以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の電力監視システムは、図2に示すように、宅内に設置された統合管理盤1と、商用電源を供給する電路Lpおよび情報伝送路Lj(エンハンスト・カテゴリ5若しくはカテゴリ6のLANケーブル)を介して統合管理盤1に接続されて、統合管理盤1が電力供給、制御並びに監視を行う照明器具、空調機器(エアコン)、床暖房器具、IH機器等の宅内に設置された複数の電気機器Xmn(添え字のm,nは1以上の整数を示す。m,n=1,2,…、以下同様。)と、統合管理盤1にLANケーブルLiを介して接続される複数(図示例では、2つ)の端末装置(パーソナル・コンピュータPC並びに表示制御装置CV等のウェブブラウザ機能を有する端末装置)とを備え、統合管理盤1と端末装置とが汎用の通信プロトコル(TCP/IP、UDP、HTTPなど)を利用した宅内ネットワークを構成している。
この宅内ネットワークは、100BASE-TX(IEEE 802.3u)規格に準拠したローカルエリアネットワーク(LAN)であって、統合管理盤1内においてレイヤ2スイッチやレイヤ3スイッチに相当する後述の統合装置TMに、ネットワーク端末に相当する端末装置(パーソナル・コンピュータPC並びに表示制御装置CV)などがスター配線で接続されている。また、統合装置TMは、インターネットに接続するための回線の種類(電話回線、CATV回線、光ファイバ回線など)に応じたインターネット接続機能を有しており、宅内ネットワークが外部ネットワークたるインターネットに接続される。なお、表示制御装置CVとしては、ウェブブラウザ機能を有するネットテレビ等であればよい。
そして、宅内ネットワークには住宅から離れた遠隔地に設置されたセンタ装置(センタサーバ)SVがインターネットを通じて接続されており、後述するようにインターネットに接続可能なノート型のパーソナル・コンピュータ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistance)等からなるウェブブラウザ機能を有する携帯型の端末装置(携帯端末PT)とセンタ装置SVとの間でインターネットを介したデータ通信を行うことにより、例えば、携帯端末PTを使って外出先から宅内電気機器の制御や監視を行うことができる。
センタ装置SVは、ネットワーク機能を有する汎用のコンピュータ装置で構成されており、携帯端末PTからインターネットを通じて送信される統合管理盤1宛てのメッセージや統合管理盤1から宅内ネットワークに属さない端末装置(図示せず)に宛てて送信されるメッセージを中継する機能を有している。但し、上述のようなインターネット接続機能を有する携帯端末PTやセンタ装置SVは従来周知であるから、詳細な構成についての図示並びに説明は省略する。
統合管理盤1は、図1に示すように、外部から住宅に供給される商用電源を一次側に受ける主幹ブレーカBsと、主幹ブレーカBsの二次側から分岐した電路に介挿される複数の分岐ブレーカBmn(m=1,2,…、n=1,2,…)と、エネルギマネージメントユニット2と、統合装置TMと、電気機器コントローラC1とを備える。そして、分岐ブレーカBmnを介して分岐された各電路Lpmn(m=1,2,…、n=1,2,…)は統合管理盤1外に導出され、各電路Lpmnに接続される電気機器Xmn(m=1,2,…、n=1,2,…)に対して動作電源を供給している。
エネルギマネージメントユニット2は、主幹ブレーカBsに流れる主幹電流の値を定期的に計測する主幹電流検出部CTsと、主幹電流の計測値を電力量に変換することで主幹ブレーカBsを介して供給されている主幹電力量を演算する電力演算部2aと、各分岐ブレーカBmnを流れる分岐電流の値を分岐ブレーカ毎に定期的に検出する分岐電流検出部CTmn(m=1,2,…、n=1,2,…)と、電力演算部2aで演算した主幹電力量、および各分岐電流検出部CTmnで計測した分岐電流が入力され、各分岐電流に基づいて各分岐ブレーカBmnを介して供給されている分岐電力量を演算する演算部2bと、演算部2bから入力された主幹電力量および分岐電力量に基づいて、主幹電力量を表す画像データ、および各分岐電力量を表す画像データを生成する制御部2cとを備える。なお、上述の主幹電流検出部CTsと電力演算部2aとで主幹電力量を計測する使用電力量計測部を構成し、分岐電流検出部CTmnと演算部2bとで分岐電力量を計測する使用電力量計測部を構成している。
上記制御部2cは、電力量検知を行う分岐ブレーカBmnのデータ(分岐ブレーカの名称:分岐1、分岐2、...など)を予め格納しており、主幹電力量および分岐電路毎の分岐電力量など各種の電気使用量を表示するための画像データとしてウェブコンテンツ(ウェブページ)を作成し、端末装置からの要求に応じて所望のウェブコンテンツを端末装置に提供(配信)する機能(ウェブサーバ機能)を有しており、LANケーブルを介して統合管理盤1内の統合装置TM、電気機器コントローラC1等が接続されている。ここにおいて、制御部2cには分岐ブレーカBmnのデータとして、分岐ブレーカBmnに接続される電気機器の名称やその使用場所の情報が格納されており、空調機器(エアコン)や床暖房設備などの単独回路のために個別に設けた分岐ブレーカの場合には対応する機器の名称が格納される。また、単独回路ではなく不特定の電気機器が接続される可能性のある分岐ブレーカの場合には、各分岐ブレーカに接続される可能性がある電気機器の名称(例えば照明器具、テレビ、給湯器等)や主たる使用場所が格納されており、ユーザが各分岐ブレーカに接続して使用する可能性が高い電気機器(例えばホットカーペットやアイロンなど)の名称およびその使用場所を設定しておくのが好ましい。
また制御部2cは、各分岐ブレーカBmnに接続されている電気機器Xmnの情報(使用用途や設置場所や停止時分岐電流など)や、省エネに関わる情報や季節のメッセージ(暦の意味など)或いは種々のイベント情報を含む複数種類のメッセージなどが予め登録されるとともに、演算部2bから入力される主幹電力量および分岐ブレーカBmn毎の分岐電力量(電気使用量)を時系列で逐次記憶する記憶手段2fと、端末装置TUから統合装置TMを介して比較要求信号が入力されると比較要求信号の入力時点より一定期間(例えば1時間、1日、1週間、1ヶ月、3ヶ月又は1年)が経過した時点で、上記入力時点よりも前の一定期間における電気使用量と、上記入力時点よりも後の一定期間における電気使用量とを記憶手段2fから読み出して両者を比較する比較手段2dと、比較手段の比較結果を報知する画面の画像データを生成して、当該画像データを端末装置TUに送信(配信)する画像データ生成手段2eとを備えている。
一方、宅内にはリビング、寝室、子供部屋等の複数の部屋Rn(n=1,2,…)が設けられており、図1および図2において宅内は3つの部屋R1,R2,R3を備えたものとして、部屋R1内に設けた電気機器をX1n、部屋R2内に設けた電気機器をX2n、部屋R3内に設けた電気機器をX3nと称する(n=1,2,…)。そして、統合管理盤1内の分岐ブレーカB1n(n=1,2,…)は、図3に示すように、電路Lp1n(n=1,2,…)を介して部屋R1内の各電気機器X1nに1:1の対応で個別に電力供給し、分岐ブレーカB3n(n=1,2,…)は、電路Lp3n(n=1,2,…)を介して部屋R3内の各電気機器X3nに1:1の対応で個別に電力供給しているのに対して、分岐ブレーカB20は、電路Lp20を介して部屋R2内の複数の電気機器X2n(n=1,2,…)に1:nの対応で一括して電力を供給している。すなわち、分岐ブレーカB1n,B3nはそれぞれ電気機器毎の電力供給を行い、分岐ブレーカB20は部屋毎の電力供給を行っている。
また、図1,図2において分岐ブレーカB1n,B3nの各分岐電流を検出する分岐電流検出部をCT1n,CT3n、分岐ブレーカB20の分岐電流を検出する分岐電流検出部をCT20と称す。
図4は、主幹ブレーカBs、分岐ブレーカBmn、分岐電流検出部CTmn周辺の詳細な構成を示し、主幹ブレーカBsおよび主幹電路11から分岐する分岐電路Lp(分岐路12a,12bからなる)に設けられる分岐ブレーカBmnを備える統合管理盤1内に、各分岐電流を検出する複数のセンサSmn(m=1,2,…、n=1,2,…)と、各センサSmnの検出出力に基づいて検出データを生成する複数のセンサユニットAmn(m=1,2,…、n=1,2,…)と、各センサユニットAmnより分岐電流の検出データを収集し、収集した検出データを検出情報として出力する計測制御ユニットKaと、計測制御ユニットKaにセンサユニットAmnを鎖状に接続する伝送路6とを備えるとともに、統合管理盤1の外部に露出して設けられ使用者に対して計測制御ユニットKaから出力される検出情報の表示を行う表示ユニットKbを備えている。なお、センサSmnとセンサユニットAmnと計測制御ユニットKaとで上述の分岐電流検出部CTmnを構成している。
そして、複数のセンサユニットAmnは、伝送路6によって鎖状(数珠繋ぎ)に接続され、計測制御ユニットKaは、始端のセンサユニットA11にトリガ信号を出力するように構成され、各センサユニットAmnは、トリガ信号を受信すると検出データを生成して計測制御ユニットKaへ送信し、この後に末端側(次段)のセンサユニットにトリガ信号を出力するように構成されている。尚、分岐ブレーカB1n〜B2n〜B3nおよびセンサS1n〜S2n〜S3nには、この順番にそれぞれ通し番号(No1、No2、No3、...)が付されている。
そして、主幹ブレーカBsの一次側には低圧配電線100が接続され、主幹ブレーカBsの二次側端子には主幹電路11が接続され、上記分岐電路Lpmnは、主幹電路11の電圧極11a,11bの一方に一端が接続された分岐路12aと、主幹電路11の中性極11cに一端が接続された分岐路12bとで構成される。
主幹ブレーカBsは、低圧配電線100の電圧極101,102に接続される電源側端子(図示せず)及び中性極103に接続される電源側端子(図示せず)と、電圧極101,102に接続される電源側端子に各別に対応して電圧極となる2つの負荷側端子(図示せず)と、中性極103に接続される電源側端子に対応して中性極となる負荷側端子(図示せず)と、電源側端子と負荷側端子とが通電している際にはオン側に位置する操作ハンドルH1を備えている。そして主幹ブレーカBsは、電源側端子と負荷側端子との間に過電流が生じた際にはこれら端子間を遮断するとともに、操作ハンドルH1をオフ側に位置させるように構成されている。
分岐ブレーカBmnは、分岐路12a,12bの他端側をそれぞれ接続可能な分岐路用端子部(図示せず)と、負荷側の電源線(図示せず)を電気的に接続するための電源線用端子部(図示せず)と、通常時はオン側に位置する操作ハンドルH2とを備えている。そして、分岐ブレーカBmnは、分岐路用端子部と電源線用端子部との間に過電流が生じた際にこれら端子部間を遮断するとともに、操作ハンドルH2をオフ側に位置させるように構成されている。尚、主幹ブレーカBsおよび分岐ブレーカBmnは、過電流だけではなく、短絡電流の発生に対しても回路を遮断するよう構成してもよい。
一方、主幹電路11及び分岐路12a,12bは、いずれも導電性を有する金属板から形成されており、その幅、厚み等は、主幹ブレーカの最大定格電流に合わせた最大電流容量を有するように設定されている。
次に、センサSmnと、センサユニットAmnと、計測制御ユニットKaと、表示ユニットKbと、伝送路6とについて説明する。ここで、センサSmnと、センサユニットAmnと、伝送路6とは、プリント基板7上に形成されて一体化されており、まずプリント基板7について説明する。
プリント基板7は、複数の絶縁板を積層してなる多層構造のもの(すなわち多層基板)であって、図5に示すように、プリント基板7を表裏に貫通する分岐路12b用の挿通孔7aを複数備えている。またプリント基板7には、プリント基板7を表裏に貫通するスルーホール7bが、各挿通孔7aの周辺部に挿通孔7aを囲繞するように複数形成されている。さらに、プリント基板7には、各挿通孔7aの周辺部に表面から中層(表面と裏面との間の層)まで貫通するスルーホール7cが複数形成されている。そして、このプリント基板7の表面には、センサSmnおよびセンサユニットAmnが実装されるとともに、伝送路6が形成されている。尚、センサユニットAmnは、ディスクリート半導体等の必要な電子部品を個々にプリント基板に実装することで構成してもよいし、必要な電子部品をIC化(集積化)したものであってもよい。またプリント基板7としては、上記のような多層基板に限らず、両面基板を用いてもよい。
センサSmnは、各分岐ブレーカBmnに対応する分岐路12bの電流値、つまりは分岐ブレーカBmnに流れる電流値を検出するための電流センサである。このようなセンサSmnは、いずれも同様の構成を有するものであるから、センサS11についてのみ詳細に説明する。
このセンサS11は、図5に示すように、上記のプリント基板7に形成されたコイル線路20からなるロゴスキコイルを有する電流センサであり、電流の微分形を検出出力として出力するものである。コイル線路20は、プリント基板7において挿通孔7aの周辺部のスルーホール7bを介してプリント基板7の表面に形成されたパターン21a(図5に実線で示す)及びプリント基板7の裏面に形成されたパターン21b(図5に点線で示す)を接続してなるコイル部21を有している。さらに、コイル部21の末端は、スルーホール7cを介して戻し線路22(図5に一点破線で示す)の一端側と接続されており、この戻し線路22は、他端側がコイル部21の末端側からコイル部21内を通ってコイル部21の始端側へ戻るようにプリント基板7の中層に形成されている。つまり、このセンサS11では、コイル部21の始端側と、戻し配線22の他端側とが、それぞれ入力端子として用いられる。
次にセンサユニットAmnは、センサSmnの検出出力に基づいて検出データを生成するものであって、センサSmnより取得した検出出力に基づいて電流値の実効値からなる検出データを生成し、動作開始用のトリガ信号を受信すると検出データを伝送用信号に変調して計測制御ユニットKaへ送信する。さらに、検出データの送信後には、次のセンサユニットAmnへトリガ信号を出力する。
計測制御ユニットKaは、センサユニットAmnが出力する伝送用信号を復調して検出データを取り出し、受信した検出データを順次演算部2bへ出力する機能と、センサユニットから検出データを収集するためのトリガ信号を始端のセンサユニットA11へ出力する機能と、検出データに応じた表示用データを生成して表示ユニットKbへ出力する機能とを備える。
表示ユニットKbは、例えば各分岐ブレーカBmnに対応した複数のLEDを具備し、計測制御ユニットKaから出力される表示用データに基づいて、分岐ブレーカBmnの番号と、その分岐ブレーカBmnに対応する電流値との表示をLEDの消灯、点滅、点灯、あるいは色の変化等で行うようにされており、LEDを統合管理盤1外に露出させた状態で統合管理盤1内に設けている。
伝送路6は、図4に示すように、計測制御ユニットKaにセンサユニットAmnを、トリガ用伝送線60とデータ用伝送線61とグラウンド線62との3線を用いて接続するものである。ここで、トリガ用伝送線60は、計測制御ユニットKaが出力するトリガ信号を始端のセンサユニットA11に1対1で接続する接続線60aと、センサユニットから順次送信されるトリガ信号を末端側(次段)のセンサユニットに1対1で接続する送り用接続線60b〜60pとからなり、計測制御ユニットKaに、センサユニットAmnを鎖状に接続するものである。またデータ用伝送線61は、計測制御ユニットKaに各センサユニットAmnが出力する検出データを接続するものであり、グラウンド線62は、計測制御ユニットKa及び各センサユニットAmn等においてトリガ用伝送線60及びデータ用伝送線61の電圧基準として用いられるものである。尚、グラウンド線62については図面の簡略化のためにセンサユニットAmnとの接続部分の図示は省略している。
このように、センサSmnとしてプリント基板7に形成したコイル線路20を用いれば、主幹ブレーカBsや、分岐ブレーカBmn、主幹電路11、分岐電路12a,12b等によって利用できるスペースが狭くなっている統合管理盤1の筐体内でも、センサSmnを効率的に配置できる。また、センサSmnが統合管理盤1の施工時に邪魔にならず、統合管理盤1の施工性を損なうこともない。さらに、このようなセンサSmnは、空芯のものであるから、鉄芯(磁気コア)がないため小型化および軽量化を図ることができ、しかも鉄芯による飽和がないという利点があり、これによりダイナミックレンジが広く、大電流を検出できる電流センサを得ることが可能になる。
また、図6はセンサSmnの別の構造を示しており、プリント基板7に形成されたトロイダルコイル31を備える。トロイダルコイル31は、巻き進み方向の巻き進みコイル32(以下、進みコイルと言う)と、巻き戻し方向の巻き戻しコイル33(以下、戻しコイルと言う)とを有し、それらが同じプリント基板7上に二重形成され、直列に連続接続されている。進みコイル32および戻しコイル33は、それぞれ、プリント基板7の表裏両面においてプリント基板7を表裏に貫通する分岐路12b用の挿通孔7aから放射状に形成された放射状ライン34と、この複数の放射状ライン34間を接続する外周上に等間隔で表裏面に設けられた接続部35と、表裏の放射状ライン34と接続部35とを電気的に連続接続するスルーホール36とにより形成される。これらの放射状ライン34および接続部35は、図6において、プリント基板7の表面側に形成されたものを太い実線で、裏面側に形成されたものを白抜きの実線(二重線)でそれぞれ示している。
接続部35は、表裏両面において、隣接する放射状ラインを避けるように引き回し形成される。また接続部35は、進みコイル32、戻しコイル33において、接続部35の表面側コイルと裏面側コイルをスルーホール36aによる繋ぎ部で接続するとともに、この繋ぎ部は、繋ぎ部を挟んで両コイルの表面側と裏面側とが略等分の長さになるように配設されている。
スルーホール36は、挿通孔7aの中心7dを略中心とする挿通孔7aに遠い側および近い側の円周上にスルーホール36a,36bを等間隔に同数配設されるとともに、戻しコイル33における表裏の放射状ライン34及び接続部35(35b)の各端部である境界部分には、表裏の放射状ライン34および接続部35(35b)間を接続するスルーホール36c,36dが設けられている。このスルーホール36c,36dは、スルーホール36a,36bを結ぶ直線に対して対称に配設されている。また、最外周上に存在するスルーホール36a(半径r1の円周上とする)と接続部35を接続する円周上のスルーホール36c,36d(半径r2の円周上とする)は、外部磁界に対して影響を抑えるため、半径r1,r2の差はできるだけ小さいことが望ましく、この半径r1とr2の差は、プリント基板の製造上の制約(ライン幅、スルーランド径)から、具体的には1mm以下としている。
放射状ライン34は、挿通孔7aの中心7dを略中心として放射状に一定ピッチでプリント基板7上に配列されている。放射状ライン34および接続部35を構成する導体部は、プリント基板7に銅箔で形成され、この銅箔は、例えばガラス入りエポキシ樹脂からなる両面プリント基板をエッチング加工することにより形成することができる。
接続部35は、放射状ライン34の外周側の端部(ここでは放射状ライン34および接続部35の境界部分となり、例えば戻しコイル33ではスルーホール36cまたは36dを指し、進みコイル32においては戻しコイル33のスルーホール36cまたは36dに対応する進みコイル32の放射状ライン34上のラインとなる)から円周方向に延長形成され、複数の放射状ライン34間を電気的に接続する。そして、スルーホール36(36a〜36d)を介して、プリント基板7の表裏両面に形成された複数の放射状ライン34の端部および接続部35と、反対側の面にある放射状ライン34の端部および接続部35とが電気的に直列に接続されることにより、プリント基板7を導体部で巻回するコイルが形成される。
進みコイル32は、表側および裏側における放射状ライン34および進みコイル32の接続部35aを、接続部35aの中間位置に設けられたスルーホール36aを繋ぎ部として、スルーホール36aで電気的に接続することにより一巻きのコイルを形成する。同様に、戻しコイル33は、表側および裏側における放射状ライン34および戻しコイル33の接続部35bを互いにスルーホール36(36a,36c,36d)で電気的に接続することにより一巻きのコイルを形成する。そして、この進みコイル32および戻しコイル33の一巻きのコイルのピッチは、等しく形成されている。また接続部35は、隣接する放射状ライン34を避けるように引き回して形成され、両コイル32,33の接続部35と放射状ライン34によるコイルパターンは、プリント基板7の表裏で同一形状として形成されている。以上の構成により、トロイダルコイル31のコイルを形成する導体部(導体膜)は、挿通孔7aの中心7dの中心軸に関してほぼ対称に、かつ均一に形成されている。また、このセンサSmnを用いた電流測定では、測定対象の電流が流れる被測定導体が挿通孔7aに通され、この電流による磁界の磁束が両コイル32,33の断面領域を通ることにより発生する誘導電流を検出することになる。
図7は、統合管理盤1内における主幹ブレーカBs、分岐ブレーカBmn、分岐電流検出部CTmn等の配置を示す一部分解斜視図であり、主幹ブレーカBsの横に電流センサブロックSBが配置され、電流センサブロックSBは、上記センサSmn、センサユニットAmn、伝送路6を形成したプリント基板7を、長尺状のブロック本体SB1の短手方向の両側に対向して取り付けて構成される。そして、複数の分岐ブレーカBmnが、電流センサブロックSBの両側に長手方向に沿って並設されており、各分岐ブレーカBmnは、その分岐路用端子部が各センサSmnに対向するように配置されて、分岐ブレーカBmnとセンサSmnとの間の配線作業が容易に行えるようにしている。また、電流センサブロックSBの上方には、スペーサ40を介して設けた矩形枠上のブラケット41に表示ユニットKbを取り付けており、表示ユニットKbの各LEDが統合管理盤1外に露出して、各分岐電流の概略値を表示している。
次に図1における統合装置TMは、LANケーブルを介して、盤内の制御部2cや電気機器コントローラC1、盤外のパソコンPC、表示制御装置CVが接続されるとともに、インターネットを通じてセンタ装置SVや、携帯電話機などの携帯端末PT、または他の端末装置に接続しており、パケット処理機能、経路切換機能、ネットワークセキュリティ機能、UPnP(ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ)のコントロールポイントの機能等を有して、ネットワークにおけるデータ授受をコントロールしている。
また上述の端末装置TUは、図8のブロック図に示すように統合装置TMとの間でデータの授受を行う送受信部71と、タッチスイッチ付きの液晶ディスプレイのようなタッチパネルからなる画像表示部72と、送受信部71および画像表示部72などの全体の制御を行う制御部73とを備えている。
また、図1における電気機器コントローラC1は、統合装置TMとのインタフェース機能と、日本電機工業会(JEMA)の統一規格に適合した電気機器Xmnとのインタフェース機能をそれぞれ有している。この電気機器コントローラC1は、統合装置TMを介して端末装置TUから制御要求のメッセージを受け取ったときに、情報伝送路Ljを介して各電気機器Xmnを個別に制御して運転(照明器具の場合は点灯)と停止(照明器具の場合は消灯)を切り換える機能(制御機能)や、統合装置TMを介して端末装置TUから監視要求のメッセージを受け取ったときに情報伝送路Ljを介して各電気機器Xmnの動作状態(運転[点灯]又は停止[消灯])を個別に取得するとともに、制御要求や監視要求に対する応答(各電気機器Xmnの動作状態)のメッセージを要求メッセージの送信元である端末装置TUに向けて統合装置TMを介して送信させる機能(監視機能)を有する。また電気機器コントローラC1は、自己の配下にある電気機器Xmnの機器名称情報、部屋Rnの名称情報等を予め格納しており、電気機器Xmnの名称並びに動作状態を文字や記号で表示するためのウェブコンテンツ(ウェブページ)を作成し、端末装置TUからの要求に応じて当該ウェブコンテンツを端末装置TUに提供(配信)する機能(ウェブサーバ機能)も有している。
ところで、図9は、端末装置TUを立ち上げた際、或いは、コントロールパネルのトップ画面に切り替えた状態で表示画面72aに表示される画面の一例を示し、画面の上側には画面の名前(コントロールパネル)を示すタイトルバーTBが表示され、その下側には「在宅」「おでかけ」「おやすみ」の各シーンに合わせて各電気機器Xmnの運転/停止状態を予め設定された状態に切り替えるためのシーン選択ボタンB1,B2,B3が表示されている。またシーン選択ボタンB1,B2,B3の下側には、センタ装置SVから配信された情報(例えば周辺地域の天気予報など)を絵や文字で表示する表示部W1が配置され、さらにその下側には前ページ又は次ページに移行させるための前ページボタンB4、次ページボタンB5と、メニュー画面に遷移させるためのメニューボタンB6とが表示されている。
そして、図9の初期画面において使用者がメニューボタンB6にタッチ操作すると、端末装置TUの制御部73は、送受信部71を制御してメニュー画面の表示要求を統合装置TMに送信させる。統合装置TMでは、端末装置TUから送信されたメニュー画面の表示要求を受信すると、メニュー画面を表示させるためのウェブページを表示要求の送信元の端末装置TUに返送しており、端末装置TUにおいて送受信部71が受信したウェブページが画像表示部72の表示画面72aに表示される。図10(a)(b)は端末装置TUの画像表示部72の表示画面72aに表示されるメニュー画面の一例を示している。メニュー画面の上側には画面の名称(例えば「メニュー(1/2)」「メニュー(2/2)」)を表示するタイトルバーTB1,TB2が、画面中央には所望のメニューを選択するためのメニュー選択ボタン(図10(a)の画面では選択ボタンBT1〜BT4、図10(b)の画面では選択ボタンBT5、BT6)が、画面の下側には前ページや次ページに遷移する前ページボタンBT7および次ページボタンBT8がそれぞれ表示されている。なお各々のメニュー選択ボタンBT1〜BT6には対応するメニューの内容を示す文字(「リモコン」「ワイヤレスリモコン」「エコモニタ」など)が表示されており、図10(a)の画面で次ページボタンBT8をタッチ操作すると、上述と同様の処理を経て画像表示部72の表示画面が同図(b)のメニュー画面に切り替えられ、さらに同図(b)の画面で前ページボタンBT7をタッチ操作すると、画像表示部72の表示画面が同図(a)のメニュー画面に切り替えられるようになっている。
本実施形態の電力監視システムでは、宅内のパソコンPCや表示制御装置CV、またはインターネットに接続された携帯端末PT等の端末装置TUにおいて、画像表示部72に表示された図10(a)のメニュー画面でエコモニター画面を選択するための選択ボタンBT3に使用者がタッチ操作すると、制御部73がタッチ操作に応じて送受信部71から統合装置TMを介してエネルギマネージメントユニット2へ電力リアルモニタ要求のメッセージを送信させ、エネルギマネージメントユニット2の制御部2cが統合装置TMを介して電力リアルモニタ要求を受信すると、制御部2cが演算部2bから入力された主幹電力量および分岐ブレーカBmn毎の分岐電力量をもとに、主幹電力量および分岐ブレーカBmn毎の分岐電力量の現在値を表示するための電力リアルモニタ用画像データを生成し、生成した電力リアルモニタ用画像データを統合装置TMを介して、電力リアルモニタ要求を送信してきた端末装置TUに向けて送信する。
電力リアルモニタ用画像データを受信した端末装置TUでは、制御部73が、画像表示部72の表示を制御して、電力リアルモニタ用画像データを画像表示部72の表示画面に表示させるので、主幹電力量および分岐ブレーカBmn毎の分岐電力量の現在値をモニタできる。図11(a)は端末装置TUの画像表示部72の表示画面72aに表示される電力リアルモニタ用画像の一例である。図11(a)の電力リアルモニタ用画面(エネマネトップ画面)では、画面の上側には画面の名称(例えば「エコモニター(1/2)」)を示すタイトルバーTB3が、画面中央には当月分の電気料金(昨日と今日のデータ)を示す表示ボタンSY1や、昨日最も電気使用量が大きかった電気機器を示すピクトサインP1が表示され、画面の下側には次ページおよびメニュー画面に遷移するための次ページボタンBT9およびメニューボタンBT10がそれぞれ表示されている。ここで、図11(a)の画面で次ページボタンBT9をタッチ操作すると、画像表示部72の表示画面が同図(b)のエコモニター画面(2/2)に切り替えられ、さらに同図(b)の画面で前ページボタンBT13をタッチ操作すると、画像表示部72の表示画面が同図(a)のエコモニター画面(1/2)に切り替えられるようになっている。なお、図11(b)の画面では、画面の上側に画面の名称(「エコモニター(2/2)」)を示すタイトルバーTB4が、画面中央には電気使用状況の詳細を確認するための確認ボタンBT11、および、エコモニターの設定を行うためのエコモニター設定ボタンBT12がそれぞれ表示され、さらに画面の下側には前ページボタンBT13、次ページボタンBT14およびメニューボタンBT15がそれぞれ表示されている。
また、端末装置TUの画像表示部72に図11(b)のエコモニター画面が表示されている状態で、使用者が確認ボタンBT11をタッチ操作すると、制御部73がタッチ操作に応じて送受信部71からエネルギマネージメントユニット2へ電気機器の使用状況を示す表示画面の表示要求を送信させる。この時、上述と同様の処理を経て、エネルギマネージメントユニット2から統合装置TMを介して端末装置TUへ電気機器の使用状況を示す表示画面の画像データが送信され、端末装置TUの画像表示部72に図11(c)に示すような表示画面が表示される。
図11(c)の表示画面では例えばリビング(LDK)、1F、2F、その他(etc)のように電気機器を設置場所でグループ化してあり、各グループの電気機器を選択するための選択ボタンBT16〜BT19が並べて表示されるとともに、各々の選択ボタンBT16〜BT19の右側には各グループ内の電気機器で稼働中の電気機器を示すピクトサインP2〜P5が表示されている。また図11(c)の画面には右下に戻るボタンBT16が表示されている。
そして、端末装置TUに図11(c)の画面が表示されている状態で、寝室にあるエアコン(以下、寝室エアコン)の電気使用状況を確認するために所定のタッチボタンをタッチ操作すると、制御部73がタッチ操作に応じて送受信部71からエネルギマネージメントユニット2へ寝室エアコンの電気使用量の表示画面を要求する要求信号を送信させる。エネルギマネージメントユニット2では制御部2cが、統合装置TMを介して端末装置TUからの要求信号を受信すると、寝室エアコンが接続されている分岐ブレーカBmnの電気使用量(本日分と昨日分)を記憶手段2fから読み込むとともに、寝室エアコンの電気使用量の変化を示すグラフを表示させる画像データ(ウェブページ)を画像データ生成手段2eにより生成させ、生成した画像データを統合装置TMを介して要求信号の送信元の端末装置TUに返送する。そして、送信元の端末装置TUでは、送受信部71がエネルギマネージメントユニット2から統合装置TMを介して返送された画像データを受信し、制御部73が画像表示部72に表示させるのである。図12(a)は寝室エアコンの電気使用量を表示する画面の一例であり、画面の中央には今日と昨日の電気使用量の推移を示す折れ線グラフG1が表示されている。グラフG1中の実線aは今日の電気使用量を、破線bは昨日の電気使用量を夫々示している。また画面の下側には前ページ、次ページにそれぞれ移行するための前ページボタンBT17、次ページボタンBT18と、図11(c)の画面に戻るための戻りボタンBT19とがそれぞれ表示されている。
ここで、端末装置TUに図12(a)の画面が表示されている状態で、次ページボタンBT18をタッチ操作すると、エネルギマネージメントユニット2との間で上述と同様の処理が行われて、端末装置TUの表示画面72aに寝室エアコンについて今月と先月の電気使用量の推移を比較するグラフG2が表示される(図12(b)参照)。なお、グラフG2中の実線cは今月の電気使用量を、破線dは先月の電気使用量をそれぞれ示している。また、端末装置TUに図12(b)の画面が表示されている状態で、次ページボタンBT18をタッチ操作すると、エネルギマネージメントユニット2との間で上述と同様の処理が行われて、端末装置TUの表示画面72aに寝室エアコンについて今年(06年)と昨年(05年)と一昨年(04年)の電気使用量の推移を比較するグラフG3が表示される(図12(c)参照)。なおグラフG3中の実線eは今年の電気使用量を、破線Fは昨年の電気使用量を、二点鎖線は一昨年の電気使用量を夫々示している。
また更に、端末装置TUに図11(a)のエコモニター画面が表示されている状態で、使用者が画面中の表示ボタンSY1にタッチ操作すると、制御部73がタッチ操作に応じて送受信部71からエネルギマネージメントユニット2へ電気料金とその内訳の表示画面を要求する要求信号を送信させる。エネルギマネージメントユニット2では制御部2cが、統合装置TMを介して端末装置TUからの要求信号を受信すると、本日分と昨日分の主幹電力量および分岐ブレーカ毎の分岐電力量を記憶手段2fから読み込むとともに、電気使用量とその内訳を示す画面の画像データ(ウェブページ)を画像データ生成手段2eにより生成させ、生成した画像データを統合装置TMを介して要求信号の送信元の端末装置TUに返送する。そして、送信元の端末装置TUでは、送受信部71がエネルギマネージメントユニット2から返送された画像データを受信し、制御部73が画像表示部72に表示させるのである。図13(a)は今日と昨日の電気料金およびその内訳を表示する画面の一例であり、画面の左側には今日の電気料金を示す数字N1とその内訳(個々の電気機器または設置場所などでグループ分けされた各グループの割合)を示す円グラフG4とが、画面の右側には昨日の電気料金を示す数字N2とその内訳を示す円グラフG5とがそれぞれ表示されている。また画面の下側には、前ページ、次ページにそれぞれ移行するための前ページボタンBT17、次ページボタンBT18と、図11(c)の画面に戻るための戻りボタンBT19とがそれぞれ表示されている。
ここで、端末装置TUに図13(a)の画面が表示されている状態で、使用者が次ページボタンBT21にタッチ操作すると、エネルギマネージメントユニット2との間で上述と同様の処理が行われて、端末装置TUの表示画面72aに今月と先月の電気料金およびその内訳を表示する画面が表示される(図13(b)参照)。なお、この画面の左側には今月の電気料金を示す数字N3と内訳を示す円グラフG6が、画面の右側には先月の電気料金を示す数字N4と内訳を示す円グラフG7がそれぞれ表示されている。また、端末装置TUに図13(b)の画面が表示されている状態で、使用者が次ページボタンBT21にタッチ操作すると、上述と同様の処理を経て、端末装置TUの表示画面72aに今年と去年の電気料金およびその内訳を表示する画面が表示される(図13(c)参照)。なお、この画面の左側には今月の電気料金を示す数字N5と内訳を示す円グラフG8が、画面の右側には先月の電気料金を示す数字N6と内訳を示す円グラフG9がそれぞれ表示されている。
また更に、端末装置TUに図13(a)の画面が表示されている状態で、使用者が円グラフG4,G5の表示部分にタッチ操作すると、制御部73がタッチ操作に応じて送受信部71からエネルギマネージメントユニット2へ今日と昨日の電気使用量(主幹電力量)の時間単位で比較する画面を要求する要求信号を送信させる。エネルギマネージメントユニット2では制御部2cが、統合装置TMを介して端末装置TUからの要求信号を受信すると、本日分と昨日分の主幹電力量を記憶手段2fから読み込み、電気使用量の時間変化を表示する画面の画像データ(ウェブページ)を画像データ生成手段2eにより生成させ、生成した画像データを統合装置TMを介して要求信号の送信元の端末装置TUに返送する。そして、送信元の端末装置TUでは、送受信部71がエネルギマネージメントユニット2から統合装置TMを介して返送された画像データを受信し、制御部73が画像表示部72に表示させるのである。図14(a)は今日と昨日の主幹電力量を時間単位で比較する画面の一例であり、画面の中央には主幹電力量の時間変化を示すグラフG10が表示されている。なおグラフG10中の実線aは本日の電気使用量を、破線bは昨日の電気使用量をそれぞれ示している。また画面の下側には、グラフG10中のカーソル線cを左又は右に移動させるための左カーソルボタンBT23、右カーソルボタンBT24と、カーソル線cの位置を決定する決定ボタンBT25と、元の画面に戻すための戻りボタンBT26とがそれぞれ表示されている。
ここで、カーソルボタンBT23,BT24をタッチ操作してカーソル線cを所望の時間まで移動させた状態で決定ボタンBT25をタッチ操作すると、端末装置TUの制御部73がタッチ操作に応じて所望の時間帯(例えば任意の1時間)における今日と昨日の電気使用量とその内訳の表示画面を要求する要求信号を、送受信部71からエネルギマネージメントユニット2へ送信させる。エネルギマネージメントユニット2では制御部2cが、統合装置TMを介して端末装置TUからの要求信号を受信すると、指定された時間帯の主幹電力量および分岐電力量を記憶手段2fから読み込み、その時間帯における電気使用量とその内訳を表示する画面の画像データ(ウェブページ)を画像データ生成手段2eにより生成させ、生成した画像データを統合装置TMを介して要求信号の送信元の端末装置TUに返送する。そして、送信元の端末装置TUでは、送受信部71がエネルギマネージメントユニット2から統合装置TMを介して返送された画像データを受信し、制御部73が画像表示部72に表示させるのである。図14(b)は指定された時間帯(例えば18時から19時までの1時間)における今日と昨日の電気使用量およびその内訳を示す画面の一例であり、画面の左側には今日の18時から19時までの電気料金を示す数字N3とその内訳(各電気機器の割合)を示す円グラフG11が、画面の右側には昨日の18時から19時までの電気料金を示す数字N4とその内訳を示す円グラフG12がそれぞれ表示されている。また画面の下側には、元の画面に戻すための戻りボタンBT27が表示される。
また、端末装置TUに図13(b)の画面が表示されている状態で、使用者が円グラフG6,G7の表示部分にタッチ操作すると、エネルギマネージメントユニット2との間で上述と同様の処理が行われて、端末装置TUの表示画面72aに今月と先月の主幹電力量を日単位で比較する画面が表示される(図14(c)参照)。この画面の中央には主幹電力量の推移を日単位で示すグラフG13が表示されており、グラフG13中の実線dは今月の電気使用量を、破線eは先月の電気使用量をそれぞれ示している。そして、使用者がカーソルボタンBT23,BT24を操作してカーソル線cを所望の日まで移動させた状態で決定ボタンBT25をタッチ操作すると、エネルギマネージメントユニット2との間で上述と同様の処理が行われて、端末装置TUの表示画面72aに指定された日(例えば18日)における今月と先月の電気使用量およびその内訳を比較する画面が表示される(図14(d)参照)。なお、本画面の左側には今月の18日における電気使用量を示す数字N3とその内訳を示す円グラフG14が表示され、画面の右側には先月の18日における電気使用量を示す数字N4とその内訳を示す円グラフG15が表示される。
また更に、端末装置TUに図13(c)の画面が表示されている状態で、使用者が円グラフG8,G9の表示部分にタッチ操作すると、エネルギマネージメントユニット2との間で上述と同様の処理が行われて、端末装置TUの表示画面72aに今年と昨年と一昨年の主幹電力量を比較する画面が表示される(図14(e)参照)。この画面の中央には主幹電力量の推移を月単位で示すグラフG16が表示されており、グラフG16中の実線dは今年の電気使用量を、破線eは昨年の電気使用量を、二点差線は一昨年の電気使用量をそれぞれ示している。そして、使用者がカーソルボタンBT23,BT24を操作してカーソル線cを所望の月まで移動させた状態で決定ボタンBT25をタッチ操作すると、エネルギマネージメントユニット2との間で上述と同様の処理が行われて、端末装置TUの表示画面72aに指定された月(例えば6日)における今年と昨年の電気使用量の内訳を比較する画面が表示される(図14(f)参照)。なお、本画面の左側には今年の6月における電気使用量の内訳を示す円グラフG17が表示され、画面の右側には昨年の6月における電気使用量の内訳を示す円グラフG18が表示される。
以上のように本システムでは端末装置TU側で所定の操作を行うことにより、操作時点を含む一定期間(例えば今日、今月又は今年)の電気使用量やその内訳と、過去の一定期間(例えば昨日、先月又は昨年)の電気使用量やその内訳とを比較する画面の画像データがエネルギマネージメントユニット2から統合装置TMを介して端末装置TUに送信され、端末装置TUの表示画面72aに表示されるから、この表示をもとに主幹電力量の変化や各分岐ブレーカBmn毎の電気使用量の変化を容易に把握することができる。
ところで、本システムでは端末装置TUに表示される所定の画面内にチャレンジボタン(図示せず)を表示させており、制御部73が、チャレンジボタンのタッチ操作に応じて、操作時点の前後の一定期間(例えば1日)における電気使用量を比較させる比較要求信号を、送受信部71からエネルギマネージメントユニット2へ送信させる。ここに、端末装置TUの表示画面72aに表示されるチャレンジボタンや送受信部71や制御部73などから比較要求出力手段が構成される。一方、エネルギマネージメントユニット2では制御部2cが、統合装置TMを介して端末装置TUからの比較要求信号を受信すると、比較要求信号の入力時点より一定期間(例えば1日)が経過した時点で、比較手段2dが、入力時点よりも前(過去)の1日間の電気使用量と、入力時点よりも後の1日間の電気使用量とを記憶手段2fから読み出して両者を比較する。そして、画像データ生成手段2eが、比較手段2dの比較結果を報知する画面の画像データを生成し、統合装置TMを介して比較要求信号の送信元の端末装置TUに送信するようになっており、送信元の端末装置TUでは、送受信部71がエネルギマネージメントユニット2から統合装置TMを介して返送された画像データを受信し、制御部73が画像表示部72に表示させるのである。
図15(a)(b)は比較手段2dの比較結果を表示する子画面の一例であり、画像表示部72の表示画面72a(例えば図9に示すコントロール画面や、図10に示すメニュー画面や、図11(a)に示す電力リアルモニタ用画面など)に比較結果を示す子画面G19,G20を重ねて表示(ポップアップ表示)している。例えば、チャレンジボタンの操作後の一定期間において操作前の一定期間に比べてテレビの消費電力(つまりテレビが接続されている分岐ブレーカBmnの分岐電力量)が増加した場合には、図15(a)のように子画面G19に比較結果を示すメッセージとして「テレビの主電源はこまめに消しましょう」といったメッセージM1を表示させており、テレビの消費電力の低減を使用者に促すことができる。また、チャレンジボタンの操作後の一定期間において操作前の一定期間に比べてエアコンの消費電力(エアコンが接続されている分岐ブレーカBmnの分岐電力量)が増加した場合には、図15(b)に示すように子画面G20に比較結果を示すメッセージとして「エアコンの設定温度を1度下げましょう(又は上げましょう)」といったメッセージM2を表示させており、エアコンの消費電力の低減を使用者に促すことができる。このように端末装置TUのチャレンジボタンを使用者が操作すると、操作時点から一定期間が経過した時点で、端末装置TUの表示画面72aに操作前後の一定期間における電気使用量を比較した結果が表示されるので、端末装置TUの画像表示部72に表示された画像データをもとに、操作時点前後の一定期間における電気使用量の変化を使用者が容易に把握できる。尚、上述したメッセージM1,M2の内容は対象の電気機器Xmnの使用用途や使用場所などに合わせて適宜設定すれば良く、ポップアップ表示する代わりに画面全体に表示させるようにしても良い。
したがって、使用者がチャレンジボタンを操作してから一定期間が経過するまでの間、省エネを意識して電気機器を使用した場合には、前後の一定期間で電気使用量がどのように変化したかを容易に読み取れるから、電気機器の使い方を変えることでどの程度の省エネ効果があったのかを実感することができ、省エネに対する使用者の意識を高めることができる。なお本実施形態では操作前後の1日における電気使用量を比較しているが、比較する期間(所定期間)を1日に限定する趣旨のものではなく、所定期間を1週間、1ヶ月、3ヶ月又は1年としても良い。また、比較結果を示す画面も上記のものに限定されるものではなく、比較結果を使用者が容易に把握できるように表示内容を適宜設定すれば良い。
また、端末装置TUの画像表示部72に図15(a)(b)の子画面G19(又はG20)が表示された状態、使用者がメッセージM1(又はM2)の内容を確認した後に操作手段としての確認ボタンBT28にタッチ操作すると、端末装置TUの制御部73では、確認ボタンBT28の操作に応じて生成された確認信号を、送信手段たる送受信部71から統合装置TMを介してエネルギマネージメントユニット2に送信させる。この時、エネルギマネージメントユニット2の制御部2cでは、端末装置TUから送信された確認信号を受けて、電気使用量の表示を行う電力リアルモニタ用画像データを生成し、生成した電力リアルモニタ用画像データを統合装置TMを介して確認信号の送信元の端末装置TUに送信しているので、端末装置TUの表示が電力リアルモニタ用画面に切り替えられるようになっている。この場合、使用者が端末装置TUの表示画面に表示された確認ボタンBT28を操作するまでは、上述の子画面G19(又はG20)がポップアップ表示されているので、子画面G19(又はG20)の表示を使用者が見損なうことはなく、また端末装置TUの確認ボタンBT28をタッチ操作することで、電気使用量の表示を行う電力リアルモニタ用画面に切り替えることができる。尚、エネルギマネージメントユニット2の制御部2cでは、上記子画面G19(又はG20)の画像データを端末装置TUに送信してから一定時間が経過すると、電力リアルモニタ用画像データを生成して、当該画像データを、子画面G19(又はG20)の画像データを送信した端末装置TUに送信するようにしても良い。この場合は、使用者が意図的に何らかの操作を行わなくても、端末装置TUの画像表示部72にチャレンジボタンの操作前後の一定期間における電気使用量を比較した結果を一定時間表示させた後に、電気使用量を表示するモニタ画面に戻すことができ、各種の電気使用量を継続してモニタすることができる。
また、エネルギマネージメントユニット2の制御部2cでは、チャレンジボタンの操作前後の一定期間における電気使用量の比較結果を表示する画面を送信していない場合に、記憶手段2fに予め登録されている複数種類のメッセージ(例えば省エネに関する情報や季節のメッセージや各種のイベント情報など)の中から任意のメッセージを選択して読み出し、読み出したメッセージを表示するためのメッセージ表示用画像データを生成して、当該メッセージ表示用画像データを端末装置TUに送信するようにしても良い。図15(c)はメッセージ表示用画像データの一例であり、メッセージM3および画面のタイトルTL1を含む子画面G21を画像表示部72にポップアップ表示させており、上記のメッセージM3を使用者に提示することで、省エネに役立つ情報や季節のメッセージ(暦の意味など)や種々のイベント情報などの情報を使用者に対して発信することができる。
尚、子画面G21が表示された状態で、使用者が確認ボタンBT29をタッチ操作すると、確認ボタンBT29の操作に応じて生成された確認信号が端末装置TUから統合装置TMを介してエネルギマネージメントユニット2へ送信され、制御部2cでは端末装置TUから送信された確認信号を受けて電力リアルモニタ用画像データを生成し、この電力リアルモニタ用画像データを統合装置TMを介して端末装置TUに送信しているので、子画面G21の表示を終了して元の画面(例えば電力リアルモニタ用画面)に戻すことができる。尚、本実施形態では子画面G21の画像データをエネルギマネージメントユニット2の制御部2cから送信する場合について説明したが、子画面G21の内容(例えば他の住戸との間で電気使用量を比較したランキングを表示する場合など)によってはセンタ装置SVから統合装置TMを介して端末装置TUに子画面G21の画像データを送信するようにしても良い。
また、上述の実施形態では端末装置TUがタッチパネルを有し、画面上に表示されたスイッチをタッチ操作することで、所望の操作を行っているが、操作手段をタッチスイッチに限定する趣旨のものではなく、端末装置TUの本体に設けた操作部を用いて所望の操作を行うようにしても良く、端末装置TUがテレビからなる場合はテレビリモコンを用いて所望の操作を行うようにしても良い。