JP6884986B2 - 亜鉛含有水溶液の浄化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、亜鉛と錯生成能力を持つ化合物、及び亜鉛を含有する水溶液から、亜鉛を除去することを可能にする浄化方法に関するものである。
亜鉛を含有した水溶液は、排水処理設備に送り、例えば鉄イオンを添加してアルカリ性にし、亜鉛イオン等を鉄イオンやその他含有されるイオンと共に水酸化物として沈殿させるなどの処理を行い、水溶液から分離した後に放流する方法などが行われてきた。
亜鉛含有量の排水基準は、従来5mg/Lと定められていたが、水生生物保全の観点から排水基準が強化され、平成18年には2mg/Lに変更された。しかし、一律排水基準に対応することが著しく困難と認められる10業種に属する特定事業場に対しては、暫定排水基準として5mg/Lが適用されてきた。近年、亜鉛の排水基準である2mg/Lが要求されるようになり、排水処理の重要性が高まっている。
ところで、めっき工場、電子部品・機械部品製造工場、自動車工場などからの排水には、クエン酸、グルコン酸などの有機酸、エチレンジアミン四酢酸(以下、EDTAと略す)、シアン、アミン、アンモニア及びポリリン酸など、亜鉛と錯生成能力を持つ化合物が含まれ、上記のような水酸化物法では処理できない事例が多くなっている。
これに対し、亜鉛と錯生成能力を持つ化合物を化学的処理によって、亜鉛と錯生成能力を持つ化合物を処理した後に、亜鉛を不溶化処理する方法がある。しかし、化学的処理、例えば、塩素系薬剤による酸化法、電解酸化法、過酸化水素−第一鉄塩法、オゾン酸化法、湿式酸化法等においても、共存する重金属元素による酸化反応の阻害、スケールの生成などの問題がある。
このような排水中に含まれる各種の重金属元素を除去する技術としては、例えば、無機若しくは有機凝集剤の添加による凝集分離除去法、電解による除去法、活性炭、無機吸着剤若しくは有機高分子材料による吸着除去法、排水を加熱蒸発させる乾固法、膜を用いた逆浸透法、電気透析又は限外ろ過法などが提案されている。
上記の諸方法を用いた場合は、以下のような問題が多々あり、いずれの方法もそれらに対する改善の必要性があった。例えば、(1)凝集分離除去法では亜鉛を充分に処理できない、(2)吸着除去法等は、例え亜鉛を吸着できたとしても処理後に多量の固形成分が発生する、(3)逆浸透法、電気透析又は限外ろ過法等は、排水中に有機物を含有すると除去が困難であり、また、その処理コストが高い、(4)加熱蒸発による乾固法は、処理法が煩雑かつ処理コストが高いなどである。
ところで、ジチオカルバミン酸の塩を排水中の重金属処理剤として使用する方法(例えば、特許文献1〜4参照)が提案されている。しかしながら、亜鉛と錯生成能力を持つ化合物を含む亜鉛含有排水の処理に関する例示はされていない。
特開2009−249399公報 特開2011−074350公報 特開2014−088477公報 特開2002−177902公報
本発明の目的は、亜鉛と錯生成能力を持つ化合物、及び亜鉛を含有する水溶液の亜鉛濃度を2mg/L以下に低減する亜鉛含有水溶液の浄化方法を提供することにある。
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明で示す新規な亜鉛含有水溶液の浄化方法を用いることにより、亜鉛と錯生成能力を持つ化合物、及び亜鉛を含有する水溶液を簡便な方法で、亜鉛濃度を2mg/L以下に低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の要旨を有するものである。
[1]亜鉛と錯生成能力を持つ化合物、及び亜鉛を含有する水溶液に、ジチオカルバミン酸の塩と、亜鉛と錯生成能力を持つ化合物の含有量以上の無機凝集剤を添加した後、固形物を除去することを特徴とする亜鉛含有水溶液の浄化方法。
[2]上記亜鉛と錯生成能力を持つ化合物が、分子内にカルボキシル基、アミノ基、水酸基、エーテル基及び燐酸基から選ばれる少なくとも1種以上の置換基を有する化合物であることを特徴とする上記[1]に記載の亜鉛含有水溶液の浄化方法。
[3]上記ジチオカルバミン酸の塩が、1級アミノ基乃び/又は2級アミノ基を有するアミン化合物と二硫化炭素とアルカリ金属水酸化物を反応させて得られるものであることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の亜鉛含有水溶液の浄化方法。
[4]上記無機凝集剤が、鉄化合物及び/又はアルミニウム化合物であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の亜鉛含有水溶液の浄化方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかに記載の浄化方法で処理した水溶液を、別途用意した水と混合し、亜鉛濃度を2mg/L以下にすることを特徴とする亜鉛含有水溶液の浄化方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の亜鉛含有水溶液の浄化方法は、亜鉛と錯生成能力を持つ化合物、及び亜鉛を含有する水溶液に、ジチオカルバミン酸の塩と無機凝集剤を添加した後、固形物を除去することを特徴とする。
亜鉛と錯生成能力を持つ化合物としては、亜鉛と錯体を形成する化合物であれば特に限定されないが、例えば分子内にカルボキシル基、アミノ基、水酸基、エーテル基及び燐酸基から選ばれる少なくとも1種以上の置換基を有する化合物が挙げられる。特に亜鉛と強固な錯体を形成する化合物としてEDTAが挙げられる。
亜鉛含有水溶液中の亜鉛濃度については特に限定されないが、排水基準である2mg/Lより高い濃度の亜鉛含有水溶液を処理することが好ましい。
ジチオカルバミン酸の塩としては、分子内にジチオカルバミル基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えばジエチルアミン、ピペラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、及びヘプタエチレンオクタミンなどの1級アミノ基乃び/又は2級アミノ基を有するアミン化合物と二硫化炭素とアルカリ金属水酸化物を反応させて得られる化合物が挙げられる。
この内、亜鉛の処理性能や化合物の安定性の点で、ピペラジン又はテトラエチレンペンタミンと二硫化炭素とアルカリ金属水酸化物を反応させて得られる化合物が好ましい。ただし、テトラエチレンペンタミンのジチオカルバミン酸の塩は、原料であるテトラエチレンペンタミンが、主成分のリニア体[化学式(1)]以外に類縁体[化学式(2)〜(4)]を含む組成物のみが工業的に製造されているため、得られるジチオカルバミン酸の塩も組成物となり、品質管理上煩雑になる欠点がある。一方、ピペラジンのジチオカルバミン酸の塩はこのような欠点がなく、特に好ましい。
Figure 0006884986
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アルカリ金属水酸化物としては、入手が容易な点で、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが特に好ましい。
固形物の除去を速やかに行うために、無機凝集剤の添加が必要である。また、凝集剤として、無機化合物と高分子化合物を併用することが好ましい。無機化合物としては、市販されている無機凝集剤を使用でき、例えば塩化第二鉄、硫酸アルミニウム及びポリ塩化アルミニウムなどが挙げられる。
無機凝集剤は、亜鉛と錯生成能力を持つ化合物の含有量以上を添加することが好ましい。亜鉛と錯生成能力を持つ化合物の含有量より無機凝集剤の添加量が少ない場合、凝集性が不足し、亜鉛濃度を2mg/L以下に低減できない場合がある。
亜鉛と錯生成能力を持つ化合物の含有量は、亜鉛を含有する水溶液中の亜鉛と錯生成能力を持つ化合物濃度をHPLC、ガスクロマトグラフィー、滴定などの分析を行うことで算出することができる。
高分子化合物としては、市販されている高分子凝集剤を使用でき、例えばアクリル酸ポリマー、アクリルアミドポリマー、ジメチルアミノエチルメタアクリレートポリマーなどが挙げられる。凝集性能の点で、弱アニオン性のアクリル酸ポリマーが好ましい。
ジチオカルバミン酸の塩、及び無機凝集剤を添加する順番としては特に限定されないが、例えば最初にジチオカルバミン酸の塩を添加し、次に無機凝集剤を添加する方法や、先に無機凝集剤を添加し、次にジチオカルバミン酸の塩を添加する方法が挙げられる。先に無機凝集剤を添加する方法では、ジチオカルバミン酸の塩を添加した後に、再度無機凝集剤を添加する必要がある場合があるため、最初にジチオカルバミン酸の塩を添加し、次に無機凝集剤を添加する方法が好ましい。
固形物を除去する方法としては特に限定されず、ろ過、遠心分離、及び固形物を沈降させた後、上澄み液と分離する方法などが挙げられる。
本浄化方法で薬剤の添加量が不足し、亜鉛濃度が2mg/Lを超えた場合、別途用意した水と混合し、亜鉛濃度を2mg/L以下にしても良い。
本発明によれば、亜鉛の処理が難しい、亜鉛と錯生成能力を持つ化合物、及び亜鉛を含有する水溶液であっても、亜鉛濃度を2mg/L以下に低減できる。
以下に、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定して解釈されるものではない。
(分析方法)
水溶液中の亜鉛イオン濃度は、ICP発光分光分析装置(OPTIMA3300DV、Perkin Elmaer社製)で測定した。
参考例1
実施例及び比較例に使用したキレート剤(ジチオカルバミン酸の塩)は、以下の方法に従って調製した。
(ジチオカルバミン酸の塩Aの調製)
ピペラジン(東ソー社製)112gと純水386gを混合した後、25℃で、窒素気流中で攪拌しながら48重量%水酸化カリウム306g(キシダ化学社製)と二硫化炭素196g(キシダ化学社製)をそれぞれ4分割して交互に滴下した。1時間攪拌し、化学式(5)に示す化合物40重量%を含む水溶液を得た。
Figure 0006884986
(ジチオカルバミン酸の塩Bの調製)
テトラエチレンペンタミン(東ソー社製)159gと純水331gを混合した後、25℃で、窒素気流中で攪拌しながら48重量%水酸化ナトリウム281g(キシダ化学社製)と二硫化炭素230g(キシダ化学社製)をそれぞれ4分割して交互に滴下した。1時間攪拌し、化学式(6)に示す化合物40重量%を含む水溶液を得た。
Figure 0006884986
(無機凝集剤)
無機凝集剤として、38重量%塩化第二鉄水溶液(キシダ化学社製)、27重量%硫酸アルミニウム水溶液(キシダ化学社製)、及び30重量%ポリ塩化アルミニウム水溶液(キシダ化学社製)を使用した。
(高分子凝集剤)
高分子凝集剤として、オルガノ社製OA−23(弱アニオンポリマー)を使用した。
亜鉛と錯生成能力を持つ化合物の定量法として、亜鉛を含有する水溶液中のEDTAの定量法を一例として示す。
参考例2
亜鉛イオン10mg/LとEDTA260mg/Lを含む水溶液200mLをビーカーに準備し、内部標準物質(サロゲート)としてトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸(同仁化学研究所製)溶液(40mg/L)25μLを加えた後、ホットプレート上で加熱し、残液が2mL程度となるまで蒸発濃縮した。残液を10mLのねじ口キャップ付遠心沈殿管に移し、少量の洗液を合わせた。この濃縮液にギ酸200μLを加えて混和し、ヒートブロック上で約70℃に加熱しながら窒素ガスを吹き付け、完全に蒸発乾固させた。遠心沈殿管中の残渣に三フッ化ホウ素−メタノール1mLを加えて密栓し、ヒートブロック上で80℃に加熱して1時間誘導体化反応を行った。冷却後、リン酸塩緩衝液3mL及びジクロロメタン2mLを加えて10分間激しく振り混ぜた後、3500rpmで15分間遠心分離した。ジクロロメタン層を取り、ろ紙を用いろ過し、ろ液をガスクロマトグラフ−質量分析計で分析した。
分析の結果、EDTA濃度は260mg/Lであり、仕込み濃度と同じであることを定量分析により確認した。
実施例1〜6
500mLビーカーに、ジャーテスターを設置し、亜鉛イオン10mg/LとEDTA260mg/Lを含む水溶液を500mL添加した。150rpmで攪拌しながら、ジチオカルバミン酸の塩A、又はジチオカルバミン酸の塩Bを所定量加え、150rpmで10分間攪拌し、次に38重量%塩化第二鉄水溶液を所定量加え、150rpmで5分間攪拌し、次に0.1重量%OA−23水溶液を所定量加え、50rpmで5分間攪拌した。水溶液のpHは、微量の塩酸及び水酸化ナトリウムを用いて、常にpH7となるよう調製した。攪拌終了後、10分間静置し、アドバンテック社製5Aのろ紙で水溶液をろ別し、処理後水溶液の亜鉛濃度を測定した。
結果を以下の表1に示す。
Figure 0006884986
この表1から明らかな様に、実施例1〜3では、処理後水溶液の亜鉛濃度は2mg/L以下であり、排水基準である2mg/Lを下回っており、亜鉛の処理が十分であった。
実施例4は、実施例1のジチオカルバミン酸の塩Aの添加量を減らした例であるが、処理後水溶液の亜鉛濃度は2.2mg/Lであり、僅かに排水基準である2.0mg/Lを上回った。そこで、得られた処理後水溶液500mLに、別途準備した亜鉛を含まない水100mLを混合した水溶液を調製し、亜鉛濃度を測定した結果、亜鉛濃度は1.8mg/Lとなり、排水基準である2.0mg/Lを満たした。
実施例5は、実施例1の高分子凝集剤(OA−23)を添加しなかった例であるが、処理後水溶液の亜鉛濃度は1.9mg/Lであり、高分子凝集剤を添加しなくても排水基準である2.0mg/Lを満たした。
実施例6は、実施例1のジチオカルバミン酸の塩Aの代わりにジチオカルバミン酸の塩Bを用いた例であるが、処理後水溶液の亜鉛濃度は1.8mg/Lであり、排水基準である2mg/Lを下回っており、亜鉛の処理が十分であった。
比較例1〜3
500mLビーカーに、ジャーテスターを設置し、亜鉛イオン10mg/LとEDTA260mg/Lを含む水溶液を500mL添加した。150rpmで攪拌しながら、所定量の38重量%塩化第二鉄水溶液を加え、150rpmで5分間攪拌し、次に0.1重量%OA−23水溶液を所定量加え、50rpmで5分間攪拌した。水溶液のpHは、微量の塩酸及び水酸化ナトリウムを用いて、常に所定のpH値となるよう調製した。攪拌終了後、10分間静置し、アドバンテック社製5Aのろ紙で水溶液をろ別し、処理後水溶液の亜鉛濃度を測定した。
比較例4〜6
500mLビーカーに、ジャーテスターを設置し、亜鉛イオン10mg/LとEDTA260mg/Lを含む水溶液を500mL添加した。150rpmで攪拌しながら、ジチオカルバミン酸の塩Aを1300mg/L加え、150rpmで10分間攪拌し、次に所定量の38重量%塩化第二鉄水溶液を加え、150rpmで5分間攪拌し、次に0.1重量%OA−23水溶液を所定量加え、50rpmで5分間攪拌した。水溶液のpHは、微量の塩酸及び水酸化ナトリウムを用いて、常にpH7となるよう調製した。攪拌終了後、10分間静置し、アドバンテック社製5Aのろ紙で水溶液をろ別し、処理後水溶液の亜鉛濃度を測定した。
結果を以下の表2に示す。
Figure 0006884986
比較例1〜3は、鉄イオンを添加して中和し、亜鉛イオンを鉄イオンと共に水酸化物として沈殿させる従来の処理方法の例であるが、処理後水溶液の亜鉛濃度は4.3mg/L以上であり、排水基準である2mg/Lを超過しており、亜鉛の処理が不十分であった。
比較例4〜6は、無機凝集剤である塩化第二鉄を、亜鉛と錯生成能力を持つ化合物であるEDTAの含有量よりも少ない量を添加した例であるが、処理後水溶液の亜鉛濃度は5.0mg/L以上であり、排水基準である2mg/Lを超過しており、亜鉛の処理が不十分であった。
実施例7〜8
500mLビーカーに、ジャーテスターを設置し、亜鉛イオン10mg/Lとポリ燐酸又はポリエチレングリコール260mg/Lを含む水溶液を500mL添加した。150rpmで攪拌しながら、ジチオカルバミン酸の塩Aを所定量加え、150rpmで10分間攪拌し、次に38重量%塩化第二鉄水溶液を所定量加え、150rpmで5分間攪拌し、次に0.1重量%OA−23水溶液を所定量加え、50rpmで5分間攪拌した。水溶液のpHは、微量の塩酸及び水酸化ナトリウムを用いて、常にpH7となるよう調製した。攪拌終了後、10分間静置し、アドバンテック社製5Aのろ紙で水溶液をろ別し、処理後水溶液の亜鉛濃度を測定した。
比較例7〜9
500mLビーカーに、ジャーテスターを設置し、亜鉛イオン10mg/Lとポリ燐酸又はポリエチレングリコール260mg/Lを含む水溶液を500mL添加した。150rpmで攪拌しながら、所定量の38重量%塩化第二鉄水溶液を加え、150rpmで5分間攪拌し、次に0.1重量%OA−23水溶液を所定量加え、50rpmで5分間攪拌した。水溶液のpHは、微量の塩酸及び水酸化ナトリウムを用いて、常に所定のpH値となるよう調製した。攪拌終了後、10分間静置し、アドバンテック社製5Aのろ紙で水溶液をろ別し、処理後水溶液の亜鉛濃度を測定した。
結果を以下の表3に示す。
Figure 0006884986
この表3から明らかな様に、実施例7〜8では、処理後水溶液の亜鉛濃度は2mg/L以下であり、排水基準である2mg/Lを下回っており、亜鉛の処理が十分であった。
比較例7〜9は、鉄イオンを添加して中和し、亜鉛イオンを鉄イオンと共に水酸化物として沈殿させる従来の処理方法の例であるが、処理後水溶液の亜鉛濃度は2.8mg/L以上であり、排水基準である2mg/Lを超過しており、亜鉛の処理が不十分であった。
実施例9〜10
500mLビーカーに、ジャーテスターを設置し、亜鉛イオン10mg/LとEDTA260mg/Lを含む水溶液を500mL添加した。150rpmで攪拌しながら、ジチオカルバミン酸の塩Aを所定量加え、150rpmで10分間攪拌し、次に27重量%硫酸アルミニウム又は30重量%ポリ塩化アルミニウム水溶液を所定量加え、150rpmで5分間攪拌し、次に0.1重量%OA−23水溶液を所定量加え、50rpmで5分間攪拌した。水溶液のpHは、微量の塩酸及び水酸化ナトリウムを用いて、常にpH7となるよう調製した。攪拌終了後、10分間静置し、アドバンテック社製5Aのろ紙で水溶液をろ別し、処理後水溶液の亜鉛濃度を測定した。
比較例10〜13
500mLビーカーに、ジャーテスターを設置し、亜鉛イオン10mg/LとEDTA260mg/Lを含む水溶液を500mL添加した。150rpmで攪拌しながら、所定量の27重量%硫酸アルミニウム又は30重量%ポリ塩化アルミニウム水溶液を所定量加え、150rpmで5分間攪拌し、次に0.1重量%OA−23水溶液を所定量加え、50rpmで5分間攪拌した。水溶液のpHは、微量の塩酸及び水酸化ナトリウムを用いて、常に所定のpH値となるよう調製した。攪拌終了後、10分間静置し、アドバンテック社製5Aのろ紙で水溶液をろ別し、処理後水溶液の亜鉛濃度を測定した。
結果を以下の表4に示す。
Figure 0006884986
実施例9〜10は、実施例1〜5で用いた塩化第二鉄の代わりに硫酸アルミニウムやポリ塩化アルミニウムを無機凝集剤に用いた例であるが、処理後水溶液の亜鉛濃度は2mg/L以下であり、排水基準である2mg/Lを下回っており、亜鉛の処理が十分であった。
比較例10〜13は、アルミニウムイオンを添加して中和し、亜鉛イオンをアルミニウムイオンと共に水酸化物として沈殿させる従来の処理方法の例であるが、処理後水溶液の亜鉛濃度は5.0mg/L以上であり、排水基準である2mg/Lを超過しており、亜鉛の処理が不十分であった。
本発明の亜鉛含有水溶液の浄化方法によれば、亜鉛の処理が難しい、亜鉛と錯生成能力を持つ化合物、及び亜鉛を含有する水溶液であっても、亜鉛濃度を2mg/L以下に低減できるため、新規な亜鉛含有水溶液の浄化方法として、めっき工場、電子部品・機械部品製造工場、自動車工場などからの亜鉛含有排水の処理方法として使用される可能性を有している。

Claims (1)

  1. エチレンジアミン四酢酸及び亜鉛を含有する水溶液に、エチレンジアミン四酢酸の含有量に対し24/13倍〜2倍の、ピペラジンと二硫化炭素とアルカリ金属水酸化物を反応させて得られるジチオカルバミン酸の塩と、エチレンジアミン四酢酸の含有量以上の鉄化合物及び/又はアルミニウム化合物からなる無機凝集剤を添加した後、固形物を除去することを特徴とする亜鉛含有水溶液の浄化方法。
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