JP6887469B2 - 車体下部構造 - Google Patents

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本発明は、フロアパネルの上方に乗員着座用のシートが支持される車体下部構造に関するものである。
車体下部構造として、車体前後方向に略沿って延びる左右のサイドシルにフロアパネルが架設され、フロアパネルの上方に、車幅方向に略沿って延びるフロアクロスメンバが配置されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の車体下部構造は、前後一対のフロアクロスメンバがフロアパネルの上方に配置され、各フロアクロスメンバの車幅方向外側の端部が左右のサイドシルに結合されている。前後のフロアクロスメンバには、乗員着座用のシートの前部側と後部側の各下端が支持されている。なお、前部側のフロアクロスメンバは、乗員着座用のシートを高い位置で支持することにより、シールの良好な座り心地を確保することができる。
特許第5585530号公報
電気自動車等では、大容量のバッテリを搭載する必要から、フロアパネルの下方にバッテリが配置されることがある。この場合、フロアパネルは、バッテリの配置高さ分だけ上面高さが高くなる。そして、フロアパネルの上面の高さがサイドシルの閉断面の上壁と略同高さになると、フロアパネルの上方に配置するフロアクロスメンバの上面の高さがサイドシルに対して上方に大きくオフセットすることになる。
フロアクロスメンバは、車両側方から大きな衝撃荷重が入力されたときには、その衝撃荷重を車体の幅方向内側領域に伝達するように機能する。しかし、上記のようにフロアクロスメンバの上面の高さがサイドシルに対して上方に大きくオフセットして配置されると、車両側方からの衝撃荷重の入力時に、フロアクロスメンバのうちのサイドシルとの連結部の近傍に過大な応力が発生することが懸念される。
そこで本発明は、フロアパネルの上面高さを高く設定した場合にも、車両側方からの衝撃荷重の入力時に、フロアクロスメンバとサイドシルとの連結部に過大な応力が発生するを抑制することができる車体下部構造を提供しようとするものである。
本発明に係る車体下部構造は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係る車体下部構造は、車体の側部下方に配置され、閉断面が車体前後方向に略沿って延びる左右一対のサイドシル(例えば、実施形態のサイドシル11)と、一対の前記サイドシルに架設されるフロアパネル(例えば、実施形態のフロアパネル12)と、前記フロアパネルの上方側で車幅方向に略沿って延び、車幅方向外側の端部が前記サイドシルに連結されるフロアクロスメンバ(例えば、実施形態のフロントクロスメンバ13)と、下端が前記フロアクロスメンバに支持される乗員着座用のシート(例えば、実施形態のシート15)と、を備え、前記フロアパネルが、前記サイドシルの閉断面の上壁(例えば、実施形態の上壁11u)と略同高さに配置される車体下部構造であって、前記フロアクロスメンバの上壁(例えば、実施形態の上壁13u)は、車幅方向内側から車幅方向外側の前記サイドシルとの連結部に向かって下方傾斜する傾斜部(例えば、実施形態の第1傾斜部20A及び第2傾斜部20B)を有し、前記シートの車幅方向内側寄りの下端は、前記フロアクロスメンバに直接連結され、前記シートの車幅方向外側寄りの下端は、別体のシートブラケット(例えば、実施形態のシートブラケット22)を介して前記フロアクロスメンバに連結されていることを特徴とする。
上記の構成により、一方のサイドシルに車幅方向外側から衝撃荷重が入力されると、その衝撃荷重は、傾斜部を通してフロアクロスメンバの車幅方向内側領域に伝達される。このとき、フロアクロスメンバの上壁の車幅方向内側領域は、フロアクロスメンバとサイドシルとの連結部に対して車体上方にオフセットしているが、サイドシルに入力された衝撃荷重は、傾斜部を通してフロアクロスメンバに入力されるため、連結部の近傍部に大きな応力が発生しない。また、シートは、車幅方向外側寄りの下端が、別体のシートブラケットを介してフロアクロスメンバに連結されているため、シートの車幅方向内側部分と車幅方向外側部分とをほぼ同じ高さで支持することができる。
前記フロアクロスメンバは、前記シートの前部下端を支持するフロントクロスメンバ(例えば、実施形態のフロントクロスメンバ13)であり、前記フロントクロスメンバの後方には、当該フロントクロスメンバよりも上面高さが低く、車幅方向外側の端部が前記サイドシルに連結されるとともに、前記シートの後部下端を支持するリヤクロスメンバ(例えば、実施形態のリヤクロスメンバ14)が配置されるようにしても良い。
この場合、フロントクロスメンバの上面高さをリヤクロスメンバの上面高さよりも充分に高くして、シートの良好な座り心地を確保することができる。
前記傾斜部は、前記フロアクロスメンバの車幅方向内側領域に位置される第1傾斜部(例えば、実施形態の第1傾斜部20A)と、前記第1傾斜部の車幅方向外側に連設されるとともに、前記第1傾斜部よりも下方への傾斜角度が大きい第2傾斜部(例えば、実施形態の第2傾斜部20B)と、を有し、前記シートブラケットは、前記第2傾斜部の車幅方向内側の端部領域に結合されるようにしても良い。
この場合、第1傾斜部の車幅方向外側に、当該第1傾斜部よりも傾斜角度の大きい第2傾斜部が連設されているため、フロアクロスメンバのうちの、サイドシルとの連結部の近傍の断面高さを大きく確保することができる。したがって、フロアクロスメンバの、サイドシルとの連結部の近傍の剛性を高め、車両側方からの衝撃荷重の入力時に、フロアクロスメンバとサイドシルとの連結部の近傍に過大な応力が発生するを抑制することができる。
また、シートブラケットが、第2傾斜部の車幅方向内側の端部領域に結合されているため、第1傾斜部と第2傾斜部の連接部分をシートブラケットによって補強することができる。したがって、本構成を採用した場合には、シートの車幅方向外側の支持剛性を高めることができる。
前記フロアクロスメンバの内側には、当該フロアクロスメンバの断面を補強する隔壁部材(例えば、実施形態の隔壁部材23A)が配置され、前記シートブラケットの少なくとも一部は、前記隔壁部材と上下方向で重なる位置で前記フロアクロスメンバと結合されるようにしても良い。
この場合、シートからシートブラケットに入力された荷重は、フロアクロスメンバによって支持される。このとき、フロアクロスメンバの断面を補強する隔壁部材が、シートブラケットの結合部と上下方向で重なる位置に配置されているため、シートからシートブラケットに入力された荷重は隔壁部材による補強部によって高い剛性をもって支持される。したがって、本構成を採用した場合には、シートブラケットを簡易な構造とすることができ、シートブラケットの製造コストの低減を図ることができる。
前記フロアクロスメンバは、前記上壁と、前記上壁の後部から下方に延びる後壁(例えば、実施形態の後壁13r)と、前記上壁の前部から下方に延びる前壁(例えば、実施形態の前壁13f)と、を有し、前記シートブラケットは、前記後壁または前記前壁に接合される縦壁(例えば、実施形態の縦壁22v)と、前記縦壁の上端から前記フロアクロスメンバの前記上壁に向かって下方に傾斜して延びるとともに、前記シートの連結部(例えば、実施形態の連結部22c)を有する傾斜壁(例えば、実施形態の傾斜壁22i)と、前記傾斜壁に連設され、前記フロアクロスメンバの前記上壁に接合される接合フランジ(例えば、実施形態の接合フランジ22f)と、を備え、前記接合フランジは、前記連結部を中心として略放射状に延びる複数のビード(例えば、実施形態のビード22b)を有する構成としても良い。
この場合、シートからの荷重は、連結部を有するシートブラケットの傾斜壁に入力される。傾斜壁に入力された荷重は、傾斜壁に連設された接合フランジを介して、フロアクロスメンバの上壁に支持される。このとき、接合フランジには、連結部を中心として略放射状に延びる複数のビードが設けられているため、接合フランジに入力された荷重を広範囲に分散してフロアクロスメンバの上壁に支持させることができる。したがって、本構成を採用した場合には、シートの支持剛性を充分に確保できるシートブラケットを簡易な構造とすることができ、シートブラケットの製造コストの低減を図ることができる。
前記シートブラケットの前記縦壁と前記傾斜壁には、車幅方向内側の側縁部と車幅方向外側の側縁部の形状に略沿って延びる一対の第1稜線(例えば、実施形態の第1稜線24)が形成され、前記シートブラケットの前記縦壁には、車両下方に向かって互いの離間幅が拡大するように下方に延びる一対の第2稜線(例えば、実施形態の第2稜線25)が形成されるようにしても良い。
この場合、シートから入力される下向きの静荷重を、第1稜線と第2稜線によって補強された高い剛性のシートブラケットによって受け止めることができる。したがって、本構成を採用した場合には、シートの支持剛性をより高めることができる。
車体下部構造は、前記フロアパネルの車幅方向外側の端部領域の下面と、前記サイドシルの車幅方向内側の側面と、に結合され、前記フロアパネルとの間で車幅方向に略沿って延びる閉断面を形成する補強部材(例えば、実施形態のガセットプレート26)をさらに備え、前記補強部材の前記閉断面を形成する下壁(例えば、実施形態の下壁26a)は、前記第2傾斜部と略平行に形成されるようにしても良い。
この場合、補強部材が、フロアクロスメンバの第2傾斜部とともに、略一定形状の合成断面を形成する。このため、車両側方からサイドシルに入力された衝撃荷重を、上記の合成断面を介して車幅方向内側領域に効率良く伝達することができる。
本発明の車体下部構造は、フロアクロスメンバの上壁が、車幅方向内側から車幅方向外側のサイドシルとの連結部に向かって下方傾斜する傾斜部を有する。そして、シートは、車幅方向内側寄りの下端がフロアクロスメンバに直接連結されるとともに、車幅方向外側寄りの下端が、別体のシートブラケットを介してフロアクロスメンバに連結されている。このため、本発明では、フロアパネルの高さを高く設定した構造であるにも拘わらず、車両側方からの衝撃荷重の入力時に、フロアクロスメンバとサイドシルとの連結部に過大な応力が発生するを抑制し、かつ、シートの下端の車幅方向内側部分と外側部分の高さ違いを無くすことができる。
実施形態の車体下部構造の側面図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 実施形態の車体下部構造の斜視図である。 図3のIV矢視図である。 実施形態のシートブラケットの斜視図である。 図4のVI矢視図である。 実施形態の車体下部構造の斜視図である。 実施形態の車体下部構造の下面図である。 実施形態の補強部材の斜視図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図面において、矢印FRは車両の前方を指し、矢印UPは車両の上方を指し、矢印LHは車両の左側方を指すものとする。また、前後や上下、左右については、車両に対して向きを意味する。
図1は、実施形態の車両10の下部側の骨格部を左側方から見た図であり、図2は、図1のII−II線に沿う断面を示す図である。
本実施形態の車体下部構造は、車両10の下端側部に配置される強度部材である左右一対のサイドシル11を含む。左右の各サイドシル11は、略矩形状の閉断面が車体前後方向に略沿って延びている。
本実施形態の車体下部構造は、前記一対のサイドシル11と、車幅方向の両端部が左右のサイドシル11に架設されたフロアパネル12と、フロアパネル12の上方側で車幅方向に略沿って延び、車幅方向外側の端部がフロアパネル12とともにサイドシル11の上壁11uに連結されるフロントクロスメンバ13及びリヤクロスメンバ14と、を備えている。本実施形態では、フロントクロスメンバ13が前側のフロアクロスメンバを構成している。また、本実施形態の場合、フロアパネル12は、サイドシル11の閉断面の上壁11uと略同高さに配置されている。
フロントクロスメンバ13とリヤクロスメンバ14は、いずれも下向きに開口する略ハット型の断面形状に形成され、断面の前後の側縁部がフロアパネル12の上面に接合されている。これにより、フロントクロスメンバ13とリヤクロスメンバ14は、フロアパネル12との間で車幅方向に延びる閉断面を形成している。フロントクロスメンバ13とリヤクロスメンバ14には、乗員着座用のシート15の前側と後側の各下端15aがそれぞれ支持されている。本実施形態の場合、フロントクロスメンバ13の上壁13uは、リヤクロスメンバ14の上壁よりも所定高さ高くなっている。
本実施形態の車両10は、図示しないモータによって駆動される電気自動車である。フロアパネル12の下方には、複数のバッテリセルを収納したバッテリパック16が配置されている。バッテリパック16は、左右の端部が車体左右のサイドシル11に架設されている。バッテリパック16は、上方側に開口するパック本体16Aと、パック本体16Aの上部の開口を閉塞するパックカバー16Bと、を備えている。
バッテリパック16の内部には、図示しない複数のバッテリセルと、バッテリパック16内を前後で仕切るように車幅方向に略沿って延出する複数のバッテリクロスメンバ17が配置されている。バッテリクロスメンバ17は、フロアパネル12上のフロントクロスメンバ13とリヤクロスメンバ14の各直下位置に配置されている。フロントクロスメンバ13の直下位置に配置されたバッテリクロスメンバ17は、締結部材であるスタッドボルト18によってフロアパネル12とその上方のフロントクロスメンバ13とに結合されている。スタッドボルト18によるフロントクロスメンバ13の具体的な締結構造については後に詳述する。なお、ここでは図示は省略されているが、リヤクロスメンバ14は、フロントクロスメンバ13と同様に、直下位置に配置されているバッテリクロスメンバ17にスタッドボルト18によって結合されている。
図3は、フロアパネル12上のフロントクロスメンバ13の取付部を車両の前側左斜め上方から見た図であり、図4は、図3のIV矢視図である。
フロントクロスメンバ13は、上壁13uと、上壁13uの後部から下方に延びる後壁13rと、上壁13uの前部から下方に延びる前壁13fと、を有する。また、フロントクロスメンバ13は、後壁13rの下端から車両後方側に屈曲して延びる後接合フランジ13frと、前壁13fの下端から車両前方側に屈曲して延びる前接合フランジ13ffと、を有する。
フロントクロスメンバ13の上壁13uは、フロントクロスメンバ13の車幅方向内側領域に位置される第1傾斜部20Aと、第1傾斜部20Aの車幅方向外側に連設される第2傾斜部20Bと、を有する。第1傾斜部20Aと第2傾斜部20Bは、車幅方向内側から車幅方向外側に向かって傾斜する傾斜部である。ただし、第2傾斜部20Bは、第1傾斜部20Aよりも下方への傾斜角度が大きく設定されており、車幅方向外側の端部がサイドシル11の閉断面の上壁11uに結合されている。
乗員着座用のシート15の前側の車幅方向内側寄りの下端15aは、図2に示すようにフロントクロスメンバ13の車幅方向内側領域(第1傾斜部20Aの車幅方向内側領域)に直接連結されている。これに対し、シート15の前側の車幅方向外側寄りの下端15aは、別体のシートブラケット22を介してフロントクロスメンバ13の車幅方向外側領域(第2傾斜部20Bの車幅方向内側領域)に連結されている。
なお、シート15の後側の車幅方向内側と外側の各端部は、フロントクロスメンバ13の上壁13uよりも低位のリヤクロスメンバ14に直接連結されている。
また、フロントクロスメンバ13の内部には、フロントクロスメンバ13の断面を補強する断面略ハット状の隔壁部材23A,23Bが結合されている。各隔壁部材23A,23Bの底壁は、下方のバッテリクロスメンバ17に固定された前記スタッドボルト18の上端部に締結固定されている。車幅方向外側寄りに配置される隔壁部材23Aの一部は、シートブラケット22とフロントクロスメンバ13の連結部と上下方向で重なる位置に配置されている。換言すれば、シートブラケット22の一部は、隔壁部材23Aと上下方向で重なる位置でフロントクロスメンバ13と結合されている。
図5は、シートブラケット22の単体を車両の前側左斜め上方から見た図であり、図6は、図4のVI矢視図である。
シートブラケット22は、フロントクロスメンバ13の後壁13rに結合される縦壁22vと、縦壁22vの上端からフロントクロスメンバ13の上壁13uに向かって前部下方に傾斜して延びる傾斜壁22iと、傾斜壁22iの前端部に連設され、フロントクロスメンバ13の上壁13uに接合される接合フランジ22fと、を備えている。シートブラケット22の傾斜壁22iには、シート15の車幅方向外側寄りの下端15aが連結される連結部22cが設けられている。本実施形態の場合、シート15の車幅方向外側寄りの下端15aをボルト締結するための締結孔が連結部22cを構成している。また、接合フランジ22fには、傾斜壁22iの連結部22c(締結孔)を中心として前方側に略放射状に延びる複数のビード22bが形成されている。ビード22bは、プレス成形等により上方に弧状に隆起するように形成されている。
なお、本実施形態では、縦壁22vがフロントクロスメンバ13の後壁13rに結合される構成とされているが、縦壁22vは、フロントクロスメンバ13の前壁13fに結合される構成であっても良い。この場合、傾斜壁22iは、縦壁22vの上端からフロントクロスメンバ13の上壁13uに向かって後部下方に傾斜して延び、接合フランジ22fは、傾斜壁22iの後端部に連設される。
また、シートブラケット22の縦壁22vと傾斜壁22iには、車幅方向内側の側縁部と車幅方向外側の側縁部の形状に略沿って延びる一対の第1稜線24が形成されている。さらに、シートブラケット22の縦壁22vには、図6に示すように、車幅方向の中央領域から車両下方に向かって互いの離間幅が拡大するように下方に延びる一対の第2稜線25が形成されている。
図7は、サイドシル11とフロアパネル12の連結部を車両の前側右斜め下方から見た図であり、図8は、サイドシル11とフロアパネル12の連結部を車両の下方から見た図である。
図2,図7,図8に示すように、フロントクロスメンバ13の車幅方向外側領域が配置される部位のフロアパネル12の下方位置には、フロアパネル12の下面との間で車幅方向に沿って延びる閉断面を形成するガセットプレート26(補強部材)が配置されている。
図9は、補強部材であるガセットプレート26を前部左斜め上方から見た図である。
ガセットプレート26は、車幅方向内側から外側に向かって下方に傾斜する下壁26aと、下壁26aからの上端の高さが車幅方向内側から外側に向かって漸次高くなる前壁26f及び後壁26rと、を有している。前壁26fと後壁26rの各上端部には、フロアパネル12の下面に接合されるフロア接合フランジ26bが延設されている。下壁26aの傾斜した下端と、前壁26fと後壁26rの車幅方向外側の端部には、サイドシル11の車幅方向内側面に接合されるシル接合フランジ26cが延設されている。ガセットプレート26は、フロア接合フランジ26bがフロアパネル12の下面に接合され、シル接合フランジ26cがサイドシル11の車幅方向内側面に接合されることにより、フロアパネル12の下面との間に車幅方向に沿って延びる閉断面を形成している。この閉断面は、車幅方向内側から外側に向かって内部の開口面積が次第に拡がっている。
ここで、ガセットプレート26は、フロアパネル12を挟んでフロントクロスメンバ13の傾斜の急な第2傾斜部20Bと対向するように配置されている。そして、ガセットプレート26の下壁26aは、フロントクロスメンバ13の第2傾斜部20Bと略平行に形成されている。第2傾斜部20Bがフロアパネル12の上面との間で形成する閉断面は、車幅方向内側から外側に向かって内部の開口面積が次第に窄まっているが、ガセットプレート26がフロアパネル12の下面との間で形成する閉断面は、これとは逆に車幅方向内側から外側に向かって内部の開口面積が次第に広がっている。このため、フロントクロスメンバ13の第2傾斜部20Bと、ガセットプレート26の下壁26aを含む合成閉断面は、車幅方向内側から外側にかけてほぼ一定の断面積となっている。
本実施形態の車体下部構造の場合、左右の一方側のサイドシル11に車幅方向外側から衝撃荷重が入力されると、その衝撃荷重は、フロントクロスメンバ13の第2傾斜部と第1傾斜部を通してフロントクロスメンバ13の車幅方向内側領域に伝達される。このとき、フロントクロスメンバ13の上壁13uの車幅方向内側領域は、フロントクロスメンバ13とサイドシル11との連結部に対して車体上方にオフセットしているが、サイドシル11に入力された衝撃荷重は、第2傾斜部20Bと第1傾斜部20Aを通してフロアクロスメンバの車幅方向内側領域に円滑に伝達される。このため、連結部の近傍部には大きな応力が発生しない。
また、本実施形態の車体下部構造の場合、乗員着座用のシート15を支持するフロントクロスメンバ13の上壁13uが車幅方向外側に向かって傾斜しているが、シート15は、車幅方向外側寄りの下端が、別体のシートブラケット22を介してフロントクロスメンバ13に連結されているため、シート15の車幅方向内側部分と車幅方向外側部分とをほぼ同じ高さで支持することができる。
以上のように、本実施形態の車体下部構造では、フロントクロスメンバ13の上壁13uが、車幅方向内側から車幅方向外側のサイドシル11との連結部に向かって下方傾斜する傾斜部(第1傾斜部20A及び第2傾斜部20B)を有し、乗員着座用のシート15の車幅方向内側寄りの下端がフロントクロスメンバ13に直接連結されるとともに、車幅方向外側寄りの下端が、別体のシートブラケット22を介してフロントクロスメンバ13に連結されている。このため、本実施形態の車体下部構造は、フロアパネル12の高さを高く設定した構造であるにも拘わらず、フロントクロスメンバ13とサイドシル11との連結部に過大な応力が発生するを抑制し、かつ、シート15の下端の車幅方向内側部分と外側部分での高さ違いを無くすことができる。
また、本実施形態の車体下部構造は、シート15の前部下端を支持するフロントクロスメンバ13が上記の構成とされ、フロントクロスメンバ13の後方に、フロントクロスメンバ13よりも上面高さが低く、シート15の後部下端を支持するリヤクロスメンバ14が配置されている。このため、フロントクロスメンバ13の上面高さをリヤクロスメンバ14の上面高さよりも充分に高くして、シート15の良好な座り心地を確保することができる。
また、本実施形態の車体下部構造では、フロントクロスメンバ13のうちの第2傾斜部20Bの傾斜角度が第1傾斜部20Aの傾斜角度よりも大きく設定され、シートブラケット22が、第2傾斜部20Bの車幅方向内側の端部領域に結合されている。このため、フロントクロスメンバ13のうちの、サイドシル11との連結部の近傍の断面高さを大きく確保し、サイドシル11との連結部の近傍の剛性を高めることができる。したがって、車両側方からの衝撃荷重の入力時に、フロントクロスメンバ13とサイドシル11との連結部の近傍に過大な応力が発生するをより抑制することができる。
また、本構成の場合、シートブラケット22が、第2傾斜部20Bの車幅方向内側の端部領域に結合されているため、第1傾斜部20Aと第2傾斜部20Bの連接部分をシートブラケット22によって効率良く補強することができる。したがって、本構成を採用した場合には、シート15の車幅方向外側領域の支持剛性を効率良く高めることができる。
さらに、本実施形態の車体下部構造は、フロントクロスメンバ13の内側に、フロントクロスメンバ13の断面を補強する隔壁部材23Aが配置され、シートブラケット22の一部が、隔壁部材23Aと上下方向で重なる位置でフロントクロスメンバ13と結合されている。このため、シート15からシートブラケット22に入力された荷重を隔壁部材23Aによって高い剛性をもって支持することができる。したがって、本構成を採用した場合には、シートブラケット22を簡易な構造とすることができ、シートブラケット22の製造コストの低減を図ることができる。
また、本実施形態の車体下部構造は、シートブラケット22が、縦壁22vと、縦壁22vの上端部から下方に傾斜して延びる傾斜壁22iと、傾斜壁22iに連設される接合フランジ22fと、を備え、接合フランジ22fには、傾斜壁22iの連結部22cを中心として略放射状に延びる複数のビード22bが形成されている。このため、シート15からシートブラケット22に入力された荷重を、複数のビード22bで広範囲に分散させフロントクロスメンバ13の上壁13uに支持させることができる。したがって、本構成を採用した場合には、シート15の支持剛性を充分に確保できるシートブラケット22を簡易な構造とすることができ、シートブラケット22の製造コストのさらなる低減を図ることができる。
また、本実施形態の車体下部構造では、シートブラケット22の縦壁22vと傾斜壁22iに、車幅方向内側の側縁部と外側の側縁部の形状に略沿って延びる一対の第1稜線24が形成され、縦壁22vには、車両下方に向かって互いの離間幅が拡大するように下方に延びる一対の第2稜線25が形成されている。このため、シート15から入力される下向きの静荷重を、第1稜線24と第2稜線25で補強された高い剛性のシートブラケット22によって受け止めることができる。したがって、本構成を採用した場合には、シート15の支持剛性をより高めることができる。
さらに、本実施形態の車体下部構造は、フロアパネル12の車幅方向外側領域の下面と、サイドシル11の車幅方向内側の側面とに、フロアパネル12とともに閉断面を形成するガセットプレート26が結合され、ガセットプレート26の下壁26aがフロントクロスメンバ13の第2傾斜部20Bと略平行に形成されている。本構成の場合、補強部材であるガセットプレート26がフロントクロスメンバ13の第2傾斜部20Bとともに、略一定形状の合成断面を形成する。したがって、本構成を採用した場合には、車両側方からサイドシル11に入力された衝撃荷重を、ガセットプレート26と第2傾斜部20Bとを含む合成断面を介して車幅方向内側領域に効率良く伝達することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
11…サイドシル
11u…上壁
12…フロアパネル
13…フロントクロスメンバ(前側のフロアクロスメンバ)
13f…前壁
13r…後壁
13u…上壁
14…リヤクロスメンバ
15…シート
20A…第1傾斜部(傾斜部)
20B…第2傾斜部(傾斜部)
22…シートブラケット
22b…ビード
22c…連結部
22f…接合フランジ
22i…傾斜壁
22v…縦壁
23A…隔壁部材
24…第1稜線
25…第2稜線
26…ガセットプレート(補強部材)
26a…下壁

Claims (7)

  1. 車体の側部下方に配置され、閉断面が車体前後方向に略沿って延びる左右一対のサイドシルと、
    一対の前記サイドシルに架設されるフロアパネルと、
    前記フロアパネルの上方側で車幅方向に略沿って延び、車幅方向外側の端部が前記サイドシルに連結されるフロアクロスメンバと、
    下端が前記フロアクロスメンバに支持される乗員着座用のシートと、を備え、
    前記フロアパネルが、前記サイドシルの閉断面の上壁と略同高さに配置される車体下部構造であって、
    前記フロアクロスメンバの上壁は、車幅方向内側から車幅方向外側の前記サイドシルとの連結部に向かって下方傾斜する傾斜部を有し、
    前記シートの車幅方向内側寄りの下端は、前記フロアクロスメンバに直接連結され、
    前記シートの車幅方向外側寄りの下端は、別体のシートブラケットを介して前記フロアクロスメンバに連結されていることを特徴とする車体下部構造。
  2. 前記フロアクロスメンバは、前記シートの前部下端を支持するフロントクロスメンバであり、
    前記フロントクロスメンバの後方には、当該フロントクロスメンバよりも上面高さが低く、車幅方向外側の端部が前記サイドシルに連結されるとともに、前記シートの後部下端を支持するリヤクロスメンバが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車体下部構造。
  3. 前記傾斜部は、
    前記フロアクロスメンバの車幅方向内側領域に位置される第1傾斜部と、
    前記第1傾斜部の車幅方向外側に連設されるとともに、前記第1傾斜部よりも下方への傾斜角度が大きい第2傾斜部と、を有し、
    前記シートブラケットは、前記第2傾斜部の車幅方向内側の端部領域に結合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車体下部構造。
  4. 前記フロアクロスメンバの内側には、当該フロアクロスメンバの断面を補強する隔壁部材が配置され、
    前記シートブラケットの少なくとも一部は、前記隔壁部材と上下方向で重なる位置で前記フロアクロスメンバと結合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車体下部構造。
  5. 前記フロアクロスメンバは、
    前記上壁と、
    前記上壁の後部から下方に延びる後壁と、
    前記上壁の前部から下方に延びる前壁と、を有し、
    前記シートブラケットは、
    前記後壁または前記前壁に接合される縦壁と、
    前記縦壁の上端から前記フロアクロスメンバの前記上壁に向かって下方に傾斜して延びるとともに、前記シートの連結部を有する傾斜壁と、
    前記傾斜壁に連設され、前記フロアクロスメンバの前記上壁に接合される接合フランジと、を備え、
    前記接合フランジは、前記連結部を中心として略放射状に延びる複数のビードを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車体下部構造。
  6. 前記シートブラケットの前記縦壁と前記傾斜壁には、車幅方向内側の側縁部と車幅方向外側の側縁部の形状に略沿って延びる一対の第1稜線が形成され、
    前記シートブラケットの前記縦壁には、車両下方に向かって互いの離間幅が拡大するように下方に延びる一対の第2稜線が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の車体下部構造。
  7. 前記フロアパネルの車幅方向外側の端部領域の下面と、前記サイドシルの車幅方向内側の側面と、に結合され、前記フロアパネルとの間で車幅方向に略沿って延びる閉断面を形成する補強部材をさらに備え、
    前記補強部材の前記閉断面を形成する下壁は、前記第2傾斜部と略平行に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の車体下部構造。
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