JP6749041B2 - 位置決め機構付きクランプ装置 - Google Patents
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Description
ハウジング内に形成された案内孔に、クランプロッドが上下方向に移動可能に挿入される。そのクランプロッドの上端部が、ワーク(クランプ対象物)の孔に挿入可能となるように、上方に突設される。クランプロッドの外周面と前記案内孔の内周面との間に、楔空間が、上方に向うにつれて狭まるように形成される。その楔空間に、半径方向に拡大および縮小されるシャトル部材が挿入される。クランプ駆動時には、クランプロッドがシャトル部材を介して案内孔に拘束されながら下方に真っ直ぐに移動し、これにより、そのクランプロッドの軸心が案内孔の軸心に一致する。したがって、上記クランプロッドが押圧具を介してワークの孔を精確に位置決めできる点で優れる。
しかしながら、上記ワークが上記の許容隙間を越えて半径方向に位置ズレした状態で搬入された場合には、クランプロッドにワークの孔を円滑に外嵌めできない。
本発明の目的は、クランプロッドに対してクランプ対象物の孔を、精確に位置決めすると共に、円滑に外嵌めすることにある。
ハウジング1内に支持筒6が半径方向に移動可能に挿入される。前記ハウジング1よりも先端側へ突出される係合部材17が、半径方向に移動可能となるように前記支持筒6によって基端側から支持される。クランプ対象物10の孔11に係合部材17が挿入可能になっている。前記支持筒6の内周孔に軸方向に移動可能に挿入されるクランプロッド22が、前記支持筒6に同行して半径方向へ移動可能になっている。そのクランプロッド22が、前記係合部材17に先端側または基端側から係合する楔面25を有する。前記クランプロッド22が駆動手段46によって軸方向に移動される。前記ハウジング1と前記支持筒6の外周部との間に設けられる位置決め機構47によって、前記クランプロッド22と前記支持筒6とが前記ハウジング1に対して半径方向に移動可能な状態と、前記クランプロッド22が前記支持筒6を介して前記ハウジング1に対して半径方向の所定位置に位置決めされる状態とに切換えられる。
上記クランプ装置のアンクランプ状態で、クランプロッドの外周部の外側に外嵌め用の許容隙間をあけてクランプ対象物の孔が外嵌めされるときに、上記クランプ対象物が上記の許容隙間を越えて半径方向に位置ズレした状態で搬入されることがある。この場合には、クランプロッドが、支持筒を介して半径方向の所定位置に位置決め機構によって位置決めされる状態から、半径方向に移動可能な状態に切換えられることにより、クランプ対象物の孔の周壁にクランプロッドが半径方向に押動されながら外嵌めされる。これにより、クランプロッドにクランプ対象物の孔を円滑に外嵌めできる。
また、クランプ装置がクランプ対象物をクランプした状態で、クランプロッドが、半径方向に移動可能な状態から、支持筒を介して半径方向の所定位置に位置決めされる状態に位置決め機構によって切換えられることにより、位置決め機構が支持筒とクランプロッドと係合部材とを介してクランプ対象物をハウジングに対して半径方向の所定位置に精確に位置決めできる。
前記位置決め機構47は、進退部材50と別の駆動手段56と係合部59と係止部60とを有する。前記ハウジング1と前記支持筒6の外周部との間に筒状の進退部材50が軸方向に移動可能に挿入される。前記進退部材50が別の駆動手段56によって軸方向へ駆動される。前記進退部材50の内周部に係合部59が形成される。前記係合部59に当接可能に対面された係合部60が、前記支持筒6の外周部に形成される。そして、前記別の駆動手段56が前記進退部材50を前記支持筒6から離間させるようにリリース駆動させたときに、前記係合部59が前記係止部60から離間されることにより、前記クランプロッド22が前記ハウジング1に対して半径方向に移動可能となる。前記別の駆動手段56が前記進退部材50を前記支持筒6に向けてロック駆動させたときに、前記係合部59が前記係止部60に係合することにより、前記進退部材50が前記支持筒6を介して前記クランプロッド22を前記ハウジング1に対して半径方向の所定位置に位置決めする。
この場合、上記クランプ装置のアンクランプ状態で、クランプロッドの外周部の外側に外嵌め用の許容隙間をあけてワークの孔が外嵌めされるときに、上記クランプ対象物が上記の許容隙間を越えて半径方向に位置ズレした状態で搬入されることがある。この場合に、別の駆動手段が進退部材の係合部を支持筒の係止部から離間させ、クランプロッドが半径方向に移動可能になっていることにより、クランプ対象物の孔の周壁にクランプロッドが半径方向に押動されながら円滑に外嵌めされる。
また、クランプ装置がクランプ対象物をクランプした状態で、別の駆動手段が進退部材の係合部を支持筒の係止部に係合させることにより、進退部材が支持筒とクランプッドと係合部材とを介してクランプ対象物をハウジングに対して半径方向の所定位置に精確に位置決めする。
まず、主として図1に基づいて位置決め機構付きクランプ装置の構造を説明する。
前記クランプ装置のハウジング1が搬送機構2の可動部分の下端部2aに固定されている。そのハウジング1の下部(先端部)に収容孔5が上下方向(軸方向)に形成される。その収容孔5に支持筒6が上下方向および半径方向に移動可能に挿入される。前記の支持筒6が下側から順に形成された頂部6aと周壁6bとフランジ部6cとを有する。その支持筒6の頂部6aおよび周壁6bは、ワーク(クランプ対象物)10の孔11に挿入可能となっている。収容孔5の上面と支持筒6の上面との間に進出バネ13が装着され、その進出バネ13がバネ受け14と環状部材15とを介して支持筒6を下方へ付勢する。
本実施形態では、ピストン33とアンクランプ室34とクランプ室35と保持バネ36とガイド溝40と受け面42と押面44と係合ボール45とによって第1駆動手段(駆動手段)46が構成される。
前記の収容孔5が下方から順に形成された小径孔48と大径孔49とを有する。その小径孔48に筒状の進退部材50の小径部51が封止部材を介して保密状で上下方向に移動可能に挿入される。収容孔5の大径孔49に進退部材50の大径部52が封止部材を介して保密状に挿入される。前記の支持筒6の外周面が隙間をあけて進退部材50の内周孔に当接可能に対面される。進退部材50の小径部51と収容孔5の大径孔49との間に圧力流体室53が形成され、大径部52の上側にバネ室54が形成される。圧力流体室53に圧縮エア(圧力流体)を供給および排出する給排路53aがハウジング1に形成される。また、バネ室54に復帰バネ55が装着され、その復帰バネ55が進退部材50を下方に付勢する。本実施形態では、圧力流体室53と復帰バネ55とによって第2駆動手段(別の駆動手段)56が構成される。
図1のアンクランプ状態では、クランプ室35から圧縮エアが排出されると共に、アンクランプ室34に圧縮エアが供給されている。アンクランプ室34の圧縮エアの圧力に相当する押圧力が保持バネ36の下方への付勢力に抗してピストン33を上限位置(基端側の限界位置)へ移動させると共に、アンクランプ室34の圧縮エアがクランプロッド22を下限位置(先端側の限界位置)に移動させている。
また、圧力流体室53から圧縮エアが排出されているので、復帰バネ55の下方への付勢力によって進退部材50が下限位置へ移動されている。さらに、係合部材17がリング28の弾性力によって縮径されることにより、その係合部材17の外周面が支持筒6の外周面よりも半径方向の内方に移動されている。
上記クランプ装置のアンクランプ状態で、ワーク10の孔11の内側に挿入用の許容隙間をあけてクランプロッド22が挿入されるときに、そのワーク10が上記の許容隙間を越えて半径方向に心ズレ(位置ズレ)した状態で搬入されることがある。この場合に、第2駆動手段56が進退部材50の係合部59を支持筒6の係止部60から離間させ、クランプロッド22がハウジング1に対して半径方向に移動可能となっていることにより、ワーク10の孔11の周壁にクランプロッド22が半径方向に押動されながら円滑に挿入される。
また、クランプ装置がワーク10をクランプした状態で、第2駆動手段56が進退部材50の係合部59が支持筒6の係止部60に係合させることにより、進退部材50が支持筒6とクランプロッド22と係合部材17とを介してワーク10をハウジング1に対して半径方向の所定位置に精確に位置決めできる。
図5の第2実施形態が上記の第1実施形態と異なる点は次の通りである。
ハウジング1の下端部1aが、固定台としてのテーブルTに固定されている。ハウジング1の上部に支持筒6が挿入され、その支持筒6の内周孔にクランプロッド22が摺動可能に挿入される。その支持筒6によって2つの係合部材17が半径方向に移動可能となるように下側から支持される。また、その係合部材17のフランジ部17aがハウジング1の上壁に受け止められる。前記の係合部材17の押部18の外周面に鋸刃状の突起18aが左右方向に複数形成される。
上記クランプ装置のアンクランプ状態で、クランプロッド22の外周部の外側に外嵌め用の許容隙間をあけてワーク10の孔11が外嵌めされるときに、そのワーク10が上記の許容隙間を越えて半径方向に心ズレした状態で搬入されることがある。この場合には、第2駆動手段56が進退部材50の係合部59を支持筒6の係止部60から離間させ、クランプロッド22がハウジング1に対して半径方向に移動可能となっていることにより、ワーク10の孔11の周壁にクランプロッド22が半径方向に押動されながら円滑に外嵌めされる。
また、クランプ装置がワーク10をクランプした状態で、第2駆動手段56が進退部材50の係合部59を支持筒6の係止部60に係合させることにより、進退部材50が支持筒6とクランプロッド22と係合部材17とを介してワーク10をハウジング1に対して半径方向の所定位置に精確に位置決めできる。
上記の係合部材17は、係合ボールや環状コレットでもよい。その環状コレットは、クランプロッド22の楔面25を外嵌めするように支持筒6に支持される。その環状コレットの周壁には、上下方向へスリットが形成される。その環状コレットの外周面には、断面視で鋸刃状の複数の周溝を形成される。クランプロッド22をクランプ駆動すると、環状コレットは、楔部25によって押圧されて半径方向の外方へ弾性変形し、ワーク10孔11の内周面に係合される。
上記の楔面25は、例示したように、基端側に向かうにつれて軸心に近づくように形成されるのに代えて、基端側に向かうにつれて軸心から遠ざかるように形成されてもよい。
上記の第1駆動手段46は、例示したように、複動式の空圧シリンダに代えて、単動式の空圧シリンダであってもよく、また、他の圧力流体等の流体圧アクチュエータや電動アクチュエータに変更してもよい。
上記の第2駆動手段56は、例示したように、単動式の空圧シリンダに代えて、複動式の空圧シリンダであってもよく、また、他の圧力流体等の流体圧アクチュエータや電動アクチュエータに変更してもよい。
上記の所定位置は、例示したように、ワーク10の孔11の軸心A3とクランプロッド33の軸心A2とハウジング1の軸心A1とが一致する位置に限定されず、ハウジング1の軸心A1から半径方向に所定距離だけ離間した位置であってもよい。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
Claims (1)
- ハウジング(1)内に半径方向に移動可能に挿入された支持筒(6)と、
前記ハウジング(1)よりも先端側へ突出されると共に、半径方向に移動可能となるように前記支持筒(6)によって基端側から支持される係合部材(17)であって、クランプ対象物(10)の孔(11)に挿入可能になっている係合部材(17)と、
前記支持筒(6)の内周孔に軸方向に移動可能に挿入されると共に、前記支持筒(6)に同行して半径方向へ移動可能になっているクランプロッド(22)であって、前記係合部材(17)に先端側または基端側から係合する楔面(25)を有するクランプロッド(22)と、
前記クランプロッド(22)を軸方向に移動させる駆動手段(46)と、
前記ハウジング(1)と前記支持筒(6)の外周部との間に設けられる位置決め機構(47)であって、前記クランプロッド(22)と前記支持筒(6)とが前記ハウジング(1)に対して半径方向に移動可能な状態と、前記クランプロッド(22)が前記支持筒(6)を介して前記ハウジング(1)に対して半径方向の所定位置に位置決めされる状態とに切換える位置決め機構(47)と、を備え、
前記位置決め機構(47)は、
前記ハウジング(1)と前記支持筒(6)の外周部との間に軸方向に移動可能に挿入された筒状の進退部材(50)と、
前記進退部材(50)を軸方向へ駆動させる別の駆動手段(56)と、
前記進退部材(50)の内周部に形成された係合部(59)と、
前記係合部(59)に当接可能に対面されるように前記支持筒(6)の外周部に形成された係止部(60)と、を備え、
前記別の駆動手段(56)が前記進退部材(50)を前記支持筒(6)から離間させるようにリリース駆動させたときに、前記係合部(59)が前記係止部(60)から離間されることにより、前記クランプロッド(22)と前記支持筒(6)とが前記ハウジング(1)に対して半径方向に移動可能となっており、
前記別の駆動手段(56)が前記進退部材(50)を前記支持筒(6)に向けてロック駆動させたときに、前記係合部(59)が前記係止部(60)に係合されることにより、前記進退部材(50)が前記支持筒(6)を介して前記クランプロッド(22)を前記ハウジング(1)に対して半径方向の所定位置に位置決めする、
ことを特徴とする位置決め機構付きクランプ装置。
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