JP2021146847A - 乗物用シート - Google Patents

乗物用シート Download PDF

Info

Publication number
JP2021146847A
JP2021146847A JP2020047836A JP2020047836A JP2021146847A JP 2021146847 A JP2021146847 A JP 2021146847A JP 2020047836 A JP2020047836 A JP 2020047836A JP 2020047836 A JP2020047836 A JP 2020047836A JP 2021146847 A JP2021146847 A JP 2021146847A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seat
seat cover
fastener
frame
locking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020047836A
Other languages
English (en)
Inventor
力 山田
Tsutomu Yamada
力 山田
達郎 佐藤
Tatsuro Sato
達郎 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Boshoku Corp
Nifco Inc
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
Nifco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Boshoku Corp, Nifco Inc filed Critical Toyota Boshoku Corp
Priority to JP2020047836A priority Critical patent/JP2021146847A/ja
Publication of JP2021146847A publication Critical patent/JP2021146847A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】シートカバーのテンションを調整可能な状態で、シートカバーの端部をシートフレームに係止することにある。【解決手段】係止構造30は、シートカバー4Sとシートフレーム4Fのいずれか一方に取付けられる留具40と、一方とは異なるシートカバー4Sとシートフレーム4Fのいずれか他方に取付けられる帯状又は索状の長尺材50とを有し、長尺材50は、留具40内に引き寄せられて係止されるとともに、留具40には、長尺材50の引き寄せ量を調節可能な調節機構45が設けられている。【選択図】図7

Description

本発明は、シートフレームと、シートフレームを覆うシートカバーと、シートカバーの端部をシートフレームに係止する係止構造とを備えた乗物用シートに関する。
この種の乗物用シートは、シート骨格をなすシートフレームと、シートの意匠面を構成するシートカバーとを有している。そしてシートフレームによって、乗員を弾性的に支持可能なシートパッドを支持し、さらにシートカバーによってシートフレームとシートパッドを被覆する。このときシートの仕上がり性を考慮して、シートカバーに適度にテンションをかけつつ、このシートカバーの端部をシートフレームに係止しておく。
ここでシートカバーの端部をシートフレームに係止する手法として、クリップを用いた係止手法が取られることがある。例えば特許文献1に開示の技術では、シートフレームに相当するシート底板が、その上に配置されているクッションとともに、シートカバーに相当するカバーで覆われている。そしてカバーの端部に設けられたフランジ部をシート底板に重ねたのち、これらに設けられている貫通孔にクリップを挿通して係止する。また特許文献2に開示の技術においても、シートカバーの一部にクリップが固定され、このクリップの矢尻状の先端が、シートフレームに相当するプレートのクリップ係止孔に圧入されて係止されている。
特開2018−118558号公報 特開2015−48050号公報
ところで上述のシート構成では、シートカバーのテンションを維持できるように、シートカバーの端部が引張された状態でシートフレームに係止される。このような構成では、シートカバーの素材や他の係止箇所等を考慮して、シートカバーの端部の引張の程度を調整することが望ましい。例えば伸びにくいシートカバーの場合にはその端部を弱く引張し、伸びやすいシートカバーの場合にはその端部を強く引張しておく。しかし公知技術のようにクリップを用いた係止手法では、クリップの挿通位置が定まっているため、シートカバーの端部の引張の程度を自由に調整できるわけではなかった。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シートカバーのテンションを調整可能な状態で、シートカバーの端部をシートフレームに係止することにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物用シートは、シート骨格をなすシートフレームと、シートフレームを覆うシートカバーと、シートカバーの端部をシートフレームに係止する係止構造とを備えている。この種のシート構成では、シートカバーのテンションを調整可能な状態で、シートカバーの端部をシートフレームに係止できることが望ましい。
そこで本発明の係止構造は、シートカバーとシートフレームのいずれか一方に取付けられる留具と、一方とは異なるシートカバーとシートフレームのいずれか他方に取付けられる帯状又は索状の長尺材とを有している。そして長尺材は、留具に引き寄せられて係止されるとともに、留具には、長尺材の引き寄せ量を調節可能な調節機構が設けられている。本発明では、留具と長尺材とから構成された係止構造によって、シートカバーの端部をシートフレームに係止している。この係止構造では、留具に対する長尺材の引き寄せ量を調節機構で調節して、シートカバーの端部の引張の程度を調整できるため、シートカバー毎にテンションの調整を図ることが可能となっている。
第2発明の乗物用シートは、第1発明の乗物用シートにおいて、長尺材は、シートカバーに設けられた挿通部に挿通されて取付けられて、シートフレームに取付けられている留具に係止されている。本発明では、シートカバーの挿通部に長尺材が挿通されて取付けられるため、この長尺材を取付けるための縫製作業を省略することができ、シートカバーの製造コストの低減に資する構成となっている。
第3発明の乗物用シートは、第1発明又は第2発明の乗物用シートにおいて、係止構造は、シートフレームを表裏から挟み付けている一対の係止部を有している。本発明では、係止構造を、一対の係止部の挟み付けによってシートフレームにより安定的に取付けておくことができる。
第4発明の乗物用シートは、第3発明の乗物用シートにおいて、一対の係止部の一方は、留具と長尺材のいずれか一方に設けられて、シートフレームに向けて突出している。そして一対の係止部の一方がシートフレームに当接していることで、留具と長尺材のいずれか一方が、シートカバーに取付けられた状態で、シートフレームから離間して配置されている。本発明の係止構造では、留具と長尺材のいずれか一方が、一方の係止部によって、シートカバーとともにシートフレームから離間して配置される。そしてシートカバーには、シートフレームから離間した分だけテンションがかけられるため、シートカバーの仕上がり性の確保に資する構成となっている。
第5発明の乗物用シートは、第1発明〜第4発明のいずれかの乗物用シートにおいて、長尺材と留具とが別体で構成されている。本発明では、長尺材と留具とを個別に取り扱うことが可能となり、シート製造時の各作業(組み立て作業や運搬作業など)の効率化に資する構成となる。
第6発明の乗物用シートは、第5発明の乗物用シートにおいて、留具と長尺材のいずれか一方は、シートカバーの端部に取付けられて一体化されている。本発明では、留具と長尺材のいずれか一方をシートカバーに一体化しておくことで、これらを一体物として取り扱うことができ、シート製造時の各作業の更なる効率化に資する構成となる。
本発明に係る第1発明によれば、シートカバーのテンションを調整可能な状態で、シートカバーの端部をシートフレームに係止することができる。また第2発明によれば、縫製作業を極力要することなく設けられた係止構造によって、シートカバーのテンションを調整可能な状態で、シートカバーの端部をシートフレームに係止することができる。また第3発明によれば、シートカバーの端部をシートフレームにより安定的に係止することができる。また第4発明によれば、シートカバーの仕上がり性をより適切に確保することができる。また第5発明によれば、シート製造時の各作業の効率化を図りつつ、シートカバーの端部をシートフレームに係止することができる。そして第6発明によれば、シート製造時の各作業の更なる効率化を図ることができる。
乗物用シートの概略斜視図である。 シートクッションの分解斜視図である。 係止構造とシートフレームとシートカバーを示す拡大斜視図である。 係止構造の斜視図である。 係止構造の断面図である。 シートカバーの端部とシートフレームと係止構造の拡大正面図である。 図6のVII−VII線断面図である。 シートカバーの端部とシートフレームと係止構造の拡大断面図である。 変形例にかかる係止構造を部分的に断面視で示す側面図である。 変形例にかかる長尺材とシートカバーの斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図10を参照して説明する。各図には、乗物用シートの前後方向と上下方向と左右方向を示す矢線を適宜図示する。また図4、図5及び図9では、各部材が乗物用シートに配設された状態を基準として、その前後方向と上下方向と左右方向を示す矢線を適宜図示する。
図1に示す乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8とを有している。これらシート構成部材(4,6,8)は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F,8F)と、シート外形をなすシートパッド(4P,6P,8P)と、シートの意正面を構成するシートカバー(4S,6S,8S)を有する。そしてシートクッション4(詳細後述)の後部には、図示しないリクライナを介してシートバック6の下部が起倒可能に連結されている。また起立状態のシートバック6の上方にはヘッドレスト8が配設されている。そしてシートクッション4は、その下部に配設されたスライド機構部9を介して、乗物室内の床面にスライド移動可能な状態で配設されている。
[シートクッション]
図1に示すシートクッション4は、座部となる上方視で概ね矩形の部材であり、上述の基本構成(4F,4P,4S)と、複数の係止構造30(詳細後述)を有している。このシートクッション4は、図2に示すように、シートフレーム4F(詳細後述)にてシートパッド4Pを支持し、さらにこれら両部材4F,4Pをシートカバー4S(詳細後述)で被覆することで形成されている。なおシートパッド4Pは、シート外形をなす上面視で略矩形の部材であり、ポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)等の発泡樹脂で形成できる。
また後述するシートカバー4Sは、シートの仕上がり性を考慮して、図1に示すように適度に張った状態でシートフレーム4Fとシートパッド4Pを被覆している。そしてシートクッション4においては、シートカバー4Sのテンションを維持できるように、シートカバー4Sの端部(220)が適度に引張された状態でシートフレーム4Fに係止される。この種のシート構成では、シートカバー4Sの素材等を考慮して、シートカバー4Sの端部(220)の引張の程度を調整することにより、シートカバー4Sのテンションを適宜調整したいとの要請がある。そこで本実施例では、後述する係止構造30によって、シートカバー4Sのテンションを調整可能な状態で、シートカバー4Sの端部をシートフレーム4Fに係止することとした。以下、各構成について詳述する。
[シートフレーム]
図2に示すシートフレーム4Fは、シート骨格をなす上方視で略矩形の枠体であり、金属や硬質樹脂などの剛性に優れる素材で形成できる。このシートフレーム4Fは、前部骨格をなすフロントフレーム10と、側部骨格をなす左右一対のサイドフレーム11,12と、後部骨格をなすリヤフレーム13とを有している。またシートフレーム4Fの枠内には支持部材15が配設され、この支持部材15によって、シートパッド4Pを弾性的に下支えすることができる。そして左側の左サイドフレーム11と右側の右サイドフレーム12は、シートの右側と左側に分かれて配置されているとともに、左右対称となっている以外は概ね同一の基本構成を有している。例えば左サイドフレーム11は、図2及び図3を参照して、前後に長尺な板状の部材であるとともに、断面略コ字形に形成されて、その上縁部11aと下縁部11bとがシート内側(各図の右側)に向けて屈曲している。また左サイドフレーム11は、上部11cと下部11dの間に段差が形成されており、下部11d側が相対的にシート内側(各図の右側)に向けて凹んでいる。そして左サイドフレーム11では、その下部11dから下縁部11bにかけての下側部分が、後述するシートカバー4Sの端部を係止する箇所となっている。なお本実施例では、左サイドフレーム11の左面が表面となって外部に露出しており、左サイドフレーム11の右面が裏面となってシート内側に配置されている。
[シートカバー]
また図2に示すシートカバー4Sは、複数の表皮ピースを縫合することで形成されている(図2では、便宜上、表皮ピース毎の符号を省略する)。ここで各表皮ピースは、天然繊維又は合成繊維からなる布帛(織物,編物,不織布)や皮革(天然皮革,合成皮革)にて形成でき、その裏面には、ウレタンラミ等のパッド材(図示省略)や、不織布等の裏基布(図示省略)を取付けておくことができる。そしてシートカバー4Sは、シートフレーム4F及びシートパッド4Pの上側(着座側)から周面にかけての部分を被覆可能な袋状に形成されている。またシートカバー4Sの上側には、隣り合う表皮ピースの縫合箇所(4SX)が縦横に形成されており、この縫合箇所(4SX)は、シートパッド4Pの着座面に設けられている溝部4PX内に引き込んで係止しておくことができる。
また図2に示すシートカバー4Sの周縁を形成している前縁部21と左縁部22と右縁部23と後縁部24は、各々、シートフレーム4F及びシートパッド4Pの周面を被覆する部分である。これら各縁部21〜24は、それぞれ本発明のシートカバーの端部に相当する部分であり、後述する係止構造30を配設することができる(図2では、便宜上、左縁部の係止構造のみ図示する)。ここでシートカバー4Sの各縁部21〜24は、概ね同一の構成によって係止構造30を配設できるため、以下に、図2及び図3に示すシートカバー4Sの左縁部22を一例にその詳細を説明する。このシートカバー4Sの左縁部22は、それ自身が端部となっていてもよいが、本実施例では、下方に向けて張り出す左端部220が端部を構成している。この左端部220は、シートカバー4Sの左縁部22の一部を下方に向けて延長させることで形成できる。そして左端部220は、前後に長尺な矩形に形成されているとともに、一対の挿通部25,26が前側と後側とに分かれて形成されている。ここで前側の挿通部25と後側の挿通部26は、左端部220を厚み方向に貫通する長孔状の部位であり、前後方向に向けて延長している。そして本実施例においては、左端部220に設けられた各挿通部25,26に、後述する係止構造30を配設することができる。
[係止構造]
図2及び図3に示す係止構造30は、シートカバー4Sの端部(220)をシートフレーム4Fに係止するための構造である。この係止構造30は、シートカバー4Sの各縁部21〜24の適宜の位置に配設でき、例えばシートカバー4Sの左縁部22の左端部220には一対の係止構造30が配設されている(図2では、便宜上、各係止構造に共通の符号30を付す)。そして各係止構造30は、概ね同一の基本構成を有しているため、以下に、左端部220に配設される一つの係止構造30を一例にその詳細を説明する。この係止構造30は、図3〜図5を参照して、シートフレーム4Fに取付けられる留具40と、シートカバー4Sに取付けられる長尺材50とを備え、さらに一対の係止部60a,60bを有している。
[留具]
図3〜図5に示す留具40は、中空角筒形に形成されているとともに、後述する長尺材50を引き込み(引き寄せながら挿入)可能な挿通孔41が形成されている。この挿通孔41は、図5に示すように留具40が左右を向くように寝かせられた状態で、留具40を左右に貫通してその左端40b側と右端40a側で外部に連通している。そして挿通孔41は、長尺材50を挿通可能な断面略矩形に形成されているとともに、その内部に調節機構45が設けられている。この調節機構45は、挿通孔41の右下側の内壁41aに一体的に設けられている弾性片部45aと、この弾性片部45aから挿通孔41の上側の内壁41bに向けて突出する係止爪45bとを有している。
そして図5に示す弾性片部45aは、挿通孔41に沿うように留具40の左端40bから右端40aに向けて延びる板状に形成され、その右端側に形成された先端部450aが右端40aから突出している。この弾性片部45aの右部は、留具40の右下側の内壁41aから分岐したのち先端部450aに向かうにつれて次第に上方に傾いており、この傾いた弾性片部45aの上面に、上述した係止爪45bが形成されている。また弾性片部45aの左側は操作端部451aとなっており、この操作端部451aは、留具40の左下側の内壁部分をなして外部に露出した状態となっている。さらに操作端部451aは、図3及び図4に示す前後の切欠き部46,47によって留具40のその他の部分から分断されており、挿通孔41内(各図の上側)に押し込むことができる。そして図8の二点破線に示すように、操作端部451aを上方に押し込んで、弾性片部45aを逆向きに傾かせることにより、弾性片部45aの先端部450a側を、係止爪45bとともに下方に動かすことができる。
[長尺材]
また図3〜図5に示す長尺材50は、留具40の上面の左側に一体化されている帯状の部位であり、シートカバー4Sの挿通部25等に挿通可能な寸法を有している。この長尺材50は、適度な可撓性を有するとともに、取付け前の自由状態において概ね三角形状となるように屈曲又は湾曲している。そして自由状態の長尺材50は、三角形状の各辺となる三つの直線部(第一直線部51,第二直線部52,第三直線部53)に区分けでき、さらに隣り合う直線部の間の部分は曲線状に湾曲して湾曲部分54を形成している。ここで第一直線部51は、留具40の上面左側に連結して上下方向に延びる部分であり、第二直線部52は、第一直線部51の上端側から下方且つ左方に延びる部分である。そして第三直線部53は、第二直線部52の下端側から右方に延びる部分であり、その先端側から留具40の挿通孔41に挿入することができる。この第三直線部53には、三角形状とされた際に外側を向く面に、図5に示す断面略矩形の凹部55が複数形成されている(なお図3及び図4では、便宜上、一つの凹部にのみ符号55を付す)。これら各凹部55は、第三直線部53の長手方向に並列して形成されており、調節機構45の係止爪45bが係止される箇所となっている。
[係止部]
そして図3〜図5に示す係止構造30には、シートフレーム4Fの左サイドフレーム11を表裏から挟み付けるための一対の係止部(第一係止部60a,第二係止部60b)が設けられている。第一係止部60aは、図5に示すように留具40の上面の右側から上方に向けて突出する縦板状の部位であり、後述するように左サイドフレーム11の裏面側(各図の右側)に配置される。また第二係止部60bは、長尺材50の第一直線部51の右面から右方に向けて突出する横板状の部位であり、後述するように左サイドフレーム11の表面側(各図の左側)に配置される。そして本実施例では、第二係止部60bが、第一直線部51に対して概ね横T字をなすように突出寸法T1で右方に突出しており、この第二係止部60bにて、長尺材50(第一直線部51)を左サイドフレーム11から左方に離間させて配置することができる。すなわち本実施例では、第二係止部60bが、本発明の一対の係止部の一方に相当する。
[シートカバーの端部の係止作業]
図1及び図2を参照して、シートフレーム4F上にシートパッド4Pを配置したのち、これらをシートカバー4Sで被覆する。そしてシートカバー4Sに適度にテンションをかけつつ、図3に示すように、シートカバー4Sの端部(左端部220等)を、対応する係止構造30を介してシートフレーム4F(左サイドフレーム11等)に係止しておく。この種の構成では、シートカバー4Sの素材や他の係止箇所(例えば図2の4SXと4PXの係止箇所)等を考慮しつつ、シートカバー4Sの端部の引張の程度を調整して、シートカバー4Sのテンションを適宜調整できることが望ましい。
そこで図3に示す係止構造30は、シートフレーム4Fに取付けられる留具40と、シートカバー4Sに取付けられる長尺材50とを有している。そして長尺材50は、留具40内に引き寄せられて係止されるとともに、留具40には、長尺材50の引き寄せ量を調節可能な調節機構45が設けられている。本実施例では、留具40と長尺材50とから構成された係止構造30によって、シートカバー4Sの端部をシートフレーム4Fに係止する。このとき留具40に対する長尺材50の引き寄せ量を調節機構45で調節することにより、シートカバー4Sの端部の引張の程度を調整することが可能となっている。そこで以下に、シートカバー4Sの左端部220に設けられる一つの係止構造30を一例に、その取付け手法と、シートカバー4Sのテンションの調整手法を説明する。
図3及び図5に示す長尺材50の取付けに際しては、概ね三角形状に曲げられた長尺材50を、シートカバー4S(左端部220)に設けられている前側の挿通部25に挿通していく。そして長尺材50は、その第一直線部51と第二直線部52の間の湾曲部分(54)が前側の挿通部25に挿通されて掛け止められた状態でシートカバー4Sに取付けられる。この状態の第三直線部53は、留具40の挿通孔41を臨むように右方に向いている。このようにシートカバー4Sに長尺材50を挿通して取付ける構成では、長尺材50のための縫製(ミシン工程)が不要となり、また専用のミシンスペースも不要であることから、シートカバー4Sの製造コストの低減に資する構成となる。
つづいて右方を向いた第三直線部53を、図6及び図7に示すように留具40の挿通孔41に差し込んでいく(引き寄せ量の調整については後述)。このとき必要に応じて、図8の二点破線に示すように、調節機構45の操作端部451aを上方に押し込んで、弾性片部45aを逆向きに傾かせておく。そして第三直線部53を留具40の挿通孔41にある程度差し込んだのち、操作端部451aの押し込みを止めることで、弾性片部45aを自身の弾性力で元の状態(図8の実線で示す状態)に戻していく。こうして弾性片部45aを元の状態に戻すことにより、留具40(調節機構45)の係止爪45bを第三直線部53の適宜の位置の凹部55に係止しておくことができる。そして長尺材50は、留具40内に適度に引き込まれた状態となり、この引き込まれた状態が、凹部55と係止爪45bの係止によって維持されることとなる。
つぎに図3に示す留具40の取付けに際しては、この留具40を、挿通孔41が左右を向くように寝かせた状態として左サイドフレーム11に下側からあてがう。このとき図7に示すように、留具40から上方に突出する第一係止部60aを、左サイドフレーム11の裏面側に位置する下縁部11bの先端110bに当接させて係止しておく。また長尺材50の第一直線部51から右方に突出する第二係止部60bを、左サイドフレーム11の下部11dの表面側に当接させておく。こうすることで第一係止部60aと第二係止部60bにて、左サイドフレーム11が表裏から挟み付けられた状態となり、留具40と長尺材50(係止構造30)を、左サイドフレーム11に安定的に係止しておくことができる。さらに本実施例では、シートカバー4Sに取付けられている長尺材50が、第二係止部60bの左右の突出寸法T1だけ左サイドフレーム11から左方に離間して配置される。このためシートカバー4Sには、シートフレーム4Fから離間した分だけテンションがかけられることとなり、シートカバー4Sの仕上がり性の確保に資する構成となっている。
[シートカバーのテンションの調整]
そして図7に示すシートカバー4Sのテンションを調整したい場合、長尺材50の引き寄せ量を調節して、シートカバー4Sの左端部220の引張の程度を調整する。例えば係止構造30が左サイドフレーム11に係止された状態で、シートカバー4Sが若干緩んでいた場合を想定する(図7の二点破線で示す状態を参照)。この場合には、図7の実線で示すように、長尺材50を留具40の挿通孔41に更に引き込んで、シートカバー4Sの左端部220を下方に張引する。このように左端部220を下方に強く張引しておくことにより、シートカバー4Sのテンションを高めて適度に張った状態とすることができる。また逆にシートカバー4Sの張りが強い場合には、長尺材50を留具40の挿通孔41から引き出して、シートカバー4Sの左端部220の張引を弱める。このように左端部220の張引を弱めることにより、シートカバー4Sのテンションを緩めて適度に張った状態とすることができる。そしてシートカバー4Sのテンションが適切であると判断した際には、図8に示すように、第三直線部53の適宜の位置の凹部55に調節機構45の係止爪45bを係止することで、左端部220の引張状態を維持しておくことができる。このため本実施例の係止構造30によれば、シートカバー4Sの左端部220の引張の程度を調整して、シートカバー4S毎にテンションの調整を図ることができ、シートの優れた仕上がり性の確保に資する構成となっている。
以上説明した通り本実施例では、留具40と長尺材50とから構成された係止構造30によって、シートカバー4Sの端部(220等)をシートフレーム4Fに係止している。この係止構造30では、留具40に対する長尺材50の引き寄せ量を調節機構45で調節して、シートカバー4Sの端部の引張の程度を調整できるため、シートカバー4S毎にテンションの調整を図ることが可能となっている。また本実施例では、シートカバー4Sの挿通部25等に長尺材50が挿通されて取付けられるため、この長尺材50を取付けるための縫製作業を省略することができ、シートカバー4Sの製造コストの低減に資する構成となっている。また本実施例では、係止構造30を、一対の係止部60a,60bの挟み付けによってシートフレーム4Fに安定的に取付けておくことができる。そして本実施例の係止構造30では、長尺材50が、一方の係止部(60b)によって、シートカバー4Sとともにシートフレーム4Fから離間して配置される。そしてシートカバー4Sには、シートフレーム4Fから離間した分だけテンションがかけられるため、シートカバー4Sの仕上がり性の確保に資する構成となっている。このため本実施例によれば、シートカバー4Sのテンションを調整可能な状態で、シートカバー4Sの端部をシートフレーム4Fに係止することができる。
[変形例]
ここで係止構造の構成は、上述の構成のほか、各種の構成を取り得る。例えば図9に示す変形例の係止構造30Aでは、留具40Aと長尺材50Aとが別体で構成されている点が実施例と異なっている。そして留具40Aは、実施例の留具と概ね同一の基本構成を有しているが、その上面左側には、長尺材用の係合突起47aが設けられている。この係合突起47aは、留具40の上面から起立する軸状の部位であり、その先端が矢尻形状となっている。また長尺材50Aは、実施例の長尺材と概ね同一の基本構成を有しているが、その第一直線部51の下端には、右方に突出するフランジ部57が設けられている。このフランジ部57には、留具40Aの係合突起47aを挿通して係合可能な係合孔57a(貫通孔)が形成されている。
そして本変形例では、図9に示す留具40Aと長尺材50Aを個別に取り扱うことが可能となり、シート製造時の各作業の効率化を図る上で都合の良い構成となっている。例えば長尺材50Aを、図10に示すようにシートカバー4Sの端部(220)に取付けて一体化しておく。こうすることでシートカバー4Sと長尺材50Aを一体物として運搬することができ、またシートの組み立てに際しては、シートカバー4Sに長尺材50Aを取付ける作業を省略することができる。そしてシートの組み立て作業の際には、図9に示す留具40Aに長尺材50Aを装着して係止構造30Aを形成する。このとき長尺材50Aの係合突起47aを、長尺材50Aのフランジ部57の係合孔57aに挿通してその周縁に係止することで、長尺材50Aを留具40Aに着脱可能な状態で装着することができる。
本実施形態の乗物用シート2は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、係止構造30,30Aの構成を例示したが、係止構造の構成を限定する趣旨ではない。例えば長尺材は、索状(紐状やワイヤ状やチューブ状を含む)の部材で構成することができ、この場合においても、長尺材の外周面に凹部を形成することができる。また長尺材の取付け手法は、挿通部を使用する場合のほか、縫合や接着や接合などの各種手法を例示できる。また留具の取付け手法も、係止部を使用する場合のほか、縫合や接着や接合などの各種手法を例示できる。また調節機構の構成も適宜変更可能であり、例えば留具内に、長尺材を巻取り可能な巻取り機構(調節機構の一例)を設けることができる。そして長尺材の一端を留具に係止した状態で、長尺材の他端側を巻取り機構で巻き取る(引き寄せる)構成としてもよい。また調節機構として、ピン式バックル(尾錠止め構造)やリング式バックル構造などの各種構造を採用できる。なお留具では、図5に示す弾性片部45a及び係止爪45b(調節機構)を左右逆となるように設けることも可能である。
また実施例及び変形例の別例として、長尺材を、シートフレームに取付けるとともに、留具を、シートカバーの端部に取付けることができる。この場合には、長尺材の一部を、シートフレームに各種の手法で取付けておくことができ、シートフレームに長尺材を挿通可能な挿通部を設けることもできる。また留具は、シートカバーの端部に各種手法で取付けることができ、留具に一体的に設けられたベルトやフックを挿通部に挿通しておくこともできる。なおシートカバーに留具を取付ける場合には、留具に設けられた第一係止部を、本発明の一対の係止部の一方として使用して、シートフレームに当接させることができる。また長尺材と留具を別体とする場合には、長尺材の一端を留具の挿通孔に挿入し、長尺材の他端に設けられたフックをシートカバーの挿通部に引っ掛けることもできる。またこの場合には、長尺材の他端側を挿通部に通した状態で輪状に湾曲させたのちに、その他端を長尺材自身に係止する構成とすることもできる。
また本実施形態では、一対の係止部60a,60bを例示したが、各係止部の構成を限定する趣旨ではない。例えば一対の係止部を、留具の適宜の位置に設けることができる。また留具に、シートフレームを挿入して挟み付けるように保持する溝状の凹部を設けることができ、この場合には、凹部内でシートフレームを挟み付けるように配置する一対の内壁が係止部となる。
また本実施形態では、シートカバー4Sとシートフレーム4Fの構成を例示したが、これらの構成を限定する趣旨ではない。例えば挿通部をシートカバーに設ける場合、この挿通部は、長尺材を挿通可能な各種の構成をとることができ、例えばスリット状(切目)や、各種形状の貫通孔として形成できる。またシートカバーの縁端に輪状の部材(例えばホグリング止めに用いるリング)を固定し、この輪状の部材を挿通部として用いることもできる。またシートフレームの形状も適宜変更することができ、必ずしも断面略コ字形に形成する必要はない。
また本実施形態の係止構造は、シートクッションのほか、シートバックやヘッドレストやアームレスト等の各種シート構成部材のシートカバーの係止に使用することができる。例えばシートバックに係止構造を設ける場合、そのシートカバーの後周縁をなす端部に係止構造を設けることができる。なおシートカバーの端部として、各実施例のようにシートカバー自身の端部のほか、シートカバーに取付けられている布材(引き込み用の布材や吊り込み用の布材)の端部を使用することもできる。また各実施例の構成と変形例の構成は適宜組み合わせて用いることができる。また乗物用シートの構成も適宜変更可能であり、複数人用や一人用の乗物用シートに本実施形態の構成を適用できる。そして本実施形態の構成は、車両や航空機や電車や船舶などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
9 スライド機構部
4F シートフレーム
10 フロントフレーム
11 左サイドフレーム
11a (左サイドフレームの)上縁部
11b (左サイドフレームの)下縁部
110b 下縁部の先端
11c (左サイドフレームの)上部
11d (左サイドフレームの)下部
12 右サイドフレーム
13 リヤフレーム
15 支持部材
4P シートパッド
4PX 溝部
4S シートカバー
4SX 隣り合う表皮ピースの縫合箇所
21 (シートカバーの)前縁部
22 (シートカバーの)左縁部
220 (シートカバーの)左端部(本発明のシートカバーの端部)
23 (シートカバーの)右縁部
24 (シートカバーの)後縁部
25 前側の挿通部
26 後側の挿通部
30 係止構造
40 留具
40a (留具の)右端
40b (留具の)左端
41 挿通孔
41a (挿通孔の)左下側の内壁
41b (挿通孔の)上側の内壁
45 調節機構
45a 弾性片部
450a (弾性片部の)先端部
451a (弾性片部の)操作端部
45b 係止爪
46,47 切欠き部
50 長尺材
51 第一直線部
52 第二直線部
53 第三直線部
54 湾曲部分
55 凹部
60a 第一係止部
60b 第二係止部(本発明の一対の係止部の一方)
30A 変形例の係止構造
40A 変形例の留具
47a 係合突起
50A 変形例の長尺材
57 フランジ部
57a 係合孔

Claims (6)

  1. シート骨格をなすシートフレームと、前記シートフレームを覆うシートカバーと、前記シートカバーの端部を前記シートフレームに係止する係止構造とを備えた乗物用シートにおいて、
    前記係止構造は、前記シートカバーと前記シートフレームのいずれか一方に取付けられる留具と、前記一方とは異なる前記シートカバーと前記シートフレームのいずれか他方に取付けられる帯状又は索状の長尺材とを有し、
    前記長尺材は、前記留具に引き寄せられて係止されるとともに、前記留具には、前記長尺材の引き寄せ量を調節可能な調節機構が設けられている乗物用シート。
  2. 前記長尺材は、前記シートカバーに設けられた挿通部に挿通されて取付けられて、前記シートフレームに取付けられている前記留具に係止されている請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記係止構造は、前記シートフレームを表裏から挟み付けている一対の係止部を有している請求項1又は2に記載の乗物用シート。
  4. 前記一対の係止部の一方は、前記留具と前記長尺材のいずれか一方に設けられて、前記シートフレームに向けて突出しており、
    前記前記一対の係止部の一方が前記シートフレームに当接していることで、前記留具と前記長尺材のいずれか一方が、前記シートカバーに取付けられた状態で、前記シートフレームから離間して配置されている請求項3に記載の乗物用シート。
  5. 前記長尺材と前記留具とが別体で構成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  6. 前記留具と前記長尺材のいずれか一方は、前記シートカバーの端部に取付けられて一体化されている請求項5に記載の乗物用シート。
JP2020047836A 2020-03-18 2020-03-18 乗物用シート Pending JP2021146847A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020047836A JP2021146847A (ja) 2020-03-18 2020-03-18 乗物用シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020047836A JP2021146847A (ja) 2020-03-18 2020-03-18 乗物用シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021146847A true JP2021146847A (ja) 2021-09-27

Family

ID=77850522

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020047836A Pending JP2021146847A (ja) 2020-03-18 2020-03-18 乗物用シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021146847A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8814268B2 (en) Vehicle seat and clip
US7703855B1 (en) Vehicle seat assembly
JP2014083954A (ja) 車両用シート
US10500995B2 (en) Interior equipment
JP2019104403A (ja) シートバックボード、トリムカバー、及び乗物用シート
CN111469730B (zh) 用于模块化车辆座椅等的车辆座椅衬垫托架组件
CN110053531B (zh) 载具座椅
JP2018172069A (ja) 乗物用シート
JP6292100B2 (ja) 乗物用シート
CN114760887A (zh) 乘坐物用座椅及制造方法
JP2021146847A (ja) 乗物用シート
JP6469191B2 (ja) 表皮材の吊り込み構造
US10160181B2 (en) Laminated structure
JP7348452B2 (ja) シート
JP2022147823A (ja) 乗物用シート及び乗物用シートの製造方法
JP6495961B2 (ja) 乗物用シート
JP6974136B2 (ja) 乗物用シート
JP2019081546A (ja) 乗物用シート
JP7176431B2 (ja) 乗物用シート
JP6881236B2 (ja) 乗物用シート及びその配設方法
JP6881237B2 (ja) 乗物用シート
JP6866630B2 (ja) シートカバーの係止構造
JP7397301B2 (ja) 乗物用シート
US20240182290A1 (en) Interior component for conveyance
JP7317728B2 (ja) 乗り物用シート及び表皮の製造方法