以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施の形態に係る電力システムについて説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
本実施の形態に従う電力システムは、少なくとも1つの電気機器における電力消費量を管理する。測定器を用いて電力消費量を測定するものであれば、どのような構成にも適用可能である。より具体的には、電力消費量は、瞬時電力消費量(W)あるいは単位時間当たりに消費された合計の電力量(Wh)あるいはその両方を含む概念である。
本明細書において、電気機器は、外部から供給される電力によって動作する機器、および、何らかのエネルギーによって発電する機器のいずれをも含む概念である。家屋は、住宅やオフィスなどを含む。
<システム構成>
図1は、本発明の実施の形態に従う電力システム1の全体構成を示す模式図である。
図1を参照して、本実施の形態に従う電力システム1は、住宅やオフィスなどの家屋内に設置される。より具体的には、電力システム1は、電力を消費する電気機器として、複数の家電機器を含む。
図1には、これらに限られるものではないが、家電機器として、家屋内に設置されるエアコン(空気調和機)200A、テレビジョン200B、電子レンジ200C、冷蔵庫200D、および照明器具200E(これらを「電気機器200」とも総称する。)などが図示されている。
電力システム1は、電気機器200に関連付けられた測定器400A〜400Eなどを監視・制御するためのホームコントローラ100を含む。ホームコントローラ100は、中継器150と接続される。中継器150は、有線または無線のネットワーク401を介して、電気機器200に関連付けられた測定器400A〜400Eとの間でデータ通信を実行する。そして、中継器150は、測定器400A〜400Eから取得した測定情報をホームコントローラ100に送信する。また、中継器150は、ホームコントローラ100からの指示を受けて測定器400A〜400Eに対して当該指示を転送する。また、ホームコントローラ100には、情報を表示することが可能な表示部102が接続されており、当該表示部102において測定器400A〜400Eで取得した測定情報に基づいて各種、演算処理した結果を出力することが可能である。
ネットワーク401としては、任意のものを利用することができるが、有線のネットワークであれば、例えば、イーサネット(登録商標)、PLC(Power Line Communications)などを用いることができる。また、無線のネットワークであれば、例えば、IEEE802.11規格に準拠する無線LAN(Local Area Network)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信方式などを用いることができる。さらに、複数の通信方式を組み合わせてもよい。
測定器400は、いずれかの電気機器200に関連付けられ、当該関連付けられた電気機器200における電力消費量を測定するとともに、その測定情報をホームコントローラ100へ送信する。典型的には、測定器400としては、電力線402と電気機器200のプラグとの間に配置されて電力消費量を測定する電力消費測定装置が用いられる。
図1に示す例では、電力系統と接続された電力線402に5つの測定器400A〜400Eが電気的に接続されている。測定器400Aには、エアコン200Aのプラグ250Aが接続されており、測定器400Bには、テレビジョン200Bのプラグ250Bが接続されており、測定器400Cには、電子レンジ200Cのプラグ250Cが接続されており、測定器400Dには、冷蔵庫200Dのプラグ250Dが接続されており、測定器400Eには、照明器具200Eのプラグ250Eが接続されている。そのため、測定器400A〜400Eは、それぞれ、エアコン200A、テレビジョン200B、電子レンジ200C、冷蔵庫200D、照明器具200Eにおける電力消費量を測定する。
ホームコントローラ100は、各電気機器200に関連付けられた測定器400からそれぞれ送信される電力消費量をハードディスク109(図2参照)に格納する。
ホームコントローラ100に接続された表示部102は、電力システム1における電力消費の状態などをユーザに提示したり、ユーザから電力システム1における電力管理に関する指示を受け付けたりするような、ユーザインターフェイスを提供する。
また、ホームコントローラ100は、ハードディスク109に格納される電力消費量に基づいて、電力消費に関するグラフ等を表示部102に表示することも可能である。表示部102は、ポータブル型であってもよいし、テーブル上に配置されたベースに対して着脱自在であってもよいし、部屋の壁などに固定されるものであってもよい。
本例においては、表示部102は、ホームコントローラ100と別に設けられた構成について説明するが、両者を一体として構成することも可能である。また、ホームコントローラ100が、中継器150を介して各測定器とデータ通信してデータを取得する構成について説明するが、中継器150の機能を含めた一体の構成とすることも可能である。
次に、図1に示す電力システム1を構成する主要な装置のハードウェア構成について説明する。
<ホームコントローラ100>
図2は、本発明の実施の形態に従うホームコントローラ100のハードウェア構成を示す模式図である。
図2を参照して、ホームコントローラ100は、CPU(Central Processing Unit)101と、通信インターフェイス106と、出力インターフェイス107と、入力インターフェイス108と、ハードディスク109と、メモリ110とを含む。なお、本例においては、ホームコントローラ100と接続されるディスプレイ103、タブレット104、スピーカ111および操作ボタン105とを含む表示部102も示されている。
CPU101は、ホームコントローラ100における全体処理を司る処理主体であり、メモリ110などに予め格納されたプログラムを実行することで、後述するような各種機能を提供する。CPU101は、入力インターフェイス108を介してタブレット104または操作ボタン105により入力されたユーザ操作に応答して、当該ユーザ操作によって指示された処理を実行する。このような指示としては、電気機器200に対する運転/停止に関する指示に対する制御モードの変更に関する指示、現在または過去の電力管理状態を表示する指示などを含む。
表示部102は、ユーザインターフェイスを提供する装置であり、ホームコントローラ100と接続されてCPU101からの命令に従って各種情報をユーザに提示するとともに、ユーザから入力された指示をCPU101へ出力する。より具体的には、ディスプレイ103は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどからなり、その表示面に画像を表示する。タブレット104は、ユーザの指などによるタッチ操作を検出して、そのタッチ操作がなされた位置を示す座標値などをCPU101へ出力する。本実施の形態においては、ディスプレイ103の表示面に対応付けてタブレット104が設けられている。但し、ホームコントローラ100は、必ずしもタッチパネルを含む必要はなく、ユーザに対して、各種情報を提示できればよい。また、操作ボタン105は、ユーザ操作を受け付けるための入力手段であり、典型的には、表示部102に1つまたは複数が配置される。典型的に、操作ボタン105は、決定ボタン、戻りボタン、方向ボタン、テンキーなどの複数のボタンやキーを含む。操作ボタン105は、ユーザ操作を受け付けると、そのユーザ操作を示す情報をCPU101へ出力する。
通信インターフェイス106は、CPU101からの命令に従って、測定器400などとの間でデータ通信を行なう。より具体的には、通信インターフェイス106は、上述したような、イーサネット(登録商標)、PLC(Power Line Communications)、IEEE802.11規格に準拠する無線LAN(Local Area Network)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信方式などを利用する。
出力インターフェイス107は、CPU101と表示部102のディスプレイ103との間の内部コマンドの遣り取りを仲介する。また、出力インターフェイス107は、CPU101からの命令に従って表示部102の音声デバイスであるスピーカ111から音声を出力する。
入力インターフェイス108は、表示部102のタブレット104および/または操作ボタン105とCPU101との間の内部コマンドの遣り取りを仲介する。
ハードディスク109は、ホームコントローラ100での情報処理に必要な各種データを格納する。この各種データの詳細については、後述する。
メモリ110は、揮発性記憶装置であるRAM(Random Access Memory)や、不揮発性記憶装置であるROM(Read-Only Memory)などによって実現され、CPU101によって実行されるプログラムや、CPU101によるプログラムの実行に必要なワークデータを格納する。
時計112は、計時手段であり、CPU101からの命令に従って、現在の日付や時刻をCPU101へ応答する。
なお、ハードディスク109および/またはメモリ110は、通信インターフェイスを介して接続される記憶媒体を用いて実現してもよい。このような記憶媒体としては、フラッシュメモリ、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、IC(Integrated Circuit)カードなどの半導体記憶媒体、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)やDVD−ROM(Digital Versatile Disk-Read Only Memory)などの光学ディスク記憶媒体、MO(Magnetic Optical Disc)やMD(Mini Disc)などの光磁気ディスク記憶媒体、FD(Flexible Disk)、磁気テープ、カセットテープなどの磁気記憶媒体を用いることができる。
ホームコントローラ100における情報処理は、CPU101が周辺のハードウェアコンポーネントと連係してプログラムを実行することで実現される。一般的には、このようなプログラムは、メモリ110などに予めインストールされる。
このようなプログラムは、任意の記憶媒体に格納されて流通することで提供されうる。あるいは、このようなプログラムは、インターネットなどに接続されているサーバ装置(または、他の装置)からのダウンロードによって提供されうる。すなわち、記憶媒体から格納されているプログラムが読み出されて、または、サーバ装置からダウンロードによりプログラムが取得されて、メモリ110などに一旦格納される。そして、CPU101は、メモリ110に格納されたプログラムを実行可能な形式に展開した上で、当該プログラムを実行する。このようなプログラムを格納する記憶媒体としては、フラッシュメモリ、マスクROM、EPROM、EEPROM、ICカードなどの半導体記憶媒体、CD−ROMやDVD−ROMなどの光学ディスク記憶媒体、MOやMDなどの光磁気ディスク記憶媒体、FD、磁気テープ、カセットテープなどの磁気記憶媒体を用いることができる。
さらに、メモリ110などに予めプログラムをインストールするのではなく、別のシステムまたは装置に格納されているプログラムをCPU101が読み出して実行するようにしてもよい。
さらに、記憶媒体などから読み出されたプログラムが、コンピュータに装着された機能拡張ボードや機能拡張ユニットに搭載されるメモリなどに書き込まれた後、当該プログラムに従って、当該機能拡張ボードや機能拡張ユニットに搭載される演算部(CPUなど)が必要な処理の全部または一部を行なうことで、本実施の形態に従う機能を実現するようにしてもよい。
さらに、CPU101がプログラムを実行することにより本実施の形態に従うすべての機能を実現するだけでなく、プログラムに従って、コンピュータ上で実行されているOS(オペレーティングシステム)などが必要な処理の全部または一部を行なうことで、本実施の形態に従う機能を実現するようにしてもよい。
上述のようなソフトウェアによって本実施の形態に従う機能を実現する場合には、記憶媒体などから読み出されたプログラム自体、または、当該プログラムを格納した記憶媒体が本発明の一形態を構成することになる。
なお、本明細書において、プログラムは、CPU101により直接的に実行可能なプログラムだけではなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、および暗号化されたプログラムを含む。
<測定器400>
図3は、本発明の実施の形態に従う測定器400の外観図である。ここで、図3(a)には、測定器400のソケット4001を含む斜視図を示し、図3(b)には、測定器400の側面図を示し、図3(c)には、測定器400のプラグ4002を含む斜視図を示す。
図3(a)〜図3(c)を参照して、測定器400は、電力線402を流れる電力を供給するためのソケットと電気機器200のプラグとの間に介挿されるように配置される。より具体的には、図3(a)を参照して、測定器400の表面4051には、プラグ差込用のソケット4001が設けられている。一方、図3(b)および図3(c)を参照して、測定器400の表面4051とは反対側の面である表面4053には、プラグ4002が設けられている。ソケット4001には、電気機器200のプラグが差し込まれるとともに、プラグ4002は、家屋内に設けられる電力線402を介して電力を供給するためのソケット(コンセント/アウトレット)に差し込まれる。
なお、測定器400は、なるべく薄い方が好ましいので、側面4052の厚さは可能な限り小さく設計される。
測定器400の表面4051には、さらに、LED4041および設定ボタン4042が設けられている。LED4041は、測定器400におけるデータ処理状態を表示する。より具体的には、LED4041は、データ処理状態に応じて、点灯の有無、点滅の有無/周期、発光色などを異ならせる。設定ボタン4042は、ユーザ操作を受け付けるための入力手段であり、ユーザによって操作されると、測定器400における初期設定などが開始される。
図4は、本発明の実施の形態に従う測定器400のハードウェア構成を示す模式図である。
図4を参照して、測定器400は、ソケット4001、プラグ4002、LED4041、および設定ボタン4042に加えて、ソケット4001とプラグ4002とを電気的に接続する一対の主配線4004および4005と、主配線4005に挿入されたシャント抵抗4003と、電源部4007と、電力検出部4010と、通信モジュール4020と、アンテナ4030とを含む。
電力検出部4010は、プラグ4002からソケット4001へ流れる電力を検出する。より具体的には、電力検出部4010は、電圧入力ADC(Analog to Digital Converter:アナログ・デジタル変換器)4011と、電流入力ADC4012と、乗算器4013と、デジタル/周波数変換部4014とを含む。
電圧入力ADC4011は、配線V1PおよびV1Nを介して、主配線4004および4005にそれぞれ接続される。電圧入力ADC4011は、主配線間に生じる電圧(電位差)を示すデジタル信号を乗算器4013へ出力する。
電流入力ADC4012は、配線V2PおよびV2Nを介して、主配線4005に挿入されたシャント抵抗4003の両端と電気的に接続される。シャント抵抗4003は、流れる電流値を測定するために使われる微小な(数百マイクロΩ)抵抗である。電流入力ADC4012は、シャント抵抗4003に流れる電流の電流値を示すデジタル信号を乗算器4013へ出力する。
乗算器4013は、電圧入力ADC4011からのデジタル信号(電圧値)と、電流入力ADC4012からのデジタル信号(電流値)とを乗算し、その結果得られた値(電力消費/単位:WまたはkW)を示すデジタル信号をデジタル/周波数変換部4014へ出力する。
デジタル/周波数変換部4014は、乗算器4013からのデジタル信号を周波数信号に変換し、その結果得られた周波数信号を通信モジュール4020へ出力する。
電源部4007は、測定器400の各コンポーネントに電力を供給する。電源部4007は、主配線4004および4005に接続され、プラグ4002からソケット4001へ流れる電力の一部を測定器400の動作用の電力として利用する。電源部4007は、交流電力を直流電力に変換した後、その直流電力を電力検出部4010および通信モジュール4020へ供給する。
通信モジュール4020は、電力検出部4010により算出されたソケット4001に接続されている電気機器における電力消費を示す無線信号を、アンテナ4030を介して送出する。より具体的には、通信モジュール4020は、CPU4021と、ROM4022と、RAM4023と、GPIO(General Purpose Input/Output)4024と、無線RF(Radio Frequency)部4025とを含む。
GPIO4024は、デジタル/周波数変換部4014から入力された周波数信号を受信し、その周波数信号の情報をCPU4021へ出力する。
CPU4021は、GPIO4024からの周波数信号の情報を所定のロジックに従ってデータ変換し、その結果を無線RF部4025へ出力する。無線RF部4025は、CPU4021からのデータ変換結果に基づいて搬送波を変調することで、無線信号を生成する。無線RF部4025で生成された無線信号は、アンテナ4030を介して、送信される。
CPU4021は、ROM4022に予め格納されているプログラムを実行することで、上述のような処理を実現する。RAM4023は、CPU4021によるプログラムの実行に必要なワークデータを格納する。
<測定情報>
測定器400は、基本的には接続されている電気機器で消費される瞬時電力消費量(単位:WまたはkW))を測定する。この瞬時電力消費量を所定時間に亘って積算することで、当該電気機器の合計の電力量(単位:WhまたはkWh)が算出される。
ホームコントローラ100は、それぞれの電気機器における電力消費量を表示することが可能である。さらに、部屋毎に複数の電気機器をグルーピング化して、そのグループ全体についての電力消費量を表示することも可能である。
そのため、測定器400から送信される対応する電気機器200についての測定情報の実装例としては、例えば、以下のようになる(但し、以下の例に限られるものではない)。
(1) 測定器400が電気機器200における瞬時電力消費量を所定周期ごと(例えば、1秒ごと)に測定し、当該測定周期と同じ送信周期で、その測定された瞬時電力消費量を測定情報として送信する。
(2) 測定器400が電気機器200における瞬時電力消費量を所定周期ごと(例えば、1秒ごと)に測定し、当該測定周期よりは長い送信周期で、前回の送信から今回の送信までの間に測定された複数の瞬時電力消費量を測定情報として送信する。
(3) 測定器400が電気機器200における瞬時電力消費量を所定周期ごと(例えば、1秒ごと)に測定し、当該測定周期よりは長い送信周期で、前回の送信から今回の送信までの間に測定された複数の瞬時電力消費量を平均して得られた平均瞬時電力消費量を測定情報として送信する。
(4) (2)または(3)において、前回の送信から今回の送信までの間に測定された複数の瞬時電力消費量を積算した合計の電力量を測定情報に付加した上で送信する。さらに、複数の瞬時電力消費量の平均値・最小値・最大値などを付加してもよい。
測定情報には、測定器400が何らかの手段で取得した時刻情報を付加してもよいが、一般的には、ホームコントローラ100が測定情報を受信すると、そのときの時刻を時計112より取得し、受信した測定情報と関連付けてハードディスク109に格納する。
ホームコントローラ100と測定器400との間での測定情報の遣り取りについては、任意のプロトコルを採用することができる。典型的には、測定器400が自身の測定した測定結果を含むパケットをブロードキャストし、ホームコントローラ100がこのパケットを受信する構成が採用される。但し、ホームコントローラ100がそれぞれの測定器400に対して定期的にポーリングするようにしてもよい。
<家電モニター画面>
図5は、本発明の実施の形態に従う表示部102のディスプレイ103で表示される家電モニター画面について説明する図である。
図5を参照して、ここでは、家電モニター画面500において、複数の電気機器(本例においては一例として9個の電気機器)について各階毎に部屋毎のグルーピングを実行して、グルーピングにより分類した各グループ(部屋)毎に、グループに属する電気機器の電力消費量をオブジェクト表示した画面が示されている。当該電気機器の電力消費量は、対応する測定器400で測定した測定情報に基づくものである。なお、測定器400は、上述したように電力消費測定装置である。
具体的には、本例において、複数の電力管理オブジェクトが表示されており、一例として、選択可能に設けられた5個の電力管理オブジェクト502〜510が設けられている場合が示されている。また、後述する電気機器の属性情報等の設定登録をするためのユーザインターフェイス画面を提供するための設定ボタン520が設けられている。
それぞれの電力管理オブジェクトには、一例として、分類された各グループに属する電気機器の電力消費量が示されており、電気機器群の合計の瞬時電力消費量の値が示されている。なお、当該表示は、瞬時電力消費量に限られるものではなく、例えば、電気機器群の合計の電力消費量(WhまたはkWh)の値であっても良いし、ともに表示してもよく、電力消費に関する情報であればどのようなものであっても良い。
また、本例においては、電力消費量の値順に電力管理オブジェクトが並べられている場合が示されているが、特に当該方式に限られず、後述する属性情報に優先順位を割り当てておいて、割り当てられている優先順位順に並べるようにしても良い。
1階と、2階とに分けられて、それぞれの階において、部屋毎に分類されたそれぞれのグループに属する電気機器の電力消費が表示されている。当該処理は、後述するが、各電気機器について複数の属性情報が登録されており、当該属性情報のそれぞれに基づいて複数階層のグルーピングを実行するものである。ここでは、電気機器のそれぞれについて、設置されている「階」と「部屋」の複数の属性情報が登録されているものとする。なお、本例においては、「階」と「部屋」の複数の属性情報を用いてグルーピングする場合について説明しているが、特に当該場合に限らず、単に「部屋」毎にグルーピングするようにしても良い。その場合、たとえば、名称が同じ部屋の場合には、識別子を付加して分類するようにしてもよい。本例の場合には、1Fの「寝室」については「寝室1」とし、2Fの「寝室」については「寝室2」とすればよい。
電力管理オブジェクト502内には、属性情報「階」、「部屋」が表示されている。家屋の階は1Fであり、部屋はキッチンに対応する。そして、当該グループに属する電気機器の個数を示すものとして、対応する測定器の個数が示されており、本例においては、一例として3個である場合が示されている。そして、当該測定器の測定情報に基づいて、電力消費量として、3個の測定器合計の電力消費量580wが表示されている。また、数値ととともに棒グラフが表示されており、電力消費の値を直感的に把握することが可能であるとともに、他の電力管理オブジェクトとも容易に比較することが可能である。
電力管理オブジェクト504内には、属性情報「階」、「部屋」が表示されている。家屋の階は1Fであり、部屋は寝室に対応する。そして、当該グループに属する電気機器の個数は、測定器の個数2個に対応する。そして、当該測定器の測定情報に基づいて、電力消費量として、2個の測定器合計の電力消費量680wが表示されている。
電力管理オブジェクト506内には、属性情報「階」、「部屋」が表示されている。家屋の階は1Fであり、部屋はキッチンに対応する。そして、当該グループに属する電気機器の個数は、測定器の個数2個に対応する。そして、当該測定器の測定情報に基づいて、電力消費量として、2個の測定器合計の電力消費量780wが表示されている。
電力管理オブジェクト508内には、属性情報「階」、「部屋」が表示されている。家屋の階は2Fであり、部屋は子供部屋に対応する。そして、当該グループに属する電気機器の個数は、測定器の個数1個に対応する。そして、当該測定器の測定情報に基づいて、電力消費量として、1個の測定器合計の電力消費量330wが表示されている。
電力管理オブジェクト510内には、属性情報「階」、「部屋」が表示されている。家屋の階は2Fであり、部屋は寝室に対応する。そして、当該グループに属する電気機器の個数は、測定器の個数1個に対応する。そして、当該測定器の測定情報に基づいて、電力消費量として、1個の測定器合計の電力消費量130wが表示されている。
当該家電モニター画面500における、当該電力管理オブジェクトは、それぞれ選択可能に設けられたボタンに対応しており、当該電力管理オブジェクトを選択することにより、さらに当該電力管理オブジェクトのグループにおける詳細なグループ詳細画面を表示することも可能である。
また、家電モニター画面500においては、「お知らせ」ボタン512が選択可能に設けられており、当該「お知らせ」ボタン512を選択することによりガイダンスが出力される。本例においては、所定の部屋(リビング)への集合を促すガイダンスが表示される。
<測定器登録操作>
次に、測定器400に電気機器200を接続する際に、当該測定器に対応する電気機器を登録する場合の設定登録の操作例について説明する。当該設定登録により電気機器と複数の属性情報とがそれぞれ関連付けられて設定される。
本実施の形態に従うホームコントローラ100は、各測定器400について、関連付けられる電気機器200の指定を受け付けるためのユーザインターフェイス画面を提供する。
図6〜図10は、本発明の実施の形態に従うホームコントローラ100において提供される設定登録の操作に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
ユーザがホームコントローラ100に対して、設定登録の開始を要求すると(例えば、図5の設定ボタン520の選択)、図6に示すようなユーザインターフェイス画面650がディスプレイ103上に提示される。
ユーザインターフェイス画面650には、ホームコントローラ100とデータ通信可能な測定器400(図6においては「測定器」として表示されている)が一覧表示されるとともに、各測定器400についての識別番号(図6に示す例では、MACアドレス)と、関連付けられている電気機器200およびその設置場所が表示される。当該ユーザインターフェイス画面の表示および測定器登録操作に関する処理は、一例としてCPU101がメモリ110に予め格納されているプログラムを実行することにより実現されるものである。また、ユーザインターフェイス画面650は、測定器について以下の設定登録の操作が完了してハードディスク109に格納されている測定器対応テーブル140に基づくものである。
ユーザインターフェイス画面650は、入れ替えボタン661と、設定ボタン662と、削除ボタン663と、完了ボタン664とを含む。
ユーザが入れ替えボタン661を選択すると、一覧表示されている測定器400のうち、選択された2つの測定器400の間で、関連付けられる電気機器200の情報が入れ替えられる(選択するためのユーザインターフェイスについては図示していない)。そのため、2つの測定器400の間で、互いに接続される電気機器200を交換する場合には、より便利である。
ユーザが設定ボタン662を選択すると、図7〜図10に示す一連の設定操作を行なうことができる。
後述の図7〜図10を参照した例では、何らの電気機器200とも関連付けられていない3番目の測定器400に対する設定操作を行なう場合について説明する。
ユーザが削除ボタン663を選択すると、予め選択された測定器400に関連付けられている電気機器200の設定情報が削除される。ユーザが完了ボタン664を選択すると、設定登録のモードから抜けて、家電モニター画面(図5)に戻る。
図6に示すユーザインターフェイス画面650において、ユーザが一覧表示される3番目の測定器400を選択した上で、設定ボタン662を選択すると、図8に示すユーザインターフェイス画面651へ遷移する。
ユーザインターフェイス画面651では、選択済の測定器400に接続される電気機器200が設置される階の入力が要求される。図7に示す例では、1階(1F)〜5階(5F)および屋上が選択肢として一覧表示されている。
例えば、ユーザが1階(1F)を選択すると、図8に示すユーザインターフェイス画面652へ遷移する。
ユーザインターフェイス画面652では、選択済の測定器400に接続される電気機器200が設置される部屋(エリア)の入力が要求される。図8に示す例では、玄関、リビング、キッチン、ダイニング、書斎、子供部屋が選択肢として一覧表示されている。例えば、ユーザが子供部屋を選択すると、図9に示すユーザインターフェイス画面653へ遷移する。
ユーザインターフェイス画面653では、選択済の測定器400に接続される電気機器200の種別の入力が要求される。図9に示す例では、テレビ、エアコン、照明、レコーダ、電子レンジが選択肢として一覧表示されている。例えば、ユーザが照明を選択すると、一連の設定登録操作は完了する。そして、図10に示すように、ユーザインターフェイス画面654においては、一連の操作によって入力された電気機器200についての情報が3番目の測定器400に関連付けられたことが提示される。
以上のような設定登録操作によっていずれかの測定器400と電気機器200との関連付けが登録されると、ホームコントローラ100のハードディスク109の測定器対応テーブル140へ当該登録の内容(属性情報等)が格納される。すなわち、当該設定登録の操作により、電気機器200の複数の属性情報が関連付けられて登録されることになる。本例においては、電気機器200(照明)について、第1の属性情報(設置される階)として1階が登録され、第2の属性情報(設置される部屋(エリア))として子供部屋が登録されることになる。そして、当該属性情報に基づいて本実施の形態に従う複数の電気機器に対するグルーピングが実行される。
他の電気機器200についても同様の方式に従って、設定登録される。測定器400と電気機器200との対応付けを変更する場合には、入れ替えの処理あるいは、上記の処理を再度やり直すことにより変更することが可能である。
当該設定操作に従い、たとえば、図5で説明したような複数の電気機器について各部屋毎にグルーピングされた電力消費量を表示することが可能である。
なお、本例においては、設置される階と、設置される部屋とをそれぞれ属性情報として分けた場合について説明したが、必ずしも分ける必要はなく、たとえば、設置される階と設置される部屋とを組み合わせて、「1Fの寝室」、「2Fの寝室」といった属性情報を登録してグルーピングを実行するようにしても良い。
本発明の実施の形態に従うホームコントローラ100は、所定条件が満たされた場合に表示部102のディスプレイ103に対して宅内の居住者に対して所定の態様を促すガイダンス(情報)を出力する。
図11は、本発明の実施の形態に従うガイダンス出力により表示部102に表示された家電モニター画面について説明する図である。
図11を参照して、家電モニター画面700において、「リビングに集合すると1920w節約できます。」とのガイダンスが表示がなされている。すなわち、宅内の居住者に対して所定の態様としてリビングに集合することを促すガイダンス表示がなされている。また、当該所定の態様を居住者が取った場合における宅内全体の削減可能な電力消費量の値が推定されてガイダンス表示されている場合が示されている。当該表示により、宅内の居住者に対して所定の部屋である「リビング」に集合することを促すことが可能である。また、当該「リビング」に集合した際における削減可能な電力消費量の推定結果をともに表示させることにより居住者に対して節電効率をより高める行動態様(リビングに集合)をさらに促すことが可能である。
当該ガイダンスをディスプレイ103に対して表示出力するだけでなく、たとえば、表示部102に設けられているスピーカ111を用いて当該情報を音声出力するようにしても良いし、両方の出力を実行するようにしても良い。
<ガイダンス出力処理>
図12は、本発明の実施の形態に従うホームコントローラ100のガイダンス出力処理を説明するメインフロー図である。
当該処理は、主にCPU101がメモリ110およびハードディスク109に格納されているデータに基づいてディスプレイ103等と協働して実行する処理である。以下のフローについても同様である。
図12を参照して、電力消費量を取得する(ステップS2)。具体的には、ホームコントローラ100は、中継器150を介して測定器400からの電力消費量を取得する。
次に、ガイダンス出力の必要の有無を判断するガイダンス判断処理を実行する(ステップS4)。ガイダンス判断処理の詳細については後述する。
次に、ガイダンス判断処理において、ガイダンス出力が必要であると判断した場合には、ガイダンス(情報)を出力するガイダンス出力処理を実行する(ステップS6)。ガイダンス出力処理の詳細については後述する。
そして、処理を終了する(エンド)。
まず、ガイダンス判断処理について説明する。
図13は、本発明の実施の形態に従うガイダンス判断処理の詳細について説明するフロー図である。
図13を参照して、まず、測定器400から取得した電力消費量に基づいて宅内全体の電力消費量が第1の所定量以上であるかどうかを判断する(ステップS10)。第1の所定量は、宅内の省エネを図るのに望ましい値に設定されているものとする。当該値は、居住者が予め設定したものでもよい。
ステップS10において、宅内全体の電力消費量が第1の所定量以上であると判断した場合(ステップS10においてYES)には、次に、グルーピングされた部屋毎の電力消費量について、複数の部屋の電力消費量が第2の所定量以上であるかどうかを判断する(ステップS12)。第2の所定量は、宅内の省エネを図るのに望ましい値に設定されているものとする。当該値は、居住者が予め設定したものでもよい。
次に、ステップS12において、複数の部屋の電力消費量が第2の所定量以上であると判断した場合(ステップS12においてYES)には、ガイダンス出力の必要が有りと判断されてガイダンス有設定とする(ステップS14)。
そして、当該処理を終了する。
一方、ステップS10において、宅内全体の電力消費量が第1の所定量以上でないと判断した場合(ステップS10においてNO)には、ガイダンス出力の必要が無いと判断されてガイダンス無設定とする(ステップS16)。
そして、当該処理を終了する(リターン)。
また、ステップS12において、複数の部屋の電力消費量が第2の所定量以上でないと判断した場合(ステップS12においてNO)には、ガイダンス無設定とする(ステップS16)。1つの部屋のみ電力消費量が多い場合や、あるいは、複数の部屋それぞれの電力消費量が少ない場合には、たとえば所定の部屋(本例においてはリビング)等に集合した場合であっても節電効率を高める効果が低いためガイダンス無設定とする。
そして、当該処理を終了する(リターン)。
図14は、本発明の実施の形態に従うガイダンス出力処理について説明するフロー図である。
図14を参照して、ガイダンス判断処理においてガイダンス有設定であるかどうかを判断する(ステップS20)。
ステップS20において、ガイダンス有設定であると判断した場合(ステップS20においてYES)には、次に、リビングに集合した場合における電力消費量の推定処理を実行する(ステップS22)。電力消費量の推定処理については後述する。
そして、次に、「お知らせ」ボタンの選択指示が有るかどうかを判断する(ステップS24)。具体的には、図5で説明した家電モニター画面500において、「お知らせ」ボタン512が設けられており、当該ボタンが選択されたかどうかを判断する。より具体的には、ホームコントローラ100は、表示部102からのタブレット104を介する「お知らせ」ボタン512の操作指示を受け付けたかどうかを判断する。なお、家電モニター画面500に設けられている「お知らせ」ボタン512は、ガイダンス有設定である場合に表示され、ガイダンス無設定の場合には非表示とするようにしても良い。
ステップS24において、「お知らせ」ボタンの選択指示が有ると判断した場合(ステップS24においてYES)には、次に、推定結果とともにリビングに集合するようにガイダンス出力を実行する(ステップS26)。具体的には、ホームコントローラ100は、表示部102に一例として図11で説明した家電モニター画面700を表示させる。
そして、処理を終了する(リターン)。
一方、ステップS20において、ガイダンス有設定でない場合(ステップS20においてNO)、すなわち、ガイダンス無設定である場合には、そのまま処理を終了する(リターン)。
また、ステップS24において「お知らせ」ボタンの選択指示が無い場合(ステップS24においてNO)にもそのまま処理を終了する(リターン)。
図15は、本発明の実施の形態に従う電力消費量の推定処理について説明するフロー図である。
図15を参照して、まず、リビング以外の部屋の電力消費量を集計する(ステップS30)。具体的には、測定器400から取得されたグルーピングされた部屋毎の電力消費量について、集合する部屋(リビング)以外の部屋の電力消費量を集計する。
次に、集計結果を削減可能な電力消費量として推定する(ステップS32)。
そして、処理を終了する(リターン)。
たとえば、図5で説明した例によれば、1Fの「リビング」以外の部屋の電力消費量が集計される。本例においては、4つの部屋の電力消費量が集計されて1920wとなる。
そして、図5における「お知らせ」ボタン512が選択された場合に、図11で説明したように、推定結果として削減可能な電力消費量として1920wが示されるとともに、リビングに集合するように促される。
当該処理により、宅内の居住者は、表示部102のディスプレイ103に表示されたガイダンス出力により、宅内に設けられた複数の部屋から1つの部屋(リビング)に集合するように促され、当該行動態様を取ることにより、省エネ効果を図ることが可能である。
なお、本例においては、所定の行動態様として1つの部屋(リビング)に集合する場合について説明したが、当該所定の部屋は予め定められていても良いし、居住者が設定により選択できるようにしても良い。
また、本例においては、省エネ効果の高い所定の行動態様を促すためにその効果、すなわち、推定した削減可能な電力消費量を合わせて出力する場合について説明したが特に同時に出力する必要はなく、別々に出力しても良いし、所定の行動態様を促す情報のみ出力するようにしても良い。なお、本例においては、表示部102のディスプレイ103に所定の行動態様を促す情報をガイダンス出力(表示)する場合について説明したが、特に当該場合に限られず、スピーカ111を用いて音声信号により所定の行動態様を促す情報をガイダンス出力するようにしても良い。また、表示部102に限らず、他の家電を制御して当該情報をガイダンス出力するようにしても良い。たとえば、テレビ等の家電を用いて当該家電にディスプレイ103と同様のガイダンス出力を実行するようにしても良い。また、1つの機器ではなく、複数の機器を用いてガイダンス出力を実行することにより、居住者への通知を円滑にすることが可能である。また、直接的に当該情報をガイダンス出力するのではなく、たとえば、リビングへの集合を促すことに対応付けられた照明装置の点滅制御を実行することにより、間接的に当該情報をガイダンス出力するようにしても良い。
<変形例1>
上記においては、他の部屋における電力消費量に基づいて削減可能な電力消費量を推定する場合について説明したが、別の推定方式について説明する。
図16は、本発明の実施の形態の変形例1に従う電力システム1#の全体構成を示す模式図である。
図16を参照して、電力システム1#は、電力システム1と比較して中継器150を介してホームコントローラ100と通信可能な環境センサを設けた点が異なる。本例においては、一例として環境センサ300,302を設けた場合が示されている。当該環境センサ300は、リビングに、環境センサ302は、他の部屋に配置されているものとする。環境センサ300,302は、配置された部屋における環境情報として一例として、温度および湿度を計測可能であるものとする。
図17は、本発明の実施の形態の変形例1に従う電力消費量の推定処理について説明するフロー図である。
図17を参照して、リビングに集合した際の電力消費量のシミュレーションを実行する(ステップS40)。電力消費量のシミュレーションについては後述する。
そして、次に、シミュレーション結果に基づいて削減可能な電力消費量を推定する(ステップS42)。
そして、処理を終了する(リターン)。
図18は、本発明の実施の形態の変形例1に従う電力消費量のシミュレーションの処理について説明するフロー図である。
図18を参照して、まず、リビングに設けられている家電が全て動作すると想定する(ステップS50)。居住者がリビングに集合するためリビングに設けられている家電が全て使用される可能性が高いと判断されるからである。
次に、リビングの電力消費量を推定する(ステップS52)。具体的には、リビングに設けられている家電が全て動作した場合における電力消費量を推定する。
そして、処理を終了する(リターン)。
図19は、電力消費量のシミュレーションをする際に用いられる電力消費量データベースについて説明する図である。
図19を参照して、ここでは、複数の家電の設定態様と電力消費量との関係が予め対応付けられたデータが予め格納されているものとする。当該電力消費量データベースは、ハードディスク109に格納されているものとする。
具体的には、一例として、ここでは、「エアコン」、「テレビ」、「照明装置」の設定態様に対応する電力消費量が示されている。たとえば、「エアコン」の設定態様として、気温、湿度、設定温度に基づく必要な電力消費量のテーブルが登録されている場合が示されている。
ここでは、設定温度として、18℃〜32℃の範囲内で設定が可能な場合が示されており、各設定温度にした場合において、その際の温度および湿度から必要な電力消費量を算出する複数のテーブルが設けられている。たとえば、ある設定温度にする場合には、対応するテーブルを参照して、環境センサ302で取得した気温および湿度に基づいて、その設定温度にするために必要な電力消費量を算出することが可能である。
なお、屋外にも環境センサ302を設けて、屋外および屋内の気温および湿度に基づくより詳細なテーブルを設けるようにすることも可能である。
また、「テレビ」の設定態様としてテレビを動作させた場合における電力消費量は「Ew」である場合が示されている。
また、「照明装置」の設定態様としては、当該「照明装置」については複数段階明るさを変化させることが可能であり、「1段階明るく」させる場合に必要な電力消費量は「Fw」である場合が示されている。
本例における電力消費量のシミュレーションとして、当該電力消費量データベースに従ってリビングに設けられている家電を全て動作させた場合における電力消費量を推定する。
たとえば、「エアコン」、「テレビ」、「照明装置」がリビングに設けられているとする。リビングにおいてたとえば、「エアコン」が使用されておらず、他の部屋で「エアコン」が使用されているような場合に、リビングに設けられている「エアコン」の設定温度を、他の部屋で使用されている「エアコン」の設定温度に設定する。この場合、リビングに環境センサ300が設けられ、他の部屋の「エアコン」が設けられている部屋に環境センサ302が設けられているものとする。そして、リビングに設けられている「エアコン」の設定温度を他の部屋の環境センサ302で取得された温度に設定した場合の電力消費量をシミュレーションする。たとえば、他の部屋で使用されているエアコンの設定温度から、上記の電力消費量データベースに格納されているエアコンの対応するテーブルを参照し、リビングに設けられた環境センサ300で取得された現在の温度と湿度とに基づいて電力消費量をシミュレーションする。
また、リビングに設けられた「テレビ」、「照明装置」についてもそれぞれ同様に電力消費量データベースに従って動作させた場合の電力消費量をシミュレーションする。
そして、当該シミュレーション結果に基づいてリビングに集合した場合に必要な電力消費量の合計を算出することによりリビングの電力消費量を推定することが可能である。
そして、全体の測定された電力消費量から、シミュレーション結果に基づいて推定されたリビングの電力消費量を減算することにより削減可能な電力消費量を推定することが可能である。
当該シミュレーションにより実際に居住者がリビングに集合した場合における電力消費量の値の精度が高まる。すなわち、推定する削減可能な電力消費量の値の精度が高まるため、より効果的に居住者に対して所定の行動態様を促すことが可能である。
なお、本例においては、電力消費量の推定方式として、電力消費量データベースに格納された複数の家電の電力消費量に関するデータに基づいてシミュレーションする場合について説明したが、推定方式としては種々の方式があり、たとえば、リビングでの電力消費量について、過去の電力消費量を随時格納し、過去の電力消費量の最大値をリビングに集合した場合に必要な電力消費量の推定結果とすることも可能である。
また、電力消費量データベースとして、本例においては、予め各家電における設定態様に対応する電力消費量が定められている場合について説明したが、特にこれに限られず、実際に測定された結果を用いるようにしても良い。たとえば、「エアコン」の電力消費量について、過去の環境センサ300で計測された温度および湿度と、その際の「エアコン」の電力消費量を関連付けて過去データとして記憶させ、当該過去データを用いて「エアコン」の電力消費量を推定することも可能である。他の家電についても同様である。
なお、上記においては、リビングに設けられている複数の家電を全て動作させた場合における電力消費量を推定する場合について説明したが、全て動作させた場合ではなく、一部動作させた場合の電力消費量を推定するようにしても良い。たとえば、リビングに設けられている家電の過去の使用状況等を記録しておいて、使用頻度の高い家電のみについて電力消費量を推定するようにしても良い。
<変形例2>
図20は、本発明の実施の形態の変形例2に従うガイダンス出力により表示部102に表示された家電モニター画面について説明する図である。
図20を参照して、家電モニター画面800において、「リビングに集合すると照明を2段階明るく、エアコン設定を3℃暖かくできます。」とのガイダンス出力がなされている。すなわち、宅内の居住者に対してリビングに集合することを促すガイダンス表示とともに、当該行動態様を取った場合における、リビングにおいて削減可能な電力消費量の範囲内で快適な設定態様を取ることが可能なガイダンス表示がされている場合が示されている。
当該表示により、宅内の居住者に対して所定の部屋である「リビング」に集合することを促すことが可能である。また、当該「リビング」に集合した際における快適な部屋環境とする場合における設定可能な態様をともに表示させることにより居住者に対して節電効率をより高める行動態様をさらに促すことが可能である。
当該ガイダンスをディスプレイ103に対して表示出力するだけでなく、たとえば、表示部102に設けられているスピーカ111を用いて当該情報を音声出力するようにしても良いし、両方の出力を実行するようにしても良い。
図21は、本発明の実施の形態の変形例2に従う電力システム1Aの全体構成を示す模式図である。
図21を参照して、電力システム1Aは、電力システム1Aと比較してスマートメータ200Xをさらに設けた点が異なる。電力系統は、宅外に設けられたスマートメータ200Xと接続され、スマートメータ200Xを介して宅内に電力が供給される。
スマートメータ200Xは、通信機能を有する電力量計である。スマートメータ200Xは、ホームコントローラ100と中継器150を介して通信可能に接続されている。スマートメータ200Xは、各電気機器200と電力線により各電気機器200に給電可能に接続されている。
スマートメータ200Xは、電力系統と接続されている電力会社から、宅内における電力消費量を制限するための電力制限情報を受信する。典型的には、スマートメータ200Xは、電力会社から、宅内における予め定められた時間当たりの電力消費量を削減するための削減指示を受信する。
スマートメータ200Xは、通信機能を有しており、受信した削減指示をホームコントローラ100に送信する。削減指示としては、電力消費量を或る割合(たとえば2割(20%))削減するための指示、電力消費量を或る割合以上削減するための指示、電力消費量を或る電力だけ削減するための指示、電力消費量を或る電力以上だけ削減するための指示等が挙げられる。以下では、説明の便宜上、削減指示として、電力消費量を或る割合削減するための指示をスマートメータ200Xが受信する場合を例に挙げて説明する。
図22は、本発明の実施の形態の変形例2に従うガイダンス判断処理について説明するフロー図である。
図22を参照して、まず、電力制限情報の受信が有ったかどうかを判断する(ステップS60)。スマートメータ200Xは、電力会社から削減指示として電力制限情報を受信した場合には、当該情報を中継器150を介してホームコントローラ100に送信する。ホームコントローラ100は、中継器150を介してスマートメータ200Xから送信された電力制限情報を受信する。
ステップS60において、電力制限情報の受信が有ったと判断した場合(ステップS60においてYES)には、次に、ガイダンス有設定とする(ステップS62)。すなわち、ホームコントローラ100は、中継器150を介してスマートメータ200Xから電力制限情報を受信した場合には、電力制限情報の受信が有ったと判断してガイダンス有設定とする。
そして、当該処理を終了する。
一方、ステップS60において、電力制限情報の受信が無かったと判断した場合(ステップS60においてNO)には、ガイダンス無設定とする(ステップS64)。
そして、当該処理を終了する(リターン)。
本変形例2においては、電力制限情報の受信をトリガとしてガイダンス出力を実行する。
図23は、本発明の実施の形態の変形例2に従うガイダンス出力処理について説明するフロー図である。
図23を参照して、ガイダンス有設定であるかどうかを判断する(ステップS70)。
ステップS70において、ガイダンス有設定であると判断した場合(ステップS70においてYES)には、電力消費量の推定処理を実行する(ステップS72)。電力消費量の推定処理については図15あるいは図17で説明したのと同様である。たとえば、図17で説明したように、シミュレーション結果に基づいて削減可能な電力消費量を推定する。
そして、次に、使用可能な電力消費量を算出する(ステップS74)。具体的には、電力制限情報として、電力消費量を或る割合削減するための削減指示を受けた場合、たとえば削減指示20%であるものとすると、現在、使用している電力消費量から20%削減した電力消費量が上限の電力消費量である。たとえば、図5の家電モニター画面においては、宅内全体として2500wの電力消費量であるため削減指示により上限の電力消費量は2000wである。そして、上限の電力消費量から削減可能な電力消費量との差分に基づいて使用可能な電力消費量を算出することが可能である。
次に、居住者がリビングに集合した場合に、制限された電力消費量の範囲内で変更可能な家電の設定態様の推定処理を実行する(ステップS76)。具体的には、使用可能な電力消費量に基づいて、リビングに集合した場合における家電の変更が可能な設定態様を推定する処理を実行する。
そして、推定結果とともに、リビングに集合するようにガイダンス出力を実行する(ステップS78)。
そして、処理を終了する(リターン)。
一方、ステップS70において、ガイダンス有設定でない場合(ステップS70においてNO)、すなわち、ガイダンス無設定である場合には、そのまま処理を終了する(リターン)。
たとえば、使用可能な電力消費量の算出の具体例として、上限の電力消費量が2000wである場合に、ステップS72における電力消費量の推定処理において、シミュレーションに基づいてリビングに集合した場合における削減可能な電力消費量が1500wであるものとする。当該結果に基づいて、余剰の使用可能な電力消費量を算出することが可能である。一例として、ステップS72における電力消費量の推定処理に基づいて居住者がリビングに集合した場合の家電の電力消費量が1500wであるとすると、その差分の500wが余剰の使用可能な電力消費量となる。
当該余剰の電力消費量について、図19で説明した電力消費量データベースに基づいて各家電の設定態様をどれくらい変化させることが可能かどうかを推定する。
図20の例においては、一例として、「エアコン」の設定温度を3℃暖かく、かつ、「照明装置」の明るさを2段階明るくすることが可能な場合が示されている。
たとえば、設定態様の推定処理として、変更可能な家電の種類を予め設定しておいても良いし、設定態様の変更をする家電の優先順位を設定しておくようにしても良い。また、設定態様の変更に関して、変化の上限を設定しておくことにより複数の家電について変更可能な設定態様を推定することが可能である。
なお、本例においては、電力制限情報の受信をトリガとして、所定の行動態様を促す情報をガイダンス出力(表示)するとともに、家電の変更が可能な設定態様を推定してガイダンス出力する場合について説明したが、実施の形態1で説明したように、推定した削減可能な電力消費量をガイダンス出力としても良いし、両方出力するようにしても良い。
また、本例においては、「お知らせ」ボタン512の選択が無い場合であってもガイダンス出力される場合について説明したが、「お知らせ」ボタンの選択を要求する方式としても良い。
<変形例3>
図24は、本発明の実施の形態の変形例3に従う電力システム1Bの全体構成を示す模式図である。
図24を参照して、電力システム1Bは、電力システム1Aと比較して、スマートメータ200Xの代わりに、電力の蓄電/放電を行なう蓄電池200Yおよびパワーコンディショナ200Zをさらに設けた点が異なる。蓄電池200Yは、住宅などに設置されるものであってもよいし、自動車用の蓄電池を住宅用の蓄電池として兼用するものであってもよい。パワーコンディショナ200Zは、ホームコントローラ100と中継器150を介して通信可能に接続されている。そして、ホームコントローラ100からパワーコンディショナ200Zの状態を管理することが可能であるものとする。
また、電力系統と接続された、パワーコンディショナ200Zは、蓄電池200Yとの間の充放電電力、電力系統からの購入電力を、効率の観点からバランスさせた上で、電力線402を介して電気機器200へ電力を供給する。
図25は、本発明の実施の形態の変形例3に従うガイダンス判断処理について説明するフロー図である。
図25を参照して、電力系統からの電力の供給が停止したかどうかを判断する(ステップS80)。具体的には、ホームコントローラ100は、中継器150を介してパワーコンディショナ200Zの状態を監視し、電力系統からの電力の供給が停止したかどうかを判断する。
ステップS80において、電力系統からの電力の供給が停止したと判断した場合(ステップS80においてYES)には、次に、ガイダンス有設定とする(ステップS82)。すなわち、ホームコントローラ100は、中継器150を介するパワーコンディショナ200Zの状態に従って電力系統からの電力の供給が停止したと判断した場合にガイダンス有設定とする。
そして、当該処理を終了する。
一方、ステップS80において、電力系統からの電力の供給が停止していないと判断した場合(ステップS80においてNO)には、ガイダンス無設定とする(ステップS64)。
そして、当該処理を終了する(リターン)。
本変形例3においては、電力系統からの電力の供給の停止をトリガとしてガイダンス出力を実行する。
図26は、本発明の実施の形態の変形例3に従うガイダンス出力処理について説明するフロー図である。
図26を参照して、ガイダンス有設定であるかどうかを判断する(ステップS90)。
ステップS90において、ガイダンス有設定であると判断した場合(ステップS90においてYES)には、電力消費量の推定処理を実行する(ステップS92)。電力消費量の推定処理については図15あるいは図17で説明したのと同様である。たとえば、図17で説明したように、シミュレーション結果に基づいて削減可能な電力消費量を推定する。
そして、次に、電力系統からの電力の供給が停止した状態において、居住者がリビングに集合した場合に蓄電池の利用により家電を継続して使用することが可能な時間を推定する処理を実行する(ステップS94)。具体的には、蓄電池200Yに蓄電されている充電された電力量と、居住者がリビングに集合した場合における推定された削減可能な電力消費量とに基づいてどれだけの時間、蓄電池200Yからの充電された電力量に基づいて電力を供給可能であるか、すなわち、家電を使用可能であるかを推定する。
たとえば、一例として、単位時間当たりに消費される電力消費量を算出して、蓄電池200Yに蓄電されている電力量から除算することにより使用可能時間を推定することが可能である。
そして、推定結果とともに、リビングに集合するようにガイダンス出力を実行する(ステップS96)。
そして、処理を終了する(リターン)。
一方、ステップS90において、ガイダンス有設定でない場合(ステップS90においてNO)、すなわち、ガイダンス無設定である場合には、そのまま処理を終了する(リターン)。
なお、本例においては、電力系統からの電力の供給が停止したことをトリガとして、所定の行動態様を促す情報をガイダンス出力(表示)するとともに、電力系統からの電力の供給が停止した状態において、蓄電池を使用可能な時間を推定してガイダンス出力する場合について説明したが、実施の形態1で説明したように、推定した削減可能な電力消費量をガイダンス出力としても良いし、両方出力するようにしても良い。
また、本例においては、「お知らせ」ボタン512の選択が無い場合であってもガイダンス出力される場合について説明したが、「お知らせ」ボタンの選択を要求する方式としても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。