JP6886158B2 - クランプ装置 - Google Patents
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Description
ハウジングの上部に形成された収容孔に、支持筒が半径方向に移動可能に挿入される。その支持筒の筒孔にクランプロッドが上下方向に移動可能に挿入される。収容孔の内周面と支持筒の外周面との間に、弾性体によって形成された環状のダストシールが装着される。その半径方向の外端のリップ部が、支持筒の外周部のストレート面に自己の弾性力によって半径方向の内方に所定の締め代(つぶし代)だけ押圧される。
上記クランプ装置おいて、ワークの搬入時に、そのワークの孔の軸心と支持筒(又はクランプロッド)の軸心との両者が一致している場合には、ワークの孔が支持筒を円滑に外嵌めていく。これに対し、ワークの搬入時に、上記の両者の軸心が上記の締め代の範囲内(許容範囲内)で心ズレしている場合には、ワークの孔の周壁が支持筒を半径方向に押動しながら円滑に外嵌めていく。すると、支持筒の半径方向への移動に追従するように前記リップ部が自己の復元力によって移動される。このため、リップ部が支持筒の外周部のストレート面に確実に密着される。また、そのワークをクランプ装置の上方へ搬出させた後には、前記リップ部の復元力によってリップ部が支持筒を介してクランプロッドを半径方向の内方へ押す。これにより、クランプロッドがハウジングの軸心(所定位置)に向けて半径方向へ復帰駆動される。
本発明の目的は、クランプ装置のクランプロッドを所定位置に確実に復帰駆動させることにある。
ハウジング1に形成された収容孔5に、支持部材6が挿入される。前記ハウジング1よりも先端側へ突設される係合部材16が、半径方向に移動可能となるように前記支持部材6によって基端側から支持される。その係合部材16がクランプ対象物10の孔11に挿入可能となっている。前記ハウジング1内にピストン21が軸方向に移動可能に挿入される。前記ピストン21に半径方向へ移動可能に連結されるクランプロッド28が、前記係合部材16に先端側または基端側から楔係合する。前記ピストン21と前記クランプロッド28との間に戻し機構40が設けられる。その戻し機構40が前記ピストン21に対して前記クランプロッド28を所定位置に向けて半径方向へ復帰駆動させる。前記戻し機構40は、カム部41と押圧部材43とを有する。そのカム部41は、前記ピストン21および前記クランプロッド28のうちのいずれか一方の部材に当該一方の部材から他方の部材に向かうにつれて広がるように形成される。前記他方の部材に軸方向へ移動可能に設けられる押圧部材43が、前記カム部41に向けて付勢される。
上記クランプ対象物の孔の軸心が支持部材の軸心またはクランプロッドの軸心に対して半径方向に過度に位置ズレ(心ズレ)した状態で、クランプ対象物をクランプ装置に搬入するときに、クランプ対象物の孔の周壁が支持部材またはクランプロッドを半径方向に移動させながら外嵌めていく。そのクランプ対象物をクランプ装置から搬出した後に、戻し機構の進出バネが押圧部材を受け部に向けて押すことにより、クランプロッドが所定位置に向けて半径方向へ確実に復帰駆動される。
(1)例えば、図1および図2に示すように、前記支持部材6の外周部および前記係合部材16の外周部に環状のシール部材38が装着される。前記シール部材38の半径方向の外端部38bが前記ハウジング1の先端面3a上で摺動可能となっている。
この場合、クランプ対象物の搬入時に、クランプ対象物の孔の軸心が支持部材の軸心に対して半径方向に過度に位置ズレ(心ズレ)した場合には、クランプ対象物の孔の周壁が支持部材を半径方向に移動させながら外嵌めていく。このとき、収容孔の内周面と支持部材の外周面との間に形成された隙間を封止するようにシール部材の半径方向の外端部がハウジングの先端面上で摺動される。これにより、切粉等の異物が上記の隙間に侵入するのを確実に防止できる。
この場合、クランプ対象物の搬入時に、クランプ対象物の孔の軸心がクランプロッドの軸心に対して半径方向に過度に位置ズレ(心ズレ)した場合には、クランプ対象物の孔の周壁が係合部材またはクランプロッドを半径方向に移動させながら外嵌めていく。このとき、収容孔の内周面と係合部材の外周面との間に形成された隙間を封止するようにシール部材の半径方向の外端部がハウジングの先端面上で摺動される。これにより、切粉等の異物が上記の隙間に侵入するのを確実に防止できる。
この場合、前記ピストン21と前記クランプロッド28との間で係合ボール31が転がることにより、クランプロッドがピストン上で円滑に移動される。
固定台としてのテーブルTにハウジング1が固定され、そのハウジング1は、下側から順に形成された下ハウジング2と上ハウジング3とを有する。上ハウジング3が下ハウジング2にボルトによって連結され、下ハウジング2がテーブルTにボルトによって固定される。
なお、本実施形態において、進出機構12は、収容孔5の底面と支持筒6の下面との間に装着された進出バネ13とバネ受け14とによって構成される。
また、薄肉状に形成されたダストシール38の半径方向の外端部38bが、収容孔5の内周面と支持筒6の外周面および前記係合部材16の外周面との間に形成された隙間7を封止するように上ハウジング3の上端面(先端面)3a上で摺動可能に当接される。これにより、上記の隙間7に切粉などの異物が侵入するのを確実に防止できる。
上記のクランプロッド28の下端部にテーパー孔が上方に向うにつれて狭まるように形成され、そのテーパー孔の周壁にカム部41が形成される。また、ピストン21の小径部21bの上端部に装着孔42が上下方向に形成される。その装着孔42に押圧部材43が挿入され、その押圧部材43が装着孔42の周壁に沿って上下方向に移動可能に案内される。その押圧部材43の先端部43aが上方へ向かうにつれて細くなるようにテーパー状に形成され、その先端部43aがカム部41に当接可能となっている。その押圧部材43の下端面と装着孔42の底面との間に進出バネ44が装着され、その進出バネ44がピストン21に対して押圧部材43を上方へ付勢する。
図1のアンクランプ状態では、クランプ室23の圧油が排出されると共に、アンクランプ室22に圧油が供給されている。これにより、ピストン21とクランプロッド28とが上昇位置に移動されている。このとき、前記の支持筒6が進出バネ13によって上昇位置に保持されている。また、上記係合部材16がダストシール38の弾性力によって縮径状態に切り換えられている。
上記ワーク10の孔11の軸心A1がクランプロッド28の軸心A2に対して左方に過度に心ズレした状態で、ワーク10をクランプ装置に搬入するときに、ワーク10の孔11の周壁が支持筒6を左方へ移動させながら外嵌していく。その後、そのワーク10を搬出したときに、戻し機構40の進出バネ44が押圧部材43を介してカム部41を上方へ押すことにより、クランプロッド28がハウジング1の軸心A3に向けて右方へ確実に復帰駆動される。
図3の第2実施形態が上記の第1実施形態と異なる点は次の通りである。
前記のピストン21の案内孔26の底壁に溝が右方へ向かうにつれて当該溝の深さが深くなるように形成される。その溝の底壁にカム部41が形成される。また、クランプロッド28のフランジ部29の下端部に装着孔42が上下方向に形成される。その装着孔42に球状の押圧部材43が上下方向へ移動可能に挿入される。装着孔42内に進出バネ44が装着され、その進出バネ44がクランプロッド28に対して押圧部材43を下方のカム部41に向けて付勢している。これにより、クランプロッド28に半径方向の外力が作用されていないときに、進出バネ44が押圧部材43とカム部41を介してピストン21を下方に押す。これにより、そのピストン21からの反力が、カム部41と押圧部材43と進出バネ44とを介してクランプロッド28を右側限界位置(所定位置)A4に向けて右方へ移動させるように作用する。その結果、クランプロッド28が案内孔26に右側から受け止められる。
上記ワーク10の孔11の軸心A1がクランプロッド28の軸心A2に対して左方に過度に心ズレした状態で、ワーク10をクランプ装置に搬入するときに、ワーク10の孔11の周壁が係合部材16を左方へ移動させながら外嵌していく。その後、そのワーク10を搬出したときに、戻し機構40の進出バネ44が押圧部材43を介してカム部41を下方へ押すことにより、クランプロッド28が右側限界位置A4(所定位置)に向けて右方へ確実に復帰駆動される。
本発明が適用されるクランプ対象物は、例示したワーク10に代えてワークパレットや金型などであってもよい。
上記の進出機構12は、例示した進出バネ13とバネ受け14とによって構成されることに代えて、油圧シリンダ等の流体圧シリンダによって構成されてもよい。
上記の係合部材16は、係合ボールや環状コレットでもよい。その環状コレットは、クランプロッド28の楔面34を外嵌めするように支持筒6に支持される。その環状コレットの周壁には、上下方向へスリットが形成される。クランプロッド28をクランプ駆動すると、環状コレットは、楔部34によって押圧されて半径方向の外方へ弾性変形し、ワーク10の孔11の内周面に係合される。
上記のピストン21とクランプロッド28とを別体に構成するのに代えて、ピストンとクランプロッドとを一体に構成してもよい。この場合、ピストンがシリンダ孔に上下方向および半径方向に移動可能に保密状に挿入される。
上記の駆動手段24は、例示したように、複動式の油圧シリンダに代えて、単動式の油圧シリンダであってもよく、また、他の圧力流体等の流体圧アクチュエータや電動アクチュエータに変更してもよい。
上記の楔面34及び係合部材16は、周方向へ所定の間隔を空けて3つ配置する例を示したが、1つまたは2つまたは4つ以上配置してもよい。
上記の楔面34は、例示したように、上方に向かうにつれて軸心から遠ざかるように形成されるのに代えて、上方に向かうにつれて軸心に近づくように形成されてもよい。
上記の押圧部材43の先端部43aがテーパー状に形成されるのに代えて、上方に向うにつれて細くなるように傾斜された面であってもよい。
上記のカム部41内壁面がテーパー状に形成されるのに代えて、ハウジングの軸方向に対して傾斜された面であってもよい。
上記の押圧部材43をカム部41に向けて付勢する手段は、例示した進出バネ44に代えて、油圧シリンダ等の流体圧シリンダであってもよい。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
Claims (4)
- ハウジング(1)に形成された収容孔(5)に挿入された支持部材(6)と、
前記ハウジング(1)よりも先端側へ突設されると共に、半径方向に移動可能となるように前記支持部材(6)によって基端側から支持される係合部材(16)であって、クランプ対象物(10)の孔(11)に挿入可能となっている係合部材(16)と、
前記ハウジング(1)内に軸方向に移動可能に挿入されるピストン(21)と、
前記ピストン(21)に半径方向に移動可能に連結されるクランプロッド(28)であって、前記係合部材(16)に先端側または基端側から楔係合するクランプロッド(28)と、
前記ピストン(21)と前記クランプロッド(28)との間に設けられる戻し機構(40)であって、前記ピストン(21)に対して前記クランプロッド(28)を所定位置に向けて半径方向へ復帰駆動させる戻し機構(40)と、を備え、
前記戻し機構(40)は、
前記ピストン(21)および前記クランプロッド(28)のうちのいずれか一方の部材に、当該一方の部材から他方の部材に向かうにつれて広がるように形成されるカム部(41)と、
前記他方の部材に軸方向へ移動可能に設けられる押圧部材(43)であって、前記カム部(41)に向けて付勢される押圧部材(43)と、を備える、
ことを特徴とするクランプ装置。 - 請求項1のクランプ装置において、
前記支持部材(6)の外周部および前記係合部材(16)の外周部に環状のシール部材(38)が装着され、前記シール部材(38)の半径方向の外端部(38b)が前記ハウジング(1)の先端面(3a)上で摺動可能となっている、
ことを特徴とするクランプ装置。 - 請求項1のクランプ装置において、
前記係合部材(16)の外周部に環状のシール部材(38)が装着され、前記シール部材(38)の半径方向の外端部(38b)が前記ハウジング(1)の先端面(3a)上で摺動可能となっている、
ことを特徴とするクランプ装置。 - 請求項1のクランプ装置において、
前記ピストン(21)と前記クランプロッド(28)との間に転がることができるように係合ボール(31)が装着される、
ことを特徴とするクランプ装置。
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