JP6875051B2 - 改善されたゴム組成物及びその使用 - Google Patents

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Description

本願は、ゴム組成物にひずみ誘起結晶化を発生させるか又は強化することができる化学添加剤を含有するゴム組成物を目的とする。
天然ゴムは、高レベルのひずみ誘起結晶化を示すことが知られている。ひずみ誘起結晶化は、応力(ひずみ)に供されたときに非晶質材料が受ける相変態である。一般的に、結晶質ポリマー鎖は、秩序化されており(平行)かつ最密であり、非晶質ポリマー鎖は、秩序化されていない。ひずみ誘起結晶化の機構は、その顕著な引張強度及び良好な亀裂成長耐性を含む、天然ゴムの独自の特性に主に寄与していると考えられる。ポリイソプレン、ポリブタジエン、及びスチレン−ブタジエンコポリマーなどの合成ゴムは、天然ゴムが有する高レベルのひずみ誘起結晶化を本質的に示さない。
本明細書に記載する実施形態は、ゴム組成物へのひずみ誘起結晶化を発生させるか又は強化することができる化学添加剤を含有するゴム組成物、及びサイドウォール又はトレッドなどの1つ以上の構成部品にこのゴム組成物を含有するタイヤに関する。同様に、特定の実施形態は、化学添加剤を用いることによって、タイヤトレッド又はタイヤサイドウォールにおける摩耗の低減又は耐久性の改善を達成する方法に関する。
第1の実施形態では、本開示は、(a)50〜100phrの、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー、合成共役ジエンモノマー含有コポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(b)0〜50phrの、モノオレフィン含有ポリマー、少なくとも1つのモノオレフィン及び少なくとも1つのアルファ−オレフィンのコポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(c)1〜10phrの、式(I):M(OCR)(I)(式中、Mは、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、及びイリジウムからなる群から選択される遷移金属であり、Rは、C3〜C18アルキルから選択される)を有する少なくとも1つの成核剤と;(d)1〜20phrの、少なくとも1つのプロセス油と;(e)0〜100phrの、少なくとも1つの補強充填剤と、を含むゴム組成物を目的とする。更に、硬化時に、ゴム組成物は、以下の(i)又は(ii)のうちの少なくとも1つを満たす。(i)式(I)の成核剤は含有しないが、式(I)の少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(25%スリップで測定)を有することによって示される摩耗の低減を示す、及び(ii)ひずみ誘起結晶化を示す。
第2の実施形態では、本開示は、(a)50〜100phrの、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー、合成共役ジエンモノマー含有コポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(b)0〜50phrの、モノオレフィン含有ポリマー、少なくとも1つのモノオレフィン及び少なくとも1つのアルファ−オレフィンのコポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(c)1〜10phrの、250〜1000グラム/モルの分子量及び式(II):N(RNHC(=O)R(II)(式中、Rは、C1〜C20アルキレン、C2〜C20アルケニレン、C3〜C20シクロアルキレン、C5〜C20アリーレン及びC7〜C20アルカリレンから選択され、Rは、C3〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C3〜C20アルケニル、C3〜C20アルキニル、及びC5〜C20アリールから選択される)を有する少なくとも1つの成核剤と;(d)1〜20phrの、少なくとも1つのプロセス油と;(e)0〜100phrの、少なくとも1つの補強充填剤と、を含むゴム組成物を目的とする。更に、硬化時に、ゴム組成物は、以下の(i)又は(ii)のうちの少なくとも1つを満たす。(i)式(II)の成核剤は含有しないが、式(II)の少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(65%スリップで測定)を有することによって示される摩耗の低減を示す;及び(ii)ひずみ誘起結晶化を示す。
示す。
第3の実施形態では、本開示は、タイヤトレッド又はタイヤサイドウォールにおける摩耗の低減又は耐久性の改善を達成する方法を目的とする。この方法は、第1又は第2の実施形態のゴム組成物をタイヤトレッド又はサイドウォールに組み込むことを含む。
第4の実施形態では、本開示は、合成ゴムに基づくゴム組成物においてひずみ誘起結晶化を達成する方法を目的とする。この方法は、硬化パッケージと共に、第1又は第2の実施形態のゴム組成物を使用することを含み、硬化時に、このゴム組成物は、ひずみ誘起結晶化を示す。
本開示は、ゴム組成物における化学添加剤の使用であって、この添加剤が、ひずみ誘起結晶化を発生させるか又はこれを強化する能力を有し、それによって、このゴム組成物をタイヤで利用したときに、摩耗の低減又は耐久性の改善につながる使用に関する。
上述のとおり、第1の実施形態では、本開示は、(a)50〜100phrの、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー、合成共役ジエンモノマー含有コポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(b)0〜50phrの、モノオレフィン含有ポリマー、少なくとも1つのモノオレフィン及び少なくとも1つのアルファ−オレフィンのコポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(c)1〜10phrの、式(I):M(OCR)(I)(式中、Mは、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、及びイリジウムからなる群から選択される遷移金属であり、Rは、C3〜C18アルキルから選択される)を有する少なくとも1つの成核剤と;(d)1〜20phrの、少なくとも1つのプロセス油と;(e)0〜100phrの、少なくとも1つの補強充填剤と、を含むゴム組成物を目的とする。更に、硬化時に、ゴム組成物は、以下の(i)又は(ii)のうちの少なくとも1つを満たす。(i)式(I)の成核剤は含有しないが、式(I)の少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(25%スリップで測定)を有することによって示される摩耗の低減を示す;及び(ii)ひずみ誘起結晶化を示す。
第2の実施形態では、本開示は、(a)50〜100phrの、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー、合成共役ジエンモノマー含有コポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(b)0〜50phrの、モノオレフィン含有ポリマー、少なくとも1つのモノオレフィン及び少なくとも1つのアルファ−オレフィンのコポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(c)1〜10phrの、250〜1000グラム/モルの分子量及び式(II):
N(RNHC(=O)R(II)(式中、Rは、C1〜C20アルキレン、C2〜C20アルケニレン、C3〜C20シクロアルキレン、C5〜C20アリーレン及びC7〜C20アルカリレンから選択され、Rは、C3〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C3〜C20アルケニル、C3〜C20アルキニル、及びC5〜C20アリールから選択される)を有する少なくとも1つの成核剤と;(d)1〜20phrの、少なくとも1つのプロセス油と;(e)0〜100phrの、少なくとも1つの補強充填剤と、を含むゴム組成物を目的とする。更に、硬化時に、ゴム組成物は、以下の(i)又は(ii)のうちの少なくとも1つを満たす。(i)式(II)の成核剤は含有しないが、式(II)の少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(65%スリップで測定)を有することによって示される摩耗の低減を示す;及び(ii)ひずみ誘起結晶化を示す。
上述のとおり、第3の実施形態では、本開示は、タイヤトレッド又はタイヤサイドウォールにおける摩耗の低減又は耐久性の改善を達成する方法を目的とする。この方法は、第1又は第2の実施形態のゴム組成物をタイヤトレッド又はサイドウォールに組み込むことを含む。言い換えれば、第3の実施形態は、第1又は第2のゴム組成物を以下のとおりタイヤトレッド又はタイヤサイドウォールに組み込むことによって、タイヤトレッド又はタイヤサイドウォールにおける摩耗又は耐久性の改善を達成する方法を目的とする。第1のゴム組成物は、(a)50〜100phrの、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー、合成共役ジエンモノマー含有コポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(b)0〜50phrの、モノオレフィン含有ポリマー、少なくとも1つのモノオレフィン及び少なくとも1つのアルファ−オレフィンのコポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(c)1〜10phrの、式(I):M2(O2CR)4(I)(式中、Mは、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテ
ニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、及びイリジウムからなる群から選択される遷移金属であり、Rは、C3〜C18アルキルから選択される)を有する少なくとも1つの成核剤と;(d)1〜20phrの、少なくとも1つのプロセス油と;(e)0〜100phrの、少なくとも1つの補強充填剤と、を含む。更に、硬化時に、この第1のゴム組成物は、以下の(i)又は(ii)のうちの少なくとも1つを満たす。(i)式(I)の成核剤は含有しないが、式(I)の少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(25%のスリップ率で測定)を有することによって示される摩耗の低減を示す;及び(ii)ひずみ誘起結晶化を示す。第2のゴム組成物は、(a)50〜100phrの、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー、合成共役ジエンモノマー含有コポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(b)0〜50phrの、モノオレフィン含有ポリマー、少なくとも1つのモノオレフィン及び少なくとも1つのアルファ−オレフィンのコポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(c)1〜10phrの、250〜1000グラム/モルの分子量及び式(II):N(RNHC(=O)R(II)(式中、Rは、C1〜C20アルキレン、C2〜C20アルケニレン、C3〜C20シクロアルキレン、C5〜C20アリーレン及びC7〜C20アルカリレンから選択され、は、C3〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C3〜C20アルケニル、C3〜C20アルキニル、及びC5〜C20アリールから選択される)を有する少なくとも1つの成核剤と;(d)1〜20phrの、少なくとも1つのプロセス油と;(e)0〜100phrの、少なくとも1つの補強充填剤と、を含む。更に、硬化時に、第2のゴム組成物は、以下の(i)又は(ii)のうちの少なくとも1つを満たす。(i)式(II)の成核剤は含有しないが、式(II)の少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(65%のスリップ率で測定)を有することによって示される摩耗の低減を示す;及び(ii)ひずみ誘起を示す。
上述のとおり、第4の実施形態では、本開示は、合成ゴムに基づくゴム組成物においてひずみ誘起結晶化を達成する方法を目的とする。この方法は、硬化パッケージと共に、第1又は第2の実施形態のゴム組成物を使用することを含み、硬化時に、このゴム組成物は、ひずみ誘起結晶化を示す。言い換えれば、第4の実施形態は、ゴム組成物が、以下のとおり、第1又は第2のゴム組成物を含む、合成ゴムに基づくゴム組成物においてひずみ誘起結晶化を達成する方法を目的とする。第1のゴム組成物は、(a)50〜100phrの、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー、合成共役ジエンモノマー含有コポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(b)0〜50phrの、モノオレフィン含有ポリマー、少なくとも1つのモノオレフィン及び少なくとも1つのアルファ−オレフィンのコポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(c)1〜10phrの、式(I):M2(O2CR)4(I)(式中、Mは、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、及びイリジウムからなる群から選択される遷移金属であり、Rは、C3〜C18アルキルから選択される)を有する少なくとも1つの成核剤と;(d)1〜20phrの、少なくとも1つのプロセス油と;(e)0〜100phrの、少なくとも1つの補強充填剤と、を含む。更に、硬化時に、この第1のゴム組成物は、以下の(i)又は(ii)のうちの少なくとも1つを満たす。(i)式(I)の成核剤は含有しないが、式(I)の少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(25%のスリップ率で測定)を有することによって示される摩耗の低減を示す;及び(ii)ひずみ誘起結晶化を示す。第2のゴム組成物は、(a)50〜100phrの、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー、合成共役ジエンモノマー含有コポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(b)0〜50phrの、モノオレフィン含有ポリマー、少なくとも1つのモノオレフィン及び少なくとも1つのアルファ−オレフィンのコポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(c)1〜10phrの、250〜1000グラム/モルの分子量及び式(II):N(RNHC(=O)R(II)(式中、Rは、C1〜C20アルキレン、C2〜C20アルケニレン、C3〜C20シクロアルキレン、C5〜C20アリーレン及びC7〜C20アルカリレンから選択され、、Rは、C3〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C3〜C20アルケニル、C3〜C20アルキニル、及びC5〜C20アリールから選択される)を有する少なくとも1つの成核剤と;(d)1〜20phrの、少なくとも1つのプロセス油と;(e)0〜100phrの、少なくとも1つの補強充填剤と、を含む。更に、硬化時に、第2のゴム組成物は、以下の(i)又は(ii)のうちの少なくとも1つを満たす。(i)式(II)の成核剤は含有しないが、式(II)の少なくとも1つの脂肪質成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(65%のスリップ率で測定)を有することによって示される摩耗の低減を示す;及び(ii)ひずみ誘起結晶化を示す。
定義
本明細書に記載する用語は、実施形態を説明するためだけのものであり、全体として本発明を限定すると解釈すべきではない。
本明細書で使用するとき、用語「アルキル」とは、直鎖又は分枝鎖状の構造を有し、任意選択的に、酸素、窒素、又は硫黄によって置換される1つ以上のメチレンをその中に有していてもよい、飽和した一価又は二価の炭化水素部分を指す。
本明細書で使用するとき、用語「アルケニル」とは、直鎖又は分枝鎖状の構造及び炭素間に少なくとも1つの二重結合を有し、任意選択的に、酸素、窒素、又は硫黄によって置換される1つ以上のメチレンをその中に有していてもよい、飽和した一価又は二価の炭化水素部分を指す。
本明細書で使用するとき、用語「芳香族」は、炭素に基づく単環式芳香族化合物(すなわち、ベンゼン)、単環式ヘテロ原子含有芳香族化合物(例えば、フラン、ピロール、チオペン、ピリジン)、及び多環式芳香族化合物(炭素に基づくもの(例えば、ナフタレン、アントラセン)及びヘテロ原子を含有するもの(例えば、キノリン)の両方)を含む。
本明細書で使用するとき、略語「mL」は、ミリリットルを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「phr」は、ゴム100部当たりの部を意味する。ゴム100部は、(a)少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと、(b)少なくとも1つのポリマー又はコポリマーとの合計を含む。
本明細書で使用するとき、用語「ポリイソプレン」は、合成ポリイソプレンを意味する。言い換えれば、この用語は、イソプレンモノマーから製造されたポリマーを示すために用いられ、天然由来のゴム(例えば、パラゴムノキ天然ゴム、グアユール起源の天然ゴム、又はタンポポ起源の天然ゴム)を含むと解釈すべきではない。
本明細書で使用するとき、用語「天然ゴム」は、パラゴムノキ属のゴムの木、グアユールの低木、及びタンポポ(例えば、TKS)などの原料から採取することができるものなどの天然由来のゴムを意味する。言い換えれば、用語「天然ゴム」は、合成ポリイソプレンを含むと解釈すべきではない。
ポリマー
上述のとおり、第1〜第4の実施形態によるゴム組成物は、(a)50〜100phrの、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー、合成共役ジエンモノマー含有コポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(b)0〜50phrの、モノオレフィン含有ポリマー、少なくとも1つのモノオレフィン及び少なくとも1つのアルファ−オレフィンのコポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーとを含む。本明細書における様々な例では、句「成分(a)」及び「成分(b)」は、前述のものを指すために用いられる。第1〜第4の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物は、80〜100phrの量の成分(a)を含む。特定のこのような実施形態では、成分(a)は、80〜100phrの、85%以上のシス1,4−結合含量を有するポリブタジエン、ポリイソプレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される合成共役ジエンモノマー含有ポリマーと;0〜20phrの、85%未満のシス1,4−結合含量を有するポリブタジエン、スチレン−ブタジエンコポリマー、ネオプレン、イソブチレン、天然ゴム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される共役ジエンモノマー含有ポリマーとを含む。第1〜第4の実施形態によるゴム組成物は、成分(a)について、50〜100phr(合計)の、85%以上のシス1,4−結合含量を有する1つ以上のポリブタジエン、1つ以上のポリイソプレン、及びこれらの組み合わせを含むことができることを理解すべきである。
上述のとおり、第1〜第4の実施形態によれば、ゴム組成物は、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー、合成共役ジエンモノマー含有コポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーを含む成分(a)を含む。合成共役ジエンモノマー含有ポリマーの非限定的な例は、ポリブタジエン及びポリイソプレンである。合成共役ジエンモノマー含有コポリマーの非限定的な例は、スチレン−ブタジエンコポリマー及びスチレン−イソプレンコポリマーである。
上述のとおり、第1〜第4の実施形態による特定の実施形態では、成分(a)の合成共役ジエンモノマー含有ポリマーは、ポリブタジエンを含み、ポリブタジエンは、85%以上のシス1,4−結合含量を有する。第1〜第4の実施形態の特定の実施形態では、ポリブタジエンは、90%以上、92%以上、又は95%以上のシス1,4−結合含量を有する。第1〜第4の実施形態の特定の実施形態では、ポリブタジエンは、85〜99%、85〜98%、85〜97%、90〜99%、90〜98%、90〜97%、92〜99%、92〜98%、92〜97%、95〜99%、95〜98%、又は95〜97%のシス1,4−結合含量を有する。
一般的に、85%以上、90%以上、92%以上、又は95%以上のシス1,4−結合含量を有するポリブタジエンを生成するための様々な重合法が公知であり、得られるポリブタジエンが指定のシス1,4−結合含量を有する限り、ポリブタジエンを生成する具体的な方法は限定されないことを理解すべきである。この割合は、ジエンマー単位(diene mer units)の合計数に対するシス−1,4連結を採用する、ジエンマー単位の数に基づいている。高シス1,4−ポリブタジエンの重合は、米国特許第3,297,667号、同第3,541,063号、同第3,794,604号、同第4,461,883号、同第4,444,903号、同第4,525,594号、同第4,699,960号、同第5,017,539号、同第5,428,119号、同第5,064,910号、及び同第5,844,050号、同第7,094,849号に記載されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。例示的な重合法としては、遷移金属(例えば、ネオジムなどのランタニド)に基づくチーグラー・ナッタ触媒、ニッケル触媒、及びチタン系触媒を使用するものに加えて、溶液、乳化、及びバルク重合プロセスが挙げられるが、これらに限定されない。一般的に、ポリブタジエンなどの所与のポリマー中のシス1,4−、ビニル1,2−、及びトランス1,4−結合連結含量は、赤外分光法などの標準的かつ十分に確立された分析方法によって求めることができる。
上述のとおり、第1〜第4の実施形態による特定の実施形態では、成分(a)の合成共役ジエンモノマー含有ポリマーは、ポリイソプレンを含む。第1〜第4の実施形態による特定の実施形態では、ポリイソプレンは、高シスポリイソプレンである。第1〜第4の実施形態による特定の実施形態では、高シスポリイソプレンは、90%以上のシス1,4−結合含量を有する。第1〜第4の実施形態の特定の実施形態では、ポリイソプレンは、90%以上、92%以上、又は95%以上のシス1,4−結合含量を有する。第1〜第4の実施形態の特定の実施形態では、ポリイソプレンは、90〜99%、90〜98%、90〜97%、92〜99%、92〜98%、92〜97%、95〜99%、95〜98%、又は95〜97%のシス1,4−結合含量を有する。
一般的に、90%以上のシス1,4−結合含量を有するポリイソプレンンを含むポリイソプレンを生成するための様々な重合法が公知であり、得られるポリマーが所望のシス1,4−結合含量を有する限り、ポリイソプレンを生成する具体的な方法は限定されないことを理解すべきである。ポリブタジエンに関して既に論じたとおり、この割合は、ジエンマー単位の合計数に対するシス−1,4連結を採用するジエンマー単位の数に基づいている。高シスポリイソプレンの重合は、米国特許第8,664,343号、同第8,188,20号、同第7,008,899号、同第6,897,270号、同第6,699,813号に記載されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。例示的な重合法としては、チーグラー・ナッタ触媒系を使用するもの、及び炭化水素溶媒中でアルキルリチウムなどの有機金属触媒を用いるアニオン性重合を使用するものが挙げられるが、これらに限定されない。ポリブタジエンに関して既に論じたとおり、ポリイソプレンなどの所与のポリマー中のシス−1,4−、1,2−、及びトランス−1,4−連結含量は、赤外分光法などの標準的かつ十分に確立された分析方法によって求めることができる。
上述のとおり、第1〜第4の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物の成分(a)は、0〜20phrの、85%未満のシス1,4−結合含量を有するポリブタジエン、スチレン−ブタジエンコポリマー、ネオプレン、イソブチレン、天然ゴム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される共役ジエンモノマー含有ポリマー又はコポリマーを含む。列挙した共役ジエンモノマー含有ポリマー及びコポリマーのそれぞれを生成するための様々な方法が公知である。同様に、それぞれの多数の商業的供給元も周知である。非限定的な例として、Firestone Polymersは、様々な等級の40%のシス1,4−結合含量を有するDiene(商標)ポリブタジエン、及び様々な等級のDuradene(商標)溶液重合スチレン−ブタジエンコポリマーを供給している。乳化重合スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマーの官能化バージョン、ネオプレン、イソブチル、及び天然ゴムの供給元を含む、列挙した共役ジエンモノマー含有ポリマー及びコポリマーの他の商業的供給元も周知である。
上述のとおり、第1〜第4の実施形態によれば、ゴム組成物は、0〜50phrの、モノオレフィン含有ポリマー、少なくとも1つのモノオレフィン及び少なくとも1つのアルファ−オレフィンのコポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーを含む成分(b)を含む。第1〜第4の実施形態の特定の実施形態では、成分(b)は、モノオレフィン及びアルファ−オレフィンの少なくとも1つのコポリマーを含む。本明細書で使用するとき、モノオレフィン及びアルファ−オレフィンのコポリマーという句は、1つ以上の追加のモノマーに加えてこれらのモノマーを含むポリマー(その非限定的な例としては、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)などのターポリマーが挙げられる)を含むと理解すべきである。特定のこのような実施形態では、以下のうちの少なくとも1つを満たす。モノオレフィンがエチレンである;及びアルファ−オレフィンが、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。当業者であれば理解するとおり、アルファ−オレフィンは、アルファ−オレフィンが一級又はアルファ−炭素において二重結合を有するオレフィンのサブグループも表す。一般的に、アルファ−オレフィンは、直鎖状であっても分枝鎖状であってもよい。また、モノオレフィンは、モノオレフィンが1つの二重結合を有するオレフィンのサブグループも表す。第1〜第4の実施形態の特定の実施形態においてモノオレフィンとして使用するのに好適な例示的なモノオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、並びにシクロオレフィン(シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−ノルボルネン、及びテトラシクロデセンなど)などのC2〜C30オレフィンが挙げられる。第1〜第4の実施形態の特定の実施形態においてアルファ−オレフィンとして使用するのに好適な例示的なアルファ−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、及び1−エイコセンが挙げられる。第1〜第4の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物は、成分(b)について、50phr以下(25phr以下、10phr以下を含む)の量のエチレン−プロピレンコポリマー(EPMコポリマーとも呼ばれる)を含む。
成核剤
上述のとおり、第1の実施形態、並びに第3及び第4の実施形態の特定の実施形態によれば、ゴム組成物は、1〜10phrの、式(I)を有する少なくとも1つの成核剤を含む。式(I)は、以下のとおりである。M(OCR)(I)(式中、Mは、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、及びイリジウムからなる群から選択される遷移金属であり、Rは、C3〜C18アルキルから選択される)。式(I)内のOCの存在に基づいて、成核剤は、金属カルボキシレート、より具体的には、二金属テトラカルボキシレートとして記載することができる。第1、第3、及び第4の実施形態による特定の実施形態では、式(I)の少なくとも1つの成核剤は、C6〜C12アルキルから選択されるRを有する。第1、第3、及び第4の実施形態による特定の実施形態では、式(I)の少なくとも1つの成核剤は、銅、亜鉛、コバルト、鉄、及びマンガンからなる群から選択されるMを有する。第1、第3、及び第4の実施形態による特定の実施形態では、式(I)の成核剤は、銅2+、すなわち、原子価2を有する銅のMを有する。一般的に、第1、第3、及び第4の実施形態によるゴム組成物は、式(I)を有する1つ、2つ、又はそれ以上の成核剤を含むことができ、成核剤の総量は1〜10phrとすることができることを理解すべきである。第1、第3、及び第4の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物は、式(I)を有する1つの成核剤を含む。第1、第3、及び第4の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物は、式(II)を有する少なくとも1つの成核剤と組み合わせて、式(I)を有する少なくとも1つの成核剤を含み、全ての成核剤の総量は1〜10phrである。
上述のとおり、第2の実施形態、並びに第3及び第4の実施形態の特定の実施形態によれば、ゴム組成物は、1〜10phrの、式(II)を有し、かつ250〜1000グラム/モルの分子量を有する少なくとも1つの成核剤を含む。式(II)は、以下のとおりである。N(RNHC(=O)R(II)(式中、Rは、C1〜C20アルキレン、C2〜C20アルケニレン、C3〜C20シクロアルキレン、C5〜C20アリーレン及びC7〜C20アルカリレンから選択され、は、C3〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C3〜C20アルケニル、C3〜C20アルキニル、及びC5〜C20アリールから選択される)。第2、第3、及び第4の実施形態の特定の実施形態では、式(II)の少なくとも1つの成核剤は、式フェニル−Rを有するRを有し、Rは、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C3〜C20シクロアルキル、及びC5〜C20アリールからなる群から選択される。第2、第3、及び第4の実施形態の特定の実施形態では、式(II)の少なくとも1つの成核剤は、N,N’,N’’−(ニトリロトリ−2,1−エタンジイル)トリス[4−エチルベンズアミド]を含む。第2、第3、及び第4の実施形態の特定の実施形態では、式(II)の少なくとも1つの成核剤は、60〜170℃(100〜140℃を含む)の融解温度を有する。一般的に、第2、第3、及び第4の実施形態によるゴム組成物は、式(II)を有する1つ、2つ、又はそれ以上の成核剤を含むことができることを理解すべきである。第2、第3、及び第4の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物は、式(II)を有する1つの成核剤を含む。第2、第3、及び第4の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物は、式(I)を有する少なくとも1つの成核剤と組み合わせて、式(II)を有する少なくとも1つの成核剤を含み、全ての成核剤の総量は1〜10phrである(2〜5phrを含むと理解すべきである)。
第1〜第4の実施形態の特定の実施形態では、式(I)又は式II)のいずれかの少なくとも1つの成核剤は、2〜5phrの量で存在する。上述のとおり、第1〜第4の実施形態のゴム組成物中の成核剤の総量は、1〜10phrであり、特定の実施形態では、2〜5phrであることを理解すべきである。言い換えれば、2つ以上の成核剤を利用するとき、総量は、1〜10phrである(2〜5phrを含むことを理解すべきである)。
プロセス油
上述のとおり、第1〜第4の実施形態によれば、ゴム組成物は、1〜20phrの少なくとも1つのプロセス油を含む。芳香族、ナフテン系、及び低PCA油が挙げられるがこれらに限定されない、様々な種類のプロセス油を利用してよい。好適な低PCA油としては、IP346法によって測定したとき3重量パーセント未満の多環式芳香族含量を有するものが挙げられる。IP346法の手順は、Institute of Petroleum(英国)発行のStandard Methods for Analysis & Testing of Petroleum and Related Products and British Standard 2000 Parts,2003,62nd editionに見出しうる。好適な低PCA油としては、軽度抽出溶媒和物(MES)、処理留出物芳香族抽出物(TDAE)、TRAE、及び重ナフテン系が挙げられる。好適なMES油は、CATENEX SNR(SHELL製)、PROREX 15及びFLEXON 683(EXXONMOBLE製)、VIVATEC 200(BP製)、PLAXOLENE MS(TOTALFINAELF製)、TUDALEN 4160/4225(DAHLEKE製)、MES−H(REPSOL製)、MES(Z8製)、並びにOLIO MES S201(AGIP製)として市販されている。好適なTDAE油は、TYREX 20(EXXONMOBIL製)、VIVATEC 500、VIVATEC 180、及びENERTHENE 1849(BP製)、並びにEXTENSOIL 1996(REPSOL製)として入手可能である。好適な重ナフテン系油は、SHELLFELX 794、ERGON BLACK OIL、ERGON H2000、CROSS C2000、CROSS C2400、及びSAN JOAQUIN 2000Lとして入手可能である。また、好適な低PCA油としては、野菜、木の実、及び種子から採取できるものなど、様々な植物起源の油も挙げられる。非限定的な例としては、ダイズ油、ヒマワリ油、サフラワー油、コーン油、亜麻仁油、綿実油、菜種油、カシュー油、ゴマ油、ツバキ油、ホホバ油、マカダミアナッツ油、ココナツ油、及びヤシ油が挙げられるが、これらに限定されない。
第1〜第4の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物中の少なくとも1つの成核剤(式(I)であろうと式(II)であろうと)と少なくとも1つのプロセス油との合計量は、20phr以下である。特定のこのような実施形態では、少なくとも1つの成核剤(式(I)であろうと式(II)であろうと)の量は、1〜10phrであり、少なくとも1つのプロセス油の量は、10〜19phrであることを理解すべきである。特定のこのような実施形態では、少なくとも1つの成核剤(式(I)であろうと式(II)であろうと)の量は、2〜5phrであり、少なくとも1つのプロセス油の量は、15〜18phr(5〜15phrを含む)である。
充填剤
上述のとおり、第1〜第4の実施形態によれば、ゴム組成物は、0〜100phrの少なくとも1つの補強充填剤を含む。第1〜第4の実施形態の特定の実施形態では、補強充填剤の総量は、5〜100phrである。第1〜第4の実施形態の特定の実施形態では、補強充填剤の総量は、20〜100phrである。好ましくは、第1〜第4の実施形態によるゴム組成物は、0〜100phr(5〜100phr及び20〜100phrを含む)の、シリカ若しくはカーボンブラックのうちの少なくとも一方、又は両方の組み合わせを含む少なくとも1つの補強充填剤を含む。
本明細書で使用するとき、用語「補強充填剤」は、カーボンブラック充填剤及び無機充填剤の両方を含むことを意図する。したがって、本明細書に開示する第1〜第4の実施形態によれば、ゴム組成物は、(合計)0〜100phr(5〜100phr、20〜100phrを含む)の、1つ以上のカーボンブラック及び1つ以上の無機充填剤のうちの少なくとも1つを含む。特定のこのような実施形態では、ゴム組成物は、少なくとも1つのカーボンブラック及び少なくとも1つの無機充填剤の両方を含む。第1〜第4の実施形態によるゴム組成物において使用するのに好適な無機充填剤は、特に限定されず、非限定的な例としては、シリカ、水酸化アルミニウム、タルク、粘土、アルミナ(Al)、アルミニウム水和物(AlO)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、炭酸アルミニウム(Al(CO)、窒化アルミニウム、酸化マグネシウムアルミニウム(MgOAl)、ケイ酸アルミニウム(AlSiO、Al.3SiO.5HOなど)、ケイ酸カルシウムアルミニウム(Al.CaOSiOなど)、パイロフィライト(Al4SiO.HO)、ベントナイト(Al.4SiO.2HO)、窒化ホウ素、雲母、カオリン、ガラスバルーン、ガラスビーズ、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)、ケイ酸カルシウム(CaSiOなど)、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム(MH(OH))、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO、MgSiOなど)、ケイ酸カルシウムマグネシウム(CaMgSiO)、酸化チタン、二酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム(ZrO)、水酸化ジルコニウム[Zr(OH).nHO]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO]、結晶質アルミノシリケート、補強等級の酸化亜鉛(すなわち、補強酸化亜鉛)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
第1〜第4の実施形態の特定の実施形態では、利用されるシリカ(二酸化ケイ素)としては、水中で化学反応させ、超微細球形粒子として沈殿させることによって生成される湿式処理水和シリカが挙げられる。1種類以上のシリカを利用することができる。特定の前述の実施形態では、シリカは、約32〜約400m/g、別の実施形態では、約100〜約250m/g、別の実施形態では、約200〜約300m/g、更に別の実施形態では、約150〜約220m/gの表面積(窒素表面積)を有する。特定の前述の実施形態では、シリカ充填剤のpHは、約5.5〜約7であり、別の実施形態では、約5.5〜約6.8である。市販されているシリカとしては、Hi−Sil(商標)215、Hi−Sil(商標)233、Hi−Sil(商標)255LD、及びHi−Sil(商標)190(PPG Industries(米国ペンシルバニア州Pittsburgh)製、)、Zeosil(商標)1165MP及び175GRPlus(Rhodia製)、Vulkasil(商標)(Bary AG製)、Ultrasil(商標)VN2、VN3(Degussa製)、並びにHuberSil(商標)8745(Huber製)が挙げられる。
第1〜第4の実施形態の特定の実施形態では、利用されるカーボンブラックは、一般的に利用可能な商業的に生産されているカーボンブラックのいずれかを含んでもよい。これらとしては、少なくとも20m/グラム、他の実施形態では、少なくとも35m/グラム、最高200m/グラム又はそれ以上の表面積(EMSA)を有するものが挙げられる。表面積の値としては、ASTM試験D−1765によって、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)技術を用いて求められるものが挙げられる。中でも有用なカーボンブラックは、ファーネスブラック、チャネルブラック、及びランプブラックである。より具体的には、カーボンブラックの例としては、超耐摩耗性ファーネス(SAF)ブラック、高耐摩耗性ファーネス(HAF)ブラック、良押出性ファーネス(FEF)ブラック、微粒性ファーネス(FF)ブラック、準超耐摩耗性ファーネス(ISAF)ブラック、中補強性ファーネス(SRF)ブラック、中級作業性チャネルブラック、硬質作業性(hard processing)チャネルブラック、及び導電性チャネルブラックが挙げられる。利用してもよい他のカーボンブラックとしては、アセチレンブラックが挙げられる。上記ブラックのうちの2つ以上の混合物を使用することもできる。例示的なカーボンブラックとしては、ASTM規格番号(D−1765−82a)N−110、N−220、N−339、N−330、N−351、N−550、及びN−660を有するものが挙げられる。1つ以上の実施形態では、カーボンブラックは、酸化カーボンブラックを含んでもよい。1つ以上のカーボンブラックを利用してもよい。
硬化パッケージ
第1〜第4の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物は硬化パッケージを含む。一般的に、硬化パッケージは、加硫剤;加硫促進剤;加硫活性化剤(例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸など);加硫阻害剤、及びスコーチ防止剤のうちの少なくとも1つを含む。第1〜第4の実施形態の特定の実施形態では、硬化パッケージは、少なくとも1つの加硫剤と、少なくとも1つの加硫促進剤と、少なくとも1つの加硫活性化剤と、任意選択的に、加硫阻害剤及び/又はスコーチ防止剤とを含む。加硫促進剤及び加硫活性化剤は、加硫剤の触媒として作用する。加硫阻害剤及びスコーチ防止剤は、当該技術分野において既知であり、所望の加硫特性に基づいて当業者が選択することができる。
第1〜第4の実施形態の特定の実施形態によるゴム組成物において使用するのに好適な種類の加硫剤の例としては、硫黄又は過酸化物系硬化成分が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、特定のこのような実施形態では、硬化成分は、硫黄系硬化剤又は過酸化物系硬化剤を含む。具体的な好適な硫黄加硫剤の例としては、「ゴム製造業者の(rubbermaker's)」可溶性硫黄;二硫化アミン、高分子量のポリスルフィド、又は硫黄とオレフィンの付加体などの硫黄を与える硬化剤;及び不溶性高分子量硫黄が挙げられる。好ましくは、硫黄加硫剤は、可溶性硫黄、又は可溶性及び不溶性の高分子量硫黄の混合物である。硬化において使用される好適な加硫剤及び他の成分、例えば、加硫阻害剤及びスコーチ防止剤の一般的な開示については、Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,3rd ed.,Wiley Interscience,N.Y.1982,Vol.20,pp.365〜468、特に、Vulcanization Agents and Auxiliary Materials,pp.390〜402又はVulcanization by A.Y.Coran,Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,Second Edition(1989 John Wiley & Sons,Inc.)を参照することができ、これらはいずれも参照により本明細書に組み込まれる。加硫剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。一般的に、加硫剤は、1〜7.5phr、1〜5phr、及び好ましくは1〜3.5phrを含む0.1〜10phrの範囲の量で使用される。
加硫促進剤は、加硫に必要な時間及び/又は温度を制御し、加硫物の特性を改善するために使用される。本明細書に開示する第1〜第4の実施形態の特定の実施形態によるゴム組成物において使用するのに好適な加硫促進剤の例としては、チアゾール加硫促進剤、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2,2’−ジチオビス(ベンゾチアゾール)(MBTS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾール−スルフェンアミド(TBBS)など;グアニジン加硫促進剤、例えば、ジフェニルグアニジン(DPG)など;チウラム加硫促進剤;カルバメート加硫促進剤などが挙げられるが、これらに限定されない。一般的に、使用される加硫促進剤の量は、0.1〜10phr、好ましくは0.5〜5phrの範囲である。
加硫活性化剤は、加硫を補助するために使用される添加剤である。一般的に、加硫活性化剤は、無機成分及び有機成分の両方を含む。酸化亜鉛は、最も広く使用されている無機加硫活性化剤である。ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、及びこれらのそれぞれの亜鉛塩を含む様々な有機加硫活性化剤が、一般的に使用されている。一般的に、使用される加硫活性化剤の量は、0.1〜6phr、好ましくは0.5〜4phrの範囲である。
加硫阻害剤は、加硫プロセスを制御するため、そして一般的には、所望の時間及び/又は温度に達するまで加硫を遅らせるか又は阻害するために使用される。一般的な加硫阻害剤としては、Santogard製のPVI(シクロヘキシルチオフタルミド)が挙げられるが、これらに限定されない。一般的に、加硫阻害剤の量は、0.1〜3phr、好ましくは0.5〜2phrである。
充填剤の混合
第1〜第4の実施形態によるゴム組成物がカーボンブラック以外に(又はカーボンブラックに加えて)充填剤を含む場合、他の充填剤の個々の添加につき別個の再粉砕段階を使用することが多い。この段階は、多くの場合、マスターバッチ段階で使用される温度、すなわち、約90℃から約150℃の落下温度への勾配、と同様であるが、わずかに低いことが多い温度で実施される。この出願の目的のために、用語「マスターバッチ」は、マスターバッチ段階中に存在する組成物若しくは任意の再粉砕段階中に存在する組成物、又はこれらの両方を意味する。
硬化剤、促進剤などは、一般的に、最終混合段階で添加される。望ましくないスコーチ及び/又は加硫の早期開始を避けるために、この混合工程は、より低い温度で行われることが多く、例えば、約60℃〜約65℃で開始し、約105℃〜約110℃よりも高くはしない。この出願の目的のために、用語「最終バッチ」は、最終混合段階中に存在する組成物を意味する。
摩耗の低減又は耐久性の改善
既に論じたとおり、本明細書に開示する第1の実施形態によれば、ゴム組成物は、(i)又は(ii)のうちの少なくとも1つを満たし、(i)は、以下のとおりである。式(I)の成核剤は含有しないが、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー組成物中の少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(65%スリップで測定)を有することによって示される摩耗の低減を示す。既に論じたとおり、本明細書に開示する第2の実施形態によれば、ゴム組成物は、(i)又は(ii)のうちの少なくとも1つを満たし、(i)は、以下のとおりである。式(II)の成核剤は含有しないが、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー組成物中の少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(25%スリップで測定)を有することによって示される摩耗の低減を示す。
既に論じたとおり、本明細書に開示する第3の実施形態は、タイヤトレッド又はタイヤサイドウォールにおける摩耗の低減又は耐久性の改善(本明細書ではこれらの2つの用語は互換的に使用される)を達成する方法であって、第1の実施形態又は第2の実施形態によるゴム組成物をタイヤトレッド又はタイヤサイドウォールに組み込むことを含む方法を目的とする。言い換えれば、第3の実施形態は、成分(a)〜(e)を含むゴム組成物をタイヤトレッド又はタイヤサイドウォールに組み込むことを含む、タイヤトレッド又はタイヤサイドウォールにおける摩耗の低減又は耐久性の改善を達成する方法を目的とする。成分は、(a)50〜100phrの、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー、合成共役ジエンモノマー含有コポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(b)0〜50phrの、モノオレフィン含有ポリマー、少なくとも1つのモノオレフィン及び少なくとも1つのアルファ−オレフィンのコポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(c)1〜10phrの、式(I)又は式(II)の少なくとも1つの成核剤と;(d)1〜20phrの、少なくとも1つのプロセス油と;(e)0〜100phrの、少なくとも1つの補強充填剤とである。式(I)及び式(II)は、以下で論じるとおりである。更に、硬化時に、式(I)による少なくとも1つの成核剤が組み込まれたゴム組成物は、以下の条件(i)又は(ii)のうちの少なくとも1つを満たす。(i)式(I)の成核剤は含有しないが、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー組成物中の少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(65%スリップで測定)を有することによって示される摩耗の低減を示す;及び(ii)結晶化を示す。更に、硬化時に、式(II)による少なくとも1つの成核剤が組み込まれたゴム組成物は、以下の条件(i)又は(ii)のうちの少なくとも1つを満たす。(i)式(I)の成核剤は含有しないが、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー組成物中の少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(25%スリップで測定)を有することによって示される摩耗の低減を示す;及び(ii)結晶化を示す。
本明細書で使用するとき、タイヤトレッド又はタイヤサイドウォールにおける摩耗又は耐久性の改善は、対象ゴム組成物において用いられる(式(I)であろうと式(II)であろうと)少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有すること以外は同一組成の「対照」ゴム組成物の使用と比べて測定される。非限定的な例としては、対象ゴム組成物が4phrの成核剤及び6phrのプロセス油を含有する場合、「対照」又は比較ゴム組成物は、0phrの成核剤及び10phrのプロセス油を含有することになる。摩耗又は耐久性の改善を、対象ゴム組成物の摩耗指数を計算することによって測定することができる。摩耗又は耐久性の改善は、対象ゴム組成物が、(式(I)であろうと式(II)であろうと)成核剤は含有しないが、対象ゴム組成物中の少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(指定のスリップ率で測定)を有するときに存在すると考えられる。それに対応して、このようなゴム組成物は、摩耗の低減を示しているか又は増大した耐摩耗性を有していると言うこともできる。第1及び第2の実施形態による特定の実施形態では、摩耗又は耐久性の改善は、以下のいずれかの対象ゴム組成物によって示される。式(I)を有する成核剤を含み、かつ比較ゴム化合物の摩耗指数よりも少なくとも15%高い摩耗指数を、25%スリップにおいて示す;又は式(II)を有する成核剤を含み、かつ比較ゴム化合物の摩耗指数よりも少なくとも15%高い摩耗指数を、65%スリップにおいて示す。第1及び第2の実施形態による特定の実施形態では、摩耗又は耐久性の改善は、以下のいずれかの対象ゴム組成物によって示される。式(I)を有する成核剤を含み、かつ比較ゴム化合物の摩耗指数よりも少なくとも20%高い摩耗指数を、25%スリップにおいて示す;又は式(II)を有する成核剤を含み、かつ比較ゴム化合物の摩耗指数よりも少なくとも20%高い摩耗指数を、65%スリップにおいて示す。
ひずみ誘起結晶化
ひずみ誘起結晶化は、応力(ひずみ)に供されたときに非晶質材料が受ける相変態である。ポリイソプレン、ポリブタジエン、及びスチレン−ブタジエンコポリマーなどの合成ゴムは、通常、天然ゴムが本質的に有している高レベルのひずみ誘起結晶化を示さないが、本明細書に開示するとおり式(I)又は式(II)の少なくとも1つの成核剤を使用することによって、このような合成ゴムがひずみ誘起結晶化を示すことができるようになる。
既に論じたとおり、本明細書に開示する第1及び第2の実施形態によれば、ゴム組成物は、(i)又は(ii)のうちの少なくとも1つを満たし、(ii)は、ひずみ誘起結晶化を示すことである。
既に論じたとおり、本明細書に開示する第4の実施形態は、ひずみ誘起結晶化を達成する方法を目的とする。この方法は、硬化パッケージと共に、第1又は第2の実施形態のゴム組成物を使用することを含み、硬化時に、このゴム組成物は、ひずみ誘起結晶化を示す。言い換えれば、第4の実施形態は、合成ゴムに基づくゴム組成物においてひずみ誘起結晶化を達成する方法であって、このゴム組成物が、以下のとおり、第1又は第2のゴム組成物を含む方法を目的とする。第1のゴム組成物は、(a)50〜100phrの、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー、合成共役ジエンモノマー含有コポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(b)0〜50phrの、モノオレフィン含有ポリマー、少なくとも1つのモノオレフィン及び少なくとも1つのアルファ−オレフィンのコポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(c)1〜10phrの、式(I):M(OCR)(I)(式中、Mは、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、及びイリジウムからなる群から選択される遷移金属であり、Rは、C3〜C18アルキルから選択される)を有する少なくとも1つの成核剤と;(d)1〜20phrの、少なくとも1つのプロセス油と;(e)0〜100phrの、少なくとも1つの補強充填剤と、を含む。更に、硬化時に、この第1のゴム組成物は、以下の(i)又は(ii)のうちの少なくとも1つを満たす。(i)式(I)の成核剤は含有しないが、式(I)の少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(25%のスリップ率で測定)を有することによって示される摩耗の低減を示す;及び(ii)ひずみ誘起結晶化を示す。第2のゴム組成物は、(a)50〜100phrの、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー、合成共役ジエンモノマー含有コポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(b)0〜50phrの、モノオレフィン含有ポリマー、少なくとも1つのモノオレフィン及び少なくとも1つのアルファ−オレフィンのコポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと;(c)1〜10phrの、250〜1000グラム/モルの分子量及び式(II):N(RNHC(=O)R(II)(式中、Rは、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C3〜C20シクロアルキル、及びC5〜C20芳香族、C7〜C20アルカリルから選択され、Rは、C3〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C3〜C20アルケニル、C3〜C20アルキニル、及びC5〜C20芳香族から選択される)を有する少なくとも1つの成核剤と;(d)1〜20phrの、少なくとも1つのプロセス油と;(e)0〜100phrの、少なくとも1つの補強充填剤と、を含む。更に、硬化時に、第2のゴム組成物は、以下の(i)又は(ii)のうちの少なくとも1つを満たす。(i)式(I)の成核剤は含有しないが、式(II)の少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(65%のスリップ率で測定)を有することによって示される摩耗の低減を示す;及び(ii)ひずみ誘起結晶化を示す。
ひずみ誘起結晶化の存在は、示差走査熱量測定(DSC)、広角X線回折(WAXD)を用いること、又は温度掃引測定を行うことのいずれかによって測定することができる。これらの測定を行うための確立された方法が周知である。非限定的な例としては、ASTM D3418−12e1(Standard Test Method for Transition Temperatures and Enthalpies of Fusion and Crystallization of Polymers by Differential Scanning Calorimetry)が挙げられる。一般的に、測定は、組成物をその融解温度を上回る温度まで昇温することによって行われる。DSC装置は、一般的に、指定の速度で指定の温度までポリマーのサンプルを加熱するために用いられ、サンプルの温度を昇温させるのに必要な熱量及び温度上昇の両方を測定することができる。WAXDは、ポリマーにおけるひずみ誘起結晶化の特性評価を行うために多く用いられる。WAXDによって、生成されるパターンの分析に従って結晶相の同定を行うことができる。好ましくは、対象組成物は、前述の方法、すなわち、DSC、WAXD、及び温度掃引のうちの少なくとも1つに従って、脂肪酸アミドは含有しないが、同じphr量の追加のプロセス油を含有する組成物と比べて、融解温度を上回る温度ではひずみ誘起結晶化の増加を示す。特定の実施形態では、対象ゴム組成物は、前述の方法の3つ全てによって、ひずみ誘起結晶化の増加を示す。
タイヤ及びタイヤの構成部品
特定の実施形態では、第1〜第4の実施形態によるゴム組成物は、タイヤの構成部品において利用される。このようなタイヤの構成部品の非限定的な例としては、タイヤサイドウォール及びタイヤトレッドが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、第1〜第4の実施形態によるゴム組成物は、タイヤサイドウォールにおいて利用される。特定の実施形態では、第1〜第4の実施形態によるゴム組成物は、タイヤサイドウォールにおいて利用される。また、以下の実施形態も、本明細書に十分に開示されているとみなすべきである。第1〜第4の実施形態の前述の実施形態のいずれかによる(すなわち、本願全体を通して記載するとおりの)ゴム組成物を含むタイヤトレッド、第1〜第4の実施形態の前述の実施形態のいずれかによる(すなわち、本願全体を通して記載するとおりの)ゴム組成物を含むタイヤサイドウォール、並びにこのようなタイヤトレッド及び/又はこのようなタイヤサイドウォールが組み込まれたタイヤ。
以下の実施例は、特定の及び代表的な実施形態、並びに/又は本開示の実施形態の特徴を例示するものである。実施例は、単に説明の目的で提供されており、本開示を限定するものとして解釈すべきでない。本開示の実施形態の趣旨及び範囲を逸脱することなく、これらの特定の実施例に対する多くの変更が可能である。より具体的には、以下の実施例で利用されるポリマー又はコポリマー、充填剤、プロセス油、及び他の成分(例えば、抗酸化剤、ワックス、酸化亜鉛、ステアリン酸、及び硬化パッケージ成分)は、発明を実施するための形態における開示と一致する他のこのような成分を代わりに利用することができるので、限定するものと解釈すべきでない。言い換えれば、以下の実施例における具体的な成核剤及びその量は、発明を実施するための形態のより一般的な内容に適用されると理解するべきである。
本明細書においてこれに反する指定のない限り、全ての試薬及び溶媒は、Sigma Aldrichから受領したまま用いた。プロトンNMRスペクトルは、Varian 300 mHz Mercury Plus分光計において記録され、このスペクトルは、δスケール(百万分率)で報告され、δ 7.24ppmにおけるCHCl3を参照する。赤外線データは、Perkin−Elmer Spectrum Gを用いてシクロヘキサン溶液中で得た。元素分析は、Galbraith Laboratoriesによって実施され、値は、百分率で報告された。
ムーニー粘度(ML1+4)値は、Alpha Technologiesムーニー粘度計(大きなローターを用いた)で求めた。ローターを起動する前に、サンプルを130℃で1分間予熱した。130℃で4分間ローターを回転させた後、ムーニー粘度測定値をトルクとして記録した。
κ弾性率比を含む弾性率値は、幅4mm及び厚さ1.91mmの寸法を有するマイクロダンベル試料を用いて、ASTM−D412に記載の標準的な手順には限定されない指針に従って、以下のとおり求めた。引張試験には、44mmの特定のゲージ長を用いた。試料を一定速度でひずませ、得られた力を、伸張(ひずみ)の関数として記録した。ダンベル形試料を、破断するまで(20分間の平衡時間後)所与の温度で伸張させた。応力対ひずみプロットを作成した。このプロットから300%ひずみ及び50%ひずみにおける弾性率を求め、弾性率の値を用いてκ弾性率比の値を計算した。リング引裂強度試験については、試料の形状は、幅が0.1mm(0.05インチ)で厚さが1.9mm(0.075インチ)の円形リングであった。等間隔の位置のリングの内周の2箇所に切り込みを入れた。試料を、25mm(1.0インチ)の特定のゲージ長で試験した。試験片の元の断面積を参照して、力の読み出し値を工学応力として表現した。試料は、23℃で試験した。
ランボーン摩耗試験を用いて試験サンプルの耐摩耗性を評価した。試験試料は、外径約48mm、内径約22mm、及び厚さ約4.8mmのゴム製ホイールであった。試験試料をアクスル上に置き、約75秒間、駆動摩耗面に対する様々なスリップ速度で作動させた。用いた摩耗面は、120グリットの3M−iteであった。試験中約2.5kgの負荷をゴム製ホイールに印加した。線形最小二乗曲線適合を、時間の関数として重量喪失データに適用した。直線の勾配が、摩耗速度である。報告された摩耗指数は、対照化合物の摩耗速度を対象化合物の摩耗速度で除して、100を乗じたものである。したがって、100を超える摩耗指数は、対象化合物が対照化合物よりも優れている(摩耗速度がより低い)ことを示す。
実施例1:N,N’,N’’−(ニトリロトリ−2,1−エタンジイル)トリス[4−エチルベンズアミド](TREN)の合成:
アルゴン雰囲気下で、激しく撹拌しながらトリス(2−アミノエチル)アミン(9.76グラム、66.7ミリモル)を無水ピリジン(50mL)に添加した。0℃まで冷却した後、4−エチルベンゾイルクロリド(34.9グラム、206.9ミリモル)を10分間にわたって滴下して添加し、混合物を撹拌し、室温まで加温した。2時間撹拌した後、混合物をジエチルエーテル(300mL)と合わせ、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(3×100mL)、水(3×100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。50℃で蒸発させることを通して溶媒を除去して、濃赤色の固体を得た。最小量のジクロロメタン/酢酸エチル(1:6)中に上記固体を溶解させ、−30℃に冷却することによって、粗生成物を再結晶化させた。2回の再結晶化に続いて真空下で乾燥させた後、13.4グラム(37%)のオフホワイトの針状結晶が得られた。H NMR(300MHz,CDCl,δ):1.15(t,J=7.6Hz,9H,−CH)、2.54(q,J=7.6Hz,6H,−CH−CH)、2.68(br m,6H,−CH−CH−NH−)、3.52(br m,6H,−CH−CH−NH)、6.85(d,J=8.4Hz,6H,Ar H)、7.42(br s,3H,NH)7.56(d,J=8.4Hz,6H,Ar H)。
TRENは、以下の構造を有する:
Figure 0006875051
TRENを、2つのポリマー、低シスポリブタジエン(対照)及び高シスポリブタジエンにおいて試験した。基本処方は、実施例1と同一であり、表1に示すとおりである。TRENを、部分的油代替物として3phrの濃度で300グラムのブラベンダーバッチに添加した。
低シスポリブタジエン(対照)及び高シスポリブタジエンの両方について、物理的試験の結果を以下の表2に示す。ひずみ誘起結晶化を受けることができないため、上述のとおり、低シスポリブタジエンを対照ポリマーとして用いた。TRENを低シスポリブタジエンに添加することの摩耗に対する効果はみられなかった。25%スリップにおける改善によって証明されるとおり、TRENを添加した高シスポリブタジエンサンプルにおいては摩耗の改善がみられ、これは、TRENがひずみ誘起結晶化の成核剤として機能するという仮説を補強する。
Figure 0006875051
Figure 0006875051

1 33%シス1,4−結合含量、55%トランス1,4−結合含量、及び12%ビニル1,2−結合含量を有するポリブタジエン。
2 96%シス1,4−結合含量をするポリブタジエン。
実施例2:TRENの更なる使用。
TRENを実施例1に上記のとおり合成した。
TRENを、2つのポリマー、低シスポリブタジエン(対照)及び高シスポリブタジエン(上記、実施例1で使用したポリマーと同一)で試験した。基本処方は、実施例1と同一であり、表1に示すとおりである。TRENを、部分的油代替物として3phrの濃度で300グラムのブラベンダーバッチに添加した。
低シスポリブタジエン(対照)及び高シスポリブタジエンの両方について、物理的試験の結果を以下の表3に示す。ひずみ誘起結晶化を受けることができないため、上述のとおり、低シスポリブタジエンを対照ポリマーとして用いた。TRENを低シスポリブタジエンに添加することの摩耗に対する効果はみられなかった。25%スリップにおける改善及びピコ摩耗指数によって証明されるとおり、TRENを添加した高シスポリブタジエンサンプルにおいては摩耗の改善がみられ、これは、TRENがひずみ誘起結晶化の成核剤として機能するという仮説を補強する。
Figure 0006875051
実施例3:Cu(ドデカノエート)(以後Cu−1と略称する。)
激しく撹拌しながら、水(150mL)に溶解している水酸化ナトリウム(6グラム、150ミリモル)を、ドデカン酸(20グラム、100ミリモル)及び水(500mL)の混合物に添加した。酸が溶解した後濃硫酸を用いて溶液を(pH=7)に中和した。水(200mL)に溶解している硫酸銅(9.6グラム、60ミリモル)を30分間にわたって滴下して添加したところ、青緑色の固体として溶液から沈殿した。更に30分間撹拌した後、溶液から固体を濾過し、水で洗浄し(それぞれ50mLで10回)、50℃にて真空下で乾燥させ、21.01グラム(収率76%)の薄い青緑色の固体を得た。溶液FT−IR(シクロヘキサン、cm−1):2996、2906、2958、2653、1587、1474、1425、1263、1252、1038、899、855。C4892Cuについて計算した分析値は以下の重量パーセントである。C、62.37;H、10.03;O、13.85;Cu、13.75。実測値:C、62.44;H、10.87;Cu、13.19。
また、Cu−1は、ラウリン酸銅としても知られており、以下の構造を有する。
Figure 0006875051
実施例4:Cu(2−エチルヘキサノエート)(以後Cu−2と略称する。):
激しく撹拌しながら、水(150mL)に溶解している水酸化ナトリウム(6グラム、150ミリモル)を、2−エチルヘキサン酸(14.4グラム、100ミリモル)及び水(100mL)の混合物に添加した。酸が溶解した後濃硫酸を用いて溶液を(pH=7)に中和した。水(200mL)に溶解している硫酸銅(9.6グラム、60ミリモル)を30分間にわたって滴下して添加したところ、青緑色の固体として溶液から沈殿した。更に30分間撹拌した後、溶液から固体を濾過し、水で洗浄し(それぞれ100mLで10回)、50℃にて真空下で乾燥させ、17.6グラム(84%)の薄い青緑色の固体を得た。溶液FT−IR(シクロヘキサン、cm−1):2993、2920、2865、2657、1596、1517、1463、1442、1255、1026、889、863。C3260Cuについて計算した分析値は以下の重量パーセントである。C、54.91;H、8.64;O、18.29;Cu、18.16。実測値:C、54.30;H、8.85;Cu、18.93。
Cu−2は、以下の構造を有する。
Figure 0006875051
銅IIカルボキシレート、すなわち、Cu−1及びCu−2を、それぞれ、2つのポリマー、低シスポリブタジエン(対照)、及び高シスポリブタジエンにおいて試験した。基本処方は、実施例1と同一であり、表1に示すとおりであった。各化合物を、部分的油代替物として3phrの濃度で300グラムのブラベンダーバッチに添加した。
低シスポリブタジエン(対照)及び高シスポリブタジエンの両方について、物理的試験の結果を以下の表4に示す。ひずみ誘起結晶化を受けることができないため、上述のとおり、低シスポリブタジエンを対照ポリマーとして用いた。65%スリップにおける測定において全く改善を示さないことによって証明されるとおり、銅カルボキシレートを低シスポリブタジエンに添加しても摩耗の改善はみられなかった。対照的に、65%スリップにおける改善によって証明されるとおり、銅カルボキシレートを添加した高シスポリブタジエンサンプルにおいて摩耗の改善がみられ;これは、これらの化合物がひずみ誘起結晶化の成核剤として機能するという仮説を補強する。
Figure 0006875051
用語「含む(includes)」又は「含むこと(including)」が、本明細書又は特許請求の範囲で使用される範囲において、用語「からなる(comprising)」が特許請求の範囲において転換語として用いられる際の解釈と同様の様式で包括的であることが意図される。更に、用語「又は」が用いられる範囲において(例えば、A又はB)、それは「A若しくはB、又は両方」を意味することが意図される。本出願人らが「両方ではなくA又はBの一方のみ」を示すことを意図する場合、用語「両方ではなくA又はBの一方のみ」が用いられることになる。したがって、本明細書における用語「又は」の使用は、排他的ではなく、包括的である。Bryan A.GarnerのA Dictionary of Modern Legal Usage 624(2d.Ed.1995)を参照されたい。また、用語「中で(in)」又は「中へ(into)」が本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲において、「の上(on)」又は「の上へ(onto)」を付加的に意味することが意図される。更に、用語「連結する(connect)」が本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲において、「と直接連結する(directly connected to)」ことだけではなく、別の構成要素を介して接続することなどのように「と間接的に連結する(indirectly connected to)」ことも意味することが意図される。
本出願はその実施形態の記述によって説明され、実施形態は相当に詳細に説明されたが、添付の特許請求の範囲をこのような詳細に制限するか、又はいかなる形でも限定することは、出願人の本意ではない。更なる利点及び改良は、当業者には容易に明らかとなるであろう。したがって、本出願は、そのより広範な態様において、示されかつ説明される具体的な詳細、代表的な装置、及び例示的な実施例に限定されない。このため、このような詳細からの逸脱が、出願人の一般的な発明概念の趣旨又は範囲から逸脱することなく、なされ得る。
本出願は、実施形態が開示される数値範囲全体で実行できるため、精密な範囲限界が明細書内に言葉通りに言及されていなくても、開示される数値範囲内の任意の範囲を支持する、いくつかの数値範囲限界を開示している。実質的に任意の複数及び/又は単数の用語の本明細書での使用に関して、当業者は、状況及び/又は用途に適切となるように、複数から単数へ、及び/又は単数から複数へ置き換えることができる。様々な単数/複数の置き換えは、簡潔にするため、本明細書では明示的に記述される場合がある。
特許、特許出願、及び非特許文献を含むがこれらに限定されない全ての参考文献は、それらの全体を参照により本明細書に組み込まれる。
様々な態様及び実施形態が本明細書に開示されているが、当業者には他の態様及び実施形態が明らかであろう。本明細書に開示される様々な態様及び実施形態は、例示目的であり、特許請求の範囲に示されている真の範囲及び趣旨を限定することを意図していない。
以下に、本願の好適な実施態様を記載する。
[1] ゴム組成物であって、
(a)50〜100phrの、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー、合成共役ジエンモノマー含有コポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと、
(b)0〜50phrの、モノオレフィン含有ポリマー、少なくとも1つのモノオレフィン及び少なくとも1つのアルファ−オレフィンのコポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと、
(c)1〜10phrの、式(I)
(O CR) (I)
の成核剤であって、式中、Mは、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、及びイリジウムからなる群から選択される遷移金属であり、Rは、C3〜C18アルキルから選択される、少なくとも1つの成核剤と、
(d)1〜20phrの、少なくとも1つのプロセス油と、
(e)0〜100phrの、少なくとも1つの補強充填剤と、を含み、
硬化時に、以下の(i)又は(ii)、すなわち、
(i)式(I)の成核剤は含有しないが、式(I)の前記少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(25%のスリップ率で測定)を有することによって示される摩耗の低減を示す、及び
(ii)ひずみ誘起結晶化を示す、のうちの少なくとも1つを満たす、ゴム組成物。
[2] Rが、C6〜C12アルキルから選択される[1]に記載のゴム組成物。
[3] Mが、銅、亜鉛、コバルト、鉄、及びマンガンからなる群から選択される、[1]又は[2]に記載のゴム組成物。
[4] Mが、銅2+である、[1]〜[3]のいずれかに記載のゴム組成物。
[5] ゴム組成物であって、
(a)50〜100phrの、合成共役ジエンモノマー含有ポリマー、合成共役ジエンモノマー含有コポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと、
(b)0〜50phrの、モノオレフィン含有ポリマー、少なくとも1つのモノオレフィン及び少なくとも1つのアルファ−オレフィンのコポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと、
(c)1〜10phrの、分子量が250〜1000グラム/モルで、かつ式(II)
N(R NHC(=O)R (II)
の成核剤であって、式中、R は、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C3〜C20シクロアルキル、及びC5〜C20芳香族、C7〜C20アルカリルから選択され、R は、C3〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C3〜C20アルケニル、C3〜C20アルキニル、及びC5〜C20芳香族から選択される、少なくとも1つの成核剤と、
(d)1〜20phrの、少なくとも1つのプロセス油と、
(e)0〜100phrの、少なくとも1つの補強充填剤と、を含み、
硬化時に、以下の(i)又は(ii)、すなわち、
(i)式(I)の成核剤は含有しないが、式(II)の前記少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(65%スリップで測定)を有することによって示される摩耗の低減を示す、及び
(ii)ひずみ誘起結晶化を示す、のうちの少なくとも1つを満たす、ゴム組成物。
[6] R が、式、フェニル−R であり、R が、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C3〜C20シクロアルキル、及びC5〜C20芳香族からなる群から選択される、[5]に記載のゴム組成物。
[7] 前記成核剤が、N,N’,N’’−(ニトリロトリ−2,1−エタンジイル)トリス[4−エチルベンズアミド]を含む、[5]又は[6]に記載のゴム組成物。
[8] 式(II)の前記少なくとも1つの成核剤が、60〜170℃の融解温度を有する[5]〜[7]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[9] 前記少なくとも1つの成核剤が、2〜5phrの量で存在する、[1]〜[8]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[10] (a)が、80〜100phrの量で存在し、
(i)80〜100phrの、85%以上のシス1,4−結合含量を有するポリブタジエン、ポリイソプレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される合成共役ジエンモノマー含有ポリマーと;
(ii)0〜20phrの、85%未満のシス1,4−結合含量を有するポリブタジエン、スチレン−ブタジエンコポリマー、ネオプレン、イソブチレン、天然ゴム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される共役ジエンモノマー含有ポリマー又はコポリマーと、を含む、[1]〜[9]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[11] (b)の前記少なくとも1つのポリマー又はコポリマーが、モノオレフィン及びアルファ−オレフィンの少なくとも1つのコポリマーを含み、前記モノオレフィンが、エチレンであり、前記アルファ−オレフィンが、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、[1]〜[10]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[12] ゴム組成物であって、
式(I)の成核剤を含み、かつ前記比較ゴム化合物の摩耗指数よりも少なくとも15%高い、25%スリップにおける摩耗指数を示す、又は
式(II)の成核剤を含み、かつ前記比較ゴム化合物の摩耗指数よりも少なくとも15%高い、65%スリップにおける摩耗指数を示す、のいずれかである、[1]〜[11]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[13] ゴム組成物であって、
式(I)の成核剤を含み、かつ前記比較ゴム化合物の摩耗指数よりも少なくとも20%高い、25%スリップにおける摩耗指数を示す、又は
式(II)の成核剤を含み、かつ前記比較ゴム化合物の摩耗指数よりも少なくとも20%高い、65%スリップにおける摩耗指数を示す、のいずれかである[1]〜[11]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[14] (a)が、90〜100phrの量で存在する、[1]〜[13]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[15] (c)及び(d)の合計量が、20phr以下である[1]〜[14]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[16] (f)硬化パッケージを更に含む、[1]〜[15]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[17] [1]〜[16]のいずれか一項に記載のゴム組成物をタイヤトレッド又はタイヤサイドウォールに組み込むことを含む、タイヤトレッド又はタイヤサイドウォールにおける摩耗の低減又は耐久性の改善を達成する方法。
[18] [16]に記載のゴム組成物を使用することを含む、合成ゴムに基づくゴム組成物においてひずみ誘起結晶化を達成する方法であって、(c)の前記少なくとも1つの成核剤が、(a)、(b)、(d)、(e)、及び(f)と混合され、硬化時に、前記ゴム組成物がひずみ誘起結晶化を示す、方法。
[19] [1]〜[16]のいずれか一項に記載のゴム組成物を含む、タイヤトレッド。
[20] [1]〜[16]のいずれか一項に記載のゴム組成物を含む、タイヤサイドウォール。
[21] [19]に記載のタイヤトレッド及び/又は[20]に記載のタイヤサイドウォールのうちの少なくとも1つが組み込まれたタイヤ。

Claims (7)

  1. (a)50〜100phrの、85%以上のシス1,4−結合含量を有するポリブタジエンからなる合成共役ジエンモノマー含有ポリマーと、
    (b)0〜50phrの、モノオレフィン含有ポリマー、少なくとも1つのモノオレフィン及び少なくとも1つのアルファ−オレフィンのコポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー又はコポリマーと、
    (c)1〜10phrの、
    (i)式(I)
    (OCR)(I)
    の成核剤であって、式中、Mは、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、及びイリジウムからなる群から選択される遷移金属であり、Rは、C3〜C18アルキルから選択される、少なくとも1つの成核剤、又は
    (ii)式(II)
    N(RNHC(=O)R(II)
    の成核剤であって、式中、Rは、C1〜C20アルキレン、C2〜C20アルケニレン、C3〜C20シクロアルキレン、C5〜C20アリーレン、及びC7〜C20アルカリレンから選択され、Rは、C3〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C3〜C20アルケニル、C3〜C20アルキニル、及びC5〜C20アリールから選択される成核剤であって、式(II)の成核剤の分子量が250〜1000グラム/モルである成核剤、から選択される少なくとも1つの成核剤と、
    (d)1〜20phrの、少なくとも1つのプロセス油と、
    (e)0〜100phrの、少なくとも1つの補強充填剤と、
    (f)任意選択的に、硬化パッケージとを含み、
    硬化時に、以下の(i)、(ii)又は(iii)、すなわち、
    (i)式(I)の成核剤は含有しないが、式(I)の少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(25%のスリップ率で測定)を有することによって示される摩耗の低減を示す、
    (ii)式(II)の成核剤は含有しないが、式(II)の少なくとも1つの成核剤の量と等しいphr量の追加のプロセス油を含有する比較ゴム化合物に基づいて、110%以上の摩耗指数(65%のスリップ率で測定)を有することによって示される摩耗の低減を示す、及び
    (iii)ひずみ誘起結晶化を示す、のうちの少なくとも1つを満たすゴム組成物。
  2. 前記少なくとも1つの成核剤が、式(I)を有し、かつ以下、すなわち、
    a.Rが、C6〜C12アルキルから選択される、
    b.Mが、銅、亜鉛、コバルト、鉄、及びマンガンからなる群から選択される、又は
    c.Mが、銅2+である、のうちの少なくとも1つを満たす、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記少なくとも1つの成核剤が、式(II)を有し、かつ以下、すなわち、
    a.N,N’,N’’−(ニトリロトリ−2,1−エタンジイル)トリス[4−エチルベンズアミド]を含む、
    b.60〜170℃の融解温度を有する、又は
    c.Rが、式、フェニル−Rであり、Rが、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C3〜C20シクロアルキル、及びC5〜C20アリールからなる群から選択される、のうちの少なくとも1つを満たす、請求項1に記載のゴム組成物。
  4. (a)が、80〜100phrの量で存在し、かつ
    (i)80〜100phrの、90%以上のシス1,4−結合含量を有するポリブタジエンからなる合成共役ジエンモノマー含有ポリマーと、
    (ii)0〜20phrの、85%未満のシス1,4−結合含量を有するポリブタジエン、スチレン−ブタジエンコポリマー、ネオプレン、イソブチレン、天然ゴム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される共役ジエンモノマー含有ポリマー又はコポリマーと、を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム組成物をタイヤトレッド又はタイヤサイドウォールに組み込むことを含む、タイヤトレッド又はタイヤサイドウォールにおける摩耗の低減又は耐久性の改善を達成する方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム組成物の使用を含む、合成ゴムに基づくゴム組成物においてひずみ誘起結晶化を達成する方法であって、(c)の前記少なくとも1つの成核剤が、(a)、(b)、(d)、(e)、及び(f)と混合され、硬化時に、前記ゴム組成物がひずみ誘起結晶化を示す、方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム組成物を含む、タイヤトレッド又はタイヤサイドウォール。
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