JP5450090B2 - ポリマレイミド化合物を含有するゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、特にタイヤ或いはタイヤ半製品の製造を意図するゴム組成物及びこのような組成物を熱から保護するために使用し得る加硫戻り防止剤に関する。
硫黄によるゴムの加硫或いは架橋の発見以来、硫黄を除く基本的プロセスに多くの改善がなされてきたが、硫黄は今日依然としてジエンエラストマーの架橋における工業用観点から重要な成分のままである。加硫の原理は、これらのジエンエラストマーの二重結合との反応によって二つの巨大分子間に硫黄架橋を生成することにある。加硫の注目すべき特性の一つは、この反応が加速作用或いは遅延作用を示す化合物の添加により制御され得る単純性である。硫黄と促進剤のそれぞれのレベルを変化させることによって、特に、加硫効率を制御すると共に異なる構造の硫黄架橋を得ることが可能であり、所定のゴム組成物の場合、生ゴム状態においてもキュア状態においても特性に対する調整が可能になる。
しかしながら、硫黄の加硫は、加硫状態の熱老化のために、得られる加硫物の耐性が制限されることになる欠点が知られている。特に、硫黄から開始して架橋されたジエンエラストマーの加硫物は、温度が初期キュア或いは加硫温度近くの値に達する場合に温度に対する感受性が高い。これにより加硫中に最初に形成される硫黄架橋の密度の低下が生じ、加硫網目構造の分配が短縮、即ち、モノスルフィド架橋を使ってポリスルフィド架橋の減少の方向に変化する。“加硫戻り”の用語によって知られるこの現象は、加硫物の機械的特性の劣化を伴う。
その結果、ゴム組成物において、加硫物を熱的に安定化することを可能にする加硫戻り防止剤として知られる特定の添加剤を用いることによりこの加硫戻りの現象を最低限度で除去する試みがなされてきた。これらの加硫戻り防止剤は、現在、特にタイヤの分野において、最適熱安定性が求められている研究の重要な領域を構成している。
加硫戻り防止剤の広範囲に記載された系統群は、マレイミド化合物、より具体的にはビスマレイミド又はビスシトラコンイミドから構成され、単独で又は他の化合物と組み合わせて用いられる(例えば、EP 191 931又はUS 4 803 250、EP 640 114又はWO93/23467、EP 703 943又はUS 5 872 188、EP 709 234又はUS 5 503 940、EP 823 453又はUS 6 079 468、EP 988 999、US 5 328 636、US 5 616 279、US 5 623 007、WO92/07904又はUS 5 426 155、WO95/16738、出願JP2001-226528を参照のこと)。
出願人は、過去に、ある極めて特定のマレイミド化合物が、上述のビスマレイミド又はビスシトラコンイミドと比較して加硫戻りに対する抵抗が改善された加硫物を与えることを可能にすることを予想外に発見した。これらのマレイミド化合物は、シトラコンイミドマレイミド(WO 2005/026250)及びイタコンイミドマレイミド(WO 2006/099985)であり、いずれの場合においても、一部にはシトラコンイミド官能基、他のものにはイタコンイミド官能基と組み合わせたマレイミド官能基を有する。
出願人は、すでに知られている化合物とは異なる化合物であり、且つ、マレイミド官能基のみによる他の極めて特定のマレイミド化合物が、加硫物の加硫戻りのレベルを著しく低下させるための共助剤(coagent)の存在を必要とせずに、上述のビスマレイミドと比較して加硫戻りに対する抵抗を改善した加硫物を与えることを可能にすることを発見した。
その結果、本発明の第一の態様は、少なくとも一つのジエンエラストマー、一つの補強用充填剤、一つの硫黄ベースの加硫系及び一つのマレイミド化合物に基づくタイヤの製造に使用し得るゴム組成物であって、前記マレイミド化合物が、下記式(I):
Figure 0005450090
(式中、
- R1、R2、R3及びR4は、同一か又は異なる炭化水素基であり、
- nは、0又は1であり、n=0である場合には、Xは窒素原子であり、n=1である場合には、Xは炭素原子又はケイ素原子である)
のポリマレイミドであることを特徴とする、前記組成物である。
出願人が知る限りでは、このようなポリマレイミド化合物は、この化合物を包含する一般式が上述の特許文献の一部のあちらこちらで示されていても、これまで決して特にタイヤの製造に使用し得るゴム組成物に用いられていない。
本発明の他の態様は、タイヤの製造に使用し得るとともに加硫戻りに対する抵抗が改良されたゴム組成物を調製する方法であり、この組成物は、ジエンエラストマー、補強用充填剤及び硫黄ベースの加硫系に基づき、前記方法は、以下の段階:
・第一“非生産”段階の間にジエンエラストマーに少なくとも一つの補強用充填剤を組み込む段階であって、合わせた混合物が、110℃〜190℃の最高温度に達するまで、一つ以上の進行で、熱機械的に混練される段階;
・合わせた混合物を100℃未満の温度に冷却する段階;
・続いて第二“生産”段階の間に加硫系を組み込む段階;
・合わせた混合物を110℃未満の最高温度まで混練する段階
を含み、また、式(I)のポリマレイミド化合物が、更に、方法の段階のいずれか一つの間に組み込まれることを特徴とする。
本発明の他の態様は、いかなる自動車路面接触系、例えば、タイヤ、タイヤに対する内部安全支持体、ホイール、ラバースプリング、エラストマージョイント、他のサスペンション要素、振動ダンパーも意図したゴムでできた仕上り製品又は半製品の製造のための本発明の組成物の使用である。
本発明の非常に具体的な態様は、これらのタイヤを意図したゴムでできたタイヤ又は半製品の製造のための本発明の組成物の使用であり、これらの半製品は、好ましくは、タイヤの上述の領域間の結合又は境界面を与えることを意図した、トレッド、クラウン補強プライ、サイドウォール、カーカス補強プライ、ビーズ、プロテクター、アンダーレイヤー、ゴムブロック及び他の内部ゴム、特にデカップリングゴムからなる群より選ばれる。
本発明の他の態様は、本発明のエラストマー組成物を含む場合、それ自体ゴムでできた仕上り製品や半製品、特にタイヤやタイヤの半製品である。本発明のタイヤは、特に、バン、大型車、即ち、地下鉄、バス、ヘビーロード輸送車(トラック、トラクタ、トレーラ)又はオフロード車、農業用大型車両又は地ならし機、飛行機、及び他の運搬用車両又は操作車両より選ばれる産業車両としての乗用車を意図する。
本発明及びその利点は、以下の説明及び例示的実施態様を考慮して容易に理解されるであろう。
I. 測定及び用いられる試験
以下に示されるように、ゴム組成物をキュア前後に確認する。
I-1. ムーニー可塑性
フランス規格NF T 43 005(1991)に記載される振動コンシストメータを使う。ムーニー可塑性の測定は、以下の原理に従って行われる: 生ゴム状態(即ち、キュア或いは加硫の前)の組成物を100℃に加熱される円筒形チャンバ内で成形する。1分間予熱した後、ローターが2回転/分で試験片の中で回転し、この運動を維持するワーキングトルクを4分間回転させた後に測定する。ムーニー可塑性(ML 1+4)を、“ムーニー単位”(MU、1 MU = 0.83 N.mによる)で表す。
I-2. スコーチ時間
測定はフランス規格NF T 43-005(1991)に準じて130℃で行われる。時間の関数としてのコンシストメトリック・インデックスの変化は、分で表される、パラメーターT5(大きいローターの場合)により上記規格に準じて評価され且つこのインデックスについて測定される最小値より5単位を超えるコンシストメトリック・インデックス(MUで表される)の増加を得るのに必要な時間であると定義される、ゴム組成物のスコーチ時間を求めることを可能にする。
I-3. レオメトリー
測定は、規格DIN 53529-パート3(1983年6月)に準じて振動ディスクレオメータにより150℃で行われる。時間の関数としてのレオメータトルクの変化は、加硫反応の結果としての組成物の剛性化の変化を記載する。測定は、規格DIN 53529-パート2(1983年3月)に準じて処理される: dN.m(デシニュートンメートル)で測定される最小と最大のトルクはそれぞれCminとCmaxと呼ばれる; 加硫収率を評価することを可能にする、CmaxとCmin間のΔトルク(dN.m)として記録される差も測定する。
特にことわらない限り、以下(項I-4)に示される機械的特性は、“キュア最適”時に測定されるもの、即ち、既知のように、特定のキュア温度に対して、最大レオメータトルクCmaxに達するのに最少限のキュア時間後に得られるものである。
I-4. 引張試験
これらの試験は、弾性応力と破断時の特性を求めることを可能にする。特にことわらない限り、これらは1988年9月のフランス規格NF T 46-002に準じて行われる。公称割線モジュラス(又は見掛応力、MPa)を、10%伸び(EM10として記録)、100%伸び(EM100として記録)及び300%伸び(EM300として記録)における第二の伸び(即ち、測定自体について予想される伸長度に対する適応サイクル後)で測定する。すべてのこれらの引張測定は、フランス規格NF T 40-101(1979年12月)に準じて温度(23±2℃)と湿度(相対湿度50±5%)の標準条件下で行われる。
I-5. 加硫戻りの測定
加硫戻りは、異なる方法に従って分析することができ、目標は、間接的に、“最適時の”(最大トルクCmaxに対応する)キュアと長期キュアとの間の硫黄架橋の密度の変化を求めることである。
第一方法は、レオメータトルクの変化(低下)を測定することからなる: パラメーターΔR60とΔR180は、Cmaxと特定のキュア温度(例えば、150℃)でそれぞれ60分或いは180分間加硫した後に測定したトルクとの間のトルクの変化%を表す。パラメーターΔR60とΔR180が大きいほど、加硫戻り現象がより著しい。
第二方法は、上述のEM100或いはEM300モジュラスの変化(減少)を測定することからなる: パラメーターΔEM100とΔEM300は、特定のキュア温度(150℃)で、キュア最適時(Cmax)と6時間キュアした後に測定されるそれぞれのモジュラスの変化%に対応する。パラメーターΔEM100或いはΔEM300が大きいほど、加硫戻り現象がより著しい。
II. 本発明を実施する条件
本発明のゴム組成物は、上述の式(I)の少なくとも一つ(即ち、一つ以上)のジエンエラストマー、一つの(一つ以上)の補強用充填剤、一つ(一つ以上)の架橋系及び一つ(一つ以上)のポリマレイミド化合物に基づく。
当然、表現“に基づく”組成物は、用いられる種々の成分の反応混合物及び/又は生成物を含む組成物を意味すると理解されるべきであり、これらのベース成分の一部は、組成物の種々の製造段階の間に、特に加硫の間に、少なくとも部分的に、反応することができるか又は相互に反応することを意図する。
本説明において、特にことわらない限り、示したパーセント(%)はすべて質量%である。
II-1. ジエンエラストマー
用語“ジエン”エラストマー或いはゴムは、既知のように、ジエンモノマー(モノマーは共役であっても共役でなくても二つの炭素-炭素二重結合をもつ)から少なくとも部分的に(即ち、ホモポリマー或いはコポリマー)得られるエラストマーを意味すると理解される。
これらのジエンエラストマーは、二つの種類:“本質的に不飽和の”或いは“本質的に飽和された”に分類され得る。
用語“本質的に不飽和の”は、一般的には、15%(モル%)より多いジエン由来(共役ジエン)の単位のレベルを有する共役ジエンモノマーから少なくとも部分的に得られるジエンエラストマーを意味すると理解される。
従って、それは、例えば、ブチルゴム又はジエンとEPDMタイプのα-オレフィンのコポリマーのようなジエンエラストマーが前の定義に包含されず且つ“本質的に飽和された”ジエンエラストマー(低い又は非常に低いレベルのジエン由来単位、常に15%未満)として特に記載され得るものである。
“本質的に不飽和の”ジエンエラストマーの種類において、用語“高度に不飽和の”ジエンエラストマーは、特に、50%より多いジエン由来(共役ジエン)単位のレベルを有するジエンエラストマーを意味すると理解される。
これらの定義を考慮すれば、本発明の組成物に使うことができる用語ジエンエラストマーは、より詳細には、以下を意味すると理解される:
(a) - 炭素原子4〜12個を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られるあらゆるホモポリマー;
(b) - 一つ以上の共役ジエンの相互と又は炭素原子8〜20個を有する一つ以上のビニル芳香族化合物との共重合によって得られるあらゆるコポリマー;
(c) - エチレンと、炭素原子3〜6個を有するα-オレフィンと炭素原子6〜12個を有する非共役ジエンモノマーとの共重合によって得られる三元コポリマー、例えば、エチレンとプロピレンと上記タイプの非共役ジエンモノマー、例えば、特に、特に1,4-ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン又はジクロロペンタジエンから得られるエラストマー;
(d) - イソブテンとイソプレンのコポリマー(ブチルゴム)、また、この種のコポリマーのハロゲン化変形例、特に、塩素化或いは臭素化変形例。
これはいかなるタイプのジエンエラストマーにも適用するが、タイヤの当業者は、本発明はまず第一に、特に上記タイプ(a)又は(b)の、本質的に不飽和のジエンエラストマーと使われることを理解するであろう。
以下のものは、特に共役ジエンとして適切である: 1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジ(C1-C5アルキル)-1,3-ブタジエン、例えば、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン又は2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエン、アリール-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン又は2,4-ヘキサジエン。以下のものは、例えば、ビニル芳香族化合物として適切である: スチレン、オルト-、メタ-又はパラ-メチルスチレン、市販の“ビニルトルエン”混合物、パラ-(tert-ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン又はビニルナフタレン。
コポリマーは、99質量%〜20質量%のジエン単位と1質量%〜80質量%のビニル芳香族単位を含むことができる。エラストマーは、用いられる重合条件、特に変性剤及び/又はランダム化剤の有無や使われる変性剤及び/又はランダム化剤の量によってはいかなる微細構造も持ち得る。エラストマーは、例えば、ブロック、ランダム、連続又はミクロ連続エラストマーであり得、分散液として又は溶液として調製することができる; これらは、カップリング剤及び/又は星型枝分れ剤又は官能基化剤によってカップリング及び/又は星型枝分れ又は官能基化され得る。
以下のものが、適切である: ポリブタジエン、特に4%〜80%の1,2-単位の含量を有するもの又は80%を超えるシス-1,4-単位の含量を有するもの、ポリイソプレン、ブタジエン/スチレンコポリマー、特に5質量%〜50質量%、より詳しくは20%〜40%のスチレン含量、4%〜65%のブタジエン部分の1,2-結合の含量及び20%〜80%のトランス-1,4-結合の含量を有するもの、ブタジエン/イソプレンコポリマー、特に5質量%〜90質量%のイソプレン含量及び-40℃〜-80℃のガラス転移温度(Tg、ASTM D3418-82に準じて測定)を有するもの、又はイソプレン/スチレンコポリマー、特に5質量%〜50質量%のスチレン含量及び-25℃〜-50℃のTgを有するもの。ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーの場合には、5質量%〜50質量%、より詳しくは10%〜40%のスチレン含量、15質量%〜60質量%、より詳しくは20%〜50%のイソプレン含量、5質量%〜50質量%、より詳しくは20%〜40%のブタジエン含量、4%〜85%のブタジエン部分の1,2-単位の含量、6%〜80%のブタジエン部分のトランス-1,4-単位の含量、5%〜70%のイソプレン部分の1,2-単位と3,4-単位の含量及び10%〜50%のイソプレン部分のトランス-1,4-単位の含量を有するもの、より一般的には-20℃〜70℃のTgを有するいかなるブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーも特に適切である。
要するに、本発明の組成物のジエンエラストマーは、好ましくは、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー及びこれらのエラストマーのブレンドからなる高度に不飽和のジエンエラストマーの群より選ばれる。このようなコポリマーは、好ましくは、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)及びイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)からなる群より選ばれる。
特に好ましい実施態様によれば、ジエンエラストマーは主に(即ち、50pceを超える)SBR、エマルジョンとして調製されるSBR(“ESBR”)も溶液として調製されるSBR(“SSBR”)も、又はSBR/BR、SBR/NR(又はSBR/IR)又はBR/NR(又はBR/IR)のブレンドである。SBRエラストマーの場合には、特に、20質量%〜30質量%のスチレン含量、15%〜65%のブタジエン部分のビニル結合の含量、15%〜75%のトランス-1,4-結合の含量及び-20℃〜-55℃のTgを有するSBRが使われ; このようなSBRは、有利には、ブレンドとして用いることができ、BRは、好ましくは90%を超えるシス-1,4-結合を有する。
他の特に好ましい実施態様によれば、ジエンエラストマーは、主に(50pceを超える)イソプレンエラストマーである。これは、特に、本発明の組成物が、タイヤにおいて、特定のトレッド(例えば、産業車両用)のゴムマトリックス、クラウン補強プライ(例えば、ワーキングプライ、保護プライ又はフーピングプライ)、カーカス補強プライ、サイドウォール、ビーズ、プロテクタ、アンダーレイヤー、ゴムブロック及びタイヤの上述の領域間に境界面を与える他の内部ゴムを構成することを意図する場合の例である。
本発明の組成物は、例えば、有利には、前記タイヤの二つの異なる部分との間に機械的デカップリングを与える役割を有するタイヤ(“デカップリング領域”)の領域において、“デカップリングゴム”として使用することができ、これらの領域は、既知のように、加熱、従って、加硫戻りの最大のリスクにさらされる。これらは、また、有利には、ランフラットタイヤのサイドウォールを剛性化するために用いられる円環状ゴムプロファイル要素を構成することができる(一例として、US 5 427 166を参照のこと)。
用語“イソプレンエラストマー”は、既知のように、イソプレンホモポリマー又はコポリマー、言い換えれば、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、イソプレンの種々のコポリマー及びこれらのエラストマーのブレンドからからなる群より選ばれるジエンエラストマーを意味すると理解される。特に、イソブテン/イソプレンコポリマー(ブチルゴム - IIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)又はイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)、イソプレンコポリマーが挙げられる。このイソプレンエラストマーは、好ましくは天然ゴム又は合成シス-1,4-ポリイソプレンであり; これらの合成ポリイソプレンの中で、好ましくは90%を超えるシス-1,4-結合、好ましくは98%を超えるレベル(モル%)を有するポリイソプレンが挙げられる。
本発明の他の好ましい実施態様によれば、特に、タイヤ側壁或いはチューブレスタイヤ(又は他の空気不透過性成分)の気密内部ゴムを意図する場合に、本発明の組成物は、少なくとも一つの本質的に飽和のジエンエラストマー、特に少なくとも一つのEPDMコポリマー又は一つのブチルゴム(必要により、塩素化或いは臭素化されてもよい)を、これらのコポリマーが単独で或いは上で述べたように高度に不飽和のジエンエラストマー、特にNR又はIR、BR又はSBRとのブレンドとして用いられるとしても含むことができる。
本発明の組成物は、単一のジエンエラストマー或いはいくつかのジエンエラストマーのブレンドを含むことができ、ジエンエラストマー或いはジエンエラストマー以外のいかなるタイプの合成エラストマーと、実際にはエラストマー以外のポリマー、例えば、熱可塑性ポリマーとさえも組み合わせて用いられるエラストマーが可能である。
II-2. 補強用充填剤
タイヤの製造に使用し得るゴム組成物を補強する能力が知られるあらゆるタイプの補強用充填剤、例えば、カーボンブラックのような有機充填剤、又はシリカのような補強用無機充填剤を使うことができ、この第二の場合には、カップリング剤が関連する。
慣用的にタイヤに用いられる(“タイヤグレード”ブラック)すべてのカーボンブラック、特にHAF、ISAF又はSAFタイプのブラックがカーボンブラックとして適切である。より詳しくは、カーボンブラックの中で、100、200又は、300シリーズ(ASTMグレード)、例えば、N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347又はN375ブラック、又は目標とされる適用によっては、高級シリーズのブラック(例えば、N660、N683又はN772)の補強用カーボンブラックが挙げられる。
用語“補強用無機充填剤”は、ここでは、既知のように、カーボンブラックとは対照的に、“白色”充填剤、“淡色”充填剤又は“非黒色”充填剤としてさえも知られる、着色と由来(天然又は合成)が何であっても、いかなる無機或いはミネラル充填剤を意味すると理解されるべきであり、この無機充填剤は、それ自体単独で、中間カップリング剤以外の手段を含めずに、タイヤの製造を意図するゴム組成物を補強することができ、言い換えれば、その補強する役割において、従来のタイヤグレードのカーボンブラックを置き換えることができ; このような充填剤は、一般的には、既知のように、その表面におけるヒドロキシル(-OH)基の存在を特徴とする。
シリカタイプ、特にシリカ(SiO2)、又はアルミニウムタイプ、特にアルミナ(Al2O3)のミネラル充填剤は、特に補強用無機充填剤として適切である。シリカは、当業者に知られるいかなる補強用シリカも、特に、BET表面積及びCTAB比表面積がいずれも450m2/g未満、好ましくは30〜400m2/gであるいかなる沈降シリカ或いは発熱性シリカも用いることができる。高度に分散性の沈降シリカ(“HDS”)として、例えば、Degussa製のUltrasil 7000及びUltrasil 7005シリカ、Rhodia製のZeosil 1165MP、1135MP及び1115MPシリカ、PPG製のHi Sil EZ150Gシリカ又はHuber製のZeopol 8715、8745及び8755シリカが挙げられる。補強用アルミナの例として、Baikowski製の“Baikalox”“A125”又は“CR125”アルミナ、Condea製の“APA-100RDX”アルミナ、Degussa製の“Aluminoxid C”アルミナ又はSumitomo Chemicals製の“AKP-G015”アルミナを挙げることができる。
補強用無機充填剤をジエンエラストマーにカップリングするために、周知のように、無機充填剤(その粒子の表面)とジエンエラストマーとの間の化学的及び/又は物理的性質の満足な結合を与えることを意図する少なくとも二官能性カップリング剤(又は結合剤)、特に二官能性オルガノシラン又はポリオルガノシロキサンが使われる。
全補強用充填剤(カーボンブラック及び/又は補強用無機充填剤)のレベルは、好ましくは10〜200pce、好ましくは20〜150pce (エラストマー100部当たりの質量部)であり、最適は目標とされる適用によって異なり: 例えば、自転車タイヤに関して予想される補強のレベルは、既知のように、高速で持続する方法で走行ができるタイヤ、例えば、オートバイタイヤ、乗用車のタイヤ又は大型車両のような商用車のタイヤに関して必要とされるより著しく少ない。
II-3. 加硫戻り防止剤
本発明のゴム組成物は、加硫戻り防止剤として、以下の式(I):
Figure 0005450090
(式中、
- R1、R2、R3及びR4は、同一か又は異なる炭化水素基であり、
- nは、0又は1であり、n=0である場合には、Xは窒素原子であり、n=1である場合には、Xは炭素原子又はケイ素原子である)
に対応する少なくとも三つのマレイミド官能基を含むポリマレイミド化合物を用いる新規な本発明の特性を有する。
好ましくは、R1、R2、R3及びR4基は、炭素原子1〜25個を含み、必要により、O、N、S、Si及びPより選ばれる一つ以上のヘテロ原子を含んでもよい。
好ましくは、R1、R2、R3及びR4基は、炭素原子1〜20個を有するアルキレン、炭素原子6〜24個を有するシクロアルキレン、炭素原子6〜18個を有するアリーレン及び炭素原子7〜25個を有するアラルキレンからなる群より選ばれ、アルキレン基が分枝され、O、N、S、Si及びPより選ばれる一つ以上のヘテロ原子が割り込むことが可能である。
本発明の好ましい実施態様によれば、R1、R2及びR3基は、アルキレンであり、nが0である場合には、Xは窒素原子である。より詳しくは、R1、R2及びR3基は、好ましくはエチレンであり、ポリマレイミドは、好ましくはトリス(2-マレイミドエチル)アミンが選ばれる。
式(I)のポリマレイミドは、0.1〜10pceの好ましいレベルで本発明の組成物に存在する。示される最低限度より下回ると、目標とされる技術的作用は不十分なものとなり、示される最高限度より上回ると、組成物は、生ゴム状態における可塑化や加硫状態における過度の剛性化の二倍のリスクを受け入れる。すべてのこれらの理由のために、好ましくは0.2〜5pceの範囲内のレベルが使われる。0.2〜3pceの範囲にある量が、タイヤ適用に特に適していることがわかった。
II-4. 加硫系
適当な加硫系は、硫黄(或いは硫黄供与剤)及び第一加硫促進剤に基づく。続いて記載される第一非生産相の間及び/又は生産相の間に組み込まれる、種々の既知の第二促進剤又は加硫活性化剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸又は等価化合物、又はグアニジン誘導体(特にジフェニルグアニジン)もこのベース加硫系に追加される。
本発明の好ましい実施態様に従って、本発明の組成物がタイヤ内部ゴム、特にデカップリングゴムを構成することを意図する場合、硫黄は、0.5〜10pce、好ましくは1〜8pce、特に1〜6pceの好ましいレベルで用いられる。
第一加硫促進剤は、その部分については、0.5〜10pce、好ましくは0.5〜5.0pceの好ましいレベルで用いられる。
このような促進剤は、組成物が早期加硫(“スコーチ”)の危険がなく成形され得る最低安全期間(“スコーチ時間”)を保持しつつ、工業的に許容され得る時間内にゴム組成物を架橋させなければならないことは既知である。
硫黄の存在下でジエンエラストマー用の加硫促進剤として作用することができるいかなる化合物も用いることができる。
チアゾールタイプ及びそれらの誘導体の促進剤が特に適切である。好ましいチアゾール及び誘導体促進剤は、特に2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアジルジスルフィド、N-シクロヘキシル-2- ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンイミド、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾールスルフェンイミド及びこれらの化合物の混合物からなる群より選ばれる。
チウラムの系統群及びジチオカルバミン酸亜鉛誘導体の化合物もまた、促進剤として適切である。チウラムタイプの促進剤は、特にテトラメチルチウラムスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラ(イソブチル)チウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド及びこれらの化合物の混合物からなる好ましい群より選ばれる。これらの中で好ましくはテトラベンジルチウラムジスルフィドが選ばれる。
チアゾールタイプ又はチウラムの系統群の促進剤は、すでに前述した、特に特許出願WO 2005/026250に更に詳細に記載されている。
本発明の組成物に使用し得る促進剤の他の例として、ジチオカルバミン酸亜鉛、特に、テトラメチルジチオカルバミン酸亜鉛、テトラエチルジチオカルバミン酸亜鉛及びテトラベンジルジチオカルバミン酸亜鉛が挙げられる。これらの中で、好ましくは、テトラベンジルジチオカルバミン酸亜鉛が選ばれる。
まとめると、本発明の組成物に用いられる第一加硫促進剤は、好ましくは、2-メルカプトベンゾチアジルジスルフィド(“MBTS”と略記される)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(“CBS”と略記される)、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(“DCBS”と略記される)、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(“TBBS”と略記される)、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾールスルフェンイミド(“TBSI”と略記される)及びこれらの化合物の混合物からなる群より選ばれる。
II-5. 種々の添加剤
当然、本発明の異性体組成物は、また、タイヤ製造を意図したゴム組成物に用いられる通常の添加剤、例えば、可塑剤又は伸展油、後者は種類が芳香族にしても非芳香族にしても、顔料、アンチオゾンワックスのような保護剤、化学オゾン劣化防止剤、抗酸化剤、抗疲労剤、接着促進剤、カップリング活性化剤、強化用樹脂、メチレン受容体及び/又は供与体、実際には他の加硫戻り防止剤、例えば、従来のビスマレイミド又はビスシトラコンイミドものすべて又は一部を含むことができる。
好ましくは、これらの組成物は、好ましい非芳香族或いは非常にわずかに芳香族の可塑剤として、ナフテン油、パラフィン系オイル、MES油、TDAE油、グリセロールエステル(特にトリオレエート)、Tg値が高い(好ましくは30℃を超える)ことが好ましい可塑化炭化水素樹脂及びこのような化合物の混合物からなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物を含む。
用いられる補強用充填剤が無機充填剤である場合には、有利には、このような無機充填剤を被覆するための物質、より一般的には、既知のように、ゴムマトリックスにおける無機充填剤の分散の改善及び組成物の粘度の低下によって、生ゴム状態のこれらの処理特性を改善することを可能にする処理助剤を使うことができる。
II-6. ゴム組成物の調製
組成物は、当業者に周知の二つの連続調製相: 高温、110℃〜190℃、好ましくは130℃〜180℃の最高温度までの熱機械的作業又は混練の第一相(“非生産”相)に続いてより低温まで、典型的には110℃未満、例えば、40℃〜100℃の機械的作業(“生産”相)の第二相、加硫系が組み込まれる仕上げ相を用いて適切なミキサーにおいて製造される。
加硫戻りに対する抵抗を改善したゴム組成物を調製する本発明の方法は、以下の段階:
・第一(“非生産)”段階の間にジエンエラストマーに少なくとも一つの補強用充填剤を組み込む段階であって、合わせた混合物を、110℃〜190℃の最高温度に達するまで、一つ以上の進行で、熱機械的に混練する、前記段階;
・合わせた混合物を100℃未満の温度に冷却する段階;
・続いて第二“生産”段階の間に加硫系を組み込む段階;
・合わせた混合物を110℃未満の最高温度まで混練する段階を含み、また、上記式(I)のポリマレイミド化合物が、更に、方法の段階のいずれか一つの間に組み込まれることを特徴とする。
一例として、非生産相は、単一の熱機械的段階に行われ、第一工程で、すべての必要なベース成分(ジエンエラストマー、補強用充填剤及びカップリング剤、必要ならば、ポリマレイミド化合物の必要によりすべて又は一部)を適切なミキサー、例えば、正常な内部ミキサーに導入し、続いて、第二工程で、例えば、1〜2分間混練した後に、加硫系を除く他の添加剤、選択的な被覆剤又は処理助剤を更に導入する。この非生産相における混練の全持続期間は、好ましくは1〜15分間である。
このようにして得られた混合物を冷却した後、加硫系とポリマレイミド化合物(適切である場合には、すべて又は残りの部分)を低温(例えば、40℃〜100℃)に維持した外部ミキサー、例えば、オープンミルに組み込む。その後、合わせた混合物を、数分間、例えば、2〜15分間混合する(生産相)。
このようにして得られた最終の組成物は、続いて、タイヤの構造の一部を形成することを意図した織物又は金属補強要素で強化されてもされなくても、例えば、シートの形に、カレンダー操作するか、或いは押出して、例えば、タイヤ半製品、例えばプライ、バンド、アンダーレイヤー、種々のゴムブロックの製造に用いられるゴムプロファイル要素を形成することができる。
加硫(或いはキュア)は、既知のように、一般的には130℃〜200℃の温度で、好ましくは圧力下で、特に、キュア温度、採用される加硫系、問題の組成物の加硫速度論によっては、例えば、5〜90分に異なってもよい充分な時間行われ得る。
本発明は、“生ゴム”状態(即ち、キュア前)と“キュア”又は加硫状態(即ち、加硫後)双方における上記ゴム組成物に関する。
III. 本発明の実施態様の例
III-1. ポリマレイミド化合物の調製
以下の実施例に用いられる本発明の式(I)のポリマレイミド化合物は、トリス(2-マレイミドエチル)アミンであり、その合成の一経路がGerhard Kossmehl, Hans-Ingo Nagel & Andreas Pahlによって“Die Angewandte Makromoleculare Chemie, 227, 139-157 (1995)”に記載されている。
III-2. 組成物の調製
下記の試験は、以下のようにして行われる: ジエンエラストマー(又は適切である場合には、ジエンエラストマーのブレンド)及び補強用充填剤(カーボンブラック)を、70%まで充填し約60℃の容器初期温度を有する、“バンブリー”型(容量:約3.5リットル)の慣用の内部パドルミキサーに導入し、次に、1〜2分間の混練した後、加硫系及び加硫戻り防止剤を除く他の種々の成分を導入する。
その後、約160℃の“低下する”最高温度が達されるまで、熱機械的作業(非生産相)を一段階(約5分の混練の全持続期間)に行う。このようにして得られた混合物を回収し、冷却し、次に、加硫系と(組成物中に存在する場合には)加硫戻り剤を、40℃において外部ミキサー(ホモフィシュナ)に添加し、合わせた混合物をこのオープンミルにより3〜4分間混合する(生産相)。
このようにして得られた組成物を、続いて、それらの物理的又は機械的特性の測定のために、ゴムのシート(2〜3mmの厚さ)又は微細シートの形でカレンダー操作するか、又は、押出して、所望の寸法に切断及び/又はアセンブルした後、タイヤ半製品として直接使用し得るプロファイル要素を形成する。
III-3. 評価試験-結果
この試験の目標は、地ならし機タイプタイヤのクラウン補強とラジアルカーカス補強との間に位置するデカップリングゴムを構成することを意図する本発明の組成物の加硫戻りに対する抵抗の改善及び熱安定性の改善を証明することである。
本発明のこの組成物を、加硫防止剤を含む或いは含まない三つの対照組成物と比較し、試験した三つの組成物は、以下の差は別として同一である:
- 組成物T1 : 加硫戻り防止剤を含まない対照;
- 組成物T2 : 従来の加硫戻り防止剤(ビスマレイミド)を含む対照;
- 組成物C1 : 本発明の組成物(トリマレイミド)。
対照組成物T2に用いられるビスマレイミド化合物は、当業者に周知であり且つ以下の特定の式に対応する、メタフェニレンビスマレイミド(“MPBM”と略記される)である:
Figure 0005450090
本発明の組成物C1に用いられるトリスマレイミドが下記の特定の式に対応することは記憶されなければならない:
Figure 0005450090
このように、二つの上記化合物、従って本発明の組成物C1と対照組成物T2とを区別する本質的特性は、種々のマレイミド官能基との間に芳香核の存在のない第三マレイミド官能基の存在である。
二つのマレイミド化合物(ビスマレイミドとトリスマレイミド)は、これらのそれぞれの組成物が相互に等モルレベルで用いられる。
表1は、種々の組成物(種々の生成物のレベル、pceで表される)の配合を示し、表2は、キュア前後の特性、レオメータ的特性及び加硫戻りが測定される種々のパラメーターを示す。組成物の加硫戻りに対する抵抗は、150℃で40分後にレオメータトルクの変化をモニタすることにより評価される。組成物の熱安定性は、100%伸びと300%伸びの公称割線係数の変化によって、キュア最適時の測定の間及び6時間(150℃の温度)の長期キュア後に評価される。
表2を読み取る際に、まず第一に、キュア前の組成物の標準特性が実質的に同一であることがわかる: 測定の正確さの範囲内でムーニー可塑性とスコーチ時間の値が等しい。本発明の組成物C1のレオメータ的特性は、ビスマレイミドを含む対照組成物T2のものに類似している; 後者の組成物T2が対照T1よりレオメータトルクが大きいという事実は、組成物中のビスマレイミドの存在に関係した当業者に知られている現象である。引張モジュラス(EM100、EM300)は、組成物T1に関して加硫戻り物質を含む二つの組成物C1及びT2についてより大きいが、中でも、EM300/EM100比率(既知の補強指数)が三つの組成物について非常に似ている点に注目すべきである。
しかしながら、これは、二つの対照組成物に関して本発明の組成物の利点をすべて証明する加硫戻りを測定するためのパラメーターである。
パラメーターが用いられたとしても(項I-5に示される指示に従って)、組成物C1の熱安定性は、三つの対照T1及びT2に関して認められるより著しく大きく、顕著であることがわかる。
実際に、モジュラスΔEM100とΔEM300のような変化ΔR40は、一方では、加硫戻りの現象が本発明の組成物に関して起こらないが、従来のビスマレイミド(MPBM)の存在にもかかわらず、対照組成物T2に関して比較的顕著なままであり、もう一方では、本発明の組成物に関して経時有意な変化は、一方向にも他の方向にも全く認められないことをすべて非常に明らかに示している。
それ故、このことから、それは本発明のゴム組成物にこの予想外の熱安定性を与えるトリマレイミドの存在であることが結論されるべきである。
表1
Figure 0005450090
(1)天然ゴム(解膠);
(2)N375(Cabot);
(3)酸化亜鉛(工業用グレード、Umicore);
(4)ステアリン(“Pristerene 4931) Uniqema製;
(5)N-(1,3-ジメチルブチル)-N-フェニルパラフェニレンジアミン(“Santoflex 13”Flexsys製);
(6)硫黄(合成硫黄、Solvay製);
(7)N-(t-ブチル)-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(“Santocure TBBS”Flexsys製);
(8)メタフェニレンビスマレイミド(MPBM、Safic Alcan製);
(9)本発明のトリス(2-マレイミドエチル)アミン。
表2
Figure 0005450090

Claims (11)

  1. 少なくとも一つのジエンエラストマー、一つの補強用充填剤、一つの硫黄ベースの加硫系及び一つのマレイミド化合物に基づくタイヤの製造に使用し得るゴム組成物であって、前記マレイミド化合物が、下記式(I):
    Figure 0005450090
    (式中、
    - R1、R2及びR 3 、同一か又は異なる炭素原子1〜20個を有するアルキレン基であり、
    - n=0であり、Xは窒素原子である)
    のポリマレイミドであることを特徴とする、前記組成物。
  2. R1、R2及びR3基が、エチレンである、請求項に記載の組成物。
  3. ポリマレイミドが、トリス(2-マレイミドエチル)アミンである、請求項に記載の組成物。
  4. ジエンエラストマーが、ポリブタジエン、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー及びこれらのエラストマーのブレンドからなる群より選ばれる、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 補強用充填剤が、10〜200pce(ジエンエラストマー100部当たりの質量部)のレベルで存在する、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 補強用充填剤が、シリカ又はカーボンブラックである請求項に記載の組成物。
  7. ジエンエラストマーが、イソプレンエラストマー、又は天然ゴムである、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  8. ポリマレイミドのレベルが、0.1〜10pceである、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 第一加硫促進剤を更に含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  10. タイヤの製造に使用し得るとともに加硫戻りに対する抵抗が改良されたゴム組成物を調製する方法であって、この組成物が、ジエンエラストマー、補強用充填剤及び硫黄ベースの加硫系に基づき、前記方法が、以下の段階:
    ・第一“非生産”段階の間にジエンエラストマーに少なくとも一つの補強用充填剤を組み込む段階であって、合わせた混合物が、110℃〜190℃の最高温度に達するまで、一つ以上の進行で、熱機械的に混練される、前記段階;
    ・合わせた混合物を100℃未満の温度に冷却する段階;
    ・続いて第二“生産”段階の間に加硫系を組み込む段階;
    ・合わせた混合物を110℃未満の最高温度まで混練する段階
    を含む、前記方法であって、下記式(I):
    Figure 0005450090
    (式中、
    - R1、R2、及びR3は、同一か又は異なる炭素原子1〜20個を有するアルキレン基であり、
    - n=0であり、Xは窒素原子である)
    のポリマレイミド化合物が、更に、方法の段階のいずれか一つの間に組み込まれることを特徴とする、前記方法。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物を含む自動車路面接触系を意図した仕上り製品又は半製品。
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