以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システム(ネットワークシステム)の構成の一例を示す。
図1に示すように、情報処理システムは、利用者端末10、情報処理装置20及び分包機30を備える。
利用者端末10は、例えば病院から処方箋が発行された利用者によって使用される端末装置である。利用者端末10には、例えばスマートフォン及びタブレット端末等が含まれる。
情報処理装置20は、利用者端末10及び分包機30と、例えばインターネットのようなネットワーク40を介して通信可能に接続される。情報処理装置20は、上記した利用者端末10を使用する利用者に対して発行された処方箋の内容に基づいて分包機30を動作させるためのサーバ装置である。また、本実施形態において、情報処理装置20は、利用者からの処方箋に基づく調剤作業の予約を管理する機能も有する。なお、情報処理装置20は、例えばパーソナルコンピュータ等の電子機器によって実現可能である。本実施形態において、情報処理装置20は、ハードウェアに限らず、サーバ装置またはソフトウェアとして実現されるものであってもよい。また、後述する情報処理装置20が有する各機能は、例えばWebサービスとして実現されてもよい。
分包機30は、上記した処方箋に基づく調剤作業を行うことが可能な調剤薬局のような店舗(以下、単に調剤薬局と表記)に設けられ、医薬品を分包袋に一包化するように構成されている。なお、一包化とは、例えば用法(毎食後、寝る前など)が同一の種別が異なる複数の医薬品(錠剤等)を1つの袋(以下、分包袋と表記)にまとめる、または医薬品(散剤)を1回に服用される量毎に分包すること等をいう。
なお、図1においては便宜的に利用者端末10及び分包機30がそれぞれ1つずつ示されているが、情報処理システムは、複数の利用者端末10及び複数の分包機30を備えていてもよい。
図2は、図1に示す利用者端末10のハードウェア構成の一例を示す。ここでは、利用者端末10は、スマートフォンまたはタブレット端末であるものとして説明する。
図2に示すように、利用者端末10においては、バス11に、不揮発性メモリ12、CPU13、メインメモリ14、通信デバイス15、タッチスクリーンディスプレイ16及びカメラ17等が接続されている。
不揮発性メモリ12は、例えばオペレーティングシステム(OS)及び各種アプリケーションプログラム等のプログラムを格納する。
CPU13は、例えば不揮発性メモリ12に格納されているプログラムを実行するプロセッサである。なお、CPU13は、利用者端末10全体の制御を実行する。
メインメモリ14は、例えばCPU13がプログラムを実行する際に必要とされるワークエリア等として使用される。
通信デバイス15は、上記したネットワーク40を介して例えば情報処理装置20等の外部装置と実行される通信を制御するためのデバイスである。なお、通信デバイス15によれば、例えば無線LAN及びWifi(登録商標)等の無線通信機能を実現することができる。
タッチスクリーンディスプレイ16は、利用者端末10の本体の上面に重ね合わせるように取り付けられる。タッチスクリーンディスプレイ16には、例えば液晶表示装置(LCD)等のディスプレイと、当該ディスプレイに対する例えば指の接触位置を検出するように構成されたタッチ検出センサとが組み込まれている。このようなタッチスクリーンディスプレイ16によれば、利用者端末10に様々な画面を表示するとともに、当該画面に対する利用者の操作(例えば、タッチ操作等)を受け付けることができる。
カメラ17は、利用者端末10の例えば背面側(つまり、タッチスクリーンディスプレイ16とは反対側の面)に設けられており、様々な画像や2次元シンボル(QRコード(登録商標))を撮像・読取可能なように構成されている。
図3は、図1に示す情報処理装置20のハードウェア構成の一例を示す。ここでは、情報処理装置20は、パーソナルコンピュータであるものとして説明する。
図3に示すように、情報処理装置20においては、バス21に、不揮発性メモリ22、CPU23、メインメモリ24及び通信デバイス25等が接続されている。
不揮発性メモリ22は、例えばオペレーティングシステム(OS)等のプログラムを格納する。
CPU23は、例えば不揮発性メモリ22に格納されているプログラムを実行するプロセッサである。なお、CPU23は、情報処理装置20全体の制御を実行する。
メインメモリ24は、例えばCPU23がプログラムを実行する際に必要とされるワークエリア等として使用される。
図3においては不揮発性メモリ22及びメインメモリ24のみが示されているが、情報処理装置20は、HDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の他の記憶装置を備えていてもよい。
通信デバイス25は、上記したネットワーク40を介して例えば利用者端末10及び分包機30等の外部装置と実行される通信を制御するためのデバイスである。なお、通信デバイス25によれば、例えば無線LAN及びWifi(登録商標)等の無線通信機能を実現することができる。
次に、図4を参照して、図1に示す分包機30の概略構成について説明する。図4に示すように、分包機30は、第1供給部31、第2供給部32、搬送部33及び収容部34を備える。
第1供給部31は、例えば錠剤等の医薬品を医薬品名(商品名)毎に格納可能な複数のカセット(カートリッジ)を有し、当該複数のカセットの各々に格納されている医薬品を選択的に供給可能なように構成されている。
第2供給部32は、例えば散剤等の医薬品を医薬品名(商品名)毎に投入できる投入口もしくは格納可能な複数の区画が形成されているトレイを有し、当該複数の区画の各々に格納されている医薬品を選択的に供給可能なように構成されている。
ここで、分包機30には例えばPC35が組み込まれており、調剤薬局のスタッフ(例えば、薬剤師等)は、当該PC35を用いて患者等を指定することができる。この場合、第1供給部31及び第2供給部32は、PC35を用いて調剤薬局のスタッフによって指定された患者に対して発行された処方箋に基づいて調剤される医薬品を例えばレセプトデータ等に基づいて選択的に供給することができる。なお、レセプトデータとは、レセプトと称される診療報酬明細書を作成するために用いられるレセプトコンピュータに入力されるデータである。また、PC35は、上記したように分包機30に組み込まれていてもよいし、当該分包機30と着脱されるものであってもよい。
このように第1供給部31及び第2供給部32から供給された医薬品は、分包機30内に予め用意されている分包袋に投入されることによって一包化される。
医薬品が投入された分包袋(一包化された医薬品)は、搬送部33によって搬送され、収容部34内に払い出される(排出される)。
調剤薬局のスタッフは、収容部34内に払い出された分包袋に医薬品が正しく投入されているか否かを確認した後、当該医薬品を患者に対して交付する。
なお、図4においては示されていないが、分包機30は、例えば医薬品の服用に関する情報(例えば、患者名、服用時間帯)等を分包袋に印刷する機能を有しているものとする。
図4に示す分包機30は一例であり、本実施形態において調剤薬局に設けられる分包機30は、図4に示す分包機30と種類(形態及び機能)が異なるものであってもよい。また、各調剤薬局には、種類の異なる分包機30が設けられていてもよい。
図5は、利用者端末10の機能構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、利用者端末10は、UI処理部101、予約情報取得部102及び処方箋情報取得部103を含む。
本実施形態において、利用者端末10に含まれる各部101〜103は、例えば図2に示すCPU13(つまり、利用者端末10のコンピュータ)が不揮発性メモリ12に格納されている所定のアプリケーションプログラムを実行すること、すなわち、ソフトウェアによって実現されるものとする。なお、CPU13によって実行されるアプリケーションプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に予め格納して頒布されてもよいし、例えばネットワーク40を介して利用者端末10にダウンロードされても構わない。
ここでは、各部101〜103がソフトウェアによって実現されるものとして説明したが、当該各部101〜103は、ハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
UI処理部101は、利用者端末10に備えられるタッチスクリーンディスプレイ16に各種画面を表示するとともに、当該タッチスクリーンディスプレイ16を介して各種画面に対する利用者の操作を受け付けるためのユーザインタフェース(UI)を提供するための機能部である。UI処理部101によって表示される各種画面には、後述する予約情報入力画面及びフォーマット選択画面等が含まれる。
予約情報取得部102は、病院において利用者に対して発行された処方箋に基づく調剤作業の予約に関する予約情報を取得する。予約情報は、例えば利用者の氏名及び当該利用者に対して発行された処方箋の画像等を含む。なお、予約情報の詳細については後述する。
処方箋情報取得部103は、利用者に対して発行された処方箋の内容を示す処方箋情報を取得する。なお、処方箋情報(つまり、処方箋の内容)には、当該処方箋が発行された医療機関情報、医療保険情報、患者名(つまり、利用者の氏名)、当該処方箋に基づいて調剤される医薬品に関する情報、当該医薬品の服用時間帯及び当該医薬品を一包化して交付するか否かを示す情報(以下、一包化指示情報と表記)等が含まれる。以上の情報は処方箋に2次元シンボル(QRコード)で印刷されている場合があり、その2次元シンボルを利用者端末(図2のカメラ17)により読み取ることで取得することが可能である。
予約情報取得部102によって取得された予約情報及び処方箋情報取得部103によって取得された処方箋情報は、通信デバイス15を介して情報処理装置20に送信される。
図6は、情報処理装置20の機能構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、情報処理装置20は、予約管理部201、判定部202、選択部203、制御部204、第1格納部205、第2格納部206及び第3格納部207を含む。
本実施形態において、情報処理装置20に含まれる各部201〜204は、例えば図3に示すCPU23(つまり、情報処理装置20のコンピュータ)が不揮発性メモリ22に格納されている所定のプログラムを実行すること、すなわち、ソフトウェアによって実現されるものとする。なお、CPU23によって実行されるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に予め格納して頒布されてもよいし、例えばネットワーク40を介して情報処理装置20にダウンロードされても構わない。
ここでは、各部201〜204がソフトウェアによって実現されるものとして説明したが、当該各部201〜204は、ハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
また、本実施形態において、情報処理装置20に含まれる第1〜第3格納部205〜207は、例えば図3に示す不揮発性メモリ22または他の記憶装置等によって実現される。
予約管理部201は、通信デバイス25を介して、利用者端末10から送信された予約情報を受信する。予約管理部201は、予約情報が受信された場合、利用者からの調剤作業の予約を受け付け、当該予約情報を管理する。なお、予約管理部201によって受信された予約情報は、第1格納部205に格納される。
判定部202は、通信デバイス25を介して、利用者端末10から送信された処方箋情報を受信する。判定部202は、受信された処方箋情報に含まれる一包化指示情報に基づいて、当該処方箋情報によって内容が示されている処方箋に基づいて調剤される医薬品の少なくとも一部に対する一包化指示があるか否かを判定する。
第2格納部206には、調剤薬局に設けられている分包機30に関する情報(以下、分包機情報と表記)が予め格納されている。
ここで、調剤薬局に設けられている分包機30は、上記したように医薬品の服用に関する情報を分包袋に印刷する機能を有する。このため、第2格納部206に格納されている分包機情報には、例えば調剤薬局に設けられている分包機30が分包袋に印刷可能な印刷フォーマット(印刷パターン)を示す情報(以下、印刷情報と表記)が含まれる。なお、分包機30においては、例えば複数の印刷フォーマットが用意されている(つまり、複数の印刷フォーマットでの印刷が可能である)ものとする。
選択部203は、判定部202によって医薬品に対する一包化指示があると判定された場合、分包機30が医薬品の服用に関する情報を分包袋に印刷する際の印刷フォーマットを、利用者端末10に対する利用者の操作に応じて選択する。なお、印刷フォーマットの選択は、第2格納部206に格納されている分包機情報に含まれる印刷情報に基づいて行われる。
第3格納部207には、調剤薬局において行われた調剤に関する調剤データが格納されている。調剤データには、調剤薬局において過去に調剤された医薬品を表すコード(以下、YJコードと表記)等が含まれる。
制御部204は、判定部202によって受信された処方箋情報及び第3格納部207に格納されている調剤データに基づいて、利用者に対して発行された処方箋に基づいて調剤される医薬品を一包化するように分包機30を動作させる。
また、制御部204は、処方箋情報に含まれる医薬品の服用に関する情報(処方箋に記載されている患者名及び医薬品の服用時間帯等)を、選択部203によって選択された印刷フォーマットで分包袋に印刷するように分包機30に指示する。
図7は、図6に示す第1格納部205に格納されている予約情報のデータ構造の一例を示す。
図7に示すように、予約情報は、上記したように利用者からの調剤作業の予約に関する情報であり、店舗ID、受付番号、受付日時、氏名、受取希望日時及び画像等を含む。
店舗IDは、利用者が調剤作業を予約した調剤薬局を識別するための識別情報である。
受付番号は、対応づけられている店舗IDによって識別される調剤薬局に対する予約に対して割り当てられた番号であり、当該予約を識別するための識別情報として用いられる。
受付日時は、対応づけられている店舗IDによって識別される調剤薬局に対する予約が情報処理装置20において受け付けられた日時である。なお、受付日時は、予約が受け付けられた年月の情報を含むものであってもよい。
氏名は、対応づけられている店舗IDによって識別される調剤薬局に対する予約をした利用者(患者)の氏名である。
受取希望日時は、対応づけられている店舗IDによって識別される調剤薬局における医薬品の受け取りを希望する日時である。日時以外にも「なるべく早く」「本日」など店舗各々が設定したものを含んでいてもよい。
画像は、対応づけられている店舗IDによって識別される調剤薬局に対する予約をした利用者に対して発行された処方箋の画像(データ)である。
図7に示す例では、第1格納部205には、予約情報205a及び205bが格納されている。
予約情報205aは、店舗ID「X」、受付番号「1」、受付日時「2018/11/18 17:48」、氏名「A」、受取希望日時「2018/11/18 18:30」及び画像「画像1」を含む。
この予約情報205aによれば、店舗ID「X」によって識別される調剤薬局に対する受付番号「1」が割り当てられた予約(以下、予約1と表記)の受付日時が2018年11月18日の17時48分であることが示されている。また、予約情報205aによれば、予約1をした利用者の氏名が「A」であり、店舗ID「X」によって識別される調剤薬局における受取希望日時が2018年11月18日の18時30分であり、予約1をした利用者に対して発行された処方箋の画像が「画像1」であることが示されている。
また、予約情報205bは、店舗ID「X」、受付番号「2」、受付日時「2018/11/18 17:51」、氏名「B」、受取希望日時「2018/11/18 19:00」及び画像データ「画像2」を含む。
この予約情報205bによれば、店舗ID「X」によって識別される調剤薬局に対する受付番号「2」が割り当てられた予約(以下、予約2と表記)の受付日時が2018年11月18日の17時51分であることが示されている。また、予約情報205bによれば、予約2をした利用者の氏名が「B」であり、店舗ID「X」によって識別される調剤薬局における受取希望日時が2018年11月18日の19時00分であり、予約2をした利用者に対して発行された処方箋の画像が「画像2」であることが示されている。
ここでは予約情報205a及び205bについてのみ説明したが、他の予約情報のデータ構造についても同様である。なお、第1格納部205には、調剤薬局に対する利用者の予約毎に予約情報が格納されている。
また、図7においては予約情報が店舗ID、受付番号、受付日時、氏名、受取希望日時及び画像を含むものとして説明したが、予約情報は、例えば利用者の電話番号や問診票に対する回答に相当する情報等の他の情報を更に含んでいてもよい。また、予約情報は、図7において説明した情報のうちの少なくとも一部が省略された情報であってもよい。
図8は、図6に示す第2格納部206に格納されている分包機情報のデータ構造の一例を示す。
図8に示すように、分包機情報は、店舗ID及び印刷情報を含む。店舗IDは、分包機が設けられている調剤薬局を識別するための識別情報である。
印刷情報は、対応づけられている店舗IDによって識別される調剤薬局に設けられている分包機30において分包袋に印刷可能な印刷フォーマットを示す。なお、上記したように分包機30は、複数の印刷フォーマットでの印刷が可能であるものとする。分包機30において印刷可能な複数の印刷フォーマットの各々においては、例えば分包袋に印刷される文字、記号、図形及び色彩のパターン(レイアウト)等が定められている。
図7に示す例では、第2格納部206には、分包機情報206a及び206bが格納されている。
分包機情報206aは、店舗ID「X」及び印刷情報「フォーマット1」を含む。この分包機情報206aによれば、店舗ID「X」によって識別される調剤薬局に設けられている分包機30が「フォーマット1」において定められているパターン(印刷フォーマット)での印刷が可能であることが示されている。
また、分包機情報206bは、店舗ID「X」及び印刷情報「フォーマット2」を含む。この分包機情報206bによれば、店舗ID「X」によって識別される調剤薬局に設けられている分包機30が「フォーマット2」において定められているパターン(印刷フォーマット)での印刷が可能であることが示されている。
ここでは1つの分包機30が複数の印刷フォーマットで印刷可能であるものとして説明したが、当該分包機30は、1つの印刷フォーマットでのみ印刷可能なように構成されていてもよい。
また、ここでは分包機情報206a及び206bについてのみ説明したが、他の分包機情報のデータ構造についても同様である。なお、第2格納部206には、調剤薬局に設けられている分包機(つまり、情報処理システムが備える分包機30)毎に分包機情報が格納されている。
図8においては分包機情報が店舗ID及び印刷情報を含むものとして説明したが、分包機情報は、例えば分包機30の種別(機種)等の他の情報を更に含んでいてもよい。
図9は、図6に示す第3格納部207に格納されている調剤データのデータ構造の一例を示す。
図9に示すように、調剤データは、店舗ID、処方箋ID、氏名または患者ID、調剤年月日、医薬品及び用法、用量、一包化指示情報などを含み、その内容は一般的に調剤レセプトコンピュータで処理された医療保険請求に使われるものと一緒である。
店舗IDは、医薬品を調剤した調剤薬局を識別するための識別情報である。処方箋IDは、対応づけられている店舗IDによって識別される調剤薬局において医薬品を調剤する際に用いられた処方箋を識別するための識別情報である。氏名は、対応づけられている処方箋IDによって識別される処方箋が発行された利用者(患者)の氏名である。
調剤年月日は、対応づけられている店舗IDによって識別される調剤薬局において調剤が行われた年月日である。
医薬品は、対応づけられている店舗IDによって識別される調剤薬局において調剤された医薬品を示す。なお、処方箋には当該処方箋に基づいて調剤されるべき医薬品(の医薬品名)が記載されているが、調剤データに含まれる医薬品は、当該医薬品(医薬品名)を表すYJコードを含む。なお、図9に示す医薬品は、医薬品銘柄を表すものであってもよいし、当該医薬品の成分名であってもよい。
一包化指示情報は、対応づけられている店舗IDによって識別される調剤薬局において調剤された医薬品(つまり、対応づけられているYJコードによって表される医薬品)が一包化して交付されたか否かを示す。換言すれば、一包化指示情報は、対応づけられている処方箋IDによって識別される処方箋において処方全体もしくは用法毎に一包化が指示されているか否かを示す。
図9に示す例では、第3格納部207には、調剤データ207a〜207cが格納されている。
調剤データ207aは、店舗ID「X」、処方箋ID「1」、氏名「C」、調剤年月日「2018/10/18」、医薬品「YJコード1」及び一包化指示情報「一包化」を含む。この調剤データ207aによれば、2018年10月18日に店舗ID「X」によって示される調剤薬局において処方箋ID「1」によって識別される処方箋に基づいて「YJコード1」によって表される医薬品が調剤され、氏名が「C」である患者に対して当該医薬品が一包化されて交付されたことが示されている。
また、調剤データ207bは、店舗ID「X」、処方箋ID「1」、氏名「C」、調剤年月日「2018/10/18」、医薬品「YJコード2」及び一包化指示情報「一包化」を含む。この調剤データ207bによれば、2018年10月18日に店舗ID「X」によって示される調剤薬局において処方箋ID「1」によって識別される処方箋に基づいて「YJコード2」によって表される医薬品が調剤され、氏名が「C」である患者に対して当該医薬品が一包化されて交付されたことが示されている。
更に、調剤データ207cは、店舗ID「X」、処方箋ID「2」、氏名「D」、調剤年月日「2018/10/19」、医薬品「YJコード3」及び一包化指示情報「−」を含む。この調剤データ207cによれば、2018年10月19日に店舗ID「X」によって示される調剤薬局において処方箋ID「2」によって識別される処方箋に基づいて「YJコード3」によって表される医薬品が調剤され、氏名が「D」である患者に対して当該医薬品が一包化されずに交付されたことが示されている。
ここでは、調剤データ207a〜207cについてのみ説明したが、他の調剤データのデータ構造についても同様である。なお、第3格納部207には、調剤薬局において過去に調剤された医薬品毎に調剤データが格納されている。
また、図9においては調剤データが店舗ID、処方箋ID、氏名、調剤年月日、医薬品及び一包化指示情報を含むものとして説明したが、調剤データは、これらの一部が省略されたものであってもよいし、他の情報を更に含むものであってもよい。
なお、調剤データは、例えば上記したレセプトデータであり、例えばレセプトコンピュータから取得可能であるが、図9において説明したデータに相当するものであれば、レセプトコンピュータとは独立して管理されるデータであってもよい。
以下、図10に示すシーケンスチャートを参照して、本実施形態における情報処理システムの処理手順の一例について説明する。
例えば病院において処方箋が発行された利用者(患者)は、利用者端末10を用いて、当該処方箋に基づく調剤作業を調剤薬局に対して予約することができる。以下、調剤薬局に対して調剤作業を予約する利用者を対象利用者、当該調剤作業が予約される調剤薬局を対象調剤薬局と称する。
上記したように調剤作業を予約する場合、対象利用者は、利用者端末10を操作することによって、当該利用者端末10上で所定のアプリケーションプログラムを起動する(ステップS1)。
ここで、ステップS1において所定のアプリケーションプログラムが起動された場合、利用者端末10(タッチスクリーンディスプレイ16)には、当該アプリケーションプログラムにおけるトップ画面が表示される。対象利用者は、利用者端末10に表示されたトップ画面を介して、調剤作業を予約し、当該調剤作業によって調剤された医薬品を受け取る調剤薬局(対象調剤薬局)を検索(特定)することができるものとする。なお、この調剤薬局の検索(特定)は、例えば情報処理装置20に含まれる予約管理部201等を介して実行されるものとする。
対象調剤薬局が検索された場合、利用者端末10には、当該検索された対象調剤薬局の画面(以下、店舗画面と表記)が表示される。
図11は、店舗画面の一例を示す。図11に示すように、店舗画面400には、対象調剤薬局に関する情報が表示される。具体的には、店舗画面400には、例えば対象調剤薬局の名称(調剤薬局名)、当該対象調剤薬局の最寄り駅に関する情報及び当該対象調剤薬局の外観の画像等が表示されている。なお、店舗画面400には、対象調剤薬局に関する他の情報(例えば、営業時間等)が表示されていてもよい。
ここで、店舗画面400の下部には、「予約受付」ボタン401が設けられている。対象調剤薬局に対して調剤作業を予約する場合、対象利用者は、店舗画面400に対して「予約受付」ボタン401を指定(押下)する操作を行う。なお、このような利用者端末10の画面に対する対象利用者の操作は、利用者端末10のUI処理部101によって受け付けることができる。
再び図10に戻ると、対象利用者によって「予約受付」ボタン401を指定する操作が行われた場合、UI処理部101は、予約情報入力画面を表示する(ステップS2)。予約情報入力画面には、調剤作業を予約するために必要な情報が入力される。
図12は、予約情報入力画面の一例を示す。図12に示すように、予約情報入力画面410には、氏名入力欄411及び受取希望日時入力欄412が設けられている。
対象利用者は、利用者端末10を操作することによって、氏名入力欄411に対して対象利用者の氏名を入力することができる。
また、対象利用者は、利用者端末10を操作することによって、受取希望日時入力欄412に対して医薬品を受け取る日時(受取希望日時)を入力することができる。
なお、受取希望日時入力欄412においては、特定の日時が直接入力されてもよいし、例えばカレンダー形式またはプルダウン形式で表示される日時の一覧から特定の日時が選択されてもよい。また、受取希望日時入力欄412に入力される日時は、例えば現在時刻から予め定められた時間が経過した時刻以降でなければならない等の制限が課されるものであってもよい。また、受取期限(例えば、処方箋の発行日から数日以内等)が予め設定されていても構わない。
更に、予約情報入力画面410には、「処方箋写真」ボタン413が設けられている。ここで、上記したように予約情報には処方箋の画像が含まれるが、例えば利用者端末10に備えられているカメラ(撮像部)17を用いて当該処方箋の画像が既に撮像され、当該処方箋の画像が利用者端末10内に格納(保存)されている場合には、対象利用者は、「処方箋写真」ボタン413を指定(押下)することによって、「写真を撮る」または「ファイルを指定」から「ファイルを指定」を選択で利用者端末10内に格納されている画像の中から処方箋の画像(画像ファイル)を指定することができる。処方箋の画像は複数指定されてもよい。
一方、「写真を撮る」とした場合には、カメラ17を起動し、当該起動されたカメラ17によって処方箋の画像が撮像されるようにしてもよい。
予約情報入力画面410には、「予約情報を送信」ボタン414が更に設けられている。上記した対象利用者の氏名及び受取希望日時の入力と、処方箋の画像の指定とが完了した場合、対象利用者は、予約情報入力画面410に対して「予約情報を送信」ボタン414を指定(押下)する操作を行うことができる。
再び図10に戻ると、予約情報取得部102は、上記したステップS2において表示された予約情報入力画面において入力された氏名及び受取希望日時と当該予約情報入力画面において指定された画像とを含む予約情報を取得する(ステップS3)。ステップS3において取得された予約情報は、利用者端末10内に保持される。
ここで、対象利用者に対して発行された処方箋には、図13に示すように2次元シンボル(2次元コード)500が印刷(印字)されている場合がある。この場合、例えばカメラ17で2次元シンボル500を撮像することによって、当該2次元シンボル500を読み取ることが可能である。なお、処方箋に印刷されている2次元シンボル500には、当該処方箋の内容を示す処方箋情報が保持されているものとする。
このため、処方箋に印刷されている2次元シンボル500が読み取られた場合、利用者端末10の処方箋情報取得部103は、処方箋情報を取得する(ステップS4)。この処方箋情報は、例えば文字情報であり、処方箋を発行した病院の病院名、当該処方箋が発行された対象利用者の氏名、当該処方箋に基づいて調剤されるべき医薬品に関する情報、当該医薬品の服用時期及び当該医薬品を一包化して交付するか否か等の情報(一包化指示情報)等を含む。医薬品に関する情報は、例えば当該医薬品を表すYJコードである。処方箋情報には、他の医療機関情報及び医療保険情報等も含まれる。ステップS4において取得された処方箋情報は、利用者端末10内に保持される。
なお、処方箋情報は、上記した予約情報に含まれる処方箋の画像が撮像される際に読み取られてもよいし、当該画像の撮像とは独立して(つまり、別途、2次元シンボル500のみが撮像されることによって)読み取られてもよい。
ステップS4の処理が実行されると、対象利用者は、予約情報入力画面410に設けられている「予約情報を送信」ボタン414を指定(押下)する操作を行うことができる。これにより、ステップS3において取得された予約情報及びステップS4において取得された処方箋情報が情報処理装置20に送信される(ステップS5)。
ステップS5において利用者端末10から送信された予約情報及び処方箋情報は、情報処理装置20(予約管理部201)によって受信される。予約情報及び処方箋情報が受信された場合、予約管理部201は、対象調剤薬局に対する対象利用者からの調剤作業の予約を受け付け、当該予約情報を第1格納部205に格納する(ステップS6)。
なお、ステップS6において第1格納部205に格納される予約情報は、上記した予約情報入力画面において入力された氏名及び受取希望日時と当該予約情報入力画面において指定された画像以外に、店舗ID、受付番号及び受付日時等を更に含む。
ステップS6において第1格納部205に格納される予約情報に含まれる店舗IDは、上記した「予約受付」ボタン401が指定された際に利用者端末10に店舗画面400が表示されていた調剤薬局(つまり、対象調剤薬局)を識別するための店舗IDである。
また、ステップS6において第1格納部205に格納される予約情報に含まれる受付番号は、利用者端末10から予約情報が受信された際に、例えば予約管理部201によって発行される。なお、受付番号は、例えば対象調剤薬局に対する調剤作業の予約が受け付けられる度に連番で発行される。
更に、ステップS6において第1格納部205に格納される予約情報に含まれる受付日時は、利用者端末10から予約情報が受信された日時(調剤作業の予約が受け付けられた日時)であり、例えば情報処理装置20内のクロック等から取得される。
上記した予約情報が第1格納部205に格納されることによって、予約管理部201は、対象調剤薬局に対する対象利用者からの調剤作業の予約(予約情報)を管理することができる。
なお、対象調剤薬局に対する対象利用者からの調剤作業の予約に関する予約情報が第1格納部205に格納された場合、当該予約情報は、当該対象調剤薬局に設けられている端末(以下、店舗端末と表記)に表示される。対象調剤薬局のスタッフは、店舗端末に表示された予約情報に含まれる画像(処方箋の画像)を確認することによって、例えば医薬品の調整作業及びレセプトデータ(調剤データ)の入力作業等を行うことができる。
次に、選択部203は、利用者端末10から受信された処方箋情報に含まれる氏名(対象利用者の氏名)を含む予約情報を第1格納部205から取得し、当該取得された予約情報に含まれる店舗IDを取得する。ここで取得される店舗IDは、対象利用者が調剤作業を予約した対象調剤薬局を識別するための店舗IDである。
この場合、選択部203は、取得された店舗IDを含む分包機情報に含まれる印刷情報を第2格納部206から取得する(ステップS7)。なお、ステップS7において取得された印刷情報は、対象調剤薬局に設けられている分包機30が分包袋に対して印刷可能な印刷フォーマットを示す。ステップS7においては、複数の印刷情報が取得されてもよい。
ステップS7において取得された印刷情報は、利用者端末10に送信される(ステップS8)。
ステップS8において情報処理装置20から送信された印刷情報(印刷フォーマット)は、利用者端末10において受信される。UI処理部101は、利用者端末10において受信された印刷情報によって示される印刷フォーマットを含むフォーマット選択画面をタッチスクリーンディスプレイ16に表示する(ステップS9)。
対象利用者は、利用者端末10を操作することによって、フォーマット選択画面において所望の印刷フォーマットを指定することができる。
対象利用者によって指定された印刷フォーマット(を示す印刷情報)は、情報処理装置20に通知される(ステップS10)。
ステップS10の処理が実行されると、選択部203は、当該ステップS10における利用者端末10からの通知(つまり、利用者端末10に対する対象利用者の操作)に応じて、例えば医薬品の服用に関する情報が分包袋に印刷される際の印刷フォーマットを選択する(ステップS11)。
なお、例えば対象利用者が過去に対象調剤薬局を利用した際に印刷フォーマットを指定(選択)している場合には、当該印刷フォーマットの情報(印刷情報)を情報処理装置20内に保持しておき、当該印刷フォーマットがデフォルトで指定されているフォーマット選択画面をステップS12において表示するようにしてもよい。また、上記したように対象利用者が過去に対象調剤薬局を利用した際に指定された印刷フォーマットの情報が情報処理装置20内に保持されている場合には、フォーマット選択画面を表示することなく(つまり、ステップS8〜S10の処理が実行されることなく)、ステップS11において当該印刷フォーマットが自動的に選択されてもよい。
また、図10においては予約情報及び処方箋情報が利用者端末10から情報処理装置20に送信された後にステップS7〜S11の処理が実行されるものとして説明したが、当該ステップS7〜S11の処理は、予約情報及び処方箋情報が利用者端末10から情報処理装置20に送信される前に実行されてもよい。
次に、判定部202は、利用者端末10から受信された処方箋情報に基づいて、医薬品に対する一包化指示があるか否かを判定する(ステップS12)。この場合、処方箋情報に含まれる一包化指示情報が医薬品を一包化して交付することを示す場合、判定部202は、医薬品に対する一包化指示があると判定する。医薬品に対する一包化指示があると判定された場合には、以下のステップS13以降の処理が実行される。
ここで、上記したように処方箋には当該処方箋に基づいて調剤されるべき医薬品が記載されているが、当該医薬品として、当該医薬品の医薬品名が記載されている場合と、当該医薬品の主成分を表す一般名が記載されている場合とがある。なお、一般名は主成分のみを表す名称であるため、当該一般名に対応する医薬品(つまり、同一の主成分を有する医薬品)は複数存在する。
一方、分包機30においては、例えば医薬品名(商品名)毎にカセットに格納されている医薬品の中から適切な医薬品を選択的に供給することによって一包化を実現するところ、上記したように処方箋に一般名が記載されている場合には、当該一般名に対応する複数の医薬品のうちの何れを一包化すべきかを判別することができない。
そこで、本実施形態において、上記した処方箋に一般名が記載されている場合には、制御部204は、第3格納部207に格納されている調剤データに基づいて、当該一般名に対応する医薬品を特定する(ステップS13)。
ステップS13の処理について具体的に説明すると、上記したように処方箋情報には処方箋に基づいて調剤される医薬品に関する情報として当該医薬品を表す各種のコードが含まれるが、処方箋に医薬品の主成分を表す一般名が記載されている場合、当該医薬品を表す一般名コードが使われる。このコードは12桁となっており下3桁は例えば「ZZZ」のような表記となっており、医薬品の医薬品名(商品名)を特定することができないようになっている。
このため、処方箋情報に下3桁が「ZZZ」である一般名コードが含まれている場合(つまり、処方箋に一般名が記載されている場合)には、制御部204は、対象調剤薬局を識別するための店舗ID、対象利用者の氏名、処方箋情報に含まれる一般名コードと上9桁が共通するYJコード及び一包化して交付されたことを示す一包化指示情報を含む調剤データ(以下、対象調剤データと表記)が第3格納部207に格納されているか否かを判定する。
対象調剤データが第3格納部207に格納されていると判定された場合には、当該対象調剤データに含まれるYJコードによって表される医薬品が、処方箋に記述されている一般名に対応する医薬品(一包化指示薬)として過去に対象利用者に交付されていることがわかる。このため、制御部204は、対象調剤データに含まれるYJコード(によって表される医薬品)を一般名に対応する医薬品として特定する。この一般名に対応する医薬品としては、対象調剤薬局の分包機30にセットされている医薬品が特定されてもよい。対象調剤薬局の分包機30にセットされている医薬品の情報(YJコード)は、情報処理装置20内で管理されていればよい。また、ステップS13においては、例えば対象調剤薬局で調剤履歴がある医薬品がリスト化されており、当該リストとのマッチングにより医薬品が特定されてもよい。
なお、対象調剤データが第3格納部207に格納されていない場合には、処方箋に記載されている一般名に対応する医薬品を特定することができないため、図10に示す処理は終了されるものとする。
ステップS13の処理が実行されると、制御部204は、処方箋情報に基づいて医薬品を一包化するように分包機30を動作させる。この場合、制御部204は、処方箋情報、ステップS11において選択された印刷フォーマットを示す印刷情報及びステップS13において特定された医薬品の情報(YJコード)を対象調剤薬局に設けられている分包機30に送信する(ステップS14)。
ステップS14において情報処理装置20から送信された処方箋情報、印刷情報及びYJコードは分包機30に入力され、当該分包機30は、当該処方箋情報、印刷情報及びYJコードに基づいて医薬品を一包化するように動作する(ステップS15)。この場合、分包機30は、自動的に動作を開始してもよいし、例えば当該分包機30に組み込まれているPC35等で対象調剤薬局のスタッフが内容を確認し、当該スタッフが動作指示を行うことによって動作してもよい。
なお、本実施形態において、「情報処理装置20から送信された処方箋情報、印刷情報及びYJコードが分包機30に入力される」とは、情報処理装置20から送信された処方箋情報、印刷情報及びYJコードが直接分包機30に入力されることに加えて、例えば当該処方箋情報、印刷情報及びYJコードがレセプトコンピュータを介して入力されることをも含むものとする。
ステップS15においては、例えば分包機30において受信されたYJコードによって表される医薬品を第1供給部31または第2供給部32から選択的に供給し、当該供給された医薬品が一包化された分包袋(つまり、分包袋に投入された医薬品)が分包機30の収容部34に収容される。この際、分包袋には、分包機30において受信された印刷情報によって示される印刷フォーマットで、処方箋情報に含まれる氏名及び服用時期等の情報(服用に関する情報)が印刷される。収容部34に収容された医薬品(一包化された医薬品)は、対象調剤薬局のスタッフによる監査が行われた後に、当該対象調剤薬局に来店した対象利用者に対して交付される。
ここでは、ステップS12の判定処理において医薬品に対する一包化指示があると判定された場合について説明したが、当該医薬品に対する一包化指示がないと判定された場合には、分包機30を動作させる必要がないため、図10に示す処理は終了される。
また、ステップS13の処理は処方箋に一般名が記載されている(つまり、処方箋情報に一般名コードが含まれている)場合に実行される処理であるが、当該処方箋に一般名が記載されていない(つまり、処方箋に医薬品名が記載されており、処方箋情報にYJコードが含まれている)場合には、ステップS13の処理は省略される。この場合、ステップS14においては、処方箋情報に含まれているYJコードが分包機30に送信されればよい。
また、ステップS13において医薬品を特定することができない(つまり、対象調剤データが第3格納部207に格納されていない)場合には図10に示す処理が終了されるものとして説明したが、対象調剤データが第3格納部207に格納されていない場合であっても、例えば調剤薬局において取り扱われている医薬品(YJコード)の中から一般名に対応する医薬品(つまり、処方箋情報に含まれる一般名コードと上9桁が共通するYJコードによって表される医薬品)が自動的に特定される構成としてもよいし、当該医薬品を対象調剤薬局のスタッフに入力させる構成としてもよい。
また、図10に示す例では、ステップS1〜S15の処理が一連の処理として実行される場合について説明したが、当該ステップS1〜S15の処理の少なくとも一部は、異なるタイミングで実施されてもよい。具体的には、予約情報を取得して格納する処理と、処方箋情報を取得して格納する処理とは独立して実行されても構わない。
なお、処方箋情報は、情報処理装置20(サーバ装置)から分包機30に直接データが送られるのではなく、レセプトコンピュータを介して分包機30にデータが送られる。
この場合には、処方箋情報がレセプトコンピュータに届いた後、当該処方箋情報がレセプトコンピュータで表示または参照可能な状態となる。その後、レセプトコンピュータ経由で分包機30へ一包化指示医薬品データが送られる。この場合、一包化以外の医薬品はレセプトコンピュータで確認した薬剤師が手動で調剤を行うことになる。
上記したように本実施形態における処方箋情報は、レセプトコンピュータにおいても表示可能である。
上記したように本実施形態においては、利用者に対して発行された処方箋の内容を示す処方箋情報を利用者端末10から受信し、当該受信された処方箋情報に基づいて医薬品に対する一包化指示があると判定された場合、当該処方箋情報に基づいて医薬品を一包するように分包機30を動作させる。
本実施形態においては、このような構成により、調剤薬局のスタッフが処方箋の内容を分包機30に入力することなく、分包機30を動作させることが可能となるため、当該スタッフの負担を軽減することができる。また、本実施形態によれば、人的業務や確認作業等に必要な時間を短縮(削減)することができるため、調剤薬局における業務支援及び改善を実現することができる。
更に、本実施形態においては、医薬品の服用に関する情報が分包袋に印刷される際の印刷フォーマットを利用者端末10に対する利用者の操作に応じて選択する。なお、印刷フォーマットは分包機30(の種類)に応じて異なるが、本実施形態においては、利用者によって調剤作業が予約された調剤薬局に設けられている分包機30が印刷可能な印刷フォーマットの中から選択することができる。
本実施形態においては、このような構成により、一包化された医薬品(一包化薬)の服用間違い等を未然に防ぐために、当該医薬品が投入された分包袋(一包化袋)に利用者の所望する印刷を行うことが可能となる。これによれば、例えば利用者、当該利用者の医薬品の服用を補助する家族または介護職員等による間違いを防止し、これらの者のストレス軽減にも寄与することができる。
更に、本実施形態においては、処方箋情報にYJコード(第2コード)が含まれている場合には当該YJコードによって表される医薬品を一包化するように分包機30を動作させ、当該処方箋情報に一般名コード(第3コード)が含まれている場合には過去の調剤データに基づいて当該一般名コードに対応するYJコード(第1コード)を特定し、当該特定されたYJコードによって表される医薬品を一包化するように分包機30を動作させる。
本実施形態においては、このような構成により、処方箋情報に一般名コードが含まれている(つまり、処方箋に一般名が記載されている)場合であっても、当該一般名に対応する医薬品の一包化を自動的に行うことが可能となる。
更に、本実施形態においては、例えば処方箋に印刷されている2次元コード(2次元シンボル)を読み取ることによって利用者端末10で取得された処方箋情報を情報処理装置20において受信する構成により、当該情報処理装置20は処方箋の正確な内容(情報)を得ることができる。
なお、本実施形態においては処方箋に印刷されているに2次元コードを読み取ることによって取得された処方箋情報が情報処理装置20において受信されるものとして説明したが、処方箋には2次元コードが印刷されていない場合がある。
このような場合、情報処理装置20は、利用者端末10に備えられるカメラ17によって撮像された処方箋の画像を処方箋情報として当該利用者端末10から受信し、当該処方箋の画像を解析することによって処方箋の内容に相当する情報を取得する構成としてもよい。このような構成によれば、本実施形態に係る情報処理装置20は、処方箋の画像を解析した結果に基づいて、医薬品に対する一包化指示があるか否かを判定し、当該医薬品を一包化するように分包機30を動作させることが可能となる。
なお、上記した処方箋の画像を解析する処理は利用者端末10側で実行されてもよい。この場合、情報処理装置20は、利用者端末10において処方箋の画像が解析された結果として得られる情報を処方箋情報として利用者端末10から受信することができる。
更に、情報処理装置20において受信される処方箋情報は、例えば処方箋の画像からOCR(光学的文字認識)技術により抽出された情報等であってもよい。また、処方箋情報は、例えば処方箋を発行した病院等から情報処理装置20に直接送信されてもよい。
なお、本実施形態においては情報処理装置20が例えば第1〜第3格納部205〜207を含むものとして説明したが、当該第1〜第3格納部205〜207の少なくとも一部は情報処理装置20の外部装置等に備えられていてもよい。この場合、情報処理装置20は、必要なデータを外部装置から取得(受信)する構成であればよい。
また、本実施形態においては情報処理装置20が1つの装置であるものとして説明したが、当該情報処理装置20は例えば複数の装置の連係動作によって実現されても構わない。
なお、上記した実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することもできる。
また、この記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
更に、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から本実施形態における処理が実行される場合も本発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成であってもよい。
なお、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であってもよい。
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。