以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
[A.システムの全体構成]
本実施の形態に従う管理システムは、少なくとも1つの電気機器における電力消費に関する測定情報を管理する。なお、太陽光発電装置や燃料電池などを管理対象としてもよく、この場合には、本実施の形態に従う管理システムは、電力消費に関する測定情報に加えて、あるいは、電力消費に関する測定情報に代えて、電力発生に関する測定情報を管理してもよい。
本明細書において、測定情報および測定情報に基づいて出力される電力情報は、対応の電気機器における電力消費/電力発生に係るさまざまな情報を含む概念である。より具体的には、測定情報および電力情報は、対応の測定対象機器(電気機器)で授受されている瞬間電力(以下、単に「電力」とも称す。)(単位:WまたはkW)や、所定期間に亘る電力の積算量である電力量(単位:WhまたはkWh)を含む。さらに、本明細書における測定情報および電力情報は、対応の測定対象機器(電気機器)における電力消費/電力発生に直接的または間接的に関連する物理量、例えば、電圧、電流、温度、湿度、照度、輝度、ガスといった燃料の瞬時流量や積算使用量、および、水などの流体の瞬時流量や積算使用量などを含み得る。これらの物理量のうち、電圧および電流は、電力または電力量と直接に関連し、温度および湿度は、例えば、空気調和機などで消費される電力に関連し、照度および輝度は、例えば、照明器具などで消費される電力に関連する。燃料の瞬時流量および積算使用量は、その燃焼によって生じる熱量に関連し、さらにその熱量による室温上昇に伴って、空気調和機などで消費される電力にも関連する。あるいは、燃料が燃料電池などに供給される場合には、当該燃料の瞬時流量および積算使用量は、発電電力または発電電力量に関連する。また、水などの流体の瞬時流量および積算使用量は、典型的には、家事などの作業に係る量に関連し、さらに家事などの作業を支援する洗濯機や食器洗浄機などで消費される電力にも関連する。もちろん、上述した物理量以外にも、適用先に存在する電気機器などに応じて、様々な種類の物理量を管理することができる。
以下、家屋内で使用される1つまたは複数の電気機器を含む電力システムを一例として説明するが、本発明はこのような電力システムのみに適用されるものではない。すなわち、本発明は、測定器を用いて測定情報を取得するものであれば、どのような構成にも適用可能である。
本明細書において、電気機器は、外部から供給される電力によって動作する機器、および、何らかのエネルギーによって発電する機器のいずれをも含む概念である。家屋は、住宅やオフィスなどを含む。
図1は、本発明の実施の形態に従う管理システム2を含む電力システム1の全体構成を示す模式図である。図1を参照して、本実施の形態に従う電力システム1は、住宅やオフィスなどの家屋内に設置される。より具体的には、電力システム1は、電力を消費する電気機器として、複数の家電機器を含む。図1には、これらに限られるものではないが、家電機器として、家屋内に設置されるエアコン(空気調和機)200A、テレビジョン200B、電子レンジ200C、冷蔵庫200D、および照明器具200E(これらを「電気機器200」とも総称する。)などが図示されている。また、電力システム1は、電力を発生する電気機器としての太陽光発電装置200X、および電力の蓄電/放電を行なう蓄電池200Yを含む。蓄電池200Yは、住宅などに設置されるものであってもよいし、自動車用の蓄電池を住宅用の蓄電池として兼用するものであってもよい。
さらに、電力システム1は、複数の家電機器、太陽光発電装置200X、蓄電池200Y、および電力系統(電力会社が提供する商用電力など)と接続され、それぞれの電力を制御するためのパワーコンディショナ200Zを含む。パワーコンディショナ200Zは、太陽光発電装置200Xからの発電電力、蓄電池200Yとの間の充放電電力、電力系統からの購入電力を、効率の観点からバランスさせた上で、電力線402を介して電気機器200へ電力を供給する。
電力システム1に含まれる管理システム2は、電気機器200に関連付けられた測定器400A〜400E、太陽光発電装置200X、蓄電池200Y、およびパワーコンディショナ200Zなどを監視・制御するための管理システム2を含む。管理システム2は、有線または無線のネットワーク401を介して、電気機器200に関連付けられた測定器400A〜400E、太陽光発電装置200X、蓄電池200Y、およびパワーコンディショナ200Zなどとの間でデータ通信が可能である。
ネットワーク401としては、任意のものを利用することができるが、有線のネットワークであれば、例えば、イーサネット(登録商標)、PLC(Power Line Communications)などを用いることができる。また、無線のネットワークであれば、例えば、IEEE802.11規格に準拠する無線LAN(Local Area Network)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信方式などを用いることができる。さらに、複数の通信方式を組み合わせてもよい。
測定器400は、いずれかの電気機器200に関連付けられ、当該関連付けられた電気機器200における電力消費に関する情報を測定するとともに、その測定情報を管理システム2へ送信する。典型的には、測定器400としては、電力線402と電気機器200のプラグとの間に配置されて電力消費の状態を測定する、いわゆる電力測定装置が用いられる。
図1に示す例では、電力線402に5つの測定器400A〜400Eが電気的に接続されている。測定器400Aには、エアコン200Aのプラグ250Aが接続されており、測定器400Bには、テレビジョン200Bのプラグ250Bが接続されており、測定器400Cには、電子レンジ200Cのプラグ250Cが接続されており、測定器400Dには、冷蔵庫200Dのプラグ250Dが接続されており、測定器400Eには、照明器具200Eのプラグ250Eが接続されている。そのため、測定器400A〜400Eは、それぞれ、エアコン200A、テレビジョン200B、電子レンジ200C、冷蔵庫200D、照明器具200Eにおける電力消費に関する測定情報を取得する。
管理システム2は、データ格納装置300と、表示装置100とを含む。データ格納装置300は、各電気機器200に関連付けられた測定器400からそれぞれ送信される電力消費に関する測定情報を格納する。表示装置100は、電力システム1における電力消費/発生の状態などをユーザに提示したり、ユーザから電力システム1における電力管理に関する指示を受け付けたりするような、ユーザインターフェイスを提供する。また、表示装置100は、データ格納装置300に格納される電力消費に関する測定情報などに基づいて、電力消費に関するグラフなどを表示する。表示装置100は、ポータブル型であってもよいし、テーブル上に配置されたベースに対して着脱自在であってもよいし、部屋の壁などに固定されるものであってもよい。図1には、複数の表示装置100が設けられる構成例を示すが、表示装置100が1台のみであっても、本実施の形態に従う機能や処理を提供できる。
図1には、表示装置100とデータ格納装置300とが別体である管理システム2を例示するが、これらの機能を単一の装置として一体化したような管理装置(一例として、ホームコントローラ)として実装してもよい。このような実装例については、後述する。
[B.装置構成]
次に、図1に示す電力システム1を構成する主要な装置のハードウェア構成について説明する。
(b1:表示装置100)
図2は、本発明の実施の形態に従う管理システム2に含まれる表示装置100のハードウェア構成を示す模式図である。図2を参照して、表示装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ディスプレイ103およびタブレット104を含むタッチパネル102と、操作ボタン105と、通信インターフェイス106と、出力インターフェイス107と、入力インターフェイス108と、ハードディスク109と、メモリ110と、スピーカ111とを含む。
CPU101は、表示装置100における全体処理を司る処理主体であり、メモリ110などに予め格納されたプログラムを実行することで、後述するような各種機能を提供する。CPU101は、タブレット104または操作ボタン105を入力されたユーザ操作に応答して、当該ユーザ操作によって指示された処理を実行する。このような指示としては、電気機器200に対する運転/停止に関する指示、パワーコンディショナ200Zに対する制御モードの変更に関する指示、現在または過去の電力管理状態を表示する指示などを含む。
タッチパネル102は、ユーザインターフェイスを提供する装置であり、CPU101からの命令に従って各種情報をユーザに提示するとともに、ユーザから入力された指示をCPU101へ出力する。より具体的には、ディスプレイ103は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどからなり、その表示面に画像を表示する。タブレット104は、ユーザの指などによるタッチ操作を検出して、そのタッチ操作がなされた位置を示す座標値などをCPU101へ出力する。本実施の形態においては、ディスプレイ103の表示面に対応付けてタブレット104が設けられている。但し、表示装置100は、必ずしもタッチパネルを含む必要はなく、ユーザに対して、各種情報を提示できればよい。
操作ボタン105は、ユーザ操作を受け付けるための入力手段であり、典型的には、表示装置100の表面に1つまたは複数が配置される。典型的に、操作ボタン105は、決定ボタン、戻りボタン、方向ボタン、テンキーなどの複数のボタンやキーを含む。操作ボタン105は、ユーザ操作を受け付けると、そのユーザ操作を示す情報をCPU101へ出力する。
通信インターフェイス106は、CPU101からの命令に従って、データ格納装置300、測定器400、太陽光発電装置200X、蓄電池200Y、およびパワーコンディショナ200Zなどとの間でデータ通信を行なう。より具体的には、通信インターフェイス106は、上述したような、イーサネット(登録商標)、PLC(Power Line Communications)、IEEE802.11規格に準拠する無線LAN(Local Area Network)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信方式などを利用する。
出力インターフェイス107は、CPU101とディスプレイ103との間の内部コマンドの遣り取りを仲介する。入力インターフェイス108は、タブレット104および/または操作ボタン105とCPU101との間の内部コマンドの遣り取りを仲介する。
ハードディスク109は、表示装置100での情報処理に必要な各種データを格納する。この各種データの詳細については、後述する。
メモリ110は、揮発性記憶装置であるRAM(Random Access Memory)や、不揮発性記憶装置であるROM(Read-Only Memory)などによって実現され、CPU101によって実行されるプログラムや、CPU101によるプログラムの実行に必要なワークデータを格納する。
スピーカ111は、音声デバイスであり、CPU101からの命令に従って音声を出力する。時計112は、計時手段であり、CPU101からの命令に従って、現在の日付や時刻をCPU101へ応答する。
なお、ハードディスク109および/またはメモリ110は、通信インターフェイスを介して接続される記憶媒体を用いて実現してもよい。このような記憶媒体としては、フラッシュメモリ、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、IC(Integrated Circuit)カードなどの半導体記憶媒体、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)やDVD−ROM(Digital Versatile Disk-Read Only Memory)などの光学ディスク記憶媒体、MO(Magnetic Optical Disc)やMD(Mini Disc)などの光磁気ディスク記憶媒体、FD(Flexible Disk)、磁気テープ、カセットテープなどの磁気記憶媒体を用いることができる。
表示装置100における情報処理は、CPU101が周辺のハードウェアコンポーネントと連係してプログラムを実行することで実現される。一般的には、このようなプログラムは、メモリ110などに予めインストールされる。
このようなプログラムは、任意の記憶媒体に格納されて流通することで提供されうる。あるいは、このようなプログラムは、インターネットなどに接続されているサーバ装置(または、他の装置)からのダウンロードによって提供されうる。すなわち、記憶媒体から格納されているプログラムが読み出されて、または、サーバ装置からダウンロードによりプログラムが取得されて、メモリ110などに一旦格納される。そして、CPU101は、メモリ110に格納されたプログラムを実行可能な形式に展開した上で、当該プログラムを実行する。このようなプログラムを格納する記憶媒体としては、フラッシュメモリ、マスクROM、EPROM、EEPROM、ICカードなどの半導体記憶媒体、CD−ROMやDVD−ROMなどの光学ディスク記憶媒体、MOやMDなどの光磁気ディスク記憶媒体、FD、磁気テープ、カセットテープなどの磁気記憶媒体を用いることができる。
さらに、メモリ110などに予めプログラムをインストールするのではなく、別のシステムまたは装置に格納されているプログラムをCPU101が読み出して実行するようにしてもよい。
さらに、記憶媒体などから読み出されたプログラムが、コンピュータに装着された機能拡張ボードや機能拡張ユニットに搭載されるメモリなどに書き込まれた後、当該プログラムに従って、当該機能拡張ボードや機能拡張ユニットに搭載される演算部(CPUなど)が必要な処理の全部または一部を行なうことで、本実施の形態に従う機能を実現するようにしてもよい。
さらに、CPU101がプログラムを実行することにより本実施の形態に従うすべての機能を実現するだけでなく、プログラムに従って、コンピュータ上で実行されているOS(オペレーティングシステム)などが必要な処理の全部または一部を行なうことで、本実施の形態に従う機能を実現するようにしてもよい。
上述のようなソフトウェアによって本実施の形態に従う機能を実現する場合には、記憶媒体などから読み出されたプログラム自体、または、当該プログラムを格納した記憶媒体が本発明の一形態を構成することになる。
なお、本明細書において、プログラムは、CPU101により直接的に実行可能なプログラムだけではなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、および暗号化されたプログラムを含む。
(b2:データ格納装置300)
図3は、本発明の実施の形態に従う管理システム2に含まれるデータ格納装置300のハードウェア構成を示す模式図である。図3を参照して、データ格納装置300は、CPU301と、ハードディスク302と、メモリ303と、通信インターフェイス304と、時計305とを含む。
CPU301は、データ格納装置300における全体処理を司る処理主体であり、メモリ303などに予め格納されたプログラムを実行することで、後述するような各種機能を提供する。
ハードディスク302は、測定器400A〜400Eから送信される電力消費に関する測定情報を格納する。この測定情報の格納処理の詳細については、後述する。
メモリ303は、揮発性記憶装置であるRAMや、不揮発性記憶装置であるROMなどによって実現され、CPU301によって実行されるプログラムや、CPU301によるプログラムの実行に必要なワークデータを格納する。
通信インターフェイス304は、CPU301からの命令に従って、表示装置100、データ格納装置300、測定器400、太陽光発電装置200X、蓄電池200Y、およびパワーコンディショナ200Zなどとの間でデータ通信を行なう。その詳細については、上述した通信インターフェイス106(図2)と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
時計305は、計時手段であり、CPU301からの命令に従って、現在の日付や時刻をCPU301へ応答する。
なお、図2に示すハードディスク109および/またはメモリ110についての説明したように、ハードディスク302および/またはメモリ303は、通信インターフェイスを介して接続される記憶媒体を用いて実現してもよい。ここでは、記憶媒体についての詳細な説明は繰り返さない。
データ格納装置300における情報処理は、CPU301が周辺のハードウェアコンポーネントと連係してプログラムを実行することで実現される。一般的には、このようなプログラムは、メモリ303などに予めインストールされる。このようなプログラムの流通および実行時の処理などについては、上述した表示装置100に向けられるプログラムと同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
(b3:測定器400)
図4は、本発明の実施の形態に従う管理システム2に含まれる測定器400の外観図である。ここで、図4(a)には、測定器400のソケット4001を含む斜視図を示し、図4(b)には、測定器400の側面図を示し、図4(c)には、測定器400のプラグ4002を含む斜視図を示す。図5は、本発明の実施の形態に従う管理システム2に含まれる測定器400のハードウェア構成を示す模式図である。
図4(a)〜図4(c)を参照して、測定器400は、電力線402を流れる電力を供給するためのソケットと電気機器200のプラグとの間に介挿されるように配置される。より具体的には、図4(a)を参照して、測定器400の表面4051には、プラグ差込用のソケット4001が設けられている。一方、図4(b)および図4(c)を参照して、測定器400の表面4051とは反対側の面である表面4053には、プラグ4002が設けられている。ソケット4001には、電気機器200のプラグが差し込まれるとともに、プラグ4002は、家屋内に設けられる電力線402を介して電力を供給するためのソケット(コンセント/アウトレット)に差し込まれる。
なお、測定器400は、なるべく薄い方が好ましいので、側面4052の厚さは可能な限り小さく設計される。
測定器400の表面4051には、さらに、LED4041および設定ボタン4042が設けられている。LED4041は、測定器400におけるデータ処理状態を表示する。より具体的には、LED4041は、データ処理状態に応じて、点灯の有無、点滅の有無/周期、発光色などを異ならせる。設定ボタン4042は、ユーザ操作を受け付けるための入力手段であり、ユーザによって操作されると、測定器400における初期設定などが開始される。
図5を参照して、測定器400は、ソケット4001、プラグ4002、LED4041、および設定ボタン4042に加えて、ソケット4001とプラグ4002とを電気的に接続する一対の主配線4004および4005と、主配線4005に挿入されたシャント抵抗4003と、電源部4007と、電力検出部4010と、通信モジュール4020と、アンテナ4030とを含む。
電力検出部4010は、プラグ4002からソケット4001へ流れる電力を検出する。より具体的には、電力検出部4010は、電圧入力ADC(Analog to Digital Converter:アナログ・デジタル変換器)4011と、電流入力ADC4012と、乗算器4013と、デジタル/周波数変換部4014とを含む。
電圧入力ADC4011は、配線V1PおよびV1Nを介して、主配線4004および4005にそれぞれ接続される。電圧入力ADC4011は、主配線間に生じる電圧(電位差)を示すデジタル信号を乗算器4013へ出力する。
電流入力ADC4012は、配線V2PおよびV2Nを介して、主配線4005に挿入されたシャント抵抗4003の両端と電気的に接続される。シャント抵抗4003は、流れる電流値を測定するために使われる微小な(数百マイクロΩ)抵抗である。電流入力ADC4012は、シャント抵抗4003に流れる電流の電流値を示すデジタル信号を乗算器4013へ出力する。
乗算器4013は、電圧入力ADC4011からのデジタル信号(電圧値)と、電流入力ADC4012からのデジタル信号(電流値)とを乗算し、その結果得られた値(消費電力/単位:WまたはkW)を示すデジタル信号をデジタル/周波数変換部4014へ出力する。
デジタル/周波数変換部4014は、乗算器4013からのデジタル信号を周波数信号に変換し、その結果得られた周波数信号を通信モジュール4020へ出力する。
電源部4007は、測定器400の各コンポーネントに電力を供給する。電源部4007は、主配線4004および4005に接続され、プラグ4002からソケット4001へ流れる電力の一部を測定器400の動作用の電力として利用する。電源部4007は、交流電力を直流電力に変換した後、その直流電力を電力検出部4010および通信モジュール4020へ供給する。
通信モジュール4020は、電力検出部4010により算出されたソケット4001に接続されている電気機器における消費電力を示す無線信号を、アンテナ4030を介して送出する。より具体的には、通信モジュール4020は、CPU4021と、ROM4022と、RAM4023と、GPIO(General Purpose Input/Output)4024と、無線RF(Radio Frequency)部4025とを含む。
GPIO4024は、デジタル/周波数変換部4014から入力された周波数信号を受信し、その周波数信号の情報をCPU4021へ出力する。
CPU4021は、GPIO4024からの周波数信号の情報を所定のロジックに従ってデータ変換し、その結果を無線RF部4025へ出力する。無線RF部4025は、CPU4021からのデータ変換結果に基づいて搬送波を変調することで、無線信号を生成する。無線RF部4025で生成された無線信号は、アンテナ4030を介して、送信される。
CPU4021は、ROM4022に予め格納されているプログラムを実行することで、上述のような処理を実現する。RAM4023は、CPU4021によるプログラムの実行に必要なワークデータを格納する。
[C.課題]
次に、本実施の形態に従う管理システム2が対処する課題について説明する。
図6および図7は、本発明の実施の形態が対処する課題について説明するための図である。
例えば、電気機器200の買い換え/買い増しや部屋の模様替えなどによって、同一の測定器400に接続される電気機器200が変更される場合がある。図6を参照して、例えば、測定器400Bに接続されていたテレビジョン200Bの設置位置を変更することで、テレビジョン200Bの接続先が測定器400Cに変更されるような場合が考えられる。
また、上述したように、測定器400は、家屋内などに設けられる電力を供給するためのソケット(コンセント/アウトレット)と、電気機器200のプラグとの間に配置されて、電気機器200における電力消費に関する情報を容易に測定できるので、測定器400の配置位置については、比較的自由に定めることができる。そのため、ある測定器400について見れば、測定対象の電気機器200が頻繁に変更される場合もある。
一方で、測定器400から送信される測定情報には、基本的には、測定対象の電気機器200を特定するための情報は含まれない。すなわち、一般的には、測定器400は、接続されている電気機器200を識別するための情報を有していない。
従来のシステムでは、このような測定器400に接続されている電気機器200が変更されたなど場合に、対応することができなかった。すなわち、従来のシステムでは、それぞれの測定器に接続されている電気機器の情報は設定されていたかもしれないが、いずれの電気機器200がいずれの測定器400に、いつ接続されていたのかといった情報を保持しておらず、そのため、誤った情報をユーザに出力する可能性があった。
例えば、3つの測定器A〜Cに接続される電気機器が、図7に示すように変更されたような場合を考える。図7において、測定器Aには、2011/7/2の17:50までは冷蔵庫が接続されており、それ以降は、テレビジョンが接続されていたとする。
測定器Aに接続されてきた電気機器200の履歴が適切に管理されていない場合には、例えば、「現在」の段階で、電力消費に関する情報(例えば、消費電力量の時間的推移を示すグラフなど)を出力したときに、誤った情報が表示されてしまうことになる。すなわち、テレビジョンについてのグラフに冷蔵庫について測定された情報が混入することになる。あるいは、冷蔵庫についてのグラフにテレビジョンについて測定された情報が混入することもある。
[D.解決手段の概要]
本実施の形態に従う管理システム2は、測定器400と電気機器200との関連付けを適切に管理することで、上述のような測定情報の混入といった課題を解決する。このような課題を解決するためのアプローチとしては、以下のような2つを考える。
図8は、本発明の実施の形態における解決手段の概要について説明するための図である。図8(a)は、第1のアプローチについて示し、図8(b)は、第2のアプローチについて示す。
図8(a)を参照して、第1のアプローチとしては、測定情報を測定器400の別に時系列に格納する(測定情報テーブル350)とともに、測定器400と電気機器200との関連付けに関する履歴情報を保持する(履歴情報テーブル150)。そして、いずれかの電気機器200に関する電力情報の出力が要求された場合には、履歴情報テーブル150の内容を参照して、測定情報テーブル350から必要な測定情報を抽出することで、当該選択された電気機器200に関する電力情報が生成および出力される。
このように、測定器400において測定された測定情報を測定情報テーブル350にそのまま保存することで、測定器400と電気機器200(測定対象機器)との関連付けに誤りがあっても、後々での対処が可能になる。また、測定情報テーブル350および履歴情報テーブル150を管理する主体が同一である場合および異なっている場合のいずれにも対処できる。例えば、データ格納装置300が測定情報テーブル350を保持し、表示装置100が履歴情報テーブル150を保持するような形態を採用できる。
図8(b)を参照して、第2のアプローチとしては、それぞれの測定器400から送信される測定情報を、電気機器200に関連付けて時系列に格納する(測定情報テーブル370)。このような測定情報テーブル370を生成するために、測定器400と電気機器200(測定対象機器)との対応関係(対応関係テーブル360)を予め設定しておき、この対応関係テーブル360を参照して、それぞれの測定器400から送信される測定情報を測定情報テーブル370に順次格納する。そして、いずれかの電気機器200に関する電力情報の出力が要求された場合には、測定情報テーブル370に基づいて、当該選択された電気機器200に関する電力情報が生成および出力される。
このような対応関係テーブル360を用いることで、測定情報の管理をより容易化できる。
以下、第1のアプローチのより具体的な実装例である実施の形態1およびその変形例、ならびに、第2のアプローチのより具体的な実装例である実施の形態2およびその変形例について詳述する。
[E.実施の形態1]
(e1:概要)
本発明の実施の形態1に従う管理システム2は、少なくとも1つの電気機器200における電力消費に関する電力を管理する。管理システム2は、各電気機器200に関連付けられた測定器400からそれぞれ送信される、当該電気機器200における電力消費に関する測定情報を、測定器400の別に時系列に格納する機能(測定情報テーブル350)と、測定器と電気機器との関連付けに関する履歴情報を格納する機能(履歴情報テーブル150)とを有する。一例として、図1に示す管理システム2においては、データ格納装置300が測定情報テーブル350を管理し、表示装置100が履歴情報テーブル150を管理する。さらに、管理システム2は、ユーザなどによる電気機器200の選択に応答して、測定器400の別に格納された測定情報(測定情報テーブル350)のうち、当該選択された電気機器200に対応する測定情報を抽出することで、当該選択された電気機器200についての電力情報を出力する機能を有する。この電力情報を出力する機能については、表示装置100およびデータ格納装置300のいずれか一方または両方に存在していてもよい。以下では、典型的な構成として、表示装置100が電力情報を出力する機能を有する構成について説明する。
(e2:データ構造)
図9は、本発明の実施の形態1に従う管理システム2において用いられるテーブルのデータ構造の一例を示す図である。図9(a)は、測定情報テーブル350の一例を示し、図9(b)は、履歴情報テーブル150の一例を示す。
データ格納装置300は、それぞれの電気機器200における電力消費に関する測定情報を測定器400の別に時系列に格納する。すなわち、図9(a)に示す測定情報テーブル350には、測定器400の別に、所定時間間隔で測定情報が順次格納される。より具体的には、測定情報テーブル350は、測定器400の識別情報を格納する列3501と、対応する測定器400から送信される測定情報を順次格納する列3502とを含む。
列3501には、管理システム2の配下にある測定器400のそれぞれを識別するための情報が格納される。なお、図9(a)においては、列3501に測定器400の名前が格納されている例を示すが、ネットワークアドレス(MACアドレスやIPアドレス)などを用いてもよい。
列3502には、それぞれの測定器400から送信される測定情報が、当該測定情報の送信元の測定器400に対応する行に順次格納される。すなわち、測定器Aで測定された時刻t1における測定情報A(t1)は、測定器Aに対応する行に格納されるとともに、測定器Aで測定された時刻t2における測定情報A(t2)が同一行の後続する列に格納される。その他の測定器400で測定された測定情報についても、同様に格納される。
図9(b)に示す履歴情報テーブル150は、それぞれの電気機器200(測定対象機器)がいずれの測定器400に、いつ接続されてきたのかを示す履歴情報を格納する。すなわち、履歴情報テーブル150は、測定器400との関連付けが有効化された時刻および当該関連付けられた測定器400を識別するための情報を、電気機器200の別に格納する。
より具体的には、履歴情報テーブル150は、電気機器200(測定対象機器)の識別情報を格納する列1501と、対応する電気機器200の接続が開始された日時を示す列1502と、対応する電気機器200の接続が終了した日時を示す列1503と、対応する電気機器200が接続されている測定器400の識別情報を格納する列1504とを含む。図9(b)の「測定対象機器1」の列に示すように、同一の電気機器200(測定対象機器)について、その接続先が変更されるたびに、その変更に係る内容(接続先の測定器400の識別情報、接続開始日時、接続終了日時)が更新される。
このように、本実施の形態に従う管理システム2は、測定器400と電気機器200との関連付けに関する履歴情報を格納する。
なお、本実施の形態に従う管理システム2では、上述した測定情報テーブル350および履歴情報テーブル150に格納されるデータを保持できればよいので、図9に示すデータ構造に限られず、任意のデータ構造を採用することができる。また、単一の装置が、測定情報テーブル350および履歴情報テーブル150のいずれも格納するようにしてもよい。
(e3:測定情報)
本実施の形態に従う管理システム2では、測定情報テーブル350および履歴情報テーブル150を用いて、ユーザが選択した電気機器200についての電力情報を出力するが、その前に、測定器400によって測定される測定情報およびその送信方法について説明する。
図5を用いて説明したように、測定器400は、基本的には接続されている電気機器で消費される消費電力(瞬間消費電力(単位:WまたはkW))を測定する。この瞬間消費電力を所定時間に亘って積算することで、当該電気機器の消費電力量(単位:WhまたはkWh)が算出される。
表示装置100は、それぞれの電気機器における瞬間消費電力および消費電力量のいずれをも表示することが可能である。さらに、複数の電気機器をグルーピング化して、そのグループ全体についての瞬間消費電力および消費電力量を表示することもできる。
そのため、測定器400から送信される対応する電気機器200についての測定情報の実装例としては、例えば、以下のようになる(但し、以下の例に限られるものではない)。
(1) 測定器400が電気機器200における瞬間消費電力を送信周期に亘って積算することで、送信周期ごとの消費電力量を測定情報として定期的に送信する。すなわち、前回の送信から今回の送信までの間に電気機器200で消費された電力量(単位:WhまたはkWh)が所定周期ごとに送信される。
(2) 測定器400が電気機器200における瞬間消費電力(単位:WまたはkW)を所定周期ごと(例えば、1秒ごと)に測定し、当該測定周期と同じ送信周期で、その測定された瞬間消費電力を測定情報として送信する。
(3) 測定器400が電気機器200における瞬間消費電力を所定周期ごと(例えば、1秒ごと)に測定し、当該測定周期よりは長い送信周期で、前回の送信から今回の送信までの間に測定された複数の瞬間消費電力を測定情報として送信する。
(4) 測定器400が電気機器200における瞬間消費電力を所定周期ごと(例えば、1秒ごと)に測定し、当該測定周期よりは長い送信周期で、前回の送信から今回の送信までの間に測定された複数の瞬間消費電力を平均して得られた平均瞬間消費電力を測定情報として送信する。
(5) (3)または(4)において、瞬間消費電力または平均瞬間消費電力とともに、前回の送信から今回の送信までの間に測定された複数の瞬間消費電力を積算した消費電力量を含む測定情報を送信する。さらに、複数の瞬間消費電力の平均値・最小値・最大値などを付加してもよい。
測定情報には、測定器400が何らかの手段で取得した時刻情報を付加してもよいが、一般的には、データ格納装置300が測定情報を受信すると、そのときの時刻を時計305より取得し、受信した測定情報と関連付けて測定情報テーブル350に格納する。
データ格納装置300と測定器400との間での測定情報の遣り取りについては、任意のプロトコルを採用することができる。典型的には、測定器400が自身の測定した測定結果を含むパケットをブロードキャストし、データ格納装置300がこのパケットを受信する構成が採用される。但し、データ格納装置300がそれぞれの測定器400に対して定期的にポーリングするようにしてもよい。
(e4:電力情報の出力処理)
次に、図9に示す測定情報テーブル350および履歴情報テーブル150を用いて、電力情報を出力する処理について説明する。図10は、本発明の実施の形態1に従う管理システム2における電力情報の出力処理を説明するための図である。
図10(a)には、測定情報テーブル350に格納される測定情報の種別を模式的に示す。一例として、測定器Aには、2011/2/1の23:45までは測定対象機器1が接続されており、それ以降2011/7/2の17:50までは測定対象機器2が接続されており、それ以降現在まで測定対象機器1が再度接続されているものとする。また、測定器Bには、2011/2/1の23:45から2011/4/15の10:05までは測定対象機器1が接続されていたものとする。また、測定器Cには、2011/4/15の10:05から現在まで測定対象機器3が接続されているものとする。
上述したように、履歴情報テーブル150には、図10(a)に示すような測定器400と電気機器200との関連付けに関する履歴を示す履歴情報が保持されている。表示装置100は、この履歴情報テーブル150に格納されている履歴情報を参照して、測定情報テーブル350から必要な期間の測定情報を抽出して、電力情報を出力する。
図10(b)には、測定対象機器1〜3の各々について、電力情報を生成する手順を示す。図10に示す例において、例えば、測定対象機器1については、測定器Bに関連付けて格納されている2011/2/1の23:45から2011/4/15の10:05までの測定情報と、測定器Aに関連付けて格納されている2011/7/2の17:50から現在までの測定情報とを用いて、電力情報が生成される。その他の測定対象機器2および3についても同様である。
次に、出力される電力情報の一例について説明する。
図11は、本発明の実施の形態1に従う管理システム2において提供される電力情報の表示例を示す図である。図11に示す電力情報の表示画面600は、表示装置100のタッチパネル102に表示される。この表示画面600は、ユーザが指定された期間に亘る、指定された電気機器200についての電力消費量の履歴を示すグラフ602を含む。このグラフ602は、ユーザが選択アイコン610を操作することで選択された電気機器200についての電力消費量を示す。また、ユーザが期間アイコン606を操作することで選択された期間についての電力消費量を示す。
表示画面600は、表示期間を選択するためのボタン614,616,618を含む。ボタン614,616,618は、それぞれ「日間」、「月間」、「年間」を指定する。「日間」では、指定された1日の間における電力消費量の時間的変化を示し、「月間」では、指定された1月の間における電力消費量の時間的変化を示し、「年間」では、指定された1年の間における電力消費量の時間的変化を示す。このボタン614,616,618により選択される期間に応じて、期間アイコン606の表示内容も更新される。
さらに、ユーザが比較指示アイコン608を選択することで、複数の電気機器200についての電力消費量が同一時間軸上にグラフ表示される。このとき、それぞれの電気機器200を区別(比較)できるように、異なる色や模様などが付される。
また、表示画面600は、現在の電力システム1における電力の需給状態を示す状態表示604を含む。さらに、ユーザがボタン612を選択することで、指定された電気機器についての現在の消費電力量や消費電力が表示される。
上述したような表示画面600に限られず、測定器400により測定される測定情報に基づいて、様々な形態でユーザに電力情報を出力(提示)できる。また、電力情報の出力形態としては、画面上での表示の他、電子メールによる情報送信、Webなどによる情報開示、プリンタなどによる紙媒体への印刷出力などとしてもよい。
(e5:処理手順)
次に、本実施の形態に従う管理システム2における処理手順について説明する。
図12は、本発明の実施の形態1に従う管理システム2における処理手順を示すシーケンス図である。図12を参照して、1つまたは複数の測定器400の各々は、接続されている電気機器200における電力消費に関する情報を測定し(ステップS10)、当該測定により取得された測定情報をデータ格納装置300へ送信する(ステップS12)。データ格納装置300は、各測定器400から受信した測定情報を、測定器400の別に時系列に格納する(ステップS14)。このステップS10〜S14の処理が、所定周期ごとまたは所定条件ごとに繰り返される。
その後、ユーザが、いずれかの測定器400に接続される電気機器200を変更したとする(ステップS20)。このとき、ユーザは、表示装置100においてこの変更に伴う設定変更操作を行なう(ステップS22)。すると、表示装置100は、ユーザによりなされた設定変更操作に従って、履歴情報テーブル150の内容を更新する(ステップS24)。この履歴情報テーブル150の内容の変更中および変更後も、ステップS10〜S14の処理が、所定周期ごとまたは所定条件ごとに繰り返される。
その後、ユーザが、表示装置100において電力情報の出力を要求する操作を行なったとする(ステップS30)。この要求する操作には、電力情報を出力する対象の電気機器200(測定対象機器)の選択も含まれるものとする。この要求する操作に応答して、表示装置100は、履歴情報テーブル150を参照して、選択された電気機器200についての履歴情報を検索するとともに、検索の結果得られた履歴情報に基づいて、データ格納装置300に格納されている測定器400ごとの測定情報のうち、必要な測定情報を要求する(ステップS32)。データ格納装置300は、要求された測定情報に従って、測定情報テーブル350から必要な測定情報を抽出し、表示装置100へ送信する(ステップS34)。表示装置100は、データ格納装置300から受信した測定情報に基づいて、ユーザが選択した電気機器200についての電力情報を出力する(ステップS36)。
ユーザが表示装置100に対して、別の電力情報の出力を要求した場合には、上述と同様の処理によって、要求された電力情報が作成および出力される。
(e6:設定変更操作)
次に、測定器400に接続される電気機器200が変更される際に実行される、設定変更の操作例について説明する。
本形態に従う管理システム2は、各測定器400について、関連付けられる電気機器200の指定を受け付けるためのユーザインターフェイス画面を提供する。図13〜図17は、本発明の実施の形態1に従う管理システム2において提供される設定変更操作に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
ユーザが表示装置100に対して、設定変更の開始を要求すると、図13に示すようなユーザインターフェイス画面650がタッチパネル102上に提示される。ユーザインターフェイス画面650には、管理システム2とデータ通信可能な測定器400(図13においては「電力測定装置」として表示されている)が一覧表示されるとともに、各測定器400についての識別番号(図13に示す例では、MACアドレス)と、関連付けられている電気機器200およびその設置場所が表示される。
ユーザインターフェイス画面650は、入れ替えボタン661と、設定ボタン662と、削除ボタン663と、完了ボタン664とを含む。
ユーザが入れ替えボタン661を選択すると、一覧表示されている測定器400のうち、選択された2つの測定器400の間で、関連付けられる電気機器200の情報が入れ替えられる(選択するためのユーザインターフェイスについては図示していない)。そのため、2つの測定器400の間で、互いに接続される電気機器200を交換する場合には、より便利である。
ユーザが設定ボタン662を選択すると、図14〜図17に示す一連の設定操作を行なうことができる。後述の図14〜図17を参照した例では、何らの電気機器200とも関連付けられていない3番目の測定器400に対する設定操作を行なう場合の設定操作について説明する。
ユーザが削除ボタン663を選択すると、予め選択された測定器400に関連付けられている電気機器200の設定情報が削除される。ユーザが完了ボタン664を選択すると、設定変更のモードから抜けて、メニュー画面に戻る。
図13に示すユーザインターフェイス画面650において、ユーザが一覧表示される3番目の測定器400を選択した上で、設定ボタン662を選択すると、図14に示すユーザインターフェイス画面651へ遷移する。
ユーザインターフェイス画面651では、選択済の測定器400に接続される電気機器200が設置される階の入力が要求される。図14に示す例では、1階(1F)〜5階(5F)および屋上が選択肢として一覧表示されている。例えば、ユーザが1階(1F)を選択すると、図15に示すユーザインターフェイス画面652へ遷移する。
ユーザインターフェイス画面652では、選択済の測定器400に接続される電気機器200が設置される部屋(エリア)の入力が要求される。図15に示す例では、玄関、リビング、キッチン、ダイニング、書斎、子供部屋が選択肢として一覧表示されている。例えば、ユーザが子供部屋を選択すると、図16に示すユーザインターフェイス画面653へ遷移する。
ユーザインターフェイス画面653では、選択済の測定器400に接続される電気機器200の種別の入力が要求される。図16に示す例では、テレビ、エアコン、照明、レコーダ、電子レンジが選択肢として一覧表示されている。例えば、ユーザが照明を選択すると、一連の設定変更操作は完了する。そして、図17に示すように、ユーザインターフェイス画面654においては、一連の操作によって入力された電気機器200についての情報が3番目の測定器400に関連付けられたことが提示される。
以上のような設定変更操作によっていずれかの測定器400と電気機器200との関連付けが変更されると、表示装置100は、当該変更がなされた時刻とともに、変更の内容を履歴情報テーブル150へ格納する。
(e7:補正処理)
上述したように、測定器400から送信される測定情報は、基本的には、接続されている電気機器200で消費される消費電力(瞬間消費電力(単位:WまたはkW))を含む。このような場合には、消費電力が測定情報テーブル350に順次格納される。このような測定情報テーブル350を用いることで、その中に格納されている情報をそのまま用いて、図11に示すようなグラフ602を表示することができる。
一方、測定器400が接続されている電気機器200における消費電力の積算量(消費電力量(単位:WhまたはkWh))を測定情報として送信する場合には、これらの測定情報から、単位時間における平均の消費電力または単位時間内における消費電力量を算出した上で、測定情報テーブル350に格納してもよい。
但し、測定器400が何らかの理由でリセットされ、それ以前に積算していた消費電力量が消去される場合がある。このような場合には、消費電力量の消去に伴って生じる誤差をさらに補正する必要がある。以下、このような補正処理について説明する。
図18は、本発明の実施の形態に従う管理システム2における測定情報の補正処理について説明するための図である。図18(a)には、測定器400が累積の消費電力量を測定情報として送信する場合における、測定情報の値についての時間的変化の一例を示す。図18(a)に示すように、ある期間の電気機器200における消費電力量は、当該期間における累積の消費電力量と直前の期間における累積の消費電力量との差分に相当する。そのため、測定情報テーブル350には、各期間において算出される差分が順次格納される。
ここで、時刻t0において、測定器400が何らかの理由によってリセットされてしまった場合を考える。この場合、リセットによって、測定器400が直前まで保持していた情報は消去され、累積の消費電力量もゼロクリアされる。すなわち、図18(a)に示すように、リセット直後は、累積の消費電力量がゼロから増大することになる。
このような場合、時刻t1から時刻t2の間(以下、「期間t1−2」と記す)における消費電力量は、時刻t1からリセット直前までの累積の消費電力量の差分(消費電力量Ea)と、リセット直後から時刻t2までの累積の消費電力量の差分(消費電力量Eb)との合計になる(E(t1−2)=Ea+Eb)。すなわち、リセット直前の消費電力量Eaを用いて補正を行なう必要がある。このような補正を行なった結果を図18(b)に示す。
図18(b)において、時刻t1から時刻t2の間(期間t1−2)における消費電力量は、時刻t2における消費電力量E(t2)と時刻t1における消費電力量E(t1)との差分になる(E(t1−2)=E(t2)−E(t1))。
なお、測定器400がリセットされたか否かについては、測定器400から通知するようにしてもよいし、期間前後において、累積の電力消費量が所定のしきい値を超えて変化している場合に、リセットされたと判定してもよい。
(e8:まとめ)
本実施の形態に従う管理システム2によれば、測定器400において測定された情報をそのまま格納することにより、頻繁に生じる測定情報の保存処理を簡素化できる。その上で、電力情報の出力がユーザによって要求された場合には、予め管理している履歴情報に基づいて、必要な測定情報を抽出することで、電力情報を生成できる。このような構成を採用することで、測定情報を格納する主体と、電力情報の生成/出力/表示を行なう主体とを互いに独立に設けることができる。また、測定器400と電気機器200(測定対象機器)との関連付けに誤りがあっても、後々での対処が可能になる。
[F.実施の形態1の第1変形例]
上述の実施の形態1においては、測定器400と電気機器200との過去の関連付けを含む履歴情報を保持する履歴情報テーブル150を用いる例を示したが、誤った電力情報をユーザに出力することを回避する観点からは、電気機器200の各々について、最新の関連付けの情報およびその有効時刻を保持するようにしてもよい。すなわち、実施の形態1の第1変形例に従う管理システム2は、履歴情報として、最も新しく関連付けられた測定器400を識別するための情報を、電気機器200の別に格納する。このような履歴情報を用いることで、各電気機器200の少なくとも1回前の接続変更時からの測定情報については、電力情報として出力することができる。
図19は、本発明の実施の形態1の第1変形例に従う管理システム2において用いられる履歴情報テーブル150Aのデータ構造の一例を示す図である。履歴情報テーブル150Aは、それぞれの電気機器200(測定対象機器)がいずれの測定器400に接続されているのか、および、その接続が開始された日時を格納する。すなわち、履歴情報テーブル150Aは、電気機器200と測定器400との関連付け、および、その関連付けが有効になった時刻を示す有効時刻情報を含む。
より具体的には、履歴情報テーブル150Aは、電気機器200(測定対象機器)の識別情報を格納する列1501と、対応する電気機器200の接続が開始された日時を示す列1502と、対応する電気機器200が接続されている測定器400の識別情報を格納する列1504とを含む。それぞれの電気機器200(測定対象機器)について、その接続先の測定器400が変更されるたびに、対応する列1502の内容は、接続が変更された時刻に更新されるとともに、対応する列1504の内容は、接続されている測定器400の識別情報に更新される。すなわち、図9(b)に示す履歴情報テーブル150に比較して、履歴情報テーブル150Aは、列1503が除かれている点、および、最新に接続された測定器400の識別情報のみが格納される点が異なっている。
図19に示す履歴情報テーブル150Aは、図10に示す「現在」の状態に対応して記載されており、いずれの測定器400にも接続されていない測定対象機器2については、履歴情報テーブル150Aにおいてもブランク(null)となっている(列1502および列1504)。
なお、データ格納装置300は、上述した実施の形態1において説明したように、測定情報を測定器400の別に時系列に格納する(測定情報テーブル350)。
図10および図19を参照して、表示装置100は、履歴情報テーブル150Aを参照して、測定対象機器1については、2011/7/2の17:50から現在まで測定器Aに接続されていると判定できる。そのため、表示装置100は、測定情報テーブル350において測定器Aに関連付けて格納されている2011/7/2の17:50から現在までの測定情報を抽出して、測定対象機器1についての電力情報を生成する。また、表示装置100は、測定情報テーブル350において測定器Bに関連付けて格納されている2011/4/15の10:05から現在までの測定情報を抽出して、測定対象機器3についての電力情報を生成する。但し、測定対象機器2については、測定器400に接続されていないので、電力情報は生成されない。また、測定対象機器1および3についても、現在接続されている測定器400より前に他の測定器400に接続されていたときの電力情報については生成されない。
本変形例では、少なくとも、各電気機器200の少なくとも1回前の接続変更時からの測定情報については電力情報として出力することができるので、履歴情報の管理を簡素化しつつ、正しい電力情報を生成および出力することができる。
[G.実施の形態1の第2変形例]
上述した実施の形態1の第1変形例においては、測定情報テーブル350および履歴情報テーブル150Aをそれぞれ格納する形態について例示したが、これらを一体的なテーブルとして実装してもよい。
図20は、本発明の実施の形態1の第2変形例に従う管理システム2において用いられ測定情報テーブル350Bのデータ構造の一例を示す図である。説明の便宜上、図20に示す測定情報テーブル350Bは、図10に示す「現在」の状態に対応して記載されている。
測定情報テーブル350Bは、対応する測定器400に最も新しく関連付けられている/関連付けられていた電気機器200(測定対象機器)の識別情報を格納する列3509と、対応する電気機器200の接続が開始された日時(関連付けが有効化された日時)を示す列3508とを含む。さらに、測定情報テーブル350Bには、測定器400からの測定情報が時系列に格納される(列3502B)。
ここで、測定情報テーブル350Bには、対応する電気機器200(測定対象機器)についての「接続開始日時」を始期として、測定器400ごとの測定情報が格納される。図10を参照してより具体的に説明すると、測定情報テーブル350Bの「測定器A」に対応する測定情報は、図10(a)に示すような測定器Aが測定する測定情報のうち、接続される電気機器が「測定対象機器2」から「測定対象機器1」へ変更された2011/7/2の17:50から現在までの部分に相当する。同様に、測定情報テーブル350Bの「測定器C」に対応する測定情報は、図10(a)に示すような測定器Cが測定する測定情報のうち、「測定対象機器3」が接続された2011/4/15の10:05から現在までの部分に相当する。一方、測定情報テーブル350Bの「測定器B」に対応する測定情報は、図10(a)に示すような測定器Bが測定する測定情報のうち、「測定対象機器1」が接続されていた、2011/2/1の23:45から2011/7/2の17:50までの部分に相当する。
例えば、表示装置100は、測定情報テーブル350Bを参照して、2011/2/1の23:45を始期として測定器Bに関連付けて格納されている測定情報を抽出するとともに、2011/7/2の17:50を始期として測定器Aに関連付けて格納されている測定情報を抽出することで、測定対象機器1についての電力情報を生成する。なお、それぞれ抽出される測定情報は、原理的に時間軸においてオーバラップすることはない。
同様に、表示装置100は、測定情報テーブル350Bを参照して、2011/4/15の10:05を始期として測定器Cに関連付けて格納されている測定情報を抽出することで、測定対象機器3についての電力情報を生成する。
但し、図20に示す測定情報テーブル350Bでは、測定対象機器2についての電力情報が生成されない。
本変形例では、少なくとも、各測定器400に接続された電気機器200についての最新の測定情報については電力情報として出力することができるので、履歴情報の管理を簡素化しつつ、正しい電力情報を生成および出力することができる。
[H.実施の形態1の第3変形例]
上述の実施の形態1ならびにその第1および第2変形例においては、表示装置100とデータ格納装置300とが別体である管理システム2を一例として説明したが、これらの機能を一体化した管理装置として実装してもよい。以下、管理システム2に係る機能を搭載する管理装置の典型例として、ホームコントローラ100Aについて説明する。
図21は、本発明の実施の形態1の第3変形例に従うホームコントローラ100Aを含む電力システム1Aの全体構成を示す模式図である。図22は、本発明の実施の形態1の第3変形例に従うホームコントローラ100Aのハードウェア構成を示す模式図である。
図21に示す電力システム1Aでは、図1に示す電力システム1に比較して、表示装置100およびデータ格納装置300に代えて、ホームコントローラ100Aが設けられている。図22に示すホームコントローラ100Aのハードウェア構成は、図2に示す表示装置100と同様である。但し、ホームコントローラ100Aでは、履歴情報テーブル150(または、履歴情報テーブル150A)に加えて、測定情報テーブル350を保存および管理する点が異なっている。
ホームコントローラ100Aは、上述した実施の形態1に従う管理システム2、実施の形態1の第1変形例に従う管理システム2、実施の形態1の第2変形例に従う管理システム2のいずれかが提供する全体機能を単一の装置で提供する。このホームコントローラ100Aにおける情報処理は、CPU101(図22)が周辺のハードウェアコンポーネントと連係してプログラムを実行することで実現される。一般的には、このようなプログラムは、メモリ110などに予めインストールされる。
このようなプログラムは、任意の記憶媒体に格納されて流通することで提供されうる。あるいは、このようなプログラムは、インターネットなどに接続されているサーバ装置からのダウンロードによって提供されうる。すなわち、記憶媒体から格納されているプログラムが読み出されて、または、サーバ装置からダウンロードによりプログラムが取得されて、メモリ110などに一旦格納される。そして、CPU101は、メモリ110に格納されたプログラムを実行可能な形式に展開した上で、当該プログラムを実行する。このようなプログラムを格納する記憶媒体としては、フラッシュメモリ、マスクROM、EPROM、EEPROM、ICカードなどの半導体記憶媒体、CD−ROMやDVD−ROMなどの光学ディスク記憶媒体、MOやMDなどの光磁気ディスク記憶媒体、FD、磁気テープ、カセットテープなどの磁気記憶媒体を用いることができる。
その他の点については、上述したので、詳細な説明は繰り返さない
本変形例では、より少ない装置構成を採用できるので、構成をより簡素化できるとともに、コスト低減についても寄与できる。
[I.実施の形態2]
(i1:概要)
本発明の実施の形態2に従う管理システム2についても、少なくとも1つの電気機器200における電力消費に関する電力を管理する。管理システム2は、各電気機器200に関連付けられた測定器400からそれぞれ送信される、当該電気機器200における電力消費に関する測定情報を取得する機能と、予め設定された測定器400と電気機器200との対応関係(対応関係テーブル360)に基づいて、各測定器400から取得した測定情報を対応する電気機器200に関連付けて時系列に格納する機能(測定情報テーブル370)とを有する。
一例として、図1に示す管理システム2においては、データ格納装置300が対応関係テーブル360および測定情報テーブル370を管理する。さらに、管理システム2は、電気機器200に関連付けて時系列に格納された測定情報(測定情報テーブル370)に基づいて、各電気機器200についての電力情報を出力する機能を有する。この電力情報を出力する機能については、表示装置100およびデータ格納装置300のいずれか一方または両方に存在していてもよい。以下では、典型的な構成として、表示装置100が電力情報を出力する機能を有する構成について説明する。
図23は、本発明の実施の形態2に従う管理システム2における測定情報の格納処理を説明するための図である。図23には、上述した実施の形態1で説明した図10と同様に、電気機器200と測定器400との対応関係が変更された例を示す。
本実施の形態においては、測定器400と電気機器200(測定対象機器)との対応関係(対応関係テーブル360)に基づいて、それぞれの測定器400から送信される測定情報が対応する電気機器200に関連付けて格納される。例えば、2011/2/1の23:45までの期間T1においては、測定器Aに測定対象機器1が対応付けられており、データ格納装置300は、測定器Aから取得した測定情報を測定対象機器1に関連付けて時系列に格納する。
この期間T1の後、電気機器200と測定器400との対応関係が更新されたとする。すなわち、期間T1に続く期間T2(2011/2/1の23:45から2011/4/15の10:05まで)においては、測定器Aに測定対象機器2が対応付けられており、測定器Bに測定対象機器1が対応付けられている。そのため、データ格納装置300は、測定器Aから取得した測定情報を測定対象機器2に関連付けて時系列に格納し、測定器Bら取得した測定情報を測定対象機器1に関連付けて時系列に格納する。
以下、期間T3およびT4についても同様に、それぞれの測定器400から取得した測定情報が電気機器200(測定対象機器)に関連付けて時系列に格納される。
このように、測定情報が電気機器200(測定対象機器)の別に時系列に格納されるので、それぞれの電気機器200(測定対象機器)についての電力情報を容易に出力することができる。
(i2:データ構造)
図24は、本発明の実施の形態2に従う管理システム2において用いられるテーブルのデータ構造の一例を示す図である。図24(a)は、対応関係テーブル360の一例を示し、図24(b)は、測定情報テーブル370の一例を示す。説明の便宜上、図24(a)に示す対応関係テーブル360および図24(b)に示す測定情報テーブル370は、図10に示す「現在」の状態に対応して記載されている。
データ格納装置300は、対応関係テーブル360を参照して、それぞれの測定器400と電気機器200との対応関係を判断する。より具体的には、対応関係テーブル360は、電気機器200(測定対象機器)の識別情報を格納する列3601と、対応する電気機器200が接続されている測定器400の識別情報を格納する列3602とを含む。それぞれの電気機器200(測定対象機器)について、その接続先の測定器400が変更されるたびに、対応する列1502の内容は、接続が変更された時刻に更新されるとともに、対応する列1504の内容は、接続されている測定器400の識別情報に更新される。なお、図24(a)においては、列3602に測定器400の名前が格納されている例を示すが、ネットワークアドレス(MACアドレスやIPアドレス)などを用いてもよい。
測定情報テーブル370は、電気機器200(測定対象機器)の識別情報を格納する列3701と、対応する電気機器200(測定対象機器)についての測定情報を順次格納する列3702とを含む。
列3702には、それぞれの測定器400から送信される測定情報が、接続されている電気機器200に対応する行に順次格納される。例えば、測定器Aで測定された時刻t1における測定情報A(t1)は、時刻t1において測定器Aが測定対象機器2に接続されていれば、測定対象機器2に対応する行へ格納される。同様に、測定器Bで測定された時刻t1における測定情報B(t1)は、時刻t1において測定器Bが測定対象機器1に接続されていれば、測定対象機器1に対応する行へ格納される。以下、接続変更(対応関係テーブル360の更新)がなされるまで、同様の処理が繰り返される。
その後、例えば、時刻tNにおいて、測定対象機器1の接続先が測定器Bから測定器Aへ変更されると、それ以降、測定対象機器1に対応する行へは、測定器Aで測定された測定情報A(tN+1)が格納されることになる。
測定情報テーブル370には、測定元の測定器400を識別するための情報とともに、測定情報を格納してもよい。すなわち、図24(b)に示す例では、測定情報A(t1)が「測定器A」からのものであることを示す情報を付加してもよい。
このように、本実施の形態に従う管理システム2は、予め設定された測定器400と電気機器200との対応関係に基づいて、各測定器400から取得した測定情報を対応する電気機器200に関連付けて時系列に格納する。
なお、本実施の形態に従う管理システム2では、上述した対応関係テーブル360および測定情報テーブル370に格納されるデータを保持できればよいので、図24に示すデータ構造に限られず、任意のデータ構造を採用することができる。また、対応関係テーブル360および測定情報テーブル370は、それぞれ異なる装置が管理するようにしてもよい。
(i3:測定情報)
実施の形態2において使用される測定情報については、上述の実施の形態1において説明したので、詳細な説明は繰り返さない。
(i4:電力情報の出力処理)
次に、本実施の形態に従う管理システムにおいて電力情報を出力する処理について説明する。
上述したように、本実施の形態においては、測定情報テーブル370に、電気機器200に関連付けて測定情報が時系列に格納される。そのため、ユーザが選択した電気機器200についての測定情報を容易に抽出することができる。
本実施の形態に従う管理システム2は、典型的には、上述の図11に示す表示画面600を提示する。すなわち、測定情報テーブル370の各行に格納される測定情報は、上述した図11に示す表示画面600内のグラフ602の生成にそのまま利用できる。そのため、電力情報の出力処理を簡素化できる。
なお、本実施の形態に従う管理システム2は、図11に示すような表示画面600に限られず、測定情報テーブル370に格納される測定情報に基づいて、様々な形態でユーザに電力情報を出力(提示)する。また、電力情報の出力形態としては、画面上での表示の他、電子メールによる情報送信、Webなどによる情報開示、プリンタなどによる紙媒体への印刷出力などとしてもよい。
(i5:処理手順)
次に、本実施の形態に従う管理システム2における処理手順について説明する。
図25は、本発明の実施の形態2に従う管理システム2における処理手順を示すシーケンス図である。図25を参照して、1つまたは複数の測定器400の各々は、接続されている電気機器200における電力消費に関する情報を測定し(ステップS50)、当該測定により取得された測定情報をデータ格納装置300へ送信する(ステップS52)。データ格納装置300は、いずれかの測定器400から測定情報を受信すると、対応関係テーブル360を参照して、測定情報の送信元の測定器400に対応付けられている電気機器200を特定する(ステップS54)。そして、データ格納装置300は、測定器400から受信した測定情報を、対応する電気機器に関連付けて測定情報テーブル370に時系列に格納する(ステップS56)。このステップS50〜S56の処理が、所定周期ごとまたは所定条件ごとに繰り返される。
その後、ユーザが、いずれかの測定器400に接続される電気機器200を変更したとする(ステップS60)。このとき、ユーザは、表示装置100においてこの変更に伴う設定変更操作を行なう(ステップS62)。すると、表示装置100は、ユーザによりなされた設定変更操作の内容を示す設定変更情報をデータ格納装置300へ送信する。データ格納装置300は、この設定変更情報に基づいて、対応関係テーブル360の内容を更新する(ステップS74)。この対応関係テーブル360の内容の変更後も、ステップS50〜S56の処理が、所定周期ごとまたは所定条件ごとに繰り返される。
その後、ユーザが、表示装置100において電力情報の出力を要求する操作を行なったとする(ステップS70)。この要求する操作には、電力情報を出力する対象の電気機器200(測定対象機器)の選択も含まれるものとする。この要求する操作に応答して、表示装置100は、データ格納装置300に選択された電気機器200についての測定情報を要求する(ステップS72)。データ格納装置300は、測定情報テーブル370から、指定された電気機器200に関連付けられた測定情報を抽出し、表示装置100へ送信する(ステップS74)。表示装置100は、データ格納装置300から受信した測定情報に基づいて、ユーザが選択した電気機器200についての電力情報を出力する(ステップS76)。
ユーザが表示装置100に対して、別の電力情報の出力を要求した場合には、上述と同様の処理によって、要求された電力情報が作成および出力される。
(i6:設定変更操作)
測定器400に接続される電気機器200が変更される際に実行される、設定変更の操作例については、上述の実施の形態1において説明したので、詳細な説明は繰り返さない。
(i7:補正処理)
上述の実施の形態1において説明した補正処理についても、実施の形態2に同様に適用することができる。補正処理の内容については、上述の実施の形態1において説明したので、詳細な説明は繰り返さない。
[J.実施の形態2の第1変形例]
上述の実施の形態2においては、予め設定された測定器400と電気機器200との対応関係を示す対応関係テーブル360と、各測定器400から取得した測定情報を対応する電気機器200に関連付けて時系列に格納する測定情報テーブル370とを別々に構成する例を示したが、いずれのテーブルについても、電気機器200(測定対象機器)の識別情報がキーになっているので、両者を同一のテーブルとして構成してもよい。すなわち、実施の形態2の第1変形例に従う管理システム2では、各測定器400から取得した測定情報を格納するテーブルに、測定器400と電気機器200との対応関係が付加される。
図26は、本発明の実施の形態2の第1変形例に従う管理システム2において用いられる測定情報テーブル370Aのデータ構造の一例を示す図である。図26を参照して、測定情報テーブル370Aは、電気機器200(測定対象機器)の識別情報を格納する列3701と、対応する電気機器200(測定対象機器)の接続が開始された日時を示す列3702と、対応する電気機器200(測定対象機器)が接続されている測定器400の識別情報を格納する列3705と、対応する電気機器200(測定対象機器)についての測定情報を順次格納する列3702とを含む。
それぞれの電気機器200(測定対象機器)について、その接続先の測定器400が変更されるたびに、対応する列3074および3075の内容が更新される。すなわち、列3074の内容は、接続が変更された時刻に更新され、列3075の内容は、接続変更後の測定器400を示す識別情報に更新される。
データ格納装置300は、いずれかの測定器400から測定情報を受信すると、測定情報テーブル370Aを参照して、当該測定情報の送信元の測定器400に対応付けられている電気機器200(測定情報テーブル370Aにおける行)を特定し、当該特定した行に受信した測定情報を順次格納する。
本変形例では、データ格納装置300によるテーブルのアクセス回数を低減できるとともに、対応関係および測定情報の管理を容易化できる。
但し、測定情報テーブル370Aの列3074に格納される「接続開始日時」の内容は必須ではない。しかしながら、図11に示す電力情報の表示画面600に、この「接続開始日時」を重ねて表示することもでき、それによりユーザは、現在の測定器400と電気機器200との間の対応関係がいつから有効であるのかを知ることができる。
[K.実施の形態2の第2変形例]
上述の実施の形態2およびその第1変形例においては、表示装置100とデータ格納装置300とが別体である管理システム2を一例として説明したが、これらの機能を一体化した管理装置として実装してもよい。このような管理システム2に係る機能を搭載する管理装置としては、典型例には、ホームコントローラとして実装される。このようなホームコントローラを含む電力システムの全体構成は、上述の図21に示す電力システム1Aと同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。また、ホームコントローラのハードウェア構成については、上述の図22に示すホームコントローラ100Aのハードウェア構成と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
ホームコントローラは、上述した実施の形態2に従う管理システム2または実施の形態2の第1変形例に従う管理システム2が提供する全体機能を単一の装置で提供する。このホームコントローラにおける情報処理は、CPU101(図22)が周辺のハードウェアコンポーネントと連係してプログラムを実行することで実現される。一般的には、このようなプログラムは、メモリ110などに予めインストールされる。このようなプログラムの提供形態についても、上述の実施の形態1において説明したので、詳細な説明は繰り返さない。
本変形例では、より少ない装置構成を採用できるので、構成をより簡素化できるとともに、コスト低減についても寄与できる。
[L:その他の実施の形態]
上述の実施の形態1および2ならびにそれらの変形例においては、典型的な構成として、電力システム1に関連付けられたローカルな管理システム2の構成例を示したが、いわゆるクラウドシステムに代表されるような、より高度にネットワーク化された構成を採用してもよい。
例えば、本実施の形態に従う管理システムをクラウドシステムとして実現する場合には、測定情報を格納する機能、電力情報を生成する機能、履歴情報を保持・管理する機能、対応関係を保持・管理する機能の全部または一部を、外部のサーバ装置などに実行させることになる。このような場合、典型的には、電力システム1が存在するローカル側の機能としては、測定器400からの測定情報をリモート側のサーバ装置へ転送する機能や、リモート側のサーバ装置からの電力情報を表示するためのデータを受信してディスプレイ上に表示する機能などが存在することになる。また、電力情報をリモート側のサーバ装置で生成する場合には、Webブラウザなどを介して、任意の場所およびデバイスから必要な電力情報へアクセスすることもできる。
[M.まとめ]
上述したように、本実施の形態によれば、電気機器200の買い換え/買い増しや部屋の模様替えなどによって、同一の測定器400に接続される電気機器200が変更された場合であっても、それぞれの電気機器200についての、過去からの一連の測定情報を容易に管理することができる。また、これらの測定情報を用いて、電力情報をより容易に生成および出力できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。