JP6881236B2 - 乗物用シート及びその配設方法 - Google Patents

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本発明は、乗員の着座が可能なシートクッションと、シートクッションを下支えするフレーム部とを備え、シートクッションの前側に取付けられたカーペット部材にて、乗物床面に対するフレーム部の固定箇所が隠されている乗物用シート及びその配設方法に関する。
この種の乗物用シートとして、左右一対のシートクッションと、各シートクッションの後部に配置するシートバックと、左右一対の遮蔽部材と、左右一対のフレーム部材及び三対の脚部材とを備えた乗物用シートが公知である(特許文献1を参照)。左右一対のシートクッションは、それぞれ乗員が着座可能な上方視で矩形の部材であり、シート幅方向である左右に隣り合って配置されている。また左右一対のフレーム部材及び三対の脚部材は、本発明のフレーム部に相当する構成である。そして右側のフレーム部材は、右側のシートクッションの骨格をなす部材であり、左側のフレーム部材は、左側のシートクッションの骨格をなす部材である。また三対の脚部材は、シート前後方向に長尺な板材であり、例えば各脚部材の前端(フレーム部の固定箇所)を乗物床面に固定することができる。これら三対の脚部材は、シート幅方向に並列しており、中央の脚部材を中心として、右側の脚部材と左側の脚部材とが概ね左右対称となるように配置されている。そして右側のフレーム部材は、上下に延びるリンクを介して右側と中央の脚部材の間に取付けられ、この右側のフレーム部材と各脚部材とが右側のシートクッションを下支えしている。また左側のフレーム部材は、上下に延びるリンクを介して中央と左側の脚部材の間に取付けられ、この左側のフレーム部材と各脚部材とが左側のシートクッションを下支えしている。
そして左右一対の遮蔽部材は、本発明のカーペット部材に相当する面材であり、対応するシートクッションにそれぞれ取付けられている。これら右側と左側の遮蔽部材は、対応するシートクッションの前端側から下方に垂下しているとともに、各シートクッションの配置位置の関係から概ね左右対称となるように配置されている。そして各遮蔽部材の下端を各脚部材の上面側に固定して、これら各遮蔽部材によってシートクッションと各脚部材の間の隙を隠すことにより、シートの意匠性向上に資する構成となっている。
ところで特許文献1の技術では、遮蔽部材を脚部材の上側に固定しているため、各脚部材の固定箇所となる前端が、対応する遮蔽部材から前方に突出している。そこでシートの更なる意匠性向上の観点等から、乗物床面に対する各脚部材の固定箇所を各遮蔽部材にて隠しておくことが考えられる。例えば特許文献2に開示の乗物用シートでは、本発明のカーペット部材に相当するシートレッグカバーが、シートクッションに相当するシートメインの後端から床面に到達するように垂下している。そこで特許文献1の技術においても、各遮蔽部材を乗物床面に到達するように垂下させておくことが望ましいといえる。
特開2014−91371号公報 実開平06−10034号公報
しかし上述の構成において、各遮蔽部材(カーペット部材)を単に垂下しておくだけであると、各遮蔽部材の下側の取付け安定性に欠ける構成となるおそれがある。そこで各遮蔽部材の下部裏側を板状の支持部材に取付けて支持しておくことで、各遮蔽部材によって、各脚部材の固定箇所となる前端を安定的に覆い隠しておくことができる。この支持部材は、隣り合う脚部材の前側に橋渡し状に固定しておくことが望ましい。例えば特許文献1の乗物用シートでは、右側の支持部材を、右側と中央の脚部材の間に橋し渡して固定し、左側の支持部材を、中央と左側の脚部材の間に橋し渡して固定しておくことができる。そして遮蔽部材と支持部材の取付け作業では、各遮蔽部材の仕上がり性を考慮して、乗物床面や支持部材との位置関係を適宜調整する必要がある。特に各遮蔽部材の下端の位置は、乗物床面側に沿うように適宜調整しながら見栄えよく配置すべきである。このとき各遮蔽部材を支持部材に強固に固定してしまうと、各遮蔽部材の下端の位置を調整するために支持部材から取外す作業がことのほか面倒となってしまう。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、カーペット部材を、仕上がり性良く且つ安定的に乗物用シートに配設しておくことにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物用シートは、シートクッションと、シートクッションの前縁側で下方に垂下するカーペット部材と、シートクッションを下支えした状態で乗物床面に固定されるフレーム部とを備えている。そして乗物床面に対するフレーム部の固定箇所はカーペット部材にて隠されているとともに、カーペット部材の下部裏側は、フレーム部に対してシート幅方向となる左右方向に橋渡し状に固定されている支持部材で支持されている。この種の構成においては、カーペット部材を、仕上がり性良く且つ安定的に乗物用シートに配設しておくことが望ましい。
そこで本発明では、乗物床面側に配置されている支持部材の下部支持部位とカーペット部材とを係止している下側係止部と、下部支持部位よりも上方に配置されている支持部材の上部支持部位とカーペット部材とを係止している上側係止部とが設けられているとともに、下側係止部の係止力は、上側係止部の係止力よりも弱くなるように設定されている。本発明では、上側係止部によって、カーペット部材と支持部材とを比較的強固に係止することにより、カーペット部材を安定的に乗物用シートに配設することができる。また下側係止部によって、カーペット部材の下端側と支持部材とを相対的に弱く係止して、カーペット部材と支持部材の係脱を容易にすることで、カーペット部材を仕上がり性良く乗物用シートに配設することが可能となる。
第2発明の乗物用シートは、第1発明の乗物用シートにおいて、上側係止部は、カーペット部材に取付けられた軸状のクリップ部材と、クリップ部材を挿入して係止可能な上部支持部位の係止孔とを有するとともに、クリップ部材は、カーペット部材から支持部材に突出した状態とされて係止孔に挿入されて係止されている。本発明では、上側係止部として軸状のクリップ部材を用いることにより、カーペット部材と支持部材をより確実に強固に係止することができる。
第3発明の乗物用シートは、第2発明の乗物用シートにおいて、カーペット部材は、カーペット部材の裏側に取付けられて上部支持部位に対面状に配置する板状の保持部を有し、クリップ部材は、保持部の挿通孔に挿通された状態でカーペット部材に取付けられている。本発明では、カーペット部材に、板状の保持部を介してクリップ部材をより確実に保持することができる。さらに本発明のカーペット部材は、板状の保持部とともに上部支持部位に近接した状態で係止されている。このため複数のクリップ部材を用いた際に、上部支持部位に対して隣り合うクリップ部材の間のカーペット部材部分も上部支持部位に近接して配置され、カーペット部材に部分的な浮きが生じるといった事態を極力回避することができる。
第4発明の乗物用シートは、第1発明〜第3発明のいずれかの乗物用シートにおいて、下側係止部は、カーペット部材の裏側と下部支持部位を係脱可能な状態で掛着する掛着部材で構成されている。本発明では、下側係止部として係脱可能な掛着部材を用いて、カーペット部材と支持部材の下部支持部位とを相対的に弱く係止することができる。
第5発明の乗物用シートは、第4発明の乗物用シートにおいて、カーペット部材は、乗物床面側で折り返されている折り返し部と、折り返し部をカーペット部材に取付けている取付け部とを有し、下側係止部は、折り返し部と下部支持部位とを掛着している掛着部材で構成されている。本発明では、カーペット部材の下端側が、糸のほつれや飛び出しのほとんどない折り返し部の下端側で形成されているため、カーペット部材の仕上がり性向上に資する構成となる。
第6発明の乗物用シートの配設方法は、第1発明〜第5発明のいずれかの乗物用シートの配設方法である。本発明では、乗物床面に配設される前のシートクッションの前端側に、非垂下状態のカーペット部材を予め取付けておく。そしてシートクッションをフレーム部とともに乗物床面に固定した状態において、シートクッションの前端側からカーペット部材を垂下させながら、上側係止部によってカーペット部材を上部支持部位に取付けたのち、下側係止部によってカーペット部材を下部支持部位に取付けることとした。本発明では、非垂下状態のカーペット部材を、シートクッションに予め取付けておくことで、乗物床面に対するシートクッションの配設作業に続いて、カーペット部材をスムーズに支持部材に取付けることができる。こうして本発明では、シートクッションとカーペット部材の配設作業を順序立てて行うことができ、シートの配設作業性の向上に資する構成となる。
第7発明の乗物用シートの配設方法は、第6発明の乗物用シートの配設方法において、非垂下状態のカーペット部材は、ロール状に巻き回された状態となってシートクッションに面ファスナで掛着されている。本発明では、ロール状とされたカーペット部材をシートクッションに掛着してコンパクトに取付けておくことができ、シートの配設作業性の向上に更に資する構成となる。
第8発明の乗物用シートの配設方法は、第7発明の乗物用シートの配設方法において、非垂下状態のカーペット部材には、前方に突出する帯状又は線状のストラップ部材が設けられており、ストラップ部材を前方に牽引することで、シートクッションとカーペット部材との掛着が解除される。本発明では、ストラップ部材の牽引(比較的簡便な作業)によって、カーペット部材をスムーズに垂下させることができる。
本発明に係る第1発明によれば、カーペット部材を、仕上がり性良く且つ安定的に乗物用シートに配設しておくことができる。また第2発明によれば、カーペット部材を、より安定的に乗物用シートに配設しておくことができる。また第3発明によれば、カーペット部材を、より安定的且つ仕上がり性良く乗物用シートに配設しておくことができる。また第4発明によれば、カーペット部材を、より確実に仕上がり性良く乗物用シートに配設しておくことができる。また第5発明によれば、カーペット部材を、更に確実に仕上がり性良く乗物用シートに配設しておくことができる。また第6発明によれば、カーペット部材を、仕上がり性良く且つ安定的に乗物用シートに配設することができる。また第7発明によれば、カーペット部材を、より作業性良く乗物用シートに配設することができる。そして第8発明によれば、カーペット部材を、更に作業性良く乗物用シートに配設することができる。
乗物用シートの斜視図である。 シートクッションとフレーム部の分解斜視図である。 シートクッションとフレーム部の正面図である。 カーペットを省略したシートクッションとフレーム部の正面図である。 図1のV‐V線断面に相当する乗物用シート一部の概略断面図である。 図1のVI‐VI線断面に相当する乗物用シート一部の概略断面図である。 固定部及び脚部材の上面図である。 シートクッションの概略斜視図である。 シートクッションの概略断面図である。 後移動前のシートクッションとフレーム部を側面から見た模式図である。 後移動時のシートクッションとフレーム部を側面から見た模式図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図11を参照して説明する。各図には、乗物用シートの前後方向と上下方向と左右方向を示す矢線を適宜図示する。図1及び図2の乗物用シート2は、複数の乗員が着座可能なシートであり、シートクッション4と、シートバック6と、左右一対のカーペット部材21,22と、フレーム部30と、左右一対の支持部材81,82とを有している(各部材の詳細は後述)。シートクッション4は、後述する左右一対のシート部位11,12を有しており、各シート部位11,12には、それぞれ乗員の着座が可能である。そして各シート部位11,12の後部にはそれぞれシートバック6が起倒可能に連結されている。またシートクッション4はフレーム部30にて下支えされており、このフレーム部30は、乗物床面FSに固定されている三箇所の固定部71〜73を有している。そしてフレーム部30は、後述するように各固定部71〜73によって、図4及び図7に示す左右一対のフレーム部位31,32に区分けされる。
また図3に示す左右一対のカーペット部材21,22は、それぞれ対応するシート部位11,12の前端側でシート幅方向となる左右方向に延びて下方に垂下している面材である。これら各カーペット部材21,22によって、図5に示すように乗物床面FSに対するフレーム部30の固定箇所(各固定部73等)を隠すことができる。また左右一対の支持部材81,82は、図4に示すフレーム部位31,32の前側にそれぞれ左右方向に橋渡し状に固定されている板状の部材である。そして各カーペット部材21,22の裏側は各支持部材81,82に取付けられて(安定的に)支持されており、これらの取付け構成として、図5及び図6に示す上側係止部FP1及び下側係止部FP2を採用している。
ところでこの種のシート構成においては、各カーペット部材21,22の下端の位置を、その仕上がり性などを考慮して、乗物床面等との位置関係を踏まえて適宜調整する必要がある。このため各カーペット部材21,22を各支持部材81,82に強固に固定してしまうと、各カーペット部材21,22の下端の位置を調整するためにこれらを各支持部材81,82から取外す作業がことのほか面倒となってしまう。そこで本実施例では、後述する構成(上側係止部FP1,下側係止部FP2)によって、各カーペット部材21,22を、仕上がり性良く且つ安定的に乗物用シート2に配設しておくこととした。以下、各構成について詳述する。
[シートクッション]
シートクッション4は、図1を参照して、全体として左右に長尺な略矩形の部材であり、シートクッション4の右側をなす右シート部位11と、シートクッション4の左側をなす左シート部位12とに区分けされている。これら各シート部位11,12は、それぞれ乗員の着座が可能な部位であるとともに、シート幅方向である左右方向に隣り合って配置されている。そして図3を参照して、シートクッション4では、両シート部位11,12が左右対称に配置され、さらにシートクッション4の左右の中心に位置する両シート部位11,12の境X1でこれらが分割されている。このため本実施例では、右シート部位11の左右方向の長さL1を5とした場合、左シート部位12の左右方向の長さL2も5となっている。すなわち右シート部位11に対する左シート部位12の左右方向における長さの比率(L2/L1)は5/5となっている。なお両シート部位11,12の長さの比率は、シートの設計誤差などを考慮して±0.1の誤差は許容され、この設計誤差の範囲であれば概ね5/5とみなすことができる。
そして右シート部位11と左シート部位12は、略同一の基本構成を有して左右対称となるように設けられている。例えば図2を参照して、右シート部位11は、右シートパッド11aと、右シートカバー11bと、右リクライニング部11cとを有している。右シートパッド11aは、上方視で略矩形の部材であり、乗員を弾性的に支持することが可能である。なお右シートパッド11aの素材として、ポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)等の発泡樹脂を例示できる。また右シートカバー11bは、右シートパッド11aを被覆している面材であり、シートの意匠面を構成している。なお右シートカバー11bの素材として、天然繊維又は合成繊維からなる布帛(織物,編物,不織布)や皮革(天然皮革,合成皮革)を例示できる。そして右リクライニング部11cは、右シートパッド11aの左側に配置されている上面視で前後に縦長の部材である。この右リクライニング部11cの上面前部には、カップホルダとして利用可能な凹み部位11dが設けられており、右リクライニング部11cの後部は略半円状に盛り上がっている。また左シート部位12は、左シートパッド12aと、左シートカバー12bと、左リクライニング部12c(凹み部位12d)とを有している。これら左シートパッド12aと左シートカバー12bと左リクライニング部12cは、右シート部位11の対応する部材と概ね同一構成を有しているが、左リクライニング部12cは、左シートパッド12aの右側に配置されている。
[カーペット部材]
左右一対のカーペット部材(右カーペット部材21,左カーペット部材22)は、図1及び図3に示すようにそれぞれ対応するシート部位11,12の前端側で左右方向に延びて下方に垂下している面材である。そして右カーペット部材21と左カーペット部材22とは、シートクッション4に左右対称となるように配設されている。例えば右カーペット部材21は、右シート部位11の前縁に沿ってその略全長に渡って取付けられた面材であり、図3に示す右カーペット部材21の左右方向の寸法L11は、右シート部位11の左右の寸法L1と概ね同一に設定されている。また左カーペット部材22は、左シート部位12の前縁に沿ってその略全長に渡って取付けられた面材であり、左カーペット部材22の左右方向の寸法L12は、左シート部位12の左右の寸法L2と概ね同一に設定されている。すなわち本実施例においては、左右一対のカーペット部材21,22を、右シート部位11と左シート部位12の境X1で分断して区分けしている。このため各シート部位11,12と同様に、右カーペット部材21の左右方向の長さL11と、左カーペット部材22の左右方向の長さL12は概ね同一に設定されている。こうして本実施例では、右カーペット部材21に対する左カーペット部材22の左右方向における長さの比率(L12/L11)は、各シート部位11,12の比率と同様に概ね5/5に設定されている。
また図5及び図6を参照して、右カーペット部材21の上下方向の寸法は、シートの意匠性向上の観点などから、右シート部位11から乗物床面FSに到達する寸法に設定されている。なお乗物床面FS上に敷物が配置されている場合には、右カーペット部材21を、それぞれ乗物床面FSの一部である敷物に到達する長さに設定でき、敷物が配置されていない場合には乗物床面FS自体に到達する長さに設定できる。また図3に示す左カーペット部材22の上下方向の寸法も、左シート部位12から乗物床面に到達する寸法に設定されている。
[折り返し部,保持部]
そして右カーペット部材21と左カーペット部材22は概ね同一の基本構成を有している。例えば図2及び図5を参照して、右カーペット部材21の下部には、折り返し部21aと、保持部21bとが設けられている。折り返し部21aは、右カーペット部材21の下端を上方に折り返して二枚重ねにした部分であり、この折り返し部21aの自由端となる上側は、左右に延びる第一縫合線SEW1で構成された取付け部によって右カーペット部材21の裏側に縫い付けられて取付けられている。また保持部21bは、折り返し部21aの上方に配置している左右に長尺な矩形の板材である。この保持部21bの上縁は、左右に延びる第二縫合線SEW2によって右カーペット部材21の裏側に縫い付けられて取付けられている。また保持部21bの下部には、後述するクリップ部材90の軸部90aを挿通するための挿通孔21Hが複数設けられている。これら複数の挿通孔21Hは、保持部21bの下部において、左右方向に適宜の間隔をあけて並列するように設けられている。そして図2に示す左カーペット部材22の下部にも、右カーペット部材21と同様に、折り返し部22aと保持部22bとが設けられており、これら各部の基本構成は右カーペット部材21の対応する部と同一である。
[シート部位に対するカーペット部材の取付け手法]
ここで各カーペット部材21,22は、図3に示す各シート部位11,12の前端側に予め取付けておくことができる。例えば本実施例では、図8及び図9を参照して、乗物床面に対するシートクッション4の配設作業の前に、右カーペット部材21を右シート部位11に予め取付けておく。この右カーペット部材21は、ロール状に巻き回されたコンパクトな非垂下状態となっており、適宜のタイミングで垂下させることが可能となっている。すなわちロール状とされた右カーペット部材21では、その上端となる端部が右シートカバー11bの下面に縫合等の手法で取付けられているとともに、左側面視で時計回りに巻き回されている。そしてロール状の右カーペット部材21の上面には面ファスナ24が取付けられており、この面ファスナ24によって、右カーペット部材21の上面が右シートカバー11bの下面に掛着されて取付けられている。さらにロール状の右カーペット部材21の上面には、左右方向に適宜の間隔をあけて一対のストラップ部材26が取付けられており、各ストラップ部材26は前後方向に長尺な帯状の部材である。そして各ストラップ部材26の後端が、ロール状の右カーペット部材21の上面側に固定されており、各ストラップ部材26の前側が右カーペット部材21の前方に突出している。そこで各ストラップ部材26を前方に牽引することにより、右シートカバー11bと面ファスナ24の掛着が解除されて、ロール状の右カーペット部材21を下方に垂下させることが可能となる。なおロール状とされた右カーペット部材21の左側は右シートカバー11bからはみ出している。この右カーペット部材21の左側は、後述するシートクッションの形成作業時に、フレーム部30の一部(例えば図8に示す右骨格部41の右張出部41cの上面)に取付けておくことができる。なお右カーペット部材21には、右シートカバー11b側に取付けられる部分と、右骨格部41側に取付けられる部分との間に切れ込み(スリット状の分割線)を設けておくこともできる。また同様に図3に示す左カーペット部材22も、右カーペット部材21と同一の構成で、左シートカバー12bに予め取付けておくことができる。
[フレーム部]
フレーム部30は、シートクッション4を下支えする部位であり、図2を参照して、右骨格部41と、左骨格部42と、一対の移動機構44と、後述する複数の脚部材51〜54(本実施例では三箇所の固定部71〜73)を有している。そしてフレーム部30は、図4及び図7を参照して、フレーム部30の右側をなす右フレーム部位31と、フレーム部30の左側をなす左フレーム部位32とに区分けされており、これら右フレーム部位31と左フレーム部位32は、後述するように各固定部71〜73の配置位置に応じた適宜の位置で区分けされる。このため右フレーム部位31と左フレーム部位32の左右方向の長さ(L3、L4)は、各固定部71〜73の配置位置によって設定されることとなる。
ここで右骨格部41は、図2に示すように右シート部位11の骨格をなす部位であり、一対の前連結脚部41aと、一対の後連結脚部41bを有している。この右骨格部41は、上方視で略矩形の枠体であり、右骨格部41の左側には右張出部41cが設けられている。この右張出部41cは、右シート部位11の右リクライニング部11cを下側から支持する部位である。また一対の前連結脚部41aは、それぞれ上下に長尺な略矩形の板材であり、右骨格部41の右縁前部と左縁前部から下方に延びている。また一対の後連結脚部41bは、上下に長尺な略矩形の板材であり、右骨格部41の右縁後部と左縁後部から下方に延びている。これら各連結脚部41a,41bは、右骨格部41を後述する固定部(71,73)に対して前後に移動可能に連結することができる。このため各連結脚部41a,41bの上端は、右骨格部41からシート幅方向に突出する軸部(図示省略)に回転可能に取付けられている。また各連結脚部41a,41bの下端も、後述する固定部からシート幅方向に突出する軸部(図示省略)に回転可能に取付けられている。
また右骨格部41は、移動機構44によって、右シート部位11とともに後述する固定部(71,73)に対して後方に移動可能とされている。この移動機構44は、いわゆるラック&ピニオン機構で構成されており、円形歯車状のピニオン部44aと、前後に長尺な板状のラック部44bとを有している。そしてピニオン部44aは、右骨格部41の枠内(本実施例では右張出部41cの後部)で左右方向に延びる軸(図示省略)の周りに回転可能とされて取付けられている。またラック部44bは、ピニオン部44aに噛み合い可能な状態で後述の第二脚部材52に取付けられている。そして右骨格部41に設けられた図示しないモータにてピニオン部44aを回転(又は逆回転)させながらラック部44bに噛み合せる。こうすることで図10及び図11に示すように、後述の図2に示す第二脚部材52に対して右骨格部41を後方(又は前方)に移動させることができる。
また左骨格部42は、図2に示すように左シート部位12の骨格をなす部位であり、一対の前連結脚部42aと、一対の後連結脚部42bを有し、さらに他の移動機構44によって後移動可能とされている。この左骨格部42も、上方視で略矩形の枠体であり、右骨格部41の右側には左張出部42cが設けられている。この左張出部42cは、左シート部位12の左リクライニング部12cを下側から支持する部位である。そして左骨格部42の各前連結脚部42aと各後連結脚部42bと他の移動機構44は、右骨格部41の対応する部及び機構と概ね同一の基本構成を有している。このため左骨格部42も、他の移動機構44によって対応する後述の脚部材に対して後方に移動(又は前方)することができる。
またフレーム部30には、図2及び図7を参照して、複数の脚部材(第一脚部材51〜第四脚部材54)が設けられている。これら各脚部材51〜54は、それぞれ乗物床面FS上に配置される部材であるとともに、概ね同形状とされたシート前後方向に長尺な板材で形成されている。そして第一脚部材51〜第四脚部材54は、番号順に右から左に向けて所定の間隔で並列配置され、さらに概ねシートクッション4の外形に倣った上方視で矩形状をなすように複数の連結部材56,56Aによって連結されている(各図では、特定の連結部材に特定の符号56Aを付し、その他の連結部材には共通の符号56を付す)。すなわち第一脚部材51と第二脚部材52の前部と後部は、これらの間で左右に延びている一対の板状の連結部材56にて連結されている。また同様に第三脚部材53と第四脚部材54の前部と後部は、これらの間で左右に延びている一対の板状の連結部材56にて連結されている。また第二脚部材52の後端と第三脚部材53の後端は、これらの間で左右に延びている板状の連結部材56にて連結されている。そして左右に延びている円筒状の前側連結部材56Aが、第一脚部材51の前端と第二脚部材52の前端と第三脚部材53の前端に架け渡されて固定されている。この前側脚部材によって、第一脚部材51の前端側と第三脚部材53の前端側とが連結されている。なお第二脚部材52の右面と第三脚部材53の左面には、各々、上述した移動機構44のラック部44bが取付けられている。また第二脚部材52の左面と第三脚部材53の右面には、各々、図示しないシートベルトを係止可能なバックルBMが取付けられている。
そして前側連結部材56Aには、図2及び図7を参照して、後述する右支持部材81を取付けるための第一ブラケット部61が複数取付けられている。これら複数の第一ブラケット部61は、それぞれ側面視で略L字状の板材であり、左右方向に適宜の間隔をあけて前側連結部材56Aの前側等に取付けられている。そして各第一ブラケット部61の前側には、ボルト材(符号省略)を挿設可能な孔部が設けられており、後述する右支持部材81を締結して固定できる。また第三脚部材53と第四脚部材54の前側には、各々、後述する左支持部材82を取付けるための第二ブラケット部62が固定されている。第三脚部材53の第二ブラケット部62は、上方視で略L字をなす板材であり、この第二ブラケット部62の前側が左側に向けて張出している。そして第二ブラケット部62の前側に設けられている孔部に、ボルト材(符号省略)を挿設可能な孔部が設けられており、後述する左支持部材82を締結して固定できる。また第四脚部材54の前端にも第二ブラケット部62が固定されており、この第二ブラケット部62は、第三脚部材53の対応する部と左右対称となるように配置されている。
[各脚部と各骨格部との配置関係]
そして図2に示す第一脚部材51と第二脚部材52の間には、右骨格部41が、対応する連結脚部を介して取付けられる。すなわち第一脚部材51は、右骨格部41の右縁に沿って配置されているとともに、右骨格部41の右縁に位置している前連結脚部41aと後連結脚部41bを介して連結される。また第二脚部材52は、右骨格部41の左縁に沿って配置されているとともに、右骨格部41の左縁に位置している前連結脚部41aと後連結脚部41bを介して連結される。また第三脚部材53と第四脚部材54の間には、左骨格部42が、対応する連結脚部を介して取付けられる。すなわち第三脚部材53は、左骨格部42の右縁に沿って配置されているとともに、左骨格部42の右縁に位置している前連結脚部41aと後連結脚部41bを介して連結される。また第四脚部材54は、左骨格部42の左縁に沿って配置されているとともに、左骨格部42の左縁に位置している前連結脚部41aと後連結脚部41bを介して連結される。
[固定部]
三箇所の固定部(右固定部71,左固定部72,中央固定部73)は、図2及び図7を参照して、それぞれ乗物床面FSに対するフレーム部30の固定箇所となる部分である。そして三箇所の固定部71〜73は、乗物床面FS側の構成に応じて上述した第一脚部材51〜第四脚部材54のいずれかで構成することにより、左右方向に所定の間隔をあけて設けることができる。本実施例では、右固定部71を、右骨格部41の右縁に沿って配置されている第一脚部材51で構成し、左固定部72を、左骨格部42の左縁に沿って配置されている第四脚部材54で構成している。また中央固定部73を、乗物床面FS側の構成に応じて、左骨格部42の右縁に沿って配置されている第三脚部材53で構成している。そして右固定部71と左固定部72とは、乗物床面FS側の構成の関係から中央固定部73を挟んで左右非対称に配置されているとともに、右固定部71と中央固定部73が左右方向に相対的に大きく離間している。さらに右固定部71と左固定部72と中央固定部73の適宜の位置には締結孔70Hが形成されており、各締結孔70Hには、図4に示すボルト状の締結具FMが挿設されることとなる。本実施例においては、図4及び図7に示すように各固定部71〜73の前端と後端とにそれぞれ締結孔70Hが形成されている。
[右フレーム部位・左フレーム部位]
そしてフレーム部30は、上述した各固定部71〜73の配置位置に応じて、図4及び図7に示すように右フレーム部位31と左フレーム部位32に区分けされている。すなわち図4を参照して、フレーム部30では、両フレーム部位31,32が左右非対称に配置され、さらに中央固定部73の締結具FMが位置する両フレーム部位31,32の境X2でこれらが区分けされている。そして右フレーム部位31は、フレーム部30の右側部位に設けられた右固定部71(第一脚部材51)と中央固定部73(第三脚部材53)の間に位置するフレーム部部分であり、相対的に左右方向の寸法L3が大きく設定されている。この右フレーム部位31には、図2に示す右骨格部41と左骨格部42の左張出部42cとが配置されている。また左フレーム部位32は、フレーム部30の左側部位に設けられた中央固定部73(第三脚部材53)と左固定部72(第四脚部材54)の間のフレーム部部分であり、相対的に左右方向の寸法L4が小さく設定されている。この左フレーム部位32には、図2に示す左張出部42cを除く左骨格部42が配置されている。
本実施例においては、図4に示すように右フレーム部位31が相対的に左右に長尺となっており、右フレーム部位31の左右方向の長さL3を6とした場合、左フレーム部位32の左右方向の長さL4は4となっている。このため右フレーム部位31に対する左フレーム部位32の左右方向における長さの比率(L4/L3)は4/6となっている。こうして本実施例では、右フレーム部位31に対する左フレーム部位32の左右方向における長さの比率(L4/L3)は、右シート部位11に対する左シート部位12の左右方向における長さの比率(L2/L1)と異なっている。なお両フレーム部位31,32の長さの比率は、シートの設計誤差などを考慮して±0.1の誤差は許容され、この設計誤差の範囲であれば概ね4/6とみなすことができる。
[支持部材]
左右一対の支持部材(右支持部材81,左支持部材82)は、図2及び図4を参照して、各カーペット部材21,22の裏側を支持する板状の部材である。右支持部材81は、左右方向に長尺な板状の部材であり、右フレーム部位31の前側で左右方向に橋渡し状に固定されて、右カーペット部材21の裏側と左カーペット部材22の右部の裏側とに沿って配置可能である。また左支持部材82は、左右方向に長尺な板状の部材であり、左フレーム部位32の前側で左右方向に橋渡し状に固定されて、右部を除く左カーペット部材22の裏側に沿って配置可能である。
そして本実施例では、右支持部材81と左支持部材82とが、図4に示すように各フレーム部位31,32に倣って左右非対称となるように配設されている。すなわち本実施例においては、左右一対の支持部材81,82を、右フレーム部位31と左フレーム部位32の境X2で分断して区分けしている。そして右支持部材81は、右固定部71(第一脚部材51)から中央固定部73(第三脚部材53)に渡って左右方向に掛け渡されており、右支持部材81の左右方向の寸法L13は、右フレーム部位31の同寸法L3と概ね同一に設定されている。また左支持部材82は、中央固定部73(第三脚部材53)から左固定部72(第四脚部材54)に渡って左右方向に掛け渡されており、左支持部材82の左右方向の寸法L14は、左フレーム部位32の同寸法L4と概ね同一に設定されている。このため各フレーム部位31,32と同様に、右支持部材81の左右方向の長さL13を6とした場合、左支持部材82の左右方向の長さL14は4となっている。こうして本実施例では、右支持部材81に対する左支持部材82の左右方向における長さの比率(L4/L3)は、各フレーム部位31,32の比率と同様に概ね4/6に設定されている。
[下部支持部位]
また右支持部材81と左支持部材82は、左右非対称となっている以外は概ね同一の基本構成を有している。例えば右支持部材81は、図4及び図5を参照して、下部支持部位81aと、上部支持部位81b(詳細後述)と、左右の側壁部(符号省略)を有しており、下部支持部位81aと上部支持部位81bには、掛着部材84(詳細後述)と、複数の係止孔86(詳細後述)が設けられている。ここで下部支持部位81aは、右支持部材81の前面をなす略垂直に起立している壁部分であり、後述するように右カーペット部材21の折り返し部21aに対面状に配置可能である。なお下部支持部位81aでは、折り返し部21aに対面する部分がやや後方に位置しているとともに、その上部側が相対的に前側に突出している。また下部支持部位81aの裏側には、剛性確保の観点から後方に突出する板状のリブLBが形成されている。そして下部支持部位81aには、図4に示すようにフレーム部30側の第一ブラケット部61に固定される取付け凹部88が複数設けられている。複数の取付け凹部88は、正面視で矩形状の凹み部であり、その底面側には貫通孔(符号省略)が設けられている。そこで本実施例では、図2を参照して、右支持部材81の下部支持部位81aを、前側連結部材56Aの前側にあてがって、ボルト材を、各取付け凹部88の貫通孔を通じて対応する第一ブラケット部61の孔部に挿設する。こうすることで右支持部材81を、各第一ブラケット部61を介して右フレーム部位31側に橋渡し状に固定できる。
[掛着部材]
掛着部材84は、図5に示すように右カーペット部材21を係脱可能な状態で掛着する部材であり、後述するように下側係止部FP2を構成している。この掛着部材84は、左右方向に長尺な面ファスナ状の面材であるとともに、その前面には、微細なフック状の構造体が無数に設けられている。そして掛着部材84は、支持部材の下部支持部位81aの表面に固定されて配置されており、後述するように右カーペット部材21の折り返し部21aに対面状に配置されることとなる。なお掛着部材84の各フック状の構造体は、右カーペット部材21の折り返し部21aが布帛である場合はその表面に直接掛着でき、折り返し部21aが皮革である場合にはその表面に一体化された布帛材に掛着できる。
[上部支持部位・係止孔]
また上部支持部位81bは、図4及び図5を参照して、右支持部材81の上面をなす壁部分であり、下部支持部位81aの上端から後方に延びているとともに、後方に向かうにつれて次第に上方に向けて傾斜している。この上部支持部位81bは、後述するように右カーペット部材21の保持部21bに対面状に配置可能である。そして複数の係止孔86は、上部支持部位81bを厚み方向に貫通する孔部であり、後述するクリップ部材90の軸部を挿入して係止することで、後述する上側係止部FP1を構成する。これら複数の係止孔86は、左右方向に適宜の間隔をあけて上部支持部位81bに設けられており、各係止孔86は、右カーペット部材21に取付けられている保持部21bの各挿通孔21Hと対面状に配置されることとなる。
そして図2及び図4に示す左支持部材82も、下部支持部位82aと上部支持部位82bと左右の側壁部(符号省略)を有しており、下部支持部位82aと上部支持部位82bの適宜の位置には、掛着部材84と、複数の係止孔86が設けられている。これら左支持部材82の各部等の基本構成は、右支持部材81の対応する各部等と概ね同一である。そして下部支持部位82aには、フレーム部30側の第二ブラケット部62に固定される取付け凹部88が一対設けられている。一対の取付け凹部88は、正面視で矩形状の凹み部であり、その底面側には貫通孔(符号省略)が設けられている。また上部支持部位82bは、左支持部材82の上面をなす部分であり、後述するように左カーペット部材22の保持部21bに対面状に配置可能である。そして左支持部材82の下部支持部位82aを、第三脚部材53と第四脚部材54の前側にあてがって、ボルト材を、取付け凹部88の各貫通孔を通じて対応する第二ブラケット部62の孔部に挿設する。こうすることで左支持部材82を、各第二ブラケット部62を介して左フレーム部位32側に橋渡し状に固定できる。
[シートクッションの形成作業]
図2を参照して、シートクッション4の形成に際しては、各シート部位11,12の構成部材をフレーム部30上の適宜の位置に配設する。例えば右シート部位11を形成するに際しては、右シートパッド11aを右骨格部41上に配設して右シートカバー11bで被覆するとともに、右リクライニング部11cを右張出部41c上に配置しておく。また左シート部位12を形成するに際しては、左シートパッド12aを左骨格部42上に配設して左シートカバー12bで被覆するとともに、左リクライニング部12cを左張出部42c上に配設しておく。そして図7に示すフレーム部30の各脚部材51〜54(各固定部71〜73)を乗物床面FS上に配置する。この状態で各固定部71〜73の前端と後端を、図5及び図6に示すように締結具FMを介して乗物床面FSに締結して固定する。この状態の右シート部位11は、図2に示す右骨格部41を介して右側で隣り合う脚部材51,52の間に取付けられ、この右骨格部41と各脚部材51,52にて下支えされている。また左シート部位12は、左骨格部42を介して左側で隣り合う脚部材53,54の間に取付けられ、この左骨格部42と各脚部材53,54にて下支えされている。
こうしてシートクッション4をフレーム部30にて乗物床面FSに固定した状態において、各カーペット部材21,22を、図3に示すように各シート部位11,12の前端側で下方に垂下させる。このとき本実施例では、各シート部位11,12に予め掛着されているロール状の各カーペット部材21,22を下方に垂下させることができる。例えば図7及び図8を参照して、右カーペット部材21を垂下させる場合には、左右のストラップ部材26を前方に牽引することにより、右シートカバー11bと面ファスナ24の掛着が解除されて、右カーペット部材21を下方に垂下させることができる。この状態の右シートカバー11bは、右シート部位11をなす右シートカバー11bと図2に示す右骨格部41の間から前方に引き出された状態となって下方に垂下することとなる。そしてシートクッション4を前方から見た場合には、右シートカバー11bの下方に右カーペット部材21が配置し、さらに右カーペット部材21にて右骨格部41の前側が覆われているため、見栄えの良いシート構成となっている。また同様に左カーペット部材22も、右カーペット部材21と同様の手順で垂下させることができる。
つづいて各カーペット部材21,22の下部裏側を、図4に示す各支持部材81,82に取付けて支持しておく。この種の構成においては、各カーペット部材21,22を、仕上がり性良く且つ安定的に乗物用シート2に配設しておくことが望ましい。例えば本実施例では、各カーペット部材21,22の配置位置を、その仕上がり性を考慮して、乗物床面や対応する支持部材81,82との位置関係を踏まえて適宜調整する必要がある。このとき各カーペット部材21,22を各支持部材81,82に強固に固定してしまうと、各カーペット部材21,22の下端の位置を調整するために各支持部材81,82から取外す作業が面倒となってしまう。
そこで本実施例では、図2及び図4に示す各支持部材81,82が、乗物床面側に配置されている下部支持部位81a,82aと、各下部支持部位81a,82aよりも上方に配置されている上部支持部位81b,82bとを有している。そして本実施例の乗物用シート2には、各下部支持部位81a,82aと各カーペット部材21,22とを係止している下側係止部FP2と、上部支持部位81b,82bと各カーペット部材21,22とを係止している上側係止部FP1とが設けられているとともに、下側係止部FP2の係止力は、上側係止部FP1の係止力よりも弱くなるように設定されている。ここで上側係止部FP1と下側係止部FP2の構成は、各カーペット部材21,22及び支持部材81,82で概ね同一である。そこで以下に、右カーペット部材21及び右支持部材81を一例として上側係止部FP1と下側係止部FP2の詳細を説明する。
[上側係止部]
図5、図6及び図8を参照して、右シート部位11(右シートカバー11b又は右張出部41c)の前端側から右カーペット部材21を垂下させながら、上側係止部FP1によって右カーペット部材21を上部支持部位81bに取付ける。本実施例の上側係止部FP1は、右カーペット部材21の保持部21bと、右支持部材81の上部支持部位81bの係止孔86と、軸状のクリップ部材90で構成されている。このクリップ部材90は、円筒状の軸部90aと、軸部90aの径方向外側に張出している係止片90bと、軸部90aよりも径大とされている頭部90cとを有している。そこでクリップ部材90の軸部90aを、保持部21bの挿通孔21Hに挿通して右支持部材81に向けて突出させつつ、頭部90cを、挿通孔21Hの周縁に当接させてかけ止めておく。こうすることで右カーペット部材21に、保持部21bを介してクリップ部材90を安定的に保持しておくことができる。そして右カーペット部材21の裏側を右支持部材81の上部支持部位81bにあてがいつつ、クリップ部材90の軸部90aを、上部支持部位81bの係止孔86に挿入(又は圧入)して、係止孔86の内壁に係止片90bを係止しておく。
こうして軸状のクリップ部材90によって、右カーペット部材21と上部支持部位81bとを相対的に強く係止しておくことで、右カーペット部材21を安定的に乗物用シート2に配設することができる。また本実施例では、右カーペット部材21に、板状の保持部21bを介して複数のクリップ部材90を安定的に保持している。そして右カーペット部材21は、保持部21bとともに上部支持部位81bに近接した状態で係止されている。このため隣り合うクリップ部材90の間の右カーペット部材21部分も上部支持部位81bに近接して配置され、上部支持部位81bに対して右カーペット部材21に部分的な浮きが生じるといった事態を極力回避することができる。
[下側係止部]
つづいて右カーペット部材21を乗物床面FSに到達するまで垂下させつつ、下側係止部FP2によって右カーペット部材21を下部支持部位81aに係止する。この下側係止部FP2は、係脱自在な掛着部材84で構成されているとともに、右カーペット部材21の下部裏側をなす折り返し部21aと下部支持部位81aとを掛着することができる。そして下側係止部FP2としての掛着部材84を下部支持部位81aに予め取付けておくことで、折り返し部21aを、下部支持部位81aに押し付けるだけでそれに係止することができる。このため本実施例では、下側係止部FP2の位置を目視で確認する必要がないため、右カーペット部材21の取付け作業の作業性向上に資する構成となっている。また掛着部材84は、折り返し部21aと下部支持部位81aを係脱可能な状態で掛着している。すなわち掛着部材84のフック構造は、折り返し部21aの表面(例えば繊維)に掛け止められているだけであるため、クリップ部材90に比して容易に係脱させることが可能である。このため右カーペット部材21の下端にヨレや皺が発生した場合や、右カーペット部材21の下端が乗物床面FSにうまく沿っていない場合などには、折り返し部21aと下部支持部位81aとを一旦係脱したのち係止し直すことができる。このように下側係止部FP2によって、右カーペット部材21を下部支持部位81aとを相対的に弱く係止しておくことで、右カーペット部材21を仕上がり性良く乗物用シート2に配設することが可能となる。
こうして本実施例では、図5等に示す各係止部FP1,FP2によって、右カーペット部材21を、図3に示すように右シート部位11の前端に仕上がり性良く且つ安定的に取付けておくことができる。特に本実施例では、非垂下状態の右カーペット部材21を、シートクッション4に予め取付けておくことで、乗物床面FSに対するシートクッション4の配設作業に続いて、右カーペット部材21をスムーズに右支持部材81に取付けることができる。こうして本実施例では、シートクッション4の固定作業と右カーペット部材21の配設作業とを順序立てて行うことができ、シートの配設作業性の向上に資する構成となる。そして乗物用シート2では、図5に示すように右カーペット部材21が乗物床面FSに到達する位置まで配置され、これにより乗物床面FSに対するフレーム部30の固定箇所(図5では中央固定部73)が適切に隠されている。特に本実施例では、乗物床面FSに対するフレーム部30の固定箇所を各固定部73等の前端に設定したことで、このフレーム部30の固定箇所を右カーペット部材21にてより確実に隠しておくことができる。さらに右カーペット部材21の下端側は、糸のほつれや飛び出しのほとんどない折り返し部21aの下端側で形成されているため、右カーペット部材21の仕上がり性向上に資する構成となっている。
そして図3に示す左カーペット部材22も、右カーペット部材21と同様に、図示しない各係止部によって、左シート部位12の前端に仕上がり性良く且つ安定的に取付けておくことができる。なお本実施例では、右カーペット部材21は右支持部材81に支持されているが、左カーペット部材22の右側は、右支持部材81に支持され、その他の左カーペット部材22は、左支持部材82に支持されている。
[カーペット部材と支持部材の長さの関係]
ところで本実施例では、図3及び図4を参照して、各シート部位11,12の左右方向における長さの比(本実施例では5:5)と、各フレーム部位31,32の左右方向における長さの比(本実施例では6:4)とが異なっている。このような場合には、シートの各種性能を考慮して、各カーペット部材21,22の左右方向の長さと、各支持部材81,82の左右方向の長さとをどのように設定するかが問題となる。すなわち各カーペット部材21,22の長さは、シートの意匠性を考慮して設定すべきであり、各支持部材81,82の長さは、フレーム部30に対する取付け安定性を考慮して設定すべきである。
そこで本実施例では、図3に示すようにシートクッション4の前縁に沿って左右方向に延びているカーペット部材を、両シート部位11,12の境X1で分割して、右カーペット部材21と左カーペット部材22とに区分けしておく。こうすることで右シート部位11側の右カーペット部材21に対する左シート部位12側の左カーペット部材22の左右方向における長さの比率を、右シート部位11に対する左シート部位12の左右方向における長さの比率に合わせておくことができる。すなわち本実施例では、右カーペット部材21に対する左カーペット部材22の左右方向における長さの比率(L12/L11)を、各シート部位11,12の比率と同様に概ね5/5とすることができる。こうして各カーペット部材21,22の長さを、対応するシート部位11,12の長さに合わせておくことで、シートに統一感を生じさせるなどして意匠性を適切に維持しておくことができる。特に本実施例では、左右のシート部位11,12の長さを概ね同一としている。そして各シート部位11,12と対応するカーペット部材21,22とを左右対称状に配置することにより、シート全体に見栄えの良い統一感が生じるなどして更なる意匠性の向上に資する構成となっている。
また本実施例では、図4に示すようにカーペット部材21,22の裏側に沿って左右方向に延びている支持部材を、両フレーム部位31,32の境X2で分割して右支持部材81と左支持部材82とに分割している。こうすることで右フレーム部位31側の右支持部材81に対する左フレーム部位32側の左支持部材82の左右方向における長さの比率を、右フレーム部位31に対する左フレーム部位32の左右方向における長さの比率に合わせておくことができる。すなわち本実施例では、右支持部材81に対する左支持部材82の左右方向における長さの比率(L4/L3)を、各フレーム部位31,32の比率と同様に概ね4/6とすることができる。こうして分割された各支持部材81,82の長さを、対応するフレーム部位31,32の長さに合わせておくことで、各支持部材81,82の取付け安定性を適切に維持しておくことができる。
すなわち上述のフレーム部30では、図4に示す右固定部71と左固定部72が、乗物床面との関係から中央固定部73に対して上下にずれて配置することがある。例えば本実施例では、右固定部71が基準となる位置(X0)から上方又は下方にずれて配置することがある。このような場合には右固定部71と左固定部72との間に一つの支持部材を橋し渡しておくと、この一つの支持部材に、両フレーム部位31,32の境X2を基点に撓み変形するような無理な力がかかるなどして取付け安定性に欠ける構成となってしまう。そこで本実施例では、右支持部材81と左支持部材82とを、両フレーム部位31,32の境X2で分割しておく。こうすることで右支持部材81と左支持部材82とは、両フレーム部位31,32の境X2を中心に互いの相対位置関係を変えることが可能となる。このため本実施例では、上記固定部71,72の位置にずれが生じても、右固定部71と中央固定部73の間に橋し渡されている右支持部材81と、中央固定部73と左固定部72の間に橋し渡されている左支持部材82とに無理な力がかかることを極力回避できる。この結果として本実施例によれば、各支持部材81,82を安定して対応するフレーム部位31,32に橋渡し状に固定しておくことができる。
また本実施例のフレーム部30は、図3及び図4に示す右シート部位11と左シート部位12とを、各々、対応する固定部71〜73に対して後方に移動可能な移動機構44を備えている。そして右カーペット部材21と左カーペット部材22は、右シート部位11と左シート部位12の境X1で分割されているため、それぞれ対応するシート部位11,12の後方への移動に追従可能とされている。例えば右シート部位11を一例に説明すると、図10に示す通常状態の右シート部位11は、起立状態の前連結脚部41aと前傾状態の後連結脚部41bを介してフレーム部30にて下支えされている。そこで移動機構44を作動させると、右シート部位11が、各連結脚部41a,41bを次第に後方に倒しながら後方に移動していく。そして図11に示すように前連結脚部41aが起立状態から後方に傾くとともに、後連結脚部41bが前傾状態から後方に傾くことで、右シート部位11が後方に移動して後移動状態となっていく。
そして右カーペット部材21の下側は、固定部側に取付けられている右支持部材81に取付けられているため移動しない。これとは異なり右カーペット部材21の右支持部材81よりも上側は、右支持部材81に取付けられていないため、右シート部位11とともに後方に移動していく。このとき右カーペット部材21の上側部分は、左カーペット部材22と分割されて干渉を受けないため、右シート部位11とともにスムーズに後方に移動することができる。こうして右カーペット部材21の上側部分は、右シート部位11の後移動に従って次第に下方に垂れ下がった状態となっていく。また同様に左カーペット部材22の上側部分も、右カーペット部材21からの干渉を受けることなく、左シート部位12とともにスムーズに後方に移動できる。
以上説明したとおり本実施例では、上側係止部FP1によって、各カーペット部材21,22と各支持部材81,82とを比較的強固に係止することにより、各カーペット部材21,22を安定的に乗物用シート2に配設することができる。また下側係止部FP2によって、各カーペット部材21,22の下端側と各支持部材81,82とを相対的に弱く係止して、各カーペット部材21,22と各支持部材81,82の係脱を容易にすることで、各カーペット部材21,22を仕上がり性良く乗物用シート2に配設することが可能となる。また本実施例では、上側係止部FP1として軸状のクリップ部材90を用いることにより、各カーペット部材21,22と各支持部材81,82をより確実に強固に係止することができる。また本実施例では、各カーペット部材21,22に、板状の各保持部21b,22bを介してクリップ部材90をより確実に保持することができる。さらに各カーペット部材21,22は、板状の各保持部21b,22bとともに各上部支持部位81b,82bに近接した状態で係止されている。このため隣り合うクリップ部材90の間の各カーペット部材21,22部分も各上部支持部位81b,82bに近接して配置されている。これにより各上部支持部位81b,82bに対して各カーペット部材21,22に部分的な浮きが生じるといった事態を極力回避することができ、仕上がり性向上に資する構成となる。また本実施例では、下側係止部FP2として係脱可能な掛着部材84を用いて、各カーペット部材21,22と各支持部材81,82の下部支持部位81a,82aを相対的に弱く係止することができる。また本実施例では、各カーペット部材21,22の下端側が、糸のほつれや飛び出しのほとんどない各折り返し部21a,22aの下端側で形成されているため、各カーペット部材21,22の仕上がり性向上に資する構成となる。このため本実施例によれば、各カーペット部材21,22を、仕上がり性良く且つ安定的に乗物用シート2に配設しておくことができる。
さらに本実施例では、非垂下状態の各カーペット部材21,22を、シートクッション4に予め取付けておくことで、乗物床面FSに対するシートクッション4の配設作業に続いて、各カーペット部材21,22をスムーズに各支持部材81,82に取付けることができる。こうして本実施例では、シートクッション4と各カーペット部材21,22の配設作業を順序立てて行うことができ、シートの配設作業性の向上に資する構成となる。また本実施例では、ロール状とされた各カーペット部材21,22をシートクッション4に掛着してコンパクトに取付けておくことができ、シートの配設作業性の向上に更に資する構成となる。そして本実施例では、ストラップ部材26の牽引(比較的簡便な作業)によって、各カーペット部材21,22をスムーズに垂下させることができる。
本実施形態の乗物用シート2は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、シートクッション4の構成(形状,寸法,構成部材や各シート部位,左右の長さなど)と、フレーム部30の構成(形状,寸法,構成部材や各フレーム部位,左右の長さなど)を例示したが、これら各部位の構成を限定する趣旨ではない。例えば本実施例では、両シート部位の長さや比率を例示したが、各シート部位の左右の長さは、乗物用シートの構成に応じて適宜設定することができる。例えば右シート部位の左右方向の長さと左シート部位の左右方向の長さは異なっていてもよい。また各シート部位の構成も適宜変更可能であり、一つのシート部位に乗員の着座を予定していないこともありうる。また両フレーム部位の長さや比率を例示したが、各フレーム部位の左右の長さは、乗物用シートや乗物床面の構成に応じて適宜設定することができる。
また本実施形態では、左右のカーペット部材21,22の構成(形状,寸法,構成部材,左右の長さなど)と、左右の支持部材81,82の構成(形状,寸法,構成部材,左右の長さなど)を例示したが、これら各部材の構成を限定する趣旨ではない。例えば支持部材は、板材で形成された箱状の部材であってもよく、フレーム部の適宜の位置に適宜の手法で取付けることができ、例えば骨格部の適宜の位置に取付けておくことも可能である。またカーペット部材は、支持部材に対して適宜の手法で取付けることができる。例えば上側係止部として、クリップ部材のほかに、ボルト材などの各種締結具、ベルトやワイヤなどの結束具などを適宜用いることができる。また下側係止部として、面ファスナや線ファスナなどの掛着部材や、繰り返し着脱可能なテープ状の係止部材、ボタンなどの点ファスナを適宜用いることができる。そして係止力に差を設けることができるならば、上側係止部と下側係止部に同種の係止構造を採用することができる。そして係止構造の各構成は、カーペット部材と支持部材に適宜設けることができ、例えば掛着部材をカーペット部材に設けることができ、クリップ部材を支持部材に設けることもできる。またカーペット部材は、シートクッションの適宜の位置に適宜の手法で取付けることができる。例えばカーペット部材は、折り畳むなどしてシートクッションの適宜の位置に取付けておくことができ、シートクッションの配設ののちに後付けすることもできる。なお非垂下状態のカーペット部材を、面ファスナのほかに、線ファスナや点ファスナなどでもシートクッションに掛着でき、下側係止部をなす掛着部材によってシートクッションに掛着しておくこともできる。またカーペット部材には、単数又は三以上のストラップ部材を取付けることができ、各ストラップ部材は、帯状のほか、紐やワイヤなどの線状であってもよく、適宜省略することもできる。
また本実施形態では、各固定部71〜73の配置位置や構成(形状,寸法,配設数,固定方法など)を例示したが、固定部の構成を限定する趣旨ではない。例えば固定部は、前後に延びている板状の部材のほか、適宜の方向に延びている板材や柱材や筒材などで構成することができる。また固定部は、複数の脚部材から選択することができ、脚部材とは別の部材で構成することもできる。また固定部は、ボルト状の締結具のほか、スタッドボルト状の締結具などの具材を用いて乗物床面に固定することができ、乗物床面に溶接などの手法で固定することもできる。そして各固定部の構成に応じて、各フレーム部位の構成を適宜変更することができ、固定部を三箇所以上設けることもできる。なお本実施例の右固定部と中央固定部の間や、中央固定部と左固定部の間などに、支持部材とは無関係の別の固定部を配置することもできる。
また本実施形態では、乗物用シート2の各種の構成を例示したが、乗物用シートの構成を限定する趣旨ではない。例えば乗物用シートでは、各種の移動機構の構成を採用することができ、必要に応じて移動機構を省略することができる。また移動機構を省略した場合には各カーペット部材を個別に移動させる必要がない。そして移動不要の各カーペット部材は、縫合や接着や接合などの手法で互いに固定されていてもよく、この場合には、縫合線や接着部分や接合箇所で各カーペット部材が区分けされることとなる。そして本実施形態の構成は、車両や航空機や電車や船舶などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
11 右シート部位
11a 右シートパッド
11b 右シートカバー
11c 右リクライニング部
11d 右リクライニング部の凹み部位
12 左シート部位
12a 左シートパッド
12b 左シートカバー
12c 左リクライニング部
12d 左リクライニング部の凹み部位
21 右カーペット部材
21a 折り返し部
21b 保持部
21H 挿通孔
22 左カーペット部材
22a 折り返し部
22b 保持部
24 面ファスナ
26 ストラップ部材
30 フレーム部
31 右フレーム部位
32 左フレーム部位
41 右骨格部
41a 前連結脚部
41b 後連結脚部
41c 右張出部
42 左骨格部
42a 前連結脚部
42b 後連結脚部
42c 左張出部
44 移動機構
44a ピニオン部
44b ラック部
51 第一脚部材
52 第二脚部材
53 第三脚部材
54 第四脚部材
56A 前側連結部材
56 連結部材
61 第一ブラケット部
62 第二ブラケット部
70H 締結孔
71 右固定部
72 左固定部
73 中央固定部
81 右支持部材
82 左支持部材
81a,82a 下部支持部位
81b,82b 上部支持部位
84 掛着部材
86 係止孔
88 取付け凹部
90 クリップ部材
90a 軸部
90b 係止片
90c 頭部
BM バックル
FM 締結具
FP1 上側係止部
FP2 下側係止部
FS 乗物床面
LB リブ
SEW1 第一縫合線
SEW2 第二縫合線
X1 右シート部位と左シート部位の境
X2 右フレーム部位と左フレーム部位の境

Claims (8)

  1. シートクッションと、前記シートクッションの前端側で下方に垂下するカーペット部材と、前記シートクッションを下支えした状態で乗物床面に固定されるフレーム部とを備え、
    前記乗物床面に対する前記フレーム部の固定箇所は前記カーペット部材にて隠されているとともに、前記カーペット部材の下部裏側は、前記フレーム部に対してシート幅方向となる左右方向に橋渡し状に固定されている支持部材で支持されている乗物用シートにおいて、
    乗物床面側に配置されている前記支持部材の下部支持部位と前記カーペット部材とを係止している下側係止部と、前記下部支持部位よりも上方に配置されている前記支持部材の上部支持部位と前記カーペット部材とを係止している上側係止部とが設けられているとともに、前記下側係止部の係止力は、前記上側係止部の係止力よりも弱くなるように設定されている乗物用シート。
  2. 前記上側係止部は、前記カーペット部材に取付けられた軸状のクリップ部材と、前記クリップ部材を挿入して係止可能な前記上部支持部位の係止孔とを有するとともに、前記クリップ部材は、前記カーペット部材から前記支持部材に突出した状態とされて前記係止孔に挿入されて係止されている請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記カーペット部材は、前記カーペット部材の裏側に取付けられて前記上部支持部位に対面状に配置する板状の保持部を有し、前記クリップ部材は、前記保持部の挿通孔に挿通された状態で前記カーペット部材に取付けられている請求項2に記載の乗物用シート。
  4. 前記下側係止部は、前記カーペット部材の裏側と前記下部支持部位を係脱可能な状態で掛着する掛着部材で構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  5. 前記カーペット部材は、前記乗物床面側で折り返されている折り返し部と、前記折り返し部を前記カーペット部材に取付けている取付け部とを有し、前記下側係止部は、前記折り返し部と前記下部支持部位とを掛着している掛着部材で構成されている請求項4に記載の乗物用シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の乗物用シートの配設方法において、
    前記乗物床面に配設される前の前記シートクッションの前端側に、非垂下状態の前記カーペット部材を予め取付け、
    前記シートクッションを、前記フレーム部とともに前記乗物床面に固定した状態において、前記カーペット部材を前記シートクッションの前端から垂下させながら、前記上側係止部によって前記カーペット部材を前記上部支持部位に取付けたのち、前記下側係止部によって前記カーペット部材を前記下部支持部位に取付ける乗物用シートの配設方法。
  7. 前記非垂下状態の前記カーペット部材は、ロール状に巻き回された状態となって前記シートクッションに面ファスナで掛着されている請求項6に記載の乗物用シートの配設方法。
  8. 前記非垂下状態の前記カーペット部材には、前方に突出する帯状又は線状のストラップ部材が設けられており、前記ストラップ部材を前方に牽引することで、前記シートクッションと前記カーペット部材との掛着が解除される請求項7に記載の乗物用シートの配設方法。
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