JP6876559B2 - 香箱車及び香箱ふたの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は香箱車及び香箱ふたの製造方法に関する。
機械式の時計は、動力源として香箱車を備えている。香箱車は、外周面に歯が形成された香箱体の内部に、香箱真に巻き付けられるぜんまいが設けられていて、香箱真にぜんまいが巻き付けられることで動力が蓄えられ、ぜんまいが解けることで動力が解放されて香箱体が回転する。香箱体は、一端面が開口した香箱と、この開口した一端面を塞ぐように香箱に嵌め合わされた香箱ふたとで構成されている。
ここで、香箱と香箱ふたとの嵌め合わせの固定力を増大させる構造として、香箱の外周を塑性変形させて香箱ふたを固定するカシメ部を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
実開昭53−91540号公報
しかし、カシメ部を形成するためには、香箱を塑性変形させるカシメの工程を設ける必要があり、香箱車の製造コストの上昇を招く。また、仮に、ぜんまいを交換する等のために香箱ふたを香箱から取り外す場合は、カシメ部をカシメ前の状態に再度変形させる必要があり、手間が掛るとともに、カシメ部が過度に変形したものは再利用することができず、新品との交換が必要となる。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、カシメによらずに、香箱と香箱ふたとの嵌め合わせの固定力を増大させた香箱車及び香箱ふたの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1は、ぜんまいと、前記ぜんまいが巻き付けられる香箱真と、内部空間に前記ぜんまいを収容する香箱体と、を備え、前記香箱体は、一端面が開口した香箱と、開口した前記一端面を塞ぐように前記香箱に嵌め合わされた香箱ふたと、を有し、前記香箱ふたは、前記香箱と嵌め合わされる外周面が、前記外周面以外の他の面に比べて粗い表面粗さで形成されている香箱車である。
本発明の第2は、香箱車の香箱に嵌め合わされる香箱ふたを、平板から打ち抜くプレス加工の工程と、前記プレス加工の工程で打ち抜かれた前記香箱ふたを研磨する研磨工程と、を有し、前記研磨工程が、前記香箱ふたの外周面の表面粗さを粗くする工程を兼ねる香箱ふたの製造方法である。
本発明の第3は、香箱車の香箱に嵌め合わされる香箱ふたで、中心に香箱真を通す孔が形成されたものを、平板から打ち抜くプレス加工の工程と、前記香箱ふたを複数重ねた状態で、前記孔に棒材を通した状態に固定する固定工程と、前記固定工程で前記棒材に固定された状態の前記香箱ふたに対して、前記香箱ふたの外周面の表面粗さを粗くする外周面調整工程と、前記外周面調整工程の後、前記棒材から前記香箱ふたを取り外す工程と、を有する香箱ふたの製造方法である。
本発明に係る香箱車及び香箱ふたの製造方法によれば、カシメによらずに、香箱と香箱ふたとの嵌め合わせの固定力を増大させることができる。
本発明に係る香箱車の一例である香箱車を示す斜視図である。 図1に示した香箱車の、香箱真の軸心に沿った断面を示す断面図である。 図2における香箱と香箱ふたとが嵌め合わされる部分の詳細を示す拡大断面図である。 プレス加工で打ち抜かれた香箱ふたを厚さ方向に複数重ねた状態で、香箱ふたの孔に段付きの棒材に通して固定した状態を示す模式図である。
以下、本発明に係る香箱車の実施形態及び本発明に係る香箱ふたの製造方法について、図面を参照して説明する。図1は本発明に係る香箱車の一例である香箱車100を示す斜視図、図2は図1に示した香箱車100の、香箱真110の軸心Cに沿った断面を示す断面図、図3は、図2における香箱130と香箱ふた140とが嵌め合わされる部分の詳細を示す拡大断面図である。
<構成>
本実施形態の香箱車100は、機械式の腕時計に用いられ、図1に示すように、ぜんまい120と、ぜんまい120が巻き付けられる香箱真110と、図2に示す内部空間160にぜんまい120を収容する香箱体150と、を備えている。香箱体150は、一端面が開口し、他端面が塞がれた短円筒状の香箱130と、その一端面の開口135(図3参照)を塞ぐように香箱130に嵌め合わされた香箱ふた140と、を有している。香箱130の外周面には、歯車の歯139が形成されている。この歯139は、腕時計の輪列機構における二番車のカナと噛み合う。
香箱ふた140は、図1に示すように、凹凸の無い平らな円板状に形成され、その中心部に円形の孔145が形成されている。この孔145は、香箱真110を回転自在に支持する。したがって、孔145の側面である内周面144は、香箱真110の軸を回転自在に支持する軸受である。
香箱ふた140は、外周面143が、香箱130と嵌め合わされる嵌合面となっている。この外周面143は、内周面144に比べて粗い表面粗さRa(算術平均粗さ(JIS規格JIS B 0601:2001))で形成されている。内周面144は、前述したように、香箱真110の軸受となるため、香箱真110の軸心C回りの回転を妨げないように表面粗さRaが滑らかである。したがって、外周面143は内周面144に比べて、表面粗さRaは粗い。
外周面143の表面粗さRaは例えば60[nm]以上であり、内周面144の表面粗さRaは例えば50[nm]以下である。すなわち、外周面143の表面粗さRaは、内周面144の表面粗さRaよりも20[%]以上粗い。なお、本発明に係る香箱車の香箱ふたにおける外周面の表面粗さRaは60[nm]以上であるものに限定されず、内周面144の表面粗さRaは50[nm]以下であるものに限定されず、外周面の表面粗さRaが内周面の表面粗さRaよりも20[%]以上粗いものに限定されない。
なお、香箱ふた140の外周面143に形成された凹部148(図1参照)は、香箱130に嵌め合わされた香箱ふた140を香箱130から取り外すために、香箱ふた140の内表面142に引っ掛ける工具を通すための部分であり、凹部148は無くてもよい。
図3に示すように、香箱130の、香箱ふた140と嵌め合わされる周壁131の図示上部(開口した端部)には、内部空間160の内径よりも大きい直径の嵌合面133を形成する段差面132が形成されている。すなわち、段差面132は、周壁131の図示上部において、周壁131の内周面から半径方向の外方に略水平に延びた面として形成され、その段差面132の外縁から周壁131の延びた図示上方に沿った嵌合面133が形成されている。なお、厳密には、嵌合面133は、開口した端部に向かうにしたがって、軸心Cからの半径が小さくなるように、すなわち開口した端部に向かうにしたがって窄(すぼ)まるように傾斜していて、上端には面取り134が形成されている。面取り134は無くてもよい。
そして、香箱ふた140の外径は、香箱130の嵌合面133の最も小さい内径よりも大きく形成されている。この結果、香箱ふた140の外周面143が、香箱130の嵌合面133に嵌めわされた状態で、周壁131の段差面132よりも開口側の部分(嵌合面133を内周面とする周壁131の部分)又はこの部分に周壁131の少なくとも一部を含めた部分は、軸心Cを中心とする半径方向の外方に傾いて弾性変形した状態となり、この弾性変形の復元力(半径方向の内方に戻る力)により、嵌合面133と外周面143との間に摩擦力が発生し、香箱ふた140は香箱130に固定された状態となる。
このとき、香箱ふた140の外周面143は、香箱ふた140の他の面に比べて粗い表面粗さRaに形成されているため、外周面が他の面と同程度の表面粗さRaに形成されている香箱ふたに比べて、嵌合面133との間で発生する摩擦力を大きくすることができる。したがって、本実施形態の香箱車100は、香箱130に香箱ふた140を嵌め合わせた後に、香箱130の外周を塑性変形させて香箱ふた140を香箱130に固定するカシメ部を設けることなく、香箱130に対する香箱ふた140の固定力を増大させることができる。
本実施形態の香箱車100の香箱ふた140は、外周面143の表面粗さRaは例えば60[nm]以上であるため、嵌合面133との接触による固定力(香箱130から香箱ふた140を軸心C方向に沿って引き離す荷重)を、例えば10[N]以上確保することができる。したがって、腕時計の落下など、通常起こり得る衝撃の入力によっても、香箱130から香箱ふた140が脱落するのを防止又は抑制することができる。なお、本発明に係る香箱車の香箱ふたにおける外周面の表面粗さRaは60[nm]以上であるものに限定されない。
本実施形態の香箱車100の香箱ふた140は、外周面143の表面粗さRaが、内周面144の表面粗さRaよりも20[%]以上粗いため、内周面144による香箱真110の滑らかな回転と、外周面143による香箱ふた140の固定とを確実に両立することができる。なお、本発明に係る香箱車の香箱ふたにおける外周面の表面粗さRaは内周面の表面粗さRaよりも20[%]以上粗いものに限定されない。香箱ふた140の外周面143の表面粗さRaが内周面144の表面粗さRaよりも粗いものであれば、内周面144による香箱真110の滑らかな回転と、外周面143による香箱ふた140の強固な固定とを両立することができる。
上述した実施形態の香箱車100は、香箱130の嵌合面133が軸心Cに対して内部空間160に向く方向に傾いているが、本発明の香箱車は、この嵌合面133が軸心Cに対して傾かずに平行であってもよい。このように構成された香箱車によっても、香箱ふたの外周面が香箱ふたの他の面と同程度の表面粗さRaに形成されている香箱ふたと比べて、嵌合面133との間で発生する摩擦力を大きくすることができ、カシメ部を設けることなく、香箱に対する香箱ふたの固定力を増大させることができる。
本実施形態の香箱車100の香箱ふた140は、平板状の板材をプレス加工により、外形と孔145とが打ち抜かれて形成されたものであるが、本発明に係る香箱車の香箱ふたは、プレス加工で形成されたものに限定されず、旋削により形成されたものであってもよい。ただし、平板状の香箱ふたは、プレス加工で形成することにより製造コストを抑制することができるため、プレス加工で形成するのが好ましい。なお、本発明に係る香箱車における香箱ふたは、平板状のものに限定されず、凹凸が形成されていてもよい。この場合、プレス加工でなく旋削で形成されていてもよい。
本実施形態の香箱車100の香箱ふた140は、例えば厚さが寸法200[μm]±10[μm]であり、一般的な香箱車の香箱体における香箱ふたとしては、香箱と嵌め合わされる部分の厚さが薄い。このように厚さの薄い香箱ふた140により、香箱体150の外形の大きさを変えずに、内部空間160の容積を大きくすることができる。この結果、香箱体150の外形の大きさを変えずに、内部空間160に収容することができるぜんまい120の大きさを大きくすることができ、これにより、香箱車100の動力を大きくすることができる。なお、本発明の香箱車における香箱ふたの厚さは、寸法200[μm]±10[μm]に限定されないが、寸法100[μm]よりも厚い方が好ましい。
本実施形態の香箱車100の香箱ふた140は、例えば、ビッカース硬さHv150〜180という比較的硬い材料(例えば、真鍮(黄銅))で形成されている。このように硬い材料で形成されている香箱ふた140は、プレス加工で型により剪断された際に、その剪断面が千切られずに滑らかな面として形成され易く、特に内周面144については、別途研磨によって滑らかに加工する必要がない場合がある。
本発明に係る香箱車の香箱ふたは、ビッカース硬さHv150〜180の材料に限定されず、ビッカース硬さHv150以下の材料であってもよいし、ビッカース硬さHv180以上の材料であってもよいが、ビッカース硬さHv150〜200の材料、特にビッカース硬さHv150〜180の材料が好ましい。なお、ビッカース硬さHv200以上の材料の場合、香箱ふた140の外周面143に香箱130の嵌合面133の食い付き量が減って、摩擦力による固定力が低減する可能性がある。
本実施形態の香箱車100は、香箱ふた140の外周面143の表面粗さが内周面144に比べて粗いものであるが、外周面143が嵌め合わされる、香箱130の嵌合面133も、表面粗さが相対的に粗く形成されていてもよい。具体的には、香箱130は、内部空間160にぜんまい120が収容されるため、香箱130の内部空間160に臨む部分は、動いているぜんまい120と接触する可能性がある。そして、香箱130が動いているぜんまい120と接触すると、接触で生じる摩擦力によって、ぜんまい120のエネルギが消費される。
したがって、香箱130の内部空間160に臨む部分の表面粗さを滑らかに形成しておくことで、仮にぜんまい120と接触しても、エネルギの消費を低減することができる。一方、香箱130の嵌合面133が、香箱130の内部空間160に臨む部分に比べて、表面粗さが粗く形成されていることにより、香箱ふた140の外周面143と嵌め合わされた状態での、嵌合面133と外周面143との間の摩擦力を一層増大させることができ、香箱ふた140の固定力を一層強固にすることができる。
本実施形態の香箱車100は、香箱ふた140の外周面143が内周面144に比べて粗い表面粗さRaで形成されているものであるが、香箱ふた140の内表面142は外周面143に比べても表面粗さRaが滑らかであることが好ましい。内表面142は内部空間160(図2参照)に臨む面であり、内部空間160はぜんまい120が収容されるため、内表面142にはぜんまい120が接触する可能性がある。仮に、ぜんまい120と接触したときの摩擦力を軽減するために、内表面142は表面粗さRaが滑らかであることが好ましい。なお、外周面143が、外表面141に比べて表面粗さRaが粗いものであってもよい。
<香箱ふたの製造方法>
次に本実施形態の香箱ふた140の製造方法について説明する。この香箱ふた140の製造方法は、本発明に係る香箱ふたの製造方法の一実施形態である。香箱ふた140の製造方法は、平板の部材から、中心に孔145が形成された円板状の香箱ふた140を打ち抜くプレス加工の工程と、プレス加工の工程で打ち抜かれた香箱ふた140の面を研磨する研磨工程と、を有する。
ここで、プレス加工で打ち抜かれた香箱ふた140は、その外形や孔145の周囲に、プレス型の打ち抜き方向の面側に、鋭利なエッジが形成される。研磨工程は、主にこの鋭利なエッジを丸める工程であり、例えば、研磨用のメディアを用いたバレル研磨などを適用することができる。なお、研磨工程はバレル研磨に限定されず、研磨用のやすり等を用いて手作業で行うものであってもよい。
本実施形態の香箱ふた140の製造方法においては、研磨工程が、香箱ふた140の外周面143の表面粗さを粗くする工程を兼ねている。すなわち、研磨工程では、バレル研磨により、香箱ふた140の外形や孔145の周囲に形成された鋭利なエッジが丸められるとともに、メディアによって、外周面143の全周の表面粗さが粗くされる。これにより、香箱130に香箱ふた140を嵌め合わせた後に香箱130の外周を塑性変形させて香箱ふた140を香箱130に固定するカシメ部を設ける必要の無い、香箱130に対する固定力を増大させた香箱ふた140を製造することができる。
しかも、本実施形態の香箱ふた140の製造方法は、既存の研磨工程によって外周面143の表面粗さを粗くすることができるため、既存のプレス加工の工程及び研磨工程に追加して新たに表面粗さを粗くする工程を設ける必要が無い。
なお、香箱ふた140の孔145に面した内周面144は、香箱真110を回転自在に支持するため、前述したように香箱真110の回転を阻害しないように、その表面粗さが滑らかであることが好ましい。つまり、内周面144は外周面143に比べて表面粗さが滑らかであることが好ましい。ここで、本実施形態の香箱ふた140は、比較的硬い材料で形成されているため、プレス加工で打ち抜かれた内周面144は、剪断面が千切られずに滑らかな面として形成されていて、研磨によって表面粗さを滑らかに加工する必要がない。
そこで、本実施形態の香箱ふた140の製造方法は、研磨工程において、内周面144の表面粗さを粗くしなければよい。具体的には、研磨工程で用いる研磨用のメディアの粒径を、内周面144が面する孔145の直径よりも大きいサイズとすればよい。このように研磨用のメディアの粒径を孔145の直径よりも大きくして研磨工程を行うことで、メディアは孔145を通らないため、メディアが孔145に面した内周面144の表面粗さを粗くするのを防止することができる。これにより、内周面144の表面粗さを、プレス加工の工程で得られた滑らかな状態に維持することができる。
<香箱ふたの製造方法の他の実施形態>
なお、上述した実施形態の香箱ふた140の製造方法は、バレル研磨により、プレス加工で打ち抜かれた香箱ふた140の外周面143の表面粗さを粗くする製造方法であるが、外周面143の表面粗さを粗くする工程としては上述した実施形態に限定されない。
図4は、プレス加工で打ち抜かれた香箱ふた140を厚さ方向に複数重ねた状態で、香箱ふた140の孔145に段付きの棒材400に通して固定した状態を示す模式図である。本発明に係る香箱ふたの製造方法の他の実施形態は、香箱車100の香箱130に嵌め合わされる香箱ふた140で、中心に香箱真110を通す孔145が形成されたものを、平板から打ち抜くプレス加工の工程と、香箱ふた140を厚さ方向に複数枚(例えば10枚)重ねた状態で、孔145に棒材400を通した状態に固定する固定工程と、固定工程で棒材400に固定された状態の香箱ふた140に対して、香箱ふた140の外周面143の表面粗さを粗くする外周面調整工程と、外周面調整工程の後、棒材400から香箱ふた140を取り外す工程と、を有している。
ここで、棒材400は、軸方向に、太径部410と細径部420とが連なって形成されている。太径部410は、香箱ふた140の孔145の内径よりも外径が大きい。細径部420は、外形が、孔145の内径よりもわずかに小さい。細径部420の外径は具体的には、孔145に挿入可能の太さであって、かつ、孔145に挿入した状態で、香箱ふた140が半径方向のがたつきがほとんど生じない程度の太さである。細径部420には、ねじ溝が形成されていて、このねじ溝にはナット430が噛み合う。
固定工程では、図4に示すように、香箱ふた140を厚さ方向に複数枚重ねた状態で、孔145に棒材400の細径部420を通し、細径部420のねじ溝にナット430をねじ止めする。このとき、細径部420が通された複数の香箱ふた140は、ナット430がねじ止めされることにより、太径部410の端面に突き当たった状態に軸方向に寄せられる。そして、細径部420のねじ部とナット430のねじ止めにより、香箱ふた140は、棒材400に固定される。この状態で、半径方向の外側は、香箱ふた140の外周面が軸方向に複数連なって、軸方向に長い1つの外周面のように形成される。
外周面調整工程では、棒材400を軸回りに回転させながら、棒材400に固定された状態の複数の香箱ふた140の外周面143に、例えばショットピーニングや、サンドブラスト、エアブラスト等を施して、香箱ふた140の外周面143の表面粗さを粗くする。なお、このとき、棒材400が通されている孔145に面した内周面144には、ショットピーニング等は施されないため、内周面144は表面粗さを滑らかな状態に維持することができる。また、香箱ふた140の外表面141や内表面142に、ショットピーニングのショット等が当たらないようにすることで、外表面141や内表面142も、表面粗さが粗くならないようにすることができる。
なお、香箱ふた140を厚さ方向に複数枚重ねた状態の積層体の、軸方向の両端面をそれぞれ覆うカバー部材を配置することで、両端面において露出した外表面141及び内表面142に、ショット等が誤って当たるのを物理的に防止してもよい。
外周面調整工程の後の、香箱ふた140を取り外す工程は、棒材400からナット430を緩めて取り外し、外周面143の表面粗さが粗くされた複数の香箱ふた140を棒材400から取り外す。これにより、香箱130に香箱ふた140を嵌め合わせた後に香箱130の外周を塑性変形させて香箱ふた140を香箱130に固定するカシメ部を設けること必要の無い、香箱130に対する固定力を増大させた香箱ふた140を製造することができる。
なお、この実施形態の香箱ふた140の製造方法は、プレス加工の工程と固定工程との間に、プレス加工の工程で打ち抜かれた香箱ふた140の面を研磨する研磨工程を設けてもよい。
100 香箱車
110 香箱真
120 ぜんまい
130 香箱
133 嵌合面
135 開口
140 香箱ふた
143 外周面
150 香箱体
160 内部空間
C 軸心

Claims (9)

  1. ぜんまいと、前記ぜんまいが巻き付けられる香箱真と、内部空間に前記ぜんまいを収容する香箱体と、を備え、
    前記香箱体は、一端面が開口した香箱と、開口した前記一端面を塞ぐように前記香箱に嵌め合わされた香箱ふたと、を有し、
    前記香箱ふたは、前記香箱と嵌め合わされる外周面が、前記外周面以外の他の面に比べて粗い表面粗さで形成されている香箱車。
  2. 前記香箱ふたは、前記香箱真を支持する孔を有し、
    前記香箱ふたの前記外周面の表面粗さは、前記孔の側面である内周面の表面粗さよりも粗い請求項1に記載の香箱車。
  3. 前記外周面の表面粗さRaは、前記内周面の表面粗さRaよりも20[%]以上粗い請求項2に記載の香箱車。
  4. 前記外周面の表面粗さRaは60[nm]以上である請求項1から3のうちいずれか1項に記載の香箱車。
  5. 前記香箱ふたは平板状に形成されている請求項1から4のうちいずれか1項に記載の香箱車。
  6. 前記香箱の、前記香箱ふたの外周面が嵌め合わされる嵌合面の表面粗さは、前記内部空間に臨む部分のうち前記ぜんまいと接触する部分の表面粗さより粗い請求項1から5のうちいずれか1つに記載の香箱車。
  7. 香箱車の香箱に嵌め合わされる香箱ふたを、平板から打ち抜くプレス加工の工程と、
    前記プレス加工の工程で打ち抜かれた前記香箱ふたを研磨する研磨工程と、を有し、
    前記研磨工程が、前記香箱ふたの外周面の表面粗さを粗くする工程を兼ねる香箱ふたの製造方法。
  8. 前記香箱ふたが、香箱真を支持する孔を有し、
    前記研磨工程で使用する研磨用のメディアの粒径が、前記孔の径より大きい請求項7に記載の香箱ふたの製造方法。
  9. 香箱車の香箱に嵌め合わされる香箱ふたで、中心に香箱真を通す孔が形成されたものを、平板から打ち抜くプレス加工の工程と、
    前記香箱ふたを複数重ねた状態で、前記孔に棒材を通した状態に固定する固定工程と、
    前記固定工程で前記棒材に固定された状態の前記香箱ふたに対して、前記香箱ふたの外周面の表面粗さを粗くする外周面調整工程と、
    前記外周面調整工程の後、前記棒材から前記香箱ふたを取り外す工程と、を有する香箱ふたの製造方法。
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