JP6883314B2 - 親水性ゴム組成物およびこれを用いた搬送用ロール - Google Patents

親水性ゴム組成物およびこれを用いた搬送用ロール Download PDF

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Description

本発明は、親水性ゴム組成物およびこれを用いた搬送用ロールに関する。
紙などのシート状の長尺物の製造工程などには、搬送用ローラが用いられている(特許文献1参照)。例えば、抄紙工程では、主にワイヤパート、プレスパート、ドライヤパートなど構成され、各パート間に搬送用ロールを設けて紙のたるみを防止しながら紙を搬送している。搬送用ロールは、紙表面と直接接触するため、ロール表面が汚れ難い材質とされ、一般にセラミック溶射、フッ素樹脂やシリコーンゴムなどを用いて疎水性の表面とすることで、汚れを弾くようにしていた。
特開2015−152062号公報
紙の原料には、油を主成分とするピッチなどが含まれており、疎水性のロール表面では、ピッチが付着し、付着したピッチを起点に通紙の一部がピッキングされるという問題がある。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたもので、油を主成分とする疎水性のピッチの付着を防止することができる親水性ゴム組成物およびこれを用いた搬送用ロールを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る親水性ゴム組成物は、
アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)のいずれか1種または2種以上を組み合わせた原料ゴム100重量部と、
前記原料ゴム100重量部に対しポリエチレングリコールを含むものまたはポリエチレングリコールエステルによる親水化用可塑剤を10〜20重量部と、
カーボンブラックと、を含有し、
加硫されて硬さ(JIS K 6253)がA55〜100であり、
接触角が45°以下であって表面に接触した水分による水膜を形成可能とする、
ことを特徴とする。
前記接触角が、30°以下である、ことが好ましい。
前記原料ゴムは、カルボキシ基を含有するアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)であることが好ましい。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る搬送用ロールは、親水性ゴム組成物をロール表面に備え、前記ロール表面に、接触した水分による水膜を形成可能に構成した、
ことを特徴とする。
本発明によれば、油を主成分とする疎水性のピッチの付着を防止することができる。
本発明の親水性ゴム組成物およびこれを用いた搬送用ロールの一実施の形態に係る抄紙工程の概略説明図である。 本発明の親水性ゴム組成物およびこれを用いた搬送用ロールの一実施の形態に係る汚れ試験装置の概略説明図である。
以下、本発明の親水性ゴム組成物およびこれを用いた搬送用ロールの一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の親水性ゴム組成物は、原料ゴム100重量部と、原料ゴム100重量部に対し親水化用可塑剤を10〜20重量部含有し、硬さ(JIS K 6253)がA55〜100であり、接触角が45°以下である、親水性に優れるゴム組成物である。
また、本発明の搬送用ロール10は、親水性ゴム組成物をロール表面に備えて構成される。搬送用ロール10は、例えば、図1に示す抄紙工程のワイヤパート11、プレスパート12、ドライヤパート13、サイズパート14、ドライヤパート15、カレンダパ−ト16、リールパート17などで構成される各パート11〜17間に設けられ、紙Pのたるみを防止しながら紙Pを搬送するものとして用いられる。搬送用ロール10は、紙Pの表面と直接接触しロール表面に油を主成分とする疎水性のピッチなどが付着しようとしても親水性のロール表面とすることでロール表面に紙Pの水分などを利用して水膜を形成し、これによってピッチなどの汚れを弾くようにするものである。
なお、搬送対象は、紙に限らず、プラスチックフィルム、布などの薄物シート状で長尺なもの(ウェブ)などであっても良い。また、ロール表面に形成される水膜は、水分を含んだウェブとの接触によるほか、湿度の高い場所での空気中の水分であったり、シャワーによる水分によって形成するものであっても良い。
すなわち、これまでの搬送用ロールでは、ロール表面にセラミックを溶射したり、フッ素樹脂やシリコーンゴムなどのロール表面とすることで、ロール表面を疎水性とし、親水性の汚れの付着を防止することが行われていた。
しかしながら、紙の原料中には、油を主成分とする疎水性のピッチが含まれており、疎水性ピッチの付着に対しては、疎水性のロール表面では、付着防止に対しては、逆効果であり、ロール表面を親水性にすることができる親水性ゴム組成物について鋭意研究・開発を行った結果本発明を完成したのである。
ゴムロールの表面にシャワーにより水膜を形成するローとして印刷機で使用される給水ローがあるが、給水ロールは、ロール幅全体に均一に給水するためのものであって汚れの付着防止のための水膜ではなく、ロール表面の硬度がA20〜30程度であり、搬送用ロール10とする場合には、硬度が低く、ウェブとの接触により摩耗や表面疵などの発生の問題が生じることになり、搬送用ロール10では、ロール表面の硬度としてA55〜100程度が必要とされることからそのまま適用することはできない。
また、セラミックをロール表面に溶射し、封孔処理を行うことで親水性を付与するものもあるが、使用による経時変化によってセラミックと封孔剤とが混じり合った表面に変化し、親水性が損なわれてくる。
さらに、有機ハロゲン化合物の溶液を塗布することによるロール表面の改質や、親水性の材料をコーティングする場合でも膜厚さが300μm程度と薄く、使用による摩耗や汚れの付着に対して再研磨して再利用することができない。
すなわち、溶射やコーティングの場合では、膜厚さが薄く、研磨して再利用することは難しい。
本発明の親水性ゴム組成物では、ロール表面を覆う場合に親水性ゴム組成物の厚さを厚くして覆うことができ、例えば、厚さを6mm程度(直径で12mm程度)とすることで、ロール表面を再研磨することが可能となり、簡単に元の状態(ロール製作時の状態)に戻すことができるものとなる。
本発明の親水性ゴム組成物は、原料ゴムとして原料ゴム自体に親水性があるジエン系ゴムが好ましく、例えばアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)を挙げることができ、これらを1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、カルボキシ基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)が親水性の原料ゴムとして好ましい。
親水性ゴム組成物を構成する親水化用可塑剤は、親水性を付与できるものとしてポリエチレングリコールを含むもの等を例示でき、望ましくは、ポリエチレングリコールエステルを挙げることができる。
親水化用可塑剤は、原料ゴム100重量部に対し、10〜20重量部含有され、硬さ(JIS K 6253)がA55〜100とされる。
また、親水性として接触角が45°以下とされる。接触角が45°以下であればロール表面に接触した水がロール表面に広がって水膜を形成することができる。これにより、搬送用ロール10では、抄紙工程に用いる場合に、紙の水分を利用して水膜を形成して親水性のロール表面とすることができ、疎水性のピッチなどの汚れを弾くようにして付着を防止することができる。
また、親水性ゴム組成物の硬さをA55〜100とすることで、摩耗を抑制し、表面疵の発生を抑えることができ、摩耗や表面疵に対しては、再研磨することも可能となる。
親水性ゴム組成物のゴム原料に対する親水化用可塑剤の添加量は、次のような実験を行い、製造した親水性ゴム組成物の硬さおよび接触角を測定するとともに、接触角と汚れ難さとの関係を求めることなどで決定される。
(実験例1)
(試料片の作成)
原料ゴムとしてX−NBR(日本ゼオン製品Nipol1072)100重量部に対し、親水化用可塑剤として(ストラクトール製品AW−1)を表1に示す添加量の範囲3〜17重量部と、後述する実施例1(表3参照)の20重量部との範囲で変化させた。
さらに、表1に示す各配合剤を添加した。
加硫は、プレス加硫とし、147℃で180minとした。
試料片として50×50×10mmのものを作成した。
(汚れの評価)
汚れの評価を行うため、試験液としてピッチに相当する洗濯糊(主成分:酢酸ビニル系ポリマ)200ccに水1500ccと青色の顔料を加えて着色したもの(汚れ液)を用意した。
汚れの評価装置20として、図2に示すように、一側面が開口した箱状の囲い21内に水平に置いた試料片Tに、スプレー22を用い水を4回スプレーした後(水膜形成後)、ピッチに相当する汚れ液をスプレー22で2回スプレーした。この試料片Tを、表面を垂直にして支持台23に吊るし、自然乾燥させた。
乾燥後の試料片Tの表面を観察し、青色の汚れの付着を目視観察して◎:汚れない、○:ほとんど汚れない、×:汚れる、の3段階で評価した。
また、硬さおよび接触角について測定し、その結果を表1に示した。
(実験結果)
表1に示した実験結果から親水化用可塑剤の添加量は、原料ゴムとしてX−NBR(日本ゼオン製品Nipol1072)100重量部に対し、10〜20重量部添加することで、汚れの付着がない◎または、ほとんど汚れない○とすることができるものとなった。
また、親水化用可塑剤がこの範囲では、硬度は、A55〜100の範囲となり、接触角は45°以下であった。
さらに、親水化用可塑剤が15〜20重量部の範囲では、汚れの付着がない◎であり、接触角は、28°〜20°と30°以下となった。
なお、親水化用可塑剤が、20重量部を越えて多くなると、ブリードが発生し試料片Tの作成ができなかった。
(実験例2)
(試料片の作成)
原料ゴムとして天然ゴム(NR)100重量部に対し、親水化用可塑剤として(ストラクトール製品AW−1)を表2に示す添加料の範囲3〜17重量部と、後述する実施例3(表3参照)の20重量部との範囲で変化させた。
さらに、表2に示す各配合剤を添加し、加硫は、プレス加硫にて147℃で60minとした以外は、実験例1と同一の条件で試料片を作成した。
汚れの評価については、実験例1と同一の方法によって評価するとともに、硬さ、接触角について測定し、その結果を表2に示した。
(実験結果)
表2に示した実験結果から親水化用可塑剤の添加量は、原料ゴムとして天然ゴム(NR)(TSR CV−60)100重量部に対し、10〜20重量部添加することで、汚れの付着がない◎または、ほとんど汚れない○とすることができるものとなった。
また、親水化用可塑剤がこの範囲では、硬度は、A55〜100の範囲となり、接触角は45°以下であった。
さらに、親水化用可塑剤が17〜20重量部の範囲では、汚れの付着がない◎であり、接触角は、30°であって30°以下となった。
なお、親水化用可塑剤が、20重量部を越えて多くなると、ブリードが発生し試料片Tの作成ができなかった。
なお、詳細は省略するが、原料ゴムとしてアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)(中高ニトリルグレード)を用いて同様の実験を行い、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)(中高ニトリルグレード)100重量部に対し、親水化用可塑剤の添加量を20重量部添加することで、ほとんど汚れない○とすることができるものとなり、同様の結果を得た。この場合も親水化用可塑剤がこの範囲では、硬度は、A55〜100の範囲となり、接触角は45°以下であった。
Figure 0006883314
Figure 0006883314
次に、本発明の親水性ゴム組成物の実施例について、比較例とともに説明する。
(実施例1)
原料ゴムとしてX−NBR(日本ゼオン製品Nipol1072)100重量部に対し、親水化用可塑剤として(ストラクトール製品AW−1)を20重量部配合するとともに、表3に示す各配合剤を添加して混練した。試料片Tとして50×50×10mmのものを作成し、147℃、180minでプレス加硫を行った。
得られた試料片Tを、実験例と同様に、汚れの評価と、硬さおよび接触角を測定し、その結果を表3に示した。
実施例1の親水性ゴム組成物では、汚れ難さは、汚れない◎であり、硬さはA68、接触角は20°と小さかった。
(実施例2)
原料ゴムとしてNBR(中高ニトリルグレード)を用い、他の配合剤として過酸化亜鉛に代えて酸化亜鉛を配合した以外は、実施例1と同様にして混練し、試料片Tとして50×50×10mmのものを作成し、147℃、180minでプレス加硫を行った。
得られた試料片Tを、実験例と同様に、汚れの評価と、硬さおよび接触角を測定し、その結果を表3に示した。
実施例2の親水性ゴム組成物では、汚れ難さは、ほとんど汚れない○であり、硬さはA58、接触角は45°であった。
(実施例3)
原料ゴムとしてNR(TSR CV−60)を用い、他の配合剤として過酸化亜鉛に代えて酸化亜鉛を配合した以外は、実施例1と同様にして混練し、試料片として50×50×10mmのものを作成し、147℃、60minでプレス加硫を行った。
得られた試料片Tを、実験例と同様に、汚れの評価と、硬さおよび接触角を測定し、その結果を表3に示した。
実施例3の親水性ゴム組成物では、汚れ難さは、汚れない◎であり、硬さはA55、接触角は30°であった。
(比較例1)
原料ゴムに配合する親水化用可塑剤を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして混練し、試料片Tとして50×50×10mmのものを作成し、147℃、180minでプレス加硫を行った。
得られた試料片Tを、実験例と同様に、汚れの評価と、硬さおよび接触角を測定し、その結果を表3に示した。
比較例1では、汚れ難さは、汚れる×であり、硬さはA84、接触角は65°であった。
(比較例2)
原料ゴムに配合する親水化用可塑剤を使用しなかった以外は、実施例2と同様にして混練し、試料片Tとして50×50×10mmのものを作成し、147℃、180minでプレス加硫を行った。
得られた試料片Tを、実験例と同様に、汚れの評価と、硬さおよび接触角を測定し、その結果を表3に示した。
比較例2では、汚れ難さは、汚れる×であり、硬さはA70、接触角は96°であった。
(比較例3)
原料ゴムに配合する親水化用可塑剤を使用しなかった以外は、実施例3と同様にして混練し、試料片Tとして50×50×10mmのものを作成し、147℃、60minでプレス加硫を行った。
得られた試料片Tを、実験例と同様に、汚れの評価と、硬さおよび接触角を測定し、その結果を表3に示した。
比較例3では、汚れ難さは、汚れる×であり、硬さはA66、接触角は85°であった。
Figure 0006883314
次に、親水性ゴム組成物をロール表面に備える搬送用ロール10について説明する。
搬送用ロール10は、親水性ゴム組成物をロール表面に備えて構成され、例えば、図1に示すように、抄紙工程の各パート11〜17間に設けられ、紙Pのたるみを防止しながら紙Pを搬送するものとして用いられる。
本発明の搬送用ロール10は、紙Pの表面と直接接触しロール表面に油を主成分とする疎水性のピッチなどが付着しようとしても親水性のロール表面とすることでロール表面に紙Pの水分を利用して水膜を形成し、これによってピッチなどの汚れを弾くようにする。
搬送用ロール10は、芯金の周囲に円筒状の親水性ゴム組成物を設けて構成され、これまでのゴムロールと同様、積層方式や注型方式で製造される。
積層方式では、親水性ゴム組成物を混練し、カレンダした未加硫のシート状のゴムを、接着剤を塗布した芯金に巻き付けた後、加硫、研磨などを行って製造する。また、注型方式では、金型内に芯金を設置し、芯金の周囲の金型内に、混練した未加硫の親水性ゴム組成物を注入した後、加硫、研磨などを行って製造する。
芯金としては、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、黄銅やリン青銅などの金属製のものが用いられる。
親水性ゴム組成物は、芯金の表面に、例えば厚さ6mm程度(直径で、12mm程度)とされる。このような厚さの親水性ゴム組成物を設けることで、ロール表面の摩耗や表面疵の状態により、再研磨して使用することが可能となる。
また、搬送用ロール10は、親水性ゴム組成物の硬度がA55〜100と硬く、しかも接触角が45°以下、好ましくは、30°以下としてあり、親水性により、紙などに含まれる水分で搬送ロール10の表面に水膜を形成することができる。
これにより、紙などの原料に含まれるピッチなどを弾くことで付着を防止することができると同時に、紙などの搬送に伴う摩耗が少なく、表面疵の発生を抑えることができる。
なお、水分のない、あるいは少ない状況下で搬送用ロール10を使用する場合には、搬送用ロール10の表面にシャワーなどで水分を供給するようにして水膜を形成することもできる。
以上、実施の形態とともに詳細に説明したように、本発明の親水性ゴム組成物およびこれを用いた搬送用ロール10によれば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)のいずれか1種または2種以上を組み合わせた原料ゴム100重量部と、原料ゴム100重量部に対しポリエチレングリコールを含むものまたはポリエチレングリコールエステルによる親水化用可塑剤を10〜20重量部と、カーボンブラックと、を含有し、加硫されて硬さ(JIS K 6253)がA55〜100であり、接触角が45°以下であって表面に接触した水分による水膜を形成可能とするので、親水性のゴム組成物とすることができる。これにより、親水性ゴム組成物の表面に油を主成分とする疎水性のピッチなどの付着を防止することができる。
また、搬送用ロール10によれば、ロール表面に水膜を形成することで、疎水性のピッチを弾いて付着を防止することができる。また、硬さ(JIS K 6253)をA55〜100とすることで、摩耗を低減でき、表面疵の発生を抑えることもできる。
本発明の親水性ゴム組成物およびこれを備えた搬送ロール10によれば、親水化用可塑剤は、ポリエチレングリコールを含むものであるので、ゴム原料に配合することで、ゴム組成物を親水性にすることができる。これにより、搬送用ロール10によれば、親水性ゴム組成物の表面に油を主成分とする疎水性のピッチなどの付着を防止することができる。
本発明の親水性ゴム組成物およびこれを備えた搬送ロール10によれば、親水化用可塑剤は、ポリエチレングリコールエステルであるので、ゴム原料に配合することで、ゴム組成物を一層確実に親水性にすることができる。これにより、搬送用ロール10によれば、親水性ゴム組成物の表面に油を主成分とする疎水性のピッチなどの付着を一層確実に防止することができる。
本発明の親水性ゴム組成物およびこれを備えた搬送ロール10によれば、接触角が、30°以下であるので、ゴム組成物の濡れ性を高めて一層確実に親水性を得ることができる。これにより、搬送用ロール10によれば、親水性ゴム組成物の表面に油を主成分とする疎水性のピッチなどの付着を一層確実に防止することができる。
本発明の親水性ゴム組成物およびこれを備えた搬送ロール10によれば、原料ゴムは、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)のいずれか1種または2種以上を組み合わせたものであるので、かかる原料ゴムによって親水性ゴム組成物を得ることができる。これにより、搬送用ロール10によれば、親水性ゴム組成物の表面に油を主成分とする疎水性のピッチなどの付着を確実に防止することができる。
本発明の親水性ゴム組成物によれば、原料ゴムは、カルボキシ基を含有するアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)であるので、かかる原料ゴムによって親水性に優れたゴム組成物を得ることができる。これにより、搬送用ロール10によれば、親水性ゴム組成物の表面に油を主成分とする疎水性のピッチなどの付着を確実に防止することができる。
本発明の搬送用ロール10によれば、親水性ゴム組成物をロール表面に備えて構成したので、親水性ゴム組成物のロール表面に油を主成分とする疎水性のピッチなどの付着を確実に防止することができる。
なお、上記実施の形態では、疎水性のピッチなどの汚れとして紙などの原料に含まれる油を主成分とするものを例に説明したが、これに限らず疎水性の汚れの付着に対し広く適用できるゴム組成物である。
また、本願発明は、上記実施の形態や実施例に何ら限定するものではなく、本願発明の要旨を変更しない範囲で広く適用できるものである。
10 搬送用ロール
11 ワイヤパート
12 プレスパート
13 ドライヤパート
14 サイズパート
15 ドライヤパート
16 カレンダパート
17 リールパート
20 汚れ試験装置
21 囲い
22 スプレー
23 支持台
P 紙
T 試料片

Claims (5)

  1. アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)のいずれか1種または2種以上を組み合わせた原料ゴム100重量部と、
    前記原料ゴム100重量部に対しポリエチレングリコールを含むものまたはポリエチレングリコールエステルによる親水化用可塑剤を10〜20重量部と、
    カーボンブラックと、を含有し、
    加硫されて硬さ(JIS K 6253)がA55〜100であり、
    接触角が45°以下であって表面に接触した水分による水膜を形成可能とする、
    ことを特徴とする親水性ゴム組成物。
  2. 前記接触角が、30°以下である、
    ことを特徴とする請求項に記載の親水性ゴム組成物。
  3. 前記カーボンブラックは、前記原料ゴム100重量部に対し40重量部を含有している、
    ことを特徴とする請求項に記載の親水性ゴム組成物。
  4. 前記原料ゴムは、カルボキシ基を含有するアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)である、
    ことを特徴とする請求項に記載の親水性ゴム組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の親水性ゴム組成物をロール表面に備え、前記ロール表面に、接触した水分による水膜を形成可能に構成した、
    ことを特徴とする搬送用ロール。
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