JP2000323892A - 積層体およびそれを用いた電磁波シールド - Google Patents

積層体およびそれを用いた電磁波シールド

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JP2000323892A
JP2000323892A JP12941299A JP12941299A JP2000323892A JP 2000323892 A JP2000323892 A JP 2000323892A JP 12941299 A JP12941299 A JP 12941299A JP 12941299 A JP12941299 A JP 12941299A JP 2000323892 A JP2000323892 A JP 2000323892A
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JP12941299A
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Shin Fukuda
福田  伸
Fumiharu Yamazaki
文晴 山▲崎▼
Tomoyuki Okamura
岡村友之
Katsuhiko Koike
小池勝彦
Hiroaki Saigo
西郷宏明
Masaaki Kikkai
吉開正彰
Masato Koyama
小山正人
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属パターンを形成した電磁波シールド用積
層体を容易に得ることができ、さらに、それを用いて、
プラズマディスプレイに好適に使用できる優れた電磁波
シールド体を得ることができる。 【解決手段】 表面に凹凸を持つ透明高分子フィルム上
に、接着剤を用いることなく真空プロセスで低反射層と
導電性金属層を形成する。その層をウエット法でエッチ
ングして、例えば格子状のパターンを形成して、光透過
部分を形成した積層体を提供する。さらに、その積層体
と透明支持体、反射防止フィルム等を組み合わせた電磁
波シールドを作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ用電
磁波シールドに関するものであり、さらに詳しくはプラ
ズマディスプレイパネル用に好適に用いられる電磁波シ
ールドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、社会が高度化するに従って、光エ
レクトロニクス関連部品、機器は著しく進歩している。
その中でも、画像を表示するディスプレイは、マルチメ
ディアにおける最も重要なマンマシンインターフェイス
としても、従来のテレビジョン受像器に加えて、コンピ
ューターモニター装置用等としてめざましく普及しつつ
ある。
【0003】その中でも、ディスプレイの大型化及び薄
型化に対する市場要求は高まる一方である。最近、大型
かつ薄型化を実現することが可能であるディスプレイと
してプラズマディスプレイパネル(PDP)が注目され
ている。しかし、プラズマディスプレイパネルは、原理
上、強度の電磁波を装置外に放出することが知られてい
る。電磁波は、各種計器に障害を及ぼすことが知られて
おり、最近では、電磁波が人体にも障害を及ぼす可能性
もあるとの報告もされている。このため、電磁波放出に
関しては、法的に規制される方向になっている。例え
ば、現在日本では、電気用品取締方を始め、VCCI
(Voluntary Control Counci
l for Interference by dat
a processing equipment el
ectronic office machine)に
よる規制があり、米国では、FCC(Federal
Communication Commission)
による製品規制がある。
【0004】また、プラズマディスプレイパネルは、放
電ガスにヘリウムとキセノンの混合ガスを用いているた
め、波長800〜1000nmの近赤外線を放出する。
この近赤外線は、コードレス電話や赤外線方式のリモー
トコントローラー等の誤動作を引き起こす恐れがあるこ
とが指摘されている。上記、電磁波及び近赤外線放出を
抑えるために、最近、電磁波及び近赤外線遮断用電磁波
シールドに対する要請が高まっている。この電磁波シー
ルドは、シールド面全面に渡って導電性があり、しかも
透明性に優れている必要がある。これらの要求を満た
し、実用化された電磁波シールドとしては、透明導電性
薄膜を基体全面に配置せしめたものである。しかしなが
ら、電磁波シールド能としては、例えば、60dB以上
の能力を得ようとすると透明導電層自体の透過率が減少
してしまうという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記問題を解
決するために、金属の繊維をメッシュ状に編んだものを
フィルムや、ガラス、高分子基板に挟んだ物を用いる方
法が提案された。しかしながら、金属の繊維の編み物は
よじれ等が発生しやすく、プラズマディスプレイパネル
と合わせるとモアレパターンの発生等の外観上問題が多
かった。そこでさらに、金属箔を透明な高分子フィルム
と接着剤を用いて貼り合わせ、次にエッチングにより金
属箔に網の目状のパターンを形成する方法も考えられた
が、貼り合わせに接着剤を用いる関係上エッチング後に
おける接着剤の着色の問題、接着剤をエッチング後に除
去する必要があるという問題があり、さらに、微細パタ
ーンを得るためには極力薄い銅箔を貼り合わせる必要が
あるにもかかわらず使用可能な金属箔としては工業的に
は厚さ10μm程度が限度であるという問題があった。
一方、エッチングにより形成した模様により、積層体表
面での反射光が、例えば格子模様のパーターンの場合に
は、十字状に反射光が光るという問題もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完
成させるに至った。すなわち、本発明は、 (1) 表面に凹凸層を設けることにより曇り価を1〜
10%に制御した透明高分子フィルムの当該凹凸面上
に、光透過部分を有し、かつ、厚さが200nm以上、
2000nm以下である金属層を、接着剤を用いること
なく形成し、更に当該金属層を設けた面上に透明な樹脂
層を設けた積層体であって、該光透過部分を有する金属
層の開口率が60%以上95%以下であり、金属層の実
質的なシート抵抗が0.05Ω/□以上0.5Ω/□以
下であることを特徴とする積層体。 (2) 金属層を真空プロセスで均一に形成した後に湿
式エッチングにより光透過部分を形成することを特徴と
する請求項1に記載の積層体。 (3) 金属層のいずれか一方の主面もしくは両方の主
面上に、光線反射率が1%以上、50%以下である層が
真空プロセスで設けられていることを特徴とする請求項
1または2に記載の積層体。
【0007】(4) 金属層が形成されていない透明高
分子の主面に、反射防止処理がなされていることを特徴
とする請求項1乃至3のいずれかに記載の積層体。 (5) 請求項1乃至3のいずれかに記載の積層体と、
ガラスもしくは高分子の透明支持体とが、当該積層体の
金属層が形成されていない面にて貼り合わされ、当該積
層体の金属層が形成された面に反射防止フィルムが粘着
材または接着剤により貼り合わされ、かつ、当該積層体
が貼り合わされていない当該透明支持体のもう一方の主
面に反射防止処理もしくは防眩処理が施されている電磁
波シールド材。 (6) 請求項4に記載の積層体と、ガラスもしくは高
分子の透明支持体とが、当該積層体の金属層が形成され
ている面にて当該透明支持体に貼り合わされ、かつ、当
該積層体が貼り合わされていない当該透明支持体のもう
一方の主面に反射防止処理もしくは防眩処理が施されて
いる電磁波シールド材。 (7) 金属層に電気的に接続された電極が基板周縁部
に設けられている請求項5または6に記載のプラズマデ
ィスプレイ用電磁波シールド材。に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いることができる透明
高分子フィルムは適度な耐熱性と透明性を有しているこ
とが好ましく、耐熱性についてはガラス転位温度が少な
くとも40℃以上、透明性に関しては550nmの光の
透過率が少なくとも80%以上であることが好ましい。
透明高分子フィルムを具体的に例示すると、ポリスルフ
ォン(PSF)、ポリエーテルスルフォン(PES)、
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチレン
メタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(P
C)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ
プロピレン(PP)、トリアセチルセルロース(TA
C)等が挙げられる。中でもポリエチレンテレフタレー
ト(PET)が透明性、価格および耐熱性の観点からバ
ランスが取れており、特に好適に用いられる。
【0009】さらに、上記透明高分子フィルムの表面に
は凹凸層を設けることで、フィルムの曇り価を1〜10
%にすることが好ましい。フィルムに曇り価を持たせる
方法としては、表面に凹凸を持たせる方法以外に、透明
高分子フィルムにフィラーを混ぜる方法があるが、フィ
ラーを混ぜる方法は好ましくない。以下のその理由を述
べる。金属層を高分子フィルムの表面に形成した場合、
高分子フィルムの表面は一般に平滑であり、金属層も鏡
のような光沢を持ったもになる。本発明者等は、金属層
が鏡のようになることが、開口部を形成した模様に応じ
て、反射光に、例えば、十字状等の規則性を発生させる
原因であることを発見したのである。そのため反射光を
いわゆる艶消し状態とすれば、十字状の反射は発生しな
のであるが、艶消し状態を実現するために高分子基板に
フィラーを混ぜると、開口部を通過する光まで散乱され
てしまい、ディスプレイの画像がボケるという新たな問
題が生じるのである。そこで、高分子基板に凹凸層を設
けることにより曇り価を1〜10%にした基板を用いる
方法に本発明者等は到達したのである。表面に凹凸層を
形成した基板に金属層を形成すると、いわゆる艶消し反
射の金属層となる。金属層を部分的に除去した開口部に
も凹凸があることからこのままでは、開口部を通過する
光も散乱を受けて画像がボケることになるが、この開口
部を有する金属層の上に、透明な樹脂層を形成すること
がこの発明の好ましい実施形態である。透明な樹脂層は
特に限定されるものではないが、例えば、熱硬化樹脂、
紫外線硬化樹脂、接着材を積層する。樹脂としては、ポ
リエステル系、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系等
のものが使用可能であるが、これらに限定されるもので
はない。フィラーを混ぜた基板を用いるとフィラーによ
る散乱のため、透明な樹脂を積層しても散乱光を低減で
きないのである。透明な樹脂と透明基板の屈折率差は、
0.2以下が好ましく、さらに、好ましくは0.1以下
であり、さらに好ましくは0.05以下である。なお、
透明な樹脂層の形成方法としては、グラビアコーター、
ロールコーター等の塗布法、あるいは、ドライフィルム
法やダブルタックを用いるラミネート法で形成できる。
なお、本発明で言う透明とは、当該樹脂層を形成しても
実質的な可視光領域における光線透過率の低下が10%
以下であるという意味である。
【0010】透明樹脂層、例えば、熱硬化樹脂、紫外線
硬化樹脂、接着材を積層すると、透明樹脂と高分子基板
の屈折率差が、透明基板と空気の屈折率差に比べて小さ
いため、実質的な散乱が起きず、透過光の曇り価の上昇
が押さえられるのである。したがって、凹凸を形成する
樹脂と、その上に積層される樹脂との屈折率差は、0.
2以下が好ましく、さらに好ましくは0.1以下であ
り、さらにより好ましくは0.05以下である。フィラ
ーを混ぜた基板を用いるとフィラーによる散乱のため、
透明な樹脂を積層しても散乱光を低減できないという問
題を解決できるのである。実施の際に表面に凹凸を形成
する方法は、粒子を混ぜた樹脂を塗布する方法、機械的
に高分子基板表面に凹凸をつける方法等があるが、特に
これらに限定されるものではない。本発明で用いる基板
の曇り価(H)は、平行光線透過率Tpと全光線透過率
Ttから、H=(Tt−Tp)/Ttより求めることが
できる。曇り価は、1%から10%の範囲が好ましく、
あまり低いと曇り価が十分でなく規則的な反射模様が発
生し、あまり大きいと透明樹脂を設けたときの曇り価が
十分低くならないのである。
【0011】上記透明高分子フィルムの主面に形成され
る金属層としては、導電性が高いものが好適に用いるこ
とができ、特別に限定されるものではなが、例えば、
金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、タングステン、
モリブデン、クロムから選ばれる単金属もしくは合金が
あり、とりわけ、銅、銀、アルミニウム、ニッケルが価
格及び導電性の観点から好ましい。透明高分子フィルム
上に設けられる金属層の厚さは、200nm以上、20
00nm以下が好ましく、より好ましくは200nmか
ら1500nmさらに好ましくは300nmから700
nmである。この厚さより厚いとエッチングに時間を要
するという問題があり、また、この厚さよりも薄いと電
磁波シールド能に劣るという問題が発生する。
【0012】光透過部分の開口率は60%以上、95%
以下が好ましく、より好ましくは65%以上、90%以
下、さらにより好ましくは70%以上、85%以下であ
る。開口部の形状は、特に限定されるものではないが、
正三角形、正四角形、正六角形、円形、長方形、菱形、
等に形がそろっており、面内に均一に並んでいることが
好ましい。光透過部分の開口部の代表的な大きさは一辺
もしくは直径が50〜500μmの範囲であることが好
ましい。この値が大きすぎると電磁波シールド能が低下
し、また、小さすぎるとディスプレイの画像に好ましく
ない影響を与える。また、開口部を形成しない部分の金
属層の幅は10〜50μmが好ましい。この幅よりも細
いと加工が極めて困難になる一方、この幅よりも太いと
画像に好ましくない影響を与えるからである。
【0013】光透過部分を有する金属層の実質的なシー
ト抵抗とは、上記パターンよりも5倍以上大きな電極を
用いて、上記パターンの単位よりも5倍以上の電極間隔
をもつ4端子法より測定したシート抵抗をいう。例え
ば、開口部の形状が一辺100μmの正方形で金属層の
幅が20μmをもって規則的に正方形が並べられたもの
であれば、φ1mmの電極を1mm間隔で並べて測定す
ることができる。あるいは、パターを形成したフィルム
を短冊状に加工し、その、長手方向の両端に電極を設け
て、その、抵抗を計り(R)、長手方向の長さa、短手
方向の長さbとすると、実質的なシート抵抗=R×b/
aで求めることができる。この様に測定された値は、
0.05Ω/□以上、0.5Ω/□以下が好ましく、よ
り好ましくは0.1Ω以上、0.3Ω/□以下である。
この値よりも小さな値を得ようとすると膜厚くなりす
ぎ、かつ、開口部が充分取れなくなり、一方、これ以上
大きな値にすると充分な電磁波シールド能を得ることが
できなくなる。
【0014】上記金属層を形成する方法としては、接着
剤を用いない方法として、真空プロセスが好ましく用い
られる。真空プロセスとは、真空蒸着法、イオンプレー
ティング法、スパッタリング法、プラズマCVD法の総
称であるが、とくに、スパッタリング法が好ましく用い
られる。スパッタリングでは目的とする金属の固体ター
ゲットに数100電子ボルトに加速したアルゴンイオン
を衝突させて、金属固体表面より原子を飛び出させて、
飛び出した原子を基板上に付着させて膜を得ることがで
きる。
【0015】光透過部分を形成する方法としては、印刷
法やフォトレジスト法を用いることができる。印刷法で
はマスク層を印刷レジスト材料を用いてスクリーン印刷
法でパターンを形成する方法が一般的である。フォトレ
ジスト材料を用いる方法では、ロールコーティング法、
スピンコーティング法、全面印刷法、転写法などで、金
属層上にフォトレジスト材料をベタ形成し、フォトマス
クを用いて露光現像してレジストのパターニングを行
う。レジストのパターンニングを完成させた後、開口部
とする金属部分を湿式エッチングに除去することで、所
望の開口形状と開口率の、光透過部分を有する金属層を
得ることができる。
【0016】さらに、本発明では金属層の一方の面もし
くは両面に光線反射率が1%以上、50%以下の層を真
空プロセスで形成することが好ましい。これは、実際に
透光性の電磁波シールドとして用いる場合に、光の反射
が視認性を阻害するからである。ここで言う反射率は一
般的には400nmから600nmの平均的な反射率で
あるが、特に反射率の波長依存性がなければ、波長55
0nmの光の反射率で代表してもかまわない。
【0017】実際に金属上もしくは金属層と透明高分子
フィルムの間に形成する層としては、銅の酸化物、コバ
ルトの酸化物、クロムの酸化物、モリブデンの酸化物、
チタンの酸化物、ニッケル系合金の酸化物、錫の酸化
物、亜鉛の酸化物、インジウムの酸化物、ゲルマニウム
の酸化物等を上げることができる。実際には金属と酸化
物が混合されていれば良く、完全に酸化物になっている
必要はなく、むしろ金属が混合されている方が好ましい
場合もある。上記反射率が1%〜50%を得るための層
の厚さは、特に厚い必要はなく、実質的には5nm以
上、100nm以下が適当な範囲である。これ以上薄い
と反射率を充分下げることができず、これ以上の厚みは
反射率をさらに下げる効果がないばかりか、材料の無駄
であり、さらに、エッチングの時に障害になる恐れもあ
る。
【0018】本発明における金属層の一方の面もしくは
両面に光線反射率が1%以上、50%以下の層を真空プ
ロセスで形成することが好ましく、当該真空プロセスと
は、真空蒸着法、イオンプレイーティング法、スパッタ
リング法、プラズマCVD法の総称であるが、とくに、
スパッタリング法が好ましく用いられる。スパッタリン
グ法で金属の酸化物と金属の混合層を選るには、未酸化
のターゲットをアルゴンと酸素の混合ガス中でスパッタ
する方法や、アルゴンと水蒸気の混合ガス中でスパッタ
する方法、アルゴンと亜酸化窒素の混合ガス中でスパッ
タする方法がある。この場合真空の残留ガスとして残っ
ている水蒸気を利用して良い。あるいは、酸化物ターゲ
ットをアルゴンガス中でスパッタする方法もある。酸化
物ターゲットを用いる場合には、水素や水蒸気を適宜ア
ルゴンの混合せしめることが有効であることは当業者に
は容易に類推できよう。
【0019】透明高分子フィルムに金属層と反射率が1
%〜50%の層を形成する方法は、例えば、透明高分子
フィルムにモリブデンを酸素もしくは水蒸気が共存する
状況でスパッタすることで、20nmの層を形成し、次
に、銅をスパッタリング法で800nm形成し、次に再
びモリブデンを酸素もしくは水蒸気が共存する状況で2
0nmスパッタすることで、透明高分子フィルム/酸化
モリブデン/銅/酸化モリブデンからなる積層体を得る
ことができるのである。
【0020】なお、かくして形成した反射率が1〜50
%の層の反射率は、エッチングをする前に通常の分光光
度計を用いて評価することができる。この場合は正反射
で評価するよりも、積分球を用いた方が好ましい。エッ
チングを行いパターンを作ってしまったあとであれば、
パターンを作ってしまった後の反射率R1、パターンを
除去した後の反射率R2、開口率φから、簡易的にR1
/(1−φ)−(R2/2)×(1+φ)/(1−φ)
なる式で評価ができる。また、反射率が1%〜50%の
層の組成は、ラザフォードバックスキャッタリング法
(RBS)、オージェ電子分光法(AES)、X線光電
子分光法(XPS)と言った、一般的な薄膜の分析方法
で、この層の酸化物と金属の混合比を測定することが可
能である。
【0021】上記積層体の金属層が形成されていない面
に、反射防止処理を行うことは本発明の好ましい実施形
態の1つでもある。反射防止処理とは、高分子フィルム
上に反射防止層を形成することであり、反射防止層が形
成されている面の可視光線反射率が0.1%以上、2%
以下、好ましくは0.1%以上、1.5%以下、より好
ましくは0.1%以上、0.5%以下の性能を有するこ
とが望ましい。反射防止膜が形成されている面の可視光
線反射率は、反対面(反射防止膜が形成されていない
面)をサンドペーパーで荒らし、黒色塗装等により、反
対面の反射をなくして、反射防止膜が形成されている面
のみで起こる反射光を測定することにより知ることがで
きる。
【0022】反射防止層としては、具体的には、可視光
域において屈折率が1.5以下、好適には、1.4以下
と低い、フッ素系透明高分子樹脂やフッ化マグネシウ
ム、シリコン系樹脂や酸化珪素の薄膜等を、例えば1/
4波長の光学膜厚で単層形成したもの、屈折率の異な
る、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化
物窒化物、硫化物等の無機化合物又はシリコン系樹脂や
アクリル樹脂、フッ素系樹脂等の有機化合物の薄膜を2
層以上多層積層したものがある。単層形成したものは製
造が容易であるが、反射防止性が多層積層に比べ劣る。
多層積層したものは広い波長領域にわたって反射防止能
を有し、基体フィルムの光学特性による光学設計の制限
が少ない。これら無機化合物薄膜の形成には、スパッタ
リング、イオンプレーティング、イオンピームアシス
ト、真空蒸着、湿式塗工法等、従来公知の方法を用いれ
ばよい。
【0023】本発明になる積層体の金属層が形成されて
いない面に防眩処理を施すことは発明の好ましい形態の
1つである。防眩性処理は、0.1〜10μm程度の微
少な凹凸を表面に有する可視光線に対して透明な処理で
ある。具体的には、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、
メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フ
ッ素系樹脂等の熱硬化型または光硬化型樹脂に、シリ
カ、メラミン、アクリル等の無機化合物または有機化合
物の粒子を分散させインキ化したものを、バーコート
法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート
法、ロールコート法等によって透明高分子フィルム上に
塗布硬化させる。粒子の平均粒径は、1〜40μmであ
る。または、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミ
ン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系
樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂を基体に塗布し、所
望のヘイズ又は表面状態を有する型を押しつけ硬化する
事によっても防眩性フィルムを得ることができる。さら
には、ガラス板をフッ酸等でエッチングするように、基
体フィルムを薬剤処理することによっても防眩性フィル
ムを得ることができる。この場合は、処理時間、薬剤の
エッチング性により、ヘイズを制御することができる。
上記、防眩性フィルムにおいては、適当な凹凸が表面に
形成されていれば良く、作成方法は、上記に挙げた方法
に限定されるものではない。防眩性フィルムのヘイズ
は、0.5%以上、20%以下であり、好ましくは、1
%以上、10%以下である。ヘイズが小さすぎると防眩
能が不十分であり、ヘイズが大きすぎると平行光線透過
率が低くなり、視認性が悪くなる。この防眩性フィルム
は、多くの場合、ニュートンリング防止フィルムとして
用いることができる。基材として用いることができる高
分子フィルムとしては、透明性に優れているものが好適
に用いられる。防眩層は、金属層上に形成されいても構
わない。この場合は、部材数を低減をすることができ、
製造コストを低減することができる場合もある。
【0024】なお、反射防止処理と防眩処理を同時に行
うことは当業者にとっては容易に想定されうる設計事項
であろう。電磁波シールド体を得るために、本発明の積
層体を貼り合わせる透明支持体に用いるに好ましい材料
を例示すれば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を
始めとするアクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等が挙
げられるが、これらの樹脂に特定されるわけではない。
中でもPMMAは、その広い波長領域での高透明性と機
械的強度の高さから好適に使用することができる。高分
子成形体の厚さに特に制限はなく、十分な機械的強度
と、たわまずに平面性を維持する剛性が得られれば良
い。通常は、1〜10mm程度である。
【0025】また、透明支持体が高分子の場合には、表
面の硬度または密着性を増す等の理由でハードコート層
が設けられることが多い。ハードコート層材料として
は、アクリレート樹脂またはメタクリレート樹脂が用い
られる場合が多いが、特に限定されるわけではない。ま
たハードコート層の形成方法は、紫外線硬化法または重
合転写法が用いられる場合が多いが、特にこれに限定さ
れるわけではない。重合転写法は、対象となる材料が、
メタクリレート樹脂等セルキャスト重合ものに限定され
るが、連続製版方式によって非常に生産性良く、ハード
コート層を形成することができる。このため、重合転写
法によるメタクリレート樹脂層形成は、最も好適に用い
られるハードコート層形成手法である。
【0026】透明支持体としては、また、厚さ2〜5m
mのガラスを用いることもできる。ガラスを用いるとき
には、安全性の観点から熱処理もしくは化学処理による
強化処理をした方が好ましい。透明支持体への反射防止
処理や防眩処理は上記の方法を直接透明支持体上に施し
てもかまわないし、あるいは、上記の処理を施したフィ
ルムを貼り付けることでも同様の効果を奏することがで
きる。一般には、反射防止処理を施したフィルムを反射
防止フィルム、防眩処理を施したフィルムを防眩フィル
ムもしくはアンチグレアフィルムと言い、これらフィル
ムを貼り付けた表面を反射防止処理面、防眩処理と言う
ことができる。
【0027】本発明において貼り合わせに用いられる粘
着材は、できるだけ透明なものが好ましい。使用可能な
粘着材を具体的に例示すると、アクリル系粘着材、シリ
コン系粘着材、ウレタン系粘着材、ポリビニルブチラー
ル粘着材(PVB)、エチレンー酢酸ビニル系粘着材
(EVA)等である。中でもアクリル系粘着材は、透明
性及び耐熱性に優れるために特に好適に用いられる。貼
りあわせに用いる樹脂を、本発明の開口部を持つ金属層
側に形成する樹脂として用いることができることは、当
業者には容易に類推できるであろう。
【0028】粘着材の形態は、大きく分けてシート状の
ものと液状のものに分けられる。シート状粘着材は、通
常、感圧型であり、貼り付け後に各部材をラミネートす
る事によって貼り合わせを行う。液状粘着材は、塗布貼
り合わせ後に室温放置または加熱により硬化させるもの
であり、粘着材の塗布方法としては、バーコート法、リ
バースコート法、グラビアコート法、ロールコート法等
が挙げられ、粘着材の種類、粘度、塗布量等から考慮選
定される。粘着材層の厚みに特に制限はないが、0.5
〜50μm、好ましくは、1〜30μmである。粘着材
を用いて貼り合わせを行った後は、貼り合わせた時に入
り込んだ気泡を脱法させたり、粘着材に固溶させ、さら
には部材間の密着力を向上させるために、加圧、加温条
件下にて養生を行うことが好ましい。この時、加圧条件
としては、一般的に数気圧〜20気圧程度であり、加温
条件としては、各部材の耐熱性にも依るが、一般的には
室温以上、80℃以下である。
【0029】本発明において透明支持体への積層体の貼
り合わせ方法に特に制限はない。通常は、積層体に粘着
材を貼り付け、その上を離型フィルムで覆ったものをロ
ール状態であらかじめ用意しておき、ロールから積層体
を繰り出しながら、離型フィルムをはがしていき、透明
支持体上へ貼り付け、ロールで押さえつけながら貼り付
けていく。貼り合わせられた積層体上に重ねて貼り合わ
せる場合も同様である。
【0030】本発明になる電磁波シールドにおいては近
赤外線吸収材を、いずれかの部材に含有させることが発
明の好ましい形態の1つでもある。近赤外吸収材とは、
波長800nm〜1000nmの光に対して吸収がある
化合物を言う。近赤外線吸収材を含有させることができ
る部材としては、例えば、任意の高分子フィルムへの練
り込むことができる。透明支持体が高分子であれば同じ
く近赤外吸収材を練り込み押し出し法で基板を得ること
ができる。モノマーを重合させて透明支持体を得るので
あれば、モノマーに近赤外吸収材を入れておくことがで
きることはもちろんのことである。また、近赤外吸収材
を接着剤層に含有せしめることは当業者であれば容易に
想到しうるであろう。
【0031】近赤外吸収材としては、例えばジチオール
系錯体化合物やフタロシアニン等がある。近赤外吸収材
は、波長800nm〜1000nmの電磁波に対して吸
収があるが、可視領域においても吸収がある場合があ
る。そのような場合には、近赤外吸収材の色をうち消
し、可視領域の透過光の色をニュートラルグレーにする
ために、別の可視領域に吸収がある色素を用いることが
できる。この色素を含有せしめる部材は、近赤外吸収材
と同じ部材でも構わないし、別の部材でも構わない。
【0032】透明支持体がガラスの場合には、色素の代
わりに、着色ガラスを用いても良い。着色ガラスとは、
コバルト、銅、クロム等の遷移金属イオンを含有する青
〜青緑〜黄緑色の着色硝子、金、セレン等のコロイドを
含む赤色の着色ガラス、金属の硫化物コロイドを含む褐
色の着色ガラス等が挙げられる。
【0033】また、電磁波シールドを必要とする機器に
は、機器のケース内部に金属層を設けたり、ケース自体
を導電性の材料で形成することで電磁波漏洩を抑制して
いる。ディスプレイのごとく透明性が必要なものは、本
発明になる積層体を用いた電磁波シールドで電磁を吸収
したのち発生した電荷をグランドに逃がすことによりそ
の効果を最大限に奏する。従って、電磁波シールドとデ
ィスプレイのケース内等が電気的に接続されている必要
がある。電気的な接触を良好にするために、本発明にな
る積層体と電気的な接触を持つ電極を電磁波シールドの
周辺部に設けることが本発明の好ましい実施形態の1つ
である。周辺部に設ける電極は、連続的に設けられるの
が好ましいが、周縁部の一部に設けられても構わない。
【0034】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、本発明は以下の実施例によって限定を受ける
ものではない。 (実施例1)ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚
さ75μm)の上に、直径2μmのシリカ粒子をアクリ
ル系の樹脂に添加し、当該樹脂をフィルム上に塗布し
て、フィルムの主面に凹凸層を形成することで曇り価2
%のフィルムを得た。凹凸層の上に、スパッタリング法
で、20nmのモリブデンを形成した。この際スパッタ
ガスであるアルゴン中に10%の酸素ガスを混合させ
た。次に、銅膜を同じくスパッタ法により1000nm
の厚みに形成した。次に熱硬化型のインキを用いて、ス
クリーン印刷にて金属層上に格子幅20μm、目の大き
さ200μm×200μmの格子模様を印刷した。90
℃×5分の加熱によりインキを硬化させた後、塩化第二
鉄水溶液によりインキにより保護されていない部分の金
属層を除去し、次に、溶剤でインキを除去した。かくし
て、図1に示す模様の金属層をもつ、開口率83%の積
層体を得ることができた。シート抵抗を測定したとこ
ろ、0.21Ω/□であった。金属層の面に厚さ20μ
mの透明な粘着材層を有する透明なフィルムをラミネー
トした。
【0035】(実施例2)ポリエチレンテレフタレート
フィルム(厚さ100μm)の上に、フッ素樹脂のコー
ティングにより反射防止フィルムを作製した。このフィ
ルムのフッ素樹脂をコーティングしていない面に、直径
4μmのシリカ粒子をアクリル系の樹脂に添加し、当該
樹脂をフィルム上に塗布して、フィルムの主面に凹凸層
を形成することで曇り価8%のフィルムを得た。凹凸層
上に、スパッタリング法で厚さ30nmの酸化コバルト
の層を形成し、続けて、銅の層を厚さ1200nmで形
成した。次に、アルカリ現像型のフォトレジストを銅層
の上にロールコーティング法にコーティングし、プレベ
ーク後にフォトマスクを用いて露光、現像して格子幅2
5μm、目の大きさ125μm×125μmの格子パタ
ーンを設けた後、塩化第二鉄溶液によりレジストにより
保護されていない部分の金属層をエッチングし、次にア
ルカリ溶液中でレジストを除去した。かくして、図1に
示す模様の金属層をもつ、開口率69%の積層体を得る
ことができた。シート抵抗を測定したところ0.12Ω
/□であった。金属層の面に厚さ20μmの透明な粘着
材層を有する透明なフィルムをラミネートした。
【0036】(実施例3)ポリエチレンテレフタレート
フィルム(厚さ100μm)に、エンボス加工で凹凸層
を形成し曇り価5%のフィルムを得た。かくして得た凹
凸層の上にスパッタリング法で厚さ30nmの酸化コバ
ルトの層を形成し、続けて、銅の層を厚さ1200nm
で形成した。次に、アルカリ現像型のフォトレジストを
銅層の上にロールコーティング法にコーティングし、プ
レベーク後にフォトマスクを用いて露光、現像して格子
幅20μm、目の大きさ180μm×180μmの格子
パターンを設けた後、希硫酸溶液によりレジストにより
保護されていない部分の金属層をエッチングし、次にア
ルカリ溶液中でレジストを除去した。かくして、図1に
示す模様の金属層をもつ、開口率81%の積層体を得る
ことができた。シート抵抗を測定したところ0.12Ω
/□であった。
【0037】(比較例1)曇り価0.5%の透明なポリ
エチレンテレフタレートフィルム(厚さ75μm)の上
に、スパッタリング法で、20nmのモリブデンを形成
した。この際スパッタガスであるアルゴン中に10%の
酸素ガスを混合させた。次に、銅膜を同じくスパッタ法
により1000nmの厚みに形成した。次に熱硬化型の
インキを用いて、スクリーン印刷にて金属層上に格子幅
20μm、目の大きさ200μm×200μmの格子模
様を印刷した。90℃×5分の加熱によりインキを硬化
させた後、塩化第二鉄水溶液によりインキにより保護さ
れていない部分の金属層を除去し、次に、溶剤でインキ
を除去した。かくして、図1に示す模様の金属層をも
つ、開口率83%の積層体を得ることができた。シート
抵抗を測定したところ、0.21Ω/□であった。金属
層の面に厚さ20μmの透明な粘着材層を有する透明な
フィルムをラミネートした。
【0038】(比較例2)曇り価0.5%の透明なポリ
エチレンテレフタレートフィルム(厚さ75μm)の上
に、直径8μmのシリカ粒子をアクリル系の樹脂に添加
し、当該樹脂をフィルム上に塗布して、フィルムの主面
に凹凸層を形成することで曇り価12%のフィルムを得
た。スパッタリング法で、20nmのモリブデンを形成
した。この際スパッタガスであるアルゴン中に10%の
酸素ガスを混合させた。次に、銅膜を同じくスパッタ法
により1000nmの厚みに形成した。次に熱硬化型の
インキを用いて、スクリーン印刷にて金属層上に格子幅
20μm、目の大きさ200μm×200μmの格子模
様を印刷した。90℃×5分の加熱によりインキを硬化
させた後、塩化第二鉄水溶液によりインキにより保護さ
れていない部分の金属層を除去し、次に、溶剤でインキ
を除去した。かくして、図1に示す模様の金属層をも
つ、開口率83%の積層体を得ることができた。シート
抵抗を測定したところ、0.11Ω/□であった。金属
層の面に厚さ20μmの透明な粘着材層を有する透明な
フィルムをラミネートした。
【0039】(比較例3)シリカのフィラーを混入させ
ることで曇り価5%に調整した透明なポリエチレンテレ
フタレートフィルム(厚さ75μm)の上に、スパッタ
リング法で、20nmのモリブデンを形成した。この際
スパッタガスであるアルゴン中に10%の酸素ガスを混
合させた。次に、銅膜を同じくスパッタ法により100
0nmの厚みに形成した。次に熱硬化型のインキを用い
て、スクリーン印刷にて金属層上に格子幅20μm、目
の大きさ200μm×200μmの格子模様を印刷し
た。90℃×5分の加熱によりインキを硬化させた後、
塩化第二鉄水溶液によりインキにより保護されていない
部分の金属層を除去し、次に、溶剤でインキを除去し
た。かくして、図1に示す模様の金属層をもつ、開口率
83%の積層体を得ることができた。シート抵抗を測定
したところ、0.21Ω/□であった。金属層の面に厚
さ20μmの透明な粘着材層を有する透明なフィルムを
ラミネートした。
【0040】実施例1から3、比較例1から3で選られ
た積層体を厚さガラスの上に粘着材で貼り付け、高分子
フィルム側から、反射光の状態を確認した。また、8ポ
イントの文字を印刷した紙の上に10mmの間隔をおい
て、上記フィルムを貼り付けたガラス板を設置し、30
cm離れたところから文字のボケを観察した。その結果
を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】実施例1で得られた積層体を、透明な粘着
剤を用いて、金属層が形成されていない面で、厚さ3m
mの熱処理ガラスを接着した。次に金属層を形成した面
に透明なアクリル系粘着剤を用い反射防止フィルムを貼
り合わせた。この際に、図2の断面構成に示すように、
積層体に対して反射防止フィルムが周縁部を覆わないよ
うに額縁状に貼り合わせた。次に、ガラスのフィルムの
未だ貼っていない面に、同じく透明なアクリル系の接着
剤で反射防止フィルムを貼り合わせた。金属層を形成し
た積層体において、反射防止フィルムが貼り合わされて
いないに周縁部に、スクリーン印刷法で銀ペーストを均
質に印刷して電極を形成した。かくして、電磁波シール
ドを得た。
【0043】(実施例5)実施例2で得られた積層体
を、透明な粘着剤を用いて、金属層が形成されていなる
面で、厚さ3mmの熱処理ガラスを接着した。この際
に、図3の断面構成に示すように、積層体に対してガラ
スが寸法上小さくして、積層体がガラス周縁部にはみ出
すように貼り合わせた。積層体を貼り合わせていない面
に、同じく透明なアクリル系の接着剤で反射防止フィル
ムを貼り合わせた。ガラス基板からはみ出た積層体の金
属層を形成した面にスクリーン印刷法で銀ペーストを均
質に印刷して電極を形成した。かくして、電磁波シール
ドを得た。
【0044】(実施例6)実施例3で得られた積層体
を、透明な粘着剤を用いて、金属層が形成されていなる
面で、厚さ3mmの透明なアクリルを接着した。この際
に、図3の断面構成に示すように、積層体に対してガラ
スが寸法上小さくして、積層体がガラス周縁部にはみ出
すように貼り合わせた。積層体を貼り合わせていない面
に、同じく透明なアクリル系の接着剤で反射防止フィル
ムを貼り合わせた。アクリル基板からはみ出た積層体の
金属層を形成した面にスクリーン印刷法で銀ペーストを
均質に印刷して電極を形成した。かくして、電磁波シー
ルドを得た。
【0045】(比較例4)実施例6において、実施例3
で得られた積層体を用いた代わりに、透明支持体の主面
に表面抵抗1Ω/□の透明導電性フィルムを貼り合わせ
ることで電磁波シールドを得た。実施例4〜6および比
較例4の電磁波シールド能をKEC法に準拠して測定し
たところ表1の結果を得た。本方法により、優れた電磁
波シールドを得ることができることがわかる。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明により、電磁波シールドに好適に
用いることができる、十字のような規則的な光の反射が
目立たなく、かつ、画像のボケの発生がない、金属パタ
ーンを形成した積層体を容易に得られる。さらに、それ
を用いて、プラズマディスプレイに好適に使用できる優
れた電磁波シールド体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属層のパターンの一例を示す図である。
【図2】電磁波シールドの断面構成の一例を示す図であ
る。(貼り合わせに用いた粘着材層は省略した)
【図3】電磁波シールドの断面構成の一例を示す図であ
る。(貼り合わせに用いた粘着材層は省略した)
【図4】積層体の断面の模式図
【符号の説明】
10 パターン化された金属層 20 光透過部 30 透明支持体 40 周縁部に形成された電極 50 黒色層を有する金属層 60 表面に凹凸層を有する透明高分子フィルム 70 反射防止フィルム 80 反射防止フィルム 90 反射防止層 100 透明樹脂 120 パターン化された金属層の断面 130 凹凸層 140 透明高分子基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池勝彦 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 西郷宏明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 吉開正彰 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 (72)発明者 小山正人 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AA20H AB01B AB17 AB20 AG00E AK01A AK01C AK01D AK01E AK25 AK42 AR00D BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA10D BA13 BA41 CA23 CB05 DC11B DC15 DD07A EH66 EJ15B EJ24 GB41 HB31 JD08 JG04B JL00 JN01A JN01B JN01C JN01E JN06D JN08A JN30D YY00A YY00B YY00D 5E321 AA04 BB23 BB24 CC16 GG05 GH01 5G435 AA00 AA01 AA16 BB06 GG33 HH02 HH03 HH12 KK07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に凹凸層を設けることにより曇り価
    を1〜10%に制御した透明高分子フィルムの当該凹凸
    面上に、光透過部分を有し、かつ、厚さが200nm以
    上、2000nm以下である金属層を、接着剤を用いる
    ことなく形成し、更に当該金属層を設けた面上に透明な
    樹脂層を設けた積層体であって、該光透過部分を有する
    金属層の開口率が60%以上95%以下であり、金属層
    の実質的なシート抵抗が0.05Ω/□以上0.5Ω/
    □以下であることを特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】 金属層を真空プロセスで均一に形成した
    後に湿式エッチングにより光透過部分を形成することを
    特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 【請求項3】 金属層のいずれか一方の主面もしくは両
    方の主面上に、光線反射率が1%以上、50%以下であ
    る層が真空プロセスで設けられていることを特徴とする
    請求項1または2に記載の積層体。
  4. 【請求項4】 金属層が形成されていない透明高分子の
    主面に、反射防止処理がなされていることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載の積層体。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載の積層
    体と、ガラスもしくは高分子の透明支持体とが、当該積
    層体の金属層が形成されていない面にて貼り合わされ、
    当該積層体の金属層が形成された面に反射防止フィルム
    が粘着材または接着剤により貼り合わされ、かつ、当該
    積層体が貼り合わされていない当該透明支持体のもう一
    方の主面に反射防止処理もしくは防眩処理が施されてい
    る電磁波シールド。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の積層体と、ガラスもし
    くは高分子の透明支持体とが、当該積層体の金属層が形
    成されている面にて当該透明支持体に貼り合わされ、か
    つ、当該積層体が貼り合わされていない当該透明支持体
    のもう一方の主面に反射防止処理もしくは防眩処理が施
    されている電磁波シールド。
  7. 【請求項7】 金属層に電気的に接続された電極が基板
    周縁部に設けられている請求項5または6に記載のプラ
    ズマディスプレイ用電磁波シールド。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009128600A (ja) * 2007-11-22 2009-06-11 Bridgestone Corp ディスプレイ用光学フィルタ、これを備えたディスプレイ及びプラズマディスプレイパネル
JP2011095773A (ja) * 2011-01-21 2011-05-12 Kyodo Printing Co Ltd シールド材
JP2012054006A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Gunze Ltd 透明導電性ガスバリヤフィルム及びその製造方法
JP6077643B2 (ja) * 2013-03-21 2017-02-08 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 電磁波シールド板

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