JP4915659B2 - 電力監視システム - Google Patents

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Description

本発明は、電力監視システムに関するものである。
従来、各家庭等で消費される商用電源の電力量は、電力供給会社から送付される請求書で確認したり、電力供給会社が作成したウェブコンテンツで確認できる。
一方、家庭の分電盤内で主幹電力量を計測し、その計測結果をウェブ画面上でモニタリングできるシステムがあり、さらにこのシステムでは、他の家庭の消費電力量と比較することもできる(例えば、特許文献1参照)。
特許第3551302号公報
通常、宅内では、分電盤内の分岐ブレーカを介して主幹電路を複数の分岐電路に分岐させて、各分岐電路には様々な電気機器が接続されている。例えば、1つの部屋内に設置した複数の電気機器(複数の照明器具)に1つの分岐電路を割り当てたり、最近では、1台の電気機器(例えば空調機器(エアコン)、床暖房器具、IH機器等)に1つの分岐電路を割り当てている。
しかしながら、上記特許文献1のシステムでは、各家庭内の消費電力量を一括してモニタしているが、上記分岐電路毎の消費電力量までは把握しておらず、分岐電路毎の消費電力量に基づいて各分岐電路に接続される電気機器の電源オン・オフ状態を監視することはできなかった。例えば、就寝前には使用する必要がない電気機器の電源を切断するが、電源を消し忘れた電気機器の有無を容易に確認することはできなかった。また外出先から宅内の電気機器の電源を消したことを確認するのは容易ではなかった。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、分岐電路に接続されている電気機器の運転状態又は停止状態を容易に確認できる電力監視システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、主幹ブレーカと、主幹ブレーカの二次側から分岐して電気機器に電力を供給する分岐電路に各々設けられた複数の分岐ブレーカと、各分岐ブレーカを介して供給される電気使用量を分岐ブレーカ毎に計測する使用電力量計測部と、使用電力量計測部により計測された分岐ブレーカ毎の電気使用量に基づいて情報を生成する制御部と、制御部との間で情報を授受する端末装置とを備え、制御部は、各分岐ブレーカに接続している電気機器の停止状態で使用電力量計測部により計測された電気使用量の計測値を当該分岐ブレーカの停止時電気使用量に設定する停止時電気量設定手段と、分岐ブレーカ毎の電気使用量の計測値と停止時電気使用量との差に基づいて当該分岐ブレーカに接続されている電気機器の運転・停止状態を判定する運転・停止判定手段とを有し、端末装置は、運転・停止判定手段の判定結果を制御部から取得し、各分岐ブレーカに接続されている電気機器の運転・停止状態を、各分岐ブレーカに接続される電気機器に対応して予め設定されたアイコンを用いて表示画面に表示することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、端末装置に、不特定の電気機器が接続可能な分岐ブレーカに接続されている電気機器として、ユーザの登録操作に応じて各分岐ブレーカに接続される可能性のある電気機器を登録する機器登録手段を設け、運転・停止判定手段の判定結果を制御部から取得すると、機器登録手段により登録された電気機器の運転・停止状態を予め設定されたアイコンを用いて表示画面に表示することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、端末装置は、表示画面の画面上に選択ボタンとしてアイコンを表示するタッチパネルと、アイコンのタッチ操作が行われると操作されたアイコンに対応する電気機器の情報を要求する情報要求信号を制御部に出力する情報要求手段とを備え、情報要求信号に応じて制御部から電気機器の情報が返送されると、取得した電気機器の情報を表示する画面に切り換えることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1又は2の発明において、端末装置は、表示画面の画面上に選択ボタンとしてアイコンを表示するタッチパネルを備え、アイコンのタッチ操作が行われると、操作されたアイコンに対応する電気機器を制御する制御指令を入力するための制御指令入力画面を表示画面に表示させることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1又は2の発明において、端末装置は、表示画面の画面上に各電気機器に対応して複数の選択ボタンが表示されたタッチパネルを備え、選択ボタンのタッチ操作が行われると、操作された選択ボタンに対応する電気機器の運転・停止状態を反転させる制御指令を制御部に送信し、制御部は、端末装置からの制御信号を受信すると、対応する電気機器の運転・停止状態を反転させることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れか1つの発明において、端末装置は、各分岐ブレーカを複数のグループにグループ化するグループ設定手段を備え、各々のグループ毎に、各グループに属する分岐ブレーカに接続される電気機器の運転・停止状態をアイコンを用いて表示画面に表示することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、端末装置が、運転・停止判定手段の判定結果をもとに、各分岐ブレーカに接続されている電気機器の運転・停止状態を、各分岐ブレーカに対応して設定されたアイコンを用いて表示画面に表示しているので、各分岐ブレーカに接続されている電気機器が運転状態か停止状態かをアイコンの表示により視覚的に容易に把握できるという効果がある。
また、例えば空調機器など特定の電気機器が接続される分岐電路に設けた分岐ブレーカと異なり、部屋のコンセントに接続される分岐ブレーカの場合、どのような電気機器が接続されるか不明であるが、請求項2の発明によれば、機器登録手段により分岐ブレーカに接続される可能性がある電気機器を登録することができ、端末装置では、機器登録手段により登録された電気機器が分岐ブレーカに接続されているものとして、この電気機器が運転状態にあるか停止状態にあるかをアイコンで表示することができる。したがって、ユーザは、不特定の電気機器が接続される分岐ブレーカに接続されている電気機器の運転状態または停止状態をアイコンの表示により視覚的に容易に把握できるという効果がある。
請求項3の発明によれば、ユーザが端末装置の表示画面に表示されたアイコンをタッチ操作すると、このアイコンに対応した電気機器の情報が表示画面に表示されるので、運転・停止状態以外の情報を取得することができる。しかも、端末装置では、制御部から電気機器の情報が返送されると、取得した電気機器の情報を表示する画面に切り換えているので、運転・停止状態を表示する画面に電気機器の他の情報も表示する場合に比べて、表示画面を小さくできるという効果がある。
請求項4の発明によれば、電気機器の運転状態又は停止状態をアイコンで表示する画面から、ユーザが所望の電気機器に対応するアイコンをタッチ操作すると、このアイコンに対応する電気機器を制御する制御指令を入力する制御指令入力画面に表示画面が切り換えられるので、制御指令入力画面において制御指令を入力することで所望の電気機器を制御することが可能になる。
請求項5の発明によれば、ユーザが端末装置の表示画面に表示された選択ボタンをタッチ操作すると、この選択ボタンに対応した電気機器の運転・停止状態を反転させることができる。
請求項6の発明によれば、グループ設定手段によりグループ化された各々のグループ毎に、各グループに属する分岐ブレーカに対応したアイコンを表示画面に表示しているので、関連のある分岐ブレーカに対応したアイコンを1つのグループとして纏めて表示することで、電気機器の運転・停止状態の把握を容易に行うことができるという効果がある。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の電力監視システムは、図2に示すように、宅内に設置された統合管理盤1と、商用電源を供給する電路Lpおよび情報伝送路Lj(エンハンスト・カテゴリ5若しくはカテゴリ6のLANケーブル)を介して統合管理盤1に接続されて、統合管理盤1が電力供給、制御並びに監視を行う照明器具、空調機器(エアコン)、床暖房器具、IH機器等の宅内に設置された複数の電気機器Xmn(添え字のm,nは1以上の整数を示す(m,n=1,2,…)、以下同様)と、統合管理盤1にLANケーブルLiを介して接続される複数(図示例では、2つ)の端末装置(パーソナル・コンピュータPC並びに表示制御装置CV等のウェブプラウザ機能を有する端末装置)とを備え、統合管理盤1と端末装置とが汎用の通信プロトコル(TCP/IP、UDP、HTTPなど)を利用した宅内ネットワークを構成している。
この宅内ネットワークは、100BASE-TX(IEEE 802.3u)規格に準拠したローカルエリアネットワーク(LAN)であって、統合管理盤1内においてレイヤ2スイッチやレイヤ3スイッチに相当する後述の統合装置TMに、ネットワーク端末に相当する端末装置(パーソナルコンピュータPC並びに表示制御装置CV)などがスター配線で接続されている。また、統合装置TMは、インターネットに接続するための回線の種類(電話回線、CATV回線、光ファイバ回線など)に応じたインターネット接続機能を有しており、宅内ネットワークが外部ネットワークたるインターネットに接続される。なお、表示制御装置CVとしては、ウェブブラウザ機能を有するネットテレビ等であればよい。
そして、宅内ネットワークには住宅から離れた遠隔地に設置されたセンタ装置(センタサーバ)SVがインターネットを通じて接続されており、後述するようにインターネットに接続可能なノート型のパーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistance)等からなるウェブブラウザ機能を有する携帯型の端末装置(携帯端末PT)とセンタ装置SVとの間でインターネットを介したデータ通信を行うことにより、例えば、携帯端末PTを使って外出先から宅内電気機器の制御や監視を行うことができる。
センタ装置SVは、ネットワーク機能を有する汎用のコンピュータ装置で構成されており、携帯端末PTからインターネットを通じて送信される統合管理盤1宛てのメッセージや統合管理盤1から宅内ネットワークに属さない端末装置(図示せず)に宛てて送信されるメッセージを中継する機能を有している。但し、上述のようなインターネット接続機能を有する携帯端末PTやセンタ装置SVは従来周知であるから、詳細な構成についての図示並びに説明は省略する。
統合管理盤1は、図1に示すように、外部から住宅に供給される商用電源を一次側に受ける主幹ブレーカBsと、主幹ブレーカBsの二次側から分岐した電路に介挿される複数の分岐ブレーカBmn(m=1,2,…、n=1,2,…)と、エネルギマネージメントユニット2と、統合装置TMと、電気機器コントローラClとを備える。そして、分岐ブレーカBmnを介して分岐された各電路Lpmn(m=1,2,…、n=1,2,…)は統合管理盤1外に導出され、各電路Lpmnに接続される電気機器Xmn(m=1,2,…、n=1,2,…)に対して動作電源を供給している。
エネルギマネージメントユニット2は、主幹ブレーカBsに流れる主幹電流の値を定期的に計測する主幹電流検出部CTsと、主幹電流の計測値を電力量に変換することで主幹ブレーカBsを介して供給されている主幹電力量を演算する電力演算部2aと、各分岐ブレーカBmnを流れる分岐電流の値を分岐ブレーカ毎に定期的に検出する分岐電流検出部CTmn(m=1,2,…、n=1,2,…)と、電力演算部2aで演算した主幹電力量、および各分岐電流検出部CTmnで計測した分岐電流が入力され、各分岐電流に基づいて各分岐ブレーカBmnを介して供給されている分岐電力量を演算する演算部2bと、演算部2bから入力された主幹電力量および分岐電力量に基づいて、主幹電力量を表す画像データ、および各分岐電力量を表す画像データを生成する制御部2cとを備える。なお、上述の主幹電流検出部CTsと電力演算部2aとで主幹電力量を計測する使用電力量計測部を構成し、分岐電流検出部CTmnと演算部2bとで分岐電力量を計測する使用電力量計測部を構成している。
上記制御部2cは、電力量検知を行う分岐ブレーカBmnのデータ(分岐ブレーカの名称:分岐1、分岐2、...や、各分岐電路に接続される電気機器の名称など)を予め格納しており、各分岐電路に接続される電気機器のオン・オフ状態を表示するためのウェブコンテンツ(ウェブページ)や、主幹電力量および分岐電力量を表示するための画像データとしてウェブコンテンツ(ウェブページ)を作成し、端末装置からの要求に応じて所望のウェブコンテンツを端末装置に提供(配信)する機能(ウェブサーバ機能)を有しており、LANケーブルを介して統合管理盤1内の統合装置TM、電気機器コントローラCl等が接続されている。ここにおいて、制御部2cには分岐ブレーカBmnのデータとして、分岐ブレーカBmnに接続される電気機器の名称が格納されており、空調機器(エアコン)や床暖房設備などの単独回路のために個別に設けた分岐ブレーカの場合には対応する機器の名称が格納される。また、単独回路ではなく不特定の電気機器が接続される可能性のある分岐ブレーカの場合には、各分岐ブレーカに接続される可能性がある電気機器の名称(例えば照明器具、テレビ、給湯器等)が格納されており、ユーザが各分岐ブレーカに接続する可能性が高い電気機器(例えばホットカーペットやアイロンなど)の名称を設定しておくのが好ましい。
そして、宅内にはリビング、寝室、子供部屋等の複数の部屋Rn(n=1,2,…)が設けられており、図1および図2において宅内は3つの部屋Rl,R2,R3を備えたものとして、部屋Rl内に設けた電気機器をXln、部屋R2内に設けた電気機器をX2n、部屋R3内に設けた電気機器をX3nと称する(n=1,2,…)。そして、統合管理盤1内の分岐ブレーカBln(n=1,2,…)は、図3に示すように、電路Lpln(n=1,2,…)を介して部屋Rl内の各電気機器Xlnに1:1の対応で個別に電力供給し、分岐ブレーカB3n(n=1,2,…)は、電路Lp3n(n=1,2,…)を介して部屋R3内の各電気機器X3nに1:1の対応で個別に電力供給しているのに対して、分岐ブレーカB20は、電路Lp20を介して部屋R2内の複数の電気機器X2n(n=1,2,…)に1:nの対応で一括して電力を供給している。すなわち、分岐ブレーカBln B3nは、電気機器毎の電力供給を行い、分岐ブレーカB20は、部屋毎の電力供給を行っている。
また、図1,図2において分岐ブレーカBln,B3nの各分岐電流を検出する分岐電流検出部をCT1n,CT3n、分岐ブレーカB20の分岐電流を検出する分岐電流検出部をCT20と称す。
図4は、主幹ブレーカBs、分岐ブレーカBmn、分岐電流検出部CTmn周辺の詳細な構成を示し、主幹ブレーカBsおよび主幹電路11から分岐する分岐電路Lp(分岐路12a,12bからなる)に設けられる分岐ブレーカBmnを備える統合管理盤1内に、各分岐電流を検出する複数のセンサSmn(m=1,2,…、n=1,2,…)と、各センサSmnの検出出力に基づいて検出データを生成する複数のセンサユニットAmn(m=1,2,…、n=1,2,…)と、各センサユニットAmnより分岐電流の検出データを収集し、収集した検出データを検出情報として出力する計測制御ユニットKaと、計測制御ユニットKaにセンサユニットAmnを鎖状に接続する伝送路6とを備えるとともに、統合管理盤1の外部に露出して設けられて使用者に計測制御ユニットKaから出力される検出情報の表示を行う表示ユニットKbを備えている。なお、センサSmnとセンサユニットAmnと計測制御ユニットKaとで上述の分岐電流検出部CTmnを構成している。
そして、複数のセンサユニットAmnは、伝送路6によって鎖状(数珠繋ぎ)に接続され、計測制御ユニットKaは、始端のセンサユニットAllにトリガ信号を出力するように構成され、各センサユニットAmnは、トリガ信号を受信すると検出データを生成して計測制御ユニットKaへ送信し、この後に末端側(次段)のセンサユニットにトリガ信号を出力するように構成されている。尚、分岐ブレーカBln〜B2n〜B3nおよびセンサS1n〜S2n〜S3nには、この順番にそれぞれ通し番号(Nol、No2、No3、...)が付されている。
そして、主幹ブレーカBsの一次側には低圧配電線100が接続され、主幹ブレーカBsの二次側端子には主幹電路11が接続され、上記分岐電路Lpmnは、主幹電路11の電圧極11a,11bの一方に一端が接続された分岐路12aと、主幹電路11の中性極11cに一端が接続された分岐路12bとで構成される。
主幹ブレーカBsは、低圧配電線100の電圧極101,102に接続される電源側端子(図示せず)及び中性極103に接続される電源側端子(図示せず)と、電圧極101,102に接続される電源側端子に各別に対応して電圧極となる2つの負荷側端子(図示せず)と、中性極103に接続される電源側端子に対応して中性極となる負荷側端子(図示せず)と、電源側端子と負荷側端子とが通電している際にはオン側に位置する操作ハンドルHlを備えている。そして主幹ブレーカBsは、電源側端子と負荷側端子との間に過電流が生じた際にはこれら端子間を遮断するとともに、操作ハンドルHlをオフ側に位置させるように構成されている。
分岐ブレーカBmnは、分岐路12a,12bの他端側をそれぞれ接続可能な分岐路用端子部(図示せず)と、負荷側の電源線(図示せず)を電気的に接続するための電源線用端子部(図示せず)と、通常時はオン側に位置する操作ハンドルH2とを備えている。そして、分岐ブレーカBmnは、分岐路用端子部と電源線用端子部との間に過電流が生じた際にこれら端子部間を遮断するとともに、操作ハンドルH2をオフ側に位置させるように構成されている。尚、主幹ブレーカBsおよび分岐ブレーカBmnは、過電流だけではなく、短絡電流の発生に対しても回路を遮断するよう構成してもよい。
一方、主幹電路11及び分岐路12a,12bは、いずれも導電性を有する金属板から形成されており、その幅、厚み等は、主幹ブレーカの最大定格電流に合わせた最大電流容量を有するように設定されている。
次に、センサSmnと、センサユニットAmnと、計測制御ユニットKaと、表示ユニットKbと、伝送路6とについて説明する。ここで、センサSmnと、センサユニットAmnと、伝送路6とは、プリント基板7上に形成されて一体化されており、まずプリント基板7について説明する。
プリント基板7は、複数の絶縁板を積層してなる多層構造のもの(すなわち多層基板)であって、図5に示すように、プリント基板7を表裏に貫通する分岐路12b用の挿通孔7aを複数備えている。またプリント基板7には、プリント基板7を表裏に貫通するスルーホール7bが、各挿通孔7aの周辺部に挿通孔7aを囲繞するように複数形成されている。さらに、プリント基板7には、各挿通孔7aの周辺部に表面から中層(表面と裏面との間の層)まで貫通するスルーホール7cが複数形成されている。そして、このプリント基板7の表面には、センサSmnおよびセンサユニットAmnが実装されるとともに、伝送路6が形成されている。尚、センサユニットAmnは、ディスクリート半導体等の必要な電子部品を個々にプリント基板に実装することで構成してもよいし、必要な電子部品をIC化(集積化)したものであってもよい。またプリント基板7としては、上記のような多層基板に限らず、両面基板を用いてもよい。
センサSmnは、各分岐ブレーカBmnに対応する分岐路12bの電流値、つまりは分岐ブレーカBmnに流れる電流値を検出するための電流センサである。このようなセンサSmnは、いずれも同様の構成を有するものであるから、センサS11についてのみ詳細に説明する。
このセンサS11は、図5に示すように、上記のプリント基板7に形成されたコイル線路20からなるロゴスキコイルを有する電流センサであり、電流の微分形を検出出力として出力するものである。コイル線路20は、プリント基板7において挿通孔7aの周辺部のスルーホール7bを介してプリント基板7の表面に形成されたパターン21a(図5に実線で示す)及びプリント基板7の裏面に形成されたパターン21b(図5に点線で示す)を接続してなるコイル部21を有している。さらに、コイル部21の末端は、スルーホール7cを介して戻し線路22(図5に一点破線で示す)の一端側と接続されており、この戻し線路22は、他端側がコイル部21の末端側からコイル部21内を通ってコイル部21の始端側へ戻るようにプリント基板7の中層に形成されている。つまり、このセンサS11では、コイル部21の始端側と、戻し配線22の他端側とが、それぞれ入力端子として用いられる。
次にセンサユニットAmnは、センサSmnの検出出力に基づいて検出データを生成するものであって、センサSmnより取得した検出出力に基づいて電流値の実効値からなる検出データを生成し、動作開始用のトリガ信号を受信すると検出データを伝送用信号に変調して計測制御ユニットKaへ送信する。さらに、検出データの送信後には、次のセンサユニットAmnへトリガ信号を出力する。
計測制御ユニットKaは、センサユニットAmnが出力する伝送用信号を復調して検出データを取り出し、受信した検出データを順次演算部2bへ出力する機能と、センサユニットから検出データを収集するためのトリガ信号を始端のセンサユニットA11へ出力する機能と、検出データに応じた表示用データを生成して表示ユニットKbへ出力する機能とを備える。
表示ユニットKbは、例えば各分岐ブレーカBmnに対応した複数のLEDを具備し、計測制御ユニットKaから出力される表示用データに基づいて、分岐ブレーカBmnの番号と、その分岐ブレーカBmnに対応する電流値との表示をLEDの消灯、点滅、点灯、あるいは色の変化等で行うようにされており、LEDを統合管理盤1外に露出させた状態で統合管理盤1内に設けている。
伝送路6は、図4に示すように、計測制御ユニットKaにセンサユニットAmnを、トリガ用伝送線60とデータ用伝送線61とグラウンド線62との3線を用いて接続するものである。ここで、トリガ用伝送線60は、計測制御ユニットKaが出力するトリガ信号を始端のセンサユニットA11に1対1で接続する接続線60aと、センサユニットから順次送信されるトリガ信号を末端側(次段)のセンサユニットに1対1で接続する送り用接続線60b〜60pとからなり、計測制御ユニットKaに、センサユニットAmnを鎖状に接続するものである。またデータ用伝送線61は、計測制御ユニットKaに各センサユニットAmnが出力する検出データを接続するものであり、グラウンド線62は、計測制御ユニットKa及び各センサユニットAmn等においてトリガ用伝送線60及びデータ用伝送線61の電圧基準として用いられるものである。尚、グラウンド線62については図面の簡略化のためにセンサユニットAmnとの接続部分の図示は省略している。
このように、センサSmnとしてプリント基板7に形成したコイル線路20を用いれば、主幹ブレーカBsや、分岐ブレーカBmn、主幹電路11、分岐電路12a,12b等によって利用できるスペースが狭くなっている統合管理盤1の筐体内でも、センサSmnを効率的に配置できる。また、センサSmnが統合管理盤1の施工時に邪魔にならず、統合管理盤1の施工性を損なうこともない。さらに、このようなセンサSmnは、空芯のものであるから、鉄芯(磁気コア)がないため小型化および軽量化を図ることができ、しかも鉄芯による飽和がないという利点があり、これによりダイナミックレンジが広く、大電流を検出できる電流センサを得ることが可能になる。
また、図6はセンサSmnの別の構造を示しており、プリント基板7に形成されたトロイダルコイル31を備える。トロイダルコイル31は、巻き進み方向の巻き進みコイル32(以下、進みコイルと言う)と、巻き戻し方向の巻き戻しコイル33(以下、戻しコイルと言う)とを有し、それらが同じプリント基板7上に二重形成され、直列に連続接続されている。進みコイル32および戻しコイル33は、それぞれ、プリント基板7の表裏両面においてプリント基板7を表裏に貫通する分岐路12b用の挿通孔7aから放射状に形成された放射状ライン34と、この複数の放射状ライン34間を接続する外周上に等間隔で表裏面に設けられた接続部35と、表裏の放射状ライン34と接続部35とを電気的に連続接続するスルーホール36とにより形成される。これらの放射状ライン34および接続部35は、図6において、プリント基板7の表面側に形成されたものを太い実線で、裏面側に形成されたものを白抜きの実線(二重線)でそれぞれ示している。
接続部35は、表裏両面において、隣接する放射状ラインを避けるように引き回し形成される。また接続部35は、進みコイル32、戻しコイル33において、接続部35の表面側コイルと裏面側コイルをスルーホール36aによる繋ぎ部で接続するとともに、この繋ぎ部は、繋ぎ部を挟んで両コイルの表面側と裏面側とが略等分の長さになるように配設されている。
スルーホール36は、挿通孔7aの中心7dを略中心とする挿通孔7aに遠い側および近い側の円周上にスルーホール36a,36bを等間隔に同数配設されるとともに、戻しコイル33における表裏の放射状ライン34及び接続部35(35b)の各端部である境界部分には、表裏の放射状ライン34および接続部35(35b)間を接続するスルーホール36c,36dが設けられている。このスルーホール36c,36dは、スルーホール36a,36bを結ぶ直線に対して対称に配設されている。また、最外周上に存在するスルーホール36a(半径r1の円周上とする)と接続部35を接続する円周上のスルーホール36c,36d(半径r2の円周上とする)は、外部磁界に対して影響を抑えるため、半径r1,R2の差はできるだけ小さいことが望ましく、この半径r1とR2の差は、プリント基板の製造上の制約(ライン幅、スルーランド径)から、具体的には1mm以下としている。
放射状ライン34は、挿通孔7aの中心7dを略中心として放射状に一定ピッチでプリント基板7上に配列されている。放射状ライン34および接続部35を構成する導体部は、プリント基板7に銅箔で形成され、この銅箔は、例えばガラス入りエポキシ樹脂からなる両面プリント基板をエッチング加工することにより形成することができる。
接続部35は、放射状ライン34の外周側の端部(ここでは放射状ライン34および接続部35の境界部分となり、例えば戻しコイル33ではスルーホール36cまたは36dを指し、進みコイル32においては戻しコイル33のスルーホール36cまたは36dに対応する進みコイル32の放射状ライン34上のラインとなる)から円周方向に延長形成され、複数の放射状ライン34間を電気的に接続する。そして、スルーホール36(36a〜36d)を介して、プリント基板7の表裏両面に形成された複数の放射状ライン34の端部および接続部35と、反対側の面にある放射状ライン34の端部および接続部35とが電気的に直列に接続されることにより、プリント基板7を導体部で巻回するコイルが形成される。
進みコイル32は、表側および裏側における放射状ライン34および進みコイル32の接続部35aを、接続部35aの中間位置に設けられたスルーホール36aを繋ぎ部として、スルーホール36aで電気的に接続することにより一巻きのコイルを形成する。同様に、戻しコイル33は、表側および裏側における放射状ライン34および戻しコイル33の接続部35bを互いにスルーホール36(36a,36c,36d)で電気的に接続することにより一巻きのコイルを形成する。そして、この進みコイル32および戻しコイル33の一巻きのコイルのピッチは、等しく形成されている。また接続部35は、隣接する放射状ライン34を避けるように引き回して形成され、両コイル32,33の接続部35と放射状ライン34によるコイルパターンは、プリント基板7の表裏で同一形状として形成されている。以上の構成により、トロイダルコイル31のコイルを形成する導体部(導体膜)は、挿通孔7aの中心7dの中心軸に関してほぼ対称に、かつ均一に形成されている。また、このセンサSmnを用いた電流測定では、測定対象の電流が流れる被測定導体が挿通孔7aに通され、この電流による磁界の磁束が両コイル32,33の断面領域を通ることにより発生する誘導電流を検出することになる。
図7は、統合管理盤1内における主幹ブレーカBs、分岐ブレーカBmn、分岐電流検出部CTmn等の配置を示す一部分解斜視図であり、主幹ブレーカBsの横に電流センサブロックSBが配置され、電流センサブロックSBは、上記センサSmn、センサユニットAmn、伝送路6を形成したプリント基板7を、長尺状のブロック本体SB1の短手方向の両側に対向して取り付けて構成される。そして、複数の分岐ブレーカBmnが、電流センサブロックSBの両側に長手方向に沿って並設されており、各分岐ブレーカBmnは、その分岐路用端子部が各センサSmnに対向するように配置されて、分岐ブレーカBmnとセンサSmnとの間の配線作業が容易に行えるようにしている。また、電流センサブロックSBの上方には、スペーサ40を介して設けた矩形枠上のブラケット41に表示ユニットKbを取り付けており、表示ユニットKbの各LEDが統合管理盤1外に露出して、各分岐電流の概略値を表示している。
次に図1における統合装置TMは、LANケーブルを介して、盤内の制御部2cや電気機器コントローラC1、盤外のパソコンPC、表示制御装置CVが接続されるとともに、インターネットを通じてセンタ装置SVや、携帯電話機などの携帯端末PT、または他の端末装置に接続しており、パケット処理機能、経路切換機能、ネットワークセキュリティ機能、UPnP(ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ)のコントロールポイントの機能等を有して、ネットワークにおけるデータ授受をコントロールしている。
また上述の端末装置TUは、図11のブロック図に示すように統合装置TMとの間でデータの授受を行う送受信部71と、タッチスイッチ付きの液晶ディスプレイのようなタッチパネルからなる画像表示部72と、送受信部71および画像表示部72などの全体の制御を行う制御部73とを備えている。
また、図1における電気機器コントローラC1は、統合装置TMと日本電機工業会(JEMA)の統一規格に適合した電気機器Xmnとのインタフェース機能を有し、統合装置TMを介して端末装置TUから制御要求のメッセージを受け取ったときに情報伝送路Ljを介して各電気機器Xmnを個別に制御して運転(照明器具の場合は点灯)と停止(照明器具の場合は消灯)を切り換え、統合装置TMを介して端末装置TUから監視要求のメッセージを受け取ったときに情報伝送路Ljを介して各電気機器Xmnの動作状態(運転[点灯]又は停止[消灯])を個別に取得するとともに、制御要求や監視要求に対する応答(各電気機器Xmnの動作状態)のメッセージを要求メッセージの送信元である端末装置TUに向けて統合装置TMを介して送信させる機能(制御監視機能)を有する。また電気機器コントローラC1は、自己の配下にある電気機器Xmnの機器名称情報、部屋Rnの名称情報等を予め格納しており、電気機器Xmnの名称並びに動作状態を文字や記号で表示するためのウェブコンテンツ(ウェブページ)を作成し、端末装置TUからの要求に応じて当該ウェブコンテンツを端末装置TUに提供(配信)する機能(ウェブサーバ機能)も有している。
上記のように構成された電力監視システムでは、宅内のパソコンPCや表示制御装置CV、またはインターネットに接続された携帯端末PT等の端末装置TUにおいて、制御部73が、送受信部71からエネルギマネージメントユニット2へ電力リアルモニタ要求のメッセージを送信させ、エネルギマネージメントユニット2の制御部2cが統合装置TMを介して電力リアルモニタ要求を受信すると、制御部2cが演算部2bから入力された主幹電力量および分岐ブレーカBmn毎の分岐電力量をもとに、主幹電力量および分岐ブレーカBmn毎の分岐電力量の現在値を表示するための電力リアルモニタ用画像データを生成し、生成した電力リアルモニタ用画像データを統合装置TMを介して、電力リアルモニタ要求を送信してきた端末装置TUに向けて送信する。
電力リアルモニタ用画像データを受信した端末装置TUでは、制御部73が、画像表示部72の表示を制御して、電力リアルモニタ用画像データを画像表示部72の表示画面に表示させるので、主幹電力量および分岐ブレーカBmn毎の分岐電力量の現在値をモニタできる。
また本実施形態では、パソコンPC、表示制御装置CV、携帯端末PT等の端末装置TUを用いて、個々の分岐ブレーカBmn毎に各分岐ブレーカBmnに接続されている電気機器Xmnの情報(電気機器Xmnの種類や設置場所など)を登録することができ、以下、この情報登録機能について説明する。
まず、端末装置TUにおいて画像表示部72に図9(b)に示すリモコン画面を表示させた状態で、設定画面を表示させるための選択ボタンB17がタッチ操作されると、制御部73が、画像表示部72から入力された操作信号に基づいて、画像表示部72の画面を設定画面(図示せず)に切り替え、例えば設定画面に表示させた設定ボタンをタッチ操作することによって、ユーザが分岐ブレーカBmnの名称を指定した後に、この分岐ブレーカBmnに接続される電気機器の種類(名称)およびその設置場所を入力する。
上記の設定画面で所望の電気機器の情報を入力すると、機器登録手段としての制御部73が、画像表示部72から取得した情報(電気機器の名称や設置場所の情報)を図示しないメモリに登録するとともに、送受信部71からエネルギマネージメントユニット2に送信させ、統合装置TMを介して上記の情報を受信した制御部2cは、受信した情報を図示しないメモリに各分岐ブレーカBmnに対応させて格納する。
その後、制御部2cが、分岐ブレーカBmnに接続された電気機器の運転・停止状態を表示する表示画面を作成する際には、各分岐ブレーカBmnに対応する電気機器の種類および設置場所をメモリから読み出して画像データを生成しており、端末装置TUで表示される表示画面は、図10(a)(b)に示すように、分岐ブレーカBmnに接続される電気機器の種類および設置場所を示す文字N1〜N6と、各電気機器の運転・停止状態をアイコン(絵文字や記号など)で表示するピクトサインP1〜P6と、タッチ操作によって各電気機器の運転・停止状態を反転(運転→停止、又は、停止→運転)させる選択ボタンB21〜B26とを上下に並べた画面となる。ここにおいて、単独回路ではなく不特定の電気機器が接続される可能性のある分岐ブレーカBmnの場合には、上述の登録処理により各分岐ブレーカBmnに接続される可能性がある電気機器の情報(名称など)を登録しておけば、上記の登録処理により登録された電気機器が分岐ブレーカBmnに接続されているものとして、この電気機器が運転状態にあるか停止状態にあるかをアイコン(ピクトサインP1〜P6)で表示することができ、ユーザは、不特定の電気機器が接続される分岐ブレーカBmnに接続されている電気機器の運転状態または停止状態をアイコンの表示により視覚的に容易に把握できる。
図8(a)(b)は端末装置TUの画像表示部72の表示画面72aに表示される初期メニュー画面を示している。端末装置TUの画像表示部72はタッチパネルからなり、画面の上側には画面の名称(例えば「メニュー(1/2)」「メニュー(2/2)」)を表示するタイトルバーTB1,TB2が、画面中央には所望のメニューを選択するためのメニュー選択ボタン(図8(a)の画面では選択ボタンB1〜B4、図8(b)の画面では選択ボタンB5、B6)が、画面の下側には前ページや次ページに遷移する前ページボタンB7および次ページボタンB8がそれぞれ表示されている。なお各々のメニュー選択ボタンB1〜B6には対応するメニューの内容を示す文字(「リモコン」「ワイヤレスリモコン」「エコモニタ」など)が表示されており、メニュー選択ボタンB1をタッチ操作すると、制御部73が、タッチ操作入力に応じて画像表示部72の表示画面を、各分岐ブレーカBmnに接続された電気機器の運転・停止状態を表示したり、リモコン制御するためのリモコン画面(図9および図10参照)に移行させる。また図8(a)の画面で次ページボタンB8をタッチ操作すると、制御部73が画像表示部72の表示画面を同図(b)のメニュー画面に切り替え、さらに同図(b)の画面で前ページボタンB7をタッチ操作すると、制御部73が画像表示部72の表示画面を同図(a)のメニュー画面に切り替えるようになっている。
また、図9(a)(b)は端末装置TUの画像表示部72の表示画面72aに表示されるリモコン画面の一例を示し、図9(a)の画面では画面の名称(例えば「リモコン画面」)を示すタイトルバーTB3の下側に、操作対象の電気機器の種類(例えば「照明」、「エアコン」、「床暖房」、「給湯器」)を選択するための選択ボタンB11〜B14が表示され、さらにその下側に前ページや次ページに遷移する前ページボタンB18および次ページボタンB19と、メニュー画面に戻るための戻りボタンB20が表示されている。また図9(a)のリモコン画面において次ページボタンB19をタッチ操作すると、制御部73が画像表示部72の表示画面72aを図9(b)のリモコン画面に切り替えるようになっており、図9(b)のリモコン画面では、タイトルバーTB3の下側に、操作対象の電気機器の種類(「電気錠」又は「その他機器」)を選択するための選択ボタンB15、B16や設定画面を表示させるための選択ボタンB17が表示されている。
そして、図9(a)(b)のリモコン画面においてユーザが所望の電気機器に対応する選択ボタンB11〜B16をタッチ操作すると、制御部73が、画像表示部72から取得したタッチ操作信号に基づいて、タッチ操作された選択ボタンB11〜B16に対応する電気機器の運転・停止状態を表示したり、運転・停止状態を制御するための画面(図10(a)(b)参照)に画像表示部72の表示画面72aを移行させる。なお、以下では照明器具に対応する選択ボタンB11が押された場合について説明を行う。
図10(a)(b)は各分岐ブレーカに接続された電気機器の運転・停止状態を表示したり、運転・停止状態を制御するための画面を示しており、図10(a)の画面では画面の名称(例えば「照明」)を示すタイトルバーTB4の下側に、個別の分岐ブレーカに接続された3つの照明器具の名称(例えば「リビング照明」「子供部屋照明」「ダイニング照明」)を示す文字N1〜N3と、その運転・停止状態を示すピクトサインP1〜P3(アイコン)と、その運転・停止状態を反転させるための選択ボタンB21〜B23とが、各々の照明器具毎に上下に並べて配置されている。また画面の下側には、前ページや次ページに遷移する前ページボタンB27および次ページボタンB28と、一つ上の階層の画面(図9(a)の画面)に戻るための戻りボタンB29が表示されている。また図10(a)の画面において次ページボタンB27をタッチ操作すると、制御部73が画像表示部72の表示画面72aを図10(b)の画面に切り替えるようになっており、図10(b)の画面では、タイトルバーTB4の下側に、個別の分岐ブレーカに接続された3つの照明器具の名称(例えば「寝室照明」「台所照明」「玄関・廊下照明」)を示す文字N4〜N6と、その運転・停止状態をアイコンで示すピクトサインP4〜P6と、その運転・停止状態を反転させるための選択ボタンB24〜B26とが、各々の照明器具毎に上下に並べて配置されている。
上述のように図10(a)(b)の画面では、各分岐ブレーカBmn毎に分岐ブレーカBmnに接続された電気機器Xmn(本画面では例えば照明器具)の運転・停止状態をモニタできるようになっており、以下に運転・停止状態の表示機能について説明する。
電気機器Xmnには、照明器具等のように停止時には電力消費がゼロになるものだけでなく、テレビやエアコン等のように停止時でも待機電力が発生するものや、冷蔵庫などのように停止することなく常に動作しているものがある。したがって、電気機器Xmnが停止状態であっても、この電気機器Xmnが接続された分岐ブレーカBmnに分岐電流が流れる場合があるので、分岐ブレーカBmn毎に当該分岐ブレーカに接続された電気機器の電源スイッチをオフにした停止状態での分岐電流(以後、停止時分岐電流と称す)を設定する。また、分岐ブレーカBmnが部屋Rn内のコンセントに接続されている場合、コンセントには様々な電気機器が接続される可能性があるので、この分岐電路の停止時分岐電流は、電気機器の停止状態で消費される待機電流と、通常は停止することのない冷蔵庫のような電気機器の動作電流との合計値になる。
そこで、端末装置TUにおいて、図示しない設定画面を操作することで、設定対象の分岐ブレーカBmnの停止時分岐電流設定画像を表示させ、対象の分岐ブレーカBmnに接続されている電気機器の電源スイッチをオフにした状態で(但し冷蔵庫等のように常に運転状態であるものは除く)、画面中に表示された設定ボタンをタッチ操作すると、端末装置TUの制御部73が、送受信部71からエネルギマネージメントユニット2へ、設定対象である分岐ブレーカBmnの停止時分岐電流を設定するための設定要求メッセージを送信させる。この時、エネルギマネージメントユニット2の制御部2cが統合装置TMを介して停止時分岐電流の設定要求メッセージを受信すると、停止時電気量設定部2dが、設定対象の分岐ブレーカBmnの分岐電流の検出値を演算部2bを介して取得し、その分岐電流検出値を当該分岐ブレーカBmnの停止時分岐電流(停止時電気使用量)として設定する。この処理を全ての分岐ブレーカBmnに対して行い、分岐ブレーカBmn毎に停止時分岐電流を設定する。
また停止時電気量設定部2dに停止時分岐電流が一旦設定されると、以後は以下に述べる処理を実行することで停止時分岐電流を更新するようになっている。停止時電気量設定部2dでは、設定対象の分岐ブレーカBmnの分岐電流検出値と、現在の停止時分岐電流との高低を逐次比較し、分岐電流検出値が停止時分岐電流よりも小さければ、この時の分岐電流検出値を停止時分岐電流として設定し、分岐電流検出値が停止時分岐電流以上であれば、現在の停止時分岐電流のままとするので、停止時分岐電流を随時、適切な値に設定することができる。
そして、制御部2cの運転・停止判定部2eでは、個々の分岐ブレーカBmn毎に分岐電流の検出値を演算部2bを介して取得し、各分岐ブレーカBmnの分岐電流検出値と、当該分岐ブレーカBmnの停止時分岐電流とを比較し、分岐電流検出値から停止時分岐電流値を引いた差が一定値以上である場合に、当該分岐ブレーカBmnに接続されている1乃至複数の電気機器Xmnが運転状態にあると判定し、分岐電流検出値から定常分岐電流値を引いた差が一定値より小さい場合に、当該分岐ブレーカに接続されている電気機器Xmnが停止状態にあると判定する。
ここで、端末装置TUの制御部73が、送受信部71からエネルギマネージメントユニット2へ、各分岐ブレーカBmnに接続されている電気機器の運転・停止状態のモニタ要求メッセージを送信すると、このモニタ要求メッセージをエネルギマネージメントユニット2の制御部2cが統合装置TMを介して受信し、各分岐ブレーカBmnに接続されている電気機器の情報と、運転・停止判定部2eの判定結果をもとに、個々の分岐ブレーカBmn毎に電気機器の名称や設置場所などを表示する文字N1…と、各電気機器の運転/停止状態を示すピクトサインP1…とを少なくとも表示する表示画面の画像データを作成し、統合装置TMを介してモニタ要求を送信してきた端末装置TUに向けて送信する。そして、モニタ要求を送信した端末装置TUでは送受信部が画像データを受信し、制御部73が、受信した画像データを画像表示部72に表示させており、表示画面72aに表示された画像(図10(a)(b)参照)をもとに電気機器の運転・停止状態をモニタすることができるのである。
このように本実施形態では、端末装置TUにおいて各分岐ブレーカBmnに接続される電気機器の運転/停止状態をピクトサインP1〜P6で表示しているので、各分岐ブレーカBmnに接続されている電気機器が運転中か停止中かを視覚的に容易に把握することができる。また、モニタ画面において、各電気機器に対応して表示された選択ボタンB21〜B26のタッチ操作を行うと、端末装置TUの制御部73が、操作された選択ボタンに対応する電気機器の運転・停止状態を反転させる制御指令を送受信部71から統合装置TMを介して制御部2cに送信させる。このとき制御部2cは、端末装置TUからの制御信号を受信し、受信した制御信号に基づいて電気機器コントローラC1により対応する電気機器Xmnの運転・停止状態を反転(運転→停止、又は、停止→運転)させており、端末装置TUに表示された選択ボタンB21〜B26のタッチ操作を行うだけで所望の電気機器Xmnの運転/停止を容易に切り替えることができる。
また本実施形態では、端末装置TUにおいて各分岐ブレーカBmnに接続された電気機器Xmnの運転・停止状態を表示する際に、グループ設定手段たる制御部73が、各分岐ブレーカBmnの登録情報をもとに、各分岐ブレーカBmnに接続される電気機器Xmnをその種類(例えば照明器具やリモコンなど)に応じて複数のグループにグループ化しており、各グループに属する分岐ブレーカBmnに接続されている電気機器Xmnの運転・停止状態をアイコンを用いて表示画面に表示させているので、複数の電気機器Xmnの動作状態をグループ毎に容易に把握することができる。なお上記の例では各分岐ブレーカBmnを電気機器Xmnの種類に応じてグループ分けしているが、制御部73は、各分岐ブレーカBmnを、分岐ブレーカBmnに接続される電気機器Xmnが設置されている建物の階毎にグループ化したり、電気機器Xmnが設置されている部屋毎にグループ化しても良い。
なお本実施形態では、端末装置TUにおいて電気機器Xmnの運転・停止状態をモニタするモニタ画面に、当該電気機器Xmnの運転・停止状態を反転させる選択ボタンB21〜B26を表示させ、選択ボタンB21〜B26のタッチ操作に応じて対応する電気機器Xmnの運転/停止を切り替えるようになっているが、上記モニタ画面には電気機器Xmnの運転・停止状態を示すアイコンのみを表示させ、このアイコンがタッチ操作されると、制御部73が画像表示部72の表示画面72aを、選択されたアイコンに対応する電気機器を制御する制御指令を入力するための制御指令入力画面(図示せず)に切り替えるようにしても良く、制御指令入力画面において制御指令を入力することで所望の電気機器を制御することが可能になる。ここで、制御指令入力画面には対応する電気機器Xmnの動作を制御するための操作ボタンが表示されており、所望の操作に対応する操作ボタンをタッチ操作すると、制御部73が、操作された操作ボタンに対応する制御指令を送受信部71から制御部2cに送信させ、制御部2cがコントローラC1を介して対応する電気機器Xmnの動作を制御するようになっている。
また、各分岐ブレーカBmnに接続されている電気機器Xmnの運転・停止状態を表示する表示画面(図10(a)(b)参照)において、電気機器Xmnの運転・停止状態を表示するアイコン(ピクトサインP1…)にタッチ操作すると、画像表示部72から入力されるタッチ操作信号に基づいて情報要求手段たる制御部73が、操作されたアイコンに対応する電気機器Xmnの情報(例えば電気使用量など)を要求する情報要求信号を送受信部71からエネルギマネージメントユニット2へ送信させる。エネルギマネージメントユニット2の制御部2cは端末装置TUからの情報要求信号を受信すると、対応する分岐ブレーカBmnの電気使用量の情報を演算部2bから取得し、取得した情報を要求信号を送信してきた端末装置TUに返送するようになっており、端末装置TUの送受信部71がエネルギマネージメントユニット2から返送されてきた情報を受信すると、制御部73が画像表示部72の表示画面を電気機器Xmnの情報を表示する画面に切り替え、電気機器Xmnの情報を表示させることで、ユーザに所望の電気機器Xmnに関する情報を提示することができる。
本実施形態の電力監視システムの各構成を示すブロック図である。 同上の構成を示すシステム図である。 同上の宅内における電気機器の配線図である。 同上の統合管理盤内における一部回路を示す構成図である。 同上のセンサを示す平面図である。 同上の別のセンサを示す平面図である。 同上の統合管理盤内を示す一部分解斜視図である。 (a)(b)は同上の端末装置の表示画面の例図である。 (a)(b)は同上の端末装置の表示画面の例図である。 (a)(b)は同上の端末装置の表示画面の例図である。 同上の端末装置のブロック図である。
符号の説明
2 エネルギマネージメントユニット
2b 演算部(使用電力量計測部)
2c 制御部
2d 停止時電気量設定部
2e 運転・停止判定部
TU 端末装置
CTmn 分岐電流検出部(使用電力量計測部)
CV 表示制御装置
PC パソコン
PT 携帯端末
Bs 主幹ブレーカ
Bmn 分岐ブレーカ
Lpmn 電路(分岐電路)
Xmn 電気機器

Claims (6)

  1. 主幹ブレーカと、主幹ブレーカの二次側から分岐して電気機器に電力を供給する分岐電路に各々設けられた複数の分岐ブレーカと、各分岐ブレーカを介して供給される電気使用量を分岐ブレーカ毎に計測する使用電力量計測部と、使用電力量計測部により計測された分岐ブレーカ毎の電気使用量に基づいて情報を生成する制御部と、制御部との間で情報を授受する端末装置とを備え、
    制御部は、各分岐ブレーカに接続している電気機器の停止状態で使用電力量計測部により計測された電気使用量の計測値を当該分岐ブレーカの停止時電気使用量に設定する停止時電気量設定手段と、分岐ブレーカ毎の電気使用量の計測値と停止時電気使用量との差に基づいて当該分岐ブレーカに接続されている電気機器の運転・停止状態を判定する運転・停止判定手段とを有し、
    端末装置は、運転・停止判定手段の判定結果を制御部から取得し、各分岐ブレーカに接続されている電気機器の運転・停止状態を、各分岐ブレーカに接続される電気機器に対応して予め設定されたアイコンを用いて表示画面に表示することを特徴とする電力監視システム。
  2. 前記端末装置に、不特定の電気機器が接続可能な分岐ブレーカに接続されている電気機器として、ユーザの登録操作に応じて各分岐ブレーカに接続される可能性のある電気機器を登録する機器登録手段を設け、運転・停止判定手段の判定結果を制御部から取得すると、機器登録手段により登録された電気機器の運転・停止状態を予め設定されたアイコンを用いて表示画面に表示することを特徴とする請求項1記載の電力監視システム。
  3. 前記端末装置は、表示画面の画面上に選択ボタンとして前記アイコンを表示するタッチパネルと、アイコンのタッチ操作が行われると操作されたアイコンに対応する電気機器の情報を要求する情報要求信号を制御部に出力する情報要求手段とを備え、情報要求信号に応じて制御部から電気機器の情報が返送されると、取得した電気機器の情報を表示する画面に切り換えることを特徴とする請求項1又は2記載の電力監視システム。
  4. 前記端末装置は、表示画面の画面上に選択ボタンとして前記アイコンを表示するタッチパネルを備え、アイコンのタッチ操作が行われると、操作されたアイコンに対応する電気機器を制御する制御指令を入力するための制御指令入力画面を表示画面に表示させることを特徴とする請求項1又は2記載の電力監視システム。
  5. 前記端末装置は、表示画面の画面上に各電気機器に対応して複数の選択ボタンが表示されたタッチパネルを備え、選択ボタンのタッチ操作が行われると、操作された選択ボタンに対応する電気機器の運転・停止状態を反転させる制御指令を制御部に送信し、前記制御部は、端末装置からの制御信号を受信すると、対応する電気機器の運転・停止状態を反転させることを特徴とする請求項1又は2記載の電力監視システム。
  6. 前記端末装置は、各分岐ブレーカを複数のグループにグループ化するグループ設定手段を備え、各々のグループ毎に、各グループに属する分岐ブレーカに接続される電気機器の運転・停止状態をアイコンを用いて表示画面に表示することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の電力監視システム。
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