(実施形態1)
以下では、本実施形態のLEDユニット10について、図1ないし図19を参照しながら説明する。また、本実施形態のLEDユニット10を備えた照明器具30は、図20ないし図23を用いて説明する。なお、図1は、図3のAA断面を示している。図中においては、同じ部材に対し、同じ番号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態のLEDユニット10は、図1および図2に示すように、ベース1と、発光装置3と、電線4と、ホルダ2と、カバー部材9とを備えている。ベース1は、板状の外形形状をしている。発光装置3は、ベース1の第1表面1aa側に配置される。発光装置3は、図示していないLEDチップを光源とする発光部3aを有している。電線4は、発光装置3に給電できるように発光装置3と電気的に接続される。ホルダ2は、発光装置3をベース1に固定する。カバー部材9は、透光性を有しており、発光装置3の発光面側に配置される。カバー部材9は、ベース1に取り付けられる。ホルダ2は、環状の基部2mと、基部2mの内周からベース1に向かって突出する内周壁2gとを備えている。内周壁2gは、発光部3aを囲んで発光装置3に当接する。内周壁2gは、発光部3aからの光を反射する第1反射面2gaを有している。さらにホルダ2は、基部2mと内周壁2gとベース1との間に電線4の一部を収納する空間2bを有している。
本実施形態のLEDユニット10は、ホルダ2の内周壁2gが第1反射面2gaを有し、内周壁2gが発光部3aを囲んで発光装置3に当接し、ホルダ2が電線4の一部を収納する空間2bを有することで、機能性を維持しつつ、部品点数を減らすことが可能となる。
以下では、本実施形態のLEDユニット10の構成について、より具体的に説明する。
LEDユニット10は、円板状のベース1と、ベース1に設けられたスペーサ6とを有している。スペーサ6は、中央に円形形状の開口部6bを備えた環形形状としている。スペーサ6は、スペーサ6の外形をベース1の外形よりも、若干小さい形状としている。ベース1は、スペーサ6を収納配置するための凹所1eを備えている。ベース1は、凹所1eの内底面の中央部から突出する突台部1fを備えている。突台部1fは、平面視において円形状に形成されている。突台部1fは、スペーサ6の開口部6bから露出するように設けられている。突台部1fは、先端面1faに発光装置3を載せ置くことが可能としている。発光装置3は、図示していない放熱グリスを介して先端面1faに当接させることができる。発光装置3は、給電用の電線4と端子部3cで電気的に接続する。凹所1eの内底面には、矩形状の発光装置3の短手方向の両側において、第1ボス1rが突出している。第1ボス1rは、孔1dが形成されている。孔1dは、ホルダ2をベース1に取り付けるための組立ねじ23dをねじ締めする。LEDユニット10は、発光装置3の長手方向の両側に第1ボス1rが配置される場合に比べて、ホルダ2の内周壁2gを小さくすることができる。
ベース1は、図2に示すように、ベース1の周部から外方に突出する突出部1bを有している。突出部1bは、ベース1の厚み方向に貫通する挿通孔1b1を備えている。突出部1bは、たとえば、図20に示すように、取付ねじ10aをベース1の第1表面1aa側から挿通孔1b1に挿通させ、照明器具30の器具本体31にLEDユニット10を着脱自在に取り付けるために用いることができる。ベース1は、LEDユニット10の外部へ電線4を導出するため、ベース1の周部に切り欠き部1cを備えている。切り欠き部1cは、LEDユニット10の外部へ導出する電線4の方向を、ベース1の厚み方向に沿った方向と、ベース1の第2表面1abに沿った方向との間で変更させることができる。すなわち、LEDユニット10は、切り欠き部1cから導出した電線4を、ベース1の厚み方向に沿った方向と、ベース1の第2表面1abに沿った方向との間で任意の方向に導出することが可能となる。また、切り欠き部1cは、切り欠き部1cから導出した電線4をベース1の厚み方向に沿った方向へ導出した場合、電線4がベース1の外周よりも内側に配置されるように形成されている。これにより、照明器具30は、たとえば、器具本体31を円筒状に形成する場合、器具本体31の内径をLEDユニット10のベース1の外形寸法と同程度の寸法に設定することが可能となり小型化を図ることが容易となる。
ベース1は、円形状としているが、これに限らず、たとえば、多角形状であってもよいし、楕円形状であってもよい。ベース1は、たとえば、アルミダイキャスト製とし、突台部1fを一体的に備えることができる。ベース1は、アルミニウムを用いるだけに限らず、樹脂に比べて熱伝導性の高い材料として、たとえば、銅やステンレスなどの金属材料により形成してもよい。突台部1fは、ベース1と一体的に形成する場合だけでなく、ベース1と別体に形成してもよい。LEDユニット10は、ベース1を樹脂に比べて熱伝導性の高いアルミニウムとしている場合、発光装置3で発生した熱を、ベース1の突台部1fを通して外部に放熱することが可能となる。
ホルダ2は、図7に示すように、平面視において、環状に形成することができる。ホルダ2は、環状の中央部の窓孔部2aから発光装置3の発光部3aを露出させる。窓孔部2aを形成する内周壁2gは、発光装置3の光軸方向において、発光装置3から離れるにつれ開口面積が徐々に大きくなるように形成していることが好ましい。内周壁2gは、発光部3aから放射された光が有底円筒状のカバー部材9における筒状部9jに照射されることを抑制することができる。ホルダ2は、ベース1とカバー部材9との間に配置される。ホルダ2は、カバー部材9の本体部9aに収納配置される。LEDユニット10は、非透光性のホルダ2を用いることで、カバー部材9の透光性をより高めても、ホルダ2自体がホルダ2をベース1に固定する組立ねじ23dや電線4がLEDユニット10の外部から見えることを抑制できる。
また、LEDユニット10は、ホルダ2により、切り欠き部1cから光が漏れることを抑制することを可能としている。LEDユニット10は、切り欠き部1cから漏れる光により生ずる輝度むらを抑制し、LEDユニット10から出射する光の均斉度の低下を抑制することも可能となる。
ホルダ2は、発光装置3の端子部3cと電気的に接続された電線4を収納する空間2bを、ベース1側に設けている。また、ホルダ2は、図1、図11ないし図13に示すように、ホルダ2の背面側に内周壁2gが突出している。内周壁2gの壁端部2eは、発光装置3を押圧し、ホルダ2とベース1との間で発光装置3を保持することができる。ホルダ2は、ベース1との間隔を保持するために、ベース1に向かって突出する複数の第2ボス2pを備えていることが好ましい。ホルダ2は、ベース1の孔1dに対応する部位に取付部2dを備えている。取付部2dは、ホルダ2の背面側から挿通された組立ねじ23dがねじ込まれる。
ホルダ2は、たとえば、熱可塑性の樹脂により形成することができる。ホルダ2は、熱可塑性の樹脂として、PBT(poly butylene terephthalate)樹脂を用いることができる。ホルダ2は、樹脂材料に白色顔料を含有させて形成してもよい。ホルダ2は、内周壁2gで発光部3aからの光を反射できるように第1反射面2gaを有している。第1反射面2gaは、内周壁2gの表面をそのまま利用してもよいし、内周壁2gの表面に金属膜を形成することにより構成してもよい。ホルダ2は、光を反射する機能を備えることにより、発光装置3からの光を有効利用できる。ホルダ2は、内周壁2gに第1反射面2gaを有することで、別部品を追加することなく、発光装置3から放射される光の配光を制御することができる。ホルダ2は、基部2mの外周からベース1に向かって突出する外周壁2fを備えている。外周壁2fは、電線4を外部に導出する導出部2cを有している。ホルダ2は、内周壁2gと基部2mと外周壁2fとで囲まれた内部が電線4を導出部2cに導く通路を構成している。導出部2cは、外周壁2fに設けた開口と、開口を覆うように外周壁2fから突出させた部位とを備えた構成とすることができる。導出部2cは、ベース1の切り欠き部1cに対応する位置に配置される。導出部2cは、カバー部材9の鍔部9bに設けた第1スリット9fに嵌め合わせることができる構成としている。なお、導出部2cは、必ずしも突出させた部位が必要ではなく、外周壁2fに設けた開口だけで構成してもよい。
ところで、LEDユニット10は、照明器具30の器具本体31に取り付ける際、電線4がベース1の第2表面1ab側に折り曲げられる場合だけでなく、第1表面1aa側に曲げられる場合もある。LEDユニット10では、カバー部材9に応力が掛れば、カバー部材9の変形により、外部に放射される光の光学特性が変化する虞が有る。LEDユニット10は、第1スリット9fを有していることで、導出部2cの変形量を、より大きくすることが可能となる。LEDユニット10は、ホルダ2で電線4の曲げ応力を受ける場合、カバー部材9の変形を抑制し、光学的な影響を低減させることも可能となる。また、LEDユニット10は、導出部2cを第1スリット9fに嵌めることによって、カバー部材9の位置合わせを行うことが容易となる。
ホルダ2は、電線4の応力を、より緩和できるように、導出部2cが弾性変形可能であることが好ましい。ホルダ2は、導出部2cが弾性変形可能な場合、電線4の曲りに伴うホルダ2の窓孔部2aの形状変形を抑制することが可能となる。さらに、LEDユニット10は、電線4がホルダ2側に折り曲がる曲り量が大きい場合でも、導出部2cの破損を抑制することも可能となる。
ホルダ2は、電線4がホルダ2側に変位した際に力を受ける導出部2cと発光装置3の中心とを結ぶ仮想の線分上に、取付部2dを設けることが好ましい。LEDユニット10は、ホルダ2側に電線4が変位した際に力を受ける導出部2cと、発光装置3の中心とを結ぶ仮想の線分上に取付部2dを設けていることで、電線4の曲げ応力が直接的に発光装置3に掛かり難い構造としている。これにより、LEDユニット10は、発光装置3に掛かる応力をより低減し、LEDユニット10の信頼性を高めることが可能となる。
発光装置3は、複数個のLEDチップを具備する発光部3aと、発光部3aが形成される実装基板3bとで構成されている。発光部3aは、複数個のLEDチップと、LEDチップを覆う封止部3dとを有していることが好ましい。発光部3aは、複数個のLEDチップを電気的に直列接続しているが、並列接続してもよいし、直並列接続してもよい。発光部3aは、複数個のLEDチップの配列方向に沿ってライン状に形成することができる。発光装置3は、複数の発光部3aを平行に並べて構成している。図2に示す発光装置3では、6個の発光部3aを備えている。発光部3aは、LEDチップに、青色LEDチップを用いることができる。発光部3aは、封止部3dの透光性封止材料に、青色LEDチップから放射される青色光により励起されてブロードな黄色光を放射する黄色蛍光体からなる蛍光体を混合することができる。発光部3aは、青色LEDチップから放射される青色光と、黄色蛍光体から放射される黄色光との混色により白色光を得る白色LEDを構成することができる。ここで、透光性封止材料は、たとえば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスなどを用いることができる。なお、発光部3aの蛍光体は、黄色蛍光体に限らず、たとえば、赤色蛍光体と緑色蛍光体とを用いてもよい。また、発光部3aは、近紫外LEDチップと、赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体とを組み合わせて、白色光が発光可能な白色LEDを構成してもよい。さらに、発光部3aは、赤色LEDチップと緑色LEDチップと青色LEDチップとを組み合わせて、白色光が発光可能な白色LEDを構成してもよい。
実装基板3bは、たとえば、金属ベースプリント配線板を用いて形成することができる。実装基板3bは、LEDチップと電気的に接続された端子部3cを備えている。端子部3cは、所定の形状に形成した導体により構成されている。実装基板3bは、金属ベースプリント配線板だけに限らず、たとえば、セラミック基板、ガラスエポキシ基板などを用いて形成してもよい。また、端子部3cは、図示していないが半田からなる接合部により、電線4と電気的に接続する。LEDユニット10は、一対の電線4,4のうち、一方の電線4が発光装置3のプラス側(図2の紙面の右側)の端子部3cに接続されている。また、LEDユニット10は、他方の電線4が発光装置3のマイナス側(図2の紙面の左側)の端子部3cに接続されている。実装基板3bは、電線4の誤接続を防止するために、端子部3cの近傍に極性を示す“+”、“−”を表記してある。LEDユニット10は、給電用の電線4として、発光装置3に電気的に接続されるリード線を用いている。LEDユニット10は、リード線を保護する被覆カバー4eを適宜に備えることが好ましい。実装基板3bは、一表面側(図2の紙面の上側)に、発光部3aおよび端子部3c以外の部位を覆う白色のレジスト層などからなる反射層を形成していることが好ましい。反射層は、発光部3aから放射された光が実装基板3bに吸収されるのを抑制することができる。実装基板3bは、放熱グリスを介して先端面1faに当接させる場合、実装基板3bや先端面1faの表面に凹凸があっても、効率よく熱伝導させることができる。
放熱グリスは、たとえば、シリコーン樹脂中に金属粒子やセラミックス粒子を含有した構成とすることができる。放熱グリスは、実装基板3bと突台部1fとの密着性を高めることができる。LEDユニット10は、放熱グリスを用いることで、発光装置3で生じた熱をベース1に効率よく熱伝導させることができる。LEDユニット10は、放熱グリスを用いる場合だけでなく、発光装置3とベース1との間に放熱シートを設けてもよい。
放熱シートは、電気絶縁性と熱伝導性に優れ、弾性力を有するエラストマー材料を用いることができる。放熱シートは、たとえば、シリコーンゲルシートを使用することができる。シリコーンゲルシートは、ゲル状で架橋密度が低いシリコーン樹脂を用いて構成されている。放熱シートは、シリコーンゲルシートだけでなく、アクリル樹脂材料を用いてもよい。また、放熱シートは、粘着性を備えさせ接着シートとして機能させてもよい。
スペーサ6は、スペーサ6の開口部6bの周りに実装基板3bを収容する矩形状の収容部6gを備えている。スペーサ6は、発光装置3の実装基板3bを収容部6gに載せ置くことが可能としている。収容部6gは、LEDユニット10の組立途中に振動などが加わっても、発光装置3がスペーサ6との間で位置ずれが生ずることを抑制できる。スペーサ6は、ベース1と一体に構成してもよいし、別体に構成してもよい。スペーサ6は、ベース1と別体に構成する場合、たとえば、熱可塑性の樹脂により形成することができる。スペーサ6は、熱可塑性の樹脂として、たとえば、PBT樹脂を用いることができる。スペーサ6は、樹脂材料により形成することで、複雑な形状を比較的簡単に形成することができる。スペーサ6は、ベース1と発光装置3との電気絶縁性を高めることができる。収容部6gは、発光装置3の厚み、発光装置3の大きさや形状に合わせて、形状や深さを適宜に設定すればよい。スペーサ6は、ベース1の第1ボス1rと嵌め合わせ可能な孔部6dを有している。孔部6dは、矩形状の収容部6gにおける長手方向に沿って、長手方向の中央部に設けている。
スペーサ6は、表面6aaから第1リブ6ha、第2リブ6hb、第3リブ6hcおよび第4リブ6hdが突出している。スペーサ6は、第1リブ6ha、第2リブ6hb、第3リブ6hcおよび第4リブ6hdが、ベース1の切り欠き部1c側に配置されるように凹所1eに載せ置かれる。スペーサ6は、一方の電線4を第1リブ6haと第3リブ6hcとの間で挟み持つことができるように構成している。また、スペーサ6は、他方の電線4を第2リブ6hbと第4リブ6hdとの間で挟み持つことができるように構成している。なお、スペーサ6は、第1リブ6ha、第2リブ6hb、第3リブ6hcおよび第4リブ6hdを1組として、開口部6bを介して対向する位置にもう1組備えていることが好ましい。これにより、LEDユニット10は、ベース1の凹所1eにスペーサ6を載せ置く際の作業性を向上させることができる。
LEDユニット10は、発光装置3に電気的に接続された電線4を、スペーサ6において保持することによって、別部品を追加することなく、電線4の張力止め機能を付与することが可能となる。言い換えれば、LEDユニット10は、電線4に作用する張力を低減するための別部品が不要であり、低コストで電線4の張力止め機能を付与することが可能となる。また、LEDユニット10は、電線4に作用する張力を低減することができるので、電線4と発光装置3の端子部3cとを接合する接合部に応力が作用して断線するのを抑制することができる。
カバー部材9は、発光装置3を保護することができる。カバー部材9は、発光装置3から放射された光を効率よく透過させる透光性を有している。カバー部材9は、たとえば、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂などの透光性材料により形成することができる。カバー部材9は、図2に示すように、全体として有底円筒状の形状をしている。カバー部材9は、本体部9aと、鍔部9bとを有している。本体部9aは、有底円筒状の外形形状をしている。本体部9aは、ベース1側が開口され、ベース1の外周線よりも内側に配置された発光装置3を覆うように構成している。鍔部9bは、本体部9aの周部9dから外方へ延びるように形成されている。鍔部9bは、ベース1の外形を覆うことができるように形成している。カバー部材9は、本体部9aおよび鍔部9bの全体が透光性を備えている。本体部9aは、光出射部9hと、筒状部9jとで構成することができる。光出射部9hは、ベース1から遠い一端側を塞ぐ円形状に形成させている。光出射部9hは、発光部3aからの光を外部へ出射させることができる。筒状部9jは、光出射部9hと滑らかに連続するように形成させることができる。本体部9aは、光出射部9hおよび筒状部9jの厚みを略同一として形成している。なお、筒状部9jは、開口の端部側から一端部側にかけて内径が徐々に小さくなる円錐筒状に形成している。カバー部材9は、光出射部9hの厚み方向において、発光装置3に向かうにつれ外方に広がる突部9kを筒状部9jに有している。突部9kは、図1に示すように、ホルダ2の基部2mよりも前方に設けている。突部9kは、カバー部材9の周囲を積極的に光らせて周囲をぼんやり明るいグラディエーションが生じるように見せることができる。
カバー部材9は、図16に示すように、本体部9aの周部9dからベース1側に突出する第3ボス9g1を有している。第3ボス9g1は、たとえば、円柱状に形成することができる。カバー部材9は、たとえば、本体部9aの周部9dに沿って4個の第3ボス9g1を設けている。ベース1には、カバー部材9の第3ボス9g1に対応して、第3ボス9g1を貫通させる貫通孔1pが設けられている。LEDユニット10は、第3ボス9g1の先端部の熱変形によりかしめられて、カバー部材9がベース1に取り付けられる。ベース1の第2表面1abには、第3ボス9g1の先端部を熱変形させた、かしめ部9gが形成される。ベース1は、かしめ部9gを収納する収納部1jを備えている。収納部1jは、ベース1の第2表面1abからかしめ部9gが突出しない深さ寸法が設定されている。
カバー部材9は、かしめ部9gによって、ベース1に取り付けられる構造だけでなく、組立ねじなどを用いて、ベース1に取り付けられてもよい。また、カバー部材9は、封止材によって、ベース1に取り付けられてもよい。LEDユニット10は、図示していない封止材により、ベース1側とカバー部材9とを封止することによって、LEDユニット10内への水分や不純物などの侵入を抑制する構成とすることもできる。なお、LEDユニット10は、かしめ部9gを用いてカバー部材9をベース1に固定する場合、ねじを用いて固定するものと比較して、カバー部材9の歪みに起因する配光特性の劣化や均斉度の低下を抑制することができる。かしめ部9gは、カバー部材9をベース1に対してねじを用いることなく取り付けることが可能となるので、ねじの緩みなどの懸念がなくなる。
また、カバー部材9の鍔部9bは、ベース1を覆って固定している。LEDユニット10は、カバー部材9全体が透光性を有する場合、図示していないが、発光装置3の発光面側から見てベース1における鍔部9bの投影面を覆うようにスペーサ6を形成していてもよい。鍔部9bは、ベース1の突出部1bの各々に対応する部位に、取付ねじ10aをカバー部材9の一表面側(図1の紙面の上面側)から挿通する半円状の第2スリット9cを備えていることが好ましい。したがって、LEDユニット10は、ベース1をカバー部材9側から照明器具30の器具本体31に着脱自在に取り付けることが可能となる。LEDユニット10は、図18ないし図23に示すように、鍔部9bを覆う化粧カバー21を備えていることが好ましい。LEDユニット10は、環状の化粧カバー21により、カバー部材9を通して各取付ねじ10a,10aが見えるのを防止することが可能となり、外観の意匠性を高めることが可能となる。
化粧カバー21は、たとえば、弾性を有するシリコーン樹脂を用いて形成することができる。化粧カバー21は、弾性を有することにより、カバー開口21aの開口径を拡げてカバー部材9の突部9kを挿通させ、鍔部9b側の筒状部9jに設けられた保持部9mで保持される。また、化粧カバー21は、弾性を有することで、カバー部材9と比較的簡単に着脱することができる。化粧カバー21は、たとえば、黒や白色に着することで、取付ねじ10aが外部から見え難くすることができる。化粧カバー21は、たとえば、シリコーン樹脂に拡散材を含有させることで乳白色に形成することもできる。化粧カバー21は、完全な遮光性を有してもよいし、透光性を有してもよい。化粧カバー21は、カバー部材9の突部9kから放射された光が表面で反射できるように構成してもよい。LEDユニット10は、化粧カバー21により、カバー部材9の筒状部9jから出射される光の均斉度を、より高めることも可能となる。
LEDユニット10は、第1スリット9fから導出部2cが露出していることで、導出部2cは器具本体31へのLEDユニット10の着脱の際に電線4の位置を知らせる目印とすることができる。LEDユニット10は、電線4が折り曲げられて正面側から見えない場合、目印を有することで、組み立ての作業性を向上させることも可能となる。LEDユニット10は、電線4においてベース1の切り欠き部1cから導出した先端部に第1コネクタ4aを設けていることが好ましい。第1コネクタ4aは、図示していないが電源ユニットに電気的に接続されている電源線の先端部に設けられた電源ユニット側の第2コネクタと着脱自在に接続することができる。したがって、LEDユニット10は、電線4の先端部に、電源ユニット側の第2コネクタと着脱自在に接続可能な第1コネクタ4aが設けられているので、器具本体31へのLEDユニット10の着脱時の接続作業を容易に行うことができる。また、LEDユニット10は、電線4の先端部に第1コネクタ4aが設けられるとともに、ベース1をカバー部材9側から照明器具30の器具本体31に着脱自在に取り付けることができる。これにより、ユーザは、比較的簡単にLEDユニット10を交換することが可能となる。
以下では、上述のLEDユニット10の組立工程について、説明する。
まず、LEDユニットの組立工程では、ベース1の凹所1eにスペーサ6を載せ置く。ベース1は、スペーサ6の開口部6bにより突台部1fが露出する。次に、組立工程では、突台部1f上に放熱グリスを塗布する。LEDユニット10の組立工程では、スペーサ6の収容部6gに収容し、発光装置3を突台部1fに載せる。
次に、LEDユニット10の組立工程では、電線4をスペーサ6の第1リブ6haと第3リブ6hcとの間あるいは第2リブ6hbと第4リブ6hdとの間で挟み持たせる。電線4と実装基板3bの端子部3cとは、半田などの接合部で電気的に接続させる。続いて、組立工程では、ホルダ2を発光装置3に被せ、ホルダ2の窓孔部2aから発光装置3の発光部3aを露出させる。電線4は、ホルダ2の空間2bを利用した通路により、導出部2cまで引き回されている。
そして、LEDユニット10の組立工程においては、組立ねじ23dをベース1の第2表面1ab側からベース1の孔1dに挿通し、スペーサ6の孔部6dを介して、ホルダ2の取付部2dにねじ止めさせる。LEDユニット10は、組立ねじ23dのねじ止めにより、ベース1とホルダ2とで発光装置3を挟み込んで固定する。LEDユニット10は、組立ねじ23dをホルダ2の取付部2dにねじ止めさせる際に発光装置3にかかる応力を放熱グリスにより緩和できるので、発光装置3に不要な応力がかかることを抑制することが可能となる。その後、ホルダ2の外周壁2fから突出した導出部2cと、カバー部材9に設けた第1スリット9fとの位置を合わせて、カバー部材9とホルダ2の導出部2cとを嵌め合わせることによりカバー部材9をベース1側に配置する。次に、カバー部材9から突出する第3ボス9g1を熱変形させてかしめ部9gを構成する。
カバー部材9をベース1に取り付ける場合、カバー部材9の第3ボス9g1をベース1の貫通孔1pに挿通させる。次に、第3ボス9g1の先端部は、ベース1の第2表面1ab側から図示していない加工治具により、加熱しながら押圧する。加工治具は、表面が窪んだ曲面を備えており、第3ボス9g1の先端部を熱変形させてベース1の貫通孔1pよりも広げる。第3ボス9g1は、最終的には加工治具の曲面に応じた半球状の形状となる。LEDユニット10は、かしめ部9gによりカバー部材9とベース1とを、かしめて固定することができる。
こうして組み立てられたLEDユニット10を備える照明器具30について、図20ないし図23を参照しながら説明する。
照明器具30は、上述のLEDユニット10と、LEDユニット10が着脱自在に取り付けられた金属製の器具本体31とを備えている。照明器具30は、器具本体31を金属製としてあるので、樹脂製の場合に比べて、LEDユニット10の発光装置3で発生した熱を、ベース1および器具本体31を通して効率よく放熱させることが可能となる。なお、器具本体31の材料としては、アルミニウムを採用しているが、アルミニウム以外の金属を採用してもよい。器具本体31は、アルミニウム以外の金属材料として、たとえば、銅や銅合金を用いることができる。また、器具本体31の材料は、金属以外の材料でもよい。器具本体31は、金属以外の材料として、たとえば、セラミックスなどを用いることができる。
器具本体31は、LEDユニット10を着脱が自在に取り付けることができるように構成されている。具体的に説明すると、器具本体31は、ベース1の挿通孔1b1の各々に対応する部位に、取付ねじ10aを螺合する取付ねじ孔(図示せず)を形成している。
図20に示した構成の照明器具30は、たとえば、天井材に埋め込み配置されるダウンライトである。この照明器具30の器具本体31は、LEDユニット10が収納配置される有底円筒状のボディ部31aと、ボディ部31aの開口部から外方へ延びるように形成された外鍔部31bとを有する。また、器具本体31は、天井材に貫設された埋込穴に埋め込まれ、外鍔部31bが天井材の下面における埋込穴の周部に当接する形で天井材に取り付けられる。なお、照明器具30は、外鍔部31bとの間に天井材における埋込穴の周部を挟み持つことができるように、図示していない取付ばねを器具本体31に設けてもよい。器具本体31は、底部31cのLEDユニット10が配置された表面と反対側に収納配置部31eを備えている。収納配置部31eは、図示していない電源ユニットを収納することができる。器具本体31は、必ずしも収納配置部31eを備える必要はなく、電源ユニットを器具本体31から離して配置してもよい。底部31cは、図示していない引出孔を備えている。引出孔は、導出部2cから外部に導出した電線4および第1コネクタ4aを収納配置部31e内へ引き出すことができる。
すなわち、図20の照明器具30は、LEDユニット10と、LEDユニット10が着脱自在に取り付けられた器具本体31とを備えている。照明器具30は、様々な形態の器具本体31に取り付け可能なLEDユニット10を備えた構成とすることができる。
(実施形態2)
図24に示す本実施形態のLEDユニット10は、図1に示すLEDユニット10とカバー部材9の形状を変更し、内カバー部8を備えた点が主として相違する。なお、実施形態1と同様の構成には、同一の符号を付して説明は省略する。
本実施形態のLEDユニット10は、図24および図25に示すように、ホルダ2とカバー部材9との間に内カバー部8を備えている。内カバー部8は、発光装置3の発光面側から見て発光部3aを囲む環状形状であって、発光部3aからの光を反射する第2反射面8gaを有している。内カバー部8の内周の端部8eは、ホルダ2の基部2mと密着している。ホルダ2は、内カバー部8と当接して内カバー部8の位置決めを行う位置決め部2hを有している。
本実施形態のLEDユニット10は、カバー部材9の形状を変更し、カバー部材9とホルダ2との間に内カバー部8を備えた以外は、実施形態1のLEDユニット10と同じ構成としている。LEDユニット10は、異なる形状の内カバー部8やカバー部材9を組み合わせるだけで、実施形態1のLEDユニット10と異なる配光特性を得られるように構成している。
カバー部材9は、発光装置3からの光を集光や拡散させるため、レンズ機能を備えている。カバー部材9は、内底面9abにレンズ部を形成している。レンズ部は、同心円状の複数のレンズを有するフレネルレンズで構成することにより、凸レンズで構成する場合と比較して光出射部9hの厚みを薄くすることができる。カバー部材9は、内底面9abにレンズ部を形成するだけでなく、外底面9aaにレンズ部を形成してもよい。
内カバー部8は、周壁8aと、脚部8bとを備えている。周壁8aは、外端部8fから端部8eに向かって円錐状に窪んだ環状形状に形成している。内カバー部8は、環状の中央部に窓孔8aaを有している。脚部8bは、外端部8fから周端部8hに向かって延びる筒状形状に形成している。内カバー部8は、たとえば、合成樹脂や金属材料により形成することができる。
LEDユニット10は、カバー部材9が内カバー部8の外端部8fをホルダ2側に押し圧しているので、内カバー部8の端部8eとホルダ2の基部2mとを密着させることができる。LEDユニット10は、内カバー部8の端部8eと、ホルダ2の基部2mとが密着していることで、発光部3aからの放射された光が、端部8eと基部2mとの間から漏れることを抑制することができる。また、LEDユニット10は、内カバー部8の周端部8hがホルダ2の位置決め部2hと嵌め合わさることで、ホルダ2の径方向に位置ずれが生ずることを抑制できるように構成している。LEDユニット10は、第2反射面8gaを適宜に設計することにより、カバー部材9のレンズ部に光を反射させて、光を集光して外部に照射させることができる。