JP6883996B2 - 貯留排水用ブロック及び貯留排水構造 - Google Patents

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本発明は、地盤の水捌け改善するための貯留排水用ブロック及び貯留排水構造に関する。
ゴルフ場、公園、若しくは種々の球技場等の施設、又は農地等では、地盤中の間隙水の量を調整し地盤面の水捌けを改善する暗渠排水施設が設けられる場合がある。上記暗渠排水施設の代表的な例としては、例えば下記特許文献1に開示されるように所定の地盤に複数の暗渠排水管を埋設し、地盤中の余剰水を当該暗渠排水管によって外部に排除する技術が知られる。
また地盤面の水捌けを改善する異なる技術として、下記特許文献2には、複数の中空凸部が形成された凹凸樹脂板を複数積層させて積層構造を形成し、これを少なくとも一部に透水性を備えた筒状体に収容させてなる排水材が提案されている。板状部材である上記凹凸樹脂板は、面方向に対し直交する方向に突出する複数の凸部を有している。かかる排水材は、一方の凹凸樹脂板の凸部が、対向する他方の凹凸樹脂板の凸部間の凹部又は中空の凸部に入り込むことがなく積層されることによって、一方の樹脂板と他方の樹脂板との間の空間が確保されている。
特開平11−46605号公報 特開2009−972425号公報
しかしながら特許文献1に開示される暗渠排水施設、及び特許文献2に開示される排水材はいずれも問題点があった。
即ち、上記暗渠排水施設は、地盤面を広範に掘り起こし、多量のパイプ等を埋設する必要がある。そのため、当該施設は、設置に多くの時間がかかるという問題があり、また、グラウンドの窪地やゴルフ場のバンカー等の水溜りのでき易い特定の場所において選択的に設置して排水を促すには実質的に不向きであった。加えて、暗渠排水施設に用いられる暗渠排水管に形成された孔に土砂が入り込んで目詰まりし、排水機能が低下し易いという問題もあった。
また、凹凸樹脂板を複数枚積層させてなる上記排水材は、内部に確保された空間を維持するために、板状部材を略平坦に設置する必要があった。そのため、上記排水材の設置に際し、地盤を掘り起し接地面を平らに均す工程が必要となり、その分、設置に時間がかかっていた。また、上記排水材は、積層構造全体が透水性を有する筒状体に収容されているため、土砂が内部に入り込み目詰まりを起こすことが防止されているものの、以下の問題があった。即ち、上記排水材は、凹凸樹脂板の積層構造の側面において凹部(空間)が地盤に向かって開口しており水平方向からの力に弱く、地盤において水平土圧が働いた場合、土砂が筒状体を突き破って当該凹部(空間)に入り込む虞があった。そして、積層構造全体を覆う筒状体の一部が破れると、土砂の流入が続くとともに、そこから破れ目が広がり、実質的に排水機能が喪失する虞があった。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、簡易な構造であり、広範な面積の地盤から局所的に選択された地盤まで設置面積の大小に関わらず容易に水捌けを改善可能であり、かつ土砂による目詰まりが良好に防止された貯留排水用ブロックを提供するものである。
また本発明は、施工面積の大小に関わらず施工が容易であり、また従来技術に比べて施工時間を短縮することができ、かつ貯留排水機能の持続性が高い貯留排水構造を提供するものである。
本発明の貯留排水用ブロックは、側面が樹脂板で構成され内部に中空部を有する中空多面体ブロックと、前記中空多面体ブロックの全周囲を覆う透水性部材と、を有し、前記樹脂板が、厚み方向に貫通する複数の孔を有し、前記樹脂板は、一方側の面が略平坦であり、他方側の面が前記樹脂板の面方向に対し交差する方向に起立するリブを備え、前記リブが前記中空多面体ブロックの内部に面するよう配置されており、外周面全体が略平坦であることを特徴とする。
また本発明の貯留排水構造は、地盤に、本発明の貯留排水用ブロックが複数埋設されてなることを特徴とする。
本発明の貯留排水用ブロックは、厚み方向に貫通する複数の孔を有する樹脂板より構成された中空多面体ブロック、及びこれを覆う透水性部材を主体とする簡易な構造である。この簡易な構造の貯留排水用ブロックは、掘り起こされた地盤に埋設されることで、地盤中において一時的に間隙水を貯留するための空間を確保することができる。地盤環境などを勘案し、中空多面体ブロックを埋設する個数及び面積を適宜決定することができるため、水捌けの改善が求められる地盤の面積の大小に関わらず、容易に当該地盤の水捌けを改善することができる。また本発明の中空多面体ブロックは、透水性部材によって覆われているため、内部に土砂などが入り込むことが防止されている。さらに当該中空多面体ブロックは、側面が樹脂板で構成されており、多方向からの土圧を面で受け止めることができるため、周囲を覆う透水性部材が土圧により破損し難い構造となっている。
また本発明の貯留排水構造は、所定の地盤を掘り起し、本発明の貯留排水用ブロックを複数個埋設するだけで実施することができ、容易かつ短時間に地盤の水捌けを改善可能である。上記貯留排水構造に用いられる複数の貯留排水用ブロックのそれぞれが、上述のとおり透水性部材が破損し難い構造になっている。その上、仮に一つの貯留排水用ブロックにおいて透水性部材が破損した場合であっても、当該破損が他の貯留排水用ブロックに影響を及ぼさないため、貯留排水構造全体としての排水機能は良好に維持される。また複数の貯留排水用ブロックは、それぞれが独立であり内部に間隙水を浸透させるとともに外部に排出する機能を有する。かかる貯留排水用ブロックは、貯留排水の機能を発揮する上で、地盤中において他の貯留排水用ブロックとの配置関係に特段の規制を受けず、上下左右水平性等の設置方向にも特段の規制を受けることがない。そのため、本発明の貯留排水構造を実施する際、地盤を掘り起こした後、複数の貯留排水用ブロックを埋設するために、接地面を平らに均す工程等を適宜割愛することができ、施工時間を短縮化し得る。
本発明の第一実施形態にかかる貯留排水用ブロックの一例を示す斜視図である。 第一実施形態に用いられた中空多面体ブロックの展開図である。 図2に示された横側面樹脂板10cのIII-III断面図である。 本発明の第二実施形態にかかる貯留排水用ブロックの一例を示す斜視図である。 本発明の第二実施形態における中空多面体ブロックに用いられる樹脂板の斜視図である。 (6a)は、本発明の第三実施形態にかかる貯留排水構造の一例を示す説明図であり、(6b)は、第三実施形態の変形である貯留排水構造を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、1つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。図示する本発明の実施態様は、理解容易のために、特定の部材を全体において比較的大きく図示する場合、又は小さく図示する場合などがあるが、いずれも本発明の各構成の寸法比率を何ら限定するものではない。
本発明又は本明細書の記載に関し、特段の断りなく上下という場合には、本発明の構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定するものであり、本発明の実施に用いる部材(構成)の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
<第一実施形態>
以下に、本発明の貯留排水用ブロックの第一実施形態について図1から図3を用いて説明する。図1は、本発明の第一実施形態にかかる貯留排水用ブロック100の一例を示す斜視図である。図1では、透水性部材30の内部に設けられた中空多面体ブロック20を図示するために、透水性部材30の一部を図示省略している。図2は、中空多面体ブロック20の展開図である。図3は、図2に示された横側面樹脂板10cのIII-III断面図である。
まず貯留排水用ブロック100の概要について説明する。
貯留排水用ブロック100は、側面が樹脂板10で構成され内部に中空部を有する中空多面体ブロック20と、中空多面体ブロック20の全周囲を覆う透水性部材30と、を備える。樹脂板10は、厚み方向に貫通する複数の孔40を有している。そのため、地盤に貯留排水用ブロック100が埋設された状態において、当該地盤中の余剰の間隙水は、透水性部材30及び孔40を通じで貯留排水用ブロック100の内部(中空部)に浸透し、一時的に貯留される。これにより地盤の水捌けが改善される。また、また地盤中の間隙水の量が減じた場合には、中空部に浸透した間隙水は、自然と周囲の地盤に排出される。このように、貯留排水用ブロック100は、周囲の地盤の間隙水の量に応じて、貯留と排水を繰り返すことができる。
貯留排水用ブロック100は、上述のとおり、中空多面体ブロック20と透水性部材30を主たる構成とする非常に簡易な構造であり、取扱いが容易である。水捌けの改善が求められる地盤を掘り起して穴を形成し、適当な数の貯留排水用ブロック100を当該穴に配置した後、埋め戻すだけで、容易に地盤の水捌けを改善することができる。
貯留排水用ブロック100によれば、掘り起こす地盤の面積と、地盤に埋設する貯留排水用ブロック100の数を調整するだけで、広範な面積の地盤から局所的に選択された地盤まで面積の大小に関わらず、容易に水捌けの改善を図ることができる。
またたとえば、降雨後に水溜りが発生しやすい窪地では、水溜りを構成するおおよその水量を把握し、複数の貯留排水用ブロック100の中空部の容積の総量が、当該水量と同等以上となるよう、地盤に埋設する貯留排水用ブロック100の数を決定することで、水溜りの発生を容易に防止することができる。いくつかの貯留排水用ブロック100を地盤に埋設してみて水捌けの改善が不充分であれば、再度、地盤を掘り起し、適当な数の貯留排水用ブロック100を追加して埋設すればよい。
次に貯留排水用ブロック100の詳細について説明する。
貯留排水用ブロック100に用いられる中空多面体ブロック20は、複数の樹脂板10により構成されている。本実施形態における樹脂板10は、略平板状の部材であり、中空多面体ブロック20は、この略平板状の樹脂板10を複数用いてなる立体である。ここで略平板状とは、樹脂板10の一方側の面と他方側の面とが完全に平面である場合だけでなく、いずれか一方又は両方の面に、連続又は不連続の凹凸などが設けられており全体として板状である態様も含む。中空多面体ブロック20の寸法及び形状は特に限定されない。運搬性又は取扱い性が容易であるという観点からは、たとえば、中空多面体ブロック20の縦寸法、横寸法、及び奥行寸法のそれぞれが、5cm以上100cm以下の範囲であることが好ましく、10cm以上80cm以下の範囲であることがより好ましい。このとき中空多面体ブロック20の、縦寸法、横寸法、及び奥行寸法は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
たとえば、樹脂板10は、図3に示す横側面樹脂板10cように、一方側A1の面が略平坦であり、他方側A2の面が樹脂板10の面方向に対し交差する方向に起立するリブ60を備えていてもよい。即ち、他方側A2の面に、リブ60で区画された一又は複数の凹部61が形成されていてもよい。このようにリブ60を設けることで樹脂板10の強度を上げることができる。リブ60は、たとえば、樹脂板10の面方向に対し直交する方向に起立する。
本実施形態では、樹脂板10は、一方側A1の面が地盤に面し、リブ60が設けられた他方側A2の面が、中空多面体ブロック20の内部に面するよう配置されるとよい。リブ60が設けられた面を内向きとし、略平坦である面を外向きとすることで、中空多面体ブロック20の強度を上げるとともに、土圧を受けた際にも中空多面体ブロック20を覆う透水性部材30が、リブ60に引っかかるなどして破損することを防止することができる。樹脂板10を構成する樹脂は特に限定されないが、たとえば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂又はポリウレタン系樹脂等を挙げることができる。
本実施形態における中空多面体ブロック20は、複数の面から構成される立体である。本実施形態では、中空多面体ブロック20を構成する各面は、それぞれ一枚の樹脂板10から構成されている。このように各面が実質的に継ぎ目のない一部材で構成されることで、中空多面体ブロック20の強度を高めるとともに、構造を単純化することで製造コストを抑えることができる。
図示省略する変形例としては、中空多面体ブロック20を構成する各面の一部又は全部を、複数の樹脂板10で構成してもよい。このように規定の樹脂板10を複数用いて、中空多面体ブロック20の一面の大きさや形状を変更することで、1つの中空多面体ブロック20の形状及び容積を埋設する地盤の環境に適応させることが容易である。
本実施形態における中空多面体ブロック20は、図1に示すとおり、上面樹脂板10aで構成された上面と、当該上面に対し所定距離を開けて平行に配置される下面樹脂板10bで構成された下面と、上面と下面とを連係する複数の横側面樹脂板10cで構成された横側面を有している。具体的には図2に示すとおり、中空多面体ブロック20は、上面樹脂板10a、下面樹脂板10b、及び4枚の横側面樹脂板10cからなる六面体である。上記六面体を立方体とする場合には、たとえば図2に示すとおり、上面樹脂板10a及び下面樹脂板10bは同一面積の正方形とし、4枚の横側面樹脂板10cは、上記正方形の一辺の長さに対し横側面樹脂板10cの厚み分だけ幅寸法が小さい長方形とするとよい。
図2に示すとおり、中空多面体ブロック20において、上面及び下面を構成する第一の樹脂板10(上面樹脂板10a及び下面樹脂板10b)は、内側面の外縁に凹部70を有し、横側面を構成する第二の樹脂板10(横側面樹脂板10c)は、上端面及び下端面に、凹部70に対応する凸部72を有している。凹部70に凸部72が嵌合されることで立体である中空多面体ブロック20を組み立てることができる。より具体的には、たとえば下面樹脂板10bに形成された凹部70(70a)に一の横側面樹脂板10cの下端面に形成された凸部72(72a)が嵌入され、下面樹脂板10bに形成された凹部70(70b)に他の横側面樹脂板10cの下端面に形成された凸部72(72b)が嵌入される。同様に、図2に示す凹部70(70c)に対し凸部72(72c)が嵌入され、また凹部70(70d)に対し凸部72(72d)が嵌入される。このように第一の樹脂板10の所定の位置に凹部70を設け、かつこれに対応する凸部72を第二の樹脂板10に設け、対応する凹凸を嵌合させる凹凸嵌合手段を採用することで、上下面と横側面を備える所望形状の立体を容易に組み立てることができる。尚、ここでいう樹脂板10の内側面とは、中空多面体ブロック20の内部に対面する側の面を意味する。
ただし、本発明において、複数の樹脂板10を組み合わせて立体である中空多面体ブロック20をなす手段は上述する凹凸嵌合手段に限定されない。例えば一の樹脂板10と、これに隣接する他の樹脂板10とを接着剤や接着テープ等の接着部材で接着させてもよい。
本実施形態では、中空多面体ブロック20の形状を良好に維持するという観点から、図1に示すとおり中空多面体ブロック20の外周を、長尺の固定部材50によって締め付けている。固定部材50は、図示するとおり、中空多面体ブロック20の一の周方向にのみもうけてもよいし、図示省略するが、一の周方向と他の周方向とにおいて交差して固定部材50を巻きつけてもよい。
上述するとおり、本実施形態では、上面樹脂板10a及び下面樹脂板10bの所定の箇所に複数の凹部70が設けられ、かつ横側面樹脂板10cの所定の位置に複数の凸部72が設けられ、これらの凹凸嵌合により中空多面体ブロック20が組み立てられている。かかる態様では、複数の凹部70と、これに対応する複数の凸部72の嵌合方向が上下方向に統一される。そのため中空多面体ブロック20は、上面樹脂板10a及び下面樹脂板10bを含む一の周方向のみを固定部材50で締め付けられるだけで、形状が安定して保持される。
固定部材50として用いられる部材は、中空多面体ブロック20の外周に巻きつけられ、中空多面体部ブロック20を締め付けることができるものであれば特に限定されず、たとえば、紐、樹脂テープ、結束バンドなどの長尺部材が挙げられる。尚、本実施形態では、固定部材50は、中空多面体ブロック20の外周に直接に接して設けられているが、透水性部材30の上から、固定部材50により中空多面体ブロック20を締め付けてもよい。
透水性部材30は、地盤中の間隙水を厚み方向に通過可能な部材である。中空多面体ブロック20の全周囲を覆うよう加工しやすいという観点から、シート状部材であることが好ましい。本実施形態では、透水性のシート状部材を袋状に構成してなる透水性部材30で、中空多面体ブロック20の全周囲を覆っている。上記シート状部材としては、砂利などが通過しにくい程度の孔を多数有する多孔質部材が好ましく、不織布やメッシュシートなどが例示されるがこれに限定されない。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態である貯留排水用ブロック200について図4及び図5を用いて説明する。図4は、本発明の第二実施形態にかかる貯留排水用ブロック200の一例を示す斜視図である。図4では、透水性部材30の内部に設けられた中空多面体ブロック22を図示するために、透水性部材30の一部を図示省略しているとともに、中空多面体ブロック22の内部を図示するために、紙面手前側の横側面樹脂板10cを図示省略している。図5は、本発明の第二実施形態における貯留排水用ブロック200に用いられる樹脂板80の斜視図である。
貯留排水用ブロック200は、上面樹脂板10aの替りに上面樹脂板80aを用い、かつ下面樹脂板10bの替りに下面樹脂板80bを用いたこと以外は、貯留排水用ブロック100と同様に構成される。また、上面樹脂板80a及び下面樹脂板80bは、支柱82が設けられたこと以外は、上面樹脂板10a及び下面樹脂板10bと同様に構成される。貯留排水用ブロック200に関し、貯留排水用ブロック100と同様の構成については、適宜第一実施形態における説明を参照し、貯留排水用ブロック100と異なる構成について主として以下に説明する。
本実施形態における貯留排水用ブロック200は、中空部を介して対向する2枚の樹脂板80(上面樹脂板80a及び下面樹脂板80b)の少なくともいずれかに、当該樹脂板80の面方向に対し交差する方向に起立する支柱82が形成される。そして支柱82を介して対向する2枚の樹脂板80(上面樹脂板80a及び下面樹脂板80b)が物理的に連続する。
たとえば図4に示すように、上面樹脂板80a及び下面樹脂板80bの両方に支柱82が設けられており、2つの支柱82の先端面85(図5参照)が互いに当接することで、上面樹脂板80a及び下面樹脂板80bが物理的に連続している。図示省略するが、下面樹脂板80bにのみ支柱82が設けられ、その支柱82の先端面85が、上面樹脂板80aの内側面に当接することで、両者が物理的に連続してもよい。このように、対向する樹脂板80が支柱82によって物理的に連続することで、連続する方向における中空多面体ブロック22の強度を上げることができる。
本実施形態において、上面樹脂板80a及び下面樹脂板80bとして用いられる樹脂板80は、図5に示すように面方向に対し垂直方向(面直方向)に起立する支柱82を備える。図示する支柱82は、1つであるが、一つの樹脂板80に複数の支柱82が設けられていてもよい。
支柱82の内部は中空になっており、樹脂板80の軽量化が図られている。また支柱82の基端83は、リブ60により区画された凹部61に位置しており、基端83は開口して孔41をなしている。一方、基端83と対向する先端に設けられた先端面85には、孔88が形成されている。これにより支柱82は、孔41と内部と孔88とが連通しており、基端83から先端面85まで透水性が保たれている。
支柱82の先端面85には、先端面85から支柱82の外側に突出する突出部84と、突出部84が嵌合可能な寸法の嵌合部86が設けられている。これにより、上面樹脂板80aの先端面85と下面樹脂板80bの先端面85を互いに当接させる際、上面樹脂板80aに形成された突出部84を下面樹脂板80bに形成された嵌合部86に嵌合させるとともに、上面樹脂板80aに形成された嵌合部86に下面樹脂板80bに形成された突出部84を嵌合させることで、当接状態を安定に保持することができる。
また、上面樹脂板80a及び下面樹脂板80bを互いに当接させた際、それぞれの先端面85に設けられた孔88が互いに連通する位置に配置されているとよい。これによって、図4に示すとおり、上面樹脂板80aに設けられた孔41から下面樹脂板80bに設けられた孔41の間が透水可能となり、中空多面体ブロック22は、支柱82の内部にも間隙水を一次的に貯留する空間を確保しつつ、強度の改善が図られる。
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態として本発明の貯留排水構造300の一例について図6を用いて説明する。図6aは、本発明の第三実施形態にかかる貯留排水構造300の一例を示す説明図であり、図6bは、第三実施形態の変形である貯留排水構造310を示す説明図である。
貯留排水構造300は、上述する貯留排水用ブロック100が複数地盤に埋設されて構成されている。たとえば、降雨時に水溜り120ができやすい窪地の地盤を掘り起し、そこに貯留排水用ブロック100を整列配置し、適量の土砂を埋め戻すことで、貯留排水構造300を構成することができる。これにより、水溜り120をなしていた水の一部又は全部が貯留排水構造300を構成する貯留排水用ブロック100の内部に一時的に貯留されるため、水溜り120の形成を防止することができる。もちろん、水溜り120の形成がし易い地盤、又は窪地ではなく平坦な地盤又は隆起している地盤に貯留排水構造300を設けてもよく、地盤面の種々の形状に関わらず、地盤の水捌けを改善することができる。
複数の貯留排水用ブロック100は、個々に独立のブロックであり、貯留排水構造300を施工する場所までの運搬性や取り扱性が容易である。そのため、貯留排水構造300は、水捌けの改善が求められ地盤の面積や、水溜り120の形成の有無などを勘案して適当数の貯留排水用ブロック100を並べて配置するだけの簡単な施工で実施される。貯留排水構造300における貯留排水用ブロック100に一時的に貯留された間隙水は、周囲の地盤の間隙水の量が低下するにつれて、自然とブロック内部から周囲の地盤に排水される。これにより、貯留排水用ブロック100の内部は、再び中空部となる。このように貯留排水用ブロック100を複数備える貯留排水構造300は、貯留と排水を繰り返す。
図6bに示す変形例である貯留排水構造310は、地盤を掘り起し、そこに適当な数の貯留排水用ブロック100をランダムに配置し、適量の土砂を埋め戻すことで、貯留排水構造310を構成することができる。即ち、複数の貯留排水用ブロック100は、それぞれが独立であり内部に間隙水を浸透させるとともに外部に排出する機能を有する。そのため、貯留排水構造310は、一の貯留排水用ブロック100と他の貯留排水用ブロック100との配置関係に特段の規制を受けず、上下左右水平性等の設置方向にも特段の規制を受けることなく、上述する貯留と排水を繰り替えることができる。即ち、貯留排水構造310は、地盤を掘り起して穴を形成し、接地面を平らに均す工程を適宜割愛した上、当該穴に複数の貯留排水用ブロック100をランダムに置いて、土砂で埋め戻すだけの簡単かつ短時間の施工で実施され得る。たとえば、地盤上に建造物が建設され、あるいは車両等が頻繁に通過する等の事情を有しないグラウンド、公園若しくはゴルフ場等の施設、または農地等の地盤は、上方からの荷重負担が小さい。そのため、かかる環境下の地盤に埋設された複数の貯留排水用ブロック100は、厳密に整然配置されていなくても、上方からの荷重により押し潰される虞がない。したがって、かかる環境下の地盤では、簡易且つ短時間に実施可能であって、水捌けの効果が良好な貯留排水構造310が実施されることが特に好ましい。
尚、本実施形態において説明する貯留排水構造300、310は、いずれも貯留排水用ブロック100を用いた例を示したが、貯留排水用ブロック100に替えて貯留排水用ブロック200を用いてもよく、貯留排水用ブロック100と貯留排水用ブロック200とを混合して用いてもよい。また貯留排水構造300、310に用いられる複数の貯留排水用ブロック100は、同形状同寸法に統一されていてもよいし、異なる形状又は異なる寸法のものが混合されていてもよい。貯留排水構造300、310は、ゴルフ場、公園、若しくは種々の球技場などの施設、又は農地等の任意の環境における地盤にて実施することができる。
以上に本発明の第一実施形態から第三実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等がなされた態様も含む。上述で説明した貯留排水用ブロックに関し、下面樹脂板及び上面樹脂板は、貯留排水用ブロックの構成要素の相対的な位置関係を簡単に説明するために便宜的に規定するものであり、貯留排水用ブロックの使用時の設置方向および本発明の貯留排水構造に当該貯留排水用ブロックを使用する場合の配置の方向を何ら限定するものではない。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)側面が樹脂板で構成され内部に中空部を有する中空多面体ブロックと、
前記中空多面体ブロックの全周囲を覆う透水性部材と、を有し、
前記樹脂板が、厚み方向に貫通する複数の孔を有することを特徴とする貯留排水用ブロック。
(2)前記中空多面体ブロックの外周が、長尺の固定部材によって締め付けられている上記(1)に記載の貯留排水用ブロック。
(3)前記中空多面体ブロックを構成する各面が、それぞれ一枚の前記樹脂板から構成されている上記(1)又は(2)に記載の貯留排水用ブロック。
(4)前記樹脂板は、一方側の面が略平坦であり、他方側の面が前記樹脂板の面方向に対し交差する方向に起立するリブを備え、前記リブが前記中空多面体ブロックの内部に面するよう配置されている上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の貯留排水用ブロック。
(5)前記中空多面体ブロックが、上面と、前記上面に対し所定距離を開けて平行に配置される下面と、前記上面と前記下面とを連係する複数の横側面を有し、
前記上面及び前記下面を構成する第一の前記樹脂板は、内側面の外縁に凹部を有し、
前記横側面を構成する第二の前記樹脂板は、上端面及び下端面に、前記凹部に対応する凸部を有し、
前記凹部に前記凸部が嵌合され前記中空多面体ブロックが構成されている上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の貯留排水用ブロック。
(6)前記中空部を介して対向する2枚の樹脂板の少なくともいずれかに、当該樹脂板の面方向に対し交差する方向に起立する支柱が形成されており、前記支柱を介して前記対向する2枚の樹脂板が物理的に連続している上記(1)から(5)のいずれか一項に記載の貯留排水用ブロック。
(7)地盤に、上記(1)から(6)のいずれか一項に記載の貯留排水用ブロックが複数埋設されてなることを特徴とする貯留排水構造。
10、80・・・樹脂板
10a、80a・・・上面樹脂板
10b、80b・・・下面樹脂板
10c・・・横側面樹脂板
20・・・中空多面体ブロック
30・・・透水性部材
40、41、88・・・孔
50・・・固定部材
60・・・リブ
61・・・凹部
70、70a、70b、70c、70d・・・凹部
74・・・上端面
76・・・下端面
72、72a、72b、72c、72d・・・凸部
82・・・支柱
83・・・基端
84・・・突出部
85・・・先端面
86・・・嵌合部
100、200・・・貯留排水用ブロック
120・・・水溜り
300、310・・・貯留排水構造
A1・・・一方側
A2・・・他方側
GL・・・地盤面

Claims (6)

  1. 側面が樹脂板で構成され内部に中空部を有する中空多面体ブロックと、
    前記中空多面体ブロックの全周囲を覆う透水性部材と、を有し、
    前記樹脂板が、厚み方向に貫通する複数の孔を有し、
    前記樹脂板は、一方側の面が略平坦であり、他方側の面が前記樹脂板の面方向に対し交差する方向に起立するリブを備え、前記リブが前記中空多面体ブロックの内部に面するよう配置されており、
    外周面全体が略平坦であることを特徴とする貯留排水用ブロック。
  2. 前記中空多面体ブロックの外周が、長尺の固定部材によって締め付けられている請求項1に記載の貯留排水用ブロック。
  3. 前記中空多面体ブロックを構成する各面が、それぞれ一枚の前記樹脂板から構成されている請求項1又は2に記載の貯留排水用ブロック。
  4. 前記樹脂板が略平板状であり、
    前記中空多面体ブロックが、上面と、前記上面に対し所定距離を開けて平行に配置される下面と、前記上面と前記下面とを連係する複数の横側面を有し、
    前記上面及び前記下面を構成する第一の前記樹脂板は、内側面の外縁に上下方向に凹状の凹部を有し、
    前記横側面を構成する第二の前記樹脂板は、上端面及び下端面に、前記凹部に対応する上下方向に凸状の凸部を有し、
    前記凹部に前記凸部が嵌合され前記中空多面体ブロックが構成されている請求項1からのいずれか一項に記載の貯留排水用ブロック。
  5. 前記中空部を介して対向する2枚の樹脂板の少なくともいずれかに、当該樹脂板の面方向に対し交差する方向に起立する支柱が形成されており、前記支柱を介して前記対向する2枚の樹脂板が物理的に連続している請求項1からのいずれか一項に記載の貯留排水用ブロック。
  6. 地盤に、請求項1からのいずれか一項に記載の貯留排水用ブロックが複数埋設されてなることを特徴とする貯留排水構造。
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