以下では、本実施形態のLEDユニット10について、図1ないし図15を参照しながら説明する。また、本実施形態のLEDユニット10を備えた照明器具12は、図16ないし図23を用いて説明する。なお、図中において、同じ部材に対しては、同じ番号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態のLEDユニット10は、板状のベース1と、LEDチップ(図示せず)を光源としベース1の第1表面1aa側に配置される発光装置3と、発光装置3に電気的に接続された給電用の電線4とを備えている。LEDユニット10は、発光装置3と電線4とをベース1に固定するホルダ2と、発光装置3の発光面側に配置されベース1に取り付けられた透光性のカバー部材20とを備えている。本実施形態のLEDユニット10では、電線4は、ベース1から外部へ導出されている(図2を参照)。また、ホルダ2は、発光面側から見て、電線4に沿って外方へ突出する、突出部2cを有している。
本実施形態のLEDユニット10は、図24に示すLEDユニット110と同様に、給電用の電線4を導出する方向を変更することができる(図2の太矢印を参照)。本実施形態のLEDユニット10は、図7に示す太矢印で示す方向への電線4の変位によって生ずるカバー部材20への応力を、突出部2cで緩和することが可能となる。本実施形態のLEDユニット10は、図24に示すLEDユニット110と比較して、電線4によりカバー120に応力が掛かることを抑制するカバー抑え部材121を備えていない分だけ部品点数を減らすことも可能となる。
すなわち、本実施形態のLEDユニット10は、機能性を維持しつつ、LEDユニット10の部品点数を減らすことが可能となる。
以下では、本実施形態のLEDユニット10の構成について、より具体的に説明する。
本実施形態のLEDユニット10では、円板状のベース1と、ベース1の第1表面1aa側に設けられたスペーサ6とを有している。スペーサ6は、内部に矩形形状の開口部6bを備えた環形形状としている。スペーサ6は、スペーサ6の外形をベース1の外形よりも、若干小さい形状としている。LEDユニット10は、スペーサ6の開口部6bを通して、放熱シート9をベース1に当接させている。放熱シート9は、電気絶縁性および熱伝導性を有している。
LEDユニット10は、ベース1の第1表面1aa側となる放熱シート9上に、発光装置3を配置している。LEDユニット10は、発光装置3に電気的に接続された給電用の電線4と、発光装置3と電線4とをベース1に固定するホルダ2とを備えている。ホルダ2は、ホルダ2の中央部に、発光装置3の発光部3aを露出させる窓孔部2aを備えている。ホルダ2は、たとえば、有底円筒状形状のものを用いることができる。ホルダ2は、ホルダ2の外周部に突出部2cを有している。LEDユニット10は、発光装置3の発光面側に配置されベース1に取り付けられた透光性のカバー部材20を備えている。カバー部材20は、有底円筒状の本体部20aと、本体部20aの周部に設けられた環状の鍔部20bとを備えている。
ベース1は、発光装置3を固定可能なものである。本実施形態のLEDユニット10では、ベース1の形状を円形状としているが、これに限らず、たとえば、多角形状であってもよいし、楕円形状であってもよい。ベース1は、アルミダイキャスト製のベース1を用いて形成することができる。なお、ベース1は、樹脂に比べて熱伝導性の高い材料として、アルミニウムだけに限らず、たとえば、銅やステンレスなどの金属材料により形成してもよい。
ベース1は、図1に示すように、ベース1の周部に、複数(図示例では、2つ)の挿通孔1bを設けている。挿通孔1bは、たとえば、図20に示すように、取付ねじ10aをベース1の第1表面1aa側から挿通し、照明器具12の器具本体11にLEDユニット10を着脱自在に取り付けるために用いることができる。
ベース1は、発光装置3に電気的に接続された一対の電線4,4をLEDユニット10の外部へ導出するため、ベース1の周部に導出部1cを設けている。導出部1cは、ベース1の周部に形成された切欠き部により、構成することができる。本実施形態のLEDユニット10では、導出部1cは、ベース1の周部においてベース1の第1表面1aa、側面および第2表面1abが開放されている。
導出部1cは、一対の電線4,4をLEDユニット10の外部へ導出する方向を、ベース1の第2表面1ab側と、ベース1の第2表面1abに沿った方向との間で変更することが可能となる。また、導出部1cは、この導出部1cから導出した一対の電線4,4をベース1の第2表面1abに直交する方向側へ導出した場合に、一対の電線4,4がベース1の外周線よりも内側に配置されるように形成されている。
したがって、本実施形態のLEDユニット10は、導出部1cから導出した一対の電線4,4をベース1の第2表面1ab側および側方へ導出することが可能となる。本実施形態のLEDユニット10では、導出部1cから導出した一対の電線4,4をベース1の第2表面1abに直交する方向側へ導出した場合に、一対の電線4,4がベース1の外周線よりも内側に配置されるように導出部1cを形成している。そのため、照明器具12は、たとえば、器具本体11を円筒状に形成する場合、器具本体11の最小径をLEDユニット10のベース1の外形寸法と同程度の寸法に設定することが可能となり小型化を図ることが容易となる。
また、ベース1は、図1に示すように、ベース1の導出部1cの内側面1gとベース1の第1表面1aaとの間に、面取り部1kを形成されていることが好ましい。本実施形態のLEDユニット10は、ベース1に面取り部1kが形成されている場合、各電線4をベース1の第2表面1ab側に曲げた時に各電線4にかかる応力を低減することが可能となる。また、LEDユニット10は、電線4をベース1の第2表面1ab側に曲げた時に各電線4にかかる応力を低減することができるので、各電線4を断線するのを防止することが可能となる。なお、面取り部1kは、C面取り部としてあるが、これに限らず、たとえば、R面取り部などであってもよい。
ホルダ2は、発光装置3と電線4とをベース1に固定可能なものである。ホルダ2は、発光装置3に電気的に接続された各電線4の一部を、ベース1の第1表面1aa側で収納することが可能に構成している。ホルダ2は、たとえば、環状に形成することができる。ホルダ2は、環状の中央部を窓孔部2aとして利用することができる。ホルダ2の窓孔部2aは、発光装置3の光軸方向において、発光装置3の近傍から離れるにつれ開口面積が徐々に大きくなる内周壁2gを有していることが好ましい。窓孔部2aの内周壁2gは、発光部3aから放射された光が有底円筒状のカバー部材20における筒状部20jに照射されることを抑制することが可能となる。これにより、LEDユニット10は、LEDユニット10の側面側から放射される光の輝度むらを、少なくすることが可能となる。
本実施形態のLEDユニット10では、ホルダ2は、ベース1とカバー部材20との間に配置されている。ホルダ2は、カバー部材20の本体部20aに収納配置される。LEDユニット10は、カバー部材20の透光性を高めつつ、ホルダ2を非透光性とすることができる。これにより、LEDユニット10は、ホルダ2自体がホルダ2をベース1に固定する各組立ねじ23d,23dおよび各電線4がLEDユニット10の外部から見えるのを抑制することが可能となる。
また、本実施形態のLEDユニット10は、ホルダ2により、導出部1cから光が漏れることを抑制することが可能としている。本実施形態のLEDユニット10は、導出部1cから漏れる光により生ずる輝度むらを抑制し、LEDユニット10から出射する光の均斉度の低下を抑制することもできる。
ホルダ2は、発光装置3の各端子部3cの各々に電気的に接続された各電線4に干渉するのを防止する空洞部2bを、ベース1側に設けていることが好ましい。また、ホルダ2は、ベース1側となるホルダ2の背面(図2の右側の面)側で突出した複数(ここでは、4つ)の押え板部2eを有している(図2および図10を参照)。ホルダ2は、押え板部2eにより、ベース1側に発光装置3を押さえ、ベース1との間で保持することができる。ホルダ2は、押え板部2eが板状に形成されている。本実施形態のLEDユニット10では、ホルダ2の押え板部2eの形状を板状としているが、これに限らず、たとえば、柱状など種々の形状とすることができる。さらに、ホルダ2は、ベース1の各ねじ孔1dに対応する部位に、組立ねじ23dをホルダ2の上記背面側(図1では、下面側)から螺子合いするための取付部2dを備えている。
ホルダ2は、たとえば、熱可塑性の樹脂により形成することができる。ホルダ2は、熱可塑性の樹脂として、PBT(poly butylene terephthalate)樹脂を用いることができる。ホルダ2は、樹脂材料に白色顔料を含有させて形成してもよい。また、ホルダ2は、窓孔部2aの内周壁2gで発光装置3からの光を反射できるように、内周壁2gに金属膜を形成してもよい。ホルダ2は、光を反射する機能を備えることにより、発光装置3からの光を有効利用することが可能となる。
ホルダ2は、ホルダ2の外周部2fから突出する突出部2cを備えている。突出部2cは、ベース1の導出部1cに対応する位置に配置される。
ところで、LEDユニット10は、照明器具12の器具本体11に取り付ける際、電線4がベース1の第2表面1ab側に折れ曲げられる場合だけでなく、第1表面1aa側に曲げられる場合もある。LEDユニット10では、カバー部材20に応力が掛れば、カバー部材20の変形により、発光装置3からの光の光学特性が変化する虞が有る。
本実施形態のLEDユニット10は、電線4がホルダ2側に折れ曲がって変位した場合(図7の太矢印を参照)でも、カバー部材20への応力が掛かることを抑制することができる。LEDユニット10は、ホルダ2で電線4の曲げ応力を受けているため、カバー部材20の変形を抑制し、光学的な影響を抑制することも可能となる。
本実施形態のLEDユニット10は、突出部2cをホルダ2が有することで、カバー押え部材121を省略して、部品点数を少なくすることが可能となる。
さらに、LEDユニット10では、カバー部材20の鍔部20bは、突出部2cが嵌るスリット20fを有していることが好ましい。本実施形態のLEDユニット10では、スリット20fにより、突出部2cの変位量を、より大きくすることが可能となる。また、LEDユニット10は、突出部2cをスリット20fに嵌めることによって、カバー部材20の位置合わせを行うことも可能となる。
ホルダ2は、電線4の応力を緩和できるように、ホルダ2の突出部2cが弾性を有していることが好ましい。これにより本実施形態のLEDユニット10は、突出部2cの変位量を、更に大きくすることが可能となる。また、ホルダ2は、突出部2cが弾性を有していると、電線4の曲りに伴うホルダ2の窓孔部2aの形状変形を抑制することが可能となる。さらに、本実施形態のLEDユニット10は、電線4がホルダ2側に折れ曲がった変位量が大きい場合でも、突出部2cの破損を抑制することも可能となる。
LEDユニット10では、電線4がホルダ2側に曲がった場合、図8に示す太矢印Z方向に力が掛かる場合がある。
ホルダ2は、電線4がホルダ2側に変位した際に受ける力点(図8および図12のa点)と発光装置3の中心(図12のb点)とを結ぶ仮想の線分上に、ベース1に取り付ける取付部2dを設けている(図10を参照)。なお、図12では、電線4がホルダ2側に変位した際に受ける力点と、発光装置3の中心とを結ぶ仮想の線分に沿った両矢印を例示している。LEDユニット10では、ホルダ2側に電線4が変位した際に受ける力点aと、発光装置3の中心とを結ぶ仮想の線分上にベース1に取り付ける取付部2dを設けていることで、電線4の曲げ応力が直接的に発光装置3に掛かり難い構造としている。これにより、本実施形態のLEDユニット10は、発光装置3に掛かる応力を、より低減しLEDユニット10の信頼性を高めることが可能となる。
ここで、ホルダ2をベース1に取り付ける場合は、まず、ホルダ2の窓孔部2aから発光装置3の発光部3aを露出させるとともに、発光装置3をベース1とホルダ2とで挟持させる。そして、LEDユニット10の組み立て時においては、組立ねじ23dをベース1の第2表面1ab側からベース1のねじ孔1dに挿通し、スペーサ6のねじ孔部6dを介して、ホルダ2の取付部2dに螺合させる。これにより、LEDユニット10では、ホルダ2がベース1に取り付けられる。なお、ベース1と発光装置3との間には、スペーサ6および放熱シート9を、予め配置していればよい。
本実施形態のLEDユニット10は、組立ねじ23dをねじ孔1dに螺合させる際に発光装置3にかかる応力を放熱シート9により緩和することが可能となるので、発光装置3に不要な応力がかかるのを抑制することが可能となる。
発光装置3は、複数個のLEDチップを具備する発光部3aと、発光部3aが形成される実装基板3bとで構成されている。ここにおいて、複数個のLEDチップは、直列接続されているが、並列接続してもよいし、直並列接続してもよい。
発光部3aは、複数個のLEDチップと、これら複数個のLEDチップを囲みLEDチップからの光を反射する周壁部3eと、周壁部3e内のLEDチップを覆う封止部3dとを有していることが好ましい。発光部3aは、LEDチップに、青色LEDチップを用いることができる。発光部3aは、封止部3dの透光性封止材料に、青色LEDチップから放射される青色光により励起されてブロードな黄色光を放射する黄色蛍光体からなる蛍光体を混合することができる。発光部3aは、青色LEDチップから放射される青色光と、黄色蛍光体から放射される黄色光との混色により白色光を得る白色LEDを構成することができる。ここで、透光性封止材料は、たとえば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスなどを用いることができる。なお、発光部3aの蛍光体は、黄色蛍光体に限らず、たとえば、赤色蛍光体と緑色蛍光体とを用いてもよい。また、発光部3aは、近紫外LEDチップと、赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体とを組み合わせて、白色光が発光可能な白色LEDを構成してもよい。さらに、発光部3aは、赤色LEDチップと緑色LEDチップと青色LEDチップとを組み合わせて、白色光が発光可能な白色LEDを構成してもよい。
実装基板3bは、たとえば、金属ベースプリント配線板を用いて形成することができる。実装基板3bは、発光部3aに電気的に接続された一対の端子部3c,3cを形成している。各端子部3cは、所定のパターンの形状に形成した導体により構成されている。実装基板3bは、金属ベースプリント配線板だけに限らず、たとえば、セラミック基板、ガラスエポキシ基板などを用いて形成してもよい。また、各端子部3cは、半田からなる接合部(図示せず)により、電線4と電気的に接続している。ここで、LEDユニット10では、一方の電線4が発光部3aのプラス側に接続された端子部3c(図1における右側の端子部3c)に接続されている。また、LEDユニット10では、他方の電線4が発光部3aのマイナス側に接続された端子部3c(図1における左側の端子部3c)に接続されている。また、実装基板3bは、電線4の誤接続を防止するために、各端子部3cの近傍に極性を示す“+”、“−”を表記してある。
なお、LEDユニット10は、給電用の電線4として、発光装置3に電気的に接続される一対のリード線を用いている。LEDユニット10では、リード線を保護する保護カバー4d(図13を参照)や被覆カバー4e(図14を参照)を適宜に備えた構成としてもよい。
実装基板3bは、実装基板3bの一表面(図1の上側)側に、発光部3aおよび各端子部3c以外の部位を覆う白色のレジスト層などからなる反射層(図示せず)を形成していることが好ましい。反射層は、発光部3aから放射された光が実装基板3bに吸収されるのを抑制することが可能となる。
また、発光装置3は、実装基板3bの他表面(図1の下側の面)とベース1の第1表面1aa側との間に、放熱シート9を配置していることが好ましい。LEDユニット10は、発光装置3で発生した熱を、放熱シート9を通してベース1へ効率よく放熱させることが可能となる。また、本実施形態のLEDユニット10は、ベース1を樹脂に比べて熱伝導性の高いアルミニウムとしている場合、発光装置3で発生した熱を、放熱シート9およびベース1を通して器具本体11側へ放熱することが可能となる。
LEDユニット10では、ベース1の第1表面1aaにスペーサ6を固定している。LEDユニット10では、スペーサ6の開口部6bを覆うように、ベース1の第1表面1aaに放熱シート9を載せ置いている。スペーサ6は、スペーサ6の表面6aaから窪んで開口部6b側に突出する段差部6gを備えている。スペーサ6は、放熱シート9の外周部を段差部6gに載せ置くことが可能としている。段差部6gは、段差部6gの表面を傾斜面としている。言い換えれば、発光装置3は、ベース1との間に放熱シート9が介在するように配置される。放熱シート9の外周部は、ベース1との間にスペーサ6の段差部6gが介在するように配置されている。
LEDユニット10は、LEDユニット10の組立工程などにおいて、発光装置3および放熱シート9をベース1とホルダ2とで挟持する前に、ベース1と発光装置3との間に介在された放熱シート9の位置ずれを把握することが可能となる。また、LEDユニット10は、LEDユニット10の組立途中のLEDユニット10に振動などが加わっても、段差部6gにより、放熱シート9がスペーサ6との間で位置ずれが生ずることを抑制できる。
スペーサ6は、ベース1と一体に構成してもよいし、別体に構成してもよい。スペーサ6は、ベース1と別体に構成する場合、たとえば、熱可塑性の樹脂により形成することができる。スペーサ6は、熱可塑性の樹脂として、たとえば、PBT樹脂を用いることができる。スペーサ6は、樹脂材料により形成することで、複雑な形状を比較的簡単に形成することができる。
スペーサ6に備えた段差部6gは、放熱シート9の厚み、発光装置3の大きさや形状に合わせて段差部6gの形状、幅および深さを適宜に設定すればよい。段差部6gは、たとえば、放熱シート9の厚みを1.0mmとし、段差部6gの幅および深さを0.3〜0.5mmの範囲内で形成することができる。放熱シート9は、段差部6gを覆う大きさとし、放熱シート9を設ける予定の領域に載せ置けばよい。
スペーサ6は、ホルダ2をベース1に取り付けるための組立ねじ23dを螺合するねじ孔部6dが形成されている。ねじ孔部6dは、スペーサ6の開口部6bにおける長手方向の辺に沿って、長手方向の中央部に設けている。
スペーサ6は、導出部1c側(図1では、左側)において、一対の電線4,4の各々を挟持する第1リブ1haと、第2リブ1hbと、第3リブ1hcおよび第4リブ1hdがスペーサ6の表面6aaから突出している。具体的に説明すると、スペーサ6は、一方の電線4を第1リブ1haと第3リブ1hcとの間で挟持できるように、第1リブ1haと第3リブ1hcとが導出部1c側の表面6aaから突出している。また、スペーサ6は、他方の電線4を第2リブ1hbと第4リブ1hdとの間で挟持できるように、第2リブ1hbと第4リブ1hdとが導出部1c側の表面6aaから突出している。
本実施形態のLEDユニット10は、発光装置3に電気的に接続された各電線4を、スペーサ6において保持することによって、別部品を追加することなく、一対の電線4,4の張力止め機能を付与することが可能となる。言い換えれば、上述のLEDユニット10は、一対の電線4,4に作用する張力を低減するための別部品が不要であり、低コストで一対の電線4,4の張力止め機能を付与することが可能となる。また、このLEDユニット10は、一対の電線4,4に作用する張力を低減することができるので、各電線4と発光装置3の各端子部3cとの接合部(図示せず)に応力が作用して断線するのを抑制することが可能となる。
また、スペーサ6は、スペーサ6の表面6aaとの間に傾斜面6kを備えていることが好ましい。実施形態のLEDユニット10は、スペーサ6に傾斜面6kが形成されていることで、各電線4をベース1の第2表面1ab側に折り曲げた時に電線4に掛かる応力を、より低減することができる。
放熱シート9は、発光装置3からの熱をベース1側に効率よく熱伝導することが可能なものである。放熱シート9は、ゲル状で架橋密度が低く軟質で弾性を有するゲル状エラストマー材料からなるシリコーン樹脂を用いたシリコーンゲルシートを使用することが好ましい。放熱シート9は、シリコーンゲルシートを使用しているが、電気絶縁性と熱伝導性に優れた材料であればよい。また、放熱シート9は、電気絶縁性と熱伝導性を有し軟質なエラストマー材料が好ましい。放熱シート9は、エラストマー材料として、たとえば、アクリル樹脂材料を用いることができる。また、放熱シート9は、粘着性を備えさせ接着シートとして機能させてもよい。
カバー部材20は、発光装置3を保護することが可能なものである。カバー部材20は、発光装置3から放射された光を効率よく透過させる透光性を有している。カバー部材20は、たとえば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂やガラスなどの透光性材料により形成することができる。カバー部材20は、図1に示すように、全体として有底円筒状の形状をしている。カバー部材20は、ベース1側が開口されベース1の外周線よりも内側に配置され発光装置3を覆う有底円筒状の本体部20aと、本体部20aの開口端部から外方へ延設されてなりカバー部材20をベース1に取り付ける鍔部20bとを有している。なお、本体部20aは、本体部20a全体が透光性を備えている。本体部20aは、ベース1から遠い一端側を塞ぐ円形状に形成され発光装置3からの光を外部へ出射させる光出射部20hと、光出射部20hと滑らかに連続するように形成された筒状部20jとで構成することができる。本体部20aは、光出射部20hおよび筒状部20jの厚みを略同一として形成している。なお、筒状部20jは、上記開口端部側から上記一端部側にかけて内径が徐々に小さくなるテーパー円筒状に形成している。
カバー部材20は、発光装置3からの光を集光したり拡散したりするレンズ機能を備えていてもよい。
カバー部材20を備えたLEDユニット10では、発光装置3からカバー部材20の内面側へ出射する光の出射角が異なる。そのため、LEDユニット10の側面側には、たとえば、主として、カバー部材20の光出射部20hを介して放射される光、主として、カバー部材20の筒状部20jを介して放射される光などにより回折などした光などが放射される場合がある。ここで、透光性を有する有底円筒状のカバー部材20では、発光装置3からカバー部材20の内面側へ出射する光の出射角により、カバー部材20を透過する光の光路長がカバー部材20の部位によって異なる。また、カバー部材20は、透光性を有していても光の吸収や散乱などが生じる。
そのため、LEDユニット10の側面側から放射される光に輝度の違いが生ずる場合ある。LEDユニット10は、LEDユニット10の側面側で輝度むらを生じると均斉度の低下を生ずる原因となる場合もある。
LEDユニット10は、カバー部材20を介して放射された発光装置3からの光により、LEDユニット10の側面側において輝度むらが生ずることをホルダ2で抑制することも可能となる。
本実施形態のLEDユニット10は、封止材(図示していない)により、ベース1側とカバー部材20とを封止することによって、LEDユニット10内への水分や不純物などの侵入を抑制する構成とすることができる。本実施形態のLEDユニット10では、封止材の材料として、シリコーン樹脂を好適に用いているが、たとえば、エポキシ樹脂やウレタン樹脂などの他の樹脂材料を使用しても良い。本実施形態のLEDユニット10は、発光装置3から放射された光を透過するカバー部材20を、封止材によってベース1に取り付ける構造とすることができる。
本実施形態のLEDユニット10は、カバー部材20の鍔部20bがベース1を覆って固定している。また、LEDユニット10は、カバー部材20をベース1に対してねじを用いることなく取り付けることが可能となるので、ねじの緩みなどの懸念がなくなる。なお、カバー部材20をベース1に取り付ける方法は、特に限定するものではなく、たとえば、組立ねじなどを用いてカバー部材20をベース1に取り付けてもよい。
なお、カバー部材20の鍔部20bは、ベース1の各挿通孔1bの各々に対応する部位に、取付ねじ10aをカバー部材20の一表面側(図1では、上面側)から挿通する半円状の第1切欠き部20cを備えていることが好ましい。したがって、本実施形態のLEDユニット10は、ベース1をカバー部材20側から照明器具12の器具本体11に着脱自在に取り付けることが可能となる。
本実施形態のLEDユニット10では、カバー部材20の鍔部20bを覆う化粧カバー21を備えていることが好ましい。LEDユニット10は、図15,20,21,22に示すように、化粧カバー21により、カバー部材20を通して各取付ねじ10a,10aが見えるのを防止することが可能となり、外観の意匠性を高めることが可能となる。
本実施形態のLEDユニット10では、突出部2cは、化粧カバー21をカバー部材20に取り付ける際の目印を兼ねることが可能となる(図15を参照)。化粧カバー21は、図20に示すように、カバー部材20との位置合わせをする矢印などの目印を備えていることが好ましい。
すなわち、LEDユニット10は、スリット20fから突出部2cが露出していることで、突出部2cは化粧カバー21をカバー部材20に取り付ける際の目印とすることができる。本実施形態のLEDユニット10では、電線4が折り曲げられて正面側から見えない場合、目印を有することで、組み立ての作業性を向上させることも可能となる。
化粧カバー21は、非透光性材料により形成されていることが好ましい。化粧カバー21は、非透光性材料として、たとえば、アルミニウムなどの金属や、白色の不透明な樹脂などを用いることができる。化粧カバー21は、発光装置3から放射されてカバー部材20の本体部20aの外周面から出射される光をできるだけ妨げないように扁平な環状に形成されていることが好ましい。化粧カバー21は、扁平な環状として、円環状とすることができる。
LEDユニット10は、化粧カバー21により、カバー部材20の本体部20aの外周面から出射される光の所望の配光および均斉度を阻害する要素を、より少なくすることも可能となる。
ところで、LEDユニット10は、一対の電線4,4においてベース1の導出部1cから導出した部位の先端部に第1コネクタ4aを設けていることが好ましい。第1コネクタ4aは、図16に示すように、電源ユニット15に電気的に接続されている電源線13の先端部に設けられた電源ユニット15側の第2コネクタ14と着脱自在に接続することが可能である。
したがって、本実施形態のLEDユニット10は、一対の電線4,4の先端部に、電源ユニット15側の第2コネクタ14と着脱自在に接続可能な第1コネクタ4aが設けられているので、LEDユニット10の着脱時の接続作業を容易に行うことができる。また、このLEDユニット10は、一対の電線4,4の先端部に第1コネクタ4aが設けられるとともに、ベース1をカバー部材20側から照明器具12の器具本体11に着脱自在に取り付けることができる。これにより、ユーザは、比較的簡単にLEDユニット10を交換することが可能となる。
以下に、上述のLEDユニット10の組立工程について、説明する。
まず、ベース1の第1表面1aa側に備えられたスペーサ6に設けた開口部6bの段差部6g上に開口部6bよりも大きい矩形状の放熱シート9を載せ置く。本実施形態のLEDユニット10は、放熱シート9をスペーサ6の開口部6bよりもやや大きな長方形状に形成している。LEDユニット10は、放熱シート9の位置がスペーサ6の開口部6bにおける長手方向や短手方向へ各方向の公差よりもずれている場合に段差部6gが露出するように段差部6gを開口部6bの四辺のそれぞれに形成している。LEDユニット10の組立工程では、放熱シート9を段差部6gに載せ置いた後、たとえば、CCDカメラなどの撮像装置と画像処理装置とを備えた外観検査装置や目視などの外観検査により、組み立て工程における良否判定を行うことが可能となる。
次に、LEDユニット10の組み立て工程では、発光装置3を放熱シート9に載せ置く。
引き続き、各電線4をスペーサ6の第1リブ1haと第3リブ1hcとの間あるいは第2リブ1hbと第4リブ1hdとの間で挟持するとともに、電線4と実装基板3bの端子部3cとを電気的に接続させる。
続いて、ホルダ2を発光装置3に被せ、組立ねじ23dによってベース1側にホルダ2を固定させる。LEDユニット10は、組立ねじ23dの螺子合いにより、ベース1、スペーサ6とホルダ2とが螺子合いより固定される。
その後、ホルダ2の周部から突出した突出部2cと、カバー部材20に設けたスリット20fとの位置を合わせて、カバー部材20とホルダ2の突出部2cとを嵌め合わせることによりカバー部材20をベース1側に配置する。なお、LEDユニット10は、封止材となる未硬化の封止材料をディスペンサーにより付着させたカバー部材20を、ベース1側に固定させることができる。
こうして組み立てられたLEDユニット10を備える照明器具12について、図16〜図23を参照しながら説明する。
照明器具12は、上述のLEDユニット10と、LEDユニット10が着脱自在に取り付けられた金属製の器具本体11とを備えている。この照明器具12は、器具本体11を金属製としてあるので、樹脂製の場合に比べて、LEDユニット10の発光装置3で発生した熱を、放熱シート9、ベース1および器具本体11を通して効率よく放熱させることが可能となる。なお、器具本体11の材料としては、アルミニウムを採用しているが、アルミニウム以外の金属(たとえば、銅など)を採用してもよい。また、器具本体11の材料は、金属以外の材料(たとえば、セラミックスなど)でもよい。
器具本体11は、LEDユニット10を着脱自在に取り付けることができるように構成されている。具体的に説明すると、器具本体11は、ベース1の各挿通孔1bの各々に対応する部位に、取付ねじ10aを螺合する取付ねじ孔(図示せず)を形成している。
図16に示した構成の照明器具12は、たとえば、天井材17に埋め込み配置されるダウンライトである。この照明器具12の器具本体11は、LEDユニット10が収納配置される有底円筒状のボディ部11aと、このボディ部11aの開口部から外方へ延設された外鍔部11bとを有する。また、器具本体11は、天井材17に貫設された埋込穴17aに埋め込まれ、外鍔部11bが天井材17の下面における埋込穴17aの周部に当接する形で天井材17に取り付けられる。なお、照明器具12は、外鍔部11bとの間に天井材17における埋込穴17aの周部を挟持する取付ばね(図示していない)を器具本体11に設けてもよい。
器具本体11は、器具本体11の底部11cの上側に、電源ユニット15を収納配置する収納配置部11eを設けられている。器具本体11は、電源ユニット15を器具本体11から離して配置している。したがって、本実施形態の照明器具12は、電源ユニット15で発生した熱が器具本体11を通してLEDユニット10側に熱伝導するのを抑制することが可能となる。
また、器具本体11は、LEDユニット10から導出した電線4および第1コネクタ4aを収納配置部11e内へ引き出す引出孔(図示せず)を、底部11cに設けている。
また、図17に示した構成の照明器具12は、たとえば、天井材17に固定され器具本体11を保持する保持具19に器具本体11が保持されるスポットライトである。この照明器具12の器具本体11は、箱状であって、器具本体11内に電源ユニット15が器具本体11から離して配置されている。
器具本体11は、LEDユニット10から導出した電線4および第1コネクタ4aを器具本体11内へ引き出す引出孔(図示せず)を、底部11cに設けている。また、器具本体11の底部11cには、LEDユニット10のカバー部材20から出射される光を拡散透過させる拡散板22がLEDユニット10を覆う形で取り付けられている。
また、図18に示した構成の照明器具12は、たとえば、器具本体11が壁面18に固定されるブラケットである。この照明器具12の器具本体11は、箱状であって、器具本体11内に電源ユニット15が器具本体11から離して配置されている。なお、器具本体11には、LEDユニット10のカバー部材20から出射される光を拡散透過させる拡散板22がLEDユニット10を覆う形で取り付けられている。
上述の図16〜図18に示した構成の照明器具12におけるLEDユニット10は、図2の破線で示すように、一対の電線4,4をベース1の導出部1cからベース1の第2表面1ab側(図2では、右側)へ導出する。
また、図19に示した構成の照明器具12は、たとえば、電源ユニット15がLEDユニット10の側方に配置されたものであり、器具本体11が天井材17に固定されるシーリングライトである。図19に示した構成の照明器具12は、LEDユニット10のカバー部材20から出射される光を拡散透過させる拡散板22を有している。図19に示した構成の照明器具12におけるLEDユニット10は、図2の実線で示す電線4のように、一対の電線4,4をベース1の導出部1cからベース1の側方(図2では、下側)へ導出する。ところで、本実施形態のLEDユニット10を用いた照明器具12としては、たとえば、図20ないし図23に示す構成とすることもできる。図20の照明器具12は、図16と同様に、LEDユニット10が着脱自在に取り付けられた器具本体11を備えており、電源ユニット15を備えていない点が相違している。いずれにしろ、照明器具12は、様々な形態の器具本体11に取り付け可能なLEDユニット10を備えた照明器具とすることができる。