JP6883279B2 - 貫通電極基板の製造方法及び貫通電極基板 - Google Patents
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Description
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る貫通電極基板10について説明する。図1は、貫通電極基板10を示す断面図であり、図2は、その貫通孔周辺の拡大断面図である。
基板12は、第1面13及び第1面13の反対側に位置する第2面14を含む。基板12は、一定の絶縁性を有する材料から構成されている。例えば、基板12は、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、樹脂基板、シリコン基板、炭化シリコン基板、アルミナ(Al2O3)基板、窒化アルミ(AlN)基板、酸化ジリコニア(ZrO2)基板など、又は、これらの基板が積層されたものである。基板12は、アルミニウム基板、ステンレス基板など、導電性を有する材料から構成された基板を含んでいてもよい。
貫通電極22は、貫通孔20の内部に設けられた、導電性を有する部材である。貫通電極22は、図2に示すように、中空状に形成されており、貫通孔20の側壁21に沿って広がっている。すなわち、貫通電極22はいわゆるコンフォーマルビアであり、その内周面によって形成される中空部22Aを有する。
充填層28は、貫通電極22の中空部22Aに充填されている。このような充填層28を貫通孔20に設けることにより、貫通孔20の内部にめっき液、有機材料、無機材料などの残渣が混入することを抑制することができる。
第1配線構造部30は、基板12の第1面13側に設けられた導電層や絶縁層などの層を有する。本実施形態において、第1配線構造部30は、第1面第1配線層31、第1面絶縁層32及び第1面第2配線層33を有する。
第1面第1配線層31は、第1面13上に位置する、導電性を有する層である。第1面第1配線層31は、貫通電極22に電気的に接続されていてもよく、図示の例では、貫通電極22が、一部の第1面第1配線層31に電気的に接続されている。また、図2に示すように、第1面第1配線層31は、基板12の第1面13上に順に積層された第1面第2シード層(第1面第2下地層)311及び第1面第2めっき層(第1面第2導電層)312を含んでいる。第1面第1配線層31を構成する材料は、貫通電極22を構成する材料と同様であってもよい。
図1に示すように、第1面絶縁層32は、第1面13、第1面第1配線層31及び充填層28上に位置する。第1面絶縁層32は、有機材料を含み且つ絶縁性を有する層である。第1面絶縁層32の有機材料としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂などを用いることができる。
第1面第2配線層33は、第1面絶縁層32上に位置する、導電性を有する層である。第1面第2配線層33は、貫通電極22や第1面第1配線層31と同様に、順に積層されたシード層及びめっき層を含んでいてもよい。第1面第2配線層33を構成する材料は、貫通電極22や第1面第1配線層31を構成する材料と同様である。
第2配線構造部40は、基板12の第2面14側に設けられた導電層や絶縁層などの層を有する。本実施形態において、第2配線構造部40は、第2面第1配線層41、第2面絶縁層42及び第2面第2配線層43を有する。図2に示すように、第2面第1配線層41は、基板12の第2面14上に順に積層された第2面第2シード層(第2面第2下地層)411及び第2面第2めっき層(第2面第2導電層)412を含んでいる。第2配線構造部40は、第1配線構造部30と同様の構造のため、その詳細な説明は省略する。
以下、貫通電極基板10の製造方法の一例について、図3乃至図13を参照しつつ説明する。
まず、基板12を準備する。次に、第1面13及び第2面14の少なくともいずれかにレジスト層を設ける。その後、レジスト層のうち貫通孔20に対応する位置に開口を設ける。次に、レジスト層の開口において基板12を加工することにより、図3に示すように、基板12に貫通孔20を形成することができる。基板12を加工する方法としては、反応性イオンエッチング法、深掘り反応性イオンエッチング法などのドライエッチング法や、ウェットエッチング法などを用いることができる。
次に、貫通孔20の側壁21に貫通電極22を形成する。スパッタリング法、蒸着法、またはこれらの組み合わせによって、図4に示すように、第1面13上、第2面14上及び貫通孔20の側壁21上に第1シード層(第1下地層)221を形成する。続いて、図5に示すように、電解めっきによって、第1シード層221上に第1めっき層(第1導電層)222を形成する。このようにして、貫通電極22、第1面13上の被覆層131及び第2面14上の被覆層141が形成される。被覆層131,141は、第1シード層221と第1めっき層222とを含んでいる。
次に、図6に示すように、貫通電極22の中空部22Aに有機材料28Mを充填し、中空部22A内に充填層28を形成する。本例では、中空部22Aに充填層28を構成する有機材料28Mが充填された際に、有機材料28Mは、貫通電極22の表面を超えて積層され、被覆層131,141上にも積層された状態となる。
次に図7に示すように、被覆層131,141が第1面13上から除去され且つ充填層28の表面が第1面13以下となるように被覆層131,141と充填層28とを研磨する。研磨は、機械研磨、化学機械研磨又はこれらの混合であり、これらのいずれかによる研磨後に被覆層131,141及び/又は充填層28に対してエッチングを行ってもよい。
次に、図8に示すように、第1面13上、第1面13側の貫通電極22上及び充填層28上に跨がるように第1面第2シード層(第1面第2下地層)311を形成する。また、第2面14上、第2面14側の貫通電極22上及び充填層28上に跨がるように第2面第2シード層(第2面第2下地層)411を形成する。第1面第2シード層311及び第2面第2シード層411は、本例では、スパッタリング法、蒸着法、またはこれらの組み合わせによって形成される。
次に、図12に示すように、第1面13上、第1面第1配線層31上及び第1面13側の充填層28上に、第1面絶縁層32を設ける。また、第2面14上、第2面第1配線層41上及び第2面14側の充填層28上に、第2面絶縁層42を設ける。これら絶縁層32,42は、有機材料を含む感光層と、それを支持する基材とを有するフィルムを、基板12の第1面13側及び第2面14側に貼り付けることで形成されてもよい。より詳しくは、上記フィルムの感光層を基板12側に向けて上記フィルムを貼り付け、基材を剥離する。その後、必要に応じて、感光層をパターニングのために露光してもよい。また、これら絶縁層32,42は、ポリイミドなどの有機材料を含む液を、スピンコート法などによって塗布し、乾燥させることによって形成されてもよい。また、これら絶縁層32,42は、非感光性材料を含んでいてもよく、例えば非感光性フィルムを基板12の第1面13側及び第2面14側に貼り付けることで形成されてもよい。
次に、図13に示すように、第1面絶縁層32上に、第1面第2配線層33を設け、第2面絶縁層42上に、第2面第2配線層43を設ける。図13には、パターニング前の第1面第2配線層33と第2面第2配線層43とが示されている。所望の位置にレジストを配置し、レジストで覆われていない部分をエッチングすることにより、図1に示すような、パターニングされた第1面第2配線層33と第2面第2配線層43とが形成されることになる。
上述の実施の形態では、図2に示すように、充填層28の表面と第1面13との基板12の厚み方向における位置の差がほとんど無い例が説明された。しかしながら、本実施形態の製造方法によって製造される貫通電極基板10の形状は、製造条件等に応じて変化する場合がある。具体的には、図14に示すように、充填層28の表面が第1面13に対してへこみ、第1面第1配線層31がへこんだ充填層28の表面に至る場合がある。また図14に示す例では、貫通電極22の表面も第1面13に対してへこんでおり、充填層28の表面は、貫通電極22の表面に対してもへこんでいる。なお、このような形状は、意図的に形成されてもよい。
図18は、貫通電極基板10が搭載されることができる製品の例を示す図である。本発明の実施形態に係る貫通電極基板10は、様々な製品において利用され得る。例えば、ノート型パーソナルコンピュータ110、タブレット端末120、携帯電話130、スマートフォン140、デジタルビデオカメラ150、デジタルカメラ160、デジタル時計170、サーバ180等に搭載される。
12…基板
13…第1面
131…被覆層
14…第2面
141…被覆層
20…貫通孔
21…側壁
22…貫通電極
22A…中空部
221…第1シード層(第1下地層)
222…第1めっき層(第1導電層)
28…充填層
28M…有機材料
28P…外周部分
30…第1配線構造部
31…第1面第1配線層
31E…延出部
311…第1面第2シード層(第1面第2下地層)
312…第1面第2めっき層(第1面第2導電層)
32…第1面絶縁層
33…第1面第2配線層
40…第2配線構造部
41…第2面第1配線層
411…第2面第2シード層(第2面第2下地層)
412…第2面第2めっき層(第2面第2導電層)
42…第2面絶縁層
43…第2面第2配線層
Claims (15)
- 第1面及び第2面を含み、前記第1面から前記第2面へ貫通する貫通孔が設けられた基板を準備する工程と、
前記基板の少なくとも前記第1面と前記貫通孔の側壁とに第1下地層を形成する工程と、
前記第1下地層上に第1導電層を形成することにより、それぞれ前記第1下地層及び前記第1導電層を含む前記第1面上の被覆層と前記貫通孔の側壁に沿う中空状の貫通電極とを形成する工程と、
前記貫通電極の中空部に絶縁性を有する有機材料を充填し、前記中空部内に前記有機材料で構成される充填層を形成する工程と、
前記被覆層が前記第1面上から除去され且つ前記充填層の表面が前記第1面以下となるように前記被覆層と前記充填層とを研磨し、前記充填層の表面を前記第1面に対してへこませる工程と、
前記第1面上、前記貫通電極上及び前記充填層上に跨がるように第2下地層を形成する工程と、
前記第2下地層上に第2導電層を形成することにより、前記第1面上の第1配線層を形成する工程と、
前記第1配線層が前記第1面側の前記充填層の表面のうちの少なくとも一部に重ならないように前記第1配線層をパターニングする工程と、を備える、貫通電極基板の製造方法。 - 前記被覆層と前記充填層とを研磨する工程では、前記第1面側の前記充填層の表面と前記第1面との前記基板の厚み方向における位置の差を10μm以下にする、請求項1に記載の貫通電極基板の製造方法。
- 前記第1配線層は、前記第1面と前記第1面側の前記充填層の表面の一部とに跨がるように形成される、請求項1に記載の貫通電極基板の製造方法。
- 前記第1配線層は、前記充填層の表面上で前記貫通電極の内周面に付着するように形成される、請求項3に記載の貫通電極基板の製造方法。
- 前記第1配線層上及び前記充填層上に、絶縁層を設ける工程をさらに備える、請求項1乃至4のいずれかに記載の貫通電極基板の製造方法。
- 前記絶縁層上に、第2配線層を設ける工程をさらに備える、請求項5に記載の貫通電極基板の製造方法。
- 前記第2配線層は、前記貫通孔上に位置するように設けられる、請求項6に記載の貫通電極基板の製造方法。
- 前記有機材料は、非感光性樹脂である、請求項1乃至7のいずれかに記載の貫通電極基板の製造方法。
- 第1面及び第2面を含み、前記第1面から前記第2面へ貫通する貫通孔が設けられた基板と、
第1下地層及び前記第1下地層上の第1導電層を含み、前記貫通孔の内部で前記貫通孔の側壁に沿う中空状の貫通電極と、
前記貫通孔内に充填された絶縁性を有する有機材料で構成される充填層と、
前記基板の前記第1面と前記第1面側の前記貫通電極の表面とに跨がるように位置する第2下地層及び前記第2下地層上の第2導電層を含む第1配線層と、を備え、
前記充填層の表面が前記第1面に対してへこんでおり、
前記第1配線層は、前記第1面側の前記充填層の表面のうちの少なくとも一部に重ならない、貫通電極基板。 - 前記第1面側の前記充填層の表面と前記第1面との前記基板の厚み方向における位置の差は、10μm以下である、請求項9に記載の貫通電極基板。
- 前記第1配線層は、前記第1面と前記第1面側の前記充填層の表面の一部とに跨がっている、請求項9に記載の貫通電極基板。
- 前記第1配線層は、前記充填層の表面上で前記貫通電極の内周面に付着している、請求項11に記載の貫通電極基板。
- 前記第1配線層上及び前記充填層上の絶縁層をさらに備える、請求項9乃至12のいずれかに記載の貫通電極基板。
- 前記絶縁層上の第2配線層をさらに備える、請求項13に記載の貫通電極基板。
- 前記第2配線層は、前記貫通孔上に位置する、請求項14に記載の貫通電極基板。
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