以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
まず本発明の一実施の形態における作業車両の一例としてホイールローダの構成について図1を用いて説明するが、本発明は油圧ショベル、ブルドーザなどのドア開閉機構を有するキャブを備えた作業車両に適用可能である。
本例においては、キャブ30内の運転席に着座したオペレータを基準として各部の位置関係について説明する。前後方向とは、運転席に着座したオペレータの前後方向をいう。左右方向(幅方向)とは、運転席に着座したオペレータの左右方向をいう。上下方向とは、運転席に着座したオペレータの上下方向をいう。
運転席に着座したオペレータに正対する方向が前方向であり、前方向に対向する方向が後方向である。運転席に着座したオペレータが正面に正対したときの右側、左側がそれぞれ右方向、左方向である。運転席に着座したオペレータの足元側が下側、頭上側が上側である。
図1は、本発明の一実施の形態におけるホイールローダの構成を概略的に示す斜視図である。図1に示されるように、本実施の形態のホイールローダ40は、前部フレーム31と、後部車体32と、作業機33と、昇降装置(アクセスシステム)20とを主に有している。前部フレーム31の両側部の各々には前輪34aが取付けられている。後部車体32の両側部の各々には後輪34bが取付けられている。
前部フレーム31と後部車体32とは、センタピン(図示せず)により左右に揺動自在に取付けられている。前部フレーム31と後部車体32とは、アーティキュレート構造を構成している。
具体的には前部フレーム31と後部車体32とは、左右一対のステアリングシリンダ(図示せず)により連結されている。この左右のステアリングシリンダが伸縮することにより、前部フレーム31と後部車体32とはセンタピンを中心として左右に揺動し、操向する。前部フレーム31と後部車体32とによりホイールローダ40の車体が構成されている。
前部フレーム31の前方には作業機33が取付けられている。作業機33は、一対のブーム33aと、バケット33bと、一対のブームシリンダ(図示せず)と、ベルクランク33dと、バケットシリンダ33eと、リンク33fとを有している。
ブーム33aが前部フレーム31に対して揺動自在となるように、ブーム33aの基端部が前部フレーム31に取付けられている。バケット33bは、ブーム33aの先端部に揺動自在に取付けられている。ブームシリンダは、前部フレーム31とブーム33aとを連結している。ブームシリンダが伸縮することによりブーム33aが前部フレーム31に対して揺動する。
ベルクランク33dがブーム33aに対して揺動自在となるように、ベルクランク33dのほぼ中央部がブーム33aに支持されている。バケットシリンダ33eは、ベルクランク33dの基端部と前部フレーム31とを連結している。リンク33fは、ベルクランク33dの先端部とバケット33bとを連結している。バケットシリンダ33eが伸縮することによりバケット33bがブーム33aに対して揺動する。
後部車体32の後方にはエンジン室32bが配置されている。エンジン室32bの前方には作動油タンク32aが配置されている。後部車体32は、作動油タンク32aの前方に、運転室(たとえばキャブ)30を有している。運転室30は、オペレータが内部に入ってホイールローダ40を操作するための空間を構成している。
運転室30には、ドア用開口30aが設けられている。ドア用開口30aは、運転室30の内部空間を外部空間と繋いでいる。運転室30はドア10を有している。ドア10は、ドア用開口30aを開閉可能に構成されている。
運転室30の上部には、太陽パネル35が配置されている。太陽パネル35は、太陽光を太陽電池を用いて直接的に電力に変換して発電するものである。運転室30の側部であって、ドア用開口30aの下にはステップ30bが取り付けられている。
次に、本実施の形態のホイールローダ40におけるドア10の構成について図2を用いて説明する。
図2は、本発明の一実施の形態におけるホイールローダに用いられるドアの開閉動作を示す概略平面図である。図2に示されるように、ドア10は、たとえば折り畳み式(アコーディオン式)のドアである。
ドア10は、複数(たとえば2つ)のドアパネル10a、10bを有している。ドアパネル10a、10bの各々は、ドア用開口30aの前後方向の寸法を複数(たとえば2つ)に分割した寸法とほぼ同じ前後方向の寸法を有している。ドアパネル10a、10bの各々は、ドア用開口30aの上下方向の寸法とほぼ同じ上下方向の寸法を有している。
ドアパネル10aはドアパネル10bよりも後方に配置されている。ドアパネル10aの後端部は、運転室30に対して回転軸10dを中心として回転可能に支持されている。これによりドアパネル10aは、回転軸10dを中心として、実線で示されるようにドア用開口30aを閉じた位置と、破線で示されるようにドアパネル10aの前端部が運転室30の外部空間側へ突き出す位置との間で回転移動可能である。
ドアパネル10aの前端部とドアパネル10bの後端部とは、回転軸10cを介在して連結されている。この回転軸10cを中心として、ドアパネル10aとドアパネル10bとは相対的に回転可能である。これによりドアパネル10a、10bは、実線で示されるように互いに直線状に前後方向に並んだ状態と、破線で示されるように互いに折れ曲がった状態との間で互いに回転可能である。
ドアパネル10bの前端部には、たとえばスライド片10eが取り付けられている。このスライド片10eは、ガイドレール30aaに沿ってスライド可能にガイドレール30aaに係合されている。ガイドレール30aaは運転室30のドア用開口30a付近に設けられている。またドアパネル10bは、スライド片10eを中心として回転可能に運転室30に支持されている。これによりドアパネル10bは、実線で示されるようにドア用開口30aを閉じた位置と、破線で示されるようにドアパネル10bが後方に移動し、かつドアパネル10bの後端部が運転室30の外部空間側へ突き出す位置との間で移動可能である。
上記により、ドア10は、実線で示されるようにドア用開口30aを閉じた状態と、破線で示されるようにドア用開口30aを開いた状態との間で移動可能である。ドア10は、ドア用開口30aを開いた状態においてドアパネル10aとドアパネル10bとが互いに折れ曲がることにより折り畳まれた形状を構成する。
上記ドア10は、自動で開閉可能である。ドア10を自動で開閉可能とするために、ドア10にはドア駆動部11が接続されている。ドア駆動部11の一方端は、回転軸11aを中心として運転室30に対して回転可能に取り付けられている。ドア駆動部11の他方端は、回転軸11bを中心としてドアパネル10bに対して回転可能に取り付けられている。回転軸11bは、ドアパネル10bの前端部であって、平面視においてスライド片10eの近傍に配置されている。回転軸11bは、ドアパネル10bから運転室内部側にオフセットして配置されている。具体的には、ドアパネル10bは、ドア10が閉じた状態で運転室内部側に延びるように屈曲した屈曲部10b1を有し、その屈曲部10b1に回転軸11bが配置されている。回転軸11bは、スライド片10eと一体に構成されていてもよい。
このドア駆動部11を駆動させることにより(たとえば電動アクチュエータを伸縮させることにより)、ドア10の開閉動作が可能となる。たとえばドア駆動部11である電動アクチュエータが伸びたときにはドア10がドア用開口30aを閉じ、その電動アクチュエータが縮んだときにはドア10がドア用開口30aを開く。また逆に、ドア駆動部11である電動アクチュエータが伸びたときにはドア10がドア用開口30aを開き、その電動アクチュエータが縮んだときにはドア10がドア用開口30aを閉じるようにドア10およびドア駆動部11が構成されていてもよい。なお、電動アクチュエータに替えて油圧シリンダが用いられてもよい。
本実施の形態のホイールローダ40は、制御部CRと、検知部SE1と、記憶部MRとをさらに有している。制御部CRは、ドア駆動部11に接続されている。制御部CRは、ドア駆動部11の動作を制御するためのものである。制御部CRはたとえば駆動制御部を含み、その駆動制御部によりドア駆動部11である電動アクチュエータが駆動制御される。電動アクチュエータに替えて油圧シリンダが用いられる場合には、制御部CRはたとえば油圧ポンプおよび制御弁を含み、その油圧ポンプおよび制御弁の動作により油圧シリンダが駆動制御される。
検知部SE1は、制御部CRに接続されている。検知部SE1は、オペレータを検知するためのものである。検知部SE1によるオペレータの検知に基づいて、制御部CRはドア駆動部11の動作を制御する。
ドア駆動部11の動作により、ドア10は自動でドア用開口30aを開くように動作する。またドア駆動部11の動作により、ドア10は自動でドア用開口30aを閉じるように動作する。検知部SE1は、たとえばカメラ、マイク、接触センサ、負荷センサ、スマートキー受信機の各々単独であってもよく、またこれらの任意の組合せであってもよい。
検知部SE1としてのカメラは、たとえば運転室30の上部に取り付けられている。接触センサは、たとえば昇降装置20の手摺り部22などに取り付けられている。これにより乗車しようとするオペレータが昇降装置20の手摺り部22に触れることで、接触センサがオペレータを検知することができる。負荷センサは、たとえば昇降装置20に取り付けられている。これによりオペレータが昇降装置20に載ることで、負荷センサがオペレータを検知することができる。スマートキー受信機はスマートキーと対をなすものである。
スマートキーとは、携帯型無線キーのことであり、作業車両とスマートキーに近距離の無線機能を持たせ、作業車両とスマートキーとの無線通信によってドア10の施錠および解錠を行うものである。オペレータが携帯するスマートキーをスマートキー受信機が検知することによりオペレータを検知することができる。
検知部SE1は、昇降装置20に載る前のオペレータを検知してもよく、また昇降装置20に載った後のオペレータを検知してもよい。
記憶部MRは、制御部CRに接続されている。記憶部MRは、オペレータ情報を予め記憶している。制御部CRは、検知部SE1により検知されたオペレータの検知情報を記憶部MRに記憶されたオペレータ情報と照合した結果に基づいてドア駆動部11を制御してもよい。これによりホイールローダ40に乗り込もうとするオペレータの個体認証を行うことができる。
検知部SE1がたとえばカメラである場合、制御部CRは、そのカメラにより撮影されたオペレータの画像を記憶部MRに記憶されたオペレータ情報(画像)と照合する。その照合の結果、乗車しようとするオペレータがあらかじめ登録されたオペレータであると判断された場合、ドア駆動部11を駆動させてドア10を開くように制御してもよい。
また、検知部SE1がたとえばマイクである場合、制御部CRは、そのマイクにより集音されたオペレータの声紋を記憶部MRに記憶されたオペレータ情報(声紋)と照合する。その照合の結果、乗車しようとするオペレータがあらかじめ登録されたオペレータであると判断された場合に、ドア駆動部11を駆動させてドア10を開くように制御してもよい。
また、検知部SE1がたとえば接触センサである場合、制御部CRは、そのセンサで得られたオペレータの特徴を記憶部MRに記憶されたオペレータ情報と照合する。その照合の結果、乗車しようとするオペレータがあらかじめ登録されたオペレータであると判断された場合に、ドア駆動部11を駆動させてドア10を開くように制御してもよい。
また、検知部SE1がたとえばスマートキー受信機である場合、制御部CRは、そのスマートキー受信機により受信されたスマートキーの情報(オペレータの検知情報)を記憶部MRに記憶されたオペレータ情報(スマートキーの情報)と照合する。その照合の結果、そのスマートキーがあらかじめ登録されたスマートキーの情報に合致すると判断された場合に、ドア駆動部11を駆動させてドア10を開くように制御してもよい。
次に、本実施の形態のホイールローダ40における昇降装置20の構成について図3および図4を用いて説明する。
図3および図4は、それぞれ本発明の一実施の形態におけるホイールローダに用いられる昇降装置の展開・格納動作を左前方側および右前方側から見た概略斜視図である。なお図3および図4においては、左右1対の手摺り部22、左右1対の側方部材21dおよび左右1対の回動部材21gのうち一方側の手摺り部22、側方部材21dおよび回動部材21gのみが示されており、他方側の手摺り部、側方部材21dおよび回動部材21gの図示は省略されている。また図3および図4においては、展開姿勢が実線で示されており、格納姿勢が破線で示されている。また昇降装置20に含まれる昇降装置本体21の左右方向は、上記のホイールローダ40の前後方向に対応する。
図3および図4に示されるように、昇降装置20は、昇降装置本体21と、左右一対の手摺り部(手摺り)22と、支持部材23とを主に有している。
昇降装置本体21は、左右1対の第1端部21Aと、左右1対の第2端部21Bとを有している。昇降装置本体21は、ホイールローダ40の車体に対して回転駆動が可能なように第1端部21Aにてその車体に取り付けられている。
なお図3および図4においては上記のとおり左右1対の側方部材21dのうち一方側の側方部材21dのみが示されている。このため図3および図4においては、上記の左右1対の第1端部21Aのうち一方側の第1端部21Aのみが、また上記の左右1対の第2端部21Bのうち一方側の第2端部21Bのみが示されている。
昇降装置本体21は、上記の回転駆動により格納姿勢と展開姿勢(使用姿勢)とを取り得る。格納姿勢においては、昇降装置本体21は、第1端部21Aが上に位置し、かつ第2端部21Bが下に位置するように起立している。展開姿勢においては、昇降装置本体21は、第2端部21Bが第1端部21Aよりも車体の側方外側に位置するように傾斜している。
昇降装置本体21は、複数のステップ部21aと、左右1対の側方部材21dと、接続部材21eと、補助リンク部材21fと、回動部材21gとを主に有している。複数のステップ部21aの各々は、オペレータが昇降装置本体21を昇降する際の足場となる部分である。複数のステップ部21aは、上下に並んで配置されている。
複数のステップのうち第1端部21Aの最も近くに位置する最上方ステップ部21a4は、左右1対の回動部材21gを介在して車体に接続されている。回動部材21gは、回転軸21gaを中心として回転可能に最上方ステップ部21a4に接続されている。また回動部材21gは、回転軸21gbを中心として車体に対して回転可能に接続されている。
左右1対の側方部材21dは、複数のステップ部21aの各々に接続されている。左右1対の側方部材21dは、複数のステップ部21aを挟み込んでいる。複数のステップ部21aと左右1対の側方部材21dとによりラダーが構成されている。
左右一対の側方部材21dの各々は、第1部材21bと、第2部材21cとを有している。第1部材21bは直線状に延びている。第1部材21bは、その上端において回転軸21baを中心として回転可能に運転室30のステップ30bに取り付けられている。
第2部材21cは、直線状の管部分21caと、突出し部21ccとを有している。管部分21caは、第1部材21bの外径よりも大きい内径を有する管よりなっている。第1部材21bの下端の一部が管部分21caの内部に挿入されている。
第1部材21bを第2部材21cの管部分21ca内に挿入した状態で、第2部材21cを第1部材21bに対して相対的にスライドさせることができる。このスライドにより、第1部材21bおよび第2部材21cの長手方向全体の長さ(側方部材21dの長さ)を変えることができる。側方部材21dは、昇降装置本体21が展開姿勢にあるときには相対的に長くなっており、昇降装置本体21が格納姿勢にあるときには相対的に短くなっている。
複数のステップ部21aは、第1ステップ部21a1と、第2ステップ部21a2と、第3ステップ部21a3とを有している。第1ステップ部21a1は、複数のステップ部21aのうち第1部材21bの最も第2端部21B側に配置されたステップ部であり、第1部材21bに回転可能に取り付けられている。第2ステップ部21a2は、複数のステップ部21aのうち第2部材21cの最も第2端部21B側に配置されたステップ部であり、第2部材21cに回転可能に取り付けられている。第3ステップ部21a3は、第1ステップ部21a1と第2ステップ部21a2との間において第2部材21cにスライド可能かつ回転可能に取り付けられている。本実施の形態においては、第1ステップ部21a1と第2ステップ部21a2との間に2つの第3ステップ部21a3が配置されている。
なお第1ステップ部21a1以外の第1部材21bに接続されたステップ部21aは、第1部材21bに対して回転可能に接続されている。
上記第3ステップ部21a3は、第1ステップ部21a1および第2ステップ部21a2の少なくとも一方と補助リンク部材21fにより接続されている。本実施の形態においては、2つの第3ステップ部21a3の一方は、第1ステップ部21a1と補助リンク部材21fにより接続されている。また2つの第3ステップ部21a3の他方は、第2ステップ部21a2と補助リンク部材21fにより接続されている。また2つの第3ステップ部21a3同士も補助リンク部材21fにより接続されている。
補助リンク部材21fは、いわゆる菱形リンク機構を有している。菱形リンク機構は、4つのリンク片が互いに回転可能となるように菱形形状に組み立てられた構成を有している。補助リンク部材21fは、昇降装置本体21が展開姿勢にあるときには直線状に伸びており、昇降装置本体21が格納姿勢にあるときには菱形形状となって縮んでいる。このため、第1、第2および第3ステップ部21a1、21a2、21a3は、昇降装置本体21が展開姿勢にあるときには互いに離れて位置しており、昇降装置本体21が格納姿勢にあるときには互いに近づいて位置している。
第2部材21cの管部分21caには、その長手方向に沿って開口21cbが形成されている。突出し部21ccは、開口21cbの第1端部21A側において管部分21caに接続されている。突出し部21ccは、管部分21caの側方へ突き出している。接続部材21eは、一端部において突出し部21cc(第2部材21c)に回転可能に支持されている。このため、接続部材21eの突出し部21ccに接続された一端部は、第1部材21bに対して相対的にスライド可能である。
左右1対の手摺り部22は、昇降装置本体21の側方部材21dに取り付けられている。左右1対の手摺り部22の各々は、把持部22aと、1対のリンク部材22e1、22e2と、連結片22bとを有している。
把持部22aは、オペレータが昇降装置本体21を昇降する際に把持する部分である。1対のリンク部材22e1、22e2は、把持部22aを昇降装置本体21に支持している。把持部22aは、側方部材21dと平行となるように1対のリンク部材22e1、22e2により側方部材21dに支持されている。
1対のリンク部材22e1、22e2の各々は、第1リンク片22cと、第2リンク片22dとを有している。1対のリンク部材22e1、22e2の各々の第1リンク片22cは、昇降装置本体21に回転可能に取り付けられている。
具体的には、一方のリンク部材22e1の第1リンク片22cは、第1部材21bに回転可能に取り付けられている。他方のリンク部材22e2の第1リンク片22cも、第1部材21bに対して回転可能に取り付けられている。他方のリンク部材22e2の第1リンク片22cは、第2部材21cの開口21cbに沿って第2部材21cに対してスライド可能なように第1部材21bに取り付けられている。
また1対のリンク部材22e1、22e2の各々の第2リンク片22dは、第1リンク片22cと把持部22aとの各々に回転可能に取り付けられている。
連結片22bは、一方端22b1と他方端22b2とを有している。連結片22bの一方端22b1は、一方のリンク部材22e1における第1リンク片22cおよび第2リンク片22dの第1接続部に接続されている。連結片22bは、一方のリンク部材22e1における第1リンク片22cおよび第2リンク片22dの双方に対して回転可能である。
連結片22bの他方端22b2は、他方のリンク部材22e2における第1リンク片22cおよび第2リンク片22dの第2接続部に接続されている。連結片22bは、他方のリンク部材22e2における第1リンク片22cおよび第2リンク片22dの双方に対して回転可能である。
上記の側方部材21dの第1部材21bと、連結片22bと、一方のリンク部材22e1の第1リンク片22cと、他方のリンク部材22e2における第1リンク片22cとにより第1矩形リンク機構が構成されている。また把持部22aと、連結片22bと、一方のリンク部材22e1の第2リンク片22dと、他方のリンク部材22e2における第2リンク片22dとにより第2矩形リンク機構が構成されている。
接続部材21eの一端部は、第2部材21cの突出し部21ccに回転可能に支持されている。接続部材21eの他端部は、他方のリンク部材22e2における第2リンク片22dとともに、把持部22aに回転可能に取り付けられている。
接続部材21eの他端部は、把持部22aと他方のリンク部材22e2における第2リンク片22dとの接続部に接続されている。また接続部材21eの中央部は、連結片22bと他方のリンク部材22e2における第1リンク片22cと第2リンク片22dとの3つの部材の接続部に接続されている。これにより接続部材21eは、把持部22a、連結片22bおよび他方のリンク部材22e2における第1リンク片22cの各々に対して回転可能である。
手摺り部22は、昇降装置本体21の回転動作に連動して動作する。手摺り部22は、昇降装置本体21が展開姿勢にあるときには立ち上り状態となり、昇降装置本体21が格納姿勢にあるときには折り畳み状態となる。
上記立ち上がり状態においては、把持部22aは昇降装置本体21から離れた第1位置に位置する。また上記折り畳み状態においては、把持部22aが上記立ち上がり状態におけるよりも昇降装置本体21に近づいた第2位置に位置する。
昇降装置本体21は、支持部材23によって格納姿勢と展開姿勢との間で移動可能である。支持部材23は、一方端部23Aと他方端部23Bとを有している。支持部材23の一方端部23Aは、車体に取り付けられている。支持部材23の他方端部23Bは、第2部材21cに回転可能に取り付けられている。支持部材23の一方端部23Aと他方端部23Bとの間の距離は伸縮可能である。
支持部材23は、接続部材23aと、駆動部材23bと、固定具23cとを有している。接続部材23aは、第2部材21cに回転可能に取り付けられている。固定具23cは車体に取り付けられている。駆動部材23bは、伸縮可能であり、たとえば電動アクチュエータよりなっている。駆動部材23bは、電動アクチュエータに替えて油圧シリンダよりなっていてもよい。駆動部材23bが伸縮することにより、支持部材23の一方端部23Aと他方端部23Bとの間の距離を伸縮させることができる。これにより昇降装置本体21を格納姿勢と展開姿勢との間で移動させることができる。
図4に示されるように、駆動部材23bには、制御部CRが接続されている。制御部CRは、駆動部材23bの動作を制御するためのものである。制御部CRはたとえば駆動制御部を含み、その駆動制御部により駆動部材23bである電動アクチュエータが駆動制御される。電動アクチュエータに替えて油圧シリンダが用いられる場合には、制御部CRはたとえば油圧ポンプおよび制御弁とを含み、その油圧ポンプおよび制御弁の動作により油圧シリンダが駆動制御される。
検知部SE2は、制御部CRに接続されている。検知部SE2として、格納姿勢から展開姿勢にする際には、ホイールローダ40の停車を検知するセンサ、パーキングスイッチONを検知するセンサ、ドア開閉スイッチONを検知するセンサ、昇降装置本体21の展開スイッチONを検知するセンサなどが、これら単独で、または任意の組み合わせで用いられる。
また検知部SE2として、展開姿勢から格納姿勢にする際には、駆動部材23bの負荷センサ、カメラ、運転室30内の運転席に設けられた着座センサ、シートベルト装着センサ、キースイッチ(エンジン始動スイッチ)ONを検知するセンサなどが、これら単独で、または任意の組み合わせで用いられる。
次に、昇降装置20の動作について説明する。まず格納姿勢について図3および図4を用いて説明する。
図3および図4に示されるように、格納姿勢においては、昇降装置本体21は、第1端部21Aが上に位置し、第2端部21Bが下に位置するように起立した状態となっている。
この格納姿勢において、支持部材23の駆動部材23bは縮んだ状態にある。これにより第1部材21bは第2部材21cの管部分21caに相当量挿入されており、側方部材21dは縮んだ状態にある。また補助リンク部材21fは菱形形状となり縮んだ状態にある。このため第1ステップ部21a1および第2ステップ部21a2の間の距離と、第2ステップ部21a2および第3ステップ部21a3の間の距離と、第3ステップ部21a3同士の距離との各々は、格納姿勢において第1部材21bに接続されたステップ部21a同士の間の距離よりも小さくなっている。
また格納姿勢のときには、側方部材21dと連結片22bの各々は、一方のリンク部材22e1および他方のリンク部材22e2の各々の第1リンク片22cに対して傾斜している。また側方部材21dと連結片22bとは平行であり、各第1リンク片22c同士も平行である。このため第1矩形リンク機構(側方部材21d、連結片22b、第1リンク片22c)は長方形以外の平行四辺形の形状を有している。
また格納姿勢のときには、把持部22aおよび連結片22bの各々は、一方のリンク部材22e1および他方のリンク部材22e2の各々の第2リンク片22dに対して傾斜している。また把持部22aおよび連結片22bは平行であり、各第2リンク片22d同士も平行である。このため第2矩形リンク機構(把持部22a、連結片22b、第2リンク片22d)は長方形以外の平行四辺形の形状を有している。
格納姿勢において、一方のリンク部材22e1の第1リンク片22cと第2リンク片22dとは互いに交差する方向に延びている。また他方のリンク部材22e2の第1リンク片22cと第2リンク片22dとは互いに交差する方向に延びている。
上記のように第1および第2矩形リンク機構の各々は、長方形以外の平行四辺形の形状となっており折り畳み状態となっている。この格納姿勢において、把持部22aの上端22a1は、運転室30に取り付けられたステップ30bよりも下に位置している。
この格納姿勢から展開姿勢に移行する際には、駆動部材23bが伸ばされる。これにより昇降装置本体21は、第2端部21Bが第1端部21Aよりも車体の側方外側に位置するように傾斜した展開姿勢となる。
この際、側方部材21dは回転軸21ba、21gbを中心として車体に対して回転する。また第2部材21cは第1部材21bに対してスライドし、側方部材21dが伸びる。これにより第1ステップ部21a1と第2ステップ部21a2との距離が大きくなり、補助リンク部材21fが菱形形状から直線形状へ変形する。
補助リンク部材21fが直線形状に変形することにより、第1ステップ部21a1と第2ステップ部21a2との間の第3ステップ部21a3も移動する。これにより、第3ステップ部21a3および第1ステップ部21a1の距離と、第3ステップ部21a3および第2ステップ部21a2の距離と、第3ステップ部21a3同士の距離との各々が大きくなる。
また第2部材21cが第1部材21bに対してスライドすることにより、接続部材21eが第2部材21cに対して回転して立ち上がる。この接続部材21eの立ち上がり動作に連動して、他方のリンク部材22e2の第1リンク片22cおよび第2リンク片22dも第2部材21cに対して回転して立ち上がる。
このように接続部材21eの立ち上がり動作に連動して、手摺り部22が折り畳み状態から立ち上がり状態へと移行する。これにより昇降装置本体21は、格納姿勢から展開姿勢へ移行する。
展開姿勢においては、支持部材23の駆動部材23bは伸びた状態にある。これにより第1部材21bが第2部材21cの管部分21ca内に挿入される長さは格納姿勢のときよりも短くなり、側方部材21dは伸びた状態にある。
また補助リンク部材21fは直線形状となり伸びた状態にある。このため第1ステップ部21a1および第3ステップ部21a3の間の距離と、第2ステップ部21a2および第3ステップ部21a3の間の距離と、第3ステップ部21a3同士の距離との各々は、展開姿勢において第1部材に接続されたステップ部21a同士の間の距離とほぼ同じになっている。
展開姿勢のときには、側方部材21dと連結片22bの各々は、一方のリンク部材22e1および他方のリンク部材22e2の各々の第1リンク片22cとほぼ直交している。また側方部材21dと連結片22bとは平行であり、各第1リンク片22c同士も平行である。このため第1矩形リンク機構はほぼ長方形の形状を有している。
また展開姿勢のときには、把持部22aおよび連結片22bの各々は、一方のリンク部材22e1および他方のリンク部材22e2の各々の第2リンク片22dとほぼ直交している。また把持部22aおよび連結片22bは平行であり、各第2リンク片22d同士も平行である。このため第2矩形リンク機構はほぼ長方形の形状を有している。
展開姿勢において、一方のリンク部材22e1の第1リンク片22cと第2リンク片22dとは同一直線状に位置している。また他方のリンク部材22e2の第1リンク片22cと第2リンク片22dとは同一直線状に位置している。
展開姿勢から格納姿勢に移行する際には、駆動部材23bが縮められる。これにより上述の格納姿勢から展開姿勢への移行とは逆の動作が生じて、昇降装置本体21は、格納姿勢となる。
次に、オペレータがホイールローダ40に乗車する際と降車する際とにおける、ドア10の開閉制御と、昇降装置20の格納、展開制御とについて説明する。まずオペレータがホイールローダ40に乗車する際の制御について図5〜図8を用いて説明する。
図5は、本発明の一実施の形態におけるホイールローダにおける昇降装置とドアとの動作を説明するための機能ブロック図である。図6〜図8は、オペレータの乗車時におけるドア開閉動作と昇降装置の格納・展開動作を示すフロー図である。
ホイールローダ40が停車しており、昇降装置本体21は展開状態にある。この状態において、図5および図6に示されるように、オペレータがホイールローダ40に近づいたこと、または昇降装置本体21に載ったことがホイールローダ40に搭載されたセンサにより検知され、本人認証が行われる(ステップS1a)。このセンサは、たとえばカメラ、マイク、接触センサ、またはスマートキー受信機である。
センサがたとえばカメラである場合、制御部CRは、そのカメラにより撮影されたオペレータの画像を記憶部MRに記憶されたオペレータ情報(画像)と照合することにより認証が行われる。
またセンサがマイクである場合、制御部CRは、そのマイクにより集音されたオペレータの声紋を記憶部MRに記憶されたオペレータ情報(声紋)と照合することにより認証が行われる。
またセンサが昇降装置20に設けられた接触センサである場合、制御部CRは、それらのセンサで得られたオペレータの特徴を記憶部MRに記憶されたオペレータ情報と照合することにより認証が行われる。
またセンサがスマートキー受信機である場合、制御部CRは、そのスマートキー受信機により受信されたスマートキーの情報(オペレータの検知情報)を記憶部MRに記憶されたオペレータ情報(スマートキーの情報)と照合することにより認証が行われる。
上記の認証によりオペレータ(またはスマートキー)が記憶部MRに記憶されたオペレータ(またはスマートキー)の情報と一致するか否かが判別される(ステップS2a)。
上記認証の結果、オペレータ(またはスマートキー)が記憶部MRに記憶されたオペレータ(またはスマートキー)と一致しなかった場合、一致しない旨がたとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS3a)。また上記認証の結果、オペレータ(またはスマートキー)が記憶部MRに記憶されたオペレータ(またはスマートキー)と一致する場合、一致した旨がたとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS4a)。
この後、ドア10の開閉動作範囲内に障害物があるか否かが、センサ(たとえばカメラ)により検知され、制御部CRにより判別される(ステップS5a)。障害物があると判別された場合、ドア10を開く操作ができないことがたとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS6a)。
また障害物がないと判別された場合、ドア10を開く操作が行われることが、たとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS7a)。この後、ドア駆動部11を作動させることによりドア10を開く操作が行われる(ステップS8a)。
このドア10を開く動作は、図2に示されるように、ドア駆動部11(たとえば油圧シリンダ)を縮ませることにより行われる。
この後、ドア駆動部11にドア10の開閉の障害があるか否かが、たとえば駆動部の負荷センサにより検知され、制御部CRにて判別される(ステップS8a1)。ドア駆動部11に過負荷が作用していない場合には、引き続きドア10を開く操作が継続される。またドア駆動部11に過負荷が作用している場合には、ドア駆動部11の作動が停止される(ステップS8a2)。
そしてドア10を開く操作が完了したか否かが、ドア駆動部11の長さなどを用いて制御部CRにて判別される(ステップS8a3)。ドア10を開く操作が完了していない場合には、過負荷によるドア10を開く操作ができないことが音声などでオペレータに報知される(ステップS8a4)。
ドア10を開く操作が完了した場合には、ドア10を開く操作が完了したことがオペレータに報知される(ステップS8a5)。ドア10を開く操作が完了した場合、オペレータは手摺り部22を把持しながら昇降装置20を昇り、昇降装置20を昇りきった後に、開いたドア10を通じて運転室30内に入る(乗車する)。
図5および図7に示されるように、オペレータが運転室30内に乗車したか否かが乗車センサにより検知され、制御部CRによって判別される(ステップS9a)。この乗車センサは、たとえばカメラ、駆動部材23bの負荷センサなどである。
乗車センサがたとえばカメラである場合、そのカメラにより撮影されたオペレータの画像に基づいてオペレータが乗車したか否かが制御部CRによって判別される。また乗車センサがたとえば駆動部材23bの負荷センサである場合、昇降装置20が受ける負荷を検知する負荷センサの信号に基づいてオペレータが乗車したか否かが制御部CRによって判別される。
オペレータが乗車したと判別された場合、オペレータが安全状態にあるか否かが状態検知センサにより検知され、制御部CRにより判別される(ステップS10a)。この状態検知センサは、たとえばオペレータシートの着座センサ、シートベルトの装着センサ、昇降装置20の格納・展開スイッチなどである。
状態検知センサがたとえば着座センサである場合、オペレータがオペレータシートに着座したことを検知する着座センサの信号に基づいてオペレータが安全状態にあるか否かが制御部CRによって判別される。
状態検知センサがたとえばシートベルトの装着センサである場合、シートベルトが装着されたことを検知する装着センサの信号に基づいてオペレータが安全状態にあるか否かが制御部CRによって判別される。
状態検知センサがたとえば昇降装置20の格納・展開スイッチである場合、昇降装置20の格納・展開スイッチがONされた信号に基づいてオペレータが安全状態にあるか否かが制御部CRによって判別される。
オペレータが安全な状態にあると判別された場合、ドア10を閉じる動作範囲内に障害物があるか否かが、センサ(たとえばカメラ)により検知され、制御部CRにより判別される(ステップS11a)。障害物があると判別された場合、ドア10を閉じる操作ができないことがたとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS12a)。
また障害物がないと判別された場合、ドア10を閉じる操作が行われることがたとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS13a)。この後、ドア駆動部11を作動させることによりドア10を閉じる操作が行われる(ステップS14a)。
このドア10を閉じる動作は、図2に示されるように、ドア駆動部11(たとえば油圧シリンダ)を伸ばすことにより行われる。
この後、ドア駆動部11に過負荷が作用したか否かが負荷センサにより検知され、制御部CRにて判別される(ステップS15a)。ドア駆動部11に過負荷が作用している場合には、ドア10を閉じる操作が停止され(ステップS17a)、ドア10を閉じる操作ができないことが報知される(ステップS18a)。またドア駆動部11に過負荷が作用していない場合には、引き続きドア10を閉じる操作が継続される(ステップS16a)。ドア10が完全に閉じた場合には、その旨が報知される。
図5および図8に示されるように、昇降装置20上と昇降装置20の展開姿勢から格納姿勢までの範囲に障害物があるか否かがセンサ(たとえばカメラ)により検知され、制御部CRにより判別される(ステップS19a)。障害物があると判別された場合、昇降装置20の格納操作ができないことがたとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS20a)。
また障害物がないと判別された場合、昇降装置20の格納操作が行われることがたとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS21a)。この後、昇降装置20を作動させることにより昇降装置20が格納姿勢へ移行される(ステップS22a)。昇降装置20の格納姿勢への移行状態はホイールローダ40に取り付けられたモニタ(表示装置)に表示される。なお昇降装置20が格納姿勢となるまでは、作業機33のロック・パーキングブレーキがOFFしないように設定されている。
昇降装置20が格納姿勢になったか否かが判別される(ステップS23a)。昇降装置20が格納姿勢となった場合には、昇降装置20が格納姿勢となったことがたとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS24a)。また昇降装置20が格納姿勢となった場合には、作業機33のロック・パーキングブレーキをOFFにすることが可能となる(ステップS25a)。
次に、オペレータがホイールローダ40から降車する際の制御について図5、図9および図10を用いて説明する。
図9および図10は、オペレータの降車時におけるドア開閉動作と昇降装置の格納・展開動作を示すフロー図である。
図5および図9に示されるように、まずホイールローダ40が停車する(ステップS1b)。この状態においては、運転室30のドア10は閉じており、昇降装置20は格納姿勢となっている。
パーキングブレーキがONに、作業機のロックがONになっているか否かが判別される(ステップS2b)。パーキングブレーキと作業機のロックとの双方がONになっていない場合には、その旨が、たとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS3b)。
パーキングブレーキと作業機のロックとの双方がONになっている場合には、昇降装置20の格納姿勢から展開姿勢までの範囲に障害物があるか否かがセンサ(たとえばカメラ)により検知され、制御部CRにより判別される(ステップS4b)。また、この際、降車スイッチのON・OFF、着座センサの検知結果およびシートベルト装着センサの検知結果の少なくとも1つが判別される。そして障害物がないと判別された場合であって、降車スイッチがONになっている場合、着座センサによりオペレータが運転席に着座していないことが検知された場合、またはシートベルト装着センサによりシートベルトが装着されていないことが検知された場合には、昇降装置20を格納姿勢から展開姿勢へ展開する旨が、たとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS5b)。
この後、昇降装置20が格納姿勢から展開姿勢へ展開される(ステップS6b)。この昇降装置20の展開が終了したか否かが判別される(ステップS7b)。昇降装置20の展開が終了した場合、ドア10を開く操作を開始することが、たとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS8b)。この後、ドア10を開く操作が行われる(ステップS9b)。
このドア10を開く動作は、図2に示されるように、ドア駆動部11(たとえば油圧シリンダ)を縮ませることにより行われる。
図5および図10に示されるように、ドア10を開く動作の範囲内に障害物があるか否か、またはドア10を開く操作に過負荷があるか否かが、センサ(たとえばカメラまたは負荷センサ)により検知され、制御部CRにより判別される(ステップS10b)。障害物または過負荷があると判別された場合、ドア10を開く操作が停止され(ステップS12b)、ドア10を開くことができない旨がたとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS13b)。
また障害物および過負荷がないと判別された場合、ドア10を開く操作が継続され、ドア10が開いた状態とされる(ステップS11b)。ドア10を開く操作が完了した場合、オペレータは開いたドア10を通じて運転室30の外へ出て(降車し)、昇降装置20を降りる。このとき、オペレータが運転室30の外へ出たか否かが、センサにより検知され、制御部CRによって判別される(ステップS14b)。このセンサは、たとえばカメラ、駆動部材23bの負荷センサ、スマートキーなどである。
上記センサがたとえばカメラである場合、そのカメラにより撮影されたオペレータの画像に基づいてオペレータが降車したか否かが制御部CRによって判別される。また上記センサがたとえば駆動部材23bの負荷センサである場合、昇降装置20が受ける負荷を検知する負荷センサの信号に基づいてオペレータが降車したか否かが制御部CRによって判別される。また上記センサがたとえばスマートキーである場合、オペレータが携帯するスマートキーが運転室30の外へ出たことをスマートキー受信機が検知したことに基づいてオペレータが降車したか否かが制御部CRによって判別される。
オペレータが降車したと判別された場合、ドア10を閉じる動作範囲内に障害物があるか否かが、センサ(たとえばカメラ)により検知され、制御部CRにより判別される(ステップS15b)。障害物があると判別された場合、ドア10を閉じる操作ができないことがたとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS16b)。
また障害物がないと判別された場合、ドア10を閉じる操作が行われることが、たとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS17b)。この後、ドア駆動部11を作動させることによりドア10を閉じる操作が行われる(ステップS18b)。
このドア10を閉じる動作は、図2に示されるように、ドア駆動部11(たとえば油圧シリンダ)を伸ばすことにより行われる。
この後、ドア10を閉じる動作の範囲内に障害物があるか否か、またはドア10を閉じる操作に過負荷があるか否かが、センサ(たとえばカメラまたは負荷センサ)により検知され、制御部CRにより判別される(ステップS19b)。障害物または過負荷があると判別された場合、ドア10を閉じる操作が停止され(ステップS21b)、ドア10を閉じることができない旨がたとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS22b)。
また障害物および過負荷がないと判別された場合、ドア10を閉じる操作が継続され、ドア10が閉じた状態とされる(ステップS20b)。
図9に示されるように、上記ステップS4bにおいて障害物があると判別された場合、昇降装置20の小展開モードでの展開が可能か否かが判別される(ステップS23b)。小展開モードでの展開ができない場合には、小展開モードでの展開動作ができない旨が、たとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS24b)。
小展開モードでの展開ができる場合には、小展開モードでの展開動作ができる旨が、たとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS25b)。この後、小展開モードへの切り替えが行われる(ステップS26b)。
小展開モードで展開する場合、小展開動作の範囲内に障害物があるか否か、またはドア10を開く操作に過負荷があるか否かが、センサ(たとえばカメラまたは負荷センサ)により検知され、制御部CRにより判別される(ステップS27b)。障害物または過負荷があると判別された場合、小展開動作が停止され(ステップS29b)、小展開動作ができない旨がたとえばスピーカの音声またはブザー音などによりオペレータに報知される(ステップS30b)。また障害物および過負荷がないと判別された場合、小展開動作が継続され、昇降装置20が小展開状態となる(ステップS28b)。
なお昇降装置の展開・格納は、たとえば昇降装置の展開・格納スイッチのON、OFFにより行われる。
次に、ドア10の変形例について図11を用いて説明する。
図11は、本発明の一実施の形態におけるホイールローダに用いられるドアの変形例の開閉動作を示す概略平面図である。
上記の実施の形態においては、ドア10が折り畳み式のドア10である場合について説明したが、本実施の形態のドア10はオペレータを認識して自動で開動作(または閉動作)するものであればいかなる形式のドアであってもよい。たとえば図11に示されるように、ドア10は、スライド式のドアであってもよい。このスライド式のドア10は、たとえば1枚のプレートからなっている。このドア10が前後方向に移動することによりドア用開口30aを開閉可能である。またドア10のスライド動作は、駆動部ACにより行われる。この駆動部ACは、油圧シリンダであってもよく、またモータなどであってもよい。
上記以外のスライド式のドア10の構成は、図2に示した折り畳み式のドア10の構成とほぼ同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
上記の実施の形態においては、オペレータが運転室30の外へ出たか(降車したか)否かを検知してドア10を自動で閉じる操作が行われる場合について説明したが、オペレータが昇降装置20上から離れたか否かを検知してドア10を自動で閉じる操作が行われてもよい。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態によれば、図2に示されるように、検知部SE1によるオペレータの検知に基づいてドア10を自動で開くドア駆動部11が設けられている。このためオペレータが、昇降装置本体21上で手摺り部22を把持した状態で運転室30の大きなドア10を手で開く必要がない。このため、オペレータが昇降装置20から運転室30へ乗り込むことが容易となる。
また本実施の形態によれば、図2に示されるように、平面視において、ドア10の開閉軌跡の全体は運転室30に固定されたステップ30bと重畳する。このためドア10は開閉時に平面視においてステップ30bをはみ出すことはない。よって昇降装置本体21上のオペレータに、開閉動作中のドア10が衝突することが抑制される。
また本実施の形態によれば、図2に示されるように、ドア10は折り畳み式のドアである。このため、ドア10がその開閉時に平面視においてステップ30bからはみ出すことを容易に防止できる。
また本実施の形態によれば、図2に示されるように、制御部CRは、検知部SE1により検知されたオペレータの検知情報を記憶部MRに記憶されたオペレータ情報と照合した結果に基づいてドア駆動部11を制御する。これによりオペレータの個人認証を行うことが可能となる。
また本実施の形態によれば、検知部SE1は、オペレータが昇降装置20に載ったことを検知する。これによりオペレータが昇降装置に載ったタイミングでドア10を開くことが可能となる。
また本実施の形態によれば、ドア10は、オペレータが運転室30の外へ出た後に自動で閉じる。これによりオペレータは運転室30から降りて昇降装置本体21上にいる状態で運転室30の大きなドア10を手で閉じる必要がない。このため、オペレータが運転室30から昇降装置20へ降りることが容易となる。
また本実施の形態によれば、図1に示されるように、運転室30の上部表面に太陽パネル35が配置されている。これによりホイールローダ40のエンジンが停止された休車中においても、太陽パネル35により発電された電力で空気調和装置を作動させることができ、運転室30の内部の空気調和を行なうことができる。
また本実施の形態によれば、図3および図4に示されるように、手摺り部22は、展開姿勢では把持部22aが昇降装置本体21から離れた立ち上り状態と、格納姿勢では把持部22aが昇降装置本体21に近づいた折り畳み状態となる。このように格納姿勢において手摺り部22が折り畳まれるため、手摺り部22がホイールローダ40の左右方向の外側に突き出す突出寸法を小さく抑制することができる。このため格納姿勢において側方に張り出した手摺り部22が障害物と干渉することを避けることができる。
また本実施の形態によれば、図3に示されるように、把持部22aの上端22a1は、格納姿勢においてステップ30bよりも下に位置している。このため、格納姿勢において昇降装置20をステップ30bの真下領域内に収めることが容易となる。これにより、平面視において昇降装置20がステップ30bよりもホイールローダ40の左右方向の外側にはみ出すことが抑制される。したがって、格納姿勢において手摺り部22が障害物と干渉することを避けることができる。
また本実施の形態によれば、図3および図4に示されるように、手摺り部22は、把持部22aと、連結片22bと、1対のリンク部材22e1、22e2とを有しており、これらにより矩形リンク機構が構成されている。この矩形リンク機構を変形させることにより、手摺り部22を折り畳むことが可能となる。
また本実施の形態によれば、図3および図4に示されるように、側方部材21dは、車体に回転可能に支持された第1部材21bと、その第1部材21bに対してスライド可能に取り付けられた第2部材21cとを有している。この第2部材21cを第1部材21bに対してスライドさせることにより、側方部材21dの長さを変えることができる。このため、展開姿勢においては地面付近から高所まで側方部材21dを長く伸ばすことができる。また格納姿勢においては側方部材21dを短くすることにより、昇降装置本体の第2端部21Bと地面との間に適切なスペースを確保することができる。
また他方のリンク部材22e2の第1リンク片22cは、第2部材21cに対してスライド可能なように第1部材21bに回転可能に取り付けられている。これにより、第2部材21cが第1部材21bに対してスライドしても、他方のリンク部材22e2の第1リンク片22cも第2部材21cに対してスライド可能であるため、手摺り部22は適切にリンク機構として機能し得る。
また本実施の形態によれば、図3および図4に示されるように、接続部材21eは、一端部において第2部材21cに回転可能に支持されており、他端部において他方のリンク部材22e2の第2リンク片22dとともに把持部22aに回転可能に取り付けられている。これにより第2部材21cが第1部材21bに対してスライドする動作に連動して、接続部材21eが第2部材21cに対して回転して立ち上がるか、または傾倒する。この接続部材21eの立ち上がり・傾倒動作に連動して、他方のリンク部材22e2の第2リンク片22dも第2部材21cに対して回転して立ち上がるか、または傾倒する。これにより手摺り部22は立ち上がり状態と折り畳み状態との間を移行することができる。
また本実施の形態によれば、図3および図4に示されるように、支持部材23は、一方端部23Aが車体に取り付けられ、他方端部23Bが第2部材21cに回転可能に取り付けられている。また一方端部23Aと他方端部23Bとの間の距離が駆動部材23bにより伸縮可能である。この駆動部材23bを用いて支持部材23を伸縮させることによって、第2部材21cを第1部材21bに対してスライドさせることが可能となり、昇降装置本体21を格納姿勢と展開姿勢との間で移行させることが可能となる。
また本実施の形態によれば、図3および図4に示されるように、支持部材23は、一方端部23Aと他方端部23Bとの間の距離を伸縮可能とする駆動部材23bを含んでいる。この駆動部材23bにより昇降装置本体21を自動で格納姿勢と展開姿勢との間で移行させることが可能となる。
また本実施の形態によれば、図3および図4に示されるように、複数のステップ部21aは、第1ステップ部21a1と、第2ステップ部21a2と、第3ステップ部21a3とを有している。第1ステップ部21a1は、複数のステップ部21aのうち第1部材21bの最も第2端部21B側に取り付けられている。第2ステップ部21a2は、複数のステップ部21aのうち第2部材21cの最も第2端部21B側に取り付けられている。第3ステップ部21a3は、第1ステップ部21a1と第2ステップ部21a2との間において第2部材21cにスライド可能に取り付けられている。これにより、第2部材21cが第1部材21bに対してスライドする場合には、そのスライドに連動して第3ステップ部21a3も第2部材21cに対してスライドさせることができる。
また第2部材21cが第1部材21bに対してスライドする場合、そのスライド量に応じて第3ステップ部21a3および第1ステップ部21a1の間の距離と、第3ステップ部21a3および第2ステップ部21a2の間の距離と、第3ステップ部21a3同士の間の距離との各々が変化する。本実施の形態によれば、図3および図4に示されるように、第3ステップ部21a3および第1ステップ部21a1の間と、第3ステップ部21a3および第2ステップ部21a2の間と、第3ステップ部21a3同士の間との各々に、補助リンク部材21fが設けられている。この補助リンク部材21fにより、第3ステップ部21a3および第1ステップ部21a1の間の距離と、第3ステップ部21a3および第2ステップ部21a2の間の距離と、第3ステップ部21a3同士の間の距離との各々が適切に調整することが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。