JP6885024B2 - 透明電極 - Google Patents

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本発明は、透明膜を形成した際に気泡の残留防止効果等に優れた透明電極に関するものである。
画像表示装置の画面上に設置して用いられる電磁波遮蔽層やタッチパネル電極等に適用される透明電極では、透明基材の一方の面に金属による微細な網目状(格子状、ハニカム状であることを含む。以下「メッシュ」と記載することがある。)金属線電極が設けられたものが知られている。金属線電極が設けられた透明電極は、金属線電極を微細な網目状とすることで、導電性を有しつつも、全体としては透明性を有するものとされている。
このような金属線電極の形成方法としては、例えば、特許文献1には、金属メッシュをエッチング(腐蝕)により形成する方法が開示されている。
特開2006−179946号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法により形成される透明電極では、図7(a)に例示するように、透明電極110が、透明基材111の一方の面上に格子状の金属線電極112が積層され、透明基材111及び金属線電極112を覆うように透明膜120が積層されている場合において、図7(b)に例示する断面図を例示するように、透明膜120を形成する際に金属線電極112に近い部位の透明膜120内に気泡Aが残存してしまう問題があった。
また、特許文献1に記載の方法により形成される透明電極では、金属メッシュを覆うように形成される透明膜として透明電極層を形成した際に、断線が生じるといった不具合があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、透明膜を形成した際に気泡の残留防止効果等に優れた透明電極を提供することを主目的とする。
本発明者らは、特許文献1に記載の方法により形成された透明電極では、金属メッシュの透明基材とは反対側の頂部の角(出隅部分)において、気泡が滞り易いとの知見および透明電極層の断線が生じ易いとの知見を得て本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、本発明は、透明基材と、上記透明基材の一方の面に配置された金属線が組み合わされてなる金属線電極と、を備え、上記金属線電極は、上記透明基材に接する面である下面、上記下面とは反対側に配置され上記下面と平行に形成され、上記下面より幅が狭い上面、及び、上記下面と上記上面とを結ぶ側面、を備え、上記上面と上記側面とが形成する出隅部分には湾曲部を有していることを特徴とする透明電極を提供する。
本発明によれば、上記形状の金属線電極を用いることにより、本発明の透明電極は、例えば、金属線電極を覆うように形成される透明膜として透明絶縁層を形成した際の気泡の残留防止効果、透明膜として透明電極層を形成した際の断線防止効果等に優れたものとなる。
本発明においては、上記上面と上記下面との距離が10μm以下であることが好ましい。本発明の透明電極は、例えば、気泡の残留防止効果等に優れたものとなるからである。
本発明においては、上記下面と上記側面との成す角が鋭角であることが好ましい。本発明の透明電極は、例えば、気泡の残留防止効果等に優れたものとなるからである。
本発明によれば、透明膜を形成した際に気泡の残留防止効果等に優れた透明電極を提供できるという効果を奏する。
透明電極の斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 金属線電極の金属線の形態を説明する断面図である。 金属線電極の金属線の形態を説明する断面図である。 本発明の透明電極の一例を示す概略断面図である。 本発明の透明電極の製造方法の一例を示す工程図である。 図7(a)は従来の透明電極の斜視図、図7(b)は従来の透明電極の断面図のうち、金属線電極の近傍を表す図である。
本発明は、透明電極に関するものである。
以下、本発明の透明電極について説明する。
本発明の透明電極は、透明基材と、上記透明基材の一方の面に配置された金属線が組み合わされてなる金属線電極と、を備え、上記金属線電極は、上記透明基材に接する面である下面、上記下面とは反対側に配置され上記下面と平行に形成され、上記下面より幅が狭い上面、及び、上記下面と上記上面とを結ぶ側面、を備え、上記上面と上記側面とが形成する出隅部分には湾曲部を有していることを特徴とするものである。
このような本発明の透明電極は、例えば、金属線電極が透明膜である透明絶縁層により覆われて、センサ電極として用いられる態様(第1実施態様)と、金属線電極が透明膜である透明電極層により覆われて、補助電極として用いられる態様(第2実施態様)と、を有するものである。
以下、本発明の透明電極を、各実施態様に分けて説明する。
A.第1実施態様
本発明の透明電極の第1実施態様は、上述の透明電極であって、金属線電極が透明膜である透明絶縁層により覆われて、センサ電極として用いられるものである。
このような本態様の透明電極について図を参照して説明する。ただし、本態様はこれら形態に限定されるものではない。なお、以下に示す図面では分かりやすさのため部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさのため説明上不要な部分の図示や繰り返しとなる符号は省略することがある。
図1は、本態様の透明電極10の一例を表す斜視図であり、図2は図1のII−II線断面図である。また、図3は、図2の断面図のうち、1つの金属線12aに注目して表した拡大図である。
図1〜図3に示すように、本態様の透明電極10は、透明基材11と、上記透明基材11の一方の面に配置された金属線12aが組み合わされてなる金属線電極12と、を備え、上記金属線電極12は、上記透明基材11に接する面である下面13、上記下面13とは反対側に配置され上記下面13と平行に形成され、上記下面13より幅が狭い上面14、及び、上記下面13と上記上面14とを結ぶ側面15、を備え、上記上面14と上記側面15とが形成する出隅部分には湾曲部14aを有するものである。
なお、図1〜図3は、透明電極10が、透明膜20を有する例を示すものである。
本態様によれば、上記形状の金属線電極を用いること、すなわち、金属線電極を構成する金属線の断面形状がテーパー角度θbの順テーパー形状であり、かつ、出隅部分が湾曲部であることにより、本態様の透明電極は、例えば、透明膜として透明絶縁層を形成した際の気泡の残留防止効果に優れたものとなる。
また、金属線電極が出隅部分に湾曲部を有することにより、出隅部分がエッジ部である場合と比較して、本態様の透明電極は、金属線電極の出隅部分に電荷が集中することによる不具合の少ないものとなる。
ここで、上記形状とすることで、気泡の残留防止効果を発揮できる理由については以下のように推察される。
すなわち、例えば、透明絶縁層の形成方法として、予めシート状に加工された透明絶縁層を金属線電極表面に貼合する方法を用いる場合、一般的に、金属線電極表面に、シート状透明絶縁層を配置した状態でローラー等を押し当てながら、一方向(横側)から貼合する。
このため、例えば、金属線の断面形状が、その側面が90°等の切立った断面形状および逆テーパー形状の場合には、貼合した際に空気が抜けない部分が発生し、気泡となる。
また、透明絶縁層の形成方法として、透明絶縁層を形成可能な塗工液を塗布して形成する方法である場合も、シート状透明絶縁層の形成時と同様に、塗布された塗工液が金属線電極表面を覆うように広がる際に金属線の断面形状がその側面が90°等の切立った断面形状および逆テーパー形の場合には、空気が抜けない部分が発生し、気泡となる。
これに対して、金属線の断面形状が順テーパー形状であること、さらには、出隅部分が湾曲部であり、出隅部分において見かけ上さらに側面のテーパー角度を小さいものとすることで、シート状透明絶縁層を押し当てる際または塗工液が金属線電極表面を覆うように広がる際に、空気が逃げやすくなる。その結果、上記形状であることにより、本態様の透明電極は気泡発生を抑制できると推察される。
本態様の透明電極は、透明基材および金属線電極を有するものである。
以下、本態様の透明電極の各構成について詳細に説明する。
1.透明基材
本態様における透明基材は、金属線電極の支持体となる板状の部材であり、基板として機能するための強度、腰(コシ。弾性または剛性。)を具備する材料及び厚さを有して構成されている。
上記透明基材の構成材料としては、例えば、ガラス(ソーダライムガラス、無アルカリガラス等)、石英、PLZT(チタン酸ジルコン酸ランタン鉛)等の透明セラミックス等の透明無機物、樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アルリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、(メタ)アクトニトリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、及びフッ素系樹脂から作製されたもの等)等の固体の透明有機物等を用いることができる。
上記透明基材の厚みは特に制限は無いが、通常、上記構成材料が透明無機物の場合は100μm〜5000μmの範囲内程度、上記構成材料が透明有機物の場合は20μm〜250μmの範囲内程度とすることができる。
上記透明基材の透明度は透明電極として所望の透明度が得られる程度とすればよいが、通常、可視光線透過率が70%以上、好ましくは80%以上とされる。
なお、可視光線透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定される全光線透過率を用いることができる。
上記透明基材は、必要に応じて、表面に機能層が形成されていてもよい。
上記機能層としては、例えば、高屈折率層、低屈折率層またはこれらの積層体等のインデックスマッチング層や、ハードコート層等を挙げることができる。これらのインデックスマッチング層、ハードコート層については、透明基材の表面に一般的に形成されるものを使用でき、例えば、特開2015−191634号公報等に記載の光学調整層やハードコート層と内容と同様とすることができる。
2.金属線電極
金属線電極は、上記透明基材の一方の面に配置された金属線が組み合わされてなるものである。
また、上記金属線電極は、上記透明基材に接する面である下面、上記下面とは反対側に配置され上記下面と平行に形成され、上記下面より幅が狭い上面、及び、上記下面と上記上面とを結ぶ側面、を備え、上記上面と上記側面とが形成する出隅部分には湾曲部を有している。
金属線電極は、金属線が組み合されてなるものである。
ここで、金属線が組み合わされることによる金属線電極の平面視形状、すなわち、金属線のパターンとしては、例えば、網目状とすることができる。
このような網目状のパターンとしては、既に説明した図1および図2に例示するような金属線が縦横に規則的に格子に組み合わされた格子状形態とすることができる。
また、網目状のパターンは、縦横に規則的(周期的)に格子状となる形態である必要はなく、ハニカム構造等のように3角形、4角形、5角形、6角形等の多角形の単位格子を2次元的に周期(繰り返し)配列した他の規則的格子の形態、単位格子が所定の形態に限らない不規則的(非周期的)格子の形態でもよい。
尚、上記の不規則的格子状のパターンとしては、例えば、特開2012−178556号公報、特開2013−238029号公報等に開示の如き、多数の開口領域が、隣接母点間距離がある上限値及び下限値内に分布するランダム2次元分布した母点から生成されるボロノイ図における各ボロノイ領域と一致するように配列されたものを用いることができる。このような不規則的格子においては、金属線電極を構成する金属線が該特定母点から形成されるボロノイ図におけるボロノイ領域の各境界と一致または略一致している。金属線電極を構成する格子の各分岐点はボロノイ図におけるボロノイ点と一致または略一致している。
金属線電極を構成する金属は特に限定されることはないが、例えば、金、銀、白金、銅、錫、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタニウム、タングステン、ルテニウム、モリブデン等の金属、或いはこれら金属の1種以上を含むAPC(銀−パラジウム−銅)、ITO(インジム錫酸化物)、真鍮等の合金または金属化合物を挙げることができる。
また、金属線電極を構成する金属線の層構造は、単層構造であってもよいが、例えば、モリブデン層、アルミニウム層およびモリブデン層がこの順で積層した3層構造等の複数層が積層した積層構造であってもよい。
ここで、金属線の層構造が積層構造である場合、各層の構成材料は同一であってもよく、例えば、アルミニウム層およびモリブデン層のような異なる材料であってもよい。
また、金属線電極を構成する金属線の断面形状、すなわち、金属線においてその延在方向(長手方向)と直交する面で切断した断面(以下、主切断面とも言う)の形状は、透明基材に接する面である下面、上記下面とは反対側に配置され上記下面と平行に形成され、上記下面より幅が狭い上面、及び、上記下面と上記上面とを結ぶ側面、を備え、上記上面と上記側面とが形成する出隅部分には湾曲部を有している。
ここで、本態様においては、下面、上面、及び側面は、既に説明した図3に破線で示したように、次に説明する出隅部分の湾曲部14a及び入隅部分の湾曲部13aを考慮しない形態において、上面14の幅(Wu)は、下面13の幅(Wb)に比べて短く形成されるとともに、側面15が下面13と成す角θbは鋭角、すなわち90°より小さくなるように構成されている。
すなわち、上記金属線電極は、断面形状がテーパー角度θbの順テーパー形状であり、かつ、出隅部分が湾曲部である金属線により形成されるものである。
なお、出隅部分とは、上記上面および上記側面が交わる角部のみを含むものではなく、金属線の断面形状において、上記上面および上記側面により形成され、金属線から外側に向かって凸状に形成された角部の周辺部位も含むものである。
上記上面の幅(Wu)は、例えば、0.5μm〜18μmの範囲内とすることができ、0.5μm〜7μmの範囲内であることが好ましく、なかでも、0.5μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記下面の幅(Wb)は1μm〜20μmの範囲内とすることができ、1μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、なかでも、1μm〜7μmの範囲内であることが好ましい。上記幅WuおよびWbが上述の範囲内であることにより、本態様の透明電極は、透明性に優れたセンサ電極として使用可能となるからである。
上記テーパー角度(θb)は、金属線に要求される幅や厚み等の仕様に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、80°以下とすることができ、45°以下であることが好ましく、なかでも、30°以下であることが好ましい。上記角θbが上述の範囲内であることで、本態様の透明電極は、透明性に優れたセンサ電極として使用可能となるからである。また、上記透明電極は、気泡の残留防止効果に優れたものとなるからである。
なお、上記テーパー角度(θb)の下限については、気泡の残留防止の観点からは低いほど好ましいが、例えば、10°以上とすることができる。
尚、側面が下面と成す角θbは、以下の(1)〜(3)の何れかにより求める。
(1)主切断面において側面をなす線に、厚み方向の中央付近に傾斜が一定で直線と見做せる部分が有る場合は、該直線部分の延長線と下面とのなす角度を以ってθbとする。
(2)該主切断面の側面をなす線に、厚み方向中央付近に直線と見做せる部分が無い場合で、且つ側面をなす線に変曲点と見做せる部分が有る場合は、該変曲点における接線の延長線と下面とのなす角度を以ってθbとする。
(3)該主切断面の側面をなす線に、厚み方向中央付近に直線と見做せる部分が無い場合で、且つ側面に変曲点と見做せる部分が無い場合は、該側面をなす線の下面との接点と上面との接点との間を最小二乗法等により該線の各部分の傾斜角を平均化した平均傾斜角を持つ仮想的直線を求め、該直線と下面とのなす角度を以ってθbとする。
本態様においては、上記(1)〜(3)における、中央付近の直線部の延長線、変曲点の延長線、或いは平均傾斜角仮想的直線の何れかの直線に対して、下面近傍において側面(をなす線)が該直線よりも金属線に対して外側に突出する部分から入隅部分の湾曲部が構成される。
上面と側面とにより形成される出隅部分では、側面角度が、下面側から上面まで、漸減する湾曲部が設けられている。
ここで、側面角度とは、主切断面で側面上の任意の点が、傾斜が一定で直線とみなせる直線部上である場合には、その直線の延長線と、下面とのなす角度をいい、主切断面で側面上の任意の点が、曲線上である場合には、その曲線上の点における接線の延長線と、下面とのなす角度をいうものである。
上記湾曲部としては、必ずしも主切断面形状が円弧で近似できる形状とされなくてもよく、例えば、既に説明した図3、図4(a)および(b)に例示するように、側面角度が下面側から上面まで連続的に減少する円弧状の曲線により形成された曲線部、図4(c)〜(f)に例示するように、側面が下面側から上面まで、側面角度が段階的に減少する直線の組み合わせにより形成された多段テーパー形状を有する場合の、下面側から2段目以降の順テーパー部により形成されたテーパー部とすることができる。
また、上記湾曲部の厚み方向の形成箇所については、例えば、既に説明した図3、図4(a)、(e)に例示するように、厚み方向の中央より上面側から上面までの間であってもよく、図4(c)、(d)に例示するように、厚み方向の中央から上面までの間であってもよく、図4(b)、(f)に例示するように、厚み方向の中央より下面側から上面までの間であってよい。なお、図4(b)は、上記形成箇所が下面から上面までの間である例を示すものである。
すなわち、上記湾曲部の厚み方向の下面側端部は、図3、図4(a)、(c)、(d)、(e)、(f)のように、下面および上面の間であってもよく、図4(b)のように下面であってもよい。
上記湾曲部が曲線部である場合、この出隅部分の湾曲部の曲率半径Ruは、透明導電膜を形成した際の断線防止効果、金属線に要求される導電性、金属線製造の製造容易性等を勘案して決めればよい。
上記曲率半径Ruの大きさは、0.1μm以上とすることができ、0.5μm以上であることが好ましく、特に、1.0μm以上であることが好ましい。上記曲率半径Ruが上述の範囲内であることで、金属線電極は、透明導電膜の断線防止効果等に優れたものとなるからである。
上記曲率半径Ruの上限は特に限定は無く、透明導電膜を形成した際の断線防止効果、金属線に要求される導電性、金属線製造の製造容易性等を勘案して決めればよいが、通常10μm程度以下とすることができる。
上記湾曲部がテーパー部である場合、湾曲部の段数としては、1段以上であればよい。すなわち、湾曲部としてテーパー部が形成される場合、側面は、2段以上の多段テーパー形状であればよい。
なお、テーパー部を構成する各段の順テーパー部の直線の長さとしては、0.1μm以上とすることができ、0.2μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。上記各段の直線の長さが上記範囲内であることにより、金属線電極を覆うように形成される透明導電膜を形成した際の気泡の残留防止効果等が優れたものとなるからである。
また、本発明における湾曲部の段数としては、多いほど好ましいため、特に限定されるものではないが、例えば、1段〜10段の範囲内とすることができる。
なお、図4(c)、(e)は、湾曲部が1段のテーパー部であり、図4(d)は、湾曲部が2段のテーパー部であり、図4(f)は、湾曲部が3段のテーパー部である例を示すものである。
また、各段の順テーパー部の直線の長さとしては、具体的には、図4(c)および(d)中のdで示される平面視上の長さとすることができる。
また、透明基材と側面とにより形成される入隅部分には、必須では無いが、湾曲部が設けられることが好ましい。該湾曲部は必ずしも主切断面形状が円弧で近似できる形状とされ無くても良く、製造加工条件如何で様様な主切断面形状とすることができる。該主切断面形状が円弧で近似できる場合は、この入隅部分の曲率半径Rbの大きさは例えば、0.1μm以上、好ましくは1μm以上とすることができる。該曲率半径Rbの上限は特に限定は無く、透明膜としての透明絶縁層中の気泡の残留防止効果、金属線の要求される導電性、金属線製造の製造容易性等を勘案して決めればよいが、通常50μm程度以下とされる。
上記金属線の厚さとしては、10μm以下とすることができる。上記厚さであることにより、エッチングで金属線電極を作製する場合であっても気泡の残留を防止することが可能である。
なお、金属線の厚さHの下限値は、透明電極の用途及び金属線に使用する金属の種類に応じて、所望の導電性を発現するに足る厚みを設定すればよい。
また、上記厚さHの上限値は、所望の線幅及びエッチング加工時の線幅のバラツキ、所望の金属線の不可視性等をして設定すればよい。
上記厚さは、好ましくは0.1μm〜10μmの範囲内、より好ましくは0.1μm〜5μmの範囲内とすることができる。
なお、上記厚さは、具体的には、既に説明した図3中の下面13と上面14との距離Hである。
上記金属線電極は、必要に応じて、金属線電極表面における日光、照明光等の反射を抑制する為に、金属線電極を構成する金属線の外表面である下面、上面、及び側面のうちの何れか1面、2面、或いは3面の表面に可視光線反射率の低い暗色の外観を呈する暗色層(図示は略)を形成してもよい。暗色層の色調としては黒色、濃灰色のような無彩色の他、褐色、紺色、臙脂色、深緑、濃紫色等の低彩度有彩色としてもよい。
これら暗色層の材料としては、酸化銅(II)〔CuO〕、窒化銅(Cu3N)、銅−コバルト合金等公知の物の中から選択することができる。
暗色層の厚みは、所望の反射抑制効果を奏する範囲内であれば特に制限は無いが、通常、0.01μm〜2μm程度とすることができる。
なお、本態様の透明電極は、変形形態として、金属線電極の周辺部、或いは金属線電極の内部の一部に、所定の外輪郭形状を有し内部は格子形状に区画され無い金属層(開口部の無いベタ部)を有していもよい。或いは別の変形形態として、金属線電極自体が全て、所定の外輪郭形状を有し内部は格子形状に区画され無い金属層から形成されていてもよい。本態様においては、このような変形形態における所定の外輪郭形状を有し内部が格子形状に区画され無い金属層の外輪郭部分において、その周囲の外輪郭部の側面の主切断面形状が図3の如く、出隅部分の湾曲部14a及び入隅部分の湾曲部13aを有し、上面14の幅(Wu)が下面13の幅(Wb)に比べて短く形成されるとともに、側面15が下面13と成す角θbが鋭角をなすように構成することもできる。
上記金属線電極は、上記透明基材の少なくとも一方の面に配置されるものであればよく、例えば、既に説明した図1および図2に例示するように、透明基材11の一方の面のみに配置されるものであってもよく、図5に例示するように、透明基材11の両面に配置されるものであってもよい。
なお、図5は、透明電極10が、透明基材11の両面に配置された金属線電極12を覆うように、透明基材11の両面に配置された透明膜20を有する例を示すものである。
3.透明膜
本態様の透明電極は、透明基材および金属線電極を有するものであるが、必要に応じて、上記金属線電極の上記透明基材とは反対側の面を覆うように積層される透明膜として、透明絶縁層を有するものとすることができる。
上記透明膜として透明絶縁層を有することにより、本態様の透明電極は、センサ電極として容易使用可能となるからである。
上記透明絶縁層は、金属線電極を覆うように形成される層であり、透明性を有する材料により構成されている。
透明絶縁層の具体的な材料としては、透明電極が適用される機器により適宜選択することができるが、これには例えば粘着剤を挙げることができる。
上記粘着剤としては、いわゆる光学透明粘着剤(OCA)として用いられるものを使用することができ、より具体的には、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、桂皮酸エステル系樹脂、スチレン系樹脂、ゴム系樹脂、ビニル樹脂等の樹脂材料が挙げられる。
これらの材料は、透明絶縁層とした際に可視光線透過率が80%以上となるものが好ましく、90%以上となるものがより好ましい。
これらの材料の中から、本態様の透明電極の用途、要求物性(透明絶縁層表面の耐擦傷性等)に応じて適宜材料を選択する。
透明絶縁層の厚さは、透明電極が適用される機器により適宜選択することができる。
また、透明絶縁層は金属線電極に接する側とは反対側の面は平坦に形成されているが、これに限らず、透明絶縁層も金属線電極の凹凸に合わせて凹凸を有して形成されてもよい。
透明絶縁層の形成方法としては、例えば、上記樹脂材料を溶媒(溶剤)又は分散媒に溶解又は分散させた塗工液を、ロールコータ、グラビアロールコータ、バーコータ、カーテンフローコータ、ナイフエッジコータ、コンマコータ等の塗工機により金属線電極上に、固化後に所定の厚さHとなるように塗工し、溶媒または分散媒を乾燥させて固化させる方法を挙げることができる。
また、上記形成方法としては、上記樹脂材料を形成可能な単量体又はプレポリマに、必要に応じて溶媒を加えた、室温において液体状の塗工液を塗工機により金属線電極上に固化後に所定の厚さHとなるように塗工し、加熱、或いは紫外線、電子線等の照射による架橋または重合反応により固化させる方法を挙げることができる。
さらに、上記形成方法としては、予めシート状に加工した透明絶縁層を、金属線電極上に貼付する方法も用いることができる。より具体的には、上記貼付方法としては、金属線電極上にシート状透明絶縁層を配置し、シート状透明絶縁層をローラー等を用いて金属線電極表面に対して押し当てる方法を用いることができる。また、押し当て方法としては、シート状透明絶縁層の一方の端部から他方の端部に向かう一方向に順次押し当てる方法を用いることができる。
4.製造方法
本態様の透明電極の製造方法としては、透明基材および金属線電極ならびに必要に応じて透明膜をこの順で精度よく形成できる方法であればよい。
上記製造方法としては、透明基材を準備し、透明基材の一方の面に金属線電極を形成する金属線電極形成工程と、必要に応じて、金属線電極形成工程により形成された金属線電極を覆う透明膜形成工程と、を有するものとすることができる。
なお、透明膜形成工程における透明膜の形成方法については上記「3.透明膜」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記金属線電極形成工程における金属線電極の形成方法としては、透明基材上に、断面形状が順テーパー形状であり、かつ、出隅部分が湾曲部である金属線を、所望のパターンで配置された金属線電極を形成できる方法であればよい。
このような方法としては、例えば、図6に例示するように、透明基材11の一方の面に、金属線電極を形成可能な金属を用いて金属薄膜31を形成する金属薄膜形成工程と(図6(a))、透明基材11側より金属薄膜31との密着性が低いレジスト層32bをパターン状に形成する低密着レジスト層形成工程(図6(b)〜(e))と、レジスト層32bから露出する金属薄膜31に対してエッチング処理するエッチング工程(図6(e)〜(f))と、エッチング工程後にレジスト層32bを除去するレジスト層除去工程(図6(f)〜(g))と、を有する方法を挙げることができる。低密着レジスト層形成工程を有することにより、レジスト層と金属薄膜との密着性が低いレジスト層が形成される。その結果、エッチング工程において、レジスト層および金属薄膜の間にエッチング液が入り込みやすくなり、金属薄膜の透明基材側よりレジスト層側でエッチングが進行し易くなる。このようなことから、上記形成方法は、断面形状が順テーパー形状であり、かつ、出隅部分が湾曲部である金属線を、所望のパターンで容易形成可能となる。
上記金属薄膜形成工程は、透明基材の一方の面に、金属線電極を形成可能な金属を用いて金属薄膜を形成する工程である。
本工程における金属薄膜の形成方法としては、スパッタリング法、蒸着法、めっき法、粘着剤を用いて金属薄膜を貼り付けるラミネート法等の公知の方法を用いることができる。
本工程は、透明基材および金属薄膜の間に両者の密着性を向上する密着性向上層を配置するもの、すなわち、本工程が、透明基材の一方の面に、密着性向上層を形成し、次いで、密着性向上層の透明基材とは反対側の面に金属薄膜を形成する工程であってもよい。密着性向上層を用いて金属薄膜および透明基材間の密着性を高めることで、上記エッチング工程において金属薄膜が透明基材から剥離することなく安定的にエッチング可能となり、例えば、金属線のテーパー角度θbを低いものとすることが容易となるからである。また、本工程後に行われる低密着レジスト層形成工程が容易となるからである。
上記密着性向上層の構成材料としては、例えば、金属薄膜を構成する金属が、銅等である場合には、酸化インジウム亜鉛(IZO)等を挙げることができる。
また、密着性向上層の形成方法としては、例えば、金属薄膜の形成方法と同様の方法を用いることができる。
上記低密着レジスト層形成工程は、透明基材側より金属薄膜との密着性が低いレジスト層をパターン状に形成する工程である。
本工程に用いられるレジスト層としてはネガ型およびポジ型のいずれも用いることができる。
レジスト層がポジ型である場合に、透明基材側より金属薄膜との密着性が低いレジスト層をパターン状に形成する方法としては、例えば、既に説明した図6に示すように、まず、ポジ型のレジスト層32を形成し(図6(b))、次いで、レジスト層32の金属線が形成される箇所以外の箇所を、露光処理し(図6(c))、次いで現像する(図6(d))パターニング工程と、パターニング工程後のパターン状のレジスト層32aに対して追露光処理による低密着処理を行い、密着性が低下したパターン状のレジスト層32bを形成する低密着化工程(図6(d)〜(e))と、を有する方法を挙げることができる。
上記パターニング工程におけるポジ型のレジスト層の形成方法としては、例えばポジ型レジスト樹脂を塗布法等を用いて形成する方法を用いることができる。塗布法としては、上記「3.透明膜」の項に記載の塗工機を用いる方法と同様とすることができる。
上記ポジ型レジスト樹脂としては、公知のものを使用でき、例えば、ローム・アンド・ハース電子材料株式会社製の感光性レジストSC500が挙げられる。
上記パターニング工程におけるレジスト層の露光方法としては、一般的な露光方法を用いることができ、例えば、既に説明した図6(c)に示すように、水銀燈からなる紫外線照射裝置を用い金属線電極のパターンに対応する透光部を有するフォトマスクMを透過した露光光L1により露光を行う方法を用いることができる。
この他、マスクを用いず、電子線、レーザ光ビーム等の放射線ビームを走査をして金属線電極のパターンを露光してもよい。
この露光により、レジスト層32を構成するポジ型の感光性レジスト樹脂が光反応した易溶化部分と、未露光部分とが形成される。
上記パターニング工程における現像方法としては、例えば、現像液を噴霧して行なうスプレー現像等によって現像して易溶化部分を除去し、既に説明した図6(d)に示すように、パターン状のレジスト層32aを得る方法を用いることができる。
なお、現像方法としては、現像液のスプレー噴霧の他、浸漬等の他方式も用いることができる。
上記低密着化工程における上記追露光処理の方法については、パターン状のレジスト層に対して露光できる方法であればよく、例えば、既に説明した図6(d)に例示するように、フォトマスク等を用いない状態で、紫外線照射装置等を用いて、金属薄膜31およびパターン状のレジスト層32aの全面に露光光L2を照射する方法等を挙げることができる。
本工程における追露光処理の露光量については、金属線に要求されるテーパー角度である角θbおよび湾曲部の曲率半径Ru等に応じて適宜調整されるものである。
例えば、テーパー角度である角θbが小さく、湾曲部の曲率半径Ruが大きいものを形成する場合には露光量を多くする方法を採用できる。
上記低密着レジスト層形成工程において、レジスト層がネガ型である場合に、透明基材側より金属薄膜との密着性が低いレジスト層をパターン状に形成する方法としては、例えば、レジスト層形成時のポストベーク温度の低温化、短時間化により、得られるレジスト層の金属薄膜への密着強度を低下させる方法を用いることができる。
上記エッチング工程は、レジスト層から露出する金属薄膜に対してエッチング処理する工程である。
本工程においてエッチング処理に用いられるエッチング液としては、公知のエッチング液を用いることができる。例えば、金属薄膜を構成する金属が、銅、銀またはこれらの合金等である場合には、硝酸または塩酸を含み、必要に応じて他のエッチング補助剤を加えたものを用いることができる。
エッチング液に含まれる硝酸または塩酸の含有量は、金属線に要求されるテーパー角度である角θbおよび湾曲部の曲率半径Ru等に応じて適宜調整されるものである。上記含有量は、例えば、0.05質量%〜50質量%の範囲内で設定することができ、0.1質量%〜15質量%の範囲内、特に0.5質量%〜10質量%の範囲内であることが好ましい。硝酸または塩酸濃度が低過ぎると、上面側のサイドエッチング量が稼げず、逆に硝酸または塩酸濃度が高過ぎると厚さ方向の腐蝕速度が大きくなり、角θbが鋭角になら無い場合があるからである。
上記レジスト層除去工程におけるレジスト層の除去方法については、公知の除去方法を用いることができる。
上記金属線電極形成工程における金属線電極の形成方法は、透明基材上に、断面形状が順テーパー形状であり、かつ、出隅部分が湾曲部である金属線を、所望のパターンで配置された金属線電極を形成できる方法であればよく、上述の方法以外にも、例えば、プラズマ等を用いたドライエッチング処理により、あるいは、メッキ処理を繰り返して処理して金属薄膜を堆積することにより、金属線電極を形成する方法も用いることができる。
5.用途
本態様の透明電極の用途としては、金属線電極が透明膜として透明絶縁層により覆われて、センサ電極として用いられるものであればよく、画像表示装置の画面上に設置するタッチパネル用電極および電磁波遮蔽層の用途、画像表示裝置、色素増感太陽電池等に用いられる透明電極の用途、自動車の窓、建築物の窓等に設置する各種電波の送受信用の透明アンテナの用途、自動車の窓、建築物の窓等に設置する霜取りまたは防曇用透明加熱電極の用途等を挙げることができる。
B.第2実施態様
本態様の透明電極の第2実施態様は、上述の透明電極であって、金属線電極が透明膜である透明電極層により覆われて、補助電極として用いられるものである。
このような本態様の透明電極については、既に説明した図1および図2と同様とすることができる。
本態様によれば、上記形状の金属線電極を用いること、すなわち、金属線電極を構成する金属線の断面形状が順テーパー形状であり、かつ、出隅部分が湾曲部であることにより、本態様の透明電極は、例えば、透明膜として透明電極層を形成した際の断線防止効果に優れたものとなる。
また、金属線電極が出隅部分に湾曲部を有することにより、出隅部分がエッジ部である場合と比較して、本態様の透明電極は、金属線電極の出隅部分に電荷が集中することによる不具合の少ないものとなる。
さらに、本態様の透明電極は、第1実施態様の透明膜として透明絶縁層を形成した場合と同様に、透明膜として透明電極層を形成した際の気泡の残留防止効果に優れたものとなる。
ここで、上記形状とすることで、透明電極層の断線防止効果を発揮できる理由については以下のように推察される。
すなわち、透明電極層をスパッタリンク法を用いて形成する場合、一般的にスパッタリング法の場合は、透明基材に対して垂直方向成分の影響が支配的であるため、金属線の断面形状が、その側面が90°等の切立った断面形状および逆テーパー形状の場合には、金属線の側面への安定したスパッタ膜形成が困難となる。
また、塗布法の場合、塗膜をレべリングする際に、金属線の断面形状が切り立った断面形状および逆テーパー形状の場合には、塗工液が透明基材側に流れ落ちやすく、側面の膜厚が薄くなることで、膜の均一性が不安定となる。
これに対して、金属線の断面形状が上面ほど幅が狭くなるテーパー形状であることにより、例えば、透明電極層をスパッタリンク法を用いて形成する場合でも、安定的に、金属線の側面にスパッタ膜を形成できる。また、透明電極層を塗布法を用いて形成する場合でも、塗膜のレベリングの際に塗工液が金属線の側面に保持され易くなり、透明電極層を金属線電極の側面に安定的に形成可能となる。
このため、本態様の透明電極は、金属線電極を覆うように形成される透明電極層の未形成部分の発生を防止すると共に、膜厚均一性を向上させることが容易となる。
また、出隅部分に湾曲部を有すること、すなわち、出隅部分において見かけ上さらに側面のテーパー角度を小さいものとすることができる。その結果、上述のテーパー形状であることによる膜厚均一性をより容易に向上することが可能となり、例えば出隅部分がエッジ部である場合と比較して、本態様の透明電極は、透明電極層の膜厚均一性に容易に優れたものなる。
本態様の透明電極は、透明基材および金属線電極を有するものである。
以下、本態様の透明電極の各構成について詳細に説明する。
なお、透明基材、および透明電極の製造方法については、上記「A.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
1.金属線電極
本態様に用いられる金属線電極を構成する金属線の上面および下面の幅、角θb等については、本態様の透明電極を、金属線電極を補助電極として用い、面状の透明電極として使用可能とするものであればよい。
上記上面の幅(Wu)は、例えば、0.5μm〜200μmの範囲内とすることができ、5μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、なかでも、20μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記下面の幅(Wb)は0.5μm〜200μmの範囲内とすることができ、5μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、なかでも、20μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。上記幅WuおよびWbが上述の範囲内であることにより、本態様の透明電極は、透明性に優れた面状電極として使用可能となるからである。
上記テーパー角度(θb)は、90°より小さく、透明電極層の断線防止効果等を得られるものであればよく、例えば、上記「A.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上面と側面とにより形成される出隅部分では、側面角度が、下面側から上面まで、漸減する湾曲部が設けられている。この出隅部分での湾曲部については、透明電極層の断線防止効果等を得られるものであればよく、例えば、上記「A.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
下面と上面との距離である金属線の厚さHとしては、所望の導電性、加工性等に応じて適宜設定することができ、例えば、10μm以下とすることができ、0.01μm〜10.0μmの範囲内であることが好ましく、なかでも、0.05μm〜2.0μmの範囲内であることが好ましく、特に、0.1μm〜1.0μmの範囲内であることが好ましい。上記厚さが上述の範囲内であることにより、本態様の透明電極は、導電性に優れた面状電極として使用可能となるからである。
なお、上記金属線電極のその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
2.その他の構成
本態様の透明電極は、透明基材および金属線電極を有するものであるが、必要に応じて、上記金属線電極の上記透明基材とは反対側の面を覆うように積層される透明膜として、透明電極層を有するものとすることができる。
上記透明膜として透明電極層を有することにより、本態様の透明電極は、金属線電極を補助電極として用いる面状電極として容易使用可能となるからである。
上記透明電極層は、金属線電極を覆うように形成される層であり、透明性を有する透明導電材料により構成されている。
透明電極層に使用される透明導電材料としては、表示装置等に透明電極層として用いられる一般的な透明導電材料を使用でき、金属酸化物、導電性樹脂材料等を挙げることができる。
金属酸化物としては、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、リンドープ酸化スズ(PTO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等を挙げることができる。
導電性樹脂材料としては、例えば、特開2013−122015号公報に記載されるようなポリアセチレン系樹脂、ポリチオフェン系樹脂、ポリアニリン系樹脂、ポリビニルカルバゾール系樹脂等を含有するものを挙げることができる。
透明電極層の厚さは、透明電極が適用される機器により適宜選択することができる。
また、透明電極層は金属線電極に接する側とは反対側の面が平坦となるように形成されるものであってもよいが、通常、金属線電極の凹凸に合わせて凹凸を有して形成されるものである。
上記透明電極層の形成方法としては、公知の形成方法を用いることができ、例えば、透明導電材料が金属酸化物である場合には、スパッタリング法等を用いることができる。
また、上記形成方法は、透明導電材料が導電性樹脂材料である場合には、導電性樹脂材料を溶媒中に分散または溶解した塗工液を塗布して塗膜を形成し、次いで、塗膜を乾燥し、必要に応じて硬化する方法を挙げることができる。
上記透明電極層の厚みとしては、所望の導電性の透明電極層を形成可能であればよく、用いる材料の種類及び形成方法等によっても異なるものである。
上記厚みは、透明導電材料が金属酸化物であり、透明電極層がスパッタリング法等により形成される場合には、例えば、15nm〜500nmの範囲内とすることができる。また、透明導電材料が導電性樹脂材料であり、透明電極層が塗布法より形成される場合には、例えば、0.01μm〜300μmの範囲内とすることができ、なかでも、0.03μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
3.用途
本態様の透明電極の用途としては、金属線電極が透明膜として透明電極層により覆われて、補助電極として用いられるものであればよく、液晶フィルタの面状電極の用途、低抵抗透明電極膜の用途、透明アンテナの用途等を挙げることができる。
なお、液晶フィルタについては、例えば、上記透明電極を対向配置して、その間に液晶層を配置することで、透過状態または遮光状態を切り替え可能な調光フィルタとして用いることができる。
また、調光フィルタとして使用される場合には、その配置箇所としては、画像表示装置の画面上、建築物の窓や、自動車、航空機、電車等の交通機関の窓等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について、実施例および比較例を挙げてより詳細に説明する。
[実施例1]
(透明電極の作製)
以下の手順により、透明基材および金属線電極を有する透明電極を形成した。
(1)透明基材として、0.7mm厚のガラス基板を準備した。
(2)ガラス基板上に、銀パラジウム銅化合物(APC合金)を用いて100nmの厚さの蒸着膜を形成し、金属薄膜を得た。
(3)金属薄膜の全面を覆うようにローム・アンド・ハース電子材料株式会社製の感光性レジストSC500を用いてレジスト層を形成した。
(4)レジスト層の金属線電極を形成しない領域のみに対して照射量500mJ/cmで紫外線を照射し、次いで、現像液としてアルカリをスプレー噴霧して、露光箇所を現像除去し、パターン状のレジスト層を得た。得られたパターン状のレジスト層は、既に説明した図1のように格子状とし、その幅は、50μmであり、X方向およびY方向のピッチは1000μmとした。
(5)パターン状のレジスト層の前面に対して照射量1500mJ/cmで紫外線を照射する追露光処理を行った。
(6)エッチング液として硝酸の含有量が5.0質量%であるものを用いて、パターン状のレジスト層から露出する金属薄膜をエッチングして金属線電極を得た。
この手順により得られた透明電極では、金属線電極の上面の幅、下面の幅、およびテーパー角度はそれぞれ39μm、40μm、20°であった。
また、上面と側面とが形成する出隅部分の湾曲部の曲率半径は、1.0μmであった。
なお、上記ピッチは、主切断面方向に隣接するレジスト層の中心間距離をいうものである。
[比較例]
上記(5)の追露光処理を行わなず、さらに硝酸の含有量が0.3%(0.5%未満)のエッチング液を使用した以外は、実施例1と同様に透明電極を作製した。
なお、得られた透明電極では、金属線電極の上面の幅、下面の幅、およびテーパー角度はそれぞれ40μm、40μm、ほぼ90°であった。
また、上面と側面とが形成する出隅部分は、上面と側面とによりエッジ部分が形成されており、湾曲部を確認できなかった。
[評価]
実施例および比較例で得られた透明電極に対して、金属線電極を覆うように、ガラス基板の全面に厚み25μmのOCA(アクリル系樹脂)をローラーによる押し当て方式により貼合し、気泡の有無を確認した。
その結果、実施例1の透明電極では、金属線電極の出隅部分に気泡が見られなかった。
一方、比較例1の透明電極では、金属線電極の出隅部分に気泡が見られた。
10 透明電極
11 透明基材
12 金属線電極
12a 金属線
20 透明膜

Claims (2)

  1. 透明基材と、
    前記透明基材の一方の面に配置された金属線が組み合わされてなる金属線電極と、
    を備え、
    前記金属線電極は、前記透明基材に接する面である下面、前記下面とは反対側に配置され前記下面と平行に形成され、前記下面より幅が狭い上面、及び、前記下面と前記上面とを結ぶ側面、を備え、前記上面と前記側面とが形成する出隅部分には湾曲部を有しており、
    前記金属線電極の前記上面の幅が、0.5μm〜7μmであり、
    前記金属線が、金、銀、白金、銅、錫、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタニウム、タングステン、ルテニウム、モリブデンからなる群から選択される少なくとも1種類の金属を含み、
    前記金属線の厚みが、0.1μm〜10μmの範囲内であることを特徴とする透明電極。
  2. 前記下面と前記側面との成す角が鋭角であることを特徴とする請求項1に記載の透明電極。
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