JP2019104771A - タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性能を改善できるゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供する。【解決手段】重量平均分子量が100万以上の第1のスチレンブタジエンゴムと重量平均分子量が10万以上40万以下の第2のスチレンブタジエンゴムと重量平均分子量が40万以上100万以下のブタジエンゴムとを含むゴム成分と、芳香族系炭化水素の含有率が20質量%以上であるオイルと、スルフェンアミド系加硫促進剤と、グアニジン系加硫促進剤と、チアゾール系加硫促進剤とを含み、前記オイルをゴム成分100質量部に対して10質量部以上含むタイヤ用ゴム組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤに関する。
従来より、タイヤには良好な耐摩耗性能が要求されている。
特許文献1には、シランカップリング剤を重合させた重合体を含有することにより、耐摩耗性能を改善できることが開示されているが、まだ改善の余地があり、また他の技術の開発も望まれている。
特開2012−52128号公報
本発明は、耐摩耗性能を改善できるゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、重量平均分子量が100万以上の第1のスチレンブタジエンゴムと重量平均分子量が10万以上40万以下の第2のスチレンブタジエンゴムと重量平均分子量が40万以上100万以下のブタジエンゴムとを含むゴム成分と、芳香族系炭化水素の含有率が20質量%以上であるオイルと、スルフェンアミド系加硫促進剤と、グアニジン系加硫促進剤と、チアゾール系加硫促進剤とを含み、上記オイルをゴム成分100質量部に対して10質量部以上含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記第2のスチレンブタジエンゴムのビニル量が50質量%以上であることが好ましい。
上記第2のスチレンブタジエンゴムのスチレン量が30質量%以下であることが好ましい。
上記ブタジエンゴムのシス量が95質量%以上であることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したタイヤ部材を有する空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、重量平均分子量が100万以上の第1のスチレンブタジエンゴムと重量平均分子量が10万以上40万以下の第2のスチレンブタジエンゴムと重量平均分子量が40万以上100万以下のブタジエンゴムとを含むゴム成分と、芳香族系炭化水素の含有率が20質量%以上であるオイルと、スルフェンアミド系加硫促進剤と、グアニジン系加硫促進剤と、チアゾール系加硫促進剤とを含み、上記オイルをゴム成分100質量部に対して10質量部以上含むタイヤ用ゴム組成物であるので、耐摩耗性能を改善できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、重量平均分子量が100万以上の第1のスチレンブタジエンゴム(第1のSBR)と重量平均分子量が10万以上40万以下の第2のスチレンブタジエンゴム(第2のSBR)と重量平均分子量が40万以上100万以下のブタジエンゴム(BR)とを含むゴム成分と、
芳香族系炭化水素の含有率が20質量%以上であるオイルと、
スルフェンアミド系加硫促進剤と、
グアニジン系加硫促進剤と、
チアゾール系加硫促進剤とを含み、
前記オイルをゴム成分100質量部に対して10質量部以上含む。
上記ゴム組成物によって耐摩耗性能を改善できる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推察される。
耐摩耗性能の向上のために、高分子量のSBR(第1のSBR)と高分子量のBRを使用する。第1のSBRとBRは単独で用いても耐摩耗性能の向上に寄与するが、両者を併用することにより、第1のSBRとBRとは、海島構造を形成することになる。これにより、ゴムに亀裂が発生しても、BR相に亀裂が達した時点で成長が止まるため、破壊の抑制、つまり耐摩耗性能の向上に更に寄与すると考えられる。
また、第1のSBRとBRと共に、比較的低分子量のSBR(第2のSBR)を配合することで、SBR相におけるシリカなど補強性充填剤の分散性が向上する。その結果、SBR相の補強性が向上し、かつ応力集中が緩和されることで、更なる耐摩耗性能の向上に寄与すると考えられる。
更に、アロマ分が多い(芳香族系炭化水素の含有率が高い)オイルはSBRと相溶し易いため、芳香族系炭化水素の含有率が高いオイルを配合することで、シリカなど補強性充填剤が分配されるSBR相の硬度上昇を抑制でき、SBR相の応力集中が緩和されることで、耐摩耗性能の向上に寄与すると考えられる。
そして、3種の加硫促進剤を用いて加硫時間を短縮でき、加硫時間の短縮によって過加硫、加硫戻りが抑制されることで、ゴム全体の架橋密度および架橋点が均一化され、応力集中の緩和がなされ、更なる耐摩耗性能の向上に寄与すると考えられる。
以上から、加硫後のゴム組成物における応力集中の緩和が相乗的に進み、従来よりも耐摩耗性能が向上していると考えられる。
上記ゴム組成物はゴム成分として、重量平均分子量が100万以上の第1のスチレンブタジエンゴム(第1のSBR)と、重量平均分子量が10万以上40万以下の第2のスチレンブタジエンゴム(第2のSBR)と、重量平均分子量が40万以上100万以下のブタジエンゴム(BR)とを含む。
第1のSBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第1のSBRの重量平均分子量(Mw)は、100万以上であり、好ましくは120万以上、より好ましくは150万以上である。また、該Mwの上限は特に限定されないが、好ましくは200万以下、より好ましくは180万以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、ゴム成分の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
第1のSBRのスチレン量は、好ましくは25質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。また、該スチレン量は、好ましくは55質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下、特に好ましくは40質量%以下、最も好ましくは35質量%以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、SBRのスチレン量は、H−NMR測定により算出される。
第1のSBRのビニル量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。また、該ビニル量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、ビニル量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
また、第1のSBRとしては、非変性SBRでもよいし、変性SBRでもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
変性SBRとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するSBRであればよく、例えば、SBRの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性SBR(末端に上記官能基を有する末端変性SBR)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性SBRや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性SBR(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性SBR)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性SBR等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、効果がより好適に得られるという理由から、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1〜6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシシリル基)が好ましい。
第2のSBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第2のSBRの重量平均分子量(Mw)は、10万以上であり、好ましくは15万以上、より好ましくは20万以上、更に好ましくは25万以上である。また、該Mwは、40万以下であり、好ましくは35万以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
第2のSBRのスチレン量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。また、該スチレン量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。特に、第2のSBRのスチレン量が30質量%以下(好ましくは25質量%以下)の場合、上記BRとの相溶性がより良好となり、応力集中がより緩和され、効果がより良好に得られる傾向がある。
第2のSBRのビニル量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは50質量%以上である。また、該ビニル量は、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。特に、第2のSBRのビニル量が50質量%以上の場合、上記BRとの相溶性がより良好となり、応力集中がより緩和され、効果がより良好に得られる傾向がある。
また、第2のSBRとしては、非変性SBRでもよいし、変性SBRでもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、変性SBRが好ましい。
変性SBRとしては、第1のSBRにおいて説明した上述の変性SBRと同様の官能基が導入された変性SBRが挙げられ、好ましい官能基も同様である。
第1のSBR、第2のSBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)、ダウ社等により製造・販売されているSBRを使用できる。
上記BRとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記BRの重量平均分子量(Mw)は、40万以上であり、好ましくは45万以上、より好ましくは50万以上、更に好ましくは60万以上、特に好ましくは70万以上である。また、該Mwは、100万以下であり、好ましくは95万以下、より好ましくは90万以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
上記BRのシス量(シス構造の割合)は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは97質量%以上であり、上限は特に限定されない。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。特に、BRのシス量が95質量%以上(好ましくは97質量%以上)の場合、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記BRのビニル量(ビニル構造の割合)は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、特に好ましくは1.8質量%以下であり、下限は特に限定されない。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
上記BRのトランス量(トランス構造の割合)は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは55質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、特に好ましくは1.6質量%以下であり、下限は特に限定されない。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、シス量、ビニル量、トランス量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
上記BRとしてはMwが40万以上100万以下であれば特に限定されず、例えば、高シス量のBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR、希土類元素系触媒を用いて合成されたブタジエンゴム(希土類系BR)、遷移金属触媒を用いて合成されたブタジエンゴム(遷移金属触媒系BR)等を使用できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、遷移金属触媒系BRが好ましい。
上記BRは、非変性BRでもよいし、変性BRでもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
変性BRとしては、上述の変性SBRと同様の官能基が導入された変性BRが挙げられる。
遷移金属触媒系BRは遷移金属触媒を用いて合成されたブタジエンゴムであり、シス量が高く、かつビニル量、トランス量が低いという特徴を有している。遷移金属触媒系BRとしては、タイヤ製造における汎用品を使用できる。
遷移金属触媒系BRは、例えば、遷移金属触媒、有機アルミニウム化合物、及び水からなる触媒系により製造できる。
遷移金属触媒としては、コバルト触媒が好適である。コバルト触媒としては、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト、オクチル酸(エチルヘキサン酸)コバルト、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト、マロン酸コバルト等のコバルト塩;コバルトビスアセチルアセトネート、コバルトトリスアセチルアセトネート、アセト酢酸エチルエステルコバルト、コバルト塩のピリジン錯体及びピコリン錯体等の有機塩基錯体又はエチルアルコール錯体などが挙げられる。なかでも、オクチル酸(エチルヘキサン酸)コバルトが好ましい。
遷移金属触媒の使用量に関しては、所望のMwを有するポリブタジエンとするように適宜調整できる。
有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウム;ジアルキルアルミニウムクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイド、アルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミニウムセスキブロマイド、アルキルアルミニウムジクロライド、アルキルアルミニウムジブロマイド等のハロゲン含有有機アルミニウム化合物;ジアルキルアルミニウムハイドライド、アルキルアルミニウムセスキハイドライト等の水素化有機アルミニウム化合物などが挙げられる。有機アルミニウム化合物は、1種を単独で用いることもでき、2種以上併用することもできる。
トリアルキルアルミニウムの具体的な化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリインブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどが挙げられる。
ジアルキルアルミニウムクロライドとしては、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライドなどが挙げられる。ジアルキルアルミニウムブロマイドとしては、ジメチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムブロマイドなどが挙げられる。アルキルアルミニウムセスキクロライドとしては、メチルアルミニウムセスキクロ
ライド、エチルアルミニウムセスキクロライドなどが挙げられる。アルキルアルミニウムセスキブロマイドとしては、メチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムセスキブロマイドなどが挙げられる。アルキルアルミニウムジクロライドとしては、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどが挙げられる。アルキルアルミニウムジブロマイドとしては、メチルアルミニウムジブロマイド、エチルアル
ミニウムジブロマイドなどが挙げられる。
ジアルキルアルミニウムハイドライドとしては、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。アルキルアルミニウムセスキハイドライトとしては、エチルアルミニウムセスキハイドライド、インプチルアルミニウムセスキハイドライドなどが挙げられる。
有機アルミニウム化合物と水との混合比に関しては、アルミニウム/水(モル比)で1.5〜3であることが好ましく、1.7〜2.5であることがより好ましい。
更に所望のMwを有するポリブタジエンとするため、シクロオクタジエン、アレン、メチルアレン(1,2−ブタジエン)等の非共役ジエン類;エチレン、プロピレン、1−ブテン等のα−オレフィン類などの分子量調節剤を用いることもできる。分子量調節剤は、1種を単独で用いることもでき、2種以上併用することもできる。
重合方法には特に制限はなく、1,3−ブタジエンなどの共役ジエン化合物モノマーを重合溶媒としながらモノマーを重合する塊状重合(バルク重合)や、モノマーを溶媒に溶解させた状態で重合する溶液重合等を適用できる。溶液重合で用いる溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素;n−ヘキサン、ブタン、ヘブタン、ヘンタン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のオレフィン系炭化水素;ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の石油系溶媒;塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素などが挙げられる。なかでも、トルエン、シクロヘキサン、シス−2−ブテンとトランス−2−ブテンとの混合溶媒が好適に用いられる。
重合温度は、−30〜150℃の範囲が好ましく、30〜100℃の範囲がより好ましく、所望のT80を有するポリブタジエンが得られやすいことから70〜80℃が更に好ましい。重合時間は、1分〜12時間の範囲が好ましく、5分〜5時間の範囲がより好ましい。
重合反応が所定の重合率に達した後、必要に応じて老化防止剤を添加することができる。老化防止剤としては、2,6−ジーt−プチルーp−クレゾール(BHT)等のフェノール系老化防止剤、トリノニルフェニルフオスファイト(TNP)等のリン系老化防止剤、並びに4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール及びジラウリルー3,3’−チオジプロピオネート(TPL)等の硫黄系老化防止剤などが挙げられる。老化防止剤は、1種を単独で用いることもでき、2種以上併用することもできる。老化防止剤の添加量は、ポリブタジエン100質量部に対して0.001〜5質量部とすることが好ましい。
所定時間の重合を行った後、重合槽内部を必要に応じて放圧し、更に洗浄や乾燥工程等の後処理を行うことで、所望の特性を持った遷移金属触媒系BRを製造できる。
上記BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)、Lanxess(株)等の製品を使用できる。
ゴム成分100質量%中の第1のSBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
ゴム成分100質量%中の第2のSBRの含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、更に好ましくは40質量%以上であり、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
ゴム成分100質量%中の上記BRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
ゴム成分100質量%中の第1のSBR、第2のSBR、上記BRの合計含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
第1のSBR、第2のSBR、上記BR以外に上記ゴム組成物に使用できるゴム成分としては、第1のSBR及び第2のSBR以外のSBR、上記BR以外のBR、イソプレン系ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、効果を阻害しない範囲であれば特に限定されず、好ましくは5質量%以上であり、好ましくは20質量%以下である。
プロセスオイルは、その分子構造的に芳香族系炭化水素(C)、パラフィン系炭化水素(C)、ナフテン系炭化水素(C)を含有し、その含有比率C(質量%)、C(質量%)、C(質量%)に応じてアロマオイル、パラフィンオイル、ナフテンオイルに大別されるところ、上記ゴム組成物は、芳香族系炭化水素の含有率が20質量%以上であるオイルを含有する。
上記オイルの芳香族系炭化水素の含有率は20質量%以上であり、好ましくは25質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。また該含有率は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
本明細書において、オイルの芳香族系炭化水素の含有率は環分析法(n−d−M法)(ASTM D3238)で測定することができる。
上記オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、米油、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。市販品としては、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、アロマ系プロセスオイルが好ましい。
上記オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以上であり、好ましくは15質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは40質量部以下、より好ましくは35質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、上記オイル以外のオイルを配合してもよい。
上記ゴム組成物は、加硫促進剤として、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤の3種を含む。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどが挙げられる。なかでも、CBS、TBBSが好ましく、CBSがより好ましい。
グアニジン系加硫促進剤としては、1,3−ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジンなどが挙げられる。なかでも、1,3−ジフェニルグアニジンが好ましい。
チアゾール系加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾールなどが挙げられる。なかでも、MBT、MBTSが好ましく、MBTがより好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.7質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上、特に好ましくは1.5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
グアニジン系加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.7質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上、特に好ましくは1.5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
チアゾール系加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、更に好ましくは0.3質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは2.0質量部以下、更に好ましくは1.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは2.0質量部以上、更に好ましくは3.0質量部以上、特に好ましくは4.0質量部以上である。また、上記合計含有量は、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは7.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤以外の加硫促進剤を配合してもよい。
スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤以外の加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)等のチウラム系加硫促進剤等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム組成物は、補強性充填剤を含有することが好ましい。これにより、効果が好適に得られる。
補強性充填剤としては、特に限定されないが、シリカ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムなどが挙げられる。その他にも1粒子の幅若しくは厚みが50nm以下のものであれば好適に使用でき、グラフェン、マイカのような板状充填剤やモンモリオナイトやセピオライトといった無機鉱物、パルプやミクロフィブリル化植物繊維といった有機繊維などが使用できる。なかでも、効果がより好適に得られるという理由から、シリカ、カーボンブラックが好ましく、シリカがより好ましい。
補強性充填剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは40質量部以上、特に好ましくは50質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは120質量部以下、特に好ましくは80質量部以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
カーボンブラックとしては、特に限定されないが、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、70m/g以上が好ましく、80m/g以上がより好ましく、100m/g以上が更に好ましい。70m/g以上であると、補強性が向上し、充分な耐摩耗性能が得られる傾向がある。また、上記NSAは、300m/g以下が好ましく、250m/g以下がより好ましく、200m/g以下が更に好ましく、150m/g以下が特に好ましい。300m/g以下であると、カーボンブラックの良好な分散が得られやすく、効果が良好に得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックとしては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。2質量部以上であると、十分な耐紫外線クラック性能、補強性を得ることができ、良好な耐摩耗性能が得られる傾向がある。また、該含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、特に好ましくは20質量部以下である。100質量部以下であると、カーボンブラックを良好に分散でき、良好な耐摩耗性能、低燃費性能が得られる傾向がある。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、70m/g以上が好ましく、150m/g以上がより好ましい。70m/g以上にすることで、耐摩耗性能が向上する傾向がある。また、該NSAは、300m/g以下が好ましく、200m/g以下がより好ましい。300m/g以下にすることで、加工性能、低燃費性能が改善される傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカとしては、例えば、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部以上、特に好ましくは30質量部以上、最も好ましくは50質量部以上である。2質量部以上であると、耐摩耗性能、低燃費性能が改善される傾向がある。また、該含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは130質量部以下、更に好ましくは100質量部以下、特に好ましくは80質量部以下である。150質量部以下であると、シリカを良好に分散でき、良好な低燃費性能、耐摩耗性能が得られる傾向がある。
上記ゴム組成物がシリカを含有する場合、更にシランカップリング剤を含有することが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT−Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、効果が良好に得られる傾向がある点から、メルカプト系シランカップリング剤が好ましい。
なお、本明細書において、メルカプト系シランカップリング剤とは、メルカプト基(−SH)を有するシランカップリング剤に限定されず、メルカプト基の誘導体基(例えば、カルボニルチオ基(−S−C(=O)−))を有するシランカップリング剤をも含む概念である。ここで、メルカプト基の誘導体基とは、メルカプト基(−SH)から合成反応により直接誘導される基に限定されず、メルカプト基(−SH)の水素原子が他の原子または原子団に置換された構造を有する基をも含む概念である。
メルカプト系シランカップリング剤としては、メルカプト基(−SH)を有するシランカップリング剤、カルボニルチオ基(−S−C(=O)−)を有するシランカップリング剤が好ましく、カルボニルチオ基(−S−C(=O)−)を有するシランカップリング剤がより好ましく、式(1)で表されるシランカップリング剤が更に好ましい。これにより、効果がより好適に得られる。これは、メルカプト系シランカップリング剤を配合することで、シリカの分散性が向上し、応力集中が緩和されることで、耐摩耗性能、低燃費性能が改善すると考えられる。
Figure 2019104771
(式(1)中、pは1〜3の整数、qは1〜5の整数、kは5〜12の整数である。)
式(1)において、pは1〜3の整数であるが、2が好ましい。pが3以下であると、カップリング反応が速い傾向がある。
qは1〜5の整数であるが、2〜4が好ましく、3がより好ましい。qが1〜5であると合成が容易である傾向がある。
kは5〜12の整数であるが、5〜10が好ましく、6〜8がより好ましく、7が更に好ましい。
カルボニルチオ基(−S−C(=O)−)を有するシランカップリング剤、式(1)で表されるシランカップリング剤としては、例えば、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−1−エチルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリメトキシシラン、3−ヘプタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−ヘプタノイルチオ−1−エチルトリエトキシシラン、3−ヘプタノイルチオ−1−プロピルトリメトキシシラン、3−ヘキサノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオ−1−エチルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオ−1−プロピルトリメトキシシラン、3−ウンデカノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−ウンデカノイルチオ−1−エチルトリエトキシシラン、3−ウンデカノイルチオ−1−プロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。3質量部以上であると、添加による効果が得られる傾向がある。また、上記含有量は、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。20質量部以下であると、配合量に見合った効果が得られ、良好な混練時の加工性が得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、硫黄及び/又は硫黄含有化合物を含有することが好ましい。これにより、効果が好適に得られる。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄としては、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。
硫黄含有化合物としては、硫黄を含有し、加硫剤として使用可能な化合物であれば特に限定されず、例えば、1,2−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)エタン、1,3−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)プロパン、1,4−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ブタン、1,5−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ペンタン、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン、1,7−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘプタン、1,8−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)オクタン、1,9−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ノナン、1,10−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)デカン、ポリ−3,6−ジオキサオクタン−テトラスルフィド、1,6−ヘキサメチレン−ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄含有化合物としては、例えば、ランクセス社、川口化学工業(株)等の製品を使用できる。
硫黄、硫黄含有化合物の合計含有量(好ましくは硫黄の含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5.0質量部以下、更に好ましくは3.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、樹脂を含有していてもよい。樹脂としては、タイヤ工業で汎用されているものであれば特に限定されず、ロジン系樹脂、クマロンインデン樹脂、α−メチルスチレン系樹脂、テルペン系樹脂、p−t−ブチルフェノールアセチレン樹脂、アクリル系樹脂、C5樹脂、C9樹脂等が挙げられる。市販品としては、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)、東亞合成(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂の含有量は、前記性能バランスの観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。
上記ゴム組成物は、老化防止剤を含有することが好ましい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、p−フェニレンジアミン系老化防止剤がより好ましい。
老化防止剤としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。含有量が上記範囲内であると、効果がより好適に得られる。
上記ゴム組成物は、ワックスを含有していてもよい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックスなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、石油系ワックスが好ましく、パラフィンワックスがより好ましい。
ワックスとしては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
ワックスの含有量は、前記性能バランスの観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
上記ゴム組成物は、脂肪酸を含有することが好ましい。
脂肪酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等が挙げられ、効果が良好に得られる傾向があるという点から、ステアリン酸が好ましい。
脂肪酸としては、日油(株)、NOF社、花王(株)、和光純薬工業(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
脂肪酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、酸化亜鉛を含有することが好ましい。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記数値範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物には、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤を配合することができ、有機過酸化物、硫酸マグネシウムなどの充填剤等を例示できる。これら充填剤の各含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上であり、好ましくは200質量部以下である。
上記ゴム組成物は、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
混練条件としては、架橋剤(加硫剤)及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常100〜180℃、好ましくは120〜170℃である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常120℃以下、好ましくは85〜110℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理が施される。加硫温度としては、通常140〜190℃、好ましくは150〜185℃である。
通常、加硫促進剤は仕上げ練り工程において混練されるが、加硫促進剤(スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、及びチアゾール系加硫促進剤)をベース練り工程で混練することが好ましい。これにより、効果がより好適に得られる。これは、加硫促進剤(スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、及びチアゾール系加硫促進剤)をベース練り工程で混練することにより、より架橋点が均一化され、応力集中の緩和がなされ、更なる耐摩耗性能の向上に寄与するためと考えられる。また、応力集中が緩和されることで、低燃費性能も改善するためと考えられる。
上記ゴム組成物は、良好な耐摩耗性能が要求されるトレッド(キャップトレッド)、クリンチに好適に用いられるが、上記ゴム組成物は、良好な低燃費性能を有するため、トレッド、クリンチ以外のタイヤ部材、例えば、サイドウォール、ベーストレッド、アンダートレッド、ビードエイペックス、ブレーカークッションゴム、カーカスコード被覆用ゴム、インスレーション、チェーファー、インナーライナー等や、ランフラットタイヤのサイド補強層に用いてもよい。
クリンチとは、サイドウォール下部に存在するリムとの接触部をカバーするゴム部であり、クリンチエイペックス又はラバーチェーファーともいう。具体的には、例えば、特開2008−75066号公報の図1等に示される部材である。
(空気入りタイヤ)
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、上記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
上記空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、競技用タイヤ、スタッドレスタイヤ(冬用タイヤ)、2輪車用タイヤ、ランフラットタイヤ、航空機用タイヤ、鉱山用タイヤ等に好適に使用可能である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(製造例1−1)
充分に窒素置換した30L耐圧容器にn−ヘキサン、スチレン(関東化学(株)製)、1,3−ブタジエン、テトラメチルエチレンジアミンを加え、40℃に昇温した。次に、1.6Mブチルリチウム(関東化学(株)製)を加えた後、50℃に昇温させ3時間撹拌した。反応溶液にメタノール及び2,6−tert−ブチル−p−クレゾールを添加後、10分間撹拌を行った。その後、スチームストリッピング処理によって重合体溶液から凝集体を回収した。得られた凝集体を24時間減圧乾燥させ、SBR(1−2)を得た。
(製造例1−2)〜(製造例1−4)
製造例1−1において、材料仕込み量を変化させ、SBR(1−3)〜SBR(1−5)を得た。
(製造例2−1)
窒素置換されたオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、スチレン、及び1,3−ブタジエンを仕込んだ。反応器の内容物の温度を20℃に調整した後、n−ブチルリチウムを添加して重合を開始した。断熱条件で重合し、最高温度は85℃に達した。重合転化率が99%に達した時点でブタジエンを追加し、更に5分重合させた後、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシランを変性剤として加えて15分間反応を行った。重合反応終了後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥して変性スチレンブタジエンゴム(SBR(2−1))を得た。
(製造例2−2)〜(製造例2−6)
製造例2−1において、材料仕込み量を変化させ、SBR(2−2)〜SBR(2−6)を得た。
(製造例3−1)
窒素ガスで置換した内容1.5Lの撹拌機付きステンレス製反応槽中に、重合溶液1.0L(1,3−ブタジエン(BD):34.2質量%、シクロヘキサン(CH):31.2質量%、残りは2−ブテン類)を投入した。更に、水(HO)1.52mmol、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)2.08mmol、トリエチルアルミニウム0.52mmol(アルミニウム/水=1.71(混合モル比))、コバルトオクエート(Cocat)20.94μmol、及びシクロオクタジエン(COD)6.05mmolを加え、70℃で20分間撹梓することで、1,4シス重合を行った。その後、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−orクレゾールを含むエタメールを加えて重合を停止し、未反応のブタジエン及び2−ブテン類を蒸発除去することで、ポリブタジエン(BR(1))を得た。
(製造例3−2)〜(製造例3−4)
製造例3−1において、材料仕込み量を変化させ、BR(2)〜BR(4)を得た。
上記製造例で得られたSBR、BRについて以下の評価を行った。
(重量平均分子量(Mw))
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により算出した。
(スチレン量)
SBRのスチレン量は、H−NMR測定により算出した。
(シス量、ビニル量、トランス量)
シス量、ビニル量、トランス量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定した。
実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR(1−1):ダウ社製のSLR6430(非油展非変性S−SBR、スチレン量:40質量%、ビニル量:14質量%、Mw:120万)
SBR(1−2):上記製造例1−1で合成したSBR(非油展非変性S−SBR、スチレン量:40質量%、ビニル量:14質量%、Mw:150万)
SBR(1−3):上記製造例1−2で合成したSBR(非油展非変性S−SBR、スチレン量:40質量%、ビニル量:14質量%、Mw:80万)
SBR(1−4):上記製造例1−3で合成したSBR(非油展非変性S−SBR、スチレン量:30質量%、ビニル量:14質量%、Mw:120万)
SBR(1−5):上記製造例1−4で合成したSBR(非油展非変性S−SBR、スチレン量:40質量%、ビニル量:25質量%、Mw:120万)
SBR(2−1):上記製造例2−1で合成したSBR(非油展変性S−SBR、スチレン量:21質量%、ビニル量:55質量%、Mw:35万)
SBR(2−2):上記製造例2−2で合成したSBR(非油展変性S−SBR、スチレン量:21質量%、ビニル量:55質量%、Mw:8万)
SBR(2−3):上記製造例2−3で合成したSBR(非油展変性S−SBR、スチレン量:21質量%、ビニル量:55質量%、Mw:15万)
SBR(2−4):上記製造例2−4で合成したSBR(非油展変性S−SBR、スチレン量:21質量%、ビニル量:55質量%、Mw:45万)
SBR(2−5):上記製造例2−5で合成したSBR(非油展変性S−SBR、スチレン量:21質量%、ビニル量:40質量%、Mw:35万)
SBR(2−6):上記製造例2−6で合成したSBR(非油展変性S−SBR、スチレン量:35質量%、ビニル量:55質量%、Mw:35万)
BR(1):上記製造例3−1で合成したBR(非油展非変性BR、シス量:97.6質量%、ビニル量:1.4質量%、トランス量:1.3質量%、Mw:53万)
BR(2):上記製造例3−2で合成したBR(非油展非変性BR、シス量:97.6質量%、ビニル量:1.4質量%、トランス量:1.3質量%、Mw:30万)
BR(3):上記製造例3−3で合成したBR(非油展非変性BR、シス量:97.6質量%、ビニル量:1.4質量%、トランス量:1.3質量%、Mw:90万)
BR(4):上記製造例3−4で合成したBR(非油展非変性BR、シス量:97.6質量%、ビニル量:1.4質量%、トランス量:1.3質量%、Mw:120万)
NR:TSR20
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(NSA:114m/g)
シリカ:デグッサ社製のウルトラシルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン
可塑剤(1):三共油化工業(株)製のA/Oミックス(オイル、芳香族系炭化水素の含有率:29質量%)
可塑剤(2):JXTGエネルギー(株)製のミネラルオイル(オイル、芳香族系炭化水素の含有率:5質量%)
可塑剤(3):出光興産(株)製のA/Oミックス(オイル、芳香族系炭化水素の含有率:30質量%)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製の椿
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(老化防止剤、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:細井化学工業(株)製のHK−200−5(5質量%オイル含有粉末硫黄)
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(1,3−ジフェニルグアニジン)
加硫促進剤(3):大内新興化学工業(株)製のノクセラーM(2−メルカプトベンゾチアゾール)
(実施例及び比較例)
表1に示す配合処方にしたがい、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を設定温度150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、100℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間プレス加硫して加硫ゴム組成物(加硫ゴムシート)を得た。
得られた加硫ゴム組成物を使用して、下記の評価を行った。
(LAT摩耗試験)
LAT試験機(Laboratery Abration an Skid Tester)を用い、荷重40N、速度20km/h、スリップアングル5°の条件にて、各加硫ゴム組成物の容積損失量を測定した。比較例1の容積損失量を100とし、下記計算式によりLAT摩耗指数を算出した。指数が大きいほど耐摩耗性能に優れることを示す。
(耐摩耗性能指数)=(比較例1の容積損失量)/(各配合の容積損失量)×100
(低燃費性能)
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、温度50℃、初期歪み10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で、加硫ゴムシートの損失正接(tanδ)を測定し、比較例1のtanδを100として、下記計算式により低燃費性能指数を算出した。低燃費性能指数が大きいほど、低燃費性能に優れることを示す。
(低燃費性能指数)=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
Figure 2019104771
表1より、重量平均分子量が100万以上の第1のスチレンブタジエンゴムと重量平均分子量が10万以上40万以下の第2のスチレンブタジエンゴムと重量平均分子量が40万以上100万以下のブタジエンゴムとを含むゴム成分と、芳香族系炭化水素の含有率が20質量%以上であるオイルと、スルフェンアミド系加硫促進剤と、グアニジン系加硫促進剤と、チアゾール系加硫促進剤とを含み、上記オイルをゴム成分100質量部に対して10質量部以上含む実施例は、耐摩耗性能、低燃費性能をバランスよく改善できた。
比較例1、3、4、実施例1の対比により、重量平均分子量が100万以上の第1のスチレンブタジエンゴムと重量平均分子量が10万以上40万以下の第2のスチレンブタジエンゴムと重量平均分子量が40万以上100万以下のブタジエンゴムとを含むゴム成分と、スルフェンアミド系加硫促進剤とグアニジン系加硫促進剤とチアゾール系加硫促進剤とを含む加硫促進剤とを併用することにより、耐摩耗性能、低燃費性能を相乗的に改善できることが分かった。

Claims (5)

  1. 重量平均分子量が100万以上の第1のスチレンブタジエンゴムと重量平均分子量が10万以上40万以下の第2のスチレンブタジエンゴムと重量平均分子量が40万以上100万以下のブタジエンゴムとを含むゴム成分と、
    芳香族系炭化水素の含有率が20質量%以上であるオイルと、
    スルフェンアミド系加硫促進剤と、
    グアニジン系加硫促進剤と、
    チアゾール系加硫促進剤とを含み、
    前記オイルをゴム成分100質量部に対して10質量部以上含むタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記第2のスチレンブタジエンゴムのビニル量が50質量%以上である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記第2のスチレンブタジエンゴムのスチレン量が30質量%以下である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記ブタジエンゴムのシス量が95質量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したタイヤ部材を有する空気入りタイヤ。

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