以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一又は相当する部分については、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった配置や向き等は、説明の便宜上、そのように記しているだけであって、装置、器具、部品等の配置や向き等を限定するものではない。装置、器具、部品等の構成について、その材質、形状、大きさ等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
実施の形態1.
本実施の形態に係る装置の構成、本実施の形態に係る装置の組み立て手順、本実施の形態の効果を順番に説明する。
***構成の説明***
図1から図11を参照して、本実施の形態に係る装置である照明装置900の構成を説明する。
照明装置900は、埋め込み穴に埋め込まれて使用される。
図1、図2及び図3に示すように、照明装置900は、枠体100と、照明ユニット300とを備える。枠体100は、埋め込み穴が設けられた天井等の被取り付け部に取り付けられる。照明ユニット300は、枠体100に着脱可能に取り付けられる。
図4、図5及び図6に示すように、枠体100は、ツバ部110と、立ち上がり部120と、傾斜部170とを備える。ツバ部110は、被取り付け部に形成される円形の埋め込み穴の縁部に当接する。立ち上がり部120は、ツバ部110から略垂直方向に立ち上がる。立ち上がり部120には、3つの取り付けバネ200が取り付けられる。また、立ち上がり部120には、第1穴150及び第2穴160が設けられる。傾斜部170は、ツバ部110の内側に斜め方向に形成され、略中央部に円形状の開口部171を有する。
ツバ部110は、リング状に形成されている。具体的には、ツバ部110は、被取り付け部に設けられた埋め込み穴の径よりも外径が大きく内径が小さくなるように環状に形成されている。
立ち上がり部120は、枠部130と、3つの取り付けバネ保持部140とを有する。枠部130は、円周方向に連続して形成される。取り付けバネ保持部140は、枠部130の外周の3箇所に形成される。枠部130の外周の1箇所には、枠部130の内周に貫通する第1穴150が形成される。枠部130の外周の第1穴150に対向する箇所の両側には、枠部130の内周に貫通する第2穴160が1つずつ形成される。
枠部130の中心軸を基準とする円周方向において、3つの取り付けバネ保持部140のうち、1つの取り付けバネ保持部140が形成される位置を0度の位置としたとき、残りの2つの取り付けバネ保持部140が形成される位置は、それぞれ120度及び240度の位置である。第1穴150が形成される位置は、120度よりも大きく、240度よりも小さい角度の位置であり、望ましくは、180度の位置である。2つの第2穴160のうち、一方の第2穴160が形成される位置は、0度よりも大きく、120度よりも小さい角度の位置であり、望ましくは、10度以上30度以下の角度の位置である。他方の第2穴160が形成される位置は、240度よりも大きく、360度よりも小さい角度の位置であり、望ましくは、330度以上350度以下の角度の位置である。2つの第2穴160が形成される位置は、0度の位置から同じ角度だけ離れていることが望ましい。
上記のように、取り付けバネ保持部140は、等間隔に3つ以上設けられることが望ましい。第1穴150は、いずれか2つの取り付けバネ保持部140の中間に1つ設けられることが望ましい。第2穴160は、第1穴150と向き合う位置に1つ、或いは、その位置から両側に少しずれた位置に1つずつ設けられることが望ましい。なお、取り付けバネ保持部140、第1穴150、第2穴160の位置及び個数は、適宜変更することができる。具体的には、取り付けバネ保持部140は、取り付けバネ保持部140に取り付けられる取り付けバネ200が、後述する電源端子台540と干渉しない2つ以上の位置に設けられていればよい。取り付けバネ保持部140は、望ましくは、等間隔に2つ以上設けられる。第1穴150は、取り付けバネ保持部140の位置と重複しない1つ以上の位置に設けられていればよい。第2穴160は、取り付けバネ保持部140及び第1穴150の位置と重複しない1つ以上の位置に設けられていればよい。第1穴150及び第2穴160が1つずつ設けられる場合、第1穴150は、望ましくは、第2穴160と対向する位置に設けられる。第1穴150が1つ、第2穴160が2つ設けられる場合、第1穴150は、望ましくは、2つの第2穴160の中間位置と対向する位置に設けられる。
取り付けバネ200は、長手状かつ平板状の金属板が長手方向の少なくとも1箇所で鋭角に折り曲げられて形成される板バネである。取り付けバネ200の長手方向の一端は、取り付けバネ保持部140に取り付けられる。取り付けバネ200の長手方向の他端は、被取り付け部の埋め込み穴に引っ掛けられるように屈曲している。この屈曲した部分によって、照明装置900を被取り付け部に仮止めしたり、照明装置900の落下を防止したりすることができる。
傾斜部170は、椀状又は円錐形グラス状に形成される傾斜面180を有する。傾斜面180は、後述する光源からの光を反射する反射面になっている。
図4、図5、図6、図7及び図8に示すように、照明ユニット300は、光源ユニット400と、電源ユニット500とを備える。
光源ユニット400は、光源モジュール410と、取り付け部材420と、取り付け補助部材430と、固定カバー440と、バネ450と、ネジ460と、光透過性カバー470と、絶縁シート480とを備える。
取り付け部材420には、光源モジュール410が取り付けられる。取り付け補助部材430は、取り付け部材420への光源モジュール410の取り付けを補助する。固定カバー440は、取り付け補助部材430を固定するとともに、光源モジュール410を取り付け部材420に固定する。バネ450は、外側に突出するように固定カバー440に取り付けられる。ネジ460は、固定カバー440を取り付け部材420に締結する。光透過性カバー470は、透明又は半透明である。即ち、光透過性カバー470は、透光性を有する。光透過性カバー470は、固定カバー440に取り付けられ、光源モジュール410の発光部を覆う。
光源モジュール410は、表面実装型(SMD)の複数のLED411と、これら複数のLED411が実装される基板412とを有する。なお、LED411は、表面実装型に限らず、チップオンボード(COB)のLED等、他の種類のLEDであってもよい。また、LED411に代えて、有機EL又はレーザといった他の種類の光源が用いられてもよい。
取り付け部材420は、板状である。取り付け部材420は、光源モジュール410が取り付けられる光源取り付け部421と、光源取り付け部421の外郭に形成される突出部422とを有する。なお、光源取り付け部421の周囲には、固定カバー440を締結するためのネジ穴423、取り付け補助部材430を取り付けるための1対の穴424等が形成される。
取り付け部材420は、取り付け面425を有する。固定カバー440は、取り付け面425に取り付けられる。後述するように、固定カバー440には、開口部442が設けられる。光源モジュール410は、固定カバー440と取り付け部材420との間に挟まれた状態で取り付け面425の中心を含む領域に固定され、固定カバー440の開口部442を通して光を照射する。取り付け補助部材430は、取り付け面425の光源モジュール410が固定された領域に隣接する位置に、光源モジュール410の位置決めのために設置される。
図9及び図10に示すように、取り付け補助部材430は、弓状に形成された板材であり、一方の面の両端側に形成される取り付け凸部431と、他方の面の略中央に形成される固定凸部432とを有する。取り付け補助部材430は、取り付け部材420に取り付けられ、アーチ状に形成された内側面である案内面433に光源モジュール410を当接させることで、光源モジュール410が取り付け部材420の決まった位置に取り付けられるように光源モジュール410の取り付けをガイドする。
取り付け補助部材430は、さらに、固定凸部432が形成される面と同じ面から立ち上がって途中で折り返すように形成される第1凸部434を有する。第1凸部434は、バネ性を有する。第1凸部434は、具体的には、U字状に形成される弾性部435と、弾性部435の先端付近に形成され、第1穴150に引っ掛けられる係止凸部436とを有する。第1凸部434は、いわゆるスナップフィットと呼ばれる構造であり、弾性部435の弾性力によって係止凸部436が第1穴150に挿入された状態を保つことで、照明ユニット300を枠体100に固定する。
取り付け補助部材430の案内面433は、取り付け面425に対して垂直に延びて光源モジュール410の側面の一部に接することで、取り付け面425への光源モジュール410の取り付けを案内する。これにより、取り付け面425における光源モジュール410の位置決めが行われる。本実施の形態において、光源モジュール410の側面の一部は、外側に膨らんだ形状である。案内面433は、この光源モジュール410の側面の外側に膨らんだ形状に合わせて内側に凹んでいる。そのため、光源モジュール410を取り付け面425へ取り付ける作業がスムーズに行える。
取り付け面425には、前述した1対の穴424が設けられる。取り付け補助部材430の1対の取り付け凸部431が、これら1対の穴424に嵌ることで、取り付け補助部材430が取り付け面425に固定される。
固定カバー440の取り付け面425に対向する対向面446には、溝447が設けられる。取り付け補助部材430の固定凸部432が、この溝447に嵌ることで、取り付け補助部材430が対向面446に固定される。なお、溝447の代わりに、穴が設けられてもよい。
固定カバー440の側面には、切り欠き448が設けられる。取り付け補助部材430は、一部が固定カバー440の側面の切り欠き448から外側に露出する。取り付け補助部材430の第1凸部434は、取り付け補助部材430の外側に露出した部分に配置される。
固定カバー440は、略中央が円形状に開口したカバー本体部441と、カバー本体部441の開口部442の周縁部から立設するように形成される内壁部443と、カバー本体部441の外周部から立設するように形成される外壁部444とを有する。固定カバー440は、さらに、外壁部444の一部が凹んで形成され、1対のバネ450が取り付けられる1対のバネ取り付け部445を有する。
固定カバー440の対向面446と反対側の面には、3つの凸部449が設けられる。2つの凸部449は、バネ取り付け部445の端部を囲み、残りの1つの凸部449は、溝447の端縁部を囲む。照明ユニット300が机上等に置かれる際には、これらの凸部449が机上面等に接し、光透過性カバー470が机上面等に接して傷付くことを防止する。
図11に示すように、バネ450は、長手状かつ平板状の金属板が長手方向の複数箇所で折り曲げられて形成される板バネである。バネ450は、コ字状に屈曲させて形成されたコ字状部451と、コ字状部451の一端付近が切り起こされて斜めに突出するように形成され、バネ取り付け部445に嵌る係止部452とを有する。バネ450は、さらに、コ字状部451の他端から延びて長手方向の少なくとも1箇所が屈曲するように形成され、第2穴160に引っ掛けられる第2凸部453を有する。第2凸部453は、弾性力によって一部が第2穴160に挿入された状態を保つことで、照明ユニット300を枠体100に固定する。
本実施の形態では、取り付け補助部材430の第1凸部434が立ち上がり部120の第1穴150に引っ掛かるとともに、バネ450の第2凸部453が立ち上がり部120の第2穴160に引っ掛かることで、照明ユニット300が枠体100に確実に固定される。なお、第2凸部453は、固定カバー440に取り付けられるバネ450に形成される代わりに、固定カバー440の一部として形成されてもよい。即ち、光源ユニット400は、バネ450に限らず、任意の部材の一部として、第2穴160に引っ掛かる第2凸部453を有していればよい。
光透過性カバー470は、透光性を有する樹脂で形成された円形状の板材であり、外周部から一方の面に対して略垂直となるように突出する2つの爪部471を有する。光透過性カバー470は、開口部442の周囲に設けられた穴である固定部491に爪部471が嵌り込むことで、固定カバー440の開口部442を覆うように固定カバー440に取り付けられる。
絶縁シート480は、光源モジュール410と取り付け部材420との間に配置される。
電源ユニット500は、電源収納ケース510と、電源回路部520と、金属プレート530と、電源端子台540と、ネジ550と、放熱フィン560とを備える。
電源収納ケース510は、取り付け部材420に取り付けられる有底の円筒形状のケースである。電源回路部520は、電源収納ケース510に収納され、光源モジュール410に電力を供給する。金属プレート530は、電源収納ケース510の開口部分を塞ぐように電源収納ケース510に取り付けられる。電源端子台540は、金属プレート530に取り付けられ、電源回路部520と電線を介して電気的に接続される。ネジ550は、金属プレート530を電源収納ケース510に締結する。放熱フィン560は、電源収納ケース510の外周部に取り付けられる。
***組み立て手順の説明***
本実施の形態に係る装置である照明装置900の組み立て手順を説明する。
照明ユニット300は、以下のように組み立てられる。
まず、取り付け部材420を電源収納ケース510にスポット溶接し、電源収納ケース510に電源回路部520を挿入する。電源回路部520が収納された電源収納ケース510の開口部分の周縁部に金属プレート530をネジ550で締結し、金属プレート530に電源端子台540を取り付ける。
次に、取り付け部材420に取り付け補助部材430を取り付け、取り付け補助部材430によってガイドされるように取り付け補助部材430に光源モジュール410を当てて、光源モジュール410を取り付け部材420の決められた位置に取り付ける。次に、バネ450を固定カバー440のバネ取り付け部445に取り付けた状態で、固定カバー440が光源モジュール410及び取り付け補助部材430に覆いかぶさるように、固定カバー440を取り付け部材420に取り付ける。固定カバー440をネジ460で締結し、光透過性カバー470を固定カバー440に取り付ける。
照明ユニット300は、以下のように枠体100に取り付けられる。
図12に示すように、照明ユニット300を水平にした状態で、枠体100の立ち上がり部120に挿入していく。このとき、取り付け補助部材430の第1凸部434が立ち上がり部120の第1穴150に対して上方に位置し、バネ450の第2凸部453が立ち上がり部120の第2穴160に対して上方に位置するようにする。照明ユニット300を押し下げると、第1凸部434及び第2凸部453が立ち上がり部120の内壁によって押圧され、弾性変形する。照明ユニット300をさらに押し下げると、第1凸部434及び第2凸部453がそれぞれ第1穴150及び第2穴160に到達したところで弾性力を発揮して元の形状に戻り、それぞれ第1穴150及び第2穴160に嵌る。これにより、照明ユニット300が枠体100に固定される。
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態では、取り付け面425の光源モジュール410が固定された領域に隣接する位置に、光源モジュール410の位置決めのための取り付け補助部材430が設置される。このため、本実施の形態によれば、光源ユニット400を組み立てやすくなる。
本実施の形態では、取り付け補助部材430の一部が固定カバー440の側面の切り欠き448から外側に露出しており、この露出した部分に、照明ユニット300を枠体100に固定する機構の少なくとも一部が設けられる。具体的には、取り付け補助部材430の外側に露出する部分に、枠体100の第1穴150に引っ掛かる第1凸部434が設けられる。このため、本実施の形態によれば、単一の部材である取り付け補助部材430によって、取り付け面425における光源モジュール410の位置決めと、枠体100への照明ユニット300の固定との両方を行うことができる。
固定カバー440の側面には、取り付け補助部材430の外側に露出する部分に合わせて、切り欠き448が設けられる。このため、本実施の形態によれば、取り付け補助部材430によって、固定カバー440の位置決めも行うことができる。
本実施の形態では、スナップフィット構造を採用することによって、照明ユニット300を枠体100に対して上方から挿入する際に、第1凸部434及び第2凸部453をそれぞれ第1穴150及び第2穴160に略同時に嵌めることができる。このため、照明ユニット300を枠体100に取り付ける際の作業性が向上する。
取り付け部材420は、固定カバー440と別体になっているため、固定カバー440の材質と異なる材質とすることができる。具体的には、取り付け部材420の材質を弾性のある部材とすることができる。また、取り付け部材420をグレー、赤等、固定カバー440と異なる色にすることによって、第1凸部434を目立たせることができる。
固定カバー440は、照明ユニット300におけるリフレクタの機能を兼ねており、光源モジュール410から照射される光、及び、光透過性カバー470を透過せずに内部に反射した光を反射させて光透過性カバー470の外側に出射させることができる。これにより、光の取り出し効率が高まる。固定カバー440の反射率を光源モジュール410の基板412の反射率以上とすると、特にLED411が発する光を反射させて光透過性カバー470の外側に出射させやすくなるため、光の取り出し効率がより一層高まる。
***他の構成***
本実施の形態では、第1凸部434及び第2凸部453がそれぞれ第1穴150及び第2穴160に引っ掛かることで、照明ユニット300が枠体100に固定されるが、第1凸部434と第1穴150との位置関係、或いは、第2凸部453と第2穴160との位置関係が逆でもよい。即ち、第1凸部434が立ち上がり部120に設けられ、第1穴150が取り付け補助部材430に設けられてもよい。また、第2凸部453が立ち上がり部120に設けられ、第2穴160がバネ450又は固定カバー440等に設けられてもよい。
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図13、図14及び図15に示すように、本実施の形態では、取り付け補助部材430が第1凸部434を有しておらず、取り付け部材420の突出部422が、第1凸部に相当する。即ち、本実施の形態では、実施の形態1における取り付け補助部材430の第1凸部434の代わりに、取り付け部材420の突出部422が、立ち上がり部120の第1穴150に引っ掛けられる。そのため、第1穴150は、高さ方向において取り付け部材420と同じ位置、即ち、実施の形態1に比べて高い位置に設けられている。
照明ユニット300の組み立て手順については、実施の形態1のものと同じである。
照明ユニット300は、以下のように枠体100に取り付けられる。
図16に示すように、照明ユニット300を斜めにした状態で、取り付け部材420の突出部422を立ち上がり部120の第1穴150に挿入する。次に、突出部422を中心として照明ユニット300が回転するように、照明ユニット300を押し下げると、第2凸部453が立ち上がり部120の内壁によって押圧され、弾性変形する。照明ユニット300をさらに押し下げると、第2凸部453が第2穴160に到達したところで弾性力を発揮して元の形状に戻り、第2穴160に嵌る。これにより、照明ユニット300が枠体100に固定される。
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図17は、光透過性カバー470が固定カバー440に取り付けられる前の状態を示している。図18は、光透過性カバー470が固定カバー440に取り付けられた後の状態を示している。なお、図17及び図18では、ハッチングを省略している。
実施の形態1と同じように、固定カバー440には、光源モジュール410からの光を通すための開口部442が設けられている。
本実施の形態において、固定カバー440は、光源モジュール410がある側と反対側に立ち上がるリブ492を有する。リブ492は、開口部442の周縁に沿って形成されている。具体的には、リブ492は、カバー本体部441から立ち上がり、円形状の開口部442の周縁に沿って環状に形成されている。即ち、リブ492は、開口部442の周縁の全周に亘って設けられている。
光透過性カバー470は、固定カバー440のリブ492に囲まれ固定カバー440の開口部442を覆っている状態で固定カバー440に固定されている。光透過性カバー470が固定カバー440のリブ492に囲まれている状態とは、光透過性カバー470の外周面が固定カバー440から露出していない状態のことである。光透過性カバー470の外周面が露出していなければ、ユーザが光透過性カバー470の外周面を掴んで光透過性カバー470を取り外すことはできない。したがって、本実施の形態によれば、光透過性カバー470を取り外しにくくすることができる。
固定カバー440のリブ492の内周壁の高さ寸法H1と、光透過性カバー470の外周壁の高さ寸法H2は、H1>H2という関係である。即ち、リブ492の内周壁は、光透過性カバー470の外周壁よりも高さ寸法が大きい。したがって、本実施の形態によれば、リブ492が光透過性カバー470の外周面を確実に隠すことができる。なお、リブ492の内周壁と光透過性カバー470の外周壁との間にユーザが指を入れられないようにするため、リブ492の内周壁と光透過性カバー470の外周壁との隙間の幅は、1センチメートル以下であることが望ましい。
実施の形態1と同じように、固定カバー440の開口部442の周囲には、複数の固定部491が形成されている。それぞれの固定部491は、穴である。光透過性カバー470は、複数の爪部471を有し、これら複数の爪部471が固定カバー440の複数の固定部491に引っ掛けられることで固定カバー440に固定されている。爪部471及び固定部491の数は、それぞれ2つである。2つの爪部471は、光透過性カバー470の中心を挟んで互いに対向する位置に設けられている。具体的には、2つの爪部471は、光透過性カバー470の中心から互いに逆方向に等距離離れた位置に設けられている。2つの固定部491は、固定カバー440の開口部442の中心を挟んで互いに対向する位置に設けられている。具体的には、2つの固定部491は、開口部442の中心から互いに逆方向に等距離離れた位置に設けられている。なお、爪部471及び固定部491の数は、同数であれば、それぞれ3つ以上でもよい。3つ以上の爪部471は、同一円周上で等間隔に配置されることが望ましい。3つ以上の固定部491も、同一円周上で等間隔に配置されることが望ましい。
本実施の形態では、光透過性カバー470が、2つの爪部471とは逆方向に突出するリブ472を有する。リブ472は、光透過性カバー470の外周に沿って形成されている。具体的には、リブ472は、円板状の光透過性カバー470から立ち上がり、光透過性カバー470の外周に沿って環状に形成されている。即ち、リブ472は、光透過性カバー470の外周の全周に亘って設けられている。
光透過性カバー470のリブ472の立ち上がりの先端473は、固定カバー440のリブ492の立ち上がりの先端493よりも低い位置にある。即ち、光透過性カバー470のリブ472は、固定カバー440のリブ492の立ち上がりの先端493よりも低い位置まで立ち上がっている。このため、リブ472の外周壁を含む光透過性カバー470の外周壁の高さ寸法H2を、固定カバー440のリブ492の内周壁の高さ寸法H1よりも小さく抑えることができる。
このように、本実施の形態では、光透過性カバー470が固定カバー440のカバー本体部441に取り付けられた後、ユーザは、固定カバー440のリブ492に指が当たるので、工具等がなければ光透過性カバー470を取り外すことができなくなる。よって、ユーザが光透過性カバー470を取り外すことを防止でき、内部に設けられる電子部品をユーザが直接触れないようにすることができる。
また、本実施の形態では、照明ユニット300が机上等に置かれる際には、固定カバー440のリブ492が机上面等に接し、光透過性カバー470が机上面等に接して傷付くことを防止する。
実施の形態4.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図19及び図20を参照して、固定カバー440及び光透過性カバー470の構成を説明する。
実施の形態1と同じように、固定カバー440には、光源モジュール410からの光を通すための開口部442が設けられている。光透過性カバー470は、固定カバー440の開口部442を覆っている状態で固定カバー440に固定される。
本実施の形態において、光透過性カバー470は、少なくとも1つの凸部474と、別の少なくとも1つの凸部475とを有する。凸部474,475の数は、それぞれ任意の数でよく、同数でなくてもよいが、本実施の形態ではそれぞれ2つである。
固定カバー440の開口部442の周囲には、固定部491と、少なくとも1つの凹部494と、別の固定部491と、別の少なくとも1つの凹部495とが開口部442の周縁に沿って順番に設けられている。具体的には、円形状の開口部442の周縁に沿って、開口部442の中心に対して0度の位置に固定部491、45度から135度の範囲内に少なくとも1つの凹部494、180度の位置に別の固定部491、225度から315度の範囲内に少なくとも1つの凹部495が設けられている。
固定部491では、光透過性カバー470が固定されている。実施の形態1と同じように、固定部491は、穴である。光透過性カバー470は、この固定部491に引っ掛けられる爪部471を有する。
別の固定部491でも、光透過性カバー470が固定されている。実施の形態1と同じように、別の固定部491も、穴である。光透過性カバー470は、この別の固定部491に引っ掛けられる別の爪部471を有する。
凹部494の数は、光透過性カバー470の凸部474の数と同じであり、本実施の形態では2つである。2つの凹部494には、光透過性カバー470の2つの凸部474が嵌っている。本実施の形態では、凸部474が円柱状のボスであり、凹部494が丸穴であるが、凸部474が凹部494に嵌ることができれば、凸部474及び凹部494の形状は適宜変更可能である。具体例として、凸部474は多角柱状でもよい。凹部494は多角形の穴でもよい。
凹部494と同様に、凹部495の数は、光透過性カバー470の凸部475の数と同じであり、本実施の形態では2つである。2つの凹部495には、光透過性カバー470の2つの凸部475が嵌っている。凸部475及び凹部495の形状については、凸部474及び凹部494の形状と同様である。
本実施の形態において、光透過性カバー470の2つの爪部471は、光透過性カバー470の中心を挟んで互いに対向する位置に設けられている。具体的には、2つの爪部471は、光透過性カバー470の中心から互いに逆方向に等距離離れた位置に設けられている。そして、2つの爪部471を通る円周上において、2つの凸部474が、2つの爪部471を結ぶ直線の片側に位置するように設けられ、別の2つの凸部475が、2つの爪部471を結ぶ直線の別の片側に位置するように設けられている。
固定カバー440の構成は、光透過性カバー470の構成に対応している。即ち、本実施の形態において、固定カバー440の2つの固定部491は、開口部442の中心を挟んで互いに対向する位置に設けられている。具体的には、2つの固定部491は、開口部442の中心から互いに逆方向に等距離離れた位置に設けられている。そして、2つの固定部491を通る円周上において、2つの凹部494が、2つの固定部491を結ぶ直線の片側に位置するように設けられ、別の2つの凹部495が、2つの固定部491を結ぶ直線の別の片側に位置するように設けられている。
なお、爪部471及び固定部491の数は、同数であれば、それぞれ3つ以上でもよい。3つ以上の爪部471は、同一円周上で等間隔に配置されることが望ましい。3つ以上の固定部491も、同一円周上で等間隔に配置されることが望ましい。3つ以上の爪部471を通る円周上において、隣接する各2つの爪部471の間には、凸部が少なくとも1つずつ設けられることが望ましい。3つ以上の固定部491を通る円周上において、隣接する各2つの固定部491の間には、対応する凸部が嵌る凹部が少なくとも1つずつ設けられることが望ましい。
図21及び図22を参照して、実施の形態3で光透過性カバー470にリブ472を設けることにより得られる効果、及び、実施の形態4で光透過性カバー470に凸部474,475を設けることにより得られる効果を説明する。
図21の(a)、(b)及び(c)は、光透過性カバー470が固定カバー440に固定されている状態における、光透過性カバー470に対するインパクトハンマー試験のシミュレーション結果を示している。光透過性カバー470の爪部471が設けられた面において、矢印が描かれている領域は、反対面の中心に衝撃が加えられたときに作用する応力が大きい領域である。矢印の先の領域は、反対面の中心に衝撃が加えられたときに作用する応力が小さい領域である。
図21の(a)に示すように、光透過性カバー470にリブ472も凸部474,475も設けられていない場合、固定カバー440の2つの固定部491に引っ掛かっている2つの爪部471を結ぶ直線に対して垂直方向に応力がかかる。そのため、光透過性カバー470が割れやすい。
図21の(b)に示すように、光透過性カバー470にリブ472が設けられている場合、固定カバー440の2つの固定部491に引っ掛かっている2つの爪部471を結ぶ直線に対して垂直方向にかかる応力が低減される。そのため、光透過性カバー470が割れにくくなる。即ち、光透過性カバー470の耐衝撃性が高まる。
図21の(c)に示すように、光透過性カバー470に凸部474,475が設けられている場合、2つの爪部471が固定カバー440の2つの固定部491に引っ掛かっているだけでなく、2つの凸部474と別の2つの凸部475とが2つの凹部494と別の2つの凹部495とに嵌っている。その中心部分から放射状に力が分散され、光透過性カバー470が割れにくくなる。即ち、光透過性カバー470の耐衝撃性が高まる。なお、光透過性カバー470の凸部475、及び、固定カバー440の凹部495が設けられず、光透過性カバー470に凸部474、及び、固定カバー440の凹部494のみが設けられている場合でも、一定の効果が得られる。
光透過性カバー470にリブ472と凸部474,475との両方が設けられていてもよい。即ち、実施の形態4において、光透過性カバー470は、光透過性カバー470の外周に沿って形成され、少なくとも1つの凸部474と反対側に立ち上がるリブ472を有していてもよい。その場合、より一層高い効果が得られる。
図22は、光透過性カバー470の中央部分の凹み量と、リブ472の高さと、ボスである凸部474,475の有無との関係を纏めたものである。この図によれば、凸部474,475がない場合、光透過性カバー470の中央部分の凹み量を抑制するためには、リブ472の高さを高くする必要があるが、凸部474,475がある場合、リブ472の高さによらず、光透過性カバー470の中央部分の凹み量を抑制できることが分かる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらの実施の形態のうち、いくつかを組み合わせて実施しても構わない。或いは、これらの実施の形態のうち、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施しても構わない。具体的には、これらの実施の形態の説明において「部」として説明するもののうち、いずれか1つのみを採用してもよいし、いくつかの任意の組み合わせを採用してもよい。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。