JP2011049341A - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 セラミック基板の貫通孔に貫通導体が配置され、セラミック基板の表面から貫通導体の端面にかけて導体パターンが被着されてなり、導体パターンにおける膨れが抑制された配線基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 貫通孔1aを有するセラミック基板1と、セラミック基板1とは別に焼結されて貫通孔1a内に配置された貫通導体2と、セラミック基板1の表面から貫通導体2の端面の外周部にかけて被着されたガラス層3と、貫通導体2の端面のガラス層3で覆われた部分よりも内側にのみ被着された下地めっき層4と、セラミック基板1またはガラス層3の表面から下地めっき層4の表面にかけて被着された導体パターン5とを備える配線基板である。ガラス層3により貫通孔1aの内側面と貫通導体2との間の隙間が塞がれているので、めっき液等の隙間への入り込みが抑制され、めっき液等の気化による導体パターン5の膨れを抑制できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 貫通孔1aを有するセラミック基板1と、セラミック基板1とは別に焼結されて貫通孔1a内に配置された貫通導体2と、セラミック基板1の表面から貫通導体2の端面の外周部にかけて被着されたガラス層3と、貫通導体2の端面のガラス層3で覆われた部分よりも内側にのみ被着された下地めっき層4と、セラミック基板1またはガラス層3の表面から下地めっき層4の表面にかけて被着された導体パターン5とを備える配線基板である。ガラス層3により貫通孔1aの内側面と貫通導体2との間の隙間が塞がれているので、めっき液等の隙間への入り込みが抑制され、めっき液等の気化による導体パターン5の膨れを抑制できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、セラミック焼結体からなるセラミック基板と、セラミック基板を厚み方向に貫通する貫通孔とを備え、貫通孔内に、セラミック基板とは別に焼結された導体からなる貫通導体が配置されてなる配線基板およびその製造方法に関するものである。
従来、電子部品搭載用等に使用される配線基板として、上面および下面に複数の導体パターンが形成されたセラミック基板と、そのセラミック基板を厚み方向に貫通する貫通孔と、貫通孔内に配置された貫通導体とを備えたものが多用されている。セラミック基板の上下面の導体パターンが、貫通孔が形成された位置で上下に対向して、貫通導体を介して互いに電気的に接続されている。
このような配線基板は、例えばセラミック基板の上面の導体パターンに電子部品の電極や電子部品の電気検査を行なうためのプローブが接続され、下面の導体パターンが回路基板等の外部電気回路基板に接続される。そして、セラミック基板の上面の導体パターンと、貫通導体と、セラミック基板の下面の導体パターンとを介して、電子部品が外部電気回路と電気的に接続され、信号の送受や、電子部品に対する電気的な検査等が行なわれる。
従来、このような配線基板は、一般に、以下の方法で製作されている。すなわち、まず、酸化アルミニウムや酸化ケイ素等の原料粉末を有機溶剤や有機バインダとともにシート状に成形してセラミックグリーンシートを作製し、次に、セラミックグリーンシートに所定の孔あけ加工を施して厚み方向に貫通する貫通孔を形成する。そして、タングステンやモリブデン等の金属粉末を有機溶剤および有機バインダと混練して作製した金属ペーストを貫通孔内に充填した後、これらのセラミックグリーンシートおよび金属ペーストを所定の温度で一体焼成する。以上の工程により、貫通孔内に貫通導体が配置されたセラミック基板が製作される。そして、貫通導体の露出した端面にめっき法によってニッケルや金等の下地めっき層を被着させた後、セラミック基板の表面から貫通導体の端面(下地めっき層が被着されたもの)にかけて覆うようにスパッタリング法等の方法で導体パターンを被着させれば、配線基板が製作される。
上記従来技術の配線基板およびその製造方法においては、焼成時にセラミックグリーンシートが収縮し、この収縮率を高い精度で制御することや収縮の偏りを抑制すること等が難しいため、貫通導体の位置の精度を高くすることが難しいという問題点があった。
このような問題点に対して、まずセラミック焼結体からなるセラミック基板であって、セラミックグリーンシートの段階で貫通孔を形成していないものを準備し、このセラミック基板にドリル加工等の機械的な加工やレーザ加工等の方法で貫通孔を、位置の精度を高くして形成し、その後、貫通孔に金属ペーストを充填して、この金属ペーストを焼結させるようにして作製した配線基板、およびそのような配線基板の製造方法が考えられる。
しかしながら、セラミック焼結体からなる貫通孔内に金属ペーストを充填し、この金属ペーストをセラミックグリーンシートとの一体焼成ではなく別に焼結させた場合には、セラミック基板に形成した貫通孔内に隙間なく金属ペーストを充填することが難しいことや、金属ペーストが焼結時に収縮すること等に起因して、貫通孔の内側面と貫通導体との間に隙間が発生しやすいという問題点が新たに生じることがわかってきた。
このような隙間が発生すると、この隙間内に、下地めっき層を被着させる際のめっき液等の液体成分が入り込んで、導体パターンが被着された後も残留する可能性がある。そして、このような液体成分が残留していると、配線基板に電子部品を接続するための熱処理等で熱が加わった際に、液体成分が気化し、この気化成分の圧力により導体パターンに膨れ等の不具合が発生してしまう。
本発明は上記従来の技術の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、セラミック焼結体からなるセラミック基板に形成した貫通孔に貫通導体が配置され、セラミック基板の表面から下地めっき層が被着された貫通導体の端面にかけて導体パターンが被着されてなる配線基板において、導体パターンに膨れ等の不具合が発生することが効果的に抑制された配線基板、およびその製造方法を提供することにある。
本発明の配線基板は、セラミック焼結体からなり、厚み方向に貫通する貫通孔を有するセラミック基板と、前記セラミック焼結体とは別に焼結された導体からなり、前記貫通孔内に配置された貫通導体と、前記セラミック基板の表面から前記貫通導体の端面の外周部にかけて覆うように被着されたガラス層と、前記貫通導体の端面の前記ガラス層で覆われた部分よりも内側にのみ被着された下地めっき層と、前記セラミック基板または前記ガラス層の表面から前記下地めっき層の表面にかけて覆うように被着された導体パターンとを備えることを特徴とするものである。
本発明の配線基板の製造方法は、セラミック焼結体からなるセラミック基板を準備するとともに、該セラミック基板に厚み方向に貫通する貫通孔を形成する工程と、
前記セラミック基板の貫通孔内に金属ペーストを充填し、該金属ペーストを焼結させて貫通導体とした後、前記セラミック基板の表面および前記貫通導体の露出した端面を研磨する工程と、
前記セラミック基板の表面から前記貫通導体の露出した端面の外周部にかけてガラス層を被着させる工程と、
前記貫通導体の露出した端面の前記ガラス層の内側に下地めっき層を被着させた後、前記セラミック基板の表面から前記ガラス層および前記貫通導体の露出した端面にかけて覆うように導体パターンを被着させる工程とを備えることを特徴とするものである。
前記セラミック基板の貫通孔内に金属ペーストを充填し、該金属ペーストを焼結させて貫通導体とした後、前記セラミック基板の表面および前記貫通導体の露出した端面を研磨する工程と、
前記セラミック基板の表面から前記貫通導体の露出した端面の外周部にかけてガラス層を被着させる工程と、
前記貫通導体の露出した端面の前記ガラス層の内側に下地めっき層を被着させた後、前記セラミック基板の表面から前記ガラス層および前記貫通導体の露出した端面にかけて覆うように導体パターンを被着させる工程とを備えることを特徴とするものである。
本発明の配線基板によれば、セラミック基板の表面から貫通導体の端面の外周部にかけて覆うように被着されたガラス層を備え、このガラス層で覆われた部分よりも内側にのみ下地めっき層が被着され、さらにセラミック基板またはガラス層の表面から下地めっき層の表面にかけて覆うように導体パターンが被着されていることから、セラミック焼結体からなるセラミック基板に形成された貫通孔の内側面と、セラミック焼結体とは別に焼結された導体からなる貫通導体との間に隙間が生じたとしても、その隙間に、下地めっき層を被着させるためのめっき液等の液体成分が入り込むことは効果的に抑制される。そのため、この液体成分の気化による導体パターンの膨れ等の不具合は効果的に抑制される。
すなわち、セラミック基板の表面から貫通導体の端面の外周部にかけて覆うように被着されたガラス層で覆われた部分よりも内側にのみ下地めっき層が被着されているため、下地めっき層を被着させるときには貫通孔の内側面と貫通導体との間の隙間が生じている可能性がある部分の上端部分がガラス層で覆われている。そのため、上記のような隙間が生じていたとしても、液体の入口となる可能性がある隙間の上端部分がガラス層で覆われているため、隙間内に液体成分が入り込むことが抑制される。
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、上記各工程を備え、セラミック基板の表面から貫通導体の露出した端面の外周部にかけてガラス層を被着させた後に、その貫通導体の露出した端面のガラス層の内側にめっき層を被着させることから、上記のような隙間が生じていたとしても、その隙間が、少なくとも液体の入口となる上端部分において、ガラス層で塞がれている。そのため、下地めっき層を被着させる工程において、使用するめっき液等の液体成分が隙間内に入り込むことは効果的に抑制される。そして、その後に、セラミック基板の表面からガラス層および貫通導体の露出した端面にかけて覆うように導体パターンを被着させるため、導体パターンの膨れ等の不具合を生じさせる液体成分の残留を抑制して、導体パターンを被着させることができる。したがって、本発明の製造方法によれば、導体パターンにおける膨れ等の不具合が効果的に抑制された配線基板を製作することができる。
本発明の配線基板を添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図であり、図2は図1に示す配線基板の斜視図であり、図3は図1に示す配線基板の要部を示す要部断面図である。図1〜図3において、1はセラミック基板、2は貫通導体、3はガラス層、4は下地めっき層、5は導体パターンである。
セラミック基板1は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミック焼結体,ガラス母材中に結晶成分を析出させた結晶化ガラスまたは雲母やチタン酸アルミニウム等の微結晶焼結体からなる、金属材料とほぼ同等の精密な機械加工が可能なセラミック材料(いわゆるマシナブルセラミックス)等のセラミック材料により形成されている。
セラミック基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、次のようにして製作することができる。すなわち、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素等の原料粉末に適当な有機バインダおよび有機溶剤を添加混合して作製したスラリーをドクターブレード法やリップコータ法等のシート成形技術でシート状に成形することによってセラミックグリーンシートを作製して、その後、セラミックグリーンシートを切断加工や打ち抜き加工によって適当な形状および寸法とするとともに、これを約1300〜1500℃の温度で焼成することによって製作することができる。
セラミック基板1は、例えば四角板状や円板状等であり、例えば上面が、実装や電気チェックを行なう電子部品(図示せず)を搭載(電子部品を配線基板に電気的および機械的に接続して電子装置とするための実装、または電子部品に対して電気的なチェックを施すための一時的な載置)するための部位として使用される。電子部品としては、ICやLSI等の半導体集積回路素子およびLED(発光ダイオード)やPD(フォトダイオード),CCD(電荷結合素子)等の光半導体素子を含む半導体素子,弾性表面波素子や水晶振動子等の圧電素子,容量素子,抵抗器,半導体基板の表面に微小な電子機械機構が形成されてなるマイクロマシン(いわゆるMEMS素子)等の種々の電子部品が挙げられる。
また、セラミック基板1は、例えば下面が、プリント回路基板等の外部電気回路基板(図示せず)に対向して搭載(電子装置の外部電気回路基板に対する実装、または電子部品に対して電気的なチェックを施すための一時的な載置)される。
セラミック基板1には、厚み方向に貫通する貫通孔1aが形成されており、貫通孔1a内に、銀や銅,パラジウム,金,白金,タングステン,モリブデン,マンガン等の金属材料またはこれらの金属材料の合金材料からなる貫通導体2が配置されている。貫通導体2の形状は、例えば直径が約100〜700μm程度の円柱状等である。
また、セラミック基板1の上面および下面には、それぞれ導体パターン5が形成されている。導体パターン5は、例えば電子部品と電気的に接続されて、この電子部品に対する信号の送受や、電子部品に対する電気的なチェックを行なうためのプローブを接続するための端子や、外部電気回路に対する電気的な接続のための端子等として機能する。
そして、セラミック基板1の上下面の導体パターン5は、それぞれ後述する下地めっき層4を介して貫通導体2と電気的に接続され、下地めっき層4および貫通導体2を介して互いに上下に電気的に接続されている。
すなわち、このような配線基板において、例えば、セラミック基板1の上面の導体パターン5に電子部品の電極や電子部品の電気検査を行なうためのプローブ(図示せず)が接続され、下面の導体パターン5が回路基板等の外部電気回路基板に接続される。そして、セラミック基板1の上面の導体パターン5と、貫通導体2(および下地めっき層4)と、セラミック基板1の下面の導体パターン5とを介して、電子部品が外部電気回路と電気的に接続され、信号の送受や、電子部品に対する電気的なチェック等が行なわれる。なお、電子部品に対する電気的なチェックは、例えば半導体集積回路素子の集積回路が正常に作動するか否かの検査である。この場合には、半導体基板(シリコンウエハ等)に形成された多数の半導体集積回路素子(図示せず)に対して、個片に切断する前に一括して検査を行なうために、例えば図2に示したような配線基板が、半導体基板と同じ程度の大きさのセラミック母基板(図示せず)に配列形成されたものが使用される。この場合の配線基板(多数個配列された配線基板)は、いわゆるプローブカードとして使用することができる。
本発明の配線基板において、貫通導体2は、セラミック焼結体からなるセラミック基板1とは別に焼結された導体により形成されている。つまり、この貫通導体2は、従来の一般的な技術である、セラミックグリーンシート(図示せず)に形成した貫通孔(図示せず)内に金属ペーストを充填して一体焼成する方法で形成したものではなく、セラミック焼結体からなるセラミック基板1に貫通孔1aを形成し、この貫通孔1a内に金属ペースト等の未焼結の導体材料を充填し、この金属ペースト等を焼結させて形成したものである。
このような貫通導体2によれば、セラミック焼結体からなるセラミック基板1に、例えばドリルを用いた機械的な孔あけ加工やレーザ光による孔あけ加工で、位置の精度を高くして貫通孔1aを形成することができるので、貫通導体2について、セラミック基板1における位置の精度が高いものとすることができる。すなわち、セラミック基板1は、すでに焼結しているため、焼成時の収縮等に起因する寸法の変化が発生しない。また、機械的な孔あけ加工やレーザ光による孔あけ加工は、画像処理装置等で加工位置を高い精度で決めることができる。そのため、セラミック基板1において貫通孔1aの位置精度を高くすることができ、これに応じて貫通導体2の位置精度を高くすることができる。
また、本発明の配線基板において、セラミック基板1の表面から貫通導体2の端面の外周部にかけて覆うようにガラス層3が被着されており、貫通導体2の端面のガラス層3で覆われた部分よりも内側にのみ下地めっき層4が被着されている。そして、セラミック基板1またはガラス層3の表面から下地めっき層4の表面にかけて覆うように導体パターン5が被着されている。
ガラス層3は、後述するように貫通孔1aの内側面と貫通導体2との間に生じている可能性がある隙間Sの上端部分を塞ぐためのものである。下地めっき層4は、電解めっき法や無電解めっき法(いわゆる湿式めっき法)により被着されたニッケルめっき層や金めっき層等(個々のめっき層は図示せず)であり、貫通導体2に対する導体パターン5の被着強度を高めるためのものである。導体パターン5は、前述したように、配線基板に電子部品や外部電気回路等を電気的に接続するためのものである。
このような配線基板によれば、上記のガラス層3を備えていることから、セラミック焼結体からなるセラミック基板1に形成された貫通孔1aの内側面と、セラミック焼結体とは別に焼結された導体からなる貫通導体2との間に隙間Sが生じていたとしても、その隙間Sの少なくとも上端部分はガラス層3により覆われている。図3に示す例では、隙間Sの中にもガラス層3を構成するガラスの一部が入り込んでいる。
そして、貫通導体2の端面の、ガラス層3で覆われた部分よりも内側にのみ下地めっき層が被着され、さらにセラミック基板1またはガラス層3の表面から下地めっき層4の表面にかけて覆うように導体パターン5が被着されていることから、上記の隙間Sに、下地めっき層4を被着させるためのめっき液等の液体成分が入り込むことは効果的に抑制され、さらに、この液体成分の気化による導体パターン5の膨れ等の不具合が効果的に抑制される。
すなわち、セラミック基板1の表面から貫通導体2の端面の外周部にかけて覆うように被着されたガラス層3で覆われた部分よりも内側にのみ下地めっき層4が被着されているため、下地めっき層4を被着させるときには貫通孔1aの内側面と貫通導体2との間の隙間Sが生じている可能性がある部分の上端部分がガラス層3で覆われている。そのため、上記のような隙間Sが生じていたとしても、液体の入口となる可能性がある隙間Sの上端部分がガラス層3で覆われていることになり、隙間S内に液体成分が入り込むことが抑制される。
ガラス層3を構成するガラス材料としては、例えば、ホウケイ酸系ガラスを主成分とし、酸化ビスマスや酸化亜鉛等の成分を添加した、軟化点が400〜500℃程度のガラス材料を用いることができる。
このようなガラス層3は、導体パターン5における膨れ等の不具合を効果的に抑制する上で、その厚みが約20μm以上であることが好ましく、セラミック基板1や貫通導体2に対する被着強度や経済性等を考慮すれば、厚みが約20〜100μm程度の範囲であることが好ましい。
また、平面視におけるガラス層3の被着の範囲は、少なくとも貫通導体2の外周の全周に沿った環状や枠状の範囲とする必要があり、上記のように導体パターン5における膨れ等の不具合を効果的に抑制する上で、貫通導体2の外周から外側に約20μm以上の幅の範囲とすることが好ましい。また、後の工程で下地めっき層4を被着させるために貫通導体2の端面を露出させておく必要があるので、環状等のガラス層3の内周は、そのような下地めっき層4の被着が容易に行なえる程度に貫通導体2の端面が露出する位置までに留めておくことが好ましい。例えば、下地めっき層4の被着が後述するように無電解ニッケルめっき法による場合であれば、貫通導体2の露出する端面は、直径が約50μm以上の円形状等に設定すればよい。
ガラス層3は、上記のような条件を持たすものであれば、図4(a)に示すように導体パターン5で全部が覆われていてもよく、図4(b)に示すようにセラミック基板1の表面(上面等)の全面等の広い範囲に広がっていてもよい。なお、図4(a)および(b)は、それぞれ本発明の配線基板の実施の形態の他の例を示す要部拡大断面図である。図4において図1〜図3と同様の部位には同様の符号を付している。
例えば、導体パターン5をガラス層3に比べて大きくして電子部品やプローブ等との接続をしやすくするような場合には、図4(a)に示すような例が有効であり、ガラス層3のセラミック基板1に対する被着面積を大きくして被着の強度を高めるような場合には、図4(b)に示すような例が有効である。
また、セラミック基板1および貫通導体2の露出する端面は、ガラス層3が被着される前に研磨加工(平面研削やラップ研磨等)が施されて、表面の平坦性が高くされたものでもよい。このように平坦性を高くしておけば、導体パターン5の表面をより平坦なものとすることができる。
下地めっき層4は、前述したようにニッケルめっき層や金めっき層等からなり、例えば厚みが約1〜5μmのニッケルめっき層と、厚みが約0.5〜5μmの金めっき層とが、貫通導体2の端面のガラス層3で覆われた部分の内側にのみ順次被着されて形成されている。この下地めっき層4の被着は、無電解めっき法や電解めっき法によって行なわれる。
導体パターン5は、例えば、銅や銀,パラジウム,金,白金,アルミニウム,クロム,ニッケル,コバルト,チタン,タングステン,モリブデン,マンガン等の金属材料またはこれらの金属材料の合金材料からなる。
このような金属材料は、例えば、スパッタリング法や蒸着法,めっき法等の方法でセラミック基板1やガラス層3の表面および貫通導体2の端面(実際には下地めっき層4の表面)に被着させることができる。
具体的には、まずセラミック基板1やガラス層3の表面および貫通導体2の端面等の全面に、クロムやモリブデン,チタン等からなる密着金属層5aと、その上に被着された銅等の金属薄膜層とで構成される主導体層5bとを無電解めっき法やスパッタリング法等によって形成し、その後、フォトリソグラフィ法を用いて導体パターン5となる部分を覆うようにレジストパターン(図示せず)を形成した後、レジストパターンで覆われていない余分な密着金属層5aおよび主導体層5bをケミカルエッチング法やドライエッチング法等で除去し、その後、レジストパターンを除去する方法で、所定の導体パターン5を形成することができる。密着金属層5aの厚みは、例えば0.1〜0.5μm程度であり、主導体層5bの厚みは、例えば10〜20μm程度である。
このような導体パターン5は、前述したように電子部品や外部電気回路基板、または電子部品の電気的なチェックに電気的に接続されるプローブ等が接続される部分であり、例えば円形状や楕円形状のパターンで形成されている。
次に、本発明の配線基板の製造方法について図5を参照しつつ説明する。図5(a)〜(d)は、それぞれ本発明の配線基板の製造方法を工程順に示す上面図である。図5において図1〜図3と同様の部位には同様に符号を付している。
まず、図5(a)に示すように、セラミック焼結体からなるセラミック基板1を準備するとともに、そのセラミック基板1に厚み方向に貫通する貫通孔1aを形成する。
セラミック基板1は、例えば上記のような酸化アルミニウム質焼結体等のセラミック材料であり、酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、酸化アルミニウムや酸化ケイ素,酸化カルシウム等の原料粉末に有機溶剤およびバインダを添加して、ドクターブレード法やリップコータ法等の成形法でシート状に成形した後、これを約1300〜1600度で焼成する方法で準備することができる。
貫通孔1aは、例えば前述したような、ドリルを用いた機械的な孔あけ加工やレーザ光による孔あけ加工等の方法で形成することができる。例えば、貫通導体2が前述したように直径が約100〜700μm程度の円柱状であれば、この形状に応じた開口寸法になるように、ドリルの直径やレーザ光の照射範囲等を調整して孔あけ加工を行なう。
次に、図5(b)に示すように、セラミック基板1の貫通孔1a内に金属ペースト2aを充填し、この金属ペースト2aを焼結させて貫通導体2とした後、セラミック基板1の表面および貫通導体2の露出した端面を研磨する。
金属ペースト2aは、例えば前述した銀等の金属材料の粉末に有機溶剤および有機バインダ等を添加し、混練して作製する。また、貫通孔1a内への金属ペースト2aの充填は、例えばスクリーン印刷法等の印刷法で貫通孔1aの上側から金属ペースト2aを貫通孔1a内に押し入れる方法によって行なうことができる。この場合、貫通孔1aの下側から真空吸引を行なう方法を併用したり、金属ペースト2aの粘度を調整したりして、金属ペースト2aの充填をしやすくしてもよい。
金属ペースト2aの焼結は、例えば銀のペーストの場合であれば、酸化雰囲気中、約850℃程度の温度で、金属ペースト2aを貫通孔1aに充填したセラミック基板1を加熱すれば行なうことができる。
次に、図5(c)に示すように、セラミック基板1の表面から貫通導体2の露出した端面の外周部にかけてガラス層3を被着させる。
ガラス層3は、例えば前述したようなホウケイ酸−酸化ビスマス−酸化亜鉛系等のガラス材料の粉末を有機溶剤とともにペースト状としたガラスペースト(図示せず)をセラミック基板1の表面から貫通導体2の露出した端面の外周部にかけてスクリーン印刷法等の方法で塗布し、その後、このガラス材料の軟化点(400〜500℃等)にまで加熱する方法で被着させることができる。
次に、図5(d)に示すように、貫通導体2の露出した端面のガラス層3の内側に下地めっき層4を被着させた後、セラミック基板1の表面からガラス層3および貫通導体2の露出した端面にかけて覆うように導体パターン5を被着させる。
下地めっき層4は、前述したようにニッケルや金等のめっき層であり、電解めっき法や無電解めっき法によって、貫通導体2の露出した端面のガラス層3の内側に被着させることができる。
下地めっき層4は、例えば貫通導体2の端面側から順にニッケルめっき層(図示せず)および金めっき層(図示せず)を無電解めっき法で被着させる場合であれば、次のようにして被着させることができる。すなわち、前の工程でガラス層3を被着させたセラミック基板1を、硫酸ニッケル−リン系の無電解ニッケルめっき液とシアン系の無電解金めっき液とに順次浸漬するとともに、それぞれのめっき液中で所定の時間、めっき層となるニッケルおよび金をそれぞれ還元析出させれば、ニッケルめっき層と金めっき層とを順次被着させることができる。
導体パターン5は、例えば密着金属層5aと主導体層5bとを備えた薄膜導体層からなり、スパッタリング法や蒸着法,めっき法等の方法で被着させることができる。
このような導体パターン5は、例えば、まずセラミック基板1やガラス層3の表面および貫通導体2の端面等の全面に、クロム,モリブデンまたはチタン等からなる密着金属層5aをスパッタリング法で被着させ、その上に銅等の主導体層5bを無電解めっき法やスパッタリング法で被着させて形成することができる。この場合、導体パターン5は、レジストパターン(図示せず)を形成して、余分な部分をケミカルエッチング法やドライエッチング法等で除去する方法で所定のパターンとするようにしてもよい。
酸化アルミニウム質焼結体からなるセラミック基板に直径が約300μmの貫通孔をドリル加工で形成し、この貫通孔内に銀の金属ペーストを充填して、約850℃で焼結させて貫通導体を形成した。ガラス層は、ホウケイ酸−酸化ビスマス−酸化亜鉛ガラスを用い、約20μmの厚みで、貫通導体の外周の内側および外側にそれぞれ約25μmの幅で被着させた。下地めっき層は、無電解めっき法でニッケルめっき層(厚みが約3μm)および金めっき層(厚みが約1μm)を被着させた。導体パターンは、直径が約150μmの円形状で、スパッタリング法および電解めっき法により、厚みが約0.2μmのチタン層(密着金属層)および厚みが約10μmの銅層(主導体層)の順に被着させて形成した。このようにして、本発明の実施例の配線基板を得た。
この実施例の配線基板について、約300℃に加熱した後、導体パターンにおける膨れの有無を外観検査により確認した。各配線基板は導体パターンを1500個有しているものを用い、配線基板の個数は2個とした。また、比較例として、ガラス層を被着させない配線基板を、ガラス層以外の条件は上記の実施例と同様にして2個作製し、この比較例についても導体パターンにおける膨れの有無を外観により確認した。
その結果、実施例の配線基板では導体パターンにおける膨れの発生が見られなかったのに対し、比較例の配線基板では1個の配線基板において2つの導体パターンに、他の1個の配線基板において1つの導体パターンに、それぞれ膨れが発生していた。
以上の結果により、本発明の配線基板およびその製造方法における、導体パターンの膨れを抑制する効果を確認することができた。
1・・・セラミック基板
1a・・貫通孔
2・・・貫通導体
3・・・ガラス層
4・・・下地めっき層
5・・・導体パターン
1a・・貫通孔
2・・・貫通導体
3・・・ガラス層
4・・・下地めっき層
5・・・導体パターン
Claims (2)
- セラミック焼結体からなり、厚み方向に貫通する貫通孔を有するセラミック基板と、前記セラミック焼結体とは別に焼結された導体からなり、前記貫通孔内に配置された貫通導体と、前記セラミック基板の表面から前記貫通導体の端面の外周部にかけて覆うように被着されたガラス層と、前記貫通導体の端面の前記ガラス層で覆われた部分よりも内側にのみ被着された下地めっき層と、前記セラミック基板または前記ガラス層の表面から前記下地めっき層の表面にかけて覆うように被着された導体パターンとを備えることを特徴とする配線基板。
- セラミック焼結体からなるセラミック基板を準備するとともに、該セラミック基板に厚み方向に貫通する貫通孔を形成する工程と、
前記セラミック基板の貫通孔内に金属ペーストを充填し、該金属ペーストを焼結させて貫通導体とした後、前記セラミック基板の表面および前記貫通導体の露出した端面を研磨する工程と、
前記セラミック基板の表面から前記貫通導体の露出した端面の外周部にかけてガラス層を被着させる工程と、
前記貫通導体の露出した端面の前記ガラス層の内側に下地めっき層を被着させた後、前記セラミック基板の表面から前記ガラス層および前記貫通導体の露出した端面にかけて覆うように導体パターンを被着させる工程と
を備えることを特徴とする配線基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009196224A JP2011049341A (ja) | 2009-08-27 | 2009-08-27 | 配線基板およびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015015450A (ja) * | 2013-06-04 | 2015-01-22 | 三ツ星ベルト株式会社 | 導電膜を有する孔充填基板及びその製造方法並びに変色又は滲み抑制方法 |
JP2019007760A (ja) * | 2017-06-21 | 2019-01-17 | 大日本印刷株式会社 | 貫通電極基板、貫通電極基板の製造方法および力学量センサ |
JP2021019097A (ja) * | 2019-07-19 | 2021-02-15 | 株式会社 大昌電子 | プリント配線板およびその製造方法 |
-
2009
- 2009-08-27 JP JP2009196224A patent/JP2011049341A/ja active Pending
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