(1)概要
本実施形態に係る情報提示システム10は、図1に示すように、施設5に関連する提示情報を情報端末1A,1B,1Cに提示させるためのシステムである。情報提示システム10は、例えば、施設5に関連する計測データを計測可能な計測機器2A,2Bから計測データを受信し、計測データを解析することにより提示情報を生成する。本実施形態では、施設5が戸建住宅、又は集合住宅の各住戸等の住宅である場合について説明する。
ここでいう「提示情報」には、例えば、施設5での資源(例えば、電気エネルギー、ガス、又は水等)の使用状況を表す情報、及び施設5における人の状態を表す情報等が含まれる。さらに、「提示情報」には、施設5に設けられた電気機器50の状態を表す機器情報(オン又はオフ等の動作状態等)、施設5の環境(温度、湿度、空気質、又は照度等)を表す環境情報、及び各種分析結果等も含まれる。ここでいう「資源の使用状況」には、施設5での資源の消費量と発生量との少なくとも一方が含まれており、例えば、資源が電気エネルギーである場合、施設5での消費電力、及び施設5での発電電力等が含まれる。また、「人の状態」は、例えば、帰宅、就寝、食事、又は入浴等の人の行動を含んでおり、更には、人の健康状態、具体的には、人が普段通りに生活ができているか否か等も含んでいる。ここでいう「施設5における人」とは、施設5を使用する人(ユーザ)を意味しており、例えば、施設5が住宅である場合、通常は施設5の住人である。
情報提示システム10は、施設5に関連する提示情報を情報端末1A,1B,1Cにて提示することによって、施設5の住人等に対して、種々のサービスを提供する。情報提示システム10は、例えば、施設5での消費電力を表す提示情報を、情報端末1A,1B,1Cに提示させることで、電力の「見える化」(可視化)というサービスを、施設5の住人等に提供ができる。同様に、情報提示システム10は、例えば、施設5における人の状態を表す提示情報を、情報端末1A,1B,1Cに提示させることで、施設5での人の状態の「見える化」というサービスを、施設5の住人等に提供できる。
ここで、情報提示システム10は、情報端末1A,1B,1Cに提示させる対象となる提示対象を、施設5に設置されている計測機器2に基づいて決定する。ここでいう「提示対象」は、例えば、提示情報の種類又は属性によって区分される複数の提示情報のうち、いずれの提示情報を情報端末1A,1B,1Cに提示させるかを規定する。例えば、提示情報として、施設5での資源の使用状況を表す情報、及び施設5における人の状態を表す情報の2種類の情報がある場合、いずれの情報を提示するかが提示対象にて規定される。
要するに、本実施形態に係る情報提示システム10は、どのような種類又は属性の提示情報を情報端末1A,1B,1Cに提示させるかが、施設5に設置されている計測機器2によって変化する。言い換えれば、情報提示システム10により施設5の住人等に提供されるサービスは、固定的ではなく、施設5に導入されている計測機器2によって変化する。したがって、情報提示システム10によれば、ユーザ(施設5の住人等)にとって有意義な情報の提供が可能である。
本実施形態に係る情報提示システム10は、例えば、コンピュータシステムにて実現される。コンピュータシステムは、施設5の外部に設置されたサーバ3、及び施設5に設置されたローカル装置4を主構成として備えている。これらサーバ3及びローカル装置4は、例えば、インターネット等のネットワーク8を介して互いに通信可能に構成されている。ネットワーク8には、更に情報端末1が接続される。情報端末1は、ネットワーク8を介して、サーバ3との間で互いに通信可能である。図1の例では、ローカル装置4及び情報端末1B,1Cは、ルータ7を介してネットワーク8に接続されている。ただし、ルータ7は、コンピュータシステムに必須の構成ではない。
また、実際には、情報提示システム10は複数の施設5に導入され、複数の施設5には複数のローカル装置4がそれぞれ設置される。そして、これら複数のローカル装置4が、ネットワーク8を介してサーバ3に接続される。ただし、本実施形態では、説明を簡単にするために、1つの施設5に着目して説明する。
(2)構成
次に、本実施形態に係る情報提示システム10、及び計測機器2A,2Bの構成について、より詳細に説明する。
(2.1)計測機器
まず、本実施形態に係る情報提示システム10と併せて用いられる計測機器2A,2Bの構成について、図1を参照しながら説明する。
1つの施設5に設置される計測機器2A,2Bは、1台であってもよいし、複数台であってもよい。図1の例では、分電盤6と系統電源9との間に接続されたスマートメータからなる計測機器2Aと、分電盤6に設けられた分岐計測器からなる計測機器2Bとの2台が、計測機器として用いられる。計測機器2A(スマートメータ)は、施設5の買電量及び売電量の計測データを計測する。計測機器2B(分岐計測器)は、分岐回路ごとの消費電力及び消費電力量の計測データを計測する。以下、これら2台の計測機器2A,2Bを特に区別しない場合、各々を「計測機器2」と呼ぶ。
スマートメータからなる計測機器2Aは、引込線を介して系統電源9に接続されており、更に、引込口配線からなる電力線を介して分電盤6に接続されている。計測機器2Aは、施設5の外壁等に取り付けられることで屋外に設置されており、施設5での買電量及び売電量を計測する電力量計(電力メータ)としての機能を有している。ここでいう「買電量」は、系統電源9から施設5に供給される電力量であって、施設5での総消費電力量のうち、施設5の発電装置(太陽光発電設備91及び蓄電装置92等)での発電量では賄えなかった電力量である。「売電量」は、施設5から系統電源9へ逆潮流される電力量を意味する。言い換えれば、計測機器2Aは、施設5での資源(電気エネルギー)の消費量と発生量との両方の計測データを計測する。ここで、計測機器2Aでの計測データの計測範囲は、施設5全体(主幹)である。ここでいう「計測範囲」は、計測機器2での計測データの計測対象となる物理的な範囲を意味し、例えば、施設5全体(主幹)、分岐回路ごと、又は電気機器ごと等である。
また、計測機器2Aは、定期的に、計測データ(検針情報)を含む信号を、ローカル装置4に送信する。本実施形態では一例として、計測機器2Aは、30分毎に、計測データを計測してローカル装置4に送信する。つまり、計測機器2Aでの計測データの計測頻度は、30分毎である。ここでいう「計測頻度」は、計測機器2が計測データを計測する頻度を意味し、例えば、計測機器2が計測データを計測する時間間隔、又は計測機器2が一定時間(例えば1日)に計測データを計測する回数等である。
分岐計測器からなる計測機器2Bは、計測ユニット21と、通信アダプタ22と、電流センサ23,24と、を備えている。計測ユニット21、通信アダプタ22、及び電流センサ23,24は、分電盤6のキャビネット内に配置されている。分電盤6は、系統電源9に繋がる主幹(幹線)上に接続される主幹ブレーカ61と、主幹ブレーカ61の二次側に電気的に接続された複数の分岐ブレーカ62と、をキャビネット内に備えている。主幹ブレーカ61の一次側には、計測機器2Aを介して系統電源9が接続されている。
計測ユニット21は、電流センサ23,24に電気的に接続されている。電流センサ23は、主幹ブレーカ61の一次側に設けられ、主幹を流れる電流の値を計測する。複数の電流センサ24は、複数の分岐ブレーカ62に対応して設けられ、複数の分岐回路に流れる電流の値をそれぞれ計測する。ここでいう「分岐回路」は、複数の分岐ブレーカ62にて主幹から分岐された各回路を意味する。分岐回路には、分岐ブレーカ62に接続される配線、照明器具や調理家電等の電気機器50、コンセント(Outlet)、壁スイッチ等を含んでいる。このような分岐回路は、本実施形態のように住宅からなる施設5においては、例えばリビング、寝室、玄関、トイレ、子供部屋、キッチン等の部屋ごと、又は電気機器50の種類ごとに設けられる。1つの分岐回路には、1つの電気機器50が含まれてもよいし、複数の電気機器50が含まれてもよい。
計測ユニット21は、電流センサ23,24の出力を用いて、主幹及び複数の分岐回路の各々について、消費電力(瞬時電力)と消費電力量との少なくとも一方を計測する。本実施形態では一例として、計測機器2Bの計測データは、消費電力を一定時間間隔(例えば正時から30分間隔)で積算した消費電力量である。
さらに、図1の例では、太陽光発電設備91及び蓄電装置92が施設5に設けられている。太陽光発電設備91及び蓄電装置92は、分電盤6のいずれかの分岐ブレーカ62に電気的に接続されている。ここで、蓄電装置92の放電電力量は、蓄電装置92での発電電力量に該当する。蓄電装置92の充電電力量は、蓄電装置92での消費電力量に該当する。そのため、計測ユニット21は、太陽光発電設備91及び蓄電装置92の各々の発電電力量についても計測可能である。
このように、計測機器2Bは、施設5全体(主幹)、及び分岐回路ごとにおける、資源(電気エネルギー)の消費量と発生量との両方の計測データを計測する。ここで、計測機器2Bでの計測データの計測範囲は、施設5全体(主幹)、及び分岐回路ごとの2種類を含んでいる。
通信アダプタ22は、定期的に、計測ユニット21で計測された計測データを含む信号を、ローカル装置4に送信する。本実施形態では一例として、計測機器2Bは、2分毎に、計測データを計測してローカル装置4に送信する。つまり、計測機器2Bでの計測データの計測頻度は、2分毎である。
(2.2)情報提示システム
次に、本実施形態に係る情報提示システム10の構成について、図1及び図2を参照して説明する。本実施形態では、情報提示システム10は、上述したようにサーバ3及びローカル装置4を主構成として備えている。さらに、本実施形態では、情報端末1A,1B,1Cについても、情報提示システム10の構成要素に含まれることとして説明する。
情報端末1A,1B,1Cは、施設5に対応付けて登録されている。具体的には、例えば、サーバ3又はローカル装置4は、施設5に対応付けて登録されている情報端末1A,1B,1Cの識別情報等を記憶している。1つの施設5に対応付けて登録される情報端末1A,1B,1Cは、1台であってもよいし、複数台であってもよい。図1の例では、施設5外にあるスマートフォンからなる情報端末1A、施設5内にあるスマートフォンからなる情報端末1B、及び施設5内で使用される専用モニタからなる情報端末1Cの3台が、情報端末として用いられる。以下、これら3台の情報端末1A,1B,1Cを特に区別しない場合、各々を「情報端末1」と呼ぶ。本実施形態では、情報端末1の所有者は、施設5の使用者、つまり施設5の住人であることと仮定して説明する。施設5の住人が複数人である場合には、情報端末1の所有者は、複数の住人のうちの一人を指すこともあり、二人以上(全員も含む)を指すこともある。
情報端末1は、図2に示すように、表示部11と、入力部12と、端末通信部13と、制御部14と、を有している。情報端末1は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを有するコンピュータを主構成とする。情報端末1は、専用のアプリケーションソフトをインストールし、このアプリケーションソフトを起動することにより、少なくともサーバ3から提供されるコンテンツを表示するブラウザとして機能する。
入力部12は、ユーザ(情報端末1の所有者)の操作を受け付ける機能を有している。本実施形態では、情報端末1はタッチパネルディスプレイを搭載しており、タッチパネルディスプレイが表示部11及び入力部12として機能する。そのため、以下の説明では、表示部11に表示される画面上のアイコンに対する種々のタッチ操作を、「タップ」、「スワイプ」、及び「ドラッグ」等と表現する。ただし、入力部12は、タッチパネルディスプレイに限らず、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、又はメカニカルなスイッチ等であってもよい。
端末通信部13は、ネットワーク8に接続されることで、情報端末1とサーバ3との間の通信を可能にする。情報端末1Aは、施設5外にあるスマートフォンであるから、端末通信部13は、通信事業者が提供する携帯電話網(キャリア網)を介して、ネットワーク8に接続される。携帯電話網には、例えば3G(第3世代)回線、LTE(Long Term Evolution)回線等がある。端末通信部13は、公衆無線LAN(Local Area Network)を介してネットワーク8に接続されてもよい。情報端末1Bは、施設5内にあるスマートフォンであるから、ルータ7との間で、例えばWi−Fi(登録商標)に準拠した近距離無線通信を行う。ここでは、情報端末1Cは、施設5内にある専用モニタであるから、ルータ7に対してLANケーブルで接続されている。ルータ7は、ネットワーク8に接続されているので、情報端末1B,1Cは、ルータ7を介してネットワーク8にも接続されることになる。
制御部14は、表示部11、入力部12、及び端末通信部13の各々を制御する。
ローカル装置4は、図1に示すように、施設5内に設置されている。ローカル装置4は、計測機器2と通信し、計測機器2から計測データを収集する。さらに、ローカル装置4は、いわゆるHEMS(Home Energy Management System)コントローラであって、ローカル装置4は、施設5に設置された、例えば、エアーコンディショナ、及び洗濯機等の1台以上の(HEMS対応)電気機器50との通信機能を有している。ローカル装置4は、収集した計測データを施設5内のモニタ(情報端末1C)に表示したり、電気機器の動作状態の監視及び制御を行ったりする。
ローカル装置4は、図2に示すように、登録部41と、ローカル通信部42と、外部通信部43と、を有している。ローカル装置4は、CPU及びメモリを有するコンピュータを主構成とする。ローカル装置4は、コンピュータのメモリに記録されたプログラムをCPUにて実行することにより、登録部41等の機能を実現する。プログラムは、コンピュータのメモリに予め記録されていてもよいが、この例に限らず、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、メモリカードなどの記録媒体に記録されて提供されてもよい。
登録部41は、計測機器2の登録情報を登録する。計測機器2には、固有の識別情報等が予め付されており、計測機器2の識別情報等が登録情報として登録部41に記憶されることをもって、計測機器2の登録情報が、情報提示システム10に登録されることになる。そして、計測機器2は、情報提示システム10に登録情報が登録されて初めて、情報提示システム10との連携が可能となる。言い換えれば、未登録の計測機器2は、情報提示システム10との関係においては、施設5に導入されていないことと等しく、ローカル装置4は、登録済みの計測機器2のみから計測データを収集し、未登録の計測機器2からは計測データを収集しない。そのため、計測機器2を施設5において使用可能な状態とするには、計測機器2の登録情報を登録部41に登録(記憶)することが必須となる。
登録部41は、例えば、計測機器2とローカル通信部42との間で通信を行い、所定の登録処理を実行することにより、新規に計測機器2の登録情報を登録部41に書き込み、計測機器2の登録情報を登録する。また、登録部41は、登録部41に記憶されている登録情報を削除することによる計測機器2の登録抹消、及び登録部41に記憶されている登録情報を更新することによる計測機器2の登録更新等の機能を有していてもよい。登録部41での登録作業は、例えば、施設5への計測機器2の導入時に施工業者によって行われる。
ローカル通信部42は、施設5に設けられている、計測機器2及び電気機器50等との通信機能を有している。これにより、ローカル装置4は、計測機器2から計測データを収集することができる。
本実施形態では、ローカル通信部42の通信方式は、例えば、免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)、又はWi−Fi(登録商標)等の無線通信である。この種の小電力無線については、用途等に応じて使用する周波数帯域や空中線電力などの仕様が各国で規定されている。日本国においては、920MHz帯又は420MHz帯の電波を使用する小電力無線が規定されている。ここで、ローカル通信部42における、計測機器2Aとの間の通信方式と、計測機器2Bとの間の通信方式とは、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。ローカル通信部42の通信方式は、無線通信に限らず、有線通信であってもよい。
外部通信部43は、ルータ7(図1参照)を介して、ネットワーク8に接続されている。これにより、ローカル装置4は、計測機器2の計測データを、ネットワーク8を介してサーバ3及び情報端末1に送信したり、サーバ3及び情報端末1からの制御コマンドを受けて電気機器50を制御したりすることができる。
また、ルータ7には、上述したように情報端末1B,1Cが接続される。そのため、ローカル装置4は、計測機器2の計測値を、情報端末1B,1Cに表示させたり、情報端末1B,1Cの制御コマンドを受けて電気機器50を制御したりすることができる。情報端末1Cは、ルータ7を介さずに、ローカル装置4と直接的に通信可能に構成されていてもよい。情報端末1Cの通信方式は、有線通信に限らず、例えば、免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)、又はWi−Fi(登録商標)等の無線通信であってもよい。
サーバ3は、図2に示すように、記憶部31と、決定部32と、提示部33と、予告部34と、通信部35と、を有している。サーバ3は、CPU及びメモリを有するコンピュータを主構成とする。サーバ3は、コンピュータのメモリに記録されたプログラムをCPUにて実行することにより、決定部32、提示部33、及び予告部34等の機能を実現する。プログラムは、コンピュータのメモリに予め記録されていてもよいが、この例に限らず、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、メモリカードなどの記録媒体に記録されて提供されてもよい。
記憶部31には、施設5を識別するための需要家識別子(需要家ID)、及び施設5に対応付けて登録されている情報端末1、及びローカル装置4の識別情報(アドレス等)が記憶されている。さらに、記憶部31には、計測機器2の計測データが施設5ごとに記憶される。記憶部31には、計測データが一定期間分(例えば1年分〜数年分)蓄積される。
決定部32は、登録部41に登録されている登録情報に基づいて、提示対象を決定する。提示対象は、情報端末1に提示させる対象となる提示情報を規定する情報である。つまり、提示対象によれば、例えば、提示情報の種類又は属性によって区分される複数の提示情報のうち、いずれの提示情報を情報端末1に提示させるかが規定される。ここでは、決定部32は、複数の提示対象候補の中から、提示対象を選択することにより、提示対象を決定する。提示対象候補は、例えば、計測機器2ごと、又は施設5に複数の計測機器2が設置されている場合には複数の計測機器2の組み合わせごとに、予め用意されている。これにより、登録部41に計測機器2Aの登録情報のみが登録されている場合と、登録部41に計測機器2Bの登録情報のみが登録されている場合と、登録部41に計測機器2A,2Bの両方の登録情報が登録されている場合とでは、提示対象は異なることになる。一例として、スマートメータからなる計測機器2Aの登録情報のみが登録されている場合、決定部32は、「A:スマートメータ関連」を提示対象に決定する。決定部32について詳しくは「(3)情報提示方法」の欄で説明する。
提示部33は、決定部32にて決定された提示対象に応じて、施設5に関連する提示情報を、情報端末1に提示させる。ここでは、提示部33は、提示対象に応じて、情報端末1に提示させる提示情報を生成する。提示情報は、例えば、情報端末1にて表示される提示画面である。一例として、提示対象が「A」(スマートメータ関連)である場合、提示部33は、スマートメータからなる計測機器2Aの計測データを解析することにより、時間帯ごとの施設5の買電量及び売電量のグラフを含む提示画面を、提示情報として生成する。
本実施形態では、情報端末1はブラウザとして機能するので、提示部33は、提示画面を生成し、生成した提示画面(コンテンツ)を、通信部35に出力し、ネットワーク8を介して情報端末1に配信(送信)する。これにより、提示情報としての提示画面が情報端末1の表示部11に表示される。提示部33は、情報端末1から要求があれば、提示画面を随時、情報端末1に表示させる。また、提示部33は、適当に設定された通知タイミングにて、情報端末1に対してプッシュ通知を行って、提示画面を情報端末1に表示させてもよい。
予告部34は、登録情報が未登録の計測機器2について登録情報が登録されることで提示可能となる提示対象を表す情報を、対象予告として情報端末1に提示する。予告部34について詳しくは「(3)情報提示方法」の欄で説明する。
通信部35は、ネットワーク8に接続されることで、情報端末1及びローカル装置4と、サーバ3との間の通信を可能にする。サーバ3は、通信部35にてローカル装置4との通信を行うことより、例えば、計測機器2の計測データをローカル装置4から定期的に取得する。サーバ3は、このようにして取得した計測機器2の計測データを記憶部31に記憶する。さらに、サーバ3は、通信部35にてローカル装置4との通信を行うことより、登録部41に登録されている登録情報を取得する。サーバ3は、このようにして取得した登録情報に基づいて、決定部32にて提示対象を決定する。また、サーバ3は、通信部35にて情報端末1との通信を行うことより、例えば、提示部33で生成した提示画面を情報端末1に配信(送信)する。
(3)情報提示方法
次に、本実施形態に係る情報提示方法について、図3を参照して説明する。ここでは、上述した情報提示システム10のサーバ3にて、情報提示方法が実行される場合について説明する。
本実施形態に係る情報提示方法は、施設5に対応付けられた情報端末1に提示させる対象となる提示対象を決定する決定ステップと、提示対象に応じて、施設5に関連する提示情報を、情報端末1に提示させる提示ステップと、を有している。ここで、決定ステップでは、登録済みの計測機器2の登録情報に基づいて、提示対象を決定する。つまり、決定ステップでは、登録部41に登録されている計測機器2の登録情報に基づいて、決定部32が提示対象を決定する。提示ステップでは、決定部32にて決定された提示対象に応じて、提示部33が提示情報を情報端末1に提示させる。
更に詳しく説明すると、決定ステップでは、登録情報に含まれる、計測機器2が計測する計測データの種別に基づいて、提示対象を決定する。すなわち、登録部41に登録される登録情報には、計測機器2が計測する計測データの種別が、少なくとも含まれている。ここでいう「計測データの種別」は、計測データの種類又は属性による区分を意味しており、例えば、施設5での資源の消費量又は発生量に関する計測データと、施設5の環境(温度、湿度、空気質、又は照度等)に関する計測データとは、異なる種別に分類される。さらに、施設5での資源の消費量又は発生量に関する計測データであっても、資源が電気エネルギーである場合と、資源がガスである場合と、資源が水である場合とでは、計測データは異なる種別に分類される。同様に、施設5の環境に関する計測データであっても、環境が温度である場合と、環境が空気質(例えば、匂い、PM2.5、ハウスダスト等)である場合と、環境が照度である場合とでは、計測データは異なる種別に分類される。例えば、スマートメータからなる計測機器2Aと分岐計測器からなる計測機器2Bとでは、いずれも計測データが、施設5での電気エネルギーの消費量又は発生量に関する計測データであるから、計測データの種別は同じである。
さらに、登録部41に登録される登録情報には、計測機器2での計測の対象となる機器又は設備(例えば、太陽光発電設備91、蓄電装置92、水道メータ、ガスメータ等)等に関する情報が含まれていてもよい。この場合、決定ステップでは、登録情報に含まれる、計測機器2での計測の対象となる機器又は設備に基づいて、提示対象を決定してもよい。ここで、計測機器2での計測の対象となる機器は、エアーコンディショナ、温湿度センサ、空気清浄機、照明器具、電動シャッタ等の電気機器50であってもよい。
また、決定ステップでは、登録情報に含まれる、計測機器2での計測データの計測範囲と、計測機器2での計測データの計測頻度との少なくとも一方に基づいて、提示対象を決定する。すなわち、登録部41に登録される登録情報には、計測機器2での計測データの計測範囲と、計測機器2での計測データの計測頻度との少なくとも一方が含まれている。本実施形態では、計測機器2Aでの計測データの計測範囲は施設5全体(主幹)であって、計測機器2Bでの計測データの計測範囲は施設5全体(主幹)及び分岐回路ごとである。さらに、計測機器2Aでの計測データの計測頻度は30分毎であって、計測機器2Bでの計測データの計測頻度は2分毎である。そのため、スマートメータからなる計測機器2Aと分岐計測器からなる計測機器2Bとでは、計測データの計測範囲、及び計測データの計測頻度のいずれもが異なる。
また、情報端末1での提示画面の表示態様は、提示対象によって異なる。ここでいう「表示態様」は、例えば、表示の色、アイコンの数、アイコンの画面内レイアウト、又はグラフの形式等である。すなわち、提示情報である提示画面の表示態様は固定的ではなく、提示対象に応じて自動的に変化する。具体的な提示画面の表示態様については、「(4)提示画面」の欄にて説明する。
また、情報端末1に対する特定の通知の有無が、提示対象によって異なる。「特定の通知」は、例えば、情報端末1が能動的にサーバ3から提示情報を取得して提示する、プッシュ通知である。すなわち、プッシュ通知の有無は、固定的ではなく、提示対象に応じて自動的に変化する。
また、提示情報は、提示対象によらずに同一の情報となる固定情報を含んでいる。「固定情報」には、例えば、広告、及び天気等がある。すなわち、提示情報は、提示対象によって全体が変わるのではなく、一部に、提示対象によって変化しない固定的な情報(固定情報)を含んでいる。
また、本実施形態に係る情報提示方法は、決定ステップ及び提示ステップに加えて、予告ステップを更に有する。予告ステップでは、登録情報が未登録の計測機器2について登録情報が登録されることで提示可能となる提示対象を表す情報を、予告部34が対象予告として情報端末1に提示させる。例えば、計測機器2Aの登録情報が未登録の場合において、計測機器2Aの登録情報が登録されれば提示可能となる提示対象がある場合、この提示対象が対象予告として情報端末1に提示される。
さらに、予告ステップでは、対象予告にて表される提示対象を提示可能とするために登録情報の登録が必要となる計測機器2を、必要機器として特定する機器特定情報を情報端末1に提示させる。そのため、例えば、計測機器2Aの登録情報が未登録の場合において、計測機器2Aの登録情報が登録されれば提示可能となる提示対象がある場合、対象予告として情報端末1に提示され、かつ計測機器2Aを特定する機器特定情報が情報端末1に提示される。
図3は、情報提示方法に係るサーバ3の動作を示すフローチャートである。
まず、サーバ3は、通信部35にてローカル装置4との通信を行い、ローカル装置4の登録部41に登録されている登録情報を取得する。サーバ3は、取得した登録情報に基づいて、スマートメータからなる計測機器2Aが登録済み(つまり、計測機器2Aの登録情報が登録部41に登録されている)か否かを判定する(S1)。このとき、計測機器2Aが登録済みであれば(S1:Yes)、サーバ3は、取得した登録情報に基づいて、分岐計測器からなる計測機器2Bが登録済み(つまり、計測機器2Bの登録情報が登録部41に登録されている)か否かを判定する(S2)。このとき、計測機器2Bが登録済みでなければ(S2:No)、サーバ3は、決定部32にて「A」(スマートメータ関連)を提示対象に決定する(S4)。一方、ステップS2にて計測機器2Bが登録済みであれば(S2:Yes)、サーバ3は、決定部32にて「A−B:スマートメータ−分岐計測器関連」を提示対象に決定する(S5)。
また、ステップS1にて、計測機器2Aが登録済みでなければ(S1:No)、サーバ3は、取得した登録情報に基づいて、分岐計測器からなる計測機器2Bが登録済み(つまり、計測機器2Bの登録情報が登録部41に登録されている)か否かを判定する(S3)。このとき、計測機器2Bが登録済みであれば(S3:Yes)、サーバ3は、決定部32にて「B:分岐計測器関連」を提示対象に決定する(S6)。一方、ステップS3にて計測機器2Bが登録済みでなければ(S3:No)、サーバ3は、決定部32にて「X:対象無し」を提示対象に決定する(S7)。
要するに、決定部32は、登録部41に登録されている計測機器2の登録情報に基づいて提示対象を決定するのであって、計測機器2Aのみが登録されている場合には、提示対象として「A」を選択する。また、決定部32は、計測機器2A,2Bの両方が登録されている場合には「A−B」を、計測機器2Bのみが登録されている場合には「B」を、計測機器2A,2Bのいずれも登録されていない場合には「X」を、提示対象としてそれぞれ選択する。提示対象を決定するまでのサーバ3の処理が「決定ステップ」に相当する。
サーバ3は、上述のようにして提示対象を決定(選択)後、提示部33にて、提示対象に応じて、提示情報である提示画面を生成する(S8)。このとき、提示部33は、計測機器2の計測データを解析することにより提示画面を生成する。その後、サーバ3は、生成した提示画面を、施設5に対応付けられている情報端末1に対して配信(送信)し(S9)、例えば、図4に示すような提示画面100を情報端末1に表示させる。これにより、提示情報(提示画面100)が情報端末1にて提示されることになる。提示対象の決定後、提示情報を情報端末1に提示させるまでのサーバ3の処理が「提示ステップ」に相当する。
(4)提示画面
以下、提示画面の具体例について、図4〜図8を参照して説明する。図4〜図8において、領域を示す一点鎖線及び参照符号は説明のために表記しているに過ぎず、実際には、これらの一点鎖線及び参照符号は情報端末1の表示部11に表示されない。
(4.1)
図4は、スマートメータからなる計測機器2Aのみが登録されている場合において、情報端末1Aの表示部11に表示される提示画面100の具体例を示している。この提示画面100は、例えば、情報端末1Aにおいて、後述する省エネ画面において最初に表示されるホーム画面である。すなわち、決定部32にて提示対象が「A」(スマートメータ関連)に決定した場合、情報端末1Aにてアプリケーションソフトが起動されると、表示部11には図4に示すような提示画面100が表示される。
図4に示す提示画面100は、大きく分けて第1領域101、第2領域102、及び第3領域103の3つの領域を含んでいる。本実施形態では、提示画面100は、表示部11の表示エリアの長手方向を縦とするように、縦向きに表示されている。つまり、提示画面100は、縦長の画面である。第1領域101は、提示画面100の下端部に配置されている。第2領域102は、第1領域101の上方に配置されている。第3領域103は、第2領域102の上方に配置されている。
第1領域101には、情報提示システム10にて表示される画面を切り替えるための5つの切替タブ101a〜101eが左右方向に並んで表示されている。つまり、5つの切替タブ101a〜101eのいずれかがタップされると、タップされた切替タブ101a〜101eに対応する画面に情報提示システム10で表示される画面が切り替わる。切替タブ101aは、タイムライン画面を選択するためのタブであって、「タイムライン」というテキスト情報と図形との組み合わせからなる。タイムライン画面では、過去のプッシュ通知の履歴等が時系列に沿って表示される。切替タブ101bは、省エネ画面を選択するためのタブであって、「省エネ」というテキスト情報と図形との組み合わせからなる。図4に示す提示画面100は、切替タブ101bが選択されている状態、つまり省エネ画面において最初に表示される画面である。切替タブ101cは、個別配信コンテンツ閲覧画面を選択するためのタブであって、「MyHEMS」というテキスト情報と図形との組み合わせからなる。個別配信コンテンツ閲覧画面では、個別にコンテンツが配信され、例えば、後述する「使い方ガイド」等の機能を使用可能である。切替タブ101dは、快適空間画面を選択するためのタブであって、「快適空間」というテキスト情報と図形との組み合わせからなる。快適空間画面では、施設5における空気質等の環境に関する計測データが表示される。切替タブ101eは、生活支援画面を選択するためのタブであって、「生活支援」というテキスト情報と図形との組み合わせからなる。生活支援画面では、例えば、帰宅、就寝等の人の状態を表す情報が表示される。
第2領域102には、省エネ画面において選択可能なサービスを表す3つのアイコン102a〜102cが表示されている。アイコン102aは、電力プラン診断サービスを選択するためのアイコンであって、「電力プラン診断」というテキスト情報と図形との組み合わせからなる。このアイコン102aがタップされると、例えば、ユーザが契約中の電力プランと、他の電力プランとの比較等、電力プランの診断が行われて、診断結果が情報端末1にて表示される。アイコン102bは、スマートメータ関連サービスを選択するためのアイコンであって、「スマートメーター」というテキスト情報と図形との組み合わせからなる。このアイコン102bがタップされると、例えば、時間帯ごとの施設5の買電量及び売電量のグラフ等が情報端末1にて表示される。アイコン102cは、蓄電池関連サービスを選択するためのアイコンであって、「蓄電池」というテキスト情報と図形との組み合わせからなる。このアイコン102cがタップされると、例えば、蓄電装置92に関する残容量等の情報が情報端末1にて表示される。
第3領域103には、スマートメータ関連サービスの情報が表示される。図4の例では、時間帯ごとの施設5の買電量及び売電量のグラフ103aが、第3領域103に表示されている。グラフ103aは、時間帯(ここでは1時間単位)ごとの買電量及び売電量を示す棒グラフであって、基準線(0kWhの線)に対して情報に買電量、下方に売電量を表示している。さらに、第3領域103には、グラフ103a上のカーソル位置を表す日時情報103bと、カーソル位置における買電量及び売電量を数値で示す詳細情報103cと、が表示されている。図4の例では、詳細情報103cは、買電量が「0.0kWh」で、発電量が「0.4kWh」であることを表している。詳細情報103cは、グラフ103aの凡例表示も兼ねている。さらに、第3領域103には、グラフ103aにおける時間帯の幅を設定するための設定ボタン103dが表示されている。図4の例では、グラフ103aにおける時間帯の幅は「1時間」に設定されているが、設定ボタン103dがタップされることで、例えば、グラフ103aにおける時間帯の幅が「30分」、「3時間」等に変更可能である。
以上説明したように、提示対象が「A」(スマートメータ関連)である場合には、情報端末1Aにおいて、省エネ画面において最初に表示されるホーム画面としては、図4に示すような提示画面100が表示される。この提示画面100では、第2領域102には3つのアイコン102a〜102cが表示され、更に、第3領域103にはスマートメータ関連サービスの情報が表示される。
(4.2)
図5は、スマートメータからなる計測機器2A、及び分岐計測器からなる計測機器2Bの両方が登録されている場合において、情報端末1Aの表示部11に表示される提示画面200の具体例を示している。この提示画面200は、例えば、情報端末1Aにおいて、省エネ画面において最初に表示されるホーム画面である。すなわち、決定部32にて提示対象が「A−B」(スマートメータ−分岐計測器関連)に決定した場合、情報端末1Aにてアプリケーションソフトが起動されると、表示部11には図5に示すような提示画面200が表示される。
図5に示す提示画面200は、大きく分けて第1領域201、第2領域202、及び第3領域203の3つの領域を含んでいる。本実施形態では、提示画面200は、表示部11の表示エリアの長手方向を縦とするように、縦向きに表示されている。つまり、提示画面200は、縦長の画面である。第1領域201は、提示画面200の下端部に配置されている。第2領域202は、第1領域201の上方に配置されている。第3領域203は、第2領域202の上方に配置されている。
第1領域201には、提示画面100の第1領域101と同様に、情報提示システム10にて表示される画面を切り替えるための5つの切替タブ201a〜201eが左右方向に並んで表示されている。切替タブ201a〜201eは、それぞれ提示画面100における切替タブ101a〜101eに相当する。図5に示す提示画面200は、切替タブ201bが選択されている状態、つまり省エネ画面において表示される画面である。
第2領域202には、提示画面100の第2領域102と同様に、省エネ画面において選択可能なサービスを表す複数のアイコン202a〜202iが表示されている。提示画面200では、提示画面100にて選択可能であった電力プラン診断サービス等のサービスに加えて、電気使用量、電気料金、使用量推移、回路別料金等の複数のサービスを更に選択可能である。アイコン202hは、電力プラン診断サービスを選択するためのアイコンであって、提示画面100におけるアイコン102aに相当する。第2領域202に表示されている複数のアイコン202a〜202iは、スワイプ操作により上下方向にスクロール可能であって、図5には示されていないアイコンについても第2領域202に表示可能である。
第3領域203には、対象期間の消費電力量を表す使用情報203aが表示される。図5の例では、対象期間は、当日(今日)の現在時刻(ここでは「13:30」)までの期間である。図5の例では、使用情報203aは、対象期間の消費電力量が「24.4kWh」であることを表している。さらに、使用情報203aには、対象期間の消費電力量の診断結果として、「いつもより使いすぎています」というテキスト情報が含まれている。また、第3領域203には、「使いすぎチェック」というテキスト情報と図形との組み合わせからなるチェックボタン203bが表示されている。チェックボタン203bがタップされると、対象期間における分岐回路ごとの消費電力量が表示される。さらに、第3領域203の表示内容は、スワイプ操作により左右方向にスクロール可能であって、図5には示されていない、他の対象期間(例えば、当月の現在までの期間)の消費電力量を表す使用情報についても第3領域203に表示可能である。ポインタ203cは、第3領域203のスクロール状態を表している。
以上説明したように、提示対象が「A−B」(スマートメータ−分岐計測器関連)である場合には、情報端末1Aにおいて、省エネ画面において最初に表示されるホーム画面としては、図5に示すような提示画面200が表示される。この提示画面200では、第2領域202には9つ以上のアイコン202a〜202iが表示され、更に、第3領域203には対象期間の消費電力量を表す使用情報203aが表示される。
要するに、情報端末1では、提示対象に応じた提示情報(提示画面)が提示(表示)されるため、同じホーム画面であっても、提示対象が「A」(スマートメータ)か「A−B」(スマートメータ−分岐計測器関連)かによって、異なる提示画面が表示される。そして、提示対象が「A−B」(スマートメータ−分岐計測器関連)である場合には、例えば、回路別料金のサービス(アイコン202d参照)のように、提示対象が「A」(スマートメータ関連)である場合には選択できないサービスが選択可能である。ここで、提示画面100と提示画面200とでは、アイコンの数、及びアイコンの画面内レイアウト等の表示態様が異なっている。また、提示画面100と提示画面200とでは、例えば、電力プラン診断サービスを選択するためのアイコン102a,202hのように共通の情報を含んでいる。つまり、提示情報(提示画面100,200)には、提示対象によらずに同一の情報となる固定情報(例えば、アイコン102a,202h)が含まれている。
(4.3)
図6は、図4に示す提示画面100において、生活支援画面を選択するための切替タブ101eがタップされた場合における提示画面100の具体例を示している。図6の提示画面100は、予告ステップにて提示される対象予告の一例を示している。
図6に示す提示画面100では、機器特定情報104が提示画面100上に重ねてポップアップ表示されている。すなわち、生活支援画面は、計測機器2Bが登録されて初めて選択可能となる画面であって、図4に示す提示画面100では選択できない画面である。言い換えれば、生活支援画面に含まれるサービスは、計測機器2Bの登録情報が未登録の場合には提示できず、計測機器2Bの登録情報が登録されれば提示可能となる提示対象である。そのため、図4に示す提示画面100においては、生活支援画面を選択するための切替タブ101eが対象予告に相当する。この場合、対象予告にて表される提示対象を提示可能とするために登録情報の登録が必要となる計測機器2(必要機器)は、分岐計測器からなる計測機器2Bである。図6の例では、機器特定情報104の本文領域104aは、「生活支援サービスは、分岐回路計測機器をお持ちの方のみ、ご利用いただけます。」というテキスト情報を含んでおり、分岐計測器からなる計測機器2Bを必要機器として特定する。機器特定情報104は、ポップアップ表示を終了するための終了ボタン104bを含んでいる。
(4.4)
図7は、図4に示す提示画面100において、個別配信コンテンツ閲覧画面を選択するための切替タブ101cがタップされ、更に、個別配信コンテンツ閲覧画面に含まれる「使い方ガイド」のサービスが選択された場合における提示画面300の具体例を示している。図7の提示画面300は、予告ステップにて提示される対象予告の一例である。
図7に示す提示画面300は、大きく分けて第1領域301、第2領域302、及び第3領域303の3つの領域を含んでいる。本実施形態では、提示画面300は、表示部11の表示エリアの長手方向を縦とするように、縦向きに表示されている。つまり、提示画面300は、縦長の画面である。第1領域301は、提示画面300の中央部よりもやや下方に配置されている。第2領域302は、第1領域301の下方に配置されている。第3領域303は、第1領域301の上方に配置されている。第2領域302の下方には、後述する選択ボタン304が配置されている。第3領域303の上方には、提示画面300の表示を終了するための戻るボタン305が配置されている。
第1領域301には、回路別料金のサービスを表すアイコン(図形)が、「回路別料金」というテキスト情報と組み合わせて表示されている。第2領域302には、回路別料金のサービスの概要説明が表示されている。図7の例では、第2領域302に「時間帯別の電気料金単価や電気使用量がまとめて確認できます。電気を多く使う機器を電気代の安い時間帯に使うなど、かしこく使う工夫ができます。」というテキスト情報が表示されている。第3領域303には、回路別料金のサービスにおいて情報端末1に表示される提示画面の一例(画面例)が示されている。第3領域303に表示される画面例は、例えば、左右方向を時間軸とし、複数の分岐回路について、分岐回路ごとの電力の使用状況を表す画面である。図7の画面例では、「リビング照明コンセント」、「冷蔵庫」、「玄関廊下洗面照明」、「洗濯機」、「電子レンジ」、「子供部屋照明コンセント」の6回路について、電力の使用状況が表示されている。
すなわち、提示画面300が情報端末1に表示されることにより、ユーザは、回路別料金のサービスについての説明を見ることができる。ここで、回路別料金のサービスは、提示対象が「A」(スマートメータ関連)である場合には選択できないサービスである。言い換えれば、回路別料金のサービスに関する画面は、計測機器2Bの登録情報が未登録の場合には提示できず、計測機器2Bの登録情報が登録されれば提示可能となる提示対象である。そのため、図7に示す提示画面300の全体が対象予告に相当する。この場合、対象予告にて表される提示対象を提示可能とするために登録情報の登録が必要となる計測機器2(必要機器)は、分岐計測器からなる計測機器2Bである。
図7に示す提示画面300において、「使ってみる」というテキスト情報を含む選択ボタン304がタップされると、図8に示すように、機器特定情報306が提示画面300上に重ねてポップアップ表示されている。図8の例では、機器特定情報306の本文領域306aは、「分岐回路ごとの電気使用量を計測・通信する装置を設置されているご家庭のみ、本機能をご利用できます。」というテキスト情報を含んでおり、分岐計測器からなる計測機器2Bを必要機器として特定する。機器特定情報306は、ポップアップ表示を終了するための終了ボタン306bを含んでいる。
(5)変形例
上記実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
情報提示システム10が適用される施設5は、住宅以外の施設、例えば、福祉施設、病院、事務所又は店舗等の非住宅であってもよい。
また、提示ステップでは、提示対象に応じて、施設5に関連する提示情報を、情報端末1に提示させればよく、提示対象によって、アイコンの表示/非表示を変更することに限らず、例えば、アイコンのアクティブ/非アクティブを変更してもよい。
また、計測機器2は、施設5での資源(例えば、電気エネルギー、ガス、又は水等)の消費量又は発生量を計測する構成に限らず、例えば、施設5の環境(温度、空気質、又は照度等)に関する計測データを計測する構成であってもよい。
また、計測機器2Bでは分岐回路ごとの計測データのみを計測してもよい。この場合、計測機器2Bは、電流センサ23を有さずに、電流センサ24だけを有していてもよい。さらに、計測機器2Bは、施設5全体(主幹)の消費電力(消費電力量)から、いわゆるディスアグリゲーション技術により、特定の分岐回路又は電気機器50の消費電力(消費電力量)を抽出してもよい。
また、図6の提示画面100、又は図7の提示画面300のように、予告ステップにて対象予告が提示されている状態においては、例えば、ローカル装置4が必要機器としての計測機器2の接続の有無を検出してもよい。この状態で、必要機器がローカル装置4に接続されたことをローカル装置4が検出した場合、ローカル装置4は、必要機器としての計測機器2の登録モードに移行し、計測機器2の登録を支援することが好ましい。
また、情報端末1は、スマートフォン及び専用モニタに限らず、タブレット端末等の携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、又はスマートテレビ等のネットワーク8に接続可能な情報端末であってもよい。
また、情報提示システム10は、上記実施形態では、サーバ3、ローカル装置4、及び情報端末1にて実現されているが、この構成に限らず、例えば、サーバ3、ローカル装置4、及び情報端末1のうちの1つ又は2つの装置で実現されてもよい。例えば、決定部32及び提示部33の機能が、ローカル装置4、又は情報端末1に設けられてもよい。決定部32及び提示部33の機能が情報端末1に設けられている場合、サーバ3から配信される提示情報(提示画面)は提示対象によらず、情報端末1が実際に提示(表示)する提示情報(提示画面)が、提示対象に応じて変化する。さらに、登録部41の機能が、サーバ3に設けられていてもよい。
また、登録部41、決定部32、及び提示部33のうちの少なくとも1つの機能が、サーバ3、ローカル装置4、及び情報端末1のうちの2つ以上の装置に分散して設けられてもよい。また、サーバ3、ローカル装置4、及び情報端末1の各々の機能が、複数の装置に分散して設けられていてもよい。例えば、サーバ3の機能が複数の装置(サーバ)に分散して設けられる場合には、決定部32と提示部33とが別々の装置に設けられてもよい。
さらにまた、コンピュータシステムが、情報端末1、ローカル装置4、及びサーバ3を備えることは必須ではない。コンピュータシステムは、例えば、情報端末1とローカル装置4とサーバ3とのうちの少なくとも1つの装置によって構成されてもよい。情報提示システム10の少なくとも一部の機能は、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されてもよい。
また、決定ステップでは、計測機器2の登録情報に加え、計測機器2以外の電気機器50の登録情報を参照して、提示対象を決定してもよい。すなわち、洗濯機を計測機器2以外の電気機器50の例とする場合、洗濯機の登録情報が登録されているか否かによって、提示対象が変化する。ここで、洗濯機の登録情報が登録されていれば、洗濯の終了を通知する洗濯通知サービスが使用可能であると仮定する。この場合、洗濯機の登録情報が登録されていれば、洗濯通知サービスに関する提示情報が情報端末1にて提示可能となる。さらに、エアーコンディショナを計測機器2以外の電気機器50の例とする場合、エアーコンディショナの登録情報が登録されているか否かによって、提示対象が変化する。エアーコンディショナの登録情報が登録されていれば、空気質監視サービス及び遠隔制御サービスが使用可能であると仮定する。この場合、エアーコンディショナの登録情報が登録されていれば、空気質監視サービス及び遠隔制御サービスに関する提示情報が情報端末1にて提示可能となる。
(6)まとめ
以上説明したように、第1の態様に係る情報提示方法は、決定ステップと、提示ステップと、を有する。決定ステップでは、施設5に対応付けられた情報端末1に提示させる対象となる提示対象を、施設5に関連する計測データを計測可能であって登録情報が登録されている計測機器2の登録情報に基づいて決定する。提示ステップでは、提示対象に応じて、施設5に関連する提示情報を、情報端末1に提示させる。
この態様によれば、どのような提示情報を情報端末1に提示させるかが、登録情報が登録されている計測機器2によって変化する。すなわち、情報提示方法にて施設5の住人等に提供されるサービスは、固定的ではなく、施設5に導入されている計測機器2によって変化する。したがって、この情報提示方法によれば、ユーザ(施設5の住人等)にとって有意義な情報の提供が可能である、という利点がある。
第2の態様に係る情報提示方法は、第1の態様において、決定ステップでは、登録情報に含まれる、計測機器2が計測する計測データの種別に基づいて、提示対象を決定することが好ましい。この態様によれば、計測データの種別によって、情報提示方法にてユーザに提供されるサービスが自動的に設定される。そのため、計測データの種別に応じた最適なサービスをユーザに提供することが可能である。ただし、計測データの種別に基づいて提示対象を決定することは、情報提示方法において必須ではない。
第3の態様に係る情報提示方法は、第1又は2の態様において、決定ステップでは、登録情報に含まれる、計測機器2での計測データの計測範囲と、計測機器2での計測データの計測頻度との少なくとも一方に基づいて、提示対象を決定することが好ましい。この態様によれば、計測データの計測範囲、又は計測データの計測頻度によって、情報提示方法にてユーザに提供されるサービスが自動的に設定される。そのため、計測データの計測範囲又は計測頻度に応じた最適なサービスをユーザに提供することが可能である。ただし、計測データの計測範囲と計測頻度との少なくとも一方に基づいて提示対象を決定することは、情報提示方法において必須ではない。
第4の態様に係る情報提示方法は、第1〜3のいずれかの態様において、提示情報は、情報端末1にて表示される提示画面であって、情報端末1での提示画面の表示態様は、提示対象によって異なることが好ましい。この態様によれば、情報提示方法にてユーザに提供されるサービスに合わせて、提示画面の表示態様の最適化を図ることができる。ただし、提示情報が提示画面であることは、情報提示方法において必須ではなく、提示情報は、例えば、プッシュ通知、及び音声情報等であってもよい。
第5の態様に係る情報提示方法は、第1〜4のいずれかの態様において、情報端末1に対する特定の通知の有無が、提示対象によって異なることが好ましい。この態様によれば、情報提示方法にてユーザに提供されるサービスに合わせて、プッシュ通知等の特定の通知の有無を自動的に変更できる。ただし、特定の通知の有無が提示対象によって異なることは、情報提示方法において必須ではない。
第6の態様に係る情報提示方法は、第1〜5のいずれかの態様において、提示情報は、提示対象によらずに同一の情報となる固定情報を含むことが好ましい。この態様によれば、全てのユーザに対して同一のサービスを提供することが可能である。ただし、提示情報が固定情報を含むことは、情報提示方法において必須ではない。
第7の態様に係る情報提示方法は、第1〜6のいずれかの態様において、予告ステップ、を更に有することが好ましい。予告ステップでは、登録情報が未登録の計測機器2について登録情報が登録されることで提示可能となる提示対象を表す情報を、対象予告として情報端末1に提示させる。この態様によれば、新規に計測機器2の登録情報を登録することで提供を受けることができるサービスの存在を、ユーザに知らせることができる。そのため、実際に計測機器2を導入する前であっても、情報提示方法にてユーザに提供可能なサービスを、ユーザは知ることができる。ただし、予告ステップは情報提示方法において必須ではない。
第8の態様に係る情報提示方法は、第7の態様において、予告ステップでは、対象予告にて表される提示対象を提示可能とするために登録情報の登録が必要となる計測機器2を、必要機器として特定する機器特定情報を情報端末1に提示させることが好ましい。この態様によれば、対象予告にて表されるサービスの提供をユーザが受けるために、必要となる計測機器2を、ユーザにて特定することが可能である。ただし、機器特定情報を情報端末1に提示させることは、情報提示方法において必須ではない。
第9の態様に係る情報提示方法は、第1〜8のいずれかの態様において、提示情報は、計測データを解析することにより生成された情報であることが好ましい。この態様によれば、計測機器2の計測データを解析することで得られる提示情報がユーザに提示されるので、ユーザは、登録済みの計測機器2を活用したサービスの提供を受けることができる。ただし、計測データを解析することにより提示情報を生成することは、情報提示方法において必須ではない。
第10の態様に係る情報提示方法は、第1〜9のいずれかの態様において、計測機器2は、施設5での資源の消費量と発生量との少なくとも一方の計測データを計測することが好ましい。この態様によれば、ユーザは、施設5での資源の消費量又は発生量の計測環境に応じたサービスの提供を受けることができる。
第11の態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、第1〜10のいずれかの態様に係る情報提示方法を実行させるためのプログラムである。すなわち、上述した情報提示方法と同等の機能は、上記プログラムによっても具現化することができる。このようなプログラムは、例えばコンピュータシステムの1つ又は複数のコンピュータにて実行される。プログラムは、インターネットなどの電気通信回線を通じて、又はメモリカードなどの記録媒体に記録されて提供されてもよいし、コンピュータのメモリに予め記録されていてもよい。このプログラムによれば、ユーザ(施設5の住人等)にとって有意義な情報の提供が可能である、という利点がある。
第12の態様に係る情報提示システム10は、登録部41と、決定部32と、提示部33と、を備える。登録部41は、施設5に関連する計測データを計測可能な計測機器2の登録情報を登録する。決定部32は、施設5に対応付けられた情報端末1に提示させる対象となる提示対象を、登録部41に登録されている登録情報に基づいて決定する。提示部33は、決定部32にて決定された提示対象に応じて、施設5に関連する提示情報を、情報端末1に提示させる。すなわち、上述した情報提示方法と同等の機能は、上記情報提示システム10によっても具現化することができる。この情報提示システム10によれば、ユーザ(施設5の住人等)にとって有意義な情報の提供が可能である、という利点がある。
上記プログラム又は情報提示システム10によって情報提示方法が具現化される場合でも、上述した種々の構成、及び変形例を適宜組み合わせて適用可能である。