は、取付部材5及びポール10に保持される。また、ねじ64及びねじ65の各々が第2切欠き部724に挿入される状態において、シール部材7の脱落が防止される。
2つの弧状鍔部730の各々は、本体部720の第1端72cの外周縁の全周に亘って、筒部72の径方向外向きに突出する。図8A及び図8Bに示すように、弧状鍔部730は、第1面73aと、第2面73bと、第3面73cとを有する。第1面73aは、本体部720の外面720bと繋がっている。第1面73aは、本体部720の外面720bから離れるにつれて下方に傾斜する。ここでは、2つの弧状鍔部730の各々の第1面73aは、小リブ部531の下端面516(図4及び図6参照)に沿った形状に形成されていることが好ましい。第2面73bは、第1端72cの端面に、第1端72cの端面と平面状に繋がっている。第3面73cは、第2筒部52の下端の内周面に沿った形状である。第3面73cの曲率半径は、第2筒部52の下端の内周面の曲率半径と略同じである。2つの弧状鍔部730の各々の第2面73bには、図8Aに示すように、丸穴731が形成される。丸穴731は、嵌合部材71をポール10の外面に沿って移動させる際にドライバなどの先端を挿入させることが可能な大きさに形成されていることが好ましい。丸穴731は、筒部72の軸方向と平行な方向において、第1切欠き部723と一直線上に形成されることが好ましい。これにより、施工者が、シール部材7を取付部材5とポール10との隙間503に入れるときに第1切欠き部723とねじ64又はねじ65とを位置合わせするための目印として丸穴731を利用することができる。
図10A、図10B、図10C、図10D、及び図10Eを参照して、小ポール10bに照明器具1を取り付ける方法について説明する。下記の取付方法は、一例であって、これに限定されない。
施工者は、器具本体3における取付部材5に小ポール10bの第2端102が挿入されるように、小ポール10bの第2端102側から第1端101側に向かって器具本体3を移動させる。ここにおいて、施工者は、小ポール10bの上端面103と取付部材5の各第2ボス55bの下端面とが接触するまで、器具本体3を小ポール10bの第1端101側に向かって移動させる。このとき、小ポール10bの上端面103が第2ボス55bの下端面に接触することで、小ポール10bの第2端102の一部は、複数の大リブ部533の先端面に接触した状態で第2筒部52に収納される。小ポール10bの上端面103が複数の第2ボス55bの下端面に接触することで、小ポール10bの第1端101側に向かう方向への器具本体3の移動が規制される。
次に、施工者は、2つのねじ孔514のうち取付部材5の下端面501側のねじ孔514に保持されているねじ64を、ねじ64の先端が小ポール10bの外面に接触するまで回す。施工者は、ねじ孔515に保持されているねじ65を、ねじ65の先端が小ポール10bの外面に接触するまで回す。さらに、2つのねじ孔514のうち下端面501から離れたねじ孔514にねじ64を、ねじ64の先端が小ポール10bの外面に接触するまで回す。2つのねじ64及びねじ65がそれぞれの軸部において、ねじ孔514,515に嵌め合わされている部位を適宜変えることで、小ポール10bの軸方向と第2筒部52の軸方向とが同じになるように、器具本体3が小ポール10bに取り付けられる(図10A参照)。
次に、施工者は、2つの嵌合部材71のうち一方の嵌合部材71(以下、第1嵌合部材71aと呼ぶ)を、取付部材5の下方で小ポール10bの外面に押さえつけて、本体部720の内面720aを小ポール10bの外面に接触させる。そして、施工者は、図10Bに示すように、2つの嵌合部材71のうち他方の嵌合部材71(以下、第2嵌合部材71bと呼ぶ)の本体部720の内面720aを小ポール10bの外面に沿わせながら、第2嵌合部材71bの第1嵌合部721と第1嵌合部材71aの第2嵌合部722とを近づける。その後、施工者は、図10Cに示すように、第1嵌合部材71aと第2嵌合部材71bとを互いに嵌め合わせてシール部材7を形成し、このシール部材7を取付部材5の下方から取付部材5に近づける。
次に、施工者は、丸穴731とねじ64とが筒部72の軸方向と平行な方向において略一直線上に並ぶように位置合わせしてから、シール部材7を器具本体3の取付部材5と小ポール10bとの間の隙間503に挿入する(図10D参照)。このとき、施工者は、ねじ64及びねじ65の各々が第1切欠き部723に挿入されて、本体部720の第1端72c側における第1切欠き部723の縁部に接触するまで、シール部材7を上側に移動させる。その後、施工者は、小ポール10bの第1端101側からシール部材7を見て、シール部材7を反時計回りに回転させる(図10E参照)。このとき、施工者は、ドライバなどの先端を2つの丸穴731のうち少なくとも一方の丸穴731に挿入させて、シール部材7を小ポール10bの回りで回転させる。そして、施工者は、ねじ64及びねじ65の各々の軸部が、筒部72の周方向における第2切欠き部724の縁部に当たるまで第2切欠き部724に入れる(図7参照)。
本実施形態の照明器具1では、シール部材7を使用することで、すでに設置された小ポール10bに、器具本体3が取り付けられた状態において器具本体3を小ポール10bから取り外さずに、シール部材7で隙間503を塞ぐことができる。また、シール部材7は、互いに同じ形状の2つの嵌合部材71で構成されているので、生産性の向上が期待できる。
以上説明したように、本実施形態のシール部材7は、複数の嵌合部材71を備える。複数の嵌合部材71は、長手方向の第1端101及び第2端102を有するポール10(小ポール10b)における第2端102の外面とポール10の第2端102を覆う照明器具1においてポール10の第2端102の外面に対向する面(取付部材5における第2筒部52の内周面)との間の隙間503に配置される。複数の嵌合部材71は、互いに嵌合されることで、筒部72と筒部72の軸方向の一端(第1端)72cにおいて筒部72の周方向の全周に亘って筒部72の外方に突出する鍔部73とを有する形状となる。複数の嵌合部材71は、同一形状である。複数の嵌合部材71は、筒部72の周方向に交差する2つの端面(第1端面72a及び第2端面72b)を有する。これにより、シール部材7は、照明器具1の一部とポール10の外面(第2端102の外面)との間の隙間503を塞ぐことが可能である。
シール部材7では、複数の嵌合部材71a,71bの各々が、2つの端面のうち一方の端面である第1端面72aに形成されている第1嵌合部721を備えることが好ましい。また、複数の嵌合部材71a,71bの各々が、2つの端面のうち他方の端面である第2端面72bに形成されている第2嵌合部722を備えることが好ましい。複数の嵌合部材71a,71bのうち筒部72の周方向において隣り合う2つの嵌合部材71a,71bの一方の嵌合部材71aの第1嵌合部721と、他方の嵌合部材71bの第2嵌合部722とが嵌合可能であることが好ましい。これにより、シール部材7では、筒部72の周方向において隣り合う2つの嵌合部材71a、71bが、互いに容易に外れ難くなる。
シール部材7では、第1嵌合部721が、第1端面72aから筒部72の周方向に沿った方向に突出した凸部であり、第2嵌合部722が、第2端面72bに形成された凹部であることが好ましい。これにより、シール部材7では、筒部72の周方向いおいて隣り合う2つの嵌合部材71a、71bの上下方向における移動が規制される。
照明器具1は、ポール10に対してねじ64,65により取り付けられるように構成されていることが好ましい。シール部材7では、複数の嵌合部材71a、71bの各々は、筒部72の軸方向に平行な方向に沿って形成されており鍔部73とは反対側が開放された第1切欠き部723を備えることが好ましい。複数の嵌合部材71a、71bの各々は、嵌合部材71a、71bにおいて、周方向に沿って形成され第1切欠き部723と繋がっている第2切欠き部724を更に備えることが好ましい。第1切欠き部723及び第2切欠き部724の幅はねじ64,65の軸部の外径よりも大きいことが好ましい。これにより、シール部材7では、第2切欠き部724にねじ64及びねじ65が挿入されることにより、筒部72の軸方向と平行する方向におけるシール部材7の移動が規制される。
シール部材7では、複数の嵌合部材71a,71bの各々は、弾性体であることが好ましい。複数の嵌合部材71a,71bの各々は、第2切欠き部724における第1切欠き部723側で、第2切欠き部724の縁部から軸方向に平行する方向に突出した、突部75を更に備えることが好ましい。これにより、シール部材7では、突部75の先端がねじ64に接触しながら第2切欠き部724側に弾性変形するので、ねじ64及びねじ65が第2切欠き部724に挿入可能である。さらに、ねじ64及びねじ65が突部75に当たって、ねじ64及びねじ65が第2切欠き部724から容易に第1切欠き部723に戻ることができないので、シール部材7の脱落を防止することが可能となる。
照明器具1では、長手方向の第1端及び第2端102の外面に対向する面(取付部材5における第2筒部52の内周面)を有する器具本体3を備える。照明器具1は、器具本体3において、ポール10の第2端102の外面に対向する面と外面との隙間503に配置される上述のシール部材7を備える。これにより、照明器具1は、照明器具1の一部とポール10の外面(第2端102の外面)との間の隙間503を塞ぐことが可能である。
(変形例)
上記実施形態は、本発明の様々な実施形態の1つに過ぎない。また、上記実施形態は、本発明の目的で達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例について例示する。
変形例1では、例えば、図11を参照して、中ポール10cと照明器具1との間の隙間504を塞ぐシール部材7Aについて例示する。上記実施形態の変形例1のシール部材7Aの内径の大きさは、上記実施形態のシール部材7の内径の大きさと相違する。変形例1のシール部材7Aに関し、上述の実施形態のシール部材7と重複する構成については、同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
図11を参照して、中ポール10cにシール部材7Aを備える照明器具1を取り付ける方法について説明する。下記の取付方法は、一例である。
施工者は、器具本体3における、取付部材5に中ポール10cの第2端102が挿入されるように、中ポール10cの第2端102側から第1端101側に向かって器具本体3を移動させる。ここにおいて施工者は、中ポール10cの上端面103と取付部材5の各大リブ部533の下端面とが接触するまで器具本体3を中ポール10cの第1端101側に向かって移動させる。このとき、中ポール10cの上端面103が大リブ部533の下端面に接触することで、中ポール10cの第2端102の一部は、複数の大リブ部533の先端面に接触した状態で第2筒部52に収納される。中ポール10cの上端面103が複数の大リブ部533の下端面に接触することで、中ポール10cの第1端101側に向かう方向への器具本体3の移動が規制される。
次に、施工者は、2つのねじ孔514のうち取付部材5の下端面501側のねじ孔514に保持されているねじ64を、ねじ64の先端が中ポール10cの外面に接触するまで回す。施工者は、ねじ孔515に保持されているねじ65を、ねじ65の先端が中ポール10cの外面に接触するまで回す。さらに、2つのねじ孔514のうち下端面501から離れたねじ孔514にねじ64を、ねじ64の先端が中ポール10cの外面に接触するまで回す。2つのねじ64及びねじ65がそれぞれの軸部において、ねじ孔514,515に嵌め合わされている部位を適宜変えることで、中ポール10cの軸方向と第2筒部52の軸方向とが同じになるように、器具本体3が中ポール10cに取り付けられる。
次に、施工者は、第1嵌合部材71aを取付部材5の下方で中ポール10cの外面に押さえつけて、本体部720の内面720aを中ポール10cの外面に接触させる。そして、施工者は、第2嵌合部材71bの本体部720の内面720aを中ポール10cの外面に沿わせながら、第2嵌合部材71bの第1嵌合部721と第1嵌合部材71aの第2嵌合部722とを近づける。その後、施工者は、第1嵌合部材71aと第2嵌合部材71bとを互いに嵌め合わせてシール部材7Aを形成し、このシール部材7Aを取付部材5の下方から取付部材5に近づける。
次に、施工者は、丸穴731とねじ64とが筒部72の軸方向と平行な方向において略一直線上に並ぶように位置合わせしてから、シール部材7Aを器具本体3の取付部材5と中ポール10cとの間の隙間503に挿入する。このとき、施工者は、ねじ64及びねじ65の各々が第1切欠き部723に挿入されて、本体部720の第1端72c側における第1切欠き部723の縁部に接触するまで、シール部材7Aを上側に移動させる。その後、施工者は、中ポール10cの第1端101側からシール部材7を見て、シール部材7Aを反時計回りに回転させる。このとき、施工者は、ドライバなどの先端を2つの丸穴731のうち少なくとも一方の丸穴731に挿入させて、シール部材7Aを中ポール10cの回りで回転させる。そして、施工者は、ねじ64及びねじ65の各々の軸部が、筒部72の周方向における第2切欠き部724の縁部に当たるまで第2切欠き部724に入れる。
変形例のシール部材7A及びそれを備える照明器具1では、シール部材7Aが中ポール10cと器具本体3との間に生じる隙間504を塞ぐように形成される。したがって、シール部材7Aは、大ポール10aの外径よりも小さく、小ポール10bの外径よりも大きいポール(中ポール10c)の外面(第2端102の外面)との間の隙間504を塞ぐことが可能である。
また、例えば、シール部材7は、3つ以上の嵌合部材で構成されてもよい。
また、シール部材7の筒部72の形状は、ポールの形状によって、上述の実施形態の筒部72の形状と異なる形状に形成されてもよい。また、本体部720の外面720b、弧状鍔部730の第1面73a、第2面73b、及び第3面73cの形状は、上述の実施形態の第1面73a、第2面73b、及び第3面73cの形状と異なる形状に形成されてもよい。また、鍔部73の形状は、照明器具1の内面の形状によって、実施形態の鍔部73の形状と異なる形状に形成されてもよい。
嵌合部材71の第1嵌合部721と第2嵌合部722の形状は、上述の実施形態の形状に限定されない。変形例の嵌合部材71は、例えば、第1端面72aの端面から、筒部72の周方向に沿った方向に突出する半円形状の凸部が形成されてもよい。また、第2嵌合部722は、第2端面72bを半円形状の切欠きでもよい。
また、照明器具1では、ねじ孔514の数は、2つに限定されず1つでもよい。また、ねじ孔514は、中リブ部532及び大リブ部533に形成されてもよい。
また、シール部材7は、シール部材7以外が照明器具1と同様の構成を有する既設の照明器具に対して適用することができる。