JP5801599B2 - 建築物 - Google Patents

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本願の発明は、建築物に関するものであり、特に建築物の人工地盤に関するものである。
日本は地震の多い国であり、阪神大震災を始めとした大地震の教訓を背景として、免震技術など、地震対策を考慮した建築技術の開発が進められている。また、一連の耐震偽装問題などから、建築物の構造部分についての関心も非常に高くなってきている。
このうち、建築物の地業部構造については、例えば特開平9−27160号公報に開示されているように、発泡樹脂(発泡スチロール)より成る人工地盤材を敷設し、その上にコンクリート材を設けた構造が考案されている。
このような人工地盤構造は、軽量化された人工地盤材を埋設し、これによってそれより下の敷地地盤にかかる建物全体の荷重を軽減するものと言える。これは、建物直下の敷地地盤(土)を軽量の人工地盤材で置換することで接地圧を軽減し、これによって不同沈下等の沈下を防止する技術である。尚、敷地地盤とは、人工地盤に対して用いられる用語であり、敷地の元々の地盤という意味である。
特開平9−273160号公報
しかしながら、上記従来の工法では、発泡樹脂人工地盤材を敷き詰めた地業部であるため、コンクリートのベタ基礎の場合と同様、地業部には透水性がない。従って、大雨等で土中水位が上昇した際、せり上がってくる水を地業部が排する状態となり、水位が地表面にまで達して(冠水して)しまうことになり易い。このため、水分の多い軟弱地盤には、この人工地盤は向いていない。
また、発泡樹脂人工地盤材が排水性であることから、降雨により土中水位が上昇すると、人工地盤材に大きな浮力が生ずる。建物部の建築完了後は、建物部の荷重により人工地盤材が押さえつけられるため問題はないが、地業部の施工中に降雨があると問題が生ずる。即ち、敷設した発泡樹脂人工地盤材が土中水位上昇により浮き上がってしまい、施工不能になってしまうことがある。このため、排水ポンプで常時排水して土中水位が上がらないようにしたりする等の手間が生じる。
また、従来の人工地盤の施工法では、建物部の施工エリアに相当する大きな領域において地表面からの掘り下げを行い、それによって形成された凹部内を占めるようにして人工地盤材を敷設するので、掘り下げに要する施工コストが高いものとなっている。即ち、重機を使用して大量に掘り下げることから時間と労力を要し、また残土も大量であることからその処理にも莫大ななコストがかかる。そして、人工地盤材も大量に使用しているので、その点でも高コストの施工となっている。地盤改良は、不同沈下防止等のために重要な工事ではあるが、建築物としての本来的な使用にかかるものでは無いため、施主としてはできるだけ安価に済ませたいという要望が強い。このようなことから、従来の人工地盤材を用いた地盤改良工法は、接地圧軽減に大きな効果があるとしても、採用をためらってしまう面があるのが否めない。
本願の発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、建築物の人工地盤構造として、十分な沈下防止効果を持ち、且つ通水性に富む構造を提供することで、軟弱な敷地地盤(以下、軟弱地盤)についても好適に適用することができ、且つ施工コストも安価に済ますことができる人工地盤構造とし、このような構造の人工地盤の上に建物部を構築することで、不同沈下事故の無い信頼性の高い建築物を提供する技術的意義を有するものである。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、地表面から所定の深さ掘り下げることで形成された凹部内を占めるよう設けられた人工地盤と、人工地盤の上に施工された基礎部と、基礎部の上に構築された建物部とから成る建築物であって、
人工地盤は、通水性の開口を有し、増水時に内部に水が浸入する構造のブロックを多数並べて形成されたものであり、
凹部は、建物部の荷重に応じて地盤置換をすべき多数の箇所にそれぞれ設けられているとともに、各凹部はそれぞれ離間して設けられており、各凹部には、水平方向では一個のみのブロックが配置されており、
各凹部は、鉛直方向が軸方向である円筒形であり、前記各ブロックは、この円筒形の空間を占める形状を有しているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、前記基礎部は布基礎を含んでおり、前記多数の凹部の少なくとも一つは布基礎の直下の位置を含んでいて、この位置に前記ブロックが配置されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記建物部は、柱を含んでおり、前記多数の凹部の少なくとも一つは柱の直下の位置を含んでおり、この位置に前記ブロックが配置されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1乃至いずれかの構成において、前記基礎部は、底面において下方に突出した突出部を有しており、前記ブロックは、中央部が突出部の直下の位置に位置するよう配置されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、地表面から所定の深さ掘り下げることで形成された凹部内を占めるよう設けられた人工地盤と、人工地盤の上に施工された基礎部と、基礎部の上に構築された建物部とから成る建築物であって、
人工地盤は、通水性の開口を有し、増水時に内部に水が浸入する構造のブロックを多数並べて形成されたものであり、
凹部は、一個のみのブロックが入る幅であって建物部の荷重に応じて地盤置換をすべきラインに沿って溝状に形成されており、
多数のブロックは、凹部の幅方向には一個のみ設けられ凹部が延びる方向にのみ連なって詰めて並べられており、
多数のブロックは発泡樹脂以外の樹脂製であり、これらブロックの少なくとも一つは、内部に金属製の補強用の支柱を有しているという構成を有する。
まあ、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、地表面から所定の深さ掘り下げることで形成された凹部内を占めるよう設けられた人工地盤と、人工地盤の上に施工された基礎部と、基礎部の上に構築された建物部とから成る建築物であって、
人工地盤は、通水性の開口を有し、増水時に内部に水が浸入する構造のブロックを多数並べて形成されたものであり、
凹部は、建物部の荷重に応じて地盤置換をすべき多数の箇所にそれぞれ設けられているとともに、各凹部はそれぞれ離間して設けられており、各凹部には、水平方向では一個のみのブロックが配置されており、
多数のブロックは発泡樹脂以外の樹脂製であり、これらブロックの少なくとも一つは、内部に金属製の補強用の支柱を有しているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1乃至いずれかの構成において、前記多数のブロックは、ステンレス製もしくはアルミ製又は鋳物であるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の各請求項の発明によれば、先行重力を取り除いた部分に多数の軽量なブロックを配置することで地盤置換をしているので、不同沈下などの沈下事故が効果的に防止される。そして、各ブロックが開口を有していて通水性に富んでいるため、施工中又は施工完了後の建物部未着工の段階で大雨があっても、ブロックが浮き上がってしまうような事故は無い。従って、ポンプで水を汲み出すような手間は必要無い。さらに、掘り下げるエリアの面積が少なく且つ使用するブロックの数も少ないので、施工コストも大幅に安くなる。
第一の実施形態に係る建築物の正面断面概略図である。 図1に示す人工地盤の概略構造を示した正面断面図である。 図1に示す人工地盤の平面概略図である。 図2及び図3に示すブロック5の概略図であり、(1)が平面概略図、(2)は正面概略図である。 、各ブロックの水平方向の連結構造を示した図であり、(1)は平面概略図、(2)は正面断面概略図である。 「一列にのみ」について説明した参考図である。 他の実施形態における人工地盤の施工位置及び形状について示した平面概略図である。 第一の実施形態の建築物の主要部の施工方法について示した概略図である。 全面置換と比較した第一の実施形態の効果について示した正面断面概略図である。 第二の実施形態に係る建築物の主要部の構成を示した平面概略図である。 図10に示す実施形態における人工地盤の構造を示した正面断面概略図である。 第二の実施形態におけるブロック5の重ね合わせ状態を示した斜視概略図である。 第二の実施形態における下側のブロック5のみを示した斜視概略図である。 本願発明の第三の実施形態における人工地盤の正面断面概略図である。 図14に示す実施形態における支柱7の形状及びその取付構造を示した図であり、(1)が支柱7の斜視概略図、(2)が取付構造を示した平面概略図である。 本願発明の第四の実施形態の建築物の主要部を示した正面断面概略図である。 本願発明の第五の実施形態の建築物の主要部を示した正面断面概略図である。
次に、本願発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態)について説明する。
図1は、第一の実施形態に係る建築物の正面断面概略図である。図1に示す建築物は、地表面GLから所定の深さ掘り下げることで形成された凹部内を占めるよう設けられた人工地盤1と、人工地盤1の上に施工された基礎2と、基礎2の上に構築された建物部3とから成っている。
人工地盤1は、敷地地盤の軟弱性を改善するために施工されるものであり、いわゆる地盤改良にかかるものである。基礎2の下の敷地地盤を軽量な人工地盤材で置換し、基礎2及び建物部3による上載圧を軽減して不同沈下等を防止するものである。図2及び図3を使用して、本実施形態における人工地盤の構造について詳しく説明する。図2は図1に示す人工地盤1の正面断面概略図、図3は人工地盤1の平面概略図である。
図2に示すように、本実施形態における人工地盤は、軽量で頑丈なブロック5を多数並べて形成されたものである。本実施形態では、ポリプロピレンのような樹脂製のブロック5が用いられている。図2に示すように、ブロックは、凹部内において上下2段に重ねて配置され、凹部内を占めている。そして、図3に示すように、上下2段に重ねられたものが水平方向に一列にのみ連なって配置され、全体として人工地盤1を形成している。
図4を使用して、ブロックの形状、構造について説明する。図4は、図2及び図3に示すブロック5の概略図であり、(1)が平面概略図、(2)は正面概略図である。
ブロック5は、前述したようにポリプロピレンのような樹脂製であり、射出成型のような形成法によって製造されたものとなっている。ブロック5は、水平な姿勢とされるベース部51と、ベース部51から垂直に延びるよう形成された脚部52とから成っている。ベース部51は、全体としては正方形の板状である。ベース部51には、軽量化及び通水のため、多くの開口50が形成されている。
脚部52は、正方形のベース部51の各角の位置に合計4つ設けられている。脚部52の位置は、角の縁から少し内側の位置である。各脚部52は、対角線上に位置し、ベース部51からの距離はすべて同じである。
各脚部52は、全体としてはほぼ角柱状の部位である。但し、各脚部52の内部は軽量化のため空洞になっている。各脚部52は、ベース部51につながった部分で最も断面積が大きく、ベース部51から遠ざかるにしたがって徐々に小さな断面積となっている。即ち、正面から見ると台形状となっている。
各脚部52の高さは皆同じである。各脚部52の上端面には、嵌め込み用の突起(以下、嵌め込み突起)53が形成されている。嵌め込み突起53は、上側に位置させる別のブロック5との組み合わせのための部位である。
図4(1)に示すように、嵌め込み突起53は、各脚部52の上端面に二つずつ形成されている。各嵌め込み突起53は、図4(1)に示すように、各脚部52のほぼ正方形の上端面形状において斜め左上から斜め右下の方向の対角線上に設けられている。
また、各脚部52の上端面には、嵌め込み用の孔(以下、嵌め込み孔)54が形成されている。嵌め込み孔54は、嵌め込み突起53が嵌め込まれる孔である。嵌め込み孔54も、各上端面に二つずつ設けられている。嵌め込み孔54は、平面視で見た場合、斜め右上から斜め左下の方向の対角線上に設けられている。即ち、各脚部52の上端面において、各嵌め込み孔54は各嵌め込み突起53と線対称に配置されている。
このようなブロック5は、人が持ち運んで並べることを想定しているため、人が持ち運べる程度の大きさとされる。一例を示すと、ベース部51は一辺が500〜600mm程度であり、脚部52の長さは200〜500mm程度である。
ブロック5は、後述するように軽量人工地盤材料として地盤置換に用いられるものであり、必要な強度が確保される範囲でできる限り軽量とされる。また、ブロック5は、人が持ち運べるという意味でも軽量とされる。具体的には、ブロック5は、一個につき6kg〜8kg程度の重量である。
このようなブロック5は、全体がポリプロピレン製であり、射出成型により製作されている。このようなブロック5としては、道路造成等の土木用のものが株式会社林物産(茨城県日立市)からカンカンブロック5(商品名)として市販されているので、これを応用しても良い。ブロック5の材質としては、ポリプロピレンの他、ポリエチレン製、ポリオレフィン製、ABS樹脂製などのブロック5を使用しても良い。
図3に示すように、ブロック5は、水平方向に一列にのみ連結されている。水平方向における各ブロック5の連結構造について、図5を使用して説明する。図5は、各ブロックの水平方向の連結構造を示した図であり、(1)は平面概略図、(2)は正面断面概略図である。
水平方向のブロック5の連結には、連結具6が用いられる。連結具6は、図(2)に示すように、プレート部61と、プレート部61から直角に突出するよう設けられた差込突起62とから成る形状である。プレート部61は長方形であり、差込突起62は下方に突出するように設けられている。また、差込突起62は 長手方向に二つ設けられている。
一方、図(1)に示すように、ブロック5の各角部には、差込孔57が形成されている。差込孔57は、差込突起62に断面の形状及び大きさに適合した形状及び大きさのものである。
水平方向にブロック5を連結する場合、図(1)に示すように、二つのブロック5を詰めて並べ、各角部が隣接するようにする。そして、連結具6で各角部を連結する。即ち、詰めて並べた二つのブロック5の各差込孔57に各差込突起62を差し込む。差し込み突起62の離間間隔は、詰めて並べた二つのブロック5の差込孔57の離間間隔と一致している。
また、本実施形態における人工地盤は、図2に示すように、脚部を付き合わせてブロックを上下に重ね合わせる際、側面部分の補強のためのプレート(以下、側壁プレート)12を介在させている。
側壁プレート12は、ブロック5と同じ材質であり、例えばポリプロピレン製である。図示は省略するが、側壁プレート12の上端面及び下端面には、ブロック5のベース部51に差し込まれる突起が設けられている。各ブロック5のベース部51には、脚部52が突出する側の面のうちの側縁付近に側壁プレート12の連結用の差し込み孔が設けられている。上記のように一対のブロック5を脚部を突き合わせて連結する際、左右両側において側壁プレート12を立てた状態で挟み込み、側壁プレート12の突起を上下のブロック5の各差し込み孔に差し込む。これにより、左右に側壁プレート12を固定した状態でブロック5が積み上げられる。側壁プレート12の幅(立てて配置した際の高さ)は、ブロック5の脚部の高さの丁度2倍となっている。ブロック連結体11は、このようにして各上下のブロック5において左右に側壁プレート12が挟み込まれている。側壁プレート12は、各上下のブロック5において設けられており、したがって側壁プレート12も各上下のブロック5と同様に一列にのみ連なっている。
図2に示すように、本実施形態における人工地盤は、上下2段に積み重ねて水平方向に一列にのみ連ねた多数のブロック(以下、ブロック連結体と呼び、図中に符号11で示す)と、ブロック連結体を包んで覆った透水シート14と、透水シート14で覆われたブロック連結体11の上側に被せた緩衝プレート15と、凹部の壁面とブロック連結体11を隙間を詰めた緩衝層とから主に構成されている。
ブロック連結体11は、軽量であるにもかかわらず建築物の人工地盤1を構成するものとして充分な強度を持つものとなっている。一例として強度を示すと、例えば図4に示すような構成のブロック5の場合、一つのブロック5としては、30kN〜70kNまでの荷重に耐えられるものである。このようなブロック5を脚部52を突き合わせて上下に重ね合わせ、160kN/mまでの荷重に耐えられるようにする。
尚、上記の例では二段であるが、三段、四段、又はそれ以上の段のブロック5を上下に重ねる場合もある。三段以上重ねる場合、ベース部51同士を接触させてブロック5を重ねることになるが、この際、ベース部51に突起と嵌め込み孔とが設けられたものを使用し、一方のブロック5の突起が他方のブロックの嵌め込み孔に差し込まれるようにして水平方向のずれを防止する。
透水シート14は、ポリエステルのような化学的に安定な繊維で形成された透水性のシートで、土木シートの名前で一般に市販されているものである。緩衝プレート15としては、本実施形態では発砲スチロールが使用されている。図2では、構造の理解のためにブロック5、透水シート14、緩衝プレート15は離間して描かれているが、実際にはこれらは密着している。また、緩衝層は、本実施形態では砂利又は砕石(以下、砂利等という)13となっている。
緩衝プレート15は、上側の基礎2との緩衝のための部材である。多くの場合、緩衝プレート15の上には、基礎2を構成する捨てコンクリート層(ベタ基礎)が施工される。
緩衝プレート無しに捨てコンクリート層を直接施工しても良いのであるが、ブロック5が開口を多く有するため、そのまま捨てコンクリートを施工するのが難しい場合がある。緩衝プレート15は、この点を考慮したものである。したがって、緩衝プレート15は特に開口を有しない板状である。尚、基礎2は、ベタ基礎とベタ基礎に立設した布基礎から成っており、その上に建物部3が構築されている。
次に、上記のような人工地盤1の平面形状について、図3を使用して補足的に説明する。
凹部の形状及び位置即ちブロック5を一列にのみ連ねていく形状及び位置(人工地盤の形状及び施工位置)は、建物部3の荷重に応じて地盤置換をすべき形状及び位置ということになる。多くの場合、基礎2は布基礎(図3に点線で表し、符号21で示す)を含み、布基礎21の形状及び位置は、建物部3の荷重の分布に応じて設計される。したがって、典型的には、凹部は布基礎21の形状及び施工位置に沿って設けられ、布基礎21の形状及び施工位置に沿ってブロック5が一列にのみ配設される。図3に示すものは、この例である。但し、布基礎21が存在しない位置においても地盤置換をする必要が生じる場合もある。例えば、布基礎21は存在しないが、その場所が局所的に地盤が弱くて地盤置換をする必要がある場合が挙げられる。したがって、布基礎21の施工形状及び位置と人工地盤の形状及び施工位置とは一致しない場合がある。さらに言えば、建物部3の荷重分布においてそれほど荷重が存在しない場所であっても、その直下の位置の地盤が局所的に弱い場合には、その場所で地盤置換をする必要がある場合があるから、建物部3の荷重分布に応じた箇所で無い箇所に人工地盤が設けられる場合もある。
次に、上記ブロック連結体の構成における「一列のみ」について説明する。
図6は、「一列にのみ」について説明した参考図である。図3に示すように、本実施形態においては、多数のブロック5は、一列に連なって配置されたものである。より正確には、一列にのみ連なって配置されたものである。「一列にのみ」とは、列が延びる方向には詰めて並べられているが、複数列接触して設けられていないということである。即ち、図6(1)に示すように例えば二列が接触して設けられている場合は排除されるということである。三列、四列……についても同様で、横方向(並列に並ぶ方向)接触している構成は、「一列にのみ」には該当しない。一方、図6(2)に示すように、複数列ではあるが、各列が離間している場合(並列方向では接触していない場合)は、「一列にのみ」に該当する。
「一列にのみ」の構成は、言い換えると、ブロック5が設けられる凹部が溝状で、且つ一個のみのブロック5が入る幅であるということである。即ち、一個のみのブロック5を連ねて地盤置換をするよう凹部は狭く溝状の形状とされる。
上述したように、凹部は狭い溝状であり、そこを埋めるようにして人工地盤1が一列のみで施工される。上下に重ねられて一列にのみ連なった多数のブロック5より成る構造物(以下、説明の都合上、ブロック連結体と呼ぶ)11は、図5に示すように透水シート14で覆われている。透水シート14は、ブロック連結体11の上下左右を覆っている。透水シート14は、ブロック連結体11の内部への水の浸入を許容しつつ土砂等が入らないようにするためのものである。
次に、本実施形態における人工地盤1の作用及び人工地盤1を形成するための敷地の掘り下げ深さについて説明する。
本実施形態のような人工地盤を使用した地盤置換の作用については、特開2008−231900号に詳説されている。ここに示されたように、地盤置換は、地盤を掘り下げる深さをd(m)、建築物の総荷重(人工地盤を含む)Wによる接地圧をP(kN/m)、その地盤の地耐力をqa(kN/m)、その地盤の土の単位体積当たりの重力をγ(kN/m)としたとき、
d≧(P−qa)/γ
となるようにし、沈下を防止する技術である。即ち、接地圧が地耐力を上回る分だけ先行上載圧dγを取り除き、それによって沈下を防止する技術である。
本実施形態の構成は、上記の点を前提とした上で、特に地盤置換の必要な箇所のみ人工地盤を設けることで施工コストを低減させるようにした意義を有するものである。即ち、軟弱地盤とはいっても、比較的強度の高い地盤で多少の補強を済めば足りる場合もある。本実施形態の構成は、この点を考慮し、より少ない地盤置換で最善の効果を得るようにしたものである。
地耐力が低い場合に生じる建物部3の沈下は、不均等に生じる場合即ち不同沈下の場合に問題となる。同沈下は、ある程度までは許容される。基礎2や建物部3は、ある種の剛体であるから、荷重が集中しているとか相対的に地盤が弱いとかの側が下がり、それとは反対側が浮いたような状態となる。したがって、建物部3の周縁に沿って地盤置換をしていくことが好ましい一つの構造と言える。図3に示す例もこの例であり、布基礎は建物部3の周縁に沿って施工され、ブロック連結体11も周縁に沿って延びた構造となっている。
この他、荷重が集中するという意味では、柱や壁の施工箇所は地盤に対して荷重が集中するということができる。したがって、柱や壁の施工箇所の直下の位置を含むようにしてブロック連結体が延びるようにすることが好ましい。布基礎は、通常、柱や壁の施工箇所の直下の位置に設けられるものであり、図3に示す例はこの構成も満足している。
上述したような布基礎の直下の位置、柱や壁の直下の位置以外に人工地盤が設けられる構成について図7を使用して説明する。図7は、他の実施形態における人工地盤の施工位置及び形状について示した平面概略図である。
図7に示すように、この実施形態では、人工地盤は、布基礎21に沿ってその直下の位置に延びてはいるものの、これに加え、布基礎21の直下の位置ではない位置にも延びた形状となっている。即ち、図7の紙面上、上端の布基礎の直下位置と下端の布基礎の直下位置をつなぐようにして一列のみのブロック連結体で形成された人工地盤が設けられている。以下、この位置でのブロック連結体の列からなる人工地盤を、説明の都合上、「追加列」と呼び、図7中に符号501で示す。追加列501は、図7に示すように、建物部3の施工エリアの中心よりもやや右側の位置に施工されている。この位置に、溝状の凹部が追加して形成され、そこに追加列501が配設されている。構造自体は、図2に示すものと同じである。
このような追加列501を施工する場合としては、例えば、建物部3の右側の荷重が左側に比べて非常に大きくて右側においてより多く地盤置換をする必要があるとか、敷地の右側が何からの事情で地盤が弱くより多く地盤置換をする必要があるとかの場合が考えられる。この場合の何らかの事情とは、例えば、敷地のすぐ右側に川が流れていて地盤が弱いとか、すぐ右側が崖になっていて地耐力が弱いとかの場合が挙げられる。
いずれにしても、このように追加列を施工することで、建物部3の荷重分布とは直接関係がない部分において適宜地盤を補強することができ、不同沈下をより防止した構造として最適なものとなる。
上記構成に係る本実施形態の建築物の施工について、図8を使用して説明する。図8は、第一の実施形態の建築物の主要部の施工方法について示した概略図である。
まず、建築物を建築する敷地を地表面GLから溝状に掘り下げ、凹部8を形成する(図8(1))。掘り下げる水平方向の形状(溝の形状)は、図3に示す形状である。掘り下げる深さは、前述した式を参照し、十分な地盤置換効果が得られる深さとされる。そして、凹部8の幅は、一個のブロック5の幅よりも少し広い幅とされる。
次に、掘り下げて形成した溝状の凹部8の底面や側面をならして整地し、突き固める。そして、凹部8の底面に砂利等13を敷き詰めて突き固めた後、後でブロック連結体を覆えるように透水シート14で凹部8内に敷いておく(図8(2))。
次に、ブロック連結体11を施工する。即ち、ベース部を下側にしてブロックを凹部8内に一列にのみ並べていき、隣接するブロックを連結体で連結する。次に、側壁プレートを各下側のブロックのベース部の両側縁に立てながら、各ブロックに対して脚部を付き合わせるようにして上側から別のブロックを重ねる。側壁プレートは、突起が上下のブロックのベース部の孔に嵌り込んだ状態となって固定される。上側のブロックの列についても、隣り合うものを連結体で連結する。これで、ブロック連結体11の施工が完了である(図8(3))。
その後、透水シート14でブロック連結体11を全体に覆い、必要に応じて透水シート14の端同士を貼り合わせする等した後、凹部8の両側壁とブロック連結体11との間の隙間に砂利等13を充填する。その後、透水シート14で覆われたブロック連結体11の上に緩衝プレート15を配置し、緩衝プレート15の両側にも砂利等13を充填すると、人工地盤の施工は完了である。その後、基礎工事として捨てコンクリート層を施工し、その上に布基礎を施工した後、建物部を施工する。
上述したように、本実施形態の建築物は、先行上載圧を取り除いた部分に、軽量なブロック5を並べて組み上げたブロック連結体11を設けて地盤置換をしているので、不同沈下などの沈下事故が抑制される。砂利等13は、ブロック連結体11と凹部の壁面との間で緩衝作用を為し、壁面の崩れ等を防止している。そして、側壁プレート12は、砂利等13がブロック連結体11内に入らないように遮蔽しており、砂利等13を介して凹部の側壁面の擁壁作用も為している。側壁プレート12は通水用の開口を多く有し、砂利等13も通水性が高いので、ブロック連結体11を浮き上がらせるような作用はない。
ブロック連結体11内に自由に水が浸入できる点は、軟弱地盤における施工の点で特に有利な構造となっている。即ち、発砲ブロック5を並べることで人工地盤とした場合、発泡樹脂ブロック5自体に通水性が無く、人工地盤が全体としては排水性であるため、大雨などで地盤中に大量の水が浸入して地中水位が上がった場合、水が地表面にまで達してしまう(冠水してしまう)ことになり易い。一方、本実施形態の人工地盤1によれば、ブロック連結体11中に水が自由に浸入するので、地盤中の水位上昇が緩和され、冠水にまで達する可能性が低減される。
また、従来の発泡樹脂製のブロックより成る人工地盤では、ブロックに通水性が無いので、施工中に大雨が降ると、浮き上がり事故が発生し易い。一方、本実施形態では、各ブロック自体が開口を有していて通水性に富んでいるため、施工中又は施工完了後の建物部が未着工の段階で大雨があっても、ブロックが浮き上がってしまうような事故は無い。従って、ポンプで水を汲み出すような手間は必要無い。緩衝プレート15は発泡樹脂製であるが、凹部8の開口付近に位置するものであり、ここまで雨水が溜まることは殆ど無いので、実害は無い。
さらに、人工地盤は、一列のみから成るブロック連結体11によって構成されているので、ブロック5の使用量が少なくなり、資材コストが安くできる。そして、凹部はこのブロック連結体11を配設する幅で形成されているので、凹部形成のための敷地の掘り下げ量が非常に少なくて済む。掘り下げ量が少なくて済むということは、施工に要する手間(人工)が少ないのでこの点で施工コストが安くなる他、残土量も少なくなるので残土処理に要するコストも安くなる。これらを含めると、本実施形態の構成では、ブロック5を建物部3の施工エリア全体に敷き詰める構成に比べて格段のコスト安となる。
次に、建物部3の施工アリアの全域をカバーする地盤置換(以下、全面置換という)と比較した上記実施形態の効果について、図9を使用して説明する。図9は、全面置換と比較した第一の実施形態の効果について示した正面断面概略図である。
図9(1)には、全面置換の場合の接地圧軽減効果が示されている。一般に、荷重Wの構築物(ここで建物部3と基礎2との総重量)を地盤の上に構築した場合、荷重によって地盤内に発生する鉛直方向の応力分布(応力が等しくなる点を結んだ線)は球根状となり、応力球根と呼ばれる。
建物部3及び基礎2が平面形状が方形であり、図9(1)に示すように、その短辺がbである場合、短辺bに応じて応力球根100が発生する。建物部3及び基礎2による応力が地盤に影響する深さは、一般的にはおおよそ1.5b程度であると言われる。この場合、地盤が過圧密状態ではなく、例えば腐植土層のような軟弱な地盤である場合、基礎2及び建物部3の建築後、荷重によって圧密沈下し、不同沈下が生じやすい。このため、荷重Wによる接地圧が地耐力を上回る分の重量の土を取り除き、人工地盤1を敷設する。これにより、地中応力を軽減して圧密沈下を抑制する。
一方、上記実施形態では、全面置換ではなく、部分的な置換をしている。この場合、図9(2)に示すように、配置された各人工地盤1の領域の直下の位置と、人工地盤1が配置されていない領域(以下、非配置領域)の直下の位置でそれぞれ地中応力が発生する。非配置領域では、敷地土壌による大きな接地圧が生じるものの、短辺の長さが図9(1)に比べると短くなるため、地中応力の影響範囲が小さくなる。この小さい範囲で軟弱な層があった場合にのみ圧密沈下が生じ、不同沈下等の事故が生じ得ることになる。したがって、ある程度の深さまで地盤調査をして軟弱な層が無いと判断できれば、この図9(2)に示す施工で十分ということになる。
加えて、図9(2)に示す構造では、非配置領域の土壌は、両側が人工地盤1で挟まれており、人工地盤1で拘束された状態となっているため、外側に向けて崩れにくくなっている。このため、不同沈下がより生じにくい構造になっている。
図9(1)に示す全面置換は、軟弱地盤である可能性が高い地盤(例えば盛り土をして造成した宅地、以前は田んぼであったところを開発した土地、腐植土層等)の場合や軟弱地盤かどうか不明な場合に、特に適した構造である。一方、図9(2)に示す部分置換は、市街地における建て替えの場合や洪積地のような比較的強い地盤の場合に適しており、少しだけ補強すれば十分な場合や、地盤調査を浅くして調査費用を軽減させたりする場合に特に適した構造である。
次に、本願発明の建築物の第二の実施形態について説明する。
図10は、第二の実施形態に係る建築物の主要部の構成を示した平面概略図である。第二の実施形態の建築物は、人工地盤1の形状及び施工位置が第一の実施形態と異なっており、他の構成は基本的に同じである。即ち、本実施形態では、人工地盤1は、離間的に設けられている。より具体的に説明すると、人工地盤1のための凹部は、建物部の荷重に応じて地盤置換をすべき多数の箇所にそれぞれ設けられている。そして、各凹部はそれぞれ離間して設けられており、各凹部には、水平方向では一個のみのブロックが配置されている。
上記の点を図11を使用してより具体的に説明する、図11は、図10に示す実施形態における人工地盤1の構造を示した正面断面概略図である。図10及び図11から解るように、凹部は地表面GLを円柱状に掘り下げられて形成された空間である。そして、ブロック5は上下二段に積み重ねられ、円柱状の凹部を埋める形状となっている。以下、この実施形態の説明において、上下二段にブロック5を積み重ねたものをブロック積層体と呼び、図中に符号16で示す。
図12は、第二の実施形態におけるブロック5の重ね合わせ状態を示した斜視概略図であり、図13は、下側のブロック5のみを示した斜視概略図である。この実施形態におけるブロック5もポリプロピレンのような樹脂製であり、水平な姿勢とされるベース部51と、ベース部51から垂直に延びるよう形成された脚部52とから成っている。この実施形態では、ベース部51は、全体としては、正方形の四隅を三角状に切り落としたような多角形状である。ベース部51には、同様に、軽量化及び通水のため、多くの開口50が形成されている。
脚部52は、この実施形態では、二重円筒管状となっている。即ち、図13に示すように、脚部52は、内側円筒部521と、内側円筒部521と同軸の外側円筒部522と、内側円筒部521と外側円筒部522とをそれらの端部をつないで塞いだ端板部523とから成っている。
端板部522にも通水用の開口50が形成されている。また、端板部522には、同様に嵌め込み突起53と嵌め込み孔54が形成されている。嵌め込み突起53は、脚部52の中心と同心の円周上に等間隔(90度間隔)で四つ形成されている。嵌め込み孔54も、同一の円周上に90度間隔で四つ形成されており、嵌め込み突起53から少しずれた位置に配置されている。
この実施形態のブロック5も、脚部52を突き合わせた状態で重ねて使用することが可能であり、この場合は、上記嵌め込み突起53が他方のブロック5の嵌め込み孔54に嵌り込むようになっている。即ち、二つのブロック5は全く同一形状であり、互いの脚部52の先端を突き合わせるように重ねると一方の嵌め込み突起53が他方の嵌め込み孔54の位置になり、他方の嵌め込み突起53が一方の嵌め込み孔54の位置になる。各嵌め込み突起53を各嵌め込み孔54に嵌め込むことで、二つのブロック5がずれることなく重ね合わされるようになっている。
図11に示すように、ブロック積層体体16は、透水シート14で覆われており、その上に緩衝プレート15が配置されている。そして、それらと凹部の壁面との間の隙間は緩衝層として砂利等13で埋められている。このように離散的に設けられた多数の人工地盤1上には、基礎を構成する捨てコンクリート層22が施工される。
上記のような構造を有する人工地盤を施工する場合、同様にまず地盤を設定された箇所において掘り下げて凹部を形成する。この際、凹部は離散的に多数形成される。凹部の形成は、重機で行っても良いが、小型のボーリングマシーンを現場に持ち込んで使用すると好適である。凹部の開口の直径は、例えば0.5〜1m程度である。
凹部の形成箇所は、人工地盤1により地盤置換をする箇所である。この箇所は、同様に施工する建物部の荷重バランスや地盤の強度分布に応じて適宜設定される。地盤の強度分布が均一であれば、建物部の荷重バランスに応じて設定され、荷重が大きい場所においては凹部は、離間間隔を狭くして数多く設定され、荷重が少ない場所においては離間間隔を長くして数が少なく設定される。地盤置換は、上述したように上載圧を軽減するものであるから、地盤に対して荷重が直接的にかかる場所においてされることがより効果的であり、この意味で、凹部は、図10に示すように布基礎21の直下の位置、柱の直下の位置においてされる場合が多い。
このようにして設定された箇所に各凹部に形成した後、各凹部の底面及び壁面の突き固めを行う。その後、各凹部の底面に砂利等13を敷き詰め、凹部内に予め透水シート14を敷設しておく。そして、透水シート14の上にブロック積層体16を配置し、ブロック積層体16を透水シート14で覆って包み込んだ後、凹部の側壁面とブロック積層体16との間に砂利等13を充填する。その後、透水シート14で覆われたブロック積層体16の上に緩衝プレート15を配置し、緩衝プレート15の周囲にも砂利等13を充填する。これで、各人工地盤1の施工が完了する。その後、ベタ基礎22を含む基礎を施工し、その上に建物部を施工する。
この実施形態においても、軽量なブロック積層体16により地盤置換をしているので、不同沈下などの沈下事故が抑制される。また、ブロック積層体16内に自由に水が浸入できるので、地盤中の水位上昇が緩和されるとともに、工事中にブロックが浮き上がってしまうような事故が無い。
さらに、凹部を離間的に多数形成し、各凹部内に水平方向では1個のみのブロック5を設けた構造であって、必要な箇所で最小限の地盤置換をした構造であるので、掘り下げ量が少なくて残土量も少なくなる他、ブロック5の使用量も少なくすることができる。この効果は、第一の実施形態に比べてより顕著であり、さらにコストを安くできる。
この第二の実施形態においても、図9(2)に示す上記第一の実施形態の場合と同様、地中応力が影響する範囲を小さくすることができるので、より浅い範囲の地盤調査で済み、調査費用を軽減することができる。加えて、この第二の実施形態では、免震性に優れた地盤改良となるというメリットがある。以下、この点について説明する。
地盤置換をしない場合の通常の基礎及び建物部からなる建築物の場合、基礎及び建物部から成る荷重の上載圧により、地中に大きな応力球根が生じる。この際、基礎(べた基礎や布基礎)は建物部と結合していて、基礎及び建物部は全体として剛体となるため、地震が発生した際、地震の揺れに同期して共振する共振現象が発生することがある。共振現象が発生すると、基礎や建物部に大きな曲げモーメントが生じ、これにより地盤に対して(地中において)大きな偏心応力が生じる。この結果、建物部が倒壊しないまでも、不同沈下のような建物部3の傾きやひび割れ等が生じる恐れがある。
一方、第二の実施形態の構造では、基礎の下面にはブロック積層体16が配置され、ブロック積層体16を介してと地盤2と接している。ブロック積層体16は、上載圧を分散させて地中に伝えるので、地震発生時の基礎の曲げモーメントを緩和し、大きな偏心応力が地中に伝わらないようにする。この際、本実施形態では、ブロック積層体16と基礎2とが結合されておらず、水平方向に滑動可能となっている。このため、地震発生時には、基礎2の曲げモーメントを水平方向に逃がすことが可能であり、専ら垂直方向のみ緩和しつつ地中に伝えるようになっている。このため、不同沈下事故や建物部3のひび割れといった事故が生じにくい構造となっている。
次に、本願発明の第三の実施形態について説明する。
図14は、本願発明の第三の実施形態における人工地盤の正面断面概略図である。図14に示す実施形態では、各ブロック5は発泡樹脂以外の樹脂製であり、例えばポリプロピレン製である。これらブロック5の少なくとも一つは、内部に金属製の補強用の支柱を有している。この第三の実施形態は、第一の実施形態において支柱7を設けた構成となっている。
図15を参照して、より具体的に説明する。図15は、図14に示す実施形態における支柱7の形状及びその取付構造を示した図であり、(1)が支柱7の斜視概略図、(2)が取付構造を示した平面概略図である。この実施形態では、支柱7は、各ブロック5の中央部に一本設けられている。図15(1)に示すように、支柱7は、全体としては円筒状の部材であり、図14に示すように各ブロック5の鉛直な中心軸と同軸にに設けられている。
図15(1)に示すように、支柱7には、上端と下端にそれぞれ切り込み71が形成されている。切り込み71は、上端から軸方向に延びるスリット状である。切り込み71は、上端下端でそれぞれ四つずつ形成されており、90度間隔である。各切り込み71の周方向の位置は、上端と下端で同じ位置となっている。各支柱7の高さは、ブロック5の脚部の高さの2倍に相当している。
一方、各ブロック5のベース部51の中央は、円形の開口内に十の字状のリブ511を設けた形状となっており、四つの扇状の開口が設けられている。支柱7によって補強を行う場合、図14に示すように、二つのブロック5を互いの脚部を突き合わせて重ね合わせる。この際、中央の位置に支柱7を挟み込むようにする。そしてこの際、上下のブロック5は各ベース部51の中央のリブ511が支柱7の上下端の各切り込み71に差し込まれるようにし、この状態で支柱7を挟み込むようにする。これにより、支柱7で補強された状態で二つのブロック5が重ね合わされた状態となる。支柱7は、各切り込み71内にベース部51のリブ511が差し込まれているので、上下のベース部51の間でずれることなく安定して挟み込まれた状態となる。
本実施形態においては、ポリプロピレンのような合成樹脂(発泡樹脂を除く)製であり、素材自体として相当の強度を有しているが、ブロック5の使用量を少なくしてコストを抑える観点から、金属製の支柱7を追加し、強度を高めている。即ち、地盤置換は、建物の荷重バランスの分布に応じてなされ、各ブロック5は、より大きな荷重のかかる部分に配置される場合が多い。このため、建物部3の施工エリア全域において地盤置換をする場合に比べ、各ブロック5の強度をより高くすることが好ましい。このような観点から、本実施形態では、金属製の支柱7で補強している。
支柱7の位置は、ブロック5の中央ではなくとも良い。例えば、ベース部51が正方形で脚部52がベース部51の中央に設けられているブロック5の場合、対角線上に中心から等距離の位置に四つ支柱7が配置される構成が考えられる。
また、上下にブロック5を重ねる構成の他、上下方向(鉛直方向)では1個のみのブロック5を用いる構成においても、上記支柱7を設けた構成を採用することができる。上下方向で一個のみのブロック5を用いる場合、脚部52を上に突出させて(ベース部51を下側にして)ブロック5を配置し、被せプレートを上から被せる。図を示しての説明は省略するが、被せプレートは、図2に示すブロック5において、脚部を無くしベース部51のみとした構成にほぼ相当する部材である。被せプレートには、脚部の先端から突出する各嵌め込み突起が嵌り込む嵌め込み孔が設けられており、水平方向のずれが防止できるようになっている。各嵌め込み孔は、被せプレートをブロック5と同心上で且つ平面視で完全に重なるようにしてブロック5に被せると、各嵌め込み突起が各嵌め込み孔に嵌め込まれた状態となる。この場合、脚部52の高さと同じ高さの支柱7を用意しておき、同様にスリットを設けた構成としておく。そして、脚部52を上にして配置したブロック5の中央に支柱7を立て、上から被せプレートを被せる。
第二の実施形態においても、金属製の支柱で補強した構造とすることは可能である。例えば、二重円筒状の脚部において、中央の円筒状空間(内側円筒部内の空間)を大きくしておき、中心軸上に支柱7を配置する構成とすることが考えられる。
上記各実施形態において、特開2008−231900号公報に開示されているように、凹部の底面と側壁面のうちの凹部から所定の高さまで(地表面に至る途中の高さまで)防水層を形成して凹部内で水(雨水や地下水)が溜まる構造としても良い。凹部内の水を取り出す取水管を設けて散水等に利用できる他、溜められた水によって地震等の際の免震効果が期待できる(特開2008−231900号公報参照)。
また、凹部を部分的に深く掘り下げて深い位置まで地盤置換をした構造とすることによって地下水脈まで達するようブロック5を積層した構造とすることも考えられる。以下、このような構造を有する実施形態の建築物について説明する。図16は、本願発明の第四の実施形態の建築物の主要部を示した正面断面概略図である。
この実施形態では、図16に示すように、凹部が一部の箇所においてより深く掘り下げられており、その箇所においてブロックの積層数(垂直方向のブロックの数)が他の箇所より多くなっている(以下、この箇所を深堀部という)。そして、深掘部における最下層のブロックは、地下水層Wに達した位置となっている。
そして、深掘部における各ブロックの中心を貫通するようにして内部取水管9が設けられている。基礎2には、内部取水管9に連通する取水用配管23が設けられている。水を利用する場合、ホースなどを取水用配管23に連結し、ポンプでくみ上げる等して利用する。この実施形態では、地盤置換をしつつ地下水のくみ上げ利用が可能となっており、一石二鳥的な効果が得られる。深掘部は、第一の実施形態における「一列にのみ」の構成のうちの特定の箇所に設定しても良いし、第二の実施形態における礎石方式において、特定の箇所を選択して凹部の深さを深くしブロック積層体16の積み上げ数を多くして深掘部としても良い。
また、図17は、本願発明の第五の実施形態の建築物の主要部を示した正面断面概略図である。第五の実施形態は、基礎部の形状が異なっており、これについて最適な構造を有する人工地盤を有したものとなっている。
即ち、図17に示すように、基礎部は底面において下方に突出した突出部を有している。この例では、捨てコンクリート22が角の部分において下方に突出した突出部221を有している。但し、布基礎のみから成る基礎部において布基礎の角の部分の突出部221が設けられる場合もある。
この第五の実施形態は、人工地盤1としては、図11に示す第二の実施形態と同様のものが使用されている。図17に示すように、ブロック5は、中央部が突出部221の直下の位置に位置するよう配置されている。
図17に示すような構造の基礎部は、主として突出部221の部分を通して建物部の荷重が地盤にかかってくる。したがって、この突出部221を十分に支えるよう、ブロック5の中心部が突出部221の直下の位置に位置させることが好ましい。図2に示す第一の実施形態の構造においても、基礎部に突出部がある場合、同様にブロック5の中心部突出部の直下の位置に位置することが好ましい。
上記各実施形態において、支柱7を有する第三の実施形態を除き、本願発明におけるブロックは樹脂製である必要はなく、人工地盤材として必要な軽量さと剛性とを合わせ持つものであれば、他の材質でも良い。例えば、ステンレスやアルミのような金属でも良く、鋳物でも良い。
1 人工地盤
11 ブロック連結体
12 側壁プレート
13 砂利等
14 透水シート
15 緩衝プレート
16 ブロック積層体
2 基礎
3 建物部
5 ブロック
51 ベース部
52 脚部
6 連結具
7 支柱
8 凹部

Claims (7)

  1. 地表面から所定の深さ掘り下げることで形成された凹部内を占めるよう設けられた人工地盤と、人工地盤の上に施工された基礎部と、基礎部の上に構築された建物部とから成る建築物であって、
    人工地盤は、通水性の開口を有し、増水時に内部に水が浸入する構造のブロックを多数並べて形成されたものであり、
    凹部は、建物部の荷重に応じて地盤置換をすべき多数の箇所にそれぞれ設けられているとともに、各凹部はそれぞれ離間して設けられており、各凹部には、水平方向では一個のみのブロックが配置されており、
    各凹部は、鉛直方向が軸方向である円筒形であり、各ブロックは、この円筒形の空間を占める形状を有していることを特徴とする建築物。
  2. 前記基礎部は布基礎を含んでおり、前記多数の凹部の少なくとも一つは布基礎の直下の位置を含んでいて、この位置に前記ブロックが配置されていることを特徴とする請求項記載の建築物。
  3. 前記建物部は、柱を含んでおり、前記多数の凹部の少なくとも一つは柱の直下の位置を含んでおり、この位置に前記ブロックが配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の建築物。
  4. 前記基礎部は、底面において下方に突出した突出部を有しており、前記ブロックは、中央部が突出部の直下の位置に位置するよう配置されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の建築物。
  5. 地表面から所定の深さ掘り下げることで形成された凹部内を占めるよう設けられた人工地盤と、人工地盤の上に施工された基礎部と、基礎部の上に構築された建物部とから成る建築物であって、
    人工地盤は、通水性の開口を有し、増水時に内部に水が浸入する構造のブロックを多数並べて形成されたものであり、
    凹部は、一個のみのブロックが入る幅であって建物部の荷重に応じて地盤置換をすべきラインに沿って溝状に形成されており、
    多数のブロックは、凹部の幅方向には一個のみ設けられ凹部が延びる方向にのみ連なって詰めて並べられており、
    多数のブロックは発泡樹脂以外の樹脂製であり、これらブロックの少なくとも一つは、内部に金属製の補強用の支柱を有していることを特徴とする建築物
  6. 地表面から所定の深さ掘り下げることで形成された凹部内を占めるよう設けられた人工地盤と、人工地盤の上に施工された基礎部と、基礎部の上に構築された建物部とから成る建築物であって、
    人工地盤は、通水性の開口を有し、増水時に内部に水が浸入する構造のブロックを多数並べて形成されたものであり、
    凹部は、建物部の荷重に応じて地盤置換をすべき多数の箇所にそれぞれ設けられているとともに、各凹部はそれぞれ離間して設けられており、各凹部には、水平方向では一個のみのブロックが配置されており、
    多数のブロックは発泡樹脂以外の樹脂製であり、これらブロックの少なくとも一つは、内部に金属製の補強用の支柱を有していることを特徴とする建築物
  7. 前記多数のブロックは、ステンレス製もしくはアルミ製又は鋳物であることを特徴とする請求項1乃至記載の建築物。
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