JP6888149B2 - 薬情出力装置及びプログラム - Google Patents
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Description
薬局がこのような薬情書面を作成するには、近年の情報処理技術の発展に伴い、情報処理技術が導入されて、薬剤の説明や写真を記憶したデータベースを備えるコンピュータにより、薬局の担当者が処方箋の情報をコンピュータに入力すると、コンピュータが処方箋の薬剤に関する薬情書面を作成するようになってきている。このような薬情書面は、患者が薬剤の飲み方を含む薬剤の情報を把握するために役立つものである。
例えば、特許文献1には、交付された薬剤の名前・写真の他、薬剤の使用時期と使用量を示すカレンダーが記載された薬剤指導書を印刷する作成システムが開示されている。
図1は、薬局における薬剤提供業務を示す概念図である。図1(1)は、各作業の流れを示し、図1(2)は、各作業の内容を示している。
図1(1)を参照して、薬剤提供業務は、窓口において患者から処方箋を受け付けた後に、処方箋に従い薬剤を調剤し、調剤が適切であると最終監査において認められた場合に、窓口において患者に当該薬剤を提供するといった一連の流れにより構成される。このような薬剤提供業務は、一例として図1(2)に示す各作業、即ち「受付」「薬歴確認」「処方監査」「患者情報収集」「調剤設計」「服薬に関する説明」「調剤決定」「調剤」「最終監査」「薬剤交付会計」により構成することができる。これら各作業は、互いに独立して進行できるものもある。
薬情書面の出力は、本実施形態では、「薬剤交付会計」の作業の際に行われるものである。例えば、薬剤提供業務を構成する各作業のうち、薬局の受付担当者が「受付」において処方箋の情報を受けつけて、担当者のうち、薬剤師が「患者情報収集」「調剤」「薬剤交付会計」「薬歴確認」「処方監査」「調剤設計」「服薬に関する説明」「調剤決定」「最終監査」を行い、処方箋の薬剤を交付しても問題ないと判断された後に、「薬剤交付会計」において薬情書面の出力が行われる。「薬剤交付会計」の作業において、薬情の出力によって作成された薬情書面は、薬剤師が薬剤を交付するとともに、患者に交付される。
本発明の薬情出力装置10は、薬剤の提供業務を構成する各作業の担当者により用いられる装置である。
また、薬情書面とは、薬局において、薬剤が交付される際に、薬剤とともに交付される薬剤を服薬する際に参考となる説明が記載された書面をいい、薬剤を服薬する際に参考となる説明が記載された、一枚の用紙、シールや薬を収納する薬袋が含まれる。薬情とは、薬情書面に記載される薬剤を服用する際に参考となる説明の情報をいう。
続いて、薬情出力機能を発揮するための薬情出力装置10の機能的構成を、図2を参照して説明する。
図2は、薬情出力装置10の機能的構成を示す、模式図である。薬情出力機能の発揮において、薬情出力装置10の制御部11は、処方箋受付部111と、薬剤変更特定部112と、変更種別特定部113と、用法変更特定部114と、薬情出力部115とが機能する。また、記憶部12には、処方箋データベース121と、薬剤データベース122とが設けられる。
具体的には、処方箋受付部111は、窓口を担当する、薬局の受付担当者が患者から処方箋を受け取り、処方箋の内容を入力部13から入力して、処方箋の情報を受け付ける。処方箋受付部111は、受け付けた処方箋の情報を、受付日時及び患者を特定する情報と関連付けて処方箋データベース121に記憶する。
なお、処方箋の情報の受け付けは、各種態様があってよく、例えば、処方箋の画像をスキャナーから取得して、取得した画像に基づいて処方箋の情報を受け付けてもよいし、有線又は無線の通信回線を介して処方箋の情報を受信することにより受け付けてもよい。
図3は、処方箋データベース121の記憶内容を例示する模式図である。処方箋データベース121は、受け付けた処方箋の情報を記憶するデータベースであって、レセコン機能や薬歴管理機能のために利用される他、薬情出力機能においては、後述する薬剤変更特定部112や用法変更特定部114において、薬剤の変化を特定するために用いられる。
処方箋データベース121は、処方箋を特定する処方箋IDと、患者を特定する情報と、処方箋の受付けた日時を示す受付日と、処方箋に記載されていた薬剤を示す処方薬剤と、処方薬剤がいつの時点でどのくらいの分量を服用するかを示す用法用量を記憶する。
具体的には、薬剤変更特定部112は、処方箋受付部111が受け付けた処方箋の情報に基づいて、当該処方箋の対象となる患者に関連付けられた、過去所定の期間分の処方箋の情報を処方箋データベース121から抽出する。そして、薬剤変更特定部112は、処方箋受付部111が受け付けた処方箋の情報と、抽出した過去所定の期間分の処方箋の情報とにおいて、薬剤の変化を特定する。
具体的には、変更種別特定部113は、薬剤変更特定部112が特定した薬剤の変化について、薬剤データベース122を参照して薬剤の情報(販売名、一般名称、薬効分類名、効能・効果等)を抽出し、抽出した薬剤の情報が共通する場合に追加された薬剤と除かれた薬剤とを対応付けて、対応付けの有無及び対応付けの内容ごとに変更種別を分類する。
図4は、薬剤データベース122の記憶内容を例示する模式図である。薬剤データベース122は、薬剤に関する情報を記憶するデータベースであって、医薬品の提供企業が発行している添付文書に由来する情報を主として、構成されている。薬剤データベース122は、変更種別特定部113が薬剤の変更種別を分類する際に用いられる他、薬情出力部115が出力する薬情を参照するため等に用いられる。
薬剤データベース122は、薬剤を特定する薬剤IDと、薬剤の販売名を示す販売名と、薬剤の成分に関する一般的な名称を示す一般名称と、薬剤がどのような薬効を有するかを示す薬効分類名と、薬剤がどのような疾患に効果があるかを示す効能・効果とを含んで記憶する。
具体的には、用法変更特定部114は、処方箋受付部111が受け付けた処方箋の情報に基づいて、当該処方箋の対象となる患者に関連付けられた、過去所定の期間分の処方箋の情報を処方箋データベース121から抽出する。そして、用法変更特定部114は、処方箋受付部111が受け付けた処方箋の情報と、抽出した過去所定の期間分の処方箋の情報とにおいて、同一の薬剤において用法用量の変化があったことを特定する。
続いて、図5を参照して、薬情出力装置10の処理について説明する。
図5は、薬情出力装置10の処理の流れを示す模式図である。
薬情出力装置10の処理は、薬局の受付担当者が処理を開始させる所定の操作を受け付けたことを契機に開始される。薬情出力装置10は、処理が開始されると、薬情出力装置10の処方箋受付部111は、薬局の受付担当者が入力部13から処方箋の情報を入力することにより、処方箋の情報を受け付ける(ステップS1)。処方箋受付部111は、受け付けた処方箋の情報を、処方箋データベース121に記憶する(ステップS2)。
そして、変更種別特定部113は、薬剤変更特定部112が薬剤の変化を特定した場合に、薬剤データベース122を参照して薬剤の情報(販売名、一般名称、薬効分類名、効能・効果等)を抽出する。変更種別特定部113は、抽出した薬剤の情報が共通する場合に追加された薬剤と除かれた薬剤とを対応付けて、対応付けの有無及び対応付けの内容ごとに変更種別を分類する(ステップS6)。
図6は、受け付けた処方箋と過去の処方箋とにおいて、薬剤の変化が生じた場合であって薬剤が対応付けられたときに生成される薬情のデータに基づいて出力される薬剤書面を例示する図である。
薬情書面は、交付される薬剤の説明及び写真が示される欄であるV1と、V2が、変化が生じる前の薬剤・用法用量が示される欄であるV2と、薬剤の用法用量が示される欄であるV3とを含んで構成されている。
例えば、F1欄には、「B錠より効果の強いお薬です。」として、「成分変更」の変更種別に対応する説明が生成される。「成分変更」の変更種別に対応する説明は、従前の薬剤の名称と、効果又は安全性に差異があることを示す記載から構成されている。
例えば、C1欄には、「錠剤からカプセルになりました。」として、「剤型変更」の変更種別に対応する説明が生成される。「成分変更」の変更種別に対応する説明は、従前の薬剤の剤型と本薬剤の剤型を示す記載から構成されている。
図7(1)に示す薬情書面は、交付する薬剤(E錠、F錠、Cカプセル、D錠)が示され、それぞれの薬剤の説明がなされている。しかしながら、図7(1)の薬情書面は、患者が、前回の薬剤からどのように変化したかを一見して把握できない。そのため、患者は、習慣的に、薬剤を服用することができていた場合にも、薬剤が変化し、習慣的に服薬していた薬剤と新たに服薬する薬剤との対応関係を把握できずに、飲み忘れたり、誤った服用を行ったりしてしまうことがある。
そして、患者は、薬剤が変化した際にどのように変化したかを把握しようとすると、図7(1)で示す今回交付された薬情書面と、図7(2)で示す前回交付された薬情書面とを見比べなければ薬剤の変化を把握することができなかった。また、患者は、図7(1)で示す今回交付された薬情書面と、図7(2)で示す前回交付された薬情書面とを見比べたとしても、例えば、「コレステロールを下げるお薬です。」等の説明を比較しなければ、A錠がE錠に変化したかを把握することができずに、飲み忘れたり、誤った服用を行ったりしてしまうことがある。具体的には、ジェネリック変更や成分変更の場合に、患者が処方変更前の残った薬剤と処方変更後の薬剤とを重複して服用してしまうことにより、患者の体調に変調をきたしてしまうことがある。
そこで、本発明のように、患者が薬剤の交付状況の変化を容易に把握することができる薬情を簡単に出力する必要性がある。出力された薬情は、医薬品の適正使用のためのツールとして機能する。
G1欄には、追加された薬剤であるG錠についての説明や写真が示されており、新たに追加されたことを示す「新規」と表示されるG2欄が示されている。
また、C3欄には、除外された薬剤であるC錠が表示されており、除外され且つC錠に対応する薬剤がないことが明確になるように、C3欄を×とする表示がされている。
B2欄には、B錠の用法用量が示されており、朝 2錠、昼 2錠、夕 2錠を服薬すべきであることが示されている。
具体的には、本実施形態において、薬情書面は、矩形状の用紙であって、用紙の中央部に縦の破線が印刷されている。薬情書面は、破線を境とする何れかの面に、薬剤が変更したことを示す薬剤変更表示又は用法用量が変更したことを示す用法用量変更表示を含む薬剤情報が表示される表示領域が設けられている。そして、破線及び薬剤情報が表示されている面の裏面には、四周縁部に接着剤添付部が印刷されている。
このような、薬袋として構成される薬情は、破線部を境に山折に折りたたまれて、接着剤添付部に接着剤を設けることにより貼り合わされて、袋状に構成される。そして、薬袋として構成された薬情書面には、薬剤情報に該当する薬剤が収納されて、薬局の担当者から患者に交付される。
また、このような過去所定の期間は、患者や薬剤ごとに異なる期間が設定されてよく、例えば、高齢な患者は、一般的に薬剤の変化を十分に認識するまで時間がかかるためより長期間の6ヶ月の期間が設定されてよく、急性疾患に対する薬剤は、一般的に服薬している期間が少なく習慣になっており、薬剤の変化を十分に認識するまで時間がかからないため、より短期間の2週間の期間が設定されてよい。
換言すると、図2の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能がコンピュータに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図2の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
11 制御部
111 処方箋受付部
112 薬剤変更特定部
113 変更種別特定部
114 用法変更特定部
115 薬情出力部
12 記憶部
121 処方箋データベース
122 薬剤データベース
13 入力部
14 表示部
20 印刷機
Claims (5)
- 調剤薬局において薬剤師から患者に提供される薬情のデータを出力して表示部に表示させる薬情出力装置であって、
患者の処方箋の情報と前記処方箋よりも過去の処方箋の情報との間の変化に基づいて、薬剤が変更したことを示す薬剤変更表示又は用法用量が変更したことを示す用法用量変更表示の少なくともいずれかを含む前記薬情のデータを出力して前記表示部に表示させる薬情出力手段、
を備え、
前記薬情出力手段は、前記薬剤変更表示に変更前の薬剤を示す表示及び変更後の薬剤を示す表示の双方を含ませ、前記用法用量変更表示に変更前の用法用量を示す表示及び変更後の用法用量を示す表示の双方を含ませる、ことを特徴とする薬情出力装置。 - 前記薬情出力手段は、前記薬剤変更表示において、前記変更前の薬剤を示す表示に前記変更前の薬剤の画像を含ませると共に、前記変更後の薬剤を示す表示に前記変更後の薬剤の画像を含ませる、ことを特徴とする請求項1に記載の薬情出力装置。
- 前記薬情出力手段は、前記薬剤変更表示において、前記変更前の薬剤から前記変更後の薬剤への変化の内容を説明する表示を含ませる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の薬情出力装置。 - 前記薬情出力手段は、前記薬情のデータを、前記表示部を備えた他端末に対して出力する、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の薬情出力装置。
- 調剤薬局において薬剤師から患者に提供される薬情のデータを出力して表示部に表示させる薬情出力装置を構成するコンピュータを制御するプログラムであって、
患者の処方箋の情報と前記処方箋よりも過去の処方箋の情報との間の変化に基づいて、薬剤が変更したことを示す薬剤変更表示又は用法用量が変更したことを示す用法用量変更表示の少なくともいずれかを含む前記薬情のデータを出力して前記表示部に表示させる薬情出力機能、
を前記コンピュータに実現させ、
前記薬情出力機能は、前記薬剤変更表示に変更前の薬剤を示す表示及び変更後の薬剤を示す表示の双方を含ませ、前記用法用量変更表示に変更前の用法用量を示す表示及び変更後の用法用量を示す表示の双方を含ませる、ことを特徴とするプログラム。
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