JP5498395B2 - 亜鉛含量が低減されたゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、特に、タイヤ又はトレッドのようなタイヤの半製品の製造に使用し得るジエンゴム組成物に関する。
ジエンエラストマーの硫黄による加硫は、ゴム業界、特にタイヤ業界では広く用いられている。ジエンエラストマーを加硫するために、硫黄に加えて、種々の加硫促進剤及び1つ以上の加硫活性化剤、特に亜鉛の誘導体、例えば、酸化亜鉛(ZnO)単独か又は脂肪酸と用いられるものを含む比較的複雑な加硫系が用いられている。
特に水と水棲生物に関して、これらの化合物の環境影響が知られているために(分類N; R50/53: 水棲生物に対して高い毒性を示すと、水域環境に長期にわたって悪影響が引き起こされることになる)、タイヤ製造業者は、ゴム配合物から亜鉛又はその誘導体を著しく減少させるか或いは、可能である場合には、排除させることを可能にする解決法を探し求めている。
しかしながら、酸化亜鉛含量の減少により、特に天然ゴムの含量が支配的なブレンド、例えば、大型車両のタイヤトレッドに用いられるものには、多くの欠点につながることが見い出されている。すなわち、ブレンドの加硫中の硫黄架橋の数の減少により、ブレンドのモジュラスが低下するとともにヒステレシスが増加し、それ故、転がり抵抗が増加することになる。
当然、加硫系を適合することによって、特に、硫黄含有量及び亜鉛誘導体と習慣的に用いられる他の促進剤の含量を増加させることによって亜鉛を排除するか又は著しく減少させることが有利と思われる。しかしながら、当業者は、実際に硫黄と促進剤の含量を増加させると目標とする架橋密度を達成することが可能になるが、一方では、このことが硫黄網目の分布、即ち、1つの硫黄原子、2つの硫黄原子、2つを超える硫黄原子と形成される硫黄架橋のパーセントと、架橋に直接に関係がある特性、例えば、スコーチ時間、最適キュアリング時間等との間の妥協を犠牲にするということを知っている。そして、このことは、主に天然ゴム又は合成イソプレンに基づくエラストマーマトリックスについてより顕著である。
それ故、亜鉛排除の問題に応答するために、文献WO 2003/054081には酸化亜鉛を他の金属酸化物によって、或いは元素周期律表のIIIA、IVA、VA、VIA、VIIA又はVIIIA族に属する遷移金属、特にコバルト又はニッケルの塩又は酸化物によって置き換えることが提唱された。ニッケルがヒトの健康に毒性があるために将来の実行可能な解決法を構成しないことは留意すべきである。
更にまた、ゴム組成物の支配的なエラストマーがイソプレンエラストマーである場合、上で示した遷移金属の列の中の多くの金属酸化物又は塩は活性化剤の役割を満たさない。
しかしながら、出願人は、上述の欠点のすべてからゴム組成物を保護しつつ、ゴム配合物中の亜鉛含量を著しく減少させることを可能にする新規な解決法を見い出した。特に、この新規な解決法は、主にイソプレンエラストマーを含有する組成物においてさえ加硫の活性化を行うことを可能にする。
それ故、本発明の第一の主題は、特に、タイヤの製造に使用し得るゴム組成物に関し、前記ゴム組成物は、0.5phe未満(pheはエラストマー100部に対する部を表す)の亜鉛を含有する少なくとも1つのジエンエラストマーに基づき、更に:
- 少なくとも1つの補強充填剤;
- 少なくとも1つの硫黄ベースの架橋系、
- 式: (RCOO)2Cu
(式中、Rは、炭素原子1〜20個を有する直鎖又は分枝鎖、環状又は非環状アルキル、炭素原子1〜20個を有するアリール、アラルキル又はアルカリールより選ばれる炭化水素ベースの基を表す)
の銅(II)カルボキシレートに基づく。
本発明の1つの主題は、特に、タイヤ又はこれらのタイヤを意図したゴムでできた半製品の製造のための本発明のゴム組成物の使用であり、これらの半製品は、特に、トレッド、例えば、これらのトレッドの下に配置されることを意図したアンダーレイヤー、クラウンプライ、サイドウォール、カーカスプライ、ビーズ、プロテクター、インナーチューブ及びチューブレスタイヤ用の気密インナーライナーによって構成される群より選ばれる。
有利には、本発明は、亜鉛を含まないゴム組成物に関する。
好ましくは、式: (RCOO)2Cuの銅カルボキシレートにおいて、Rは、炭素原子1〜13個を有する炭化水素ベースの基を表し、好ましくは、銅カルボキシレートは、酢酸銅(II)、2-エチルヘキサン酸銅(II)、ノナン酸銅(II)又はラウリン酸銅(II)である。
本発明の好ましい一実施態様によれば、ジエンエラストマーは、40pheを超えるイソプレンエラストマー、好ましくは50pheを超えるイソプレンエラストマーを含み、特に、100pheのイソプレンエラストマーを含む。
有利には、補強充填剤は、カーボンブラックを10pheを超える含量で含み、好ましくは、補強充填剤は主にカーボンブラックを含む。本発明の他の実施態様によれば、補強充填剤は、カーボンブラックと無機充填剤のブレンドを含み、特に、無機充填剤は、シリカを含み、より詳しくは、補強充填剤は、シリカとカーボンブラックを含み、シリカの量は、(質量で)カーボンブラックの量以下である。
本発明は、また、0.5phe未満の亜鉛を含有する少なくとも1つのジエンエラストマーに基づくゴム組成物を調製する方法であって、少なくとも1つの補強充填剤と、式(RCOO)2Cu(式中、Rは、炭素原子1〜20個を有する直鎖又は分枝鎖、環状又は非環状アルキル、炭素原子1〜20個を有するアリール、アラルキル又はアルカリールより選ばれる炭化水素ベースの基を表す)の銅(II)カルボキシレートを含む少なくとも1つの硫黄ベースの架橋系が、ジエンエラストマーに混練によって組み入れられることを特徴とする、前記方法に関する。
有利には、ジエンエラストマーは、40pheを超えるイソプレンエラストマー、好ましくは50pheを超えるイソプレンエラストマーを含み、特に、100pheのイソプレンエラストマーを含む。
本発明の組成物は、特に、“ヘビーデューティー”車両(即ち、地下鉄、バス、大型道路搬送車両(トラック、トラクタ、トレーラ)又はオフロード車、航空機、地ならし機、重量農業用車両又は取扱車両を装備することを意図したタイヤトレッドの製造に適している。
本発明の他の主題は、本発明のゴム組成物を含む場合のこれらの動力車の地面-接触系、これらのタイヤ及びそれ自体ゴムでできた半製品、特にトレッドである。本発明の1つの主題は、特に、新しいタイヤの製造又は中古タイヤの再生のためのこのようなトレッドの使用である。
本発明は、また、未加工状態(即ち、キュア前)とキュア状態(即ち、架橋又は加硫後)双方のこれらの動力車の地面-接触系、タイヤ及びトレッドに関する。
本発明とその利点は、以下の詳細な説明及び例示的実施態様を考慮して容易に理解される。
本発明の組成物は、(i)少なくとも1つのジエンエラストマー、(ii)少なくとも1つの補強充填剤、及び(iii)式(RCOO)2Cuの少なくとも1つの銅カルボキシレートを含む硫黄ベースの加硫系に基づいている。
語句“に基づく組成物”は、本明細書においては、反応生成物及び/又は用いられる種々の成分の混合物を含む組成物を意味すると理解されるべきであり、これらの基本成分(例えば、カップリング剤や無機充填剤)の一部は、組成物の製造の種々の相の間、特に加硫(キュアリング)の間、相互に、少なくとも部分的に反応することができるか又は反応することを意図している。
本説明において、特にことわらない限り、示されるすべてのパーセント(%)は質量%である。
ジエンエラストマー
“ジエン”タイプのエラストマー又はゴム(2つの用語は同じ意味である)は、一般的に、ジエンモノマー(モノマーは共役であってもなくても2つの炭素-炭素二重結合を持っている)から少なくとも部分的に誘導されるエラストマー(即ち、ホモポリマー又はコポリマー)を意味するように理解される。
ジエンエラストマーは、既知の方法で、2つの種類:“本質的に不飽和”と言われるものと“本質的に飽和”と言われているものに分類され得る。語句“本質的に不飽和のジエンエラストマー”は、15%(モル%)を超えるジエン由来(共役ジエン)の単位の含量を有する共役ジエンモノマーから少なくとも部分的に得られるジエンエラストマーを意味するように理解される。従って、例えば、ブチルゴムのようなジエンエラストマー又はEPDMタイプのジエン/α-オレフィンコポリマーは、この分類に入らず、むしろ“本質的に飽和のジエンエラストマー”(ジエン由来の単位の含量が少ない或いは非常に少ない、常に15%未満)として記載され得る。“本質的に不飽和”のジエンエラストマーの分類の範囲内で、語句“高度に不飽和のジエンエラストマー”は、特に、50%を超えるジエン由来(共役ジエン)の単位の含量を有するジエンエラストマーを意味するように理解される。
これらの定義を考えれば、特に、本発明の組成物において使用し得るジエンエラストマーは、以下を意味することが理解される:
(a) - 炭素原子4〜12個を有する共役ジエンモノマーを重合することによって得られるホモポリマー;
(b) - 1つ以上の共役ジエンを相互に又は炭素原子8〜20個を有する1つ以上のビニル芳香族化合物と共重合することによって得られるコポリマー;
(c) - エチレン、炭素原子3〜6個を有するα-オレフィンと炭素原子6〜12個を有する非共役ジエンモノマーとを共重合することによって得られる三元コポリマー、例えば、エチレン、プロピレン及び、特に1,4-ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエンのような上述のタイプの非共役ジエンモノマーから得られるエラストマー; 及び
(d) - イソブテンとイソプレン(ブチルゴム)のコポリマー、また、このタイプのコポリマーのハロゲン化、特に塩素化又は臭素化の変形例。
本発明はいかなるタイプのジエンエラストマーにもあてはまるが、タイヤの当業者は、特に上記(a)又は(b)のタイプの本質的に不飽和のジエンエラストマーと用いることが好ましいことを理解するであろう。
適切な共役ジエンは、特に、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジ(C1-C5)アルキル-1,3-ブタジエン、例えば、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン又は2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエン、アリール-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン又は2,4-ヘキサジエンである。適切なビニル芳香族化合物は、例えば、スチレン、オルト-、メタ-及びパラ-メチルスチレン、市販の“ビニルトルエン”混合物、パラ-(tert-ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレンである。
コポリマーは、99質量%〜20質量%のジエン単位と1質量%〜80質量%のビニル芳香族単位を含むことができる。エラストマーは、用いられる重合条件、特に変性剤及び/又はランダム化剤の有無及び使われる変性剤及び/又はランダム化剤の量に左右される任意のミクロ構造を有することができる。エラストマーは、例えば、ブロック、ランダム、連続又はミクロ連続エラストマーであることができ、分散液又は溶液中で調製することができる; これらは、カップリング及び/又は星型分枝させることができ或いはカップリング剤及び/又は星型分枝剤又は官能基化剤で官能基化させることができる。
カーボンブラックとのカップリングの場合には、例えば、C-Sn結合を含む官能基又はアミノ化官能基、例えば、ベンゾフェノンを挙げることができる; シリカのような補強性無機充填剤とのカップリングの場合には、例えば、シラノール末端を有するシラノール官能基又はポリシロキサン官能基(例えば、FR 2 740 778又はUS 6 013 718に記載されている)、アルコキシシラン基(例えば、FR 2 765 882又はUS 5 977 238に記載されている)、カルボキシル基(例えば、WO 01/92402又はUS 6 815 473、WO 2004/096865又はUS 2006/0089445に記載されている)或いはポリエーテル基(例えば、EP 1 127 909又はUS 6 503 973に記載されている)を挙げることができる。官能基化エラストマーの他の例として、エポキシ化タイプのエラストマー(例えば、SBR、BR、NR又はIR)を挙げることができる。
ポリブタジエン、特に、1,2-単位の含量(モル%)が4%〜80%であるもの又はcis-1,4-単位の含量(モル%)が80%を超えるもの、ポリイソプレン、ブタジエン/スチレンコポリマー、特に、Tg(ガラス転移温度、Tg、ASTM D3418に準じて測定した)が0℃〜-70℃、より詳しくは-10℃〜-60℃、スチレン含量が5質量%〜60質量%、より詳しくは20%〜50%、ブタジエン部分の1,2-結合の含量(モル%)が4%〜75%且つtrans-1,4-結合の含量(モル%)が10%〜80%であるもの、ブタジエン/イソプレンコポリマー、特に、イソプレン含量が5質量%〜90質量%、Tgが-40℃〜80℃であるもの、又はイソプレン/スチレンコポリマー、特に、スチレン含量が5質量%〜50質量%且つTgが-25℃〜-50℃であるものが適している。ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーの場合には、スチレン含量が5質量%〜50質量%、より詳しくは10%〜40%、イソプレン含量が15質量%〜60質量%、より詳しくは20%〜50%、ブタジエン含量が5質量%〜50質量%、より詳しくは20%〜40%、ブタジエン部分の1,2-単位の含量(モル%)が4%〜85%、ブタジエン部分のtrans-1,4-単位の含量(モル%)が6%〜80%、イソプレン部分の1,2-単位と3,4-単位の含量(モル%)が5%〜70%且つイソプレン部分のtrans-1,4-単位の含量(モル%)が10%〜50%のもの、より一般的には、Tgが-20℃〜-70℃の任意のブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーが特に適している。
要するに、本発明の組成物のジエンエラストマーは、特に好ましくは、ポリブタジエン(BR)、合成ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー及びこれらのエラストマーの混合物によって形成される(高度に不飽和の)ジエンエラストマーの群より選ばれる。このようなコポリマーは、より好ましくは、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)、イソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)及びこのようなコポリマーのブレンドによって形成される群より選ばれる。
個々の一実施態様によれば、ジエンエラストマーは、それがエマルジョン(“ESBR”)で調製されたSBRにしても溶液(“SSBR”)で調製されたSBRであるにしても、SBR/BR、SBR/NR(又はSBR/IR)、BR/NR(又はBR/IR)或いはSBR/BR/NR(又はSBR/BR/IR)ブレンド(混合物)にしても、主に(即ち、50pheを超える)SBRである。SBR(ESBR又はSSBR)エラストマーの場合には、特に、中程度のスチレン含量が、例えば、20質量%〜35質量%、又は高スチレン含量が、例えば、35〜45%、ブタジエン部分のビニルの含量が15%〜70%、trans-1,4-結合の含量(モル%)が15%〜75%且つTgが10℃〜と55℃であるSBRが使われる; このようなSBRは、有利には、cis-1,4-結合が90%を超える(モル%)ことが好ましいBRとの混合物として使用し得る。
本発明の組成物は、特に、好ましくはヘビーデューティー車両タイヤトレッドを意図し、ジエンエラストマーは、好ましくはイソプレンエラストマー、即ち、イソプレンホモポリマー又はコポリマー、言い換えれば、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、種々のイソプレンコポリマー又はこれらのエラストマーのブレンドより選ばれるジエンエラストマーである。特に、イソプレンコポリマーの中で、イソブテン/イソプレン(ブチルゴム/IIR)、イソプレン/スチレン(SIR)、イソプレン/ブタジエン(BIR)又はイソプレン/ブタジエン/スチレン(SBIR)コポリマーが挙げられる。このイソプレンエラストマーは、好ましくは天然ゴム又は合成シス-1,4-ポリイソプレンである; 好ましくは、これらの合成ポリイソプレンの中で、cis-1,4-結合の含量(モル%)が90%を超え、より好ましくは更に98%を超えるポリイソプレンが使われる。ヘビーデューティー車両用のこのようなタイヤについては、ジエンエラストマーは、完全に又は部分的に、他の高度に不飽和のエラストマー、例えば、SBRエラストマーから構成されてもよい。
特に、ジエンエラストマーが少なくとも40pheのイソプレンエラストマーを含有することが有利である。
乗用車タイヤの場合には、ジエンエラストマーは、好ましくはSBRコポリマー、特に溶液で調製されたSBRであり、好ましくはポリブタジエンとのブレンドとして用いられる。より好ましくは、SBRは、スチレン含量が20質量%〜30質量%、ブタジエン部分のビニル含量が15%〜65%、trans-1,4-結合の含量が15%〜75%且つTgが-20℃〜-55℃であり、ポリブタジエンのcis-1,4-結合は、90%を超える。
本発明のトレッドの組成物は、単一のジエンエラストマー又はいくつかのジエンエラストマーの混合物を含むことができ、ジエンエラストマー又はジエンエラストマー以外の合成エラストマーの任意のタイプ、或いはエラストマー以外のポリマー、例えば、熱可塑性ポリマーとさえ組み合わせて用いられるエラストマーが可能である。
補強充填剤
補強充填剤として、好ましくは、カーボンブラックが10pheを超える割合で使われる。カーボンブラックの量は、有利には、特にそれが唯一の補強充填剤又は支配的な補強充填剤を構成する場合には、30pheを超えてもよい。
しかしながら、カーボンブラックは、補強充填剤、特に無機充填剤とのブレンドとして用いることができることは当然のことである。このような無機充填剤にはシリカが含まれ、好ましくは、ヘビーデューティー車両を意図したタイヤ用途において、シリカは、質量で、カーボンブラックの量以下の割合で保たれる。
より詳しくは、すべてのカーボンブラックは、タイヤ、特に、タイヤのトレッドに慣用的に用いられるHAF、ISAF又はSAFタイプのブラックがカーボンブラックとして適している。このようなブラックの限定されない例として、N115、N134、N234、N330、N339、N347又はN375ブラック、或いは対象とする用途によっては、高級シリーズのブラック(例えば、N660、N683又はN772)を挙げることができる。カーボンブラックは、例えば、マスターバッチの形でイソプレンエラストマーにすでに組み入れられていてもよい(例えば、出願WO 97/36724又はWO 99/16600を参照のこと)。
カーボンブラック以外の有機充填剤の例として、出願WO-A-2006/069792、WO-A-2006/069793に記載されている官能基化ポリビニル芳香族有機充填剤を挙げることができる。
語句“補強性無機充填剤”は、本出願において、定義上は、カーボンブラックとは対照的に、タイヤの製造を意図した、言い換えれば慣用のタイヤグレードカーボンブラックを補強する役割で置き換えることができるゴム組成物を、中間カップリング剤以外の手段を含めずに、それ自体単独で補強することができる“白色充填剤”、“透明充填剤”又は“非黒色充填剤”としてさえも知られる、その色及びその由来(天然か又は合成)がなんであれ、任意の無機充填剤或いはミネラル充填剤を意味すると理解されるべきである; このような充填剤は、一般的には、既知のように、その表面におけるヒドロキシル(-OH)基の存在を特徴とする。
補強性無機充填剤が存在する物理的状態は、それが、粉末、ミクロビーズ、顆粒、ビーズの形であるにしても、他の適切な高密度化の形であるにしても、重要ではない。当然、語句“補強性無機充填剤”もまた、種々の補強性無機充填剤、特に、以下に記載される高度に分散性のシリカ質充填剤及び/又はアルミナ質充填剤の混合物を意味すると理解される。
シリカの使用の場合には、特に本発明が転がり抵抗が小さいタイヤの製造に使われる場合、高度に分散性の沈降シリカが用いられることが好ましい; このような好ましい高度に分散性のシリカの限定されない例としては、Degussa製のUltrasil 7000、Ultrasil 7005のシリカ、Rhodia製のZeosil 1165MP、1135MP、1115MPのシリカ、PPG製のHi-Sil EZ150Gシリカ、Huber製のZeopol 8715、8745、8755のシリカ又は処理沈降シリカ、例えば、上述の出願EP-A-0 735 088に記載されているアルミニウムで“ドープされた”シリカを挙げることができる。
用いられる補強性アルミナ(Al2O3)は、好ましくは、BET表面積が30〜400m2/g、より好ましくは60〜250m2/g且つ平均粒径が最大500nm、より好ましくは最大200nmの高度に分散性アルミナである。特に、このような補強性アルミナの限定されない例として、“Baikalox A125”又は“CR125”(Baikowski)、APA-100RDX(Condea)、“Aluminoxid C”(Degussa)又は“AKP-G015”(Sumitomo Chemicals)アルミナを挙げることができる。
本発明のゴム組成物に用いることができる無機充填剤の他の例として、水酸化(酸化)アルミニウム、アルミノケイ酸塩、酸化チタン、炭化ケイ素又は窒化ケイ素、文献WO 99/28376(又はUS 6,610,261)、WO 00/73372(又はUS 6,747,087)、WO 02/053634(又はUS 2004/0030017)、WO 2004/003067、WO 2004/056915に記載される補強タイプのすべてを挙げることもできる。
最後に、他の種類の補強充填剤、特に有機充填剤を、本項に記載される補強性無機充填剤に等価な充填剤として用いることができるが、この補強充填剤が、シリカのような無機層で覆われているか、或いは表面に、機能部位、特にヒドロキシル部位を含み、充填剤とエラストマーとの間の結合を確立するためにカップリング剤の使用を必要とすることを当業者は理解するであろう。
ここで、語句“カップリング剤”が、既知のように、無機充填剤とジエンエラストマーとの間に、化学的及び/又は物理的性質の充分な結合を確立することができる物質を意味するように理解されることが呼び戻され; 少なくとも二官能性であるこのようなカップリング剤は、例えば、単純化した一般式“Y-A-X”を有し、ここで:
- Yは、無機充填剤に物理的に及び/又は化学的に結合することができる官能基(“Y”官能基)を表し、このような結合は、おそらく、例えば、カップリング剤のケイ素原子と無機充填剤の表面ヒドロキシル(OH)基(例えば、シリカである場合は表面シラノール)との間に確立され;
- Xは、ジエンエラストマーに、例えば、硫黄原子によって、物理的に及び/又は化学的に結合することができる官能基(“X”官能基)を表し;
- Aは、YがXに結合することを可能にする二価の基を表す。
カップリング剤、特にシリカ/ジエンエラストマーカップリング剤は、非常に多数の文献に記載されており、“Y”官能基として、及び“X”官能基としてアルコキシ官能基(即ち、定義上“アルコキシシラン”)を持つ二官能性オルガノシランが最も良く知られ、官能基は、ジエンエラストマー、例えば、ポリスルフィド官能基と反応することができる。
また、補強充填剤(即ち、適切な場合には、補強性無機充填剤とカーボンブラック)、対象の用途によっては、例えば、着色したタイヤトレッド又はサイドウォールに、使用し得るクレー、ベントナイト、タルク、チョーク又はカオリンの粒子のような不活性(非補強性)充填剤に添加することも可能である。
種々の添加剤
本発明のゴム組成物は、また、タイヤの製造を意図したエラストマー組成物に慣用的に用いられる標準添加剤の全部又は一部、例えば、例えば、出願WO 02/10269(又はUS2003-0212185)に記載されるように、可塑剤又は芳香族性、非芳香族性にかかわらずエキステンダー油、顔料、保護物質、例えば、抗オゾンワックス、化学オゾン劣化防止剤、抗酸化剤、抗疲労物質、強化用樹脂、メチレン受容体(例えば、フェノール-ノボラック樹脂)又はメチレン供与体(例えば、HMT又はH3M)を含むことができる。
特に、タイヤサイドウォールのような用途において、当業者は、可塑剤又はエキステンダー油を一般的には30phe以下の量に保ちつつ使うことができる。
加硫又は架橋系
組成物は、また、硫黄か又は硫黄及び/又は過酸化物及び/又はビスマレイミド供与体、加硫促進剤及び加硫活性化剤に基づく架橋系を含む。当然、活性化剤又は促進剤が亜鉛に基づく場合には、本発明によれば、組成物中の全体に含まれる亜鉛元素の合計が0.5phe未満の全亜鉛含量を考慮に入れなければならない。
実際の加硫系は、好ましくは、硫黄及び一次加硫促進剤、特にスルフェンアミドタイプの促進剤、例えば、2-メルカプトベンゾチアジルジスルフィド(“MBTS”と略記される)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(“CBS”と略記される)、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(“DCBS”と略記される)、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(“TBBS”と略記される)、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(“TBSI”と略記される)及びこれらの化合物の混合物によって構成される群より選ばれるものに基づく。
本発明がタイヤトレッドに適用される場合、硫黄は、好ましくは0.5〜10phe、より好ましくは0.5〜5.0phe、例えば、0.5〜3.0pheの含量で用いられる。
本発明の組成物は、組成物中に存在する亜鉛量を制限するために、非常に少量で、好ましくは0.5未満の量で酸化亜鉛を含むことができる。また有利には、組成物は、酸化亜鉛を含まず、加硫活性化剤が銅カルボキシレートによって置き換えられる。
本発明の銅(II)カルボキシレートは、式(RCOO)2Cu(式中、Rは、炭素原子1〜20個を有する直鎖又は分枝鎖、環状又は非環状アルキル、炭素原子1〜20個を有するアリール、アラルキル又はアルカリールより選ばれる炭化水素ベースの基を表す)の銅カルボキシレートである。
R基が炭素原子1〜13個を有する対応するカルボキシレート、例えば、炭素原子1個を有するRに対応する酢酸銅(II)、Rが炭素原子7個を有する2-エチルヘキサン酸銅(II)、炭素原子8個を有するノナン酸銅(II)、Rが炭素原子11個を有するラウリン酸銅(II)が好ましい。
ゴム組成物の製造
本発明は、また、0.5phe未満の亜鉛を含有する、ジエンエラストマーに基づくゴム組成物を調製する方法であって、少なく1つの補強充填剤、及び式(RCOO)2Cu:
(式中、Rは、炭素原子1〜20個を有する直鎖又は分枝鎖、環状又は非環状アルキル、炭素原子1〜20個を有するアリール、アラルキル又はアルカリールより選ばれる炭化水素ベースの基を表す)
の銅(II)カルボキシレートを含む少なく1つの硫黄ベースの架橋系が少なくとも1つのジエンエラストマーに混練によって組み入れられることを特徴とする、前記方法に関する。
本発明のゴム組成物は、当業者に周知の一般手順に従って2連続調製段階を用いて適切なミキサーにおいて製造される: 130℃〜200℃、好ましくは145℃〜185℃の最高温度までの高温での第1の熱機械的作業段階又は混練段階(しばしば“非生産”段階として記載される)、続いて典型的には120℃未満、例えば、60℃〜100℃のより低い温度での第2の機械的作業段階(しばしば“生産”段階として記載される)、その仕上げ段階で架橋系又は加硫系が組み入れられる。
本発明の好ましい一実施態様によれば、加硫系を除く、本発明の組成物のすべてのベース成分、即ち、カーボンブラック、選択できる他の補強充填剤及び選択できるカップリング剤がいわゆる第1の非生産段階でジエンエラストマーに、混練によって、緊密に組み入れられる。即ち、これらの種々のベース成分がミキサーに導入され、130℃〜200℃、好ましくは145℃〜185℃の最高温度に到達するまで、1つ以上の工程で熱機械的に混練される。
一例として、第1の(非生産)段階が単一の熱機械的工程において行われ、その間に、加硫系を除く、すべての必要な成分、選択できる相補的被覆剤又は加工助剤及び他の種々の添加剤が、標準内部ミキサーのような適切なミキサーに導入される。この非生産段階における全混練時間は、好ましくは1〜15分である。このようにして第1の非生産段階の間に得られた混合物を冷却した後、一般的にはオープンミルのような外部ミキサーにおいて、加硫系が低温で組み入れられる。次に、すべての成分が、数分後、例えば、2〜15分間に混合される(生産段階)。
適当な加硫系は、好ましくは、加硫系において前に詳述した硫黄と一次促進剤、好ましくはスルフェンアミドタイプに基づく。
種々の既知の二次促進剤又は加硫活性化剤は、この加硫系に添加され、これらは、第1の非生産段階及び/又は生産段階の間に組み入れられ、本発明の式(RCOO)2Cuの1つ以上の銅(II)カルボキシレート、又は少量で残り且つ加硫系の項で指定された量より少ない限り他の亜鉛誘導体さえも含み、更に場合によりステアリン酸、グアニジン誘導体(特に、ジフェニルグアニジン)等の脂肪酸を含んでもよい。
このようにして得られた最終組成物は、次に、例えば、膜又はシートの形に、特に研究室評価のために、カレンダー加工され、或いは、例えば、乗用車用のタイヤトレッドとして、使用し得るゴム形状要素の形で押出される。
加硫(又はキュアリング)は、一般的には130℃〜200℃の温度で、特に、キュアリング温度、採用される加硫系及び問題の組成物の加硫速度論によっては、例えば、5〜90分間に異なってもよい、充分な時間、既知の方法で行われる。
まとめると、2phe未満の亜鉛を含有し、且つ少なくとも1つの補強充填剤、及び式(RCOO)2Cu:
(式中、Rは、炭素原子1〜20個を有する直鎖、分枝鎖、環状又は非環状アルキル又は炭素原子1〜20個を有するアリール、アラルキル又はアルカリールより選ばれる炭化水素ベースの基を表す)
の銅カルボキシレートを含む少なくとも1つの硫黄ベースの架橋系を含む、ジエンエラストマーに基づくゴム組成物を調製する方法は、次の工程を含む:
- ミキサーにおいて、補強充填剤及び式(RCOO)2Cuの銅(II)カルボキシレートをジエンエラストマーに、130℃〜200℃の最高温度に到達するまですべての成分を1回以上熱機械的に混練することによって組み入れる工程;
- この混合物を100℃未満の温度に冷却する工程;
- 次に、すでに組み入れられたカルボキシレート以外の加硫系を組み入れる工程であって: この加硫系は最終組成物中の亜鉛含量が0.5phe未満であるようなものである、前記工程;
- すべてを120℃未満の最高温度まで混練する工程; 及び
- このようにして得られたゴム組成物を押出すか又はカレンダー加工する工程。
本発明の例示的実施態様
用いられる測定及び試験
キュアリングの前後に、以下に示されるようにゴム組成物を確認する。
レオメトリー
規格DIN53529 - パート3(1983年6月)に準じて、振動ディスクレオメータにより150℃において測定を行う。時間の関数としてレオメータトルクの変化、Δトルクは、加硫反応の結果として組成物の剛化の変化を記載する。規格DIN 53529 - パート2(1983年3月)に準じて測定を処理する: T0は、誘導時間、即ち、加硫反応の開始に必要な時間である; Tα(例えば、T95)は、α%の変換、即ち、最小トルクと最大トルクとの間の差のα%(例えば、95%)を達成するのに要する時間である。加硫速度論を評価することを可能にする30%〜80%変換で算出される、一次オーダであるK(min-1で表される)によって示される変換速度定数も測定する。
組成物の調製
以下の試験に示される種々の組成物を、以下のように同じ方法で調製する:
補強充填剤(カーボンブラック、他の選択できる可能な充填剤及び場合によりカップリング剤)、ジエンエラストマー及び加硫系の残りを除く二次加硫促進剤を含む種々の他の成分を70%充填するとともに開始チャンバ温度が約60℃である内部ミキサーに連続して導入する。次に、熱機械的作業(非生産段階)を一工程で行い、165℃の最高“低下”温度に到達するまで合計3〜4分間持続する。このようにして得られた混合物を回収し、冷却し、次に、加硫系の残り(硫黄、一次スルフェンアミド型促進剤)を30℃において外部ミキサー(ホモフィニッシャ)に組み入れ、適切な時間(例えば、5〜12分間)の間すべてを混合する(生産段階)。
本実施例において、種々のエラストマーマトリックス及び補強充填剤について、3つの対照組成物を、先行技術からのいくつかの組成物と本発明のいくつかの組成物と比較する。これらの種々の組成物は、加硫系によって、より詳しくは加硫活性化剤によってのみ区別されている。
特に、これらの組成物のレオメトリー的性質を比較する。
すべてのこれらの組成物は、ヘビーデューティー動力車用のタイヤのトレッドの製造を意図している。
第1の“従来の”対照組成物は、酸化亜鉛を含有する加硫系を有する組成物であり、第2の対照組成物においては加硫活性化剤又は促進剤がなく、第3は、酸化亜鉛の代わりに酸化銅(II)を含有する。
先行技術に対応する組成物は、酸化亜鉛の代用として、他の金属酸化物又は塩を含有し、本発明の組成物は、先行技術の組成物の酸化亜鉛又は他の金属酸化物又は塩の代わりに銅(II)カルボキシレートを含有する。
組成物の各々において金属酸化物又は塩の含量を、3pheのZnO(即ち、2.4pheの亜鉛)、上述の製造を意図した組成物に慣用的に用いられる含量を含む対照組成物の1つに相対して金属カチオン(例えば、本発明の組成物については銅II)が等モルであるように算出した。
すべての組成物は、phe(pheは、エラストマー100質量部に対する質量部を表す)、として表される以下の同一ベース配合物を有する:
エラストマーNR(1) 100
カーボンブラックN220 47.5
硫黄/ 1.5
CBS(2) 0.6
(1) NR: 天然ゴム(解膠した)
(2) 促進剤:N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)
従って、以下の表示法を用いる: 対照組成物についてはT1、T2及びT3; 先行技術の組成物についてはA1、A2及びA3及び本発明の組成物についてはC1、C2、C3及びC4。これらの組成物は、それぞれ以下の加硫活性化剤を以下の量で用いる:
- T1については: ステアリン酸を有する酸化亜鉛、ZnO、
- T2については: 活性化剤なし;
- T3については: 酸化銅(II);
- A1については: 酸化鉄;
- A2については: 二酸化ジルコニウム;
- A3については: 2-エチルヘキサン酸ジルコニウム;
- C1については: 酢酸銅(II);
- C2については: 2-エチルヘキサン酸銅(II);
- C3については: ノナン酸銅(II)、及び
- C4については: ラウリン酸銅(II)。
それ故、以下の表1に示されるように、これらの組成物T1、T2、A1、A2及びA3は相互に区別され、量はpheとして示されている。
表1
Figure 0005498395
これらの種々の組成物について得られるレオメトリー的性質を以下の表2に示す。
表2
Figure 0005498395
表2に示される結果からみて、先行技術からの組成物に対応し、酸化鉄、二酸化ジルコニウム及び2-エチルヘキサン酸ジルコニウムに基づくそれぞれ組成物A1、A2及びA3が、加硫活性化剤を含まない対照組成物T2に匹敵する結果を有することが容易に認められる。それ故、これらの組成物については、用いられる金属酸化物又は塩が加硫の活性化を達成することを可能にしないことが明らかである(得られたΔトルクは架橋が非常に少ないことを示し、高T95は反応の開始が非常に緩慢なことを示し、非常に低い定数Kは非常に低い速度論を示している)。
低架橋を示す非常に小さいΔトルクによって明らかに示されるように、酸化銅を含む組成物T3が加硫を活性化することを可能にしないことも認められる(定数Kは、急速であるが、少しの結合しか含まない速度論を示している)。
銅カルボキシレートを含む本発明の種々の組成物、C1〜C4が加硫を効果的に活性化することを可能にすることが認められる(Δトルクは酸化亜鉛を含有する組成物T1に匹敵し、その他の対照組成物及び先行技術組成物より非常に大きく、速度論定数Kと同様に、加硫の効果的な活性化を示すことが明らかである)。ジルコニウムカルボキシレートのように、酸化銅(II)が加硫を活性化することを可能にしなかったことを認めた後に、このことは更に驚くべきことと思われる。

Claims (13)

  1. 著しく減少した量の亜鉛を含むかあるいは亜鉛を含まない少なくとも1つのジエンエラストマーに基づくゴム組成物であり、かつ前記亜鉛量が0.5phe未満(pheはエラストマー100部に対する部を表す)であり、更に:
    - 少なくとも1つの補強充填剤;
    - 式: (RCOO)2Cu
    (式中、Rは、炭素原子1〜20個を有する直鎖又は分枝鎖、環状又は非環状アルキル、炭素原子1〜20個を有するアリール、アラルキル又はアルカリールより選ばれる炭化水素ベースの基を表す)
    の銅(II)カルボキシレートを含む、少なくとも1つの硫黄ベースの架橋系
    に基づく、前記組成物。
  2. Rが、炭素原子1〜13個を有する炭化水素ベースの基を表す、請求項1に記載の組成物。
  3. 亜鉛を含まない、請求項1に記載の組成物。
  4. 銅カルボキシレートが、酢酸銅である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 銅カルボキシレートが、2-エチルヘキサン酸銅である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 銅カルボキシレートが、ノナン酸銅である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 銅カルボキシレートが、ラウリン酸銅である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  8. ジエンエラストマーが、少なくとも40pheのイソプレンエラストマーを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 補強充填剤が、カーボンブラックを10pheを超える量で含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 補強充填剤が、カーボンブラックを30pheを超える量で含む、請求項9に記載の組成物。
  11. 補強充填剤が、カーボンブラックと無機充填剤のブレンドを含む、請求項9又は10に記載の組成物。
  12. 著しく減少した量の亜鉛を含むかまたは亜鉛を含まない、少なくとも1つのジエンエラストマーに基づくゴム組成物であり、かつ前記亜鉛量が0.5phe未満(pheはエラストマー100部に対する部を表す)であるゴム組成物を調製する方法であって、少なくとも1つの補強充填剤、及び式(RCOO)2Cu:
    (式中、Rは、炭素原子1〜20個を有する直鎖又は分枝鎖、環状又は非環状アルキル、炭素原子1〜20個を有するアリール、アラルキル又はアルカリールより選ばれる炭化水素ベースの基を表す)
    の銅(II)カルボキシレートを含む少なく1つの硫黄ベースの架橋系がジエンエラストマーに混練によって組み入れられることを特徴とする、前記方法。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のゴム組成物を含むタイヤ。
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