JP2018056530A - 有孔基板の製造方法及び有孔基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】研磨を行わずに有孔基板表面を平坦化できる有孔基板の製造方法及び有孔基板を提供する。
【解決手段】有孔基板の製造方法は、第1面13及び第2面14を有し、第1面から第2面へ貫通する貫通孔20が設けられた基板を準備する準備工程と、少なくとも第1面側から貫通孔の内部に、樹脂を含む芯材層形成材を充填する第1充填工程と、芯材層形成材を硬化させ、硬化した後の少なくとも芯材層形成材の第1面側の表面を、第1面よりも第2面側に位置させる第1硬化工程と、貫通孔の内部における少なくとも芯材層形成材の第1面側の表面上に、被覆層形成材を充填する第2充填工程と、を備える。
【選択図】図2

Description

本開示の実施形態は、有孔基板の製造方法及び有孔基板に関する。
第1面及び第2面を含み、第1面から第2面へ貫通する貫通孔が設けられた基板と、基板の第1面側から第2面側へ至るように貫通孔の内部に設けられた貫通電極と、を備える貫通電極基板が知られている。貫通電極基板の貫通電極の例としては、いわゆるフィルドビアやコンフォーマルビアが知られている。フィルドビアの場合、貫通電極は、貫通孔の内部に充填された銅などの導電性材料を含む。コンフォーマルビアの場合、貫通電極は、貫通孔に中空部が存在するよう、貫通孔の側壁に沿って広がっている。
ところで、貫通孔に中空部が存在していると、貫通孔に貫通電極を形成した後の工程において、導電性材料の屑などが残渣として貫通孔の中空部に入ってしまうことがある。このような課題を解決する手段として、中空部に樹脂を充填することが挙げられる。例えば特許文献1,2は、まず、基板の第1面側から中空部に樹脂を充填し、樹脂を硬化させ、その後、樹脂のうち不要な部分を研磨により除去するとともに中空部に充填された樹脂を平坦化する、という手段を開示している。
特開2015−211077号公報 特開2001−15909号公報
樹脂を研磨する工程を実施すると、基板に応力が加わり、この結果、基板に割れなどの損傷が生じてしまうことがある。そのため、基板に割れなどの損傷が生じてしまうことを抑制しつつ、基板の貫通孔に充填される樹脂等の部材を平坦化することが望まれる。
本開示の実施形態は、このような課題を解決することができる有孔基板の製造方法及び有孔基板を提供することを目的とする。
本開示の一実施形態は、有孔基板の製造方法であって、第1面及び第2面を含み、前記第1面から前記第2面へ貫通する貫通孔が設けられた基板を準備する準備工程と、前記貫通孔の内部に、樹脂を含む芯材層形成材を充填する第1充填工程と、前記芯材層形成材を硬化させる第1硬化工程であって、硬化した後の少なくとも前記芯材層形成材の前記第1面側の表面を、前記第1面よりも前記第2面側に位置させる第1硬化工程と、前記貫通孔の内部における少なくとも前記芯材層形成材の前記第1面側の表面上に、被覆層形成材を充填する第2充填工程と、を備える、製造方法、である。
本開示の一実施形態による有孔基板の製造方法において、前記被覆層形成材は、樹脂を含み、前記製造方法は、前記被覆層形成材を硬化させる第2硬化工程をさらに備えてもよい。
本開示の一実施形態による有孔基板の製造方法において、前記第2充填工程は、前記基板の前記貫通孔を、少なくとも前記第1面側から、前記被覆層形成材を含む外側充填フィルムで覆う工程と、前記外側充填フィルムに、前記外側充填フィルムによって覆われた前記貫通孔の内部の圧力よりも高い圧力を加えて、前記被覆層形成材を前記貫通孔の内部に押し込んで充填する工程と、を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による有孔基板の製造方法において、前記第2充填工程は、前記外側充填フィルムの前記被覆層形成材を加熱する工程をさらに含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による有孔基板の製造方法において、前記第2充填工程は、加熱された押圧部材を介して、少なくとも前記第1面側の前記外側充填フィルムを前記基板の前記第1面に向けて押圧する工程をさらに含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による有孔基板の製造方法において、前記被覆層形成材は、前記樹脂として、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による有孔基板の製造方法において、前記被覆層形成材の前記樹脂は、電磁波又は荷電粒子線に対する反応性を有し、前記第2充填工程は、前記貫通孔の内部に充填された前記被覆層形成材のうちの、少なくとも前記芯材層形成材の前記第1面側の表面上の前記被覆層形成材を硬化状態に移行又は維持させるように、前記基板に向けて電磁波又は荷電粒子線を照射する工程と、非硬化状態の前記被覆層形成材を除去する工程と、を含み、前記第2硬化工程では、電磁波又は荷電粒子線によって硬化された前記被覆層形成材を熱硬化させてもよい。
本開示の一実施形態による有孔基板の製造方法において、前記準備工程において準備される前記基板の前記貫通孔の側壁には、貫通電極が設けられており、且つ、前記基板の少なくとも前記第1面には、前記貫通電極に接続され、前記第1面に位置する第1配線が設けられており、前記第2硬化工程では、少なくとも前記芯材層形成材の前記第1面側の表面上の前記被覆層形成材の表面と、これに隣接する前記第1面に位置する前記第1配線の表面とが、前記基板の面方向に沿って連なるように、前記被覆層形成材を硬化させてもよい。
この場合、前記第2硬化工程では、前記基板の厚み方向における、少なくとも前記芯材層形成材の前記第1面側の表面上の前記被覆層形成材の表面と、前記第1配線の表面との間の距離が5μm以下になるまで、前記被覆層形成材を硬化させてもよい。
本開示の一実施形態による有孔基板の製造方法において、前記第2充填工程では、前記貫通孔の内部における少なくとも前記芯材層形成材の前記第1面側の表面上に、前記被覆層形成材として、金属層が充填されてもよい。
本開示の一実施形態による有孔基板の製造方法において、前記準備工程において準備される前記基板の前記貫通孔の側壁には、貫通電極が設けられており、且つ、前記基板の少なくとも前記第1面には、前記貫通電極に接続され、前記第1面に位置する第1配線が設けられており、前記第2充填工程では、少なくとも前記芯材層形成材の前記第1面側の表面上の前記金属層の表面と、これに隣接する前記第1面に位置する前記第1配線の表面とが、前記基板の面方向に沿って連なるように、前記金属層を充填してもよい。
本開示の一実施形態による有孔基板の製造方法において、前記第1充填工程は、前記基板の前記貫通孔を、少なくとも前記第1面側から、前記芯材層形成材を含む内側充填フィルムで覆う工程と、前記内側充填フィルムに、前記内側充填フィルムによって覆われた前記貫通孔の内部の圧力よりも高い圧力を加えて、前記芯材層形成材を前記貫通孔の内部に押し込んで充填する工程と、を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による有孔基板の製造方法において、前記第1充填工程は、前記内側充填フィルムの前記芯材層形成材を加熱する工程をさらに含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による有孔基板の製造方法において、前記第1充填工程は、加熱された押圧部材を介して、少なくとも前記第1面側の前記内側充填フィルムを前記基板の前記第1面に向けて押圧する工程をさらに含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による有孔基板の製造方法において、前記芯材層形成材は、前記樹脂として、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による有孔基板の製造方法において、前記第1硬化工程では、前記芯材層形成材を熱硬化させてもよい。
本開示の一実施形態による有孔基板の製造方法において、前記芯材層形成材は、前記樹脂として、電磁波又は荷電粒子線によって硬化する硬化性樹脂を含んでいてもよい。
また、本開示の一実施形態は、第1面及び第2面を含み、前記第1面から前記第2面へ貫通する貫通孔が設けられた基板と、前記基板の前記貫通孔に充填された充填部と、を備え、前記充填部は、芯材層と、被覆層とを含み、前記芯材層は、樹脂を含み、少なくとも前記第1面よりも前記貫通孔の内部側に位置し、前記被覆層は、前記芯材層と界面で接するとともに、少なくとも前記芯材層の前記第1面側に位置する、有孔基板、である。
本開示の一実施形態による有孔基板において、前記被覆層は、樹脂を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による有孔基板において、前記被覆層は、金属層であってもよい。
本開示の実施形態によれば、基板に割れなどの損傷が生じてしまうことを抑制しつつ、基板の貫通孔に充填される部材を平坦化することができる。
一実施形態に係る有孔基板を示す平面図である。 図1の有孔基板をII−II方向から見た断面図である。 一実施形態に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 一実施形態に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 一実施形態に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 一実施形態に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 一実施形態に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 一実施形態に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 一実施形態に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 一実施形態に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 一実施形態に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 一実施形態に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 一実施形態に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 一実施形態に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 一実施形態に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 一実施形態に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 一実施形態に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 一実施形態に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 第1の変形例に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 第1の変形例に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 第1の変形例に係る有孔基板の製造方法の一工程を示す断面図である。 第2の変形例に係る有孔基板を示す断面図である。 第3の変形例に係る有孔基板を示す断面図である。 貫通電極基板が搭載される製品の例を示す図である。
以下、本開示の実施形態に係る有孔基板の構成及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。また、本明細書において、「基板」、「基材」、「シート」や「フィルム」など用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「基板」や「基材」は、シートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。更に、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。また、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
以下、図1乃至図18を参照して、本開示の実施形態について説明する。ここでは、有孔基板が、貫通孔の側壁に設けられた貫通電極を備える貫通電極基板である例について説明する。
貫通電極基板
図1及び図2を参照して、本実施形態に係る貫通電極基板10について説明する。図1は、貫通電極基板10を示す平面図である。図2は、一点鎖線に沿って切断した図1の貫通電極基板10をII−II方向から見た断面図である。
図1及び図2に示すように、貫通電極基板10は、複数の貫通孔20が設けられた基板12、貫通電極22、第1配線25、第2配線27、及び充填部30を備える。以下、貫通電極基板10の各構成要素について説明する。
(基板)
基板12は、第1面13及び第1面13の反対側に位置する第2面14を含む。基板12は、一定の絶縁性を有する材料から構成されている。例えば、基板12は、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、樹脂基板、シリコン基板、炭化シリコン基板、アルミナ(Al2O3)基板、窒化アルミ(AlN)基板、酸化ジリコニア(ZrO2)基板など、又は、これらの基板が積層されたものである。基板12は、アルミニウム基板、ステンレス基板など、導電性を有する材料から構成された基板を含んでいてもよい。
基板12の厚さは特に制限はないが、例えば、100μm以上且つ600μm以下の厚さの基板12を使用することが好ましい。より好ましくは、基板12は、200μm以上且つ500μm以下の厚さを有する。基板12の厚さを100μm以上とすることにより、基板12のたわみが大きくなることを抑制できる。このため、製造工程における基板12のハンドリングが困難になったり、基板12上に形成する薄膜等の内部応力に起因して基板12が反ってしまったりすることを抑制できる。また、基板12の厚さを500μm以下とすることにより、基板12に貫通孔20を形成する工程に要する時間が長くなって貫通電極基板10の製造コストが上昇してしまうことを抑制できる。
図2に示すように、貫通孔20は、基板12の第1面13から第2面14に至るよう基板12に設けられる。第1面13の面方向D1における貫通孔20の寸法S1は、例えば40μm以上且つ200μm以下の範囲内である。なお、面方向D1とは、第1面13及び第2面14に平行な方向である。
(貫通電極)
貫通電極22は、貫通孔20の内部に設けられた、導電性を有する部材である。貫通電極22は、図2に示すように、貫通孔20の側壁21に沿って広がっている。すなわち、貫通電極22はいわゆるコンフォーマルビアである。
貫通電極22が導電性を有する限りにおいて、貫通電極22の形成方法は特には限定されない。例えば、貫通電極22は、蒸着法やスパッタリング法などの物理成膜法で形成されていてもよく、化学成膜法やめっき法で形成されていてもよい。また、貫通電極22は、導電性を有する単一の層から構成されていてもよく、若しくは、導電性を有する複数の層を含んでいてもよい。以下、貫通電極22が、シード層と、シード層上に設けられためっき層と、を含む例について説明する。
シード層は、めっき層を形成するめっき工程の際に、めっき液中の金属イオンを析出させてめっき層を成長させるための土台となる、導電性を有する層である。シード層の材料としては、例えば、銅などの、めっき層と同一の金属材料を用いることができる。また、シード層の材料として、めっき層に比べて基板12の材料に対する高い密着性を有する導電性材料を用いてもよい。例えば、シード層の材料として、チタン、モリブデン、タングステン、タンタル、ニッケル、クロム、アルミニウム、これらの化合物、これらの合金など、又はこれらを積層したものを使用することができる。
シード層に堆積されるめっき層が銅を含む場合、シード層の材料としては、好ましくは、銅が基板12の内部に拡散することを抑制する材料を使用する。例えば、窒化チタン、窒化モリブデン、窒化タンタル等、又はこれらを積層したものを用いることができる。シード層の厚さは、例えば、20nm以上且つ1000nm以下の範囲内である。
めっき層は、貫通電極22の導電性を高めるためにシード層上に設けられる、導電性を有する層である。めっき層の材料としては、好ましくは、シード層に対する高い密着性を有し、且つ高い導電性を有する導電性材料が用いられる。例えば、めっき層の材料として、銅、金、銀、白金、ロジウム、スズ、アルミニウム、ニッケル、クロムなどの金属又はこれらを用いた合金など、あるいはこれらを積層したものを使用することができる。めっき層の厚さは、例えば、1μm以上且つ20μm以下の範囲内である。
めっき層の厚みは、貫通電極22に対して求められる導電性に応じて定められる。例えば、貫通電極22が電源ラインや接地ラインを導通させるための部材である場合、十分な厚さを有するめっき層が用いられる。また、貫通電極22が微弱な電気信号を導通させるための部材である場合、小さな厚みを有するめっき層を用いてもよい。又は、図示はしないが、めっき層を設けることなくシード層のみを貫通孔20に設けてもよい。
(第1配線)
第1配線25は、基板12の第1面13に設けられた、導電性を有する部材である。第1配線25は、図2に示すように、貫通電極22の第1面13側の端部に接続されている。また、図1に示すように、基板12の第1面13の法線方向に沿って第1配線25を見た場合、第1配線25は、貫通孔20を囲っている。言い換えると、第1配線25は、貫通孔20を囲う内縁25xと、内縁25xを囲う外縁25yとを有する。
なお、第1面13に位置し、且つ導電性を有する限りにおいて、第1配線25の具体的な構成が特に限られることはない。例えば、図1においては、複数の第1配線25が離散的に設けられているが、これに限られることはなく、隣り合う第1配線25が互いに接続されていてもよい。
第1配線25が導電性を有する限りにおいて、第1配線25の形成方法は特には限定されない。例えば、第1配線25を構成する導電層が、貫通電極22を構成する導電層に連続していてもよい。この場合、第1配線25は、貫通電極22と同時に一体的に形成される。
(第2配線)
第2配線27は、基板12の第2面14に設けられた、導電性を有する部材である。第2配線27は、図2に示すように、貫通電極22の第2面14側の端部に接続されている。図示はしないが、第1配線25の場合と同様に、基板12の第2面14の法線方向に沿って第2配線27を見た場合、第2配線27は、貫通孔20を囲っている。
なお、第2面14に位置し、且つ導電性を有する限りにおいて、第2配線27の具体的な構成が特に限られることはない。
第2配線27が導電性を有する限りにおいて、第2配線27の形成方法は特には限定されない。例えば、第2配線27を構成する導電層が、貫通電極22を構成する導電層に連続していてもよい。この場合、第2配線27は、第1配線25の場合と同様に、貫通電極22と同時に一体的に形成される。
(充填部)
充填部30は、貫通孔20に充填された複数の層を含む部材である。充填部30は、図2に示すように、芯材層31と、被覆層32とを含む。貫通孔20に充填部30を設けることにより、導電性材料の屑などが残渣として貫通孔20の内部に入ってしまうことを抑制することができる。
芯材層31は、第1面13よりも貫通孔20の内部側に位置する第1芯材層31Aと、第1芯材層31Aよりも第2面14側に位置し、第2面14よりも貫通孔20の内部側に位置する第2芯材層31Bと、を含んでいる。被覆層32は、第1芯材層31Aと界面35で接するとともに、第1芯材層31Aよりも第1面13側に位置する第1被覆層32Aと、第2芯材層31Bと界面37で接するとともに、第2芯材層31Bよりも第2面14側に位置する第2被覆層32Bと、を含んでいる。
第1芯材層31A及び第2芯材層31Bは、樹脂を含み、本実施形態では、この樹脂が、電磁波又は荷電粒子線によって硬化する硬化性樹脂となっている。例えば、第1芯材層31A及び第2芯材層31Bに含まれる硬化性樹脂は、ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂などの、絶縁性を有する有機材料、及び、光重合開始剤を含んでいてもよい。また、第1芯材層31A及び第2芯材層31Bに含まれる硬化性樹脂は、フェノール系樹脂、シクロオレフィン、PBO(ポリベンザオキサゾール)樹脂等を含んでいてもよい。
第1被覆層32A及び第2被覆層32Bは、樹脂を含み、本実施形態では、この樹脂が、電磁波又は荷電粒子線によって硬化する硬化性樹脂となっている。例えば、第1被覆層32A及び第2被覆層32Bに含まれる硬化性樹脂は、ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂などの、絶縁性を有する有機材料、及び、光重合開始剤を含んでいてもよい。また、第1被覆層32A及び第2被覆層32Bに含まれる硬化性樹脂は、フェノール系樹脂、シクロオレフィン、PBO樹脂等を含んでいてもよい。また、第1被覆層32A及び第2被覆層32Bに含まれる樹脂は、電磁波又は荷電粒子線に対する反応性を有する、具体的には、電磁波又は荷電粒子線を照射されることによって溶解性が増大する樹脂、例えばポジ型感光性樹脂であってもよい。なお、第1芯材層31A及び第2芯材層31Bを構成する材料と、第1被覆層32A及び第2被覆層32Bを構成する材料とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
第1芯材層31Aと第1被覆層32Aとの間の界面35は、例えば光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いることによって確認され得る。同様に、第2芯材層31Bと第2被覆層32Bとの間の界面37は、例えば光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いることによって確認され得る。第1芯材層31Aを構成する材料と、第1被覆層32Aを構成する材料とが異なる場合、基板12の厚み方向において第1面13側又は第2面14側から充填部30の組成を分析することによっても、界面35は確認され得る。同様に、第2芯材層31Bを構成する材料と、第2被覆層32Bを構成する材料とが異なる場合、基板12の厚み方向において第1面13側又は第2面14側から充填部30の組成を分析することによっても、界面37は確認され得る。
第1被覆層32Aの表面及び第2被覆層32Bの表面は、後述するように、機械研磨、化学機械研磨等の研磨をされることなく、平坦化されている。このため、第1被覆層32Aの表面及び第2被覆層32Bの表面には、研磨痕が存在しない。なお、第1被覆層32Aの表面とは、第1被覆層32Aの第1芯材層31A側の面とは反対側の面を意味し、第2被覆層32Bの表面とは、第2被覆層32Bの第2芯材層31B側の面とは反対側の面を意味する。なお、研磨痕が存在するか否かは、例えば光学顕微鏡で第1被覆層32Aの表面又は第2被覆層32Bの表面を観察することにより、確認され得る。
図2に示すように、本実施形態では、第1被覆層32Aの表面と第1配線25の表面とが、面方向D1に沿って連なっている。また、第2被覆層32Bの表面と第2配線27の表面とが、面方向D1に沿って連なっている。第1被覆層32Aの表面と第1配線25の表面との基板12の厚み方向での位置の差は、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、5m以下であることが更に好ましい。同様に、第2被覆層32Bの表面と第2配線27の表面との基板12の厚み方向での位置の差は、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることが更に好ましい。
また、後述するが、第1被覆層32A及び第2被覆層32Bは、電磁波又は荷電粒子線、具体的に本実施の形態では電磁波である光による硬化後に、熱硬化されて形成される。これにより、第1被覆層32Aの表面の位置は第1配線25の表面と連なるように調節され、第2被覆層32Bの表面の位置は第2配線27の表面と連なるように調節される。この場合、第1被覆層32A及び第2被覆層32Bの表面はそれぞれ、凸又は凹のすり鉢状であり、中央部分の領域が平滑面を有している場合がある。中央部分の領域とは、表面の周縁部分の内側の領域である。このような形状は、例えば光学顕微鏡で第1被覆層32Aの表面又は第2被覆層32Bの表面を観察することにより、確認され得る。なお、第1被覆層32A及び第2被覆層32Bの表面が凸又は凹のすり鉢状となる場合には、第1被覆層32A又は第2被覆層32Bの平滑面となる中央部分の領域と、第1配線25の表面又は第2配線27の表面とが、面方向D1に沿って連なるように、第1被覆層32A又は第2被覆層32Bが形成される。
貫通電極基板の製造方法
以下、貫通電極基板10の製造方法の一例について、図3乃至図18を参照して説明する。
(貫通孔の形成工程)
まず、基板12を準備する。次に、図3に示すように、基板12を加工して基板12に複数の貫通孔20を形成する。例えば、図示はしないが、まず、基板12の面13,14のうち貫通孔20が形成されない領域をレジスト層で覆う。続いて、基板12の面13,14のうちレジスト層で覆われていない領域を除去して、複数の貫通孔20を形成する。レジスト層で覆われていない領域を除去する方法としては、反応性イオンエッチング法、深掘り反応性イオンエッチング法などのドライエッチング法や、ウェットエッチング法などを用いることができる。
ウェットエッチング法のためのエッチング液としては、フッ化水素(HF)、硫酸(HSO)、硝酸(HNO)、塩酸(HCl)のいずれか、又はこれらのうちの混合物を用いることができる。
ドライエッチング法としては、プラズマを用いたドライエッチングRIE(Reactive Ion Etching)法、ボッシュプロセスを用いたDRIE(Deep Reactive Ion EtchingRIE)法、サンドブラスト法、レーザアブレーション等のレーザ加工等を用いることができる。
レーザ加工のためのレーザとしては、エキシマレーザ、Nd:YAGレーザ、フェムト秒レーザ等を用いることができる。Nd:YAGレーザを採用する場合、波長が1064nmの基本波、波長が532nmの第2高調波、波長が355nmの第3高調波等を用いることができる。
また、レーザ照射とウェットエッチングを適宜組み合わせることもできる。具体的には、まず、レーザ照射によって基板12のうち貫通孔20が形成されるべき領域に変質層を形成する。続いて、基板12をフッ化水素などに浸漬して、変質層をエッチングする。これによって、基板12に貫通孔20を形成することができる。
(貫通電極の形成工程)
続いて、基板12の貫通孔20に貫通電極22を形成する。例えば、まず、基板12の第1面13、第2面14、及び貫通孔20の側壁21にシード層を形成する。シード層を形成する方法としては、例えば、蒸着法やスパッタリング法などの物理成膜法や、化学成膜法などを用いることができる。続いて、シード層上に部分的にレジスト層を形成する。具体的には、シード層の領域のうち貫通電極22が形成されない領域に位置する領域がレジスト層によって覆われるよう、レジスト層を形成する。続いて、電解めっきにより、レジスト層によって覆われていないシード層の領域上にめっき層を形成する。続いて、レジスト層を除去する。その後、レジスト層によって覆われていたシード層を除去する。このようにして、図4に示す貫通電極22を形成することができる。このとき、図4に示すように、貫通電極22と同時に第1配線25及び第2配線27を形成してもよい。
(第2面側の封止工程)
続いて、基板12の貫通孔20を第2面14側で塞ぐ工程を実施する。例えば、図5に示すように、基板12の貫通孔20を第2面14側からフィルム41で覆う。これによって、基板12の周囲と貫通孔20の内部とが第2面14側で連通することを抑制することができる。フィルム41は、例えば、ポリエチレンナフタレートなどの樹脂材料を含む樹脂フィルムである。フィルム41の厚みは、例えば30μm以上且つ100μm以下である。
(第1封止工程)
続いて、図6に示すように、基板12の貫通孔20を第1面13側から第1内側充填フィルム51で覆う第1封止工程を実施する。第1内側充填フィルム51は、図6に示すように、基材52と、基材52に積層されたフィルム状の第1芯材層形成材31Cと、を有する。第1芯材層形成材31Cは、後述のように熱硬化された後に、第1芯材層31Aを形成するものである。第1芯材層形成材31Cが基板12側に位置するよう、基板12の貫通孔20を第1内側充填フィルム51で覆う。例えば、ローラーを用いて第1内側充填フィルム51を基板12の第1面13に押し付ける。これによって、貫通孔20の内部を基板12の周囲から封止することができる。
好ましくは、第1封止工程は、第1内側充填フィルム51の第1芯材層形成材31Cを加熱する工程を含む。これによって、加熱されて軟化した状態の第1芯材層形成材31Cを、基板12の第1面13に強固に取り付けることができる。第1芯材層形成材31Cを加熱する方法は特には限られない。例えば、ヒーターなどの加熱機構を備えたローラーを用いて、第1内側充填フィルム51を基板12の第1面13に押し付けてもよい。また、赤外線ヒーターなどを用いて、放射伝熱によって第1芯材層形成材31Cを加熱してもよい。
また、好ましくは、第1封止工程は、基板12の貫通孔20の内部を500Pa以下に減圧する工程を含む。例えば、第1封止工程は、500Pa以下に減圧されたチャンバの内部で基板12の貫通孔20を第1面13側から第1内側充填フィルム51で覆う。これによって、第1内側充填フィルム51によって封止された貫通孔20の内部の圧力を500Pa以下に減圧することができる。このことにより、後述する第1押込工程において、第1内側充填フィルム51の第1芯材層形成材31Cが貫通孔20の内部に押し込まれ易くなる。なお、第1内側充填フィルム51のうちの第1芯材層形成材31Cの厚みは、例えば、20μm以上70μm以下である。本実施形態では、上述したように、第1芯材層形成材31Cが、第1芯材層31Aを形成する部材であるため、電磁波又は荷電粒子線によって硬化する硬化性樹脂を含む。第1芯材層形成材31Cに含まれる硬化性樹脂は、ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂などの、絶縁性を有する有機材料、及び、光重合開始剤を含んでいてもよい。また、第1芯材層形成材31Cに含まれる硬化性樹脂は、フェノール系樹脂、シクロオレフィン、PBO樹脂等を含んでいてもよい。
(第1押込工程)
続いて、図7に示すように、第1内側充填フィルム51に、第1内側充填フィルム51によって覆われた貫通孔20の内部の圧力よりも高い圧力Pを加えて、第1内側充填フィルム51の第1芯材層形成材31Cを貫通孔20の内部に押し込んで充填する第1押込工程を実施する。例えば、図7に示すように、第1内側充填フィルム51と対向するようにダイアフラム55を配置する。続いて、基板12の周囲の圧力を、貫通孔20の内部の圧力よりも高くする。例えば、チャンバの内部に、貫通孔20の内部の圧力よりも高い圧力を有する気体を導入する。これによって、第1内側充填フィルム51がダイアフラム55を介して基板12の第1面13側に押圧され、この結果、第1内側充填フィルム51の第1芯材層形成材31Cが貫通孔20の内部に押し込まれる。図示の例では、第1面13側で、貫通孔20の内部及び外部に跨がるように第1芯材層形成材31Cを位置付けて、貫通孔20の内部に第1芯材層形成材31Cを充填している。なお、チャンバを大気に開放して基板12の周囲の圧力を大気圧にすることによって、ダイアフラム55を介して第1内側充填フィルム51を基板12の第1面13側に押圧してもよい。貫通孔20の内部の圧力と、基板12の周囲の圧力との差は、好ましくは100kPa以上である。
好ましくは、加熱された状態のダイアフラム55を、第1内側充填フィルム51に接触させる。これによって、第1内側充填フィルム51の第1芯材層形成材31Cを加熱して軟化させることができ、このことにより、第1内側充填フィルム51の第1芯材層形成材31Cが貫通孔20の内部に押し込まれ易くなる。
上述の第1封止工程及び第1押込工程は、別個の工程として順に実施されてもよい。若しくは、第1封止工程及び第1押込工程は、一連の工程として同時に実施されてもよい。例えば、同一の機構や手法を用いて、第1内側充填フィルム51を基板12の第1面13に押し付けることと、第1内側充填フィルム51の第1芯材層形成材31Cを貫通孔20の内部に押し込むこととを、一連の工程として連続的に実施してもよい。この場合、第1内側充填フィルム51を任意のタイミングで加熱してもよい。例えば、第1内側充填フィルム51の第1芯材層形成材31Cを貫通孔20の内部に押し込むタイミングで加熱を開始してもよい。また、本例では、フィルム状の第1芯材層形成材31Cが貫通孔20に充填されるが、液状の第1芯材層形成材31Cを第1面13に供給することにより、第1芯材層形成材31Cを貫通孔20に充填してもよい。
なお、図示はしないが、貫通孔20の内部の圧力よりも高い圧力を有する気体と第1内側充填フィルム51との間に、ダイアフラム55などの押圧部材が介在されていなくてもよい。すなわち、第1内側充填フィルム51が、貫通孔20の内部の圧力よりも高い圧力を有する気体によって基板12の第1面13側へ直接的に押圧されてもよい。
(第2封止工程)
続いて、基板12の第2面14からフィルム41を取り外す。次に、図8に示すように、基板12の貫通孔20を第2面14側から第2内側充填フィルム61で覆う第2封止工程を実施する。第2内側充填フィルム61は、第1内側充填フィルム51と同様に、基材62と、基材62に積層されたフィルム状の第2芯材層形成材31Dと、を有する。第2芯材層形成材31Dは、後述のように熱硬化された後に、第2芯材層31Bを形成するものである。第2芯材層形成材31Dが基板12側に位置するよう、基板12の貫通孔20を第2内側充填フィルム61で覆う。これによって、貫通孔20の内部を基板12の周囲から再び封止することができる。第2内側充填フィルム61のうちの第2芯材層形成材31Dの厚みは、例えば、20μm以上70μm以下である。また、本実施形態では、上述したように、第2芯材層形成材31Dが、第2芯材層31Bを形成する部材であるため、電磁波又は荷電粒子線によって硬化する硬化性樹脂を含む。第2芯材層形成材31Dに含まれる硬化性樹脂は、ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂などの、絶縁性を有する有機材料、及び、光重合開始剤を含んでいてもよい。また、第2芯材層形成材31Dに含まれる硬化性樹脂は、フェノール系樹脂、シクロオレフィン、PBO樹脂等を含んでいてもよい。
第1封止工程の場合と同様に、第2封止工程も、好ましくは、第2内側充填フィルム61の第2芯材層形成材31Dを加熱する工程を含む。これによって、加熱されて軟化した状態の第2芯材層形成材31Dを、基板12の第2面14に強固に取り付けることができる。また、第1封止工程の場合と同様に、第2封止工程も、好ましくは、基板12の貫通孔20の内部を500Pa以下に減圧する工程を含む。
(第2押込工程)
続いて、図9に示すように、第2内側充填フィルム61に、第2内側充填フィルム61によって覆われた貫通孔20の内部の圧力よりも高い圧力を加えて、第2内側充填フィルム61の第2芯材層形成材31Dを貫通孔20の内部に押し込んで充填する第2押込工程を実施する。図示の例では、第2面14側で、貫通孔20の内部及び外部に跨がるように第2芯材層形成材31Dを位置付けて、貫通孔20の内部に第2芯材層形成材31Dを充填している。例えば、第1押込工程の場合と同様に、第2内側充填フィルム61と対向するようにダイアフラム55を配置し、続いて、基板12の周囲の圧力を、貫通孔20の内部の圧力よりも高くする。貫通孔20の内部の圧力と、基板12の周囲の圧力との差は、好ましくは100kPa以上である。
上述の第1封止工程及び第1押込工程と同様に、第2封止工程及び第2押込工程は、別個の工程として順に実施されてもよく、若しくは、一連の工程として同時に実施されてもよい。また、本例では、フィルム状の第2芯材層形成材31Dが貫通孔20に充填されるが、液状の第2芯材層形成材31Dを第2面14に供給することにより、第2芯材層形成材31Dを貫通孔20に充填してもよい。
また、この例では、フィルム41を使用した第1封止工程及び第1押込工程の後に、第2封止工程及び第2押込工程が行われる。しかしながら、第1内側充填フィルム51及び第2内側充填フィルム61によって貫通孔20を両側から封止することによって、第1封止工程及び第2封止工程を同時に行い、その後、第1押込工程及び第2押込工程を同時に行ってもよい。また、第1封止工程及び第1押込工程を行う際に、フィルム41を使用しなくてもよい。
(第1除去工程)
続いて、図10に示すように、第1芯材層形成材31C及び第2芯材層形成材31Dに第1面13側及び第2面14側から現像液Dvを供給して、第1芯材層形成材31Cの一部及び第2芯材層形成材31Dの一部を除去する第1除去工程を実施する。本実施形態において、除去されることになる第1芯材層形成材31Cの一部は、第1芯材層形成材31Cのうちの第1面13上に位置する部分、第1配線25上に位置する部分、及び第1面13の法線方向に沿って基板12を見た場合に貫通孔20と重なる部分のうちの表面側部分である。同様に、除去されることになる第2芯材層形成材31Dの一部は、第2芯材層形成材31Dのうちの第2面14上に位置する部分、第2配線27上に位置する部分、及び第2面14の法線方向に沿って基板12を見た場合に貫通孔20と重なる部分のうちの表面側部分である。
この第1除去工程によって、図11に示すように、第1芯材層形成材31Cのうちの第1面13上に位置する部分及び第1配線25上に位置する部分が除去される。また、除去されずに残った第1芯材層形成材31Cのうちの貫通孔20と重なる部分は、第1配線25の表面に対してへこんだ状態となる。同様に、第2芯材層形成材31Dのうちの第2面14上に位置する部分及び第2配線27上に位置する部分が除去される。また、除去されずに残った第2芯材層形成材31Dのうちの貫通孔20と重なる部分は、第2配線27の表面に対してへこんだ状態となる。
現像液は、第1芯材層形成材31Cのうちの第1面13上に位置する部分及び第1配線25上に位置する部分、並びに、第2芯材層形成材31Dのうちの第2面14上に位置する部分及び第2配線27上に位置する部分を、除去するのに十分な量及び濃度に設定される。除去する方法としては、現像液による方法の他に、反応性イオンエッチング法、深掘り反応性イオンエッチング法などのドライエッチング法や、ウェットエッチング法なども用いることができる。なお、本実施形態では、第1封止工程から第1除去工程に至る工程が、第1充填工程に対応する。
(第1硬化工程)
次に、図12に示すように、第1芯材層形成材31C及び第2芯材層形成材31Dを硬化させ、第1芯材層形成材31Cの表面を第1面13よりも第2面14側に位置させ、且つ、第2芯材層形成材31Dの表面を第2面14よりも第1面13側に位置させる第1硬化工程を実施する。本実施形態では、第1芯材層形成材31C及び第2芯材層形成材31Dを焼成して熱Hを付与することにより、熱硬化させ、第1芯材層形成材31C及び第2芯材層形成材31Dを熱収縮させる。これにより、第1芯材層31A及び第2芯材層31Bが形成される。焼成温度は、第1芯材層形成材31C及び第2芯材層形成材31Dの硬化に適した温度であり、材料に応じて好適な値が変動する。例えば、第1芯材層形成材31C及び第2芯材層形成材31Dがポリイミド樹脂を含む場合には、190℃以上220℃以下の範囲に焼成温度を設定することが好ましい。
硬化後に、第1芯材層形成材31Cの表面が第1面13よりも第2面14側に位置するのであれば、硬化前の第1芯材層形成材31Cの表面は、第1面13から突出していてもよいし、第1面13よりも第2面14側に位置していてもよい。同様に、硬化後に、第2芯材層形成材31Dの表面が第2面14よりも第1面13側に位置するのであれば、硬化前の第2芯材層形成材31Dの表面は、第2面14から突出していてもよいし、第2面14よりも第1面13側に位置していてもよい。
なお、図12に示すように、第1芯材層形成材31C及び第2芯材層形成材31Dが硬化収縮した場合には、第1芯材層形成材31Cの表面には、窪み33aが形成されることがある。同様に、第2芯材層形成材31Dの表面に、窪み33bが形成されることがある。また、第1硬化工程後に、貫通孔20の内部に充填されている第1芯材層形成材31C及び第2芯材層形成材31Dは、貫通孔20の体積の1/2以上を占有するように充填されることが好ましい。
第1硬化工程では、上述したように熱硬化が行われるが、第1芯材層形成材31C及び第2芯材層形成材31Dに含まれる樹脂が、本実施形態のように電磁波又は荷電粒子線によって硬化する硬化性樹脂である場合、第1硬化工程において、電磁波又は荷電粒子線による硬化が行われてもよい。ただし、本件発明者は、第1芯材層形成材31C及び第2芯材層形成材31Dに含まれる樹脂が、電磁波又は荷電粒子線によって硬化する硬化性樹脂である場合に、第1芯材層形成材31C及び第2芯材層形成材31Dを熱硬化させることで、第1芯材層形成材31C及び第2芯材層形成材31Dにおいて硬化に起因して発生し得るボイドを電磁波又は荷電粒子線によって硬化させた場合に比べて抑制できることを知見した。したがって、第1芯材層形成材31C及び第2芯材層形成材31Dに含まれる樹脂が、電磁波又は荷電粒子線によって硬化する硬化性樹脂である場合には、第1硬化工程において熱硬化を行うことが好ましい。
(第3封止工程)
続いて、図13に示すように、基板12の貫通孔20を第1面13側から第1外側充填フィルム71で覆う第3封止工程を実施する。第1外側充填フィルム71は、図13に示すように、基材72と、基材72に積層されたフィルム状の第1被覆層形成材32Cと、を有する。第1被覆層形成材32Cは、後述のように熱硬化された後に、第1被覆層32Aを形成するものである。第1被覆層形成材32Cが基板12側に位置するよう、基板12の貫通孔20を第1外側充填フィルム71で覆う。例えば、ローラーを用いて第1外側充填フィルム71を基板12の第1面13に押し付ける。これによって、貫通孔20の内部を基板12の周囲から封止することができる。
好ましくは、第3封止工程は、第1外側充填フィルム71の第1被覆層形成材32Cを加熱する工程を含む。これによって、加熱されて軟化した状態の第1被覆層形成材32Cを、基板12の第1面13に強固に取り付けることができる。第1被覆層形成材32Cを加熱する方法は特には限られない。例えば、ヒーターなどの加熱機構を備えたローラーを用いて、第1外側充填フィルム71を基板12の第1面13に押し付けてもよい。また、赤外線ヒーターなどを用いて、放射伝熱によって第1被覆層形成材32Cを加熱してもよい。
また、好ましくは、第3封止工程は、基板12の貫通孔20の内部を500Pa以下に減圧する工程を含む。例えば、第3封止工程は、500Pa以下に減圧されたチャンバの内部で基板12の貫通孔20を第1面13側から第1外側充填フィルム71で覆う。これによって、第1外側充填フィルム71によって封止された貫通孔20の内部の圧力を500Pa以下に減圧することができる。このことにより、後述する第3押込工程において、第1外側充填フィルム71の第1被覆層形成材32Cが貫通孔20の内部に押し込まれ易くなる。なお、第1外側充填フィルム71のうちの第1被覆層形成材32Cの厚みは、例えば、10μm以上40μm以下であり、第1内側充填フィルム51よりも薄いことが好ましい。本実施形態では、上述したように、第1被覆層形成材32Cが、第1被覆層32Aを形成する部材であるため、電磁波又は荷電粒子線によって硬化する硬化性樹脂を含む。この硬化性樹脂は、ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂などの、絶縁性を有する有機材料、及び、光重合開始剤を含んでいてもよい。また、この硬化性樹脂は、フェノール系樹脂、シクロオレフィン、PBO樹脂等を含んでいてもよい。第1被覆層形成材32Cに含まれる樹脂に光重合開始剤が含まれる場合には、光硬化後の第1被覆層形成材32Cの内部においても光重合開始剤が含まれる。
(第4封止工程)
また、第3封止工程と同時、或いは第3封止工程の前又は後に、第4封止工程が実施される。第4封止工程では、図13に示すように、基板12の貫通孔20を第2面14側から第2外側充填フィルム81で覆う。第2外側充填フィルム81は、基材82と、基材82に積層されたフィルム状の第2被覆層形成材32Dと、を有する。第2被覆層形成材32Dは、後述のように熱硬化された後に、第2被覆層32Bを形成するものである。第2被覆層形成材32Dが基板12側に位置するよう、基板12の貫通孔20を第2外側充填フィルム81で覆う。例えば、ローラーを用いて第2外側充填フィルム81を基板12の第2面14に押し付ける。これによって、貫通孔20の内部を基板12の周囲から封止することができる。第2外側充填フィルム81のうちの第2被覆層形成材32Dの厚みは、例えば、10μm以上40μm以下であり、第2内側充填フィルム61よりも薄いことが好ましい。また、本実施形態では、上述したように、第2被覆層形成材32Dが、第2被覆層32Bを形成する部材であるため、電磁波又は荷電粒子線によって硬化する硬化性樹脂を含む。この硬化性樹脂は、ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂などの、絶縁性を有する有機材料、及び、光重合開始剤を含んでいてもよい。また、この硬化性樹脂は、フェノール系樹脂、シクロオレフィン、PBO樹脂等を含んでいてもよい。第2被覆層形成材32Dに含まれる樹脂に光重合開始剤が含まれる場合には、光硬化後の第1被覆層形成材32Cの内部においても光重合開始剤が含まれる。
好ましくは、第4封止工程は、第3封止工程と同様に、第2外側充填フィルム81の第2被覆層形成材32Dを加熱する工程を含む。これによって、加熱されて軟化した状態の第2被覆層形成材32Dを、基板12の第2面14に強固に取り付けることができる。また、好ましくは、第4封止工程も、基板12の貫通孔20の内部を500Pa以下に減圧する工程を含む。
(第3押込工程)
続いて、図14に示すように、第1外側充填フィルム71に、第1外側充填フィルム71によって覆われた貫通孔20の内部の圧力よりも高い圧力を加えて、第1外側充填フィルム71の第1被覆層形成材32Cを貫通孔20の内部に押し込み、第1芯材層形成材31Cの第1面13側の表面上に、第1被覆層形成材32Cを充填する第1押込工程を実施する。例えば、図14に示すように、第1外側充填フィルム71と対向するようにダイアフラム55を配置する。続いて、基板12の周囲の圧力を、貫通孔20の内部の圧力よりも高くする。例えば、チャンバの内部に、貫通孔20の内部の圧力よりも高い圧力を有する気体を導入する。これによって、第1外側充填フィルム71がダイアフラム55を介して基板12の第1面13側に押圧され、この結果、第1外側充填フィルム71の第1被覆層形成材32Cが貫通孔20の内部に押し込まれる。図示の例では、第1面13側で、貫通孔20の内部及び外部に跨がるように第1被覆層形成材32Cを位置付けて、貫通孔20の内部に第1被覆層形成材32Cを充填している。なお、チャンバを大気に開放して基板12の周囲の圧力を大気圧にすることによって、ダイアフラム55を介して第1外側充填フィルム71を基板12の第1面13側に押圧してもよい。貫通孔20の内部の圧力と、基板12の周囲の圧力との差は、好ましくは100kPa以上である。
好ましくは、加熱された状態のダイアフラム55を、第1外側充填フィルム71に接触させる。これによって、第1外側充填フィルム71の第1被覆層形成材32Cを加熱して軟化させることができ、このことにより、第1外側充填フィルム71の第1被覆層形成材32Cが貫通孔20の内部に押し込まれ易くなる。
(第4押込工程)
また、第3押込工程と同時、或いは第3押込工程の前又は後に、第4押込工程が実施される。第4押込工程では、第2外側充填フィルム81に、第2外側充填フィルム81によって覆われた貫通孔20の内部の圧力よりも高い圧力を加えて、第2外側充填フィルム81の第2被覆層形成材32Dを貫通孔20の内部に押し込む。図示の例では、第2面14側で、貫通孔20の内部及び外部に跨がるように第2被覆層形成材32Dを位置付けて、貫通孔20の内部に第2被覆層形成材32Dを充填している。例えば、第3押込工程の場合と同様に、第2外側充填フィルム81と対向するようにダイアフラム55を配置し、続いて、基板12の周囲の圧力を、貫通孔20の内部の圧力よりも高くする。貫通孔20の内部の圧力と、基板12の周囲の圧力との差は、好ましくは100kPa以上である。
なお、上述の第3封止工程及び第3押込工程は、別個の工程として順に実施されてもよい。若しくは、第3封止工程及び第3押込工程は、一連の工程として同時に実施されてもよい。同様に、上述の第4封止工程及び第4押込工程は、別個の工程として順に実施されてもよい。若しくは、第4封止工程及び第4押込工程は、一連の工程として同時に実施されてもよい。例えば、同一の機構や手法を用いて、例えば、第1外側充填フィルム71を基板12の第1面13に押し付けることと、第1外側充填フィルム71の第1被覆層形成材32Cを貫通孔20の内部に押し込むこととを、一連の工程として連続的に実施してもよい。この場合、第1外側充填フィルム71を任意のタイミングで加熱してもよい。例えば、第1外側充填フィルム71の第1被覆層形成材32Cを貫通孔20の内部に押し込むタイミングで加熱を開始してもよい。
また、本例では、フィルム状の第1被覆層形成材32Cが貫通孔20に充填されるが、液状の第1被覆層形成材32Cを第1面13に供給することにより、第1被覆層形成材32Cを貫通孔20に充填してもよい。同様に、液状の第2被覆層形成材32Dを第2面14に供給することにより、第2被覆層形成材32Dを貫通孔20に充填してもよい。
また、図示はしないが、例えば、貫通孔20の内部の圧力よりも高い圧力を有する気体と第1外側充填フィルム71との間に、ダイアフラム55などの押圧部材が介在されていなくてもよい。すなわち、第1外側充填フィルム71が、貫通孔20の内部の圧力よりも高い圧力を有する気体によって基板12の第1面13側へ直接的に押圧されてもよい。
(照射工程)
続いて、図15に示すように、基材72,82を取り外した後、第1被覆層形成材32C及び第2被覆層形成材32Dに電磁波又は荷電粒子線を、例えば光Lを照射する照射工程を実施する。照射工程では、図15に示すように、基板12上において貫通孔20の内部に充填された第1被覆層形成材32C及び第2被覆層形成材32Dの各々に光Lが照射される。光Lは、第1面13及び第2面14の法線方向に沿って照射される。これによって、貫通孔20の内部に充填された第1被覆層形成材32C及び第2被覆層形成材32Dを硬化状態に移行させることができる。
なお、第1被覆層形成材32Cへの光Lの照射と、第2被覆層形成材32Dへの光Lの照射とは、同時に実施してもよく、別々のタイミングで実施してもよい。また、第1被覆層形成材32Cへの光Lの照射は、基材72を第1被覆層形成材32Cから取り外した後に実施してもよく、基材72を第1被覆層形成材32Cから取り外す前に実施してもよい。同様に、第2被覆層形成材32Dへの光Lの照射は、基材82を第2被覆層形成材32Dから取り外した後に実施してもよく、基材82を第2被覆層形成材32Dから取り外す前に実施してもよい。また、第1被覆層形成材32C及び第2被覆層形成材32Dに含まれる樹脂が、電磁波又は荷電粒子線を照射されることによって溶解性が増大する樹脂、例えばポジ型感光性樹脂である場合、電磁波が貫通孔20の内部に充填された第1被覆層形成材32C及び第2被覆層形成材32Dを除く部分に照射されるように、電磁波を基板12に向けて照射すれば、後述の除去の際に、貫通孔20の内部に充填された第1被覆層形成材32C及び第2被覆層形成材32Dを残すことができる。すなわち、この際、電磁波を照射された部分は、溶解性が増大しているので、現像処理によって除去される。一方、電磁波を照射されていない部分は、硬化状態に維持されている。
(第2除去工程)
続いて、図16に示すように、第1被覆層形成材32C及び第2被覆層形成材32Dに現像液Dvを供給して、第1被覆層形成材32C及び第2被覆層形成材32Dのうちの硬化されていない非硬化状態の部分を除去する第2除去工程を実施する。これによって、図17に示すように、基板12上に、貫通孔20の内部に充填された第1被覆層形成材32C及び第2被覆層形成材32Dのみを残すことができる。
ここで、図17に示すように、貫通孔20の内部に充填された第1被覆層形成材32Cの表面は、第1配線25の表面に対して突出している。第1被覆層形成材32Cの表面の第1配線25の表面に対する突出量は、第3封止工程及び第3押込工程において、第1外側充填フィルム71の厚さや、第1外側充填フィルム71を基板12の第1面13に押し付ける際の位置及び圧力等を調節することにより、所望の寸法に制御できる。同様に、貫通孔20の内部に充填された第2被覆層形成材32Dの表面は、第2配線27の表面に対して突出している。第2被覆層形成材32Dの表面の第2配線27の表面に対する突出量は、第4封止工程及び第4押込工程において、第2外側充填フィルム81の厚さや、第2外側充填フィルム81を基板12の第2面14に押し付ける際の位置及び圧力等を調節することにより、所望の寸法に制御できる。なお、本実施形態では、第3封止工程から第2除去工程に至る工程が、第2充填工程に対応する。
(第2硬化工程)
続いて、貫通孔20の内部に充填された第1被覆層形成材32C及び第2被覆層形成材32Dの位置を調節するために、第1被覆層形成材32C及び第2被覆層形成材32Dを硬化させる第2硬化工程を実施する。本実施形態では、図18に示すように、第1被覆層形成材32C及び第2被覆層形成材32Dを焼成して熱Hを付与することにより、熱硬化させ、第1被覆層形成材32C及び第2被覆層形成材32Dを熱収縮させる。これにより、第1被覆層32A及び第2被覆層32Bが形成される。焼成温度は、第1被覆層形成材32C及び第2被覆層形成材32Dの硬化に適した温度であり、材料に応じて好適な値が変動する。例えば、第1被覆層形成材32C及び第2被覆層形成材32Dがポリイミド樹脂を含む場合には、190℃以上220℃以下の範囲に焼成温度を設定して、所定の時間、例えば数時間にわたり焼成することが好ましい。
第2硬化工程では、熱収縮した第1被覆層形成材32Cの表面と、これに隣接する第1面13に位置する第1配線25の表面とが、基板12の面方向D1に沿って連なるように、第1被覆層形成材32Cを硬化させる。具体的には、基板12の厚み方向における、第1被覆層形成材32Cの表面と、第1配線25の表面との間の距離が5μm以下になるまで、第1被覆層形成材32Cを硬化させる。上述したように、熱収縮前の第1被覆層形成材32Cの表面の第1配線25の表面に対する突出量は、所望の寸法に制御できる。このような寸法調整は、熱収縮後の第1被覆層形成材32Cの表面が第1配線25の表面と連なるようにするために実施される。同様に、第2硬化工程では、熱収縮した第2被覆層形成材32Dの表面と、これに隣接する第2面14に位置する第2配線27の表面とが、基板12の面方向D1に沿って連なるように、第2被覆層形成材32Dを硬化させる。具体的には、基板12の厚み方向における、第2被覆層形成材32Dの表面と、第2配線27の表面との間の距離が5μm以下になるまで、第2被覆層形成材32Dを硬化させる。上述したように、熱収縮前の第2被覆層形成材32Dの表面の第2配線27の表面に対する突出量は、所望の寸法に制御できる。このような寸法調整は、熱収縮後の第2被覆層形成材32Dの表面が第2配線27の表面と連なるようにするために実施される。
また、第1被覆層形成材32C及び第2被覆層形成材32Dの熱収縮量は、露光量、すなわち露光時間×照度や、材質に応じて、変動する。そのため、熱収縮前の第1被覆層形成材32Cの表面及び第2被覆層形成材32Dの表面を、熱収縮後に所望の状態とするために、上述の照射工程では、露光量等が調節されている。
以上に説明した本実施形態によれば、基板12の貫通孔20の内部に、まず樹脂を含む芯材層形成材31C,31Dが充填され、次いで、芯材層形成材31C,31Dが硬化により第1面13及び第2面14に対してへこんだ状態とされ、次いで、貫通孔20の内部における第1面13及び第2面14に対してへこむ芯材層形成材31C,31D上に被覆層形成材32C,32Dが充填される。被覆層形成材32C,32Dは、貫通孔20に芯材層形成材31C,31Dがあることで、充填される体積を抑制され、熱収縮等による充填後の変形量を抑制し易くなる。そのため、研磨をしなくても、被覆層形成材32C,32Dの平坦性を確保し易くなる。これにより、本実施の形態によれば、樹脂を研磨により平坦化する場合に比べて基板12に割れなどの損傷が生じてしまうことを抑制しつつ、基板12の貫通孔20に充填される部材、すなわち充填部30を平坦化することができる。
なお、上述した実施形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1の変形例)
上述の実施形態においては、被覆層形成材32が、樹脂を含む例を示した。本変形例においては、被覆層形成材32が、めっき層、すなわち金属層である例について説明する。
貫通電極基板の製造方法
以下、貫通電極基板10の製造方法の一例について、図19乃至図21を参照して説明する。なお、図3乃至図12に示す上述の実施形態の場合と同一の工程の説明については、適宜省略する。
まず、図3及び図4に示す上述の実施形態の工程の場合と同様にして、貫通電極22、第1配線25及び第2配線27が設けられた基板12を準備する。続いて、図5乃至図12に示す上述の実施形態の工程の場合と同様にして、第1内側充填フィルム51を用いて第1面13側から貫通孔20の内部に第1芯材層形成材31Cを充填し、また、第2内側充填フィルム61を用いて第2面14側から貫通孔20の内部に第2芯材層形成材31Dを充填する。
(シード層形成工程)
次いで、図19に示すように、基板12の第1面13、第2面14、第1配線25、第2配線27、貫通電極22、第1芯材層形成材31Cの表面、及び第2芯材層形成材31Dの表面にシード層を形成するシード層形成工程を実施する。シード層を形成する方法としては、例えば、蒸着法やスパッタリング法などの物理成膜法や、化学成膜法などを用いることができる。例えば、シード層の材料として、チタン、モリブデン、タングステン、タンタル、ニッケル、クロム、アルミニウム、これらの化合物、これらの合金など、又はこれらを積層したものを使用することができる。
(めっき工程)
続いて、図20に示すように、電解めっきにより、シード層の領域上に、めっき層PLを形成する。この際、シード層上に部分的にレジスト層Rを形成する。具体的には、シード層の領域のうち貫通電極22、第1芯材層形成材31Cの表面、及び第2芯材層形成材31Dの表面を覆った領域以外の領域がレジスト層Rによって覆われるよう、レジスト層Rを形成する。これにより、貫通孔20の内部における第1芯材層形成材31Cの表面上に、第1被覆層形成材32Cとしてのめっき層が充填され、第2芯材層形成材31Dの表面上に、第2被覆層形成材32Dとしてのめっき層が充填されるようになる。めっき工程では、第1被覆層形成材32Cの表面と、第1配線25の表面とが、基板12の面方向D1に沿って連なるように、めっき層が充填される。同様に、第2被覆層形成材32Dの表面と、第2配線27の表面とが、基板12の面方向D1に沿って連なるように、めっき層が充填される。
例えば、めっき層の材料としては、銅、金、銀、白金、ロジウム、スズ、アルミニウム、ニッケル、クロムなどの金属又はこれらを用いた合金など、あるいはこれらを積層したものを使用することができる。
(シード層除去工程)
続いて、レジスト層Rを除去した後、シード層を除去するシード層除去工程を実施する。ここでは、第1被覆層形成材32C上及び第2被覆層形成材32D上にマスクMが設けられ、シード層がエッチング液Eによりエッチングされて除去される。これにより、第1被覆層形成材32C及び第2被覆層形成材32Dはエッチングされることなく、基板12上のシード層が除去される。その結果、基板12と、基板12の貫通孔20に充填された充填部30と、を備え、充填部30は、芯材層31A,31Bと、被覆層32A,32Bとを含み、被覆層32A,32Bが、めっき層である、貫通電極基板が得られる。このような変形例により得られる貫通電極基板は、めっき層によって充填部30における吸湿を抑制できる。
(第2の変形例)
上述の実施形態においては、第1被覆層32A、第2被覆層32B等が露出している例を示した。本変形例においては、図22に示すように、第1被覆層32Aが第1保護層91によって覆われ、第2被覆層形成材32Bが第2保護層92によって覆われた例について説明する。
図22に示すように、第1保護層91は、第1被覆層32Aに加えて、第1配線25及び第1面13を覆っている。第2保護層92は、第2被覆層32Bに加えて、第2配線27及び第2面14を覆っている。第1保護層91及び第2保護層92は、絶縁性を有する有機材料であり、例えば塗布によって形成される。第1保護層91には、第1配線25を部分的に露出させる開口91aが設けられている。この開口91aを介して、後述する配線層などの部材を第1配線25に接続することができる。同様に、第2保護層92には、第2配線27を部分的に露出させる開口92aが設けられている。この開口92aを介して、後述する配線層などの部材を第2配線27に接続することができる。
(第3の変形例)
図23に示すように、貫通電極基板10の第1面13側には、配線層100が設けられていてもよい。配線層100は、貫通電極基板10の第1配線25に接続された導電層101と、絶縁層102とを有する。図23に示すように、複数の配線層100が第1面13側に積層されていてもよい。
同様に貫通電極基板10の第2面14側にも、配線層100が設けられていてもよい。配線層100は、貫通電極基板10の第2配線27に接続された導電層101と、絶縁層102とを有する。図23に示すように、複数の配線層100が第2面14側に積層されていてもよい。
(貫通電極基板が搭載される製品の例)
図24は、貫通電極基板10が搭載されることができる製品の例を示す図である。本発明の実施形態に係る貫通電極基板10は、様々な製品において利用され得る。例えば、ノート型パーソナルコンピュータ110、タブレット端末120、携帯電話130、スマートフォン140、デジタルビデオカメラ150、デジタルカメラ160、デジタル時計170、サーバ180等に搭載される。
なお、上述した実施形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
10…貫通電極基板
12…基板
13…第1面
14…第2面
20…貫通孔
21…側壁
22…貫通電極
25…第1配線
27…第2配線
30…充填部
31…芯材層
31A…第1芯材層
31B…第2芯材層
31C…第1芯材層形成材
31D…第2芯材層形成材
32…被覆層
32A…第1被覆層
32B…第2被覆層
32C…第1被覆層形成材
32D…第2被覆層形成材
35…界面
37…界面
51…第1内側充填フィルム
61…第2内側充填フィルム
71…第1外側充填フィルム
81…第2外側充填フィルム

Claims (21)

  1. 有孔基板の製造方法であって、
    第1面及び第2面を含み、前記第1面から前記第2面へ貫通する貫通孔が設けられた基板を準備する準備工程と、
    前記貫通孔の内部に、樹脂を含む芯材層形成材を充填する第1充填工程と、
    前記芯材層形成材を硬化させる第1硬化工程であって、硬化した後の少なくとも前記芯材層形成材の前記第1面側の表面を、前記第1面よりも前記第2面側に位置させる第1硬化工程と、
    前記貫通孔の内部における少なくとも前記芯材層形成材の前記第1面側の表面上に、被覆層形成材を充填する第2充填工程と、を備える、製造方法。
  2. 前記被覆層形成材は、樹脂を含み、
    前記製造方法は、
    前記被覆層形成材を硬化させる第2硬化工程をさらに備える、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第2充填工程は、
    前記基板の前記貫通孔を、少なくとも前記第1面側から、前記被覆層形成材を含む外側充填フィルムで覆う工程と、
    前記外側充填フィルムに、前記外側充填フィルムによって覆われた前記貫通孔の内部の圧力よりも高い圧力を加えて、前記被覆層形成材を前記貫通孔の内部に押し込んで充填する工程と、を含む、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記第2充填工程は、前記外側充填フィルムの前記被覆層形成材を加熱する工程をさらに含む、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記第2充填工程は、加熱された押圧部材を介して、少なくとも前記第1面側の前記外側充填フィルムを前記基板の前記第1面に向けて押圧する工程をさらに含む、請求項3又は4に記載の製造方法。
  6. 前記被覆層形成材は、前記樹脂として、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂を含む、請求項2乃至5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記被覆層形成材の前記樹脂は、電磁波又は荷電粒子線に対する反応性を有し、
    前記第2充填工程は、
    前記貫通孔の内部に充填された前記被覆層形成材のうちの、少なくとも前記芯材層形成材の前記第1面側の表面上の前記被覆層形成材を硬化状態に移行又は維持させるように、前記基板に向けて電磁波又は荷電粒子線を照射する工程と、
    非硬化状態の前記被覆層形成材を除去する工程と、を含み、
    前記第2硬化工程では、電磁波又は荷電粒子線によって硬化された前記被覆層形成材を熱硬化させる、請求項2乃至6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記準備工程において準備される前記基板の前記貫通孔の側壁には、貫通電極が設けられており、且つ、前記基板の少なくとも前記第1面には、前記貫通電極に接続され、前記第1面に位置する第1配線が設けられており、
    前記第2硬化工程では、少なくとも前記芯材層形成材の前記第1面側の表面上の前記被覆層形成材の表面と、これに隣接する前記第1面に位置する前記第1配線の表面とが、前記基板の面方向に沿って連なるように、前記被覆層形成材を硬化させる、請求項2乃至7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 前記第2硬化工程では、前記基板の厚み方向における、少なくとも前記芯材層形成材の前記第1面側の表面上の前記被覆層形成材の表面と、前記第1配線の表面との間の距離が5μm以下になるまで、前記被覆層形成材を硬化させる、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記第2充填工程では、前記貫通孔の内部における少なくとも前記芯材層形成材の前記第1面側の表面上に、前記被覆層形成材として、金属層が充填される、請求項1に記載の製造方法。
  11. 前記第1充填工程は、
    前記基板の前記貫通孔を、少なくとも前記第1面側から、前記芯材層形成材を含む内側充填フィルムで覆う工程と、
    前記内側充填フィルムに、前記内側充填フィルムによって覆われた前記貫通孔の内部の圧力よりも高い圧力を加えて、前記芯材層形成材を前記貫通孔の内部に押し込んで充填する工程と、を含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 前記第1充填工程は、前記内側充填フィルムの前記芯材層形成材を加熱する工程をさらに含む、請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記第1充填工程は、加熱された押圧部材を介して、少なくとも前記第1面側の前記内側充填フィルムを前記基板の前記第1面に向けて押圧する工程をさらに含む、請求項11又は12に記載の製造方法。
  14. 前記芯材層形成材は、前記樹脂として、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂を含む、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の製造方法。
  15. 前記第1硬化工程では、前記芯材層形成材を熱硬化させる、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の製造方法。
  16. 前記芯材層形成材は、前記樹脂として、電磁波又は荷電粒子線によって硬化する硬化性樹脂を含む、請求項15に記載の製造方法。
  17. 第1面及び第2面を含み、前記第1面から前記第2面へ貫通する貫通孔が設けられた基板と、
    前記基板の前記貫通孔に充填された充填部と、を備え、
    前記充填部は、芯材層と、被覆層とを含み、
    前記芯材層は、樹脂を含み、少なくとも前記第1面よりも前記貫通孔の内部側に位置し、
    前記被覆層は、前記芯材層と界面で接するとともに、少なくとも前記芯材層の前記第1面側に位置する、有孔基板。
  18. 前記被覆層は、樹脂を含む、請求項17に記載の有孔基板。
  19. 前記樹脂は、光重合開始剤を含む、請求項18に記載の有孔基板。
  20. 前記被覆層は、金属層である、請求項17に記載の有孔基板。
  21. 前記被覆層の表面は、凸又は凹のすり鉢状であり、中央部分の領域が平滑面を有している、請求項17乃至19のいずれか一項に記載の有孔基板。
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